JP5950279B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に係る蒸発燃料処理技術では、内燃機関の吸気通路とキャニスタとの間をパージ通路を介して連通させる。キャニスタと大気との間を開放または遮断する切換弁を設ける。切換弁がキャニスタを大気から遮断している際にキャニスタを加圧する加圧ポンプを設ける。パージ通路を開閉するパージ制御弁を設ける。そして、密閉弁、切換弁、加圧ポンプ、および、パージ制御弁を制御するためのECUを設ける。
はじめに、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要について、駆動源として内燃機関および電動モータ(いずれも不図示)を備えるハイブリッド車両に適用した例をあげて、図面を参照して説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材間には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズおよび形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
なお、以下において、図1A〜図1Cの共通部分については図1Aを参照して説明し、図1Aと異なる部分について、図1B,図1Cを適宜参照して説明する。
なお、以下の説明において、蒸発燃料排出通路37のうち、密閉弁41を境として燃料タンク13側を第1の蒸発燃料排出通路37aと呼び、密閉弁41を境としてキャニスタ15側を第2の蒸発燃料排出通路37bと呼ぶ場合がある。また、第1および第2の蒸発燃料排出通路37a,37bを総称するときには、蒸発燃料排出通路37と呼ぶ。
なお、キャニスタ内圧センサ55による検出期間は、タンク内圧の変動が検出可能であって可及的に短時間となることを考慮して設定される。キャニスタ15へ送られる蒸発燃料の量をできるだけ少なく抑えることができるからである。
なお、所定時間SOAKthは、イグニッションスイッチ30がオフされた後、余熱や環境温度による燃料の気化などの影響を受けて、大気圧とタンク内圧Ptankとの偏差がじゅうぶんに大きくなるのに必要な時間(例えば5時間などの適宜変更可能な時間長)が予め設定される。
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の動作について、図3A〜図3Cを参照して説明する。
図3Aおよび図3Bは、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11が実行する診断処理の流れを表すフローチャート図である。図3Cは、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11が実行するリーク診断処理の流れを表すフローチャート図である。
なお、リーク診断処理の態様としては、全体リーク診断処理と、部分リーク診断処理とがある。全体リーク診断処理と、部分リーク診断処理との相違点は、密閉弁41の開閉状態である。すなわち、全体リーク診断処理では、密閉弁41が開放状態にある。一方、部分リーク診断処理(蒸発燃料密閉系の部分を構成するキャニスタ側のリーク診断処理)では、密閉弁41が閉止状態にある。
なお、切換弁53が大気連通側に既に切り換えられている場合には、ステップS41の処理を省略することができる。
そのため、キャニスタ内圧センサ55を介して内圧情報取得部65で取得される第1のキャニスタ内圧Pcani1は、蒸発燃料密閉系に基準オリフィス59と同等の孔が空いている状態で負圧ポンプ51が作動している場合と等しい負圧値に収束する。
なお、基準オリフィス59の孔径は、検知対象となるリーク孔の径寸法を考慮して適宜設定される。
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の時系列動作について、図4A〜図4Cを参照して詳しく説明する。
図4Aは、イグニッションスイッチ30のオンからオフへの切り換え後、所定時間が経過するまでの間の蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。図4Bおよび図4Cは、イグニッションスイッチ30のオフから所定時間が経過した後の、蒸発燃料処理装置11に属する各部の動作説明に供するタイムチャート図である。
なお、第1の偏差閾値Ptank_dv1は、前記の偏差(Ptank(t1)−Ptank(t2))が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
これは、図4Bに示す時刻t3の直前において、キャニスタ内圧Pcani(大気圧)と比べてタンク内圧Ptankが相対的に高い状態にある前提で、切換弁53が大気遮断側に切り換えられている状態(キャニスタ15側の内部空間は狭い)で密閉弁41が正常に開放されることによって、両者間の内圧偏差が速やかに相殺されるからである。
同時刻t6において、蒸発燃料処理装置11に属する前記以外の各部の動作は以下の通りである。すなわち、イグニッションスイッチ30はオフ状態である(図4C(a)参照)。SOAKタイマ71はカウントを停止している(図4C(b)参照)。ECU17の動作モードは通常モードである(図4C(c)参照)。切換弁53は大気連通側に切り換えられている(図4C(d)参照)。負圧ポンプ51はオフ状態である(図4C(f)参照)。タンク内圧センサ39により検出されるタンク内圧Ptankは一定値を示す(図4C(g)参照)。キャニスタ内圧センサ55により検出されるキャニスタ内圧Pcaniも一定値を示す(図4C(h)参照)。
なお、第2の偏差閾値Ptank_dv2は、前記の偏差(Ptank(t7)−Ptank(t8))が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
なお、第3の偏差閾値Ptank_dv3は、前記の偏差(Pcani(t7)−Pcani(t8))が、検出誤差を除いた有意な大きさに相当することを考慮して設定される。
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の作用効果について説明する。
本発明の実施形態に係る第1の観点に基づく蒸発燃料処理装置11は、内燃機関を備える車両に搭載された燃料タンク13と大気間の蒸発燃料排出通路(連通路)37に設けられ、燃料タンク13を大気から遮断する電磁弁からなる密閉弁41と、蒸発燃料排出通路(連通路)37のうち密閉弁41と大気間に設けられ、燃料タンク13から蒸発燃料排出通路(連通路)37を介して排出される蒸発燃料を回収するキャニスタ15と、蒸発燃料排出通路(連通路)37のうちキャニスタ15と大気間に設けられ、キャニスタ15を大気に対して開放または遮断する電磁弁からなる切換弁53と、蒸発燃料排出通路(連通路)37のうち密閉弁41を境としてキャニスタ15の側に設けられ、キャニスタ15に係るキャニスタ内圧を検出するキャニスタ内圧センサ(キャニスタ内圧検出部)55と、内燃機関の停止中に、密閉弁41を開放させる指令を行うと共に、切換弁53を遮断させる指令を行う制御部69と、を備える。
ここで、“少なくとも燃料タンク13に係るタンク内圧の検出に用いる”とは、キャニスタ内圧センサ(キャニスタ内圧検出部)55を、例えば燃料タンク13に係るリーク検知などの他の用途に用いることを妨げない主旨である。
ここで、“少なくとも蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク13側のリークなしの診断を下す”とは、診断部67による前記診断によって、例えば密閉弁41に係る閉故障診断などの他の診断結果が得られることを妨げない主旨である。
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
13 燃料タンク
15 キャニスタ
17 ECU
37 蒸発燃料排出通路(連通路)
39 タンク内圧センサ(タンク内圧検出部)
41 密閉弁
53 切換弁
55 キャニスタ内圧センサ(キャニスタ内圧検出部)
67 診断部
69 制御部
Claims (4)
- 内燃機関を備える車両に搭載された燃料タンクと大気間の連通路に設けられ、当該燃料タンクを大気から遮断する電磁弁からなる密閉弁と、
前記連通路のうち前記密閉弁と大気間に設けられ、前記燃料タンクから前記連通路を介して排出される蒸発燃料を回収するキャニスタと、
前記連通路のうち前記キャニスタと大気間に設けられ、当該キャニスタを大気に対して開放または遮断する電磁弁からなる切換弁と、
前記連通路のうち前記密閉弁を境として前記キャニスタ側に設けられ、前記キャニスタに係るキャニスタ内圧を検出するキャニスタ内圧検出部と、
前記内燃機関の停止中に、前記密閉弁を開放させる指令を行うと共に、前記切換弁を遮断させる指令を行う制御部と、
を備え、
前記キャニスタ内圧検出部を、前記制御部の前記指令に従って前記密閉弁が開放しかつ前記切換弁が遮断している期間において、少なくとも前記燃料タンクに係るタンク内圧の検出に用いる、
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
前記燃料タンク、前記密閉弁、および、前記キャニスタを含む蒸発燃料密閉系のリーク診断を行う診断部をさらに備え、
前記診断部は、前記密閉弁が開放しかつ前記切換弁が遮断している期間において前記タンク内圧が所定の範囲を超えて変動したことを前記キャニスタ内圧検出部が検出した場合に、少なくとも前記蒸発燃料密閉系のうち燃料タンク側のリークなしの診断を下す、
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
前記密閉弁が開放しかつ前記切換弁が遮断している期間は、前記タンク内圧の変動が検出可能であることを考慮して設定される、
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。 - 請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
前記診断部は、前記キャニスタ内圧検出部による内圧検出機能を診断する機能をさらに有し、前記キャニスタ内圧検出部による内圧検出機能を、大気圧を検出可能な他の圧力検出部による大気圧に係る検出値を参照して診断する、
ことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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