JP3339547B2 - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents
エバポパージシステムの故障診断装置Info
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Description
ャニスタを経てパージ通路に至るエバポパージ系の故障
を診断するエバポパージシステムの故障診断装置に関す
る。
診断装置の一例を示す(特開平6−108930)。こ
の装置は、三方切換弁101を設けることで、内圧制御
弁105を境とする、キャニスタ102側と燃料タンク
103側との系内圧力を、圧力センサ100によって別
個に測定可能な構成となっている。燃料タンク103側
を診断する場合には、開閉弁109を閉弁させた状態
で、三方切換弁101を燃料タンク103側に切り換
え、この系内の圧力挙動を圧力センサ100で測定す
る。また、キャニスタ102側を診断する場合には、パ
ージ制御用のVSV(Vacuum Switching Valve)106
を開弁させて、機関運転中に吸気管107で発生する負
圧をパージ通路108を介してキャニスタ102内に導
入する。負圧導入後、VSV106を閉弁し、その後の
圧力挙動を圧力センサ100で測定する。
の判断手法として、エバポパージ系内(以下、「系内」
と記す)に所定圧を封じ込めたる又は完全に密閉した
後、燃料タンクで発生するベーパによってこの系内圧力
を上昇させる又は燃料消費により負圧を発生させる方式
がある。この場合、系内に穴あき等が発生していなけれ
ば、系内圧力は大気圧を越えて正圧側まで推移する又は
負圧側に推移するが、穴あき等が発生していれば、系内
圧力は大気圧付近に落ち着く筈である。従って、大気圧
を基準として系内圧力の推移を検出するため、圧力セン
サには、大気圧との差圧を出力する差圧式の圧力センサ
が用いられている。
サには、製造時のバラツキや経時劣化により、計測誤差
が発生することは避けられないのが現状である。従っ
て、図11に示すように、系内圧力と大気圧との差が僅
かであるような場合には、誤って故障ありと判断してし
まうおそれがあった。なお、図11で示すグラフの縦軸
は、差圧式の圧力センサの出力値を示している。
されたものであり、その目的は、圧力センサの製造時の
バラツキや経時劣化の影響で計測誤差が生じるような状
況下においても、正確に故障診断を行い得るエバポパー
ジシステムの故障診断装置を提供することにある。
るエバポパージシステムの故障診断装置は、燃料タンク
からベーパ通路を介してキャニスタに至り、さらにこの
キャニスタからパージ通路に至るエバポパージ系内の圧
力変化を基に、当該エバポパージ系の故障判定を行うエ
バポパージシステムの故障診断装置において、エバポパ
ージ系に接続された圧力センサと、この圧力センサに対
して大気圧を導く大気圧導入手段と、圧力センサによっ
て検出される大気圧とエバポパージ系の系内圧力との差
から、当該エバポパージ系の故障判断を行う判断手段と
を備え、大気圧導入手段は、圧力センサに連通する通路
を、燃料タンク側、キャニスタ側及び大気側のいずれか
に切り換える通路切換手段と、通路切換手段の切換制御
を行う切換制御手段とを備えて構成する。
よって大気圧を検出できるが、ここで検出される大気圧
は、前述したように、経時劣化等の影響で計測誤差を含
んだ値である。また、この圧力センサは、接続されたエ
バポパージ系内の圧力も検出し得る。従って、同一の圧
力センサによって、基準となる大気圧と診断対象となる
エバポパージ系の系内圧力との双方が検出され、判断手
段において、検出された両圧力の差をとることで、圧力
センサの経時劣化等の影響が相殺され、大気圧を基準と
する正確な圧力変化を検出できる。また、通路切換手段
の切換によって、エバポパージ系内の圧力をタンク側圧
力とキャニスタ側圧力にわけて検出することができる。
故障診断装置では、請求項1の切換制御手段は、圧力セ
ンサが燃料タンク側に連通した状態から、圧力センサが
キャニスタ側に連通した状態に切り換える第1手段と、
第1手段による切換制御の後、圧力センサで検出される
キャニスタ側の圧力が所定の負圧である場合に、圧力セ
ンサが大気側と連通する状態に切り換える第2手段とを
備えて構成する。
ンサで燃料タンク側の圧力を検出している場合、燃料タ
ンク内で発生したベーパが圧力センサに至る通路内に充
満している(図1(a))。このような状況下で、通路
切換手段によって、圧力センサに通じる経路を大気側に
切り換えると、その切換の際に、通路切換手段と圧力セ
ンサとの間に充満していたベーパが大気に放出されてし
まう(図1(b))。そこで、大気圧を検出するには、
まず第1手段では、通路切換手段により、圧力センサに
通じる通路をキャニスタ側に切り換える。これにより、
圧力センサではキャニスタ側の圧力が検出される。パー
ジによってキャニスタ内に負圧が導入されていれば、キ
ャニスタ側の圧力検出時に、圧力センサと通路切換手段
との間にも負圧が導入される。この状態で通路を大気側
に切り換えた場合には、負圧となった通路内のベーパ
が、これよりも圧力の高い大気側に放出されることはな
い。そこで、第2手段では、第1手段による切換制御の
後、検出されたキャニスタ側の圧力が所定の負圧である
ことを確認した後、通路切換手段によって、圧力センサ
に通じる経路を大気側に切り換える制御を行う。
故障診断装置では、燃料タンクからベーパ通路を介して
キャニスタに至り、さらにこのキャニスタからパージ通
路に至るエバポパージ系内の圧力変化を基に、エバポパ
ージ系の故障判定を行うエバポパージシステムの故障診
断装置において、エバポパージ系に接続された圧力セン
サと、圧力センサに対して大気圧を導く大気圧導入手段
と、圧力センサによって検出される大気圧とエバポパー
ジ系の系内圧力との差から、エバポパージ系の故障判断
を行う判断手段とを備え、大気圧導入手段が、パージ通
路に配設されてこのパージ通路を開閉するパージ制御弁
と、内燃機関の停止後にパージ制御弁を開弁させる開弁
制御手段とを備える。
弁を開弁させることで、エバポパージ系内には大気が導
入され、導入された大気の圧力を圧力センサによって検
出する。
添付図面を参照して説明する。
装置を具備したエバポパージシステムを示す。このエバ
ポパージシステムは、燃料タンク10で発生したベーパ
(蒸発燃料)をチャコールキャニスタ11(以下、キャ
ニスタと記す)に一時的に吸着させると共に、機関運転
中に吸気通路12で発生する負圧を利用して、吸着され
たベーパをキャニスタ11から離脱させて吸気通路12
内に導入するシステムであり、導入されたベーパは、内
燃機関の燃焼室で燃焼処理される。燃料タンク10とキ
ャニスタ11とをベーパ通路13で接続すると共に、キ
ャニスタ11と吸気通路12とをパージ通路14で接続
して、エバポパージ系を構成している。
ーティVSV(Purge Duty VacuumSwitching Valve)1
5を設けており、電子制御装置1(以下、「ECU」と
記す)からの電気信号を受けて開閉し、吸気通路12に
流入させるベーパ量をデューティ制御する。ベーパ通路
13には、弁動作によってこのベーパ通路13を開閉す
るタンク内圧制御弁16を備えており、燃料タンク10
内で発生したベーパによって、燃料タンク10内の圧力
が所定圧よりも大となった場合に開弁する機構となって
いる。なお、参照符号17は、燃料タンク10内の圧力
がキャニスタ11側に比べて所定圧以上に低くなった場
合に、ベーパ通路13を導通させるバックパージ弁であ
り、燃料タンク10内の燃料温度が低下してタンク内圧
が減圧した場合などに開弁し、燃料タンク10内の負圧
を所定の圧力にコントロールすることで、燃料タンク1
0の破損を防止している。
所定の正圧となった場合に開弁してキャニスタ11を大
気に開放する大気開放弁18と、パージによりキャニス
タ11内が負圧となる場合に開弁してキャニスタ11内
に大気を吸入させる大気吸入弁19とを設けている。大
気吸入弁19は、吸入通路21を介して、吸気通路12
に設けたフィルタ20の下流側に接続されており、フィ
ルタ20によって塵埃が除去された空気が大気吸入弁1
9を介しキャニスタ11内に導入される。
の故障診断を行うため、タンク内圧制御弁16をバイパ
スするように、燃料タンク10とキャニスタ11とを連
通するバイパス通路33を設けており、このバイパス通
路33には、2つの3方切換電磁弁(以下、3方VSV
と記す)を31、32を介して圧力センサ30が接続さ
れている。各3方VSV31、32は、1つの共用ポー
トと、2つの切換ポートを備えており、圧力センサ30
は、3方VSV31の共用ポートに接続されている。3
方VSV31の一方の接続ポートは、フィルタ34を介
して大気側に開放され、他方の接続ポートは、連通路3
5を介して3方VSV32の共有ポートに接続されてい
る。3方VSV32の一方の接続ポートは、タンク内圧
制御弁16を境とするキャニスタ11側に、他方はタン
ク内圧制御弁16を境とする燃料タンク10側にそれぞ
れ接続されている。従って、圧力センサ30では、各3
方VSV31、32の切換動作により、タンク内圧制御
弁16を境とする燃料タンク10側の通路内圧力、キャ
ニスタ11側の通路内圧力及び大気圧のいずれかを検出
できる。
32及びパージデューティVSV15は、各々ECU1
に接続されており、圧力センサ30からの圧力信号がE
CU1に与えられると共に、パージデューティVSV1
5の開閉制御や、3方VSV31、32の切換制御は、
すべてECU1の制御の下で行われる。
ムの動作を概略的に説明する。内燃機関が始動し、その
後所定のパージ条件(例えば、機関の暖機完了の検出、
所定値以上の機関負荷の検出など)が成立すると、EC
U1による制御の下、パージデューティVSV15が作
動し、キャニスタ11に吸着されたベーパのパージを実
施する。パージデューティVSV15が開弁すると、吸
気通路12内の負圧がパージ通路14を通ってキャニス
タ11内に導入される。これにより大気吸入弁19が開
弁し、エアーフィルタ20を透過した大気がキャニスタ
11に導かれる。キャニスタ11内を通過した大気は、
キャニスタ11内に吸着されたベーパをパージし、吸気
通路12へ導入される。パージ中のキャニスタ内圧は、
大気開放弁18が閉弁状態のために負圧になり、大気吸
入弁19により一定の圧力にコントロールされる。ま
た、パージデューティVSV15の開閉は、ECU1に
より、パージガスによる排気エミッションへの影響が少
なくなるようにコントロールされる。このような一連の
動作を繰り返し実施することで、ベーパの大気放出を防
止すると共に、キャニスタ11のオーバーフローを防止
している。
の故障診断装置の処理動作につき、図3及び図4のフロ
ーチャートを基に説明する。この処理動作は、ECU1
において、例えば所定時間毎に実施されるルーチン処理
である。なお、フローチャート中、3方VSV31を
「3方VSV-1」、3方VSV32を「3方VSV-
2」として表す。ステップ100(以下、ステップをS
と記す)で始まるこの処理が起動すると、診断時間を計
時するタイマーをスタートさせる(S101)。
に切り換えた後(S102)、3方VSV32を燃料タ
ンク10側に切り換える(S103)。これにより、燃
料タンク10側の圧力が圧力センサ30側に導びかれ
る。この後、内燃機関の始動時の大気圧、大気温度とい
ったエバポパージ系の故障検出開始の前提条件が成立し
たか否かが判断され(S104)、この前提条件が不成
立の場合には(S104で「No」)、正確な故障診断
が実施できないおそれがあるため、診断は行わずに、こ
のルーチンを終了する。なお、終了時、S101のタイ
マーがリセットされる。このようにS104で故障検出
開始の前提条件が不成立の間は、S100〜S104の
処理が繰り返されることとなり、このようにして通常
は、燃料タンク10側の圧力挙動を圧力センサ30によ
って監視している。
が成立していると判断された場合には(S104で「Y
es」)、以下の故障診断が開始される。まず、大気圧
の補正処理が終了したことを示す大気圧補正完了フラグ
がセットされているか否かを判断する(S105)。こ
こで、大気圧補正完了フラグがセットされていない場合
には(S105で「No」)、図4にS200以降で示
す大気圧補正フローが実施された後、このルーチンは終
了する。
明する。S200でこの処理が起動すると、まず、大気
圧補正を実施する条件が成立しているか否かが判断され
る(S201)。ここで、補正を実施する条件として
は、例えば、圧力センサの精度が雰囲気温度の影響を受
けやすいので、故障判定を実施する直前であること、内
燃機関の始動後所定の時間が経過していること、内燃機
関の暖気が終了していること等がある。S201で補正
実施条件が不成立の場合には、このルーチンは終了す
る。
ていると判断された場合には(S201で「Ye
s」)、3方VSV31を大気側に切り換える(S20
2)。これにより、圧力センサ30にはフィルタ34を
介して大気が導かれる。ここで圧力センサ30の測定圧
力が切り替わったため、タイマーを起動させて(S20
3)、圧力センサ30に導入された大気の圧力が安定す
るまで所定の時間をおく。すなわち、S204でタイマ
ーのカウント値が所定時間t1を経過したか否かを判断
し、所定時間t1に満たない場合には(S204で「N
o」)、このルーチンは終了する。S204でタイマー
のカウント値が所定時間t1を経過したと判断された場
合には(S204で「Yes」)、圧力センサ30によ
る検出値を大気圧P0として読み込む(S205)。大
気圧P0を読み込んだ後、3方VSV31を3方VSV
32側に切り換え(S206)、大気圧の補正が完了し
たことを示す大気圧補正完了フラグをセットする(S2
07)。このようにして、一連の大気圧補正フローが終
了すると、再び図3のフローに戻る。
105の処理が繰り返されるが、前回のルーチンにおい
て大気圧補正完了フラグがセットされているので(S1
05で「Yes」)、S106に移る。
出条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、キ
ャニスタ11内に安定した負圧が得られる状態か否かに
ついて判断するものであり、例えば、パージデューティ
VSV15のデューティ値が所定値(%)以上の場合、
パージベーパ濃度の学習値が所定値以下の場合などに
は、キャニスタ穴あき検出条件が成立していると判断す
る。キャニスタ11側の漏れ検出条件が成立していると
判断された場合には(S106で「Yes」)、キャニ
スタ側の漏れ検出フローに移り(S300)、このフロ
ーが終了した後、再びS100に戻る。
ていなと判断された場合には(S106で「No」)、
S107以降の燃料タンク10側の漏れ検出に移る。こ
の段階では、タンク側の判定がまだ終了していないため
(S107で「No」)、S108に進む。S101、
S102を経ているため、圧力センサ30には燃料タン
ク10側の通路内圧力が導かれており、S108ではこ
のときの圧力センサ30の検出値をPtとして読み込
む。
料タンク10側の系内に穴あき等がなければ、燃料タン
ク10で発生するベーパの影響でこの系内圧力は大気圧
よりも上昇し、穴あき等があれば大気圧付近で安定する
ことに基づく。そこで、S109では、漏れ有無の判断
の基準となる圧力として、大気圧よりも所定圧高い圧力
としての「判定値P」を予め定めており、圧力センサ3
0で検出される燃料タンク10側の系内圧力が判定値P
以上に上昇した場合に、燃料タンク10側の系内に穴あ
き等が発生していないと判断する。この判断にあたっ
て、先にS200以降のフローで読み込んだ大気圧P0
の値を校正用に用いる。すなわち、S108で読み込ん
だ圧力センサ30の検出値Ptから大気圧P0を減算す
る。そしてこの値を判定値Pと比較する。検出値Ptを
このように校正することで、圧力センサ30の経時劣化
や製造時のバラツキ等の影響を相殺することができ、大
気圧を基準とする正確な圧力変化が把握できることとな
り、故障診断がより正確に実施できる。
の系内圧力は徐々に上昇していくため、最初の判定の際
には、通常、Pt−P0の値が判定値Pよりも小であり
(S109で「No」)、次のS110に進む。S11
0では、漏れ検出を継続する時間が「漏れ検出時間
(t)」として予め規定されおり、S101でスタート
したタイマのカウント値が漏れ検出時間(t)よりも小
の場合には(S110で「No」)、S106以降の処
理が繰り返される。従って、タイマのカウント値が漏れ
検出時間(t)となるまで、S106〜S110の処理
が繰り返され、その間に燃料タンク側の系内圧力が判定
値P以上に上昇した場合には(S109で「Ye
s」)、燃料タンク10側の系内に穴あき等の故障が発
生していないと判断する(S111)。
ウント値が漏れ検出時間(t)以上となっても、燃料タ
ンク10側の系内圧力が判定値Pまで上昇しない場合に
は(S110で「Yes」)、燃料タンク10側の系内
に穴あき等の故障が発生していると判定し(S11
2)、故障検出ランプを点灯させるなどにより(S11
3)、運転者に対してその旨を警告する。
終了すると、燃料タンク10側の故障判定が終了したこ
とを示すフラグをセットして(S114)、このルーチ
ンを終了する。
でキャニスタ11側の漏れ検出条件が成立していると判
断された場合には(S106で「Yes」)、キャニス
タ側漏れ検出フロー(S300)に移行するが、この検
出フローにおいても同様に、大気圧補正フロー(S20
0以降)で読み込んだ大気圧P0の値を検出された圧力
値の校正用に用いて、故障判定を行う。
ついて説明する。前述した実施形態のうち、S200以
降の大気圧補正フローを実行中、大気圧を検出すべく、
3方VSV31を大気側に切り換えると、ベーパが大気
に放出されてしまう場合がある。具体的には、3方VS
V31を大気側に切り換える前の状況として、圧力セン
サ30によって燃料タンク10側の圧力を検出している
と、圧力センサ30に至る通路内に燃料タンク10内で
発生したベーパが充満している(図1(a)参照)。こ
のような状況下で、3方VSV31を大気側に切り換え
ると、その切換の際に、圧力センサ30と3方VSV3
1との間の連通路35が大気側と連通して、この連通路
35内に充満していたベーパが大気に放出されてしまう
(図1(b)参照)。
に示す。S400でこの処理が起動すると、先ず、大気
圧補正を実施する条件が成立しているか否かが判断され
る(S401)。この大気圧の補正実施条件は、前述し
たS201の際の条件と同様であり、この条件が不成立
の場合、このルーチンは終了する。
には(S401で「Yes」)、3方VSV31を3方
VSV32側に切り換えると共に(S402)、3方V
SV32をキャニスタ11側に切り換える(S40
3)。これにより、圧力センサ30にはキャニスタ11
側の通路内圧力が導かれる。切り換え後、導入された圧
力が安定する時間を確保するため、タイマー1をスター
トさせ(S404)、タイマー1のカウント値が所定時
間t1を経過したか否かを判断する(S405)。タイ
マー1のカウント値が所定時間t1に満たない場合には
(S405で「No」)、このルーチンは終了する。S
405でタイマー1のカウント値が所定時間t1を経過
したと判断された場合には(S405で「Yes」)、
次に、圧力センサ30で検出されるキャニスタ11側の
圧力が、予め定めた所定負圧以下であるか否かを判断す
る(S406)。これは、パージによってキャニスタ1
1側系内に、十分な負圧が導入されているかを調べる判
断であり、キャニスタ11側の圧力がこの負圧以下にな
っていないと判断された場合には(S406で「N
o」)、このルーチンは終了する。一方、キャニスタ1
1側の圧力が所定負圧以下であると判断された場合には
(S406で「Yes」)、この後、3方VSV31を
大気側に切り換える(S407)。このように系内が負
圧の状態で3方VSV31を大気側に切り換えること
で、切り換え時に、連通路35が大気側と連通した場合
にも、ベーパが大気放出されることなく、圧力センサ3
0側に大気を導くことができる。
導入された大気圧が安定する時間を確保するため、タイ
マー2によるカウントをスタートさせ(S408)、タ
イマー2のカウント値が所定時間t2を経過したか否か
を判断する(S409)。タイマー2のカウント値が所
定時間t2に満たない場合には(S409で「N
o」)、このルーチンは終了する。S409でタイマー
2のカウント値が所定時間t2を経過したと判断された
場合には(S409で「Yes」)、次に、圧力センサ
30の検出値を大気圧P0として読み込む(S41
0)。この後、3方VSV31を3方VSV32側に切
り換え、圧力センサ30を再びエバポパージ系側に接続
した後(S411)、大気圧補正完了フラグをセットし
(S412)、このフローを終了する。このようにして
3方VSV31、32を切り換えることで、切り換え時
に、ベーパが大気に放出されることが防止できる。な
お、S412を経てこのフローを終了した後、図3のフ
ローチャートのS200に戻り、ここで得られた大気圧
P0を基に故障診断処理が実施される。
障診断装置を具備したエバポパージシステムを図6に示
す。この実施形態では、バイパス通路33に設けた3方
VSV32の共用ポートに圧力センサ30を接続して構
成しており、パージデューティVSV15を利用して大
気圧の補正を行う。なお、その他の構成は図2と同様で
あり、図2と同一の構成要素には同一の参照符号を付し
て示す。
ーを図7に示す。S500で始まるこの処理が起動する
と、まず、内燃機関が停止しているか否かが判断され
(S501)、内燃機関が運転中の場合は(S501で
「No」)、このルーチンは終了する。すなわち、この
大気圧補正処理は、内燃機関が停止している状態で実施
する。
された場合(S501で「Yes」)、3方VSV32
をキャニスタ11側に切り換える(S502)。ここで
タイマー1をスタートさせて(S503)、圧力センサ
30に導入されたキャニスタ11側の圧力が安定するま
で所定の時間をおく。すなわち、S504でタイマー1
のカウント値が所定時間t1を経過したか否かを判断
し、所定時間t1に満たない場合には(S504で「N
o」)、このルーチンは終了する。S504でタイマー
1のカウント値が所定時間t1を経過したと判断された
場合には(S504で「Yes」)、次に、圧力センサ
30で検出されたキャニスタ11側の圧力が所定の負圧
以下であるか否かを判断する(S505)。これは、キ
ャニスタ11側系内に、十分な負圧が導入されているか
を調べる判断であり、キャニスタ11側の圧力がこの負
圧以下になっていないと判断された場合には(S505
で「No」)、このルーチンは終了する。一方、キャニ
スタ11側の圧力が所定負圧以下であると判断された場
合には(S505で「Yes」)、この後、パージデュ
ーティVSV15を開弁させる(S506)。このよう
にキャニスタ11側系内が負圧の状態でパージデューテ
ィVSV15を開弁させれば、キャニスタ11に吸着さ
れたベーパが大気放出されることなく、この系内に大気
を導入することができる。
後、系内に導入された大気圧が安定する時間を確保する
ため、タイマー2によるカウントをスタートさせ(S5
07)、タイマー2のカウント値が所定時間t2を経過
したか否かを判断する(S508)。タイマー2のカウ
ント値が所定時間t2に満たない場合には(S508で
「No」)、このルーチンは終了する。S508でタイ
マー2のカウント値が所定時間t2を経過したと判断さ
れた場合には(S508で「Yes」)、次に、圧力セ
ンサ30の検出値を大気圧P0として読み込む(S50
9)。この後、パージデューティVSV15を閉弁させ
てた後(S510)、大気圧補正完了フラグをセットし
(S511)、このフローを終了する。
ティVSV15を利用して、圧力センサ30で大気圧を
計測することができる。そして、S500〜S511で
得られた大気圧P0を基に、図3に示すフローに沿って
故障診断処理が実施されるが、大気圧P0が内燃機関の
停止時に検出されるため、図3のフロー中、S200は
不要となる。
置を具備したエバポパージシステムを図8に示す。この
実施形態では、キャニスタ11に設けたキャニスタクロ
ーズバルブ40を利用し、大気圧補正処理の際に、キャ
ニスタクローズバルブ40を開放することで、エバポパ
ージ系内に大気を導入する。なお、図6と同一の構成要
素には同一の参照番号を付して示す。
ーを図9に示す。このフローは、図3、4のフローチャ
ートにおける大気圧補正フロー(S200)に置き換わ
るフローであり、S105で大気圧補正完了フラグがセ
ットされていないと判断された場合に実施される。
先ず、大気圧補正を実施する条件が成立しているか否か
が判断される(S601)。この大気圧の補正実施条件
は、前述したS201の際の条件と同様であり、この条
件が不成立の場合、このルーチンは終了する。
には(S601で「Yes」)、3方VSV32をキャ
ニスタ11側に切り換えた後(S602)、キャニスタ
クローズバルブ40を開放する(S603)。これによ
り、キャニスタ11が強制的に大気開放され、エバポパ
ージ系内に大気圧が導入される。
後、導入された大気圧が安定する時間を確保するため、
タイマーによるカウントをスタートさせ(S604)、
タイマーのカウント値が所定時間t1を経過したか否か
を判断する(S605)。タイマーのカウント値が所定
時間t1に満たない場合には(S605で「No」)、
このルーチンは終了する。S605でタイマーのカウン
ト値が所定時間t1を経過したと判断された場合には
(605で「Yes」)、圧力センサ30の検出値を大
気圧P0として読み込む(S606)。大気圧P0を読み
込んだ後、大気圧補正完了フラグをセットし(S60
7)、このフローを終了する。
た後、図3のフローチャートのS200へ戻り、ここで
得られた大気圧P0を基に、燃料タンク10側或いはキ
ャニスタ11側の故障診断処理が実施される。
ンサ30としては、大気圧との差圧を出力する差圧式の
圧力センサであっても、絶対圧を検出する絶対圧センサ
であってもよい。また、図4、5及び図9で示した大気
圧補正フローは、図3のフローが起動する度に毎回実行
する場合を示したが、必ずしもこの例に限定するもので
はなく、所定のタイミングでのみ実施してもよい。
エバポパージシステムの故障診断装置によれば、大気圧
導入手段によって導入された大気圧と診断対象となるエ
バポパージ系内の圧力との双方を、同一の圧力センサに
よって検出することとした。このため、判断手段におい
て、検出された両圧力の差をとることで、圧力センサの
製造時のバラツキや、経時劣化等の影響が相殺され、大
気圧を基準とする正確な圧力変化を検出でき、より正確
に故障診断を行うことができる。
テムの故障診断装置では、圧力センサに連通する通路
を、燃料タンク側からキャニスタ側に切り換える際に、
キャニスタ側が所定の負圧であることが確認された後に
大気側に切り換えるように、通路切換手段の切換制御を
実施することとしたので、圧力センサに連通する通路の
の切換時に、ベーパが大気に放出されることを防止する
ことができる。
バポパージ系内に充満していたベーパが大気に放出され
る状態を示す説明図である。
の故障診断装置を示すシステム構成図である。
ローチャートである。
ャートである。
ローチャートである。
の故障診断装置を示すシステム構成図である。
を示すフローチャートである。
の故障診断装置を示すシステム構成図である。
を示すフローチャートである。
ある。
路、14…パージ通路、15…パージデューティーVS
V、30…圧力センサ、31…3方VSV、32…3方
VSV、40…キャニスタクローズバルブ(開放弁)。
Claims (3)
- 【請求項1】 燃料タンクからベーパ通路を介してキャ
ニスタに至り、さらにこのキャニスタからパージ通路に
至るエバポパージ系内の圧力変化を基に、当該エバポパ
ージ系の故障判定を行うエバポパージシステムの故障診
断装置において、 前記エバポパージ系に接続された圧力センサと、 前記圧力センサに対して大気圧を導く大気圧導入手段
と、 前記圧力センサによって検出される大気圧と前記エバポ
パージ系の系内圧力との差から、当該エバポパージ系の
故障判断を行う判断手段とを備え、 前記大気圧導入手段は、 前記圧力センサに連通する通路を、前記燃料タンク側、
キャニスタ側及び大気側のいずれかに切り換える通路切
換手段と、 前記通路切換手段の切換制御を行う切換制御手段とを備
えることを特徴とする エバポパージシステムの故障診断
装置。 - 【請求項2】 前記切換制御手段は、 前記圧力センサが前記燃料タンク側に連通した状態か
ら、前記圧力センサが前記キャニスタ側に連通した状態
に切り換える第1手段と、 前記第1手段による切換制御の後、前記圧力センサで検
出される前記キャニスタ側の圧力が所定の負圧である場
合に、前記圧力センサが前記大気側と連通する状態に切
り換える第2手段と、 を備える請求項1記載のエバポパージシステムの故障診
断装置。 - 【請求項3】 燃料タンクからベーパ通路を介してキャ
ニスタに至り、さらにこのキャニスタからパージ通路に
至るエバポパージ系内の圧力変化を基に、当該エバポパ
ージ系の故障判定を行うエバポパージシステムの故障診
断装置において、 前記エバポパージ系に接続された圧力センサと、 前記圧力センサに対して大気圧を導く大気圧導入手段
と、 前記圧力センサによって検出される大気圧と前記エバポ
パージ系の系内圧力との差から、当該エバポパージ系の
故障判断を行う判断手段とを備え、 前記大気圧導入手段は、 前記パージ通路に配設され、このパージ通路を開閉する
パージ制御弁と、 内燃機関の停止後に、前記パージ制御弁を開弁させる開
弁制御手段とを備えるエバポパージシステムの故障診断
装置。
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