JP2007064117A - 蒸発燃料処理システムの故障診断装置及び故障診断方法 - Google Patents

蒸発燃料処理システムの故障診断装置及び故障診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料タンクの孔明き等の故障が発生している場合に、その孔の大きさを正確に認識し、特に、孔の大きさが比較的大きいことを正確に認識可能とする蒸発燃料処理システムの故障診断装置及び故障診断方法を提供する。
【解決手段】 エンジンの運転中に、OBD用ポンプモジュール17の切り替え弁を大気開放状態とし且つパージVSV14aを閉鎖する状態と、切り替え弁17fを大気遮断状態とし且つパージVSV14aを開放する状態とを所定時間毎に交互に切り換え、その切り換え動作に伴う系内の圧力変化をシステム内圧センサによって検知する。検知した圧力変化を微分処理し、その微分値が所定の閾値を越えているか否かによってキャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生しているか否かを判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料タンク(例えば自動車用燃料タンク)内で発生する蒸発燃料を処理するためのシステム(所謂キャニスタシステム)に備えられた故障診断装置及びその故障診断装置によって実行される故障診断方法に係る。特に、本発明は、燃料タンク等に生じている孔明きや亀裂やシール不良等(以下、これらを「故障」と呼ぶ)を正確に検出するための改良に関する。
従来より、自動車用エンジンの燃料供給系には、燃料タンク内で発生した蒸発燃料が大気中に放出されることを防止するためのキャニスタシステム(蒸発燃料処理システム)が備えられている。この種のキャニスタシステムでは、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を一時的にチャコールキャニスタ(以下、単にキャニスタという)に吸着保持しておき、所定のパージ条件が成立すると、エンジン吸気系の吸入負圧によってキャニスタ内の蒸発燃料をエンジンの吸気管に導入(パージ)するようになっている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
この特許文献1に開示されているキャニスタシステムは、燃料タンクとキャニスタとを接続するベーパ配管、キャニスタとエンジンの吸気管とを接続するパージ配管、キャニスタ内を大気に連通させる大気導入配管を備えている。
また、上記パージ配管には、吸気管への蒸発燃料の流量を制御するための電動弁で成るパージ制御弁(以下、パージVSV(Vacuum Switching Valve)という)が備えられている。更に、大気導入配管にはOBD用ポンプモジュールが備えられている。このOBD用ポンプモジュールは、キャニスタ内への大気圧の導入/非導入を切り替える切り替え弁(以下、CCV(Canister Closed Valve)という)と、故障診断時等においてキャニスタシステム内に負圧を作用させるための電動ポンプとを備えている。
そして、上記パージVSV及びCCVの開閉制御としては、エンジン停止中や給油中は、パージVSVを閉状態にする一方、CCVを開状態にする。これにより、キャニスタ内圧を大気圧にし、燃料タンク内とキャニスタ内との圧力差により燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに導入可能とする。また、エンジン運転中には、CCVを開状態にしながらパージ条件の成立に伴いパージVSVの開閉制御動作を行う。これにより、キャニスタ内と吸気管内との圧力差によりキャニスタ内の蒸発燃料を吸気管に導入する。尚、CCVを閉状態にするタイミングとしては、例えば後述する故障診断動作の実行時などが挙げられる。
ところで、この種のキャニスタシステムにおいて、燃料タンクやキャニスタ等に孔明きや亀裂やシール不良といった故障が生じている場合には、その故障発生箇所から蒸発燃料が外部に漏れ出てしまう。また、自動車製造工程における配管の誤組み付け等がある場合にも蒸発燃料が漏れ出てしまう可能性がある。
このため、この種のキャニスタシステムにおいては、これら蒸発燃料の漏れ原因となる箇所の存在を速やかに発見することが重要である。
この故障発見のための従来の一般的な手法として、以下の特許文献2に開示されている故障診断動作が行われている。この特許文献2に開示されている故障診断動作は、先ず、上記燃料タンク及びキャニスタを含む系内を外気から遮断した状態(例えば上記CCVの閉状態)でこの系内に負圧(エンジン吸気系の吸入負圧)を導入する。そして、系内が所定負圧に達した時点で負圧の導入を停止(上記パージVSVの閉鎖によって系内を密閉)し、その後の系内圧力の変化を圧力センサによって監視する。このとき、上記故障が生じている場合には系内圧力が大気圧付近まで上昇する一方、故障が生じていない場合には系内圧力の負圧状態が維持されるかまたは系内圧力の上昇は僅かとなる。このため、この系内圧力の変化を監視することで故障診断が可能になる。このように、特許文献2に開示されている故障診断動作は、エンジン吸気系の吸入負圧を利用するもの、つまり、エンジン運転中に故障診断を行うものである。
一方、エンジンの停止中であっても故障診断を可能とするものとしては下記の特許文献3に開示されている故障診断動作がある。この特許文献3では、上記大気導入配管に、負圧ポンプを有するリークチェックモジュールを備えさせ、上記負圧ポンプの上流側に大気導入配管をバイパス可能とするバイパス通路を設け、更に、このバイパス通路に基準リーク孔(直径0.5mmの孔)に相当する基準オリフィスを備えさせている。そして、先ず、バイパス通路を大気に連通させた状態で負圧ポンプによって基準オリフィスに負圧を作用させ、そのときに検知された負圧ポンプ吸入側圧力を基準圧力(直径0.5mmの孔が存在する場合の圧力)として記憶する。その後、負圧ポンプ吸入側を燃料タンクに連通させた状態で燃料タンク内に負圧ポンプにより負圧を作用させ、このときの負圧ポンプ吸入側圧力を上記記憶された圧力と比較する。これにより、燃料タンクに孔明き等の故障が生じているか否かを判断するようにしている。
特開2004−156495号公報 特開2003−28009号公報 特開2004−301027号公報
しかしながら、これまでの故障診断動作では、燃料タンクに孔明きが発生している場合に、その孔の大きさまでをも正確に認識することが困難であった。例えば、燃料タンクに比較的小さな孔(例えば直径0.2mm程度)が明いている場合には、早急なメンテナンスは特に必要なく、自動車を整備工場まで走行させることを許容してもよいが、燃料タンクに比較的大きな孔(例えば直径1.0mm程度)が明いている場合には、早急なメンテナンスが必要であり、そのことをドライバに警告することも必要になってくる。
また、上記故障の診断精度に関する法規制も、比較的小さな孔と大きな孔とでは規準が異なっているため、この点からも、燃料タンクに孔明きが発生している場合に、その孔の大きさを正確に認識したいといった要求は大きい。つまり、法規制では、比較的小さな孔に対する規準(孔明き検知の精度)は低い(緩い)のに対し、比較的大きな孔に対する規準(孔明き検知の精度)は高い(厳しい)ものとなっている。この場合、小さな孔と大きな孔とを識別できなければ、小さい孔に対しても、上記大きな孔に対する規準をクリアできるように非常に高い診断精度が要求され、その結果、診断装置のコストの高騰を招くことになる。このため、各規準それぞれを個別にクリアできるように、孔の大きさを正確に認識できることが望ましい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料タンクの孔明き等の故障が発生している場合に、その孔の大きさを正確に認識し、特に、孔の大きさが比較的大きいことを正確に認識可能とする蒸発燃料処理システムの故障診断装置及び故障診断方法を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、内燃機関の運転中に蒸発燃料処理システム内に内燃機関の吸入負圧を導入する状態と大気圧を導入する状態とを交互に切り換え、それに伴うシステム内の圧力変動に基づいて燃料タンクの孔明き等の故障が生じているか否かを判断するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するための蒸発燃料導入経路と、この蒸発燃料導入経路を大気に連通させる状態と非連通とする状態とに切り替え可能な大気側開閉弁と、上記蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入する際に開放するパージ制御弁とを備えた蒸発燃料処理システムの故障を診断する故障診断装置を前提とする。この故障診断装置に対し、上記大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを交互に切り換え、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化に基づいてこの蒸発燃料処理システムにおける孔明き等の故障の有無を診断する診断手段を備えさせている。
この特定事項により、診断手段による故障診断動作において、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態では蒸発燃料処理システム内部に大気圧が導入される一方、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態では蒸発燃料処理システム内部に内燃機関の吸入負圧が作用することになる。この2つの状態を交互に切り換えながら蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を検知して孔明き等の故障の有無を診断するようにしている。つまり、孔明き等の故障が発生していない場合には、上記切り換え動作に伴うシステム内部の圧力変化は急激であるのに対し、孔明き等の故障が発生している場合には、上記切り換え動作を行っても系内の圧力変化は緩慢となる。この差を認識することにより、蒸発燃料処理システムにおける孔明き等の故障の有無を診断することが可能になる。
上記故障の有無を判断するためのより具体的な構成としては以下のものが挙げられる。先ず、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを交互に切り換え、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を越えなかった際に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断するといったものである。
また、他の手法として、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを切り換える動作を複数回に亘って繰り返し、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を上回った回数が所定回数に達しなかった場合に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断するといったものである。
これらの特定事項により、上記閾値を適切に設定することで、任意の孔径に対してその孔明きの有無を判断することが可能になる。つまり、この閾値として、直径1mmの孔明きが生じている際の圧力変動状況に応じた値として予め設定しておけば(例えばベンチテストなどのデータに基づいて閾値を設定する)、この閾値と実際に検知された圧力変化に基づいて得られた微分値とを比較することにより、蒸発燃料処理システムに直径1mmを越える孔明きが生じているか否かを判断することが可能になる。その結果、早急なメンテナンスが必要な状況であるのか否かを迅速に判断することができ、故障の発生状況(孔の大きさ)に応じた対応が可能になる。例えば、自動車を整備工場まで走行させることを許容できる程度の故障であるのか、早急なメンテナンスが必要でありドライバに警告を要する故障であるのかを判別することが可能になる。また、孔の大きさを正確に認識できるため、比較的小さな孔に対する法規制上の規準(孔明き検知の精度)と比較的大きな孔に対する法規制上の規準とをそれぞれ個別にクリアすることが可能になり、故障診断装置のコストの低廉化を図ることもできる。
また、上述のような微分処理によって診断を可能にしたことにより、圧力変動をデジタル信号で扱うことが可能になるため、簡易なデジタル回路でシステムの故障診断が可能になり、故障診断のための構成の簡略化が図れる。
本発明に係る故障診断装置が適用される上記蒸発燃料処理システムの具体構成としては以下のものが挙げられる。つまり、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を一時的に吸着保持するキャニスタを備えていると共に、燃料タンクとキャニスタとを接続するベーパ配管、キャニスタと内燃機関の吸気系とを接続するパージ配管、キャニスタ内を大気に連通させる大気導入配管を備えており、大気側開閉弁は大気導入配管に、パージ制御弁はパージ配管にそれぞれ設けられたものである。
このような構成の蒸発燃料処理システムに故障診断装置を適用した場合、燃料タンクやキャニスタに孔明き等の故障が生じている場合ばかりでなく、ベーパ配管、パージ配管のうちキャニスタとパージ制御弁との間、大気導入配管のうちキャニスタと大気側開閉弁との間に孔明き等の故障が生じている場合にも故障検知が可能である。
尚、上述した故障診断装置によって実行される故障診断方法も本発明の技術的思想の範疇である。具体的には、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するための蒸発燃料導入経路と、この蒸発燃料導入経路を大気に連通させる状態と非連通とする状態とに切り替え可能な大気側開閉弁と、上記蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入する際に開放するパージ制御弁とを備えた蒸発燃料処理システムの故障を診断する故障診断方法を前提とする。この故障診断方法に対し、上記大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを交互に切り換え、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を越えなかった際に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断するようにしている。
また、他の故障診断方法として、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するための蒸発燃料導入経路と、この蒸発燃料導入経路を大気に連通させる状態と非連通とする状態とに切り替え可能な大気側開閉弁と、上記蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入する際に開放するパージ制御弁とを備えた蒸発燃料処理システムの故障を診断する故障診断方法を前提とする。この故障診断方法に対し、上記大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを切り換える動作を複数回に亘って繰り返し、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を上回った回数が所定回数に達しなかった場合に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断するようにしている。
本発明では、内燃機関の運転中に蒸発燃料処理システム内に内燃機関の吸入負圧を導入する状態と大気圧を導入する状態とを交互に切り換え、それに伴うシステム内の圧力変動に基づいて燃料タンクの孔明き等の故障が生じているか否かを判断するようにしている。このため、上記故障が発生している場合に、その孔の大きさを正確に認識し、特に、孔の大きさが比較的大きいことを正確に認識することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、蒸発燃料処理システムとして燃料タンクとキャニスタとを常時連通させる開放式のキャニスタシステムに本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態に係るキャニスタシステム1及びこのキャニスタシステム1が接続するエンジンの吸気系2の概略構成を示す図である。
−吸気系2及び燃料タンク3の構成−
この図1に示すように、エンジン(内燃機関)の吸気系2は、吸気の流れ方向の上流側から順に、エアクリーナ21、吸気管22、サージタンク23、インテークマニホールド24を備えている。また、上記吸気管22内にはスロットルバルブ25が配設されていると共に、上記インテークマニホールド24には燃料噴射弁(インジェクタ)26が取り付けられている。
上記インジェクタ26へ供給するための燃料を貯留している燃料タンク3は、例えば合成樹脂製であって、給油のための給油管31が取り付けられている。この給油管31の給油口31aにはフューエルキャップ32が装着されている一方、燃料タンク内部側の開口31bには逆止弁33が設けられている。また、給油管31における給油口31a近傍位置と燃料タンク3内の上部空間Sとの間は循環配管34によって接続されている。また、この燃料タンク3の内部にはフューエルポンプ35が配設されており、このフューエルポンプ35と上記インジェクタ26との間が燃料供給管36によって接続されている。これにより、フューエルポンプ35の駆動に伴って圧送された燃料がインジェクタ26から各燃焼室に向けて噴射供給されるようになっている。更に、この燃料タンク3の内部には、貯留している燃料の液面を検出するための液面センサ39とが備えられている。
−キャニスタシステム1の構成−
キャニスタシステム1は蒸発燃料を回収するためのキャニスタ11を備えている。このキャニスタ11は、金属製または合成樹脂製の筒型の容器であり、その内部には活性炭等の吸着剤が充填されている。これにより、燃料タンク3内で発生した燃料蒸気を吸着剤が吸着することによって蒸発燃料が大気中に放出されることを防止している。また、このキャニスタ11には、ベーパ通路を構成するベーパ配管12、大気導入通路を構成する大気導入配管13、パージ通路を構成するパージ配管14がそれぞれ接続されている。以下、各配管について説明する。
ベーパ配管12は、燃料タンク3内で発生する燃料蒸気をキャニスタ11内に導入するためのものである。このベーパ配管12の上流端は、燃料タンク3内の燃料液面よりも上方で開放されており、この開放端部にはROV(Roll Over Valve)15が設けられて液相燃料の浸入を防止している。
また、このベーパ配管12には給油弁16が設けられている。この給油弁16は、その開閉に応じて、燃料タンク3とキャニスタ11との間でのベーパの流通を選択的に許容/制限するものである。つまり、燃料タンク3内外の差圧が極端に増大したとき(例えば給油時)には、その給油弁16が開弁されて燃料タンク3内に充満したベーパをキャニスタ11側へと逃がすようにしている。これにより、燃料タンク3内外の差圧を低減して、燃料タンク3を保護している。より具体的に、給油弁16は、ケーシング16a内を、ベーパ配管12の内部空間である圧力室16bと背圧室16cとに区画する可撓性のダイヤフラム16dを有して構成されている。また、このダイヤフラム16dには、ベーパ配管12内部に向けて延びる遮断プレート16eが備えられ、この遮断プレート16eによってベーパ配管12の流路が部分的に縮小(流路の直径を2mm程度に縮小)できるようになっている。更に、上記背圧室16cには、ダイヤフラム16dを圧力室16b側に向けて付勢するコイルスプリング16fが収容されている。そして、圧力室16bが燃料タンク3の内部に連通していると共に、背圧室16cが後述するOBD用ポンプモジュール17を介して外気に連通する構成となっている。これにより、上記圧力室16bの内圧と背圧室16cの内圧との差圧、すなわち燃料タンク3の内圧と外気の圧力(大気圧)との差圧によるダイヤフラム16dの撓みを利用して、ベーパ配管12を流れるベーパの流通を許容/制限するようになっている。例えば圧力室16bの内圧が背圧室16cの内圧よりも所定圧以上(コイルスプリング16fの付勢力以上)高くなったときに給油弁16を開弁させることで、上記のような給油時の燃料タンク3の内圧上昇を抑制できるようになっている。
大気導入配管13は、キャニスタ11内を大気に連通させるためのものであり、その一端は上記給油管31の給油口31a付近に設けられたフューエルリッド37近傍で開放されている。また、この大気導入配管13の途中にはOBD(On−Boad Diagnostic System)用ポンプモジュール(診断用モジュール)17が設けられている。
図2に示すように、このOBD用ポンプモジュール17は、キャニスタ11の内部に連通するキャニスタ側通路17aと、大気に通じる大気側通路17bとを備えている。大気側通路17bには、電動ポンプ17c及び逆止弁17dを備えるポンプ通路17eが接続している。この電動ポンプ17cは、キャニスタシステム1の故障診断時等において、このキャニスタシステム1内に負圧を導入するためのものである。また、このOBD用ポンプモジュール17は、切り替え弁(CCV:大気側開閉弁)17fとバイパス通路17gとを備えている。切り替え弁17fは、非通電状態(図2(a)に示すOFF状態)でキャニスタ側通路17aを大気側通路17bに連通させ、また、通電により図2(b)に示すON状態となって、キャニスタ側通路17aをポンプ通路17eに連通させるようになっている。また、バイパス通路17gは、キャニスタ側通路17aとポンプ通路17eとを連通させる通路であり、その途中には0.5mm径の基準オリフィス17hを備えている。この基準オリフィス17hは、例えばエンジン停止中にキャニスタシステム1の故障診断を行う際に、配管等に0.5mm径の孔が明いていると想定した場合の基準圧力値を求めるために利用される。更に、このOBD用ポンプモジュール17には、ポンプモジュール圧力センサ17iが組み込まれている。このポンプモジュール圧力センサ17iにより、逆止弁17dの切り替え弁17f側において、ポンプ通路17e内部の圧力を検出できるようになっている。このOBD用ポンプモジュール17を使用したキャニスタシステム1の故障診断動作については後述する。
また、大気導入配管13における上記OBD用ポンプモジュール17よりも大気開放側には大気防塵フィルタ13aが設けられている。
パージ配管14は、キャニスタ11内に吸着されている蒸発燃料を吸気管22に導入するためのものであって、その一端はサージタンク23の上流側に接続されている。このパージ配管14の通路途中には開度調整可能な電動弁で成るパージVSV(パージ制御弁)14aが設けられている。このパージVSV14aは、通常は閉弁されており、エンジン運転中において所定のパージ条件が成立したタイミングで開弁し、これによって、吸気通路22の負圧をキャニスタ11内に作用させるようになっている。
つまり、キャニスタ11内に蒸発燃料が吸着保持されている状態で、上記OBD用ポンプモジュール17の切り替え弁17fをOFF状態にし、且つパージVSV14aを開放すると、キャニスタ11内に吸気管22内の負圧が作用し、また、キャニスタ11内には大気導入配管13から大気が導入され、キャニスタ11内の蒸発燃料が、この大気と共にパージ配管14を経て吸気管22に導入されるようになっている。これにより蒸発燃料の処理が可能になっている。これらの構成により、上記ベーパ配管12及びパージ配管14によって、蒸発燃料を吸気系2に導入するための本発明でいう蒸発燃料導入経路が構成されている。
尚、上記パージVSV14aは、吸気管22への蒸発燃料の流量を制御するための所謂VSV(Vacuum Switching Valve)であって、デューティ制御されることにより開度調整されて吸気管22への蒸発燃料の供給量を調整するようになっている。
また、本実施形態に係るキャニスタシステム1は、ECU4を備えている。このECU4は、車両の駐車中において経過時間を計数するためのソークタイマを内蔵している。また、ECU4には、上述したOBD用ポンプモジュール17の他に、リッドスイッチ41及びリッドオープナー開閉スイッチ42が接続されている。また、リッドオープナー開閉スイッチ42には、ワイヤによりリッド手動開閉装置43が連結されている。
上記リッドスイッチ41は、ユーザにより操作された場合に瞬間的にON出力を発するモメンタリースイッチである。リッドオープナー開閉スイッチ42は、給油口31aを覆うフューエルリッド37を閉じた状態に保持するための機構である。ECU4は、リッドスイッチ41からON出力が発せられると、リッドオープナー開閉スイッチ42に対して、フューエルリッド37の保持解除を要求する。リッドオープナー開閉スイッチ42は、ECU4からリッド開信号を受けた場合、或いは、リッド手動開閉装置43に対して所定の開動作が行われた場合に、フューエルリッド37の保持を一時的に解除する。フューエルリッド37には、板バネによる開方向の付勢力が常に作用している。このため、その保持が解除されると、フューエルリッド37は開状態となる。
−キャニスタシステム1の蒸発燃料処理動作−
次に、上述の如く構成されたキャニスタシステム1における蒸発燃料処理の具体的な動作について説明する。
(1)駐車中
車両の駐車中(エンジンの停止中)は、燃料タンク3内の圧力が給油弁16の作動圧力(ダイヤフラム16dを作動させる圧力)よりも高くならない限り、上記遮断プレート16eによってベーパ配管12の流路は部分的に縮小されている。このため、キャニスタ11へ向かって流れるベーパの量を規制することができ、一時的に大量のベーパがキャニスタ11に流れ込んで、キャニスタ11に吸着しきれなくなるといった状況の発生を回避している。
(2)給油中
車両の停車中(エンジンの停止中)にリッドスイッチ41が操作され、その操作に伴うON信号がECU4に送信されると、ECU4は、リッドオープナー開閉スイッチ42に対してフューエルリッド37の保持を解除する旨の指令を発する。リッドオープナー開閉スイッチ42は、その指令を受けてフューエルリッド37の閉位置での保持を解除する。その結果、フューエルリッド37の開動作が可能となる。
このようにしてフューエルリッド37の開動作が許可されると、このフューエルリッド37が開かれ、次いでフューエルキャップ32が開かれ、燃料の給油が可能になる。
(3)走行中
車両の走行中(エンジンのアイドル運転中を含む)は、所定のパージ条件が成立する場合に、キャニスタ11に吸着されている蒸発燃料をパージさせるための制御が実行される。この制御では、具体的には、OBD用ポンプモジュール17の切り替え弁17fをOFF(図2(a)に示す状態)としてキャニスタ11内を大気に連通させたまま、パージVSV14aがデューティ駆動される。このようにしてパージVSV14aがデューティ駆動されると、吸気管22の吸入負圧がキャニスタ11に導かれる。その結果、大気導入配管13から導入された空気と共に、キャニスタ11内の蒸発燃料が吸気管22にパージされる。
このように、本実施形態に係るキャニスタシステム1では、原則として、キャニスタ11に吸着させる蒸発燃料を、給油の際に燃料タンク3から流出する蒸発燃料だけに限ることができる。このため、キャニスタ11の小型化を図りつつ、良好な排気エミッションを実現し、また、良好な給油性を実現することができるようになっている。
−キャニスタシステム1の故障診断動作−
次に、キャニスタシステム1の故障診断動作、つまり、燃料タンク3やキャニスタ11の孔明き等の故障が生じていないかを診断するための動作について説明する。本実施形態では、燃料タンク3やキャニスタ11に孔明きが生じている場合ばかりでなく、燃料タンク3とキャニスタ11とを接続しているベーパ配管12、キャニスタ11とパージVSV14aとの間のパージ配管14、キャニスタ11とOBD用ポンプモジュール17との間の大気導入配管13に孔明きが生じている場合にも故障診断を行うことができる。更には、これら各箇所の孔明きに限らず、亀裂やシール不良等が生じている場合にも故障診断を行うことができる。以下の説明では、故障として、燃料タンク3やキャニスタ11の孔明きを代表して説明する。
また、本実施形態に係るキャニスタシステム1では、上記OBD用ポンプモジュール17の基準オリフィス17hを利用して燃料タンク3やキャニスタ11に直径0.5mm程度の孔明きが生じているか否かを診断する動作(以下、第1診断動作という)と、燃料タンク3やキャニスタ11に直径1.0mm程度以上の比較的大きな孔明きが生じているか否かを診断する動作(本発明における診断手段による診断動作であって、以下、第2診断動作という)とが実行可能となっている。以下に、各動作について説明する。尚、上記第1診断動作は基本的にはエンジン停止時に実行される(例えばエンジンが停止してから5時間後に実行される)。これに対し、上記第2診断動作は基本的にはエンジン運転中に実行される(例えばエンジン運転中であって所定のパージ条件が成立していない状況での所定時間毎(例えば1時間毎)に実行される)。
(第1診断動作)
第1診断動作が開始されると、先ず、パージVSV14aが閉鎖されている状態で、OBD用ポンプモジュール17の切り替え弁17fをOFF(図2(a)に示す状態)として、電動ポンプ17cを駆動させる。つまり、OBD用ポンプモジュール17のバイパス通路17gを、大気側通路17bを介して大気に連通させ、且つ大気側と電動ポンプ17cとの間に基準オリフィス17hを介在させた状態で電動ポンプ17cを駆動させる。これにより、バイパス通路17gのうち基準オリフィス17hから電動ポンプ17cまでの通路が負圧になり、この負圧がポンプモジュール圧力センサ17iにより検知される。ここで検知される負圧値は、基準オリフィス17hの基準リーク孔径(0.5mm)に対応した基準圧力値として記憶される。
その後、パージVSV14aの閉鎖状態を維持したまま、OBD用ポンプモジュール17の切り替え弁17fをON(図2(b)に示す状態)として、電動ポンプ17cを駆動させる。つまり、OBD用ポンプモジュール17のポンプ通路17eを、キャニスタ側通路17aを介してキャニスタ11及び燃料タンク3の内部空間に連通させた状態で電動ポンプ17cを駆動させる。これにより、キャニスタ11及び燃料タンク3の内部空間が負圧になり、この負圧がポンプモジュール圧力センサ17iにより検知される。そして、ここで検知される負圧値と、上記記憶された基準リーク孔径に対応した基準圧力値とを比較する。この比較において、検知された負圧値が基準圧力値よりも低い(負圧が大きい)場合にはキャニスタ11や燃料タンク3には孔明き等の故障は発生していないと判断する一方、検知された負圧値と基準圧力値とが同等である場合にはキャニスタ11や燃料タンク3には基準リーク孔径(本実施形態では0.5mmの孔)の孔明き等の故障が発生していると判断する。また、検知された負圧値が基準圧力値よりも高い(負圧が小さい)場合にはキャニスタ11や燃料タンク3には基準リーク孔径よりも大きな孔明き等の故障が発生していると判断する。この場合、エンジン運転中に実行される後述する第2診断動作により、孔径の大きさが所定の大きさ(例えば直径が1mm)を越えているか否かの検知動作が実行されることになる。また、第2診断動作は、上記第1診断動作において孔明き等の故障は発生していないと判断された場合や基準リーク孔径程度の孔明きが発生していると判断された場合にも実行するようにしてもよい。
(第2診断動作)
次に、エンジン運転中に実行される第2診断動作について説明する。この第2診断動作では、電動ポンプ17cが停止された状態で、上記OBD用ポンプモジュール17の切り替え弁17fをOFF(図2(a)に示す状態:大気開放状態)とし且つパージVSV14aを閉鎖する状態と、切り替え弁17fをON(図2(b)に示す状態:大気遮断状態)とし且つパージVSV14aを開放する状態とを所定時間毎(例えば1sec毎)に交互に切り換え、その切り換え動作に伴う系内の圧力変化を系内(例えばベーパ配管12内)に備えたシステム内圧センサによって検知する。この圧力変化を検知するためのシステム内圧センサとしては、燃料タンク3内、キャニスタ11内等に設置してもよいし、ポンプモジュール圧力センサ17iが代用するようにしてもよい。
この動作により、切り替え弁17fをOFFとし且つパージVSV14aを閉鎖する状態では、キャニスタ11及び燃料タンク3の内部空間に大気が導入されることになり、システム内圧センサによって検知される圧力は略大気圧となる。一方、切り替え弁17fをONとし且つパージVSV14aを開放する状態では、キャニスタ11及び燃料タンク3の内部空間に吸気管22内の吸入負圧が作用することになる。このとき、キャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生していない場合には系内の圧力は吸入負圧程度まで迅速に降下することになるが、キャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生している場合には、この孔明き箇所から系内に大気が流入するため、系内の圧力降下速度は低く、また、この系内の圧力は吸入負圧程度までは低下しない状況となる。従って、この圧力変化を認識することにより、キャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生しているか否かを判断することが可能になる。
より具体的には、上記システム内圧センサによって検知された圧力変化を微分処理し、その微分値(圧力変化勾配)が所定の閾値を越えているか否かによってキャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生しているか否かを判断するようにしている。つまり、孔明き等の故障が発生していない場合には、上記各弁14a,17fの切り換え動作に伴う系内の圧力変化は急激であるため、上記微分値が所定の閾値を越えることになる。これに対し、孔明き等の故障が発生している場合には、上記各弁14a,17fの切り換え動作を行っても系内の圧力変化は緩慢であり、上記微分値が所定の閾値を越えることがない。この差を認識することによりキャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生しているか否かを判断することになる。尚、上記閾値は、直径1mmの孔明きが生じている際の圧力変動状況に応じた値として予め設定されており、この閾値と実際に検知された圧力変化に基づいて得られた微分値とを比較することにより、キャニスタ11や燃料タンク3に直径1mmを越える孔明きが生じているか否かを判断することが可能になる。
図3は、キャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生していない状態であって、図3(a)はポンプモジュール圧力センサ17iによって検知された圧力変化を、図3(b)はその圧力変化を微分処理した微分値の変化をそれぞれ示している。一方、図4は、キャニスタ11や燃料タンク3に直径1mm程度の孔明き等の故障が発生している状態であって、図4(a)はポンプモジュール圧力センサ17iによって検知された圧力変化を、図4(b)はその圧力変化を微分処理した微分値の変化をそれぞれ示している。尚、各図(a)におけるt1は、切り替え弁17fをONとし且つパージVSV14aを開放することでキャニスタ11及び燃料タンク3の内部空間に吸入負圧を作用させている期間を示しており、t2は、切り替え弁17fをOFFとし且つパージVSV14aを閉鎖することでキャニスタ11及び燃料タンク3の内部空間に大気を導入させている期間を示している。
これら図に示すように、キャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生していない場合には、上記圧力変化を微分処理した微分値は閾値を越えることになる。これに対し、キャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生している場合には、上記圧力変化を微分処理した微分値は閾値を越えない状況となる。この差異を認識することによりキャニスタ11や燃料タンク3に比較的大きな(直径1mm以上の)孔明き等の故障が発生しているか否かを判断することが可能になる。
この判断動作の具体例としては、例えば、上記切り換え動作を10回繰り返して行い、そのうち微分値が閾値を越える回数が5回以上であった場合にはキャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生していないと判断し、微分値が閾値を越える回数が5回未満であった場合にはキャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生していると判断することができる。尚、この回数や閾値の設定は任意である。例えば、上記切り換え動作を5回繰り返して行い、上記微分値が閾値を一度も越えなかった場合にキャニスタ11や燃料タンク3に孔明き等の故障が発生していると判断するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、エンジンの運転中にキャニスタシステム1内に吸気管22の吸入負圧を導入する状態と大気圧を導入する状態とを交互に切り換え、それに伴うシステム内の圧力変動に基づいて燃料タンク3の孔明き等の故障が生じているか否かを判断するようにしている。特に、キャニスタシステム1の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を越えるか否かによって故障の有無を判断するようにしている。このため、キャニスタシステム1に所定の孔径を越える孔明きが生じているか否かを正確に判断することが可能になり、キャニスタシステム1に故障が発生している場合に、その孔径は比較的小さいものであるか、所定径を越える比較的大きな孔であるかを正確に特定することが可能になる。また、上述したような微分処理によって診断を可能にしたことにより、圧力変動をデジタル信号で扱うことが可能になるため、簡易なデジタル回路でシステムの故障診断が可能になり、故障診断のための構成の簡略化を図ることもできる。
(変形例)
上述した実施形態では、閾値として、直径1mmの孔明きが生じている際の圧力変動状況に応じた値である1種類を設定していた。
本変形例では、この閾値として複数種類を設定するものである。例えば、直径1mmの孔明きが生じている際の圧力変動状況に応じた値と、直径2mmの孔明きが生じている際の圧力変動状況に応じた値と、直径3mmの孔明きが生じている際の圧力変動状況に応じた値とをそれぞれ設定するようにしている。これによれば、上記第2診断動作の実行により、孔明きの大きさが1〜2mmの間である場合、2〜3mmの間である場合、3mm以上である場合のそれぞれに対して判別することが可能になる。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態では、燃料タンク3とキャニスタ11とを常時連通させる開放式のキャニスタシステム1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、燃料タンク3とキャニスタ11との間に封鎖弁を備えさせ、この封鎖弁により燃料タンク3とキャニスタ11とを遮断可能とする密閉式のキャニスタシステム1にも適用可能である。
また、上記実施形態のキャニスタシステム1は、蒸発燃料を一旦吸着するキャニスタ11を備えたものであったが、本発明においては、このキャニスタ11は必ずしも必須の構成要素ではない。
加えて、上記実施形態のキャニスタシステム1は、キャニスタ11が燃料タンク3の外部に配置されたものであった。本発明はこれに限らず、キャニスタ11が燃料タンク3の内部に配置される所謂インタンクキャニスタシステムに適用することも可能である。
実施形態に係るキャニスタシステム及びこのキャニスタシステムが接続するエンジンの吸気系の概略構成を示す図である。 OBD用ポンプモジュールの概略構成を示す図であって、(a)は切り替え弁のOFF状態を、(b)は切り替え弁のON状態をそれぞれ示す図である。 キャニスタや燃料タンクに孔明き等の故障が発生していない場合であって、図3(a)はシステム内圧センサによって検知された圧力変化を、図3(b)はその圧力変化を微分処理した微分値の変化をそれぞれ示す図である。 キャニスタや燃料タンクに孔明き等の故障が発生している場合であって、図4(a)はシステム内圧センサによって検知された圧力変化を、図4(b)はその圧力変化を微分処理した微分値の変化をそれぞれ示す図である。
符号の説明
1 キャニスタシステム(蒸発燃料処理システム)
11 キャニスタ
12 ベーパ配管
13 大気導入配管
14 パージ配管
14a パージVSV(パージ制御弁)
17f 切り替え弁(CCV:大気側開閉弁)
2 吸気系
3 燃料タンク

Claims (6)

  1. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するための蒸発燃料導入経路と、この蒸発燃料導入経路を大気に連通させる状態と非連通とする状態とに切り替え可能な大気側開閉弁と、上記蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入する際に開放するパージ制御弁とを備えた蒸発燃料処理システムの故障を診断する故障診断装置であって、
    上記内燃機関の運転中に、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを交互に切り換え、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化に基づいてこの蒸発燃料処理システムにおける孔明き等の故障の有無を診断する診断手段を備えていることを特徴とする蒸発燃料処理システムの故障診断装置。
  2. 上記請求項1記載の蒸発燃料処理システムの故障診断装置において、
    診断手段は、内燃機関の運転中に、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを交互に切り換え、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を越えなかった際に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断するよう構成されていることを特徴とする蒸発燃料処理システムの故障診断装置。
  3. 上記請求項1記載の蒸発燃料処理システムの故障診断装置において、
    診断手段は、内燃機関の運転中に、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを切り換える動作を複数回に亘って繰り返し、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を上回った回数が所定回数に達しなかった場合に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断するよう構成されていることを特徴とする蒸発燃料処理システムの故障診断装置。
  4. 上記請求項1、2または3記載の蒸発燃料処理システムの故障診断装置において、
    蒸発燃料処理システムは、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を一時的に吸着保持するキャニスタを備えていると共に、燃料タンクとキャニスタとを接続するベーパ配管、キャニスタと内燃機関の吸気系とを接続するパージ配管、キャニスタ内を大気に連通させる大気導入配管を備えており、大気側開閉弁は大気導入配管に、パージ制御弁はパージ配管にそれぞれ設けられていることを特徴とする蒸発燃料処理システムの故障診断装置。
  5. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するための蒸発燃料導入経路と、この蒸発燃料導入経路を大気に連通させる状態と非連通とする状態とに切り替え可能な大気側開閉弁と、上記蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入する際に開放するパージ制御弁とを備えた蒸発燃料処理システムの故障を診断する故障診断方法であって、
    上記内燃機関の運転中に、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを交互に切り換え、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を越えなかった際に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断することを特徴とする蒸発燃料処理システムの故障診断方法。
  6. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するための蒸発燃料導入経路と、この蒸発燃料導入経路を大気に連通させる状態と非連通とする状態とに切り替え可能な大気側開閉弁と、上記蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入する際に開放するパージ制御弁とを備えた蒸発燃料処理システムの故障を診断する故障診断方法であって、
    上記内燃機関の運転中に、大気側開閉弁を開放し且つパージ制御弁を閉鎖する状態と、大気側開閉弁を閉鎖し且つパージ制御弁を開放する状態とを切り換える動作を複数回に亘って繰り返し、その切り換え動作に伴う蒸発燃料処理システム内部の圧力変化を微分処理することにより圧力変化勾配を求め、この圧力変化勾配が所定の閾値を上回った回数が所定回数に達しなかった場合に蒸発燃料処理システムに孔明き等の故障が発生していると診断することを特徴とする蒸発燃料処理システムの故障診断方法。
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