JP5927727B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸発燃料を処理するための蒸発燃料処理装置に関する。
例えば、内燃機関を備える車両では、燃料タンクへ給油を行うと、燃料タンクの内部空間における燃料の占有体積が増えるため、同内部空間における気相域の占有体積が減少して、気相域の圧力(以下、“タンク内圧”という。)が大気圧と比べて高くなる。すると、燃料タンク内に滞留していた蒸発燃料が大気中へ出ようとする。仮に、蒸発燃料が大気中へ放出されると、大気を汚染してしまう。
そこで、蒸発燃料の大気中への放出に起因する大気汚染を防ぐ目的で、従来の蒸発燃料処理装置では、燃料タンクと大気間の連通路に、蒸発燃料を一時的に吸着する吸着材を有するキャニスタを設け、キャニスタの吸着材に蒸発燃料を吸着させることでタンク内圧を低く抑えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1に記載の蒸発燃料処理装置は、燃料タンクに装着される燃料キャップの開状態を示す信号を出力する燃料キャップセンサの異常検出装置を備えている。この異常検出装置は、燃料噴射量の積算値をカウントし、燃料キャップセンサにより燃料キャップの開状態が検出されたときには該カウント値をクリアし、該カウント値が所定範囲外となるとき、燃料キャップセンサの異常と判定するものである。
特開2001−73885号公報
しかしながら、特許文献1に記載の蒸発燃料処理装置においては、燃料タンクが公称の満タンとなった後さらに給油(過給油)を行う場合までは考慮されていない。したがって、このような過給油が行われる場合には燃料噴射量の積算値が過大となるため、燃料キャップセンサの機能が正常であるにもかかわらず異常であると誤判定されてしまうおそれがある。つまり、特許文献1に記載の蒸発燃料処理装置では、燃料キャップセンサ等の、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部の機能に異常があることを適切なタイミングで判定することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部の機能に異常があるか否かについて、過給油が行われる場合であっても誤判定することなく、適切なタイミングで判定することができる蒸発燃料処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、(1)に係る発明は、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材と、前記開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部と、燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃料噴射量積算値記憶部と、前記信号出力部からの前記信号の受信に応じて、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットする燃料噴射量積算値リセット部と、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値が予め設定される評価基準値に達した場合に、前記信号出力部の機能に異常があると判定する異常判定部と、を備え、前記評価基準値は、前記燃料タンクが過給油に達した場合の給油量に相当する値よりも大きく設定され、前記信号出力部は、運転席に設けられ、前記開閉部材の開放を指示するためにユーザにより操作される開閉部材開放指示部であり、前記燃料噴射量積算値リセット部は、前記開閉部材開放指示部がユーザにより操作されて、前記開閉部材開放指示部から前記開閉部材の開放を指示する信号が受信されたときに、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットすることを特徴とする蒸発燃料処理装置である。
(1)に係る発明によれば、信号出力部の機能に異常がある場合、信号出力部の機能の異常検出処理が開始されてから、過給油を行うユーザの給油サイクルよりも後に、信号出力部の機能に異常があると判定される。つまり、評価基準値は、燃料タンクに過給油を行う場合を考慮して、燃料タンクの過給油が許容される値に設定される。
したがって、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部の機能に異常があるか否かについて、過給油が行われる場合であっても誤判定することなく、適切なタイミングで判定することができる蒸発燃料処理装置を提供できる。
また、開閉部材の開放を指示するためにユーザにより操作される開閉部材開放指示部の機能に異常があるか否かについて、過給油が行われる場合であっても誤判定することなく、適切なタイミングで判定することができる。
また、給油モード開始時の早い時点で、燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値がリセットされる。このため、例えば内燃機関を停止させずに給油する場合に燃料噴射量の積算を早い時点から行うことができ、開閉部材開放指示部の機能に異常があるか否かについての判定を早めることができる。
また、(2)に係る発明は、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材と、前記開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部と、燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃料噴射量積算値記憶部と、前記信号出力部からの前記信号の受信に応じて、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットする燃料噴射量積算値リセット部と、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値が予め設定される評価基準値に達した場合に、前記信号出力部の機能に異常があると判定する異常判定部と、を備え、前記評価基準値は、前記燃料タンクが過給油に達した場合の給油量に相当する値よりも大きく設定される蒸発燃料処理装置であって、燃費計測のために燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部、をさらに備え、前記燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値が燃費計測のためにリセットされた場合でも、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値はリセットされないことを特徴とする蒸発燃料処理装置である。
(2)に係る発明によれば、信号出力部の機能に異常がある場合、信号出力部の機能の異常検出処理が開始されてから、過給油を行うユーザの給油サイクルよりも後に、信号出力部の機能に異常があると判定される。つまり、評価基準値は、燃料タンクに過給油を行う場合を考慮して、燃料タンクの過給油が許容される値に設定される。
したがって、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部の機能に異常があるか否かについて、過給油が行われる場合であっても誤判定することなく、適切なタイミングで判定することができる蒸発燃料処理装置を提供できる。
また、例えばユーザがリセットボタン等を操作して燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値がリセットされた場合でも、信号出力部の機能に異常があるか否かについての判定には全く影響を及ぼさない。
また、(3)に係る発明は、(1)または(2)のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記評価基準値は、前記燃料タンク内に燃料が所定量残存する時点で給油を行う場合の3回分の給油量に相当する値よりも小さく設定されることを特徴とする。
(3)に係る発明によれば、信号出力部の機能に異常がある場合、信号出力部の機能の異常検出処理が開始されてから、燃料タンク内に燃料が所定量残存する時点で給油を行うモデルユーザの3回目の給油サイクルよりも前に、信号出力部の機能に異常があると判定される。
したがって、モデルユーザの2回の給油サイクルで異常を検知できるため、例えば信号出力部の機能の異常に起因して燃料タンクを大気から遮断する密閉弁の閉止状態が維持されたままで給油が行われて蒸発燃料が大気中へ放出される事態を、信号出力部およびその周辺部品の修理等により早期に解消することが可能となり、大気汚染の防止に配慮した円滑な給油作業を遂行することができる。
また、(4)に係る発明は、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、前記評価基準値は、前記燃料タンク内の燃料の種類に応じて変更されることを特徴とする。
(4)に係る発明によれば、信号出力部の機能に異常があるか否かについて、誤判定することなく、より適切なタイミングで判定することができる。
本発明によれば、燃料タンクの給油口を覆う開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部の機能に異常があるか否かについて、過給油が行われる場合であっても誤判定することなく、適切なタイミングで判定することができる蒸発燃料処理装置を提供できる。
本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置の概要を表す全体構成図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置の主要部を表す機能ブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置が実行する、給油時における制御の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置が実行する、リッドスイッチの機能の異常検出処理の手順を示すフローチャートである。 リッドスイッチの機能が正常である場合の動作の説明に供するタイムチャートである。 リッドスイッチの機能に異常がある場合の動作の説明に供するタイムチャートである。 評価基準値の設定方法を説明するための図である。 燃料噴射量積算値をリセットするタイミングを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置について、図面を参照して詳細に説明する。
〔本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要〕
はじめに、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要について、駆動源として内燃機関および電動モータ(いずれも不図示)を備えるハイブリッド車両に適用した例をあげて、図面を参照して説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材間には同一の参照符号を付するものとする。また、部材のサイズおよび形状は、説明の便宜のため、変形または誇張して模式的に表す場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の概要を表す全体構成図である。図2は、蒸発燃料処理装置11の主要部を表す機能ブロック構成図である。蒸発燃料を処理する役割を果たす蒸発燃料処理装置11は、図1に示すように、燃料タンク13で生じた蒸発燃料を吸着する機能を有するキャニスタ15と、蒸発燃料処理装置11の統括制御を行うECU(Electronic Control Unit)17と、などを備える。
ガソリンなどの燃料を貯留する燃料タンク13には、フューエルインレットパイプ19が設けられている。フューエルインレットパイプ19には、その上流部19aと燃料タンク13との間を連通接続する循環パイプ20が設けられている。フューエルインレットパイプ19のうち燃料タンク13の反対側には、給油ガンのノズル(いずれも不図示)が挿入される給油口19bが設けられる。給油口19bは、車体における後部フェンダ(いずれも不図示)に対して凹形状に設けられるフューエルインレットボックス21内に収容されている。給油口19bには、ねじ式のフィラーキャップ23が取り付けられる。
フューエルインレットボックス21には、フィラーキャップ23を覆うフューエルリッド25が、開放または閉止自在に取り付けられている。フィラーキャップ23およびフューエルリッド25は、本発明の“開閉部材”に相当する。フューエルリッド25には、フューエルリッド25の開放を規制するためのリッドロック機構27が備えられている。給油時においてリッドロック機構27のロックを遠隔的に解除させることによるフューエルリッド25の開放を指示するために、車室内の運転席30には、操作者(ユーザ)により操作されるリッドスイッチ31が設けられている。リッドスイッチ31は、本発明の“信号出力部、開閉部材開放指示部”に相当する。
また、エマージェンシー対応として、例えばトランクルーム(不図示)内には、ユーザの操作によりリッドロック機構27のロックを解除してフューエルリッド25を手動で開放するための手動開放部28が設けられている。
フューエルリッド25には、フューエルリッド25の開放または閉止に係る開閉状態を検知するリッドセンサ29が設けられている。リッドセンサ29で検知されたフューエルリッド25の開閉状態に係る情報は、ECU17へと送られる。
給油時以外の通常時では、フューエルリッド25は、リッドロック機構27によりロックされて閉止状態を維持している。一方、給油時では、リッドスイッチ31が操作され、かつ、後記する所定の条件を充足した場合に、ECU17は、リッドロック機構27のロックを解除させる。これにより、フューエルリッド25は開放される。操作者は、フューエルリッド25の開放によりアクセス可能となったフィラーキャップ23を給油口19bから取り外し、給油ガンのノズル(いずれも不図示)を給油口19bに挿し込んで給油を行うことができる。
燃料タンク13には、燃料タンク13内に貯留された燃料を汲み上げて燃料供給通路33を介して不図示のインジェクタへと送り出す燃料ポンプモジュール35が設けられている。また、燃料タンク13には、燃料タンク13とキャニスタ15との間を連通接続する蒸発燃料排出通路37が設けられている。蒸発燃料排出通路37は、蒸発燃料の流通路としての機能を有する。
蒸発燃料排出通路37における燃料タンク13の側は、二股に分岐している。二股に分岐した蒸発燃料排出通路37のうち一側の通路37aには、フロート弁37a1が設けられている。また、前記蒸発燃料排出通路37のうち他側の通路37bには、カット弁37b1が設けられている。
フロート弁37a1は、給油に伴う燃料の液面の上昇により、燃料タンク13内における気相域の圧力であるタンク内圧Ptankが上昇した場合に閉止するように動作する。具体的には、フロート弁37a1は、燃料タンク13内に燃料が満たされている満タン時に閉止することにより、燃料が燃料タンク13から蒸発燃料排出通路37へ進入するのを防いでいる。なお、本発明において、フロート弁37a1が閉じた状態でさらに給油することを“過給油”という。
一方、カット弁37b1は、車両の姿勢が所定の角度を超えて傾いた場合に閉止するように動作する。具体的には、カット弁37b1は、満タン時には開放しているが、車両の姿勢が所定の角度を超えて大きく傾いた場合に閉止することにより、燃料が燃料タンク13から蒸発燃料排出通路37へ進入するのを防いでいる。
蒸発燃料排出通路37には、タンク内圧センサ39と、密閉弁41と、高圧二方弁43と、がそれぞれ設けられている。
タンク内圧センサ39は、燃料タンク13内における気相域の圧力であるタンク内圧Ptankを検出する機能を有する。ただし、タンク内圧センサ39を、燃料タンク13に対して直に設ける構成を採用してもよい。タンク内圧センサ39の圧力検出部としては、圧電素子を用いることができる。タンク内圧センサ39で検出されたタンク内圧Ptankに係る情報は、ECU17へと送られる。
密閉弁41は、燃料タンク13の内部空間を大気から遮断する機能を有する。具体的には、密閉弁41は、ECU17から送られてくる開閉制御信号に従って動作する常時閉止型の電磁弁である。密閉弁41は、後で詳しく述べるように、前記の開閉制御信号に従って燃料タンク13の内部空間を大気から密閉し、または大気に連通させるように動作する。
高圧二方弁43は、燃料タンク13側の圧力、および、キャニスタ15側の圧力の高低差に基づいて、蒸発燃料の流通方向を制御する機能を有する。具体的には、高圧二方弁43は、蒸発燃料排出通路37において密閉弁41に対して並列に設けられ、ダイアフラム式の正圧弁と負圧弁とを組み合わせた機械式の弁である。
高圧二方弁43のうち正圧弁は、燃料タンク13側の圧力が、キャニスタ15側の圧力と比べて所定圧力だけ高くなったときに開放するように動作する。この開放動作により、燃料タンク13内で高圧になった蒸発燃料が、高圧二方弁43のうち正圧弁を介して、キャニスタ15の側へと送られる。
一方、高圧二方弁43のうち負圧弁は、燃料タンク13側の圧力が、キャニスタ15側の圧力と比べて所定圧力だけ低くなったときに開放するように動作する。この開放動作により、キャニスタ15に貯えられていた蒸発燃料が、高圧二方弁43のうち負圧弁を介して、燃料タンク13側へと戻される。
キャニスタ15は、蒸発燃料を吸着するための活性炭からなる吸着材(不図示)を内蔵している。キャニスタ15の吸着材は、蒸発燃料排出通路37を介して燃料タンク13側から送られてくる蒸発燃料を吸着する。キャニスタ15には、蒸発燃料排出通路37の他に、パージ通路45、および、大気導入通路47がそれぞれ連通接続されている。
パージ通路45のうち、キャニスタ15の反対側は、不図示のインテークマニホールドに連通接続される。一方、大気導入通路47のうち、キャニスタ15の反対側は、大気に連通接続される。大気導入通路47には、診断モジュール49が設けられている。診断モジュール49は、負圧ポンプ、圧力センサ、基準オリフィス、大気導入通路47を開放または閉止する切換弁(いずれも不図示)を備えてなる。診断モジュール49は、燃料タンク13、キャニスタ15、蒸発燃料排出通路37における蒸発燃料の漏れ診断や密閉弁41の機能診断を遂行する際に用いられる。
キャニスタ15は、大気導入通路47を介して取り入れた空気を、キャニスタ15の吸着材に吸着された蒸発燃料と共に、パージ通路45を介してインテークマニホールドへと送るパージ処理を実行するように動作する。
ECU17には、図2に示すように、入力系として、前記のリッドスイッチ31、リッドセンサ29、タンク内圧センサ39、および、燃料噴射量関連情報出力部52がそれぞれ接続されている。燃料噴射量関連情報出力部52は、ここでは、内燃機関(エンジン)の回転数に係る情報を出力する回転数センサ、および内燃機関の吸気圧に係る情報を出力する吸気圧センサを含む(いずれも不図示)。燃料噴射量関連情報出力部52から出力される、内燃機関の回転数に係る情報、および吸気圧に係る情報を含む燃料噴射量関連情報は、ECU17へと送られる。
また、ECU17には、図2に示すように、出力系として、前記密閉弁41を駆動する密閉弁駆動部53、前記リッドロック機構27を駆動するロック解除駆動部55、および、報知部57を駆動する報知駆動部59がそれぞれ接続されている。報知部57は、給油に関する情報を報知する機能を有する。具体的には、報知部57としては、車室内に設けられる液晶ディスプレイなどの表示部(不図示)やスピーカなどの音声出力部を好適に用いることができる。
ECU17は、図2に示すように、給油意思情報取得部61、開閉状態情報取得部63、燃料噴射量積算値リセット部64、異常判定部66、制御部69、燃料噴射量積算値記憶部71、および、燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部72を備えて構成される。
ECU17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータにより構成される。このマイクロコンピュータは、ROMに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行し、ECU17が有する給油意思情報取得機能、開閉状態情報取得機能、燃料噴射量積算値リセット機能、異常判定機能、および、蒸発燃料処理装置11全体の統括制御機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
給油意思情報取得部61は、給油意思に係る情報を取得する機能を有する。具体的には、給油意思情報取得部61は、リッドスイッチ31の操作によるリッドロック機構27のロック解除要求であるリッドスイッチ31のオン信号を、給油意思に係る情報として取得(受信)する。リッドスイッチ31の操作によるリッドロック機構27のロック解除要求は、誤操作の場合を除き、給油の意思がある際にしか生じないからである。
開閉状態情報取得部63は、フューエルリッド25の開閉状態に係る情報を取得する機能を有する。具体的には、開閉状態情報取得部63は、リッドセンサ29の検知結果を、開閉状態に係る情報として取得する。
燃料噴射量積算値リセット部64は、リッドスイッチ31がユーザにより操作されて、リッドスイッチ31からフューエルリッド25の開放を指示する信号(リッドスイッチ31のオン信号)が受信されたときに、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットする機能を有する。
異常判定部66は、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値が予め設定される評価基準値に達した場合に、リッドスイッチ31の機能に異常があると判定する機能を有する。ここで、リッドスイッチ31の機能とは、ユーザの操作に基づいてリッドスイッチ31がオン信号をECU17に確実に届ける機能である。したがって、リッドスイッチ31の機能に異常がある場合には、リッドスイッチ31自体の故障、リッドスイッチ31からECU17までのケーブルの断線等が含まれる。
評価基準値は、燃料タンク13が過給油に達した場合の給油量に相当する値よりも大きく設定される。具体的には、評価基準値は、燃料タンク13に過給油を行う場合を考慮して、過給油を行うユーザの場合の1回分の給油量に相当する値よりも大きく設定される。ここで、過給油を行うユーザは、燃料タンク13が空の時点で給油を行う場合を想定している。また、評価基準値は、早期の異常検知を考慮して、燃料タンク13内に燃料が所定量残存する時点で給油を行うモデルユーザの場合の3回分の給油量に相当する値よりも小さく設定される。ここで、モデルユーザは、フロート弁37a1が閉じて公称満タンとなるまで給油を行う場合を想定している。
制御部69は、燃料噴射量関連情報出力部52から出力される、内燃機関の回転数に係る情報、および吸気圧に係る情報を含む燃料噴射量関連情報に基づいて、燃料噴射量に相当する値を演算し、演算された値を燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値に対して加算する。これにより、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値は、燃料噴射量積算値リセット部64によりリセットされない限り、更新(増大)され続ける。
また、制御部69は、給油意思情報取得部61が給油意思ありの情報として、リッドスイッチ31のオン信号を受信した場合に、給油モードフラグをオンにして(図5のt1a,t1b参照)、密閉弁41を開放させる指令を行うと共に、タンク内圧Ptankが前記所定の圧力範囲に収束した場合に、フューエルリッド25の開放を許可する機能を有する。
ここで、“フューエルリッド25の開放を許可する”とは、リッドロック機構27のロック解除を行うことと同義である。これは、リッドロック機構27のロック解除を行うと、フューエルリッド25がリッドロック機構27による拘束から解き放たれて、フューエルリッド25の開放が許可されることに基づく。
また、制御部69は、開閉状態情報取得部63によりフューエルリッド25の開閉状態が開放から閉止に移行した旨の情報を取得した場合、すなわち、給油が終了したと考えられる場合に、給油モードフラグをオフにして(図5のt2a,t2b参照)、密閉弁41を閉止させる指令を行う機能を有する。
ただし、制御部69は、自車両が走行を開始した旨の情報を取得した場合、あるいは、給油意思情報取得部61がリッドスイッチ31のオン信号を取得した時点から所定時間が経過した場合に給油が終了したと判断して、密閉弁41を閉止させる指令を行ってもよい。このようにすれば、給油中にユーザの手指がリッドセンサ29に誤って触れた場合でも密閉弁41の開放状態を維持させることができる。
燃料噴射量積算値記憶部71は、燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値U(図5等参照)を記憶する。燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部72は、燃費計測のために燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する。
〔蒸発燃料処理装置11の給油時における動作〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の給油時における動作について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11が実行する、給油時における制御の手順を示すフローチャートである。
なお、図3に示す例では、ECU17の動作モードがスリープモードにある前提で、給油時における制御を実行している。ここで、スリープモードとは、リッドスイッチ31のオン監視に機能を限定することで省電力を実現するECU17の動作モードをいう。
図3に示すステップS11において、ECU17は、給油意思情報取得部61が給油意思情報としてのリッドスイッチ31のオン信号を受信したか否かを判断する。ECU17は、リッドスイッチ31のオン信号が受信されるまで、ステップS11の判断処理を繰り返す。ステップS11の判断の結果、リッドスイッチ31のオン信号を受信したと判断した場合(ステップS11の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS12へと進ませる。
ステップS12において、ECU17は、ステップS11におけるリッドスイッチ31のオン信号の受信をトリガとしてウェイクアップし、スリープモードから、各種機能を実行可能な通常モードへと自身の動作モードを移行させる。
ステップS13において、制御部69は、給油モードフラグをオンにして(図5のt1a,t1b参照)、密閉弁41を開放させる指令を行う。これを受けて、密閉弁駆動部53は、密閉弁41を開放させるように駆動する。
ステップS14において、制御部69は、時々刻々と変化するタンク内圧Ptankが、所定の圧力範囲に収束(Ptank<Ptank_th)したか否かを判定する。ここで、所定の圧力閾値Ptank_thは、大気圧に適宜の誤差を加えて設定される。一般に、密閉弁41が閉止されている給油時以外の通常時において、密閉状態の燃料タンク13に係るタンク内圧は、大気圧と比べて高くなっている。これは、燃料タンク13の雰囲気温度が高くなるに伴い、燃料タンク13の内部空間のうち気相域に存在する蒸発燃料を含む空気が膨張するからである。
仮に、燃料タンク13に係るタンク内圧が大気圧と比べて高い状態で給油を行うと、燃料タンク13内の蒸発燃料がフューエルインレットパイプ19を通じて大気中に放出されてしまうため、好ましくない。そこで、ステップS14では、タンク内圧Ptankが、所定の圧力範囲に収束(Ptank<Ptank_th)したか否かを判定することを通じて、大気汚染の防止に配慮した円滑な給油が遂行可能か否かを判定している。
制御部69は、タンク内圧Ptankが所定の圧力範囲に収束した旨の判定が下されるまで、ステップS14の判定処理を繰り返す。ステップS14の判定の結果、タンク内圧Ptankが所定の圧力範囲に収束した旨の判定が下されると(ステップS14の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS15へと進ませる。
ステップS15において、制御部69は、リッドロック機構27のロックを解除させる指令を行う。これを受けて、ロック解除駆動部55は、リッドロック機構27のロックを解除させるように駆動し、フューエルリッド25が開放される。ただし、リッドスイッチ31の機能に異常が生じた結果フューエルリッド25が開放されない場合には、ユーザは、手動開放部28(図1参照)を操作することによりフューエルリッド25を手動で開放することが可能である。
ステップS16において、ECU17は、開閉状態情報取得部63で取得されるフューエルリッド25の開閉状態に係る情報に基づいて、フューエルリッド25が開放後閉止されたか否かを判定する。ECU17は、フューエルリッド25が開放後閉止された旨の判定が下されるまで、ステップS16の判定処理を繰り返す。この間において、ユーザは、フィラーキャップ23を給油口19bから取り外し、給油ガンのノズル(いずれも不図示)を給油口19bに挿し込んで給油を行う。
ステップS16の判定の結果、フューエルリッド25が開放後閉止された旨の判定が下されると(ステップS16の“Yes”)、ECU17は、処理の流れを次のステップS17へと進ませる。
ステップS17において、制御部69は、給油モードフラグをオフにして(図5のt2a,t2b参照)、密閉弁41を閉止させる指令を行う。これを受けて、密閉弁駆動部53は、密閉弁41を閉止させるように駆動する。その後、ECU17は、図3に示す給油時における制御を終了させる。
〔リッドスイッチ31の機能の異常検出処理〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11のリッドスイッチ31の機能の異常検出処理について、図4を参照して詳しく説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11が実行する、リッドスイッチ31の機能の異常検出処理の手順を示すフローチャートである。
図4に示すステップS21において、ECU17は、給油意思情報取得部61が給油意思情報としてのリッドスイッチ31のオン信号を受信したか否かを判断する。ステップS21の判断の結果、ECU17がリッドスイッチ31のオン信号を受信したと判断した場合(ステップS11の“Yes”)、ECU17は処理の流れをステップS22へと進ませる。
ステップS22において、燃料噴射量積算値リセット部64は、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値をリセット(クリア)してゼロにする。したがって、この時点から燃料噴射量積算値のカウントが再スタートされることになる。この後、ECU17は処理の流れをステップS23へと進ませる。
ステップS21の判断の結果、ECU17がリッドスイッチ31のオン信号を受信していないと判断した場合(ステップS11の“No”)、ECU17は処理の流れをステップS23へと進ませる。
ステップS23において、制御部69は、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uを取得する。
そして、ステップS24において、異常判定部66は、ステップS23で取得された燃料噴射量積算値Uが予め設定される評価基準値Uaに達した否かを判断する。ステップS24の判断の結果、燃料噴射量積算値Uが評価基準値Uaに達していないと判断された場合(ステップS24の“No”)、ECU17は処理の流れをステップS25へと進ませる。
ステップS25において、ECU17は、給油モードフラグがオン(図3のステップS13参照)となっているか否かを判断する。ステップS25の判断の結果、給油モードフラグがオンであると判断された場合(ステップS25の“Yes”)、ECU17は処理の流れをステップS26へと進ませる。
ステップS26において、ECU17は、リッドスイッチ31の機能が正常であると判定する(OK判定)。ここで、ECU17は、リッドスイッチ機能OKフラグをオンさせる(図5参照のt1a、t1b)。なお、このリッドスイッチ31の機能が正常であるとの判定は、故障警告灯(MIL:Mulfunction Indicator Lamp)の消灯制御において、ゼロとなったときに消灯させるMIL消去カウンタの減算に使用される。
ステップS25の判断の結果、給油モードフラグがオンでないと判断された場合(ステップS25の“No”)、ECU17は、リッドスイッチ機能OKフラグをオフに戻して(図5のt2a、t2b参照)、処理の流れをステップS21へと戻す。
一方、ステップS24の判断の結果、燃料噴射量積算値Uが評価基準値Uaに達したと判断された場合(ステップS24の“Yes”)、ECU17は処理の流れをステップS27へと進ませる。
ステップS27において、異常判定部66は、リッドスイッチ31の機能に異常があると判定する(NG判定)。ここで、異常判定部66は、リッドスイッチ機能NGフラグをオンさせる(図6のt3参照)。また、ECU17は、報知駆動部59を駆動させて報知部(メータ表示部)57に故障警告灯の点灯等の所定の警告表示を行う。その後、ECU17は、図4に示すリッドスイッチ31の機能の異常検出処理を終了させる。これにより、ユーザは、リッドスイッチ31およびその周辺部品の修理等を速やかに受けることができる。
〔リッドスイッチ31の機能の異常検出処理に関する時系列動作〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11のリッドスイッチ31の機能の異常検出処理に関する時系列動作について、図5および図6を参照して説明する。
図5は、リッドスイッチ31の機能が正常である場合の動作の説明に供するタイムチャートである。図6は、リッドスイッチ31の機能に異常がある場合の動作の説明に供するタイムチャートである。
まず、図5を参照してリッドスイッチ31の機能が正常である場合について説明する。
時刻t1aの前において、リッドスイッチ31の機能の異常検出処理は継続して行われている。そして、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uが予め設定される評価基準値Uaに達しないため、リッドスイッチ31の機能に異常があるとの判定はなされない。
時刻t1aにおいて、ユーザがリッドスイッチ31を操作すると、ECU17は、リッドスイッチ31からのオン信号を受信してユーザの給油意思を認識し、給油モードフラグをオンにして、密閉弁41を開放させる。
そして、給油モードにおいて、燃料噴射量積算値Uが評価基準値Uaに達していないため、ECU17は、OK判定をして(図4のステップS26参照)、リッドスイッチ機能OKフラグをオンにする。
また、ECU17がリッドスイッチ31からのオン信号の受信を確認すると、燃料噴射量積算値リセット部64が、給油モードの開始時に、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uをリセットする(図4のステップS22参照)。
時刻t1a〜t2aの期間、すなわち給油モードにおいて、ユーザによる給油が行われる。この間において、内燃機関(エンジン)が停止していれば、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uはゼロのまま増加しない。
時刻t2aにおいて、フューエルリッド25が開放後閉止されると、ECU17は、給油モードフラグをオフにして、密閉弁41を閉止させる。そして、内燃機関(エンジン)の作動に伴って、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uは、増大していく。
また、時刻t2a〜t1bの期間、時刻t1b、時刻t1b〜t2bの期間、時刻t2bにおける時系列動作は、前記した時刻t1aの前、時刻t1a、時刻t1a〜t2aの期間、時刻t2aにおける時系列動作と同様であるため説明を省略する。
このようにリッドスイッチ31の機能が正常である場合には、給油時にリッドスイッチ31が操作されるたびに燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uがリセットされるため、燃料噴射量積算値Uが評価基準値Uaに達することはない。
次に、図6を参照してリッドスイッチ31の機能に異常がある場合について説明する。
時刻t1aの前において、リッドスイッチ31の機能の異常検出処理は継続して行われている。ここでは、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uが予め設定される評価基準値Uaに達しないため、リッドスイッチ31の機能に異常があるとの判定はなされない。
時刻t1aにおいて、ユーザがリッドスイッチ31を操作するが、リッドスイッチ31の機能に異常があるため、ECU17は、リッドスイッチ31からのオン信号を受信することはない。このため、ECU17は、ユーザの給油意思を認識できず、給油モードフラグはオフのままである。この場合、ユーザは、例えば手動開放部28(図1参照)を操作することによりフューエルリッド25を手動で開放して給油を行う。
ここで、ECU17はリッドスイッチ31からのオン信号の受信を確認できないため、燃料噴射量積算値リセット部64が燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uをリセットすることはない。
したがって、時刻t1aの後において、給油後の内燃機関(エンジン)の作動に伴って、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uが、さらに増大していく。
時刻t3において、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uが評価基準値Uaに達すると、ECU17は、NG判定をして(図4のステップS27参照)、リッドスイッチ機能NGフラグをオンにする。ここで、リッドスイッチ31の機能の異常検出処理が終了し、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uがリセットされる。そして、その後のMIL消去カウンタの減算時に、燃料噴射量の積算が再開される。
〔本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11の作用効果について説明する。
本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11は、燃料タンク13の給油口19bを覆うフューエルリッド(開閉部材)25と、フューエルリッド25の開放に関する信号を出力するリッドスイッチ(信号出力部)31と、燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値Uを記憶する燃料噴射量積算値記憶部71と、リッドスイッチ31からの前記信号の受信に応じて、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uをリセットする燃料噴射量積算値リセット部64と、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uが予め設定される評価基準値Uaに達した場合に、リッドスイッチ31の機能に異常があると判定する異常判定部66と、を備えている。
図7は、評価基準値Uaの設定方法を説明するための図である。
図7に示すように、評価基準値Uaは、過給油を行うユーザの場合の1回分の給油量に相当する値よりも大きく設定される。この設定においては、燃料噴射量積算値Uとして、燃料噴射量の積算のばらつきやマージンを考慮して、標準値Uに対して例えば所定割合大きい上方値Uが使用されることが好ましい。燃料噴射量の積算のばらつきには、インジェクタ(不図示)の初期および耐久劣化の性能ばらつき、燃料ポンプモジュール35の初期および耐久劣化の性能ばらつき、燃料の種類の違い、パージ処理分の補正ずれ等が含まれる。
したがって、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11によれば、リッドスイッチ(信号出力部)31の機能に異常がある場合、リッドスイッチ31の機能の異常検出処理が開始されてから、過給油を行うユーザの1回目の給油サイクル(図7の期間A)よりも後の期間B(図7参照)に、リッドスイッチ31の機能に異常があると判定される。つまり、評価基準値Uaは、燃料タンク13に過給油を行う場合を考慮して、燃料タンク13の過給油が許容される値に設定される。
したがって、燃料タンク13の給油口19bを覆うフューエルリッド(開閉部材)25の開放に関する信号を出力するリッドスイッチ(信号出力部)31の機能に異常があるか否かについて、過給油が行われる場合であっても誤判定することなく、適切なタイミングで判定することができる蒸発燃料処理装置11を提供できる。
このように本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11では、フューエルリッド(開閉部材)25の開放に関する信号を出力する信号出力部を、運転席30に設けられ、フューエルリッド25の開放を指示するためにユーザにより操作されるリッドスイッチ(開閉部材開放指示部)31に適用したものである。
また、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11では、燃料噴射量積算値リセット部64は、リッドスイッチ(開閉部材開放指示部)31がユーザにより操作されて、リッドスイッチ31からフューエルリッド(開閉部材)25の開放を指示する信号が受信されたときに、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uをリセットする。
図8は、燃料噴射量積算値をリセットするタイミングを説明するための図である。燃料噴射量積算値Uのリセットのタイミングは、給油モードの終了時(図8の二点鎖線で示す燃料噴射量積算値のグラフ参照)よりも早い給油モード開始時(図8の実線で示す燃料噴射量積算値のグラフ参照)に設定されることが好ましい。
このような構成によれば、給油モード開始時の早い時点で、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uがリセットされる。このため、例えば車両用エアコン(不図示)の動作要求により内燃機関(エンジン)を停止させずに給油する場合に燃料噴射量の積算を早い時点から行うことができ、リッドスイッチ31の機能に異常があるか否かについての判定を早めることができる。
また、図7に示すように、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11では、評価基準値Uaは、燃料タンク13内に燃料が所定量残存する時点で給油を行うモデルユーザの場合の3回分の給油量に相当する値よりも小さく設定される。この設定においては、燃料噴射量積算値Uとして、燃料噴射量の積算のばらつきや、マージンを考慮して、標準値Uに対して例えば所定割合小さい下方値Uが使用されることが好ましい。
このような構成によれば、リッドスイッチ(信号出力部)31の機能に異常がある場合、リッドスイッチ31の機能の異常検出処理が開始されてから、モデルユーザの3回目の給油サイクル(図7の期間C)よりも前の期間B(図7参照)に、リッドスイッチ31の機能に異常があると判定される。図7中の期間Mは、燃料噴射量積算値Uのずれを考慮した上で、NG判定が行われる期間を示している。
したがって、モデルユーザの2回の給油サイクルで異常を検知できるため、例えばリッドスイッチ31の機能の異常に起因して燃料タンク13を大気から遮断する密閉弁41の閉止状態が維持されたままで給油が行われて蒸発燃料が大気中へ放出される事態を、リッドスイッチ31およびその周辺部品の修理等により早期に解消することが可能となり、大気汚染の防止に配慮した円滑な給油作業を遂行することができる。
また、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11では、評価基準値Uaは、燃料タンク13内の燃料の種類に応じて変更される、構成を採用してもよい。
このような構成によれば、リッドスイッチ(信号出力部)31の機能に異常があるか否かについて、誤判定することなく、より適切なタイミングで判定することができる。
また、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11では、燃費計測のために燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部72(図2参照)、をさらに備え、燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部72に記憶されている燃料噴射量積算値が燃費計測のためにリセットされた場合でも、燃料噴射量積算値記憶部71に記憶されている燃料噴射量積算値Uはリセットされない、構成を採用してもよい。
このような構成によれば、例えばユーザがリセットボタン(不図示)等を操作して燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部72に記憶されている燃料噴射量積算値がリセットされた場合でも、リッドスイッチ(信号出力部)31の機能に異常があるか否かについての判定には全く影響を及ぼさない。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明に係る実施形態において、フューエルリッド25の開放に関する信号を出力する、本発明の“信号出力部”として、リッドスイッチ31を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。フューエルリッド25の開放に関する信号を出力する、本発明の“信号出力部”は、例えば、フューエルリッド(開閉部材)25の開放状態または閉止状態を示す信号を出力する開閉状態検知部としての例えばリッドセンサ29にも適用可能である。
また、本発明に係る実施形態において、燃料噴射量に相当する値として、内燃機関の回転数に係る情報、および吸気圧に係る情報を含む燃料噴射量関連情報に基づいて演算した燃料噴射量の値を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料噴射量に相当する値として、例えば燃料噴射時間、車両の走行距離等の他のパラメータを使用してもよい。
また、本発明に係る実施形態において、駆動源として内燃機関および電動モータを備えるハイブリッド車両に対して、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11を適用する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。動力源として内燃機関のみを備えた車両に対して、本発明を適用してもよい。
また、本発明に係る実施形態において、給油口19bにフィラーキャップ23を有する構造の車両に対して、本発明の実施形態に係る蒸発燃料処理装置11を適用する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。給油口19bにフィラーキャップ23を有しない、いわゆるキャップレス構造の車両に対して、本発明を適用してもよい。
11 蒸発燃料処理装置
13 燃料タンク
17 ECU
19b 給油口
25 フューエルリッド(開閉部材)
29 リッドセンサ
30 運転席
31 リッドスイッチ(信号出力部、開閉部材開放指示部)
64 燃料噴射量積算値リセット部
66 異常判定部
69 制御部
71 燃料噴射量積算値記憶部
72 燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部
U 燃料噴射量積算値
Ua 評価基準値

Claims (4)

  1. 燃料タンクの給油口を覆う開閉部材と、
    前記開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部と、
    燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃料噴射量積算値記憶部と、
    前記信号出力部からの前記信号の受信に応じて、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットする燃料噴射量積算値リセット部と、
    前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値が予め設定される評価基準値に達した場合に、前記信号出力部の機能に異常があると判定する異常判定部と、を備え、
    前記評価基準値は、前記燃料タンクが過給油に達した場合の給油量に相当する値よりも大きく設定され
    前記信号出力部は、運転席に設けられ、前記開閉部材の開放を指示するためにユーザにより操作される開閉部材開放指示部であり、
    前記燃料噴射量積算値リセット部は、前記開閉部材開放指示部がユーザにより操作されて、前記開閉部材開放指示部から前記開閉部材の開放を指示する信号が受信されたときに、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットすることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 燃料タンクの給油口を覆う開閉部材と、
    前記開閉部材の開放に関する信号を出力する信号出力部と、
    燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃料噴射量積算値記憶部と、
    前記信号出力部からの前記信号の受信に応じて、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値をリセットする燃料噴射量積算値リセット部と、
    前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値が予め設定される評価基準値に達した場合に、前記信号出力部の機能に異常があると判定する異常判定部と、を備え、
    前記評価基準値は、前記燃料タンクが過給油に達した場合の給油量に相当する値よりも大きく設定される蒸発燃料処理装置であって、
    燃費計測のために燃料噴射量に相当する値の積算値である燃料噴射量積算値を記憶する燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部、をさらに備え、
    前記燃費計測用燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値が燃費計測のためにリセットされた場合でも、前記燃料噴射量積算値記憶部に記憶されている燃料噴射量積算値はリセットされないことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  3. 前記評価基準値は、前記燃料タンク内に燃料が所定量残存する時点で給油を行う場合の3回分の給油量に相当する値よりも小さく設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記評価基準値は、前記燃料タンク内の燃料の種類に応じて変更されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
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