JP3219021B2 - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents

エバポパージシステムの故障診断装置

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JP3219021B2
JP3219021B2 JP15871197A JP15871197A JP3219021B2 JP 3219021 B2 JP3219021 B2 JP 3219021B2 JP 15871197 A JP15871197 A JP 15871197A JP 15871197 A JP15871197 A JP 15871197A JP 3219021 B2 JP3219021 B2 JP 3219021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクからの
蒸発燃料の大気への放出を防止する蒸発燃料排出制御装
置(以下エバポパージシステムと称する)に係り、特
に、エバポパージシステムの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料タンクからの蒸発燃料の大気
への放出を防止するエバポパージシステムとしては、そ
の一例が、特開平8−270480号公報に示されてい
る。
【0003】図9に示される如く、このエバポパージシ
ステムでは、燃料タンク100からの蒸発燃料をキャニ
スタ102に導いてキャニスタ102内の吸着剤に吸着
させると共に、内燃機関104の所定運転条件下でキャ
ニスタ102内にバージ空気を通過させ、吸収した蒸発
燃料を吸着剤から放出させ、バージ空気と蒸発燃料との
混合気(バージガス)を機関吸気路106に供給して機
関104で燃焼させるようになっている。
【0004】また、このようなエバポパージシステムで
は、各部に洩れ等の故障が生じると、蒸発燃焼が機関1
04に供給されずに大気に放出されてしまい、大気汚染
の原因となる場合が生じる。例えば、燃料タンク100
の気密が破壊され洩れを生じた場合には、燃料タンク内
の蒸発燃料が直接大気に放出されるようになるが、この
ような故障が生じた場合でも機関104の運転に何ら支
障がないため、運転者はこの故障の発生に気づかずにそ
のまま機関運転を継続する場合がある。
【0005】この問題を解決するため、エバポパージシ
ステムの故障、特に燃料タンクに洩れが発生したことを
検出し、運転者に報知するようにした故障検出装置が種
々考案されている。
【0006】例えば、機関始動後の所定の期間内の燃料
タンク内圧が予め定めて圧力範囲を越えて変化しない場
合には、燃料タンクに洩れなどの故障が生じたと判定す
るようにしたものである。後述するように燃料タンクか
らのベーパ通路には内圧制御弁等の弁装置が設けられて
おり、燃料タンク内圧が正圧側の設定圧以上、または負
圧側の設定圧以下になったときのみ燃料タンクとキャニ
スタとを連通するようになっている。このため、燃料タ
ンク内圧が上記の正圧側と負圧側の設定圧力の間にある
場合には燃料タンクは密閉されている。
【0007】このため、機関始動後燃料ポンプによって
燃料タンク内の燃料が汲みだされるようになり燃料タン
ク内の燃料油液面が低下すると燃料タンク内圧は低下す
る。また、機関始動後ある程度の時間が経過すると燃料
タンク内に還流される噴射弁からの高温のリターン燃料
と排気系からの受熱により燃料タンク内燃料油温度が上
昇するため、燃料蒸気圧が上昇しタンク内圧は上昇す
る。
【0008】すなわち、燃料タンクに洩れ等の故障がな
ければ、燃料タンク内圧は機関始動後一時的に低下し、
その後上昇して内圧制御弁の設定圧近傍になる。一方、
燃料タンクに洩れが生じている場合には、燃料タンク内
部と大気とが常に連通しているので、機関始動後も上記
のような圧力変動は生じず、燃料タンク内圧は大気圧近
傍に留まったままとなる。上記公報の装置はこの圧力変
化を検出して、機関始動後の所定期間内に燃料タンク内
圧が上述したような変化を示さない場合には燃料タンク
に洩れなどの故障が生じたと判定するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記装
置にように、機関始動後の燃料タンク内の圧力に基づい
て燃料タンクの故障の有無を判定していると誤判定を生
じる場合がある。例えば、前述のように通常であれば機
関始動後には燃料消費により燃料タンク内圧は一時的に
低下するが、機関始動後アイドル運転等のように機関燃
料消費量が極めて少ない運転状態が長時間続けられた場
合には、始動後の燃料タンク内圧の低下は少なくなり、
始動後の燃料タンク内圧低下を検出して燃料タンクの故
障有無を判定していると、燃料タンクに洩れがないにも
かかわらず洩れが生じたと誤判定してしまう可能性があ
る。
【0010】また、機関始動後ある程度の時間が経過す
ると、通常であればリターン燃料と排気系からの受熱に
よる燃料タンク内燃料温度上昇のための燃料タンク内圧
は上昇するが、この期間に機関の高負荷運転等のように
機関燃料消費が大きい運転状態が続けられた場合には、
燃料タンク内燃料油面の下降速度が大きくなるため、燃
料タンク内圧の上昇幅は小さくなる。従って、始動後所
定時間経過後の燃料タンク内圧上昇を検出して燃料タン
クの故障の有無を判定していると、この場合も燃料タン
クが正常であるにもかかわらず故障が生じたと誤判定し
てしまう可能性がある。
【0011】また、燃料タンク内圧を所定範囲に保持す
る内圧制御弁の設定圧力は大気圧に比較的近い値に設定
されるのが通常であるため、燃料タンクに洩れ等の故障
がない場合でも機関始動後の燃料タンク内圧変化幅はそ
れほど大きくならない。このため、故障の有無を判定す
るためには比較的小さな圧力変化があるか否かを判定す
る必要があり、例えば圧力検出中の気温の変化や圧力検
出用のセンサの公差などが故障有無の判定精度に大きく
影響し、正確な判定ができなくなる場合が生じる。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、燃料タンク内
圧に基づいて燃料タンクの故障の有無を判定する場合
に、誤判定が生じることを防止して正確な故障診断を行
うことが可能なエバポパージシステムの故障診断装置を
得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
エバポパージシステムの故障診断装置は、燃料タンク内
の圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段によ
り検出した燃料タンク内圧を記憶する記憶手段と、車両
停車時の燃料タンク内圧を内圧基準値として前記記憶手
段に記憶し、該内圧基準値と車両走行中の燃料タンク内
圧値との差分を車両停止時から次停止時まで積算し、該
積算値と予め設定した判定値を比較してシステムの故障
を診断すると共に、前記内圧基準値を車両の停止毎に更
新する診断手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】従って、機関始動後、燃料タンク内の温度
上昇により、燃料蒸気の発生量が増加するが、燃料タン
ク内圧の内圧基準値は車両停車毎に更新されるため、燃
料タンク内の温度変化による圧力変動分の影響を受け
ず、燃料消費による燃料タンク内圧変化によって、燃料
タンクの故障を診断できるため、正確な診断が可能であ
る。
【0015】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
エバポパージシステムの故障診断装置において、前記診
断手段は、車両の走行及び停車回数が所定回数以上ある
場合にのみ、故障の有無判定を行うことを特徴としてい
る。
【0016】従って、故障の有無判定は、十分な燃料消
費によって燃料タンク内圧変化が大きくなった場合にの
み行われるので、故障検出精度が向上する。
【0017】請求項3記載の本発明は、請求項1または
請求項2記載のエバポパージシステムの故障診断装置に
おいて、前記診断手段は、車両走行時に所定以上の燃料
消費量がある場合にのみ、故障の有無判定を行うことを
特徴としている。
【0018】従って、故障の有無判定は、十分な燃料消
費によって燃料タンク内圧変化が大きくなった場合にの
み行われるので、故障検出精度が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のエバポパージシステムの
故障診断装置の一実施形態を図1〜図8に従って説明す
る。
【0020】図1に示される如く、本実施形態の内燃機
関本体10の吸気通路12には、図示を省略したアクセ
ルペダルが操作されることによって開閉するスロットル
弁14が設けられている。また、吸気通路12には、内
燃機関本体10の各気筒燃料ポートに後述するフュエル
ポンプ16から供給される加圧燃料を噴射する燃料噴射
弁18が設けられている。
【0021】燃料タンク20内の燃料油はフュエルポン
プ16により昇圧され、フィード管22を介して燃料噴
射弁18に圧送される。また、燃料噴射弁18に供給さ
れる燃料油の圧力は、プレッシャレギュレータ24によ
って一定に制御されるようになっている。フュエルポン
プ16から圧送された燃料のうち、燃料噴射弁18から
機関に噴射されなった燃料はリターン管26を通じて燃
料タンク20に還流されるようになっている。
【0022】診断手段としての制御回路30は、ROM
(リードオンリメモリ)32、記憶手段としてのRAM
(ランダムアクセスメモリ)34、CPU(マイクロプ
ロセッサ)36及び入出力ポート38、40を互いに双
方向性バス42で接続した公知の構成のコンピュータか
らなり、機関の燃料噴射制御を行う他、本実施形態では
後述するエバポパージシステムの故障診断を行ってい
る。
【0023】上記制御のため、制御回路30の出力ポー
ト40は図示しない駆動回路を介して燃料噴射弁18に
接続され、燃料噴射弁18の開弁時間(燃料噴射量)を
制御している他、後述するバージ制御弁44のアクチュ
エータ44Aに接続され、バージ制御弁44の作動を制
御している。また、制御回路30の入力ポート38には
内燃機関本体10の回転数、吸入空気量、機関冷却水温
等を表す信号が、それぞれ図示を省略したセンサから入
力されている他、後述する圧力検出手段としての圧力セ
ンサ46からの信号が図示を省略したA/D変換器を経
由して入力されている。
【0024】燃料タンク20内の蒸発燃料を吸着するキ
ャニスタ48は、ベーパ配管50により燃料タンク20
の燃料液面上部空間と、また、バージ配管52により吸
気通路12のスロットル弁14下流側部分と、それぞれ
接続されている。バージ通路52を開閉するバージ制御
弁44は、制御回路30からの信号により機関の所定運
転条件下で開弁し、キャニスタ48と吸気通路12のス
ロットル弁14下流側部分とを連通してキャニスタ48
のバージを行う。なお、バージ制御弁44のアクチュエ
ータ44Aはソレノイド、負圧アクチュエータ等の適宜
な形状のアクチュエータである。
【0025】また、圧力センサ46は燃料タンク20の
故障を検出するために設けられている。圧力センサ46
は検出圧力と大気圧との差圧に比例した電圧信号を出力
するものであり、圧力センサ46の出力信号は図示を省
略したA/D変換器を通して制御回路30入力ポート3
8に供給されている。また、圧力センサ46の圧力検出
部は三方弁54を介してベーパ配管50とバージ配管5
2のキャニスタ48とバージ制御弁44との間の部分に
接続されており、三方弁54を切り換えることによりベ
ーパ配管50の圧力(燃料タンク20の内圧)とバージ
配管52の圧力(キャニスタ48の内圧)との両方を検
出することが可能となっている。
【0026】三方弁54のアクチュエータ54Aはソレ
ノイド、負圧アクチュエータなどの適宜な形式のものが
使用され、図示を省略した駆動回路を介して制御回路3
0の出力ポート40に接続されている。アクチュエータ
54Aは制御回路30からの信号に応じて三方弁54の
切換動作を行い、圧力センサ46の検出端をベーパ配管
50とバージ配管52に接続する。
【0027】図2に示される如く、キャニスタ48はハ
ウジング48Aと、このハウジング48A内に充填され
た活性炭などの蒸発燃料吸着剤49とを備えている。ハ
ウジング48Aは、内圧制御弁60と均圧弁62とを介
してベーパ配管50に接続されている。また、ハウジン
グ48Aには、大気弁64と大気放出弁66が設けられ
ている。
【0028】内圧制御弁60は燃料タンク20内圧が大
気圧より所定の圧力(ΔPA )だけ高くなると開弁し、
キャニスタ48と燃料タンク20とを連通する。また、
均圧弁62は、燃料タンク20内圧がキャニスタ48内
圧より所定の圧力(ΔPB )だけ低くなると開弁し、同
様にキャニスタ48と燃料タンク20とを連通する。
【0029】一方、大気弁64はキャニスタ48内圧が
大気圧より所定圧力(ΔPC )だけ低くなると開弁し、
配管64A、エアクリーナ68を介してキャニスタ48
内を大気とを連通する。また、大気放出弁66は逆にキ
ャニスタ48内圧が大気圧より所定圧力だけ高くなると
キャニスタ48内と大気とを連通し、キャニスタ48の
過度の圧力上昇を防止する。なお、上記弁装置60、6
2、64、66の開弁圧力(ΔPA 、ΔPB 、ΔPC
の設定については後に説明する。
【0030】次に、本実施形態のキャニスタ48の機能
について説明する。キャニスタ48と吸気通路12とを
接続するバージ配管52上のバージ制御弁44が開弁中
に燃料タンク20内圧が上昇して内圧制御弁60の開弁
圧力(ΔP A )に到達すると、内圧制御弁60が開弁す
る。これにより、ベーパ配管50を介して燃料タンク2
0からキャニスタ48内へ蒸発燃料が流入し、吸着剤4
9に蒸発燃料が吸着され、空気のみが大気放出弁66か
ら放出される。このため、燃料タンク20内圧は内圧制
御弁60の開弁圧力(大気圧+ΔPA )以下に保持され
るとともに、蒸発燃料の大気放出が防止される。
【0031】また、機関運転中にバージ制御弁44が開
弁されると、キャニスタ48内にはバージ配管52を介
して吸気通路12のスロットル弁14下流側の負圧が作
用する。これにより、大気弁64が開弁し、配管64A
からキャニスタ48内に清浄な空気が流入する。この空
気は吸着剤49から吸着した蒸発燃料を離脱させ、蒸発
燃料と空気との混合ガス(バージガス)となってバージ
配管52から吸気通路12に流入し、機関燃焼室で燃焼
する。これにより、吸着剤49が蒸発燃料で飽和するこ
とが防止される。
【0032】さらに、機関停止後等に燃料タンク20内
の燃料温度が低下した燃料タンク20内圧がキャニスタ
48圧力より所定の圧力(ΔPB )だけ低くなると、均
圧弁62が開弁し、ベーパ配管50を介して燃料タンク
20とキャニスタ48内部とを連通する。これにより、
燃料タンク20内圧とキャニスタ48内圧との圧力差は
均圧弁62の開弁差圧以下に保持される。ここでキャニ
スタ48内圧は大気弁64により、大気圧より所定圧
(ΔPD )以上低下することはないため、燃料タンク2
0内圧は均圧弁62と大気弁64により(大気圧−(Δ
B +ΔPC ))以上に保持されることになる。
【0033】すなわち、燃料タンク20内圧は、内圧制
御弁60、均圧弁62、大気弁64の作用により常に、
(大気圧+ΔPA )の正圧と(大気圧−(ΔPB +ΔP
C )の負圧との間に保持される。
【0034】次に、本実施形態の燃料タンクの故障有無
の検出方法について説明する。本実施形態では、機関始
動後の燃料タンク20の内圧の変化により燃料タンク2
0の洩れ等の故障を検出する。機関始動後の燃料タンク
20の内圧は始動時の燃料タンク20内燃料温度により
異なっている。すなわち、機関の冷間始動時で燃料タン
ク20内の燃料油温度が低下している場合には燃料蒸気
圧の低下により燃料タンク20内圧は負圧になってい
る。また、機関の高温始動時で燃料タンク20内の燃料
油温度が高い場合には燃料タンク20内の圧力は燃料蒸
気圧の上昇により正圧になっている。しかし、前述のよ
うに、燃料タンク20内圧は内圧制御弁60、大気弁6
4等により制御されているため、(大気圧+ΔPA )と
(大気圧−(ΔPB +ΔPC )との間に保持されてい
る。
【0035】一方、機関始動後はフュエルポンプ16の
作動により燃料タンク内燃料油のレベルが低下するた
め、機関始動後ある程度の時間が経過すると燃料タンク
内圧は始動時の圧力より低下する。また、機関始動後
は、燃料噴射弁18からの高温の余剰燃料がリターン配
管26を介して燃料タンク20に還流されるため燃料タ
ンク20内の燃料油温度は徐々に上昇し、燃料タンク2
0内圧は上昇するようになる。
【0036】図3の実線は燃料タンク20に洩れがない
場合の機関冷間始動後の燃料タンク20内圧の変化を、
点線は同じく漏れがない場合の機関高温始動後の燃料タ
ンク20内圧の変化を示しており、一点鎖線は燃料タン
ク20に洩れが生じた場合の機関始動後の燃料タンク2
0内圧変化を示している。図3に示される如く、機関冷
間始動時には始動後にタンク内圧は油面低下により一時
的に低下して負圧になり通常、始動後5分程度で最も低
圧になる、また、時間が経過すると燃料タンク20内圧
は徐々に増大して通常、始動後20分程度で内圧制御弁
60の設定値近傍まで上昇することになる。
【0037】一方、機関停止後短時間で再始動したよう
な場合で始動時の燃料タンク内燃料油温度が高い場合に
は、燃料タンク20内圧は機関始動時から大気圧より高
くなっており、始動後短時間で内圧制御弁60の設定圧
力に達する。ところが、燃料タンク20に洩れが生じて
いると、洩れ部分を通して燃料タンク20内と大気とが
直接連通するようになるため、燃料タンク20内圧は燃
料油温度にかかわらず大気圧付近に保たれる(図3の一
点鎖線)。
【0038】このため、機関始動後の所定の期間内の燃
料タンク20の圧力変化から燃料タンク20に洩れが生
じているか否かを判定することができる。上記のような
機関始動後の燃料タンク20内圧変化に基づいて燃料タ
ンク20の故障有無を行うため、圧力センサ46で検出
された圧力値に基づく種々の故障判定パラメータを使用
する方法が考えられるが、ここでは、そのうちの故障判
定パラメータとして機関始動後の燃料タンク20内圧の
時間積分値を使用する判定方法について説明する。
【0039】図4に示される如く、本判定方法では、燃
料タンク20内圧の時間積分値、すなわち、図4に斜線
で示した圧力の時間変化カーブと大気圧線とで囲まれる
部分の面積に基づいて故障の有無の判断を行う。通常、
燃料タンク20に故障が生じている場合にも、機関始動
後の燃料タンク20内圧は負圧側、正圧側に多少変化す
るが、図4のように燃料タンク20内圧の時間積分値を
とると、燃料タンク20が正常な場合に較べて積分値は
極めて小さくなる。このため、故障時と正常値との差が
大きく、外乱の影響を受けずに明確な故障有無判定が可
能となる。
【0040】図5に示される如く、この判定方法のフロ
ーチャートのルーチンは制御回路30により一定時間毎
に実行される。
【0041】なお、図5において、KDは燃料タンク2
0の故障診断が終了したか否かを示すフラグ、FXは故
障判定フラグ、tはカウンタ、t0 は故障判定のための
時間を示す。
【0042】図5に示されるルーチンでは、機関始動完
了後所定時間t0 が経過するまで(ステップ507)、
ルーチン実行毎に圧力センサ30で検出した燃料タンク
20内圧Pを用いて、燃料タンク20内圧の時間積分値
(正確には大気圧と燃料タンク20内圧Pとの差の絶対
値の積分値)PSを計算する(ステップ511)。そし
て、所定時間t0 が経過した時点での積分値PSと所定
の判定値PS0 とを比較し(ステップ513)、PS≧
PS0 の場合には燃料タンク20は正常であると判定し
(ステップ515)、PS<PS0 の場合には燃料タン
ク20に故障が生じたと判定する(ステップ517)。
【0043】なお、本実施形態では、故障判定のための
時間t0 は20分程度としているが、t0 を正常時に燃
料タンク20の負圧がピークになる程度の時間(例えば
機関開始後5分程度)に設定するようにしても良い。図
4に示すように、燃料タンク20に故障が生じた場合に
は、特に燃料タンク20内圧が負在側になる時期では圧
力低下が小さく負圧になっている時間も短いため、故障
時と正常時とではこの期間の圧力時間積分値に大きな差
が生じるからである。
【0044】なお、上記図5のルーチンにおいて、故障
判定フラグFXの値が1にセットされると、別途制御回
路30により実行される図示しないルーチンにより、警
告灯が点灯され運転者にエバポバージシステムの故障発
生を報知する。また、機関イグニッションスイッチオフ
時にも記憶内容を保持可能なバックアップRAMを設け
FXの値を比較し、次回の修理、点検に備えるようにし
ても良い。
【0045】ところで、上記の方法で燃料タンク20の
故障有無の判定をするためには燃料タンク20が正常な
場合に燃料タンク20内圧が図3に示したように変化す
る必要があるが、始動後の機関運転状態によっては燃料
タンク20が正常であっても燃料タンク20内圧の変化
が小さくなる場合がある。例えば、図3で説明したよう
に機関始動後に燃料タンク20内圧の低下が生じるのは
機関の燃料消費のために燃料タンク20液面レベルが低
下することによっているが、機関始動直後に燃料消費量
が極めて少ない運転状態(例えばアイドル運転)が続い
たような場合燃料タンク20液面の低下速度は小さくな
り、それに応じて燃料タンク20内圧の低下幅は小さく
なる。
【0046】従って、このような運転状態においても上
記の方法で燃料タンク20の故障の有無を判定すると、
燃料タンク20が正常であるにもかかわらず、故障判定
がなされてしまう問題がある。
【0047】上記問題を防止するため、本実施形態で
は、図6のフローチャートに示される故障診断実行可否
の判定ルーチンを実行する。
【0048】このルーチンがスタートするとステップ6
01では機関の始動が完了したか否かが判定され、始動
が完了していない場合にはステップ625からステップ
629で後述するカウンタ(T)、停車時の燃料タンク
内圧(PTNKSTP)、燃料タンク内圧(PTNK
W)の値の初期化が行われる。
【0049】ステップ601で機関の始動が完了してい
る場合には、65ms毎の処理(ステップ603)で、
車速(SPD)が7km/hより遅い場合に(ステップ
605)、燃料タンク内圧を更新する(PTNKSTP
=PTNKW)(ステップ607)。
【0050】この結果、図7に示される如く、燃料タン
ク内圧の基準値(PTNKSTP)は、車両の停止毎
(SPD<7km/hとなる毎)に更新される。
【0051】一方、図6のルーチンでは、10sec毎
の処理(ステップ613)で、車速(SPD)が7km
/h以上の場合に(ステップ615)、ノイズ対策とし
て、燃料タンク内圧の走行時と停車時との差分(tDP
TNKSD)が0.138mmHg以上の場合に(tD
PTNKSD=PTNKSTP−PTNKW≧0.13
8mmHg)(ステップ617)、停車中の燃料タンク
内圧と今の燃料タンク内圧の差分を車両停止時から次停
止時まで積算する(PTNKSGDn =PTNKSGD
n-1 +(PTNKSTP−PTNKW)(ステップ61
9)。
【0052】その後、ステップ621において、車両の
停止(アイドル)と走行が所定回数、例えば5回以上あ
るか否かの判定(CJGOSTO≧5)、車速が7km
/h以上かの判定(SPD≧7km/h)、アクセル角
度が3°以上かの判定(TA≧3°)、エバポの発生し
易い始動後5分以降かの判定(CAST65≧5分)、
を行い、これらの条件を満足した時のみ故障判定を行う
(ステップ623)。
【0053】従って、図7に示される如く、本実施形態
では、機関始動後、燃料タンク20内の温度上昇によ
り、燃料蒸気の発生量が増加するが、燃料タンク内圧の
基準値(PTNKSTP)が車両停車毎に更新され、停
車中の燃料タンク内圧と走行中の燃料タンク内圧との差
の積算値(PTNKSGD)が判定値(TKPTKSG
D)より小さい場合に燃料タンク20に故障が生じたと
判定する。このため、燃料タンク20内の温度変化によ
る圧力変動分の影響を受けず、燃料消費による燃料タン
ク内圧変化によって、燃料タンク20の故障を診断でき
るので誤判定が生じることを防止して正確な診断が可能
である。
【0054】なお、燃料タンク内圧の走行時の変化量積
算値の判定値(TKPTKSGD)は、マップにより温
度補正を行う。
【0055】また、図8に示される如く、発進判定フラ
グ(XJGO)は、停止判定フラグ(XJSTP)がク
リアした時セットし、発進停止回数カウンタ(CJGO
STP)のインクリメント処理時にクリアし、その他は
ホールドする。また、発進判定時間(CJTASTP)
は、1秒毎の処理によって、車速が7km/h以上(S
PD≧7km/h)、アクセル角度が3°以上(TA≧
3°)でカウントアップし、車速が7km/h以上の条
件の不成立でクリアし、その他の条件時にはホールドす
るようになっている。
【0056】即ち、本実施形態では、車両の停止と走行
が5回以上、且つ車速7km/h以上でアクセルを開け
ている(アクセル角度が3°以上)のが10秒以上であ
る場合に、車両走行時に所定以上の燃料消費量があると
判断して故障判定を許可するが、これらの条件を満たさ
ない場合、例えば、下り坂でブレーキを緩め、車両が惰
性走行している場合等には燃料消費量がないと判断し故
障判定を禁止するので、さらに正確な故障診断が可能で
ある。
【0057】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の本発明のエバポパージシ
ステムの故障診断装置は、燃料タンク内の圧力を検出す
る圧力検出手段と、圧力検出手段により検出した燃料タ
ンク内圧を記憶する記憶手段と、車両停車時の燃料タン
ク内圧を内圧基準値として記憶手段に記憶し、内圧基準
値と車両走行中の燃料タンク内圧値との差分を車両停止
時から次停止時まで積算し、積算値と予め設定した判定
値を比較してシステムの故障を診断すると共に、内圧基
準値を車両の停止毎に更新する診断手段と、を備えたた
め、燃料タンク内圧に基づいて燃料タンクの故障の有無
を判定する場合に、誤判定が生じることを防止して正確
な故障診断を行うことができるという優れた効果を有す
る。
【0059】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
エバポパージシステムの故障診断装置において、診断手
段は、車両の走行及び停車回数が所定回数以上ある場合
にのみ、故障の有無判定を行うため、請求項1記載の効
果に加えてさらに正確な故障診断を行うことができると
いう優れた効果を有する。
【0060】請求項3記載の本発明は、請求項1または
請求項2記載のエバポパージシステムの故障診断装置に
おいて、記診断手段は、車両走行時に所定以上の燃料消
費量がある場合にのみ、故障の有無判定を行うため、請
求項1または請求項2記載の効果に加えてさらに正確な
故障診断を行うことができるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置におけるキャニスタを示す概略構成図
である。
【図3】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置における機関始動後の燃料タンク内圧
の時間変化を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置における故障診断方法の説明図であ
る。
【図5】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置における故障診断ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置における故障診断実行可否の判定ルー
チンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置における機関始動後の燃料消費による
燃料タンク内圧低下積算を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るエバポパージシステ
ムの故障診断装置における車両走行停止回数積算時の走
行条件を説明する図である。
【図9】従来の実施形態に係るエバポパージシステムの
故障診断装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 内燃機関本体 12 吸気通路 20 燃料タンク 30 制御回路(診断手段) 34 RAM(記憶手段) 44 バージ制御弁 46 圧力センサ(圧力検出手段) 48 キャニスタ 50 ベーパ配管 52 バージ配管 54 三方弁 60 内圧制御弁 64 大気弁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内の圧力を検出する圧力検出
    手段と、 該圧力検出手段により検出した燃料タンク内圧を記憶す
    る記憶手段と、 車両停車時の燃料タンク内圧を内圧基準値として前記記
    憶手段に記憶し、該内圧基準値と車両走行中の燃料タン
    ク内圧値との差分を車両停止時から次停止時まで積算
    し、該積算値と予め設定した判定値を比較してシステム
    の故障を診断すると共に、前記内圧基準値を車両の停止
    毎に更新する診断手段と、 を備えたことを特徴とするエバポパージシステムの故障
    診断装置。
  2. 【請求項2】 前記診断手段は、車両の走行及び停車回
    数が所定回数以上ある場合にのみ、故障の有無判定を行
    うことを特徴とする請求項1記載のエバポパージシステ
    ムの故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記診断手段は、車両走行時に所定以上
    の燃料消費量がある場合にのみ、故障の有無判定を行う
    ことを特徴とする請求項1記載または請求項2記載のエ
    バポパージシステムの故障診断装置。
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