JP3565611B2 - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料タンクからの蒸発燃料の大気への放出を防止する蒸発燃料排出抑制装置(以下「エバポパージシステム」と称する)に関し、詳細にはエバポパージシステムの故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンクからの蒸発燃料が大気に放出されることを防止する目的で、タンクからの蒸発燃料をキャニスタに導いてキャニスタ内の吸着剤に吸着させるとともに、機関の所定運転条件下でキャニスタ内にパージ空気を通過させ、吸収した蒸発燃料を吸着剤から放出させ、パージ空気と蒸発燃料との混合気(パージガス)を機関吸気通路に供給して機関で燃焼させるエバポパージシステムが知られている。
【0003】
このようなエバポパージシステムでは、各部の洩れ等の故障が生じると蒸発燃料が機関に供給されずに大気に放出されてしまい、大気汚染の原因となる場合が生じる。
例えば、燃料タンクの気密が破壊され、洩れを生じた場合にはタンク内の蒸発燃料が直接大気に放出されるようになるが、このような故障が生じた場合でも機関の運転には何ら支障がないため、運転者は異常の発生に気づかずにそのまま機関運転を継続する場合がある。
【0004】
上記問題を解決するため、エバポパージシステムの故障、特に燃料タンクに洩れが発生したことを検出し、運転者に報知するようにした故障検出装置が種々考案されている。
この種の装置の例としては、例えば特開平6−26408号公報に記載されたものがある。
【0005】
同公報の装置は、機関始動後の所定の期間内の燃料タンク内圧力が予め定めた圧力範囲を越えて変化しない場合にはタンクに洩れなどの故障が生じたと判定するようにしたものである。
後述するように燃料タンクからのベーパ通路には内圧制御弁等の弁装置が設けられており、燃料タンク内圧力が正圧側の設定圧力以上、または負圧側の設定圧力以下になったときにのみ燃料タンクとキャニスタとを連通するようになっている。このため、燃料タンク内圧力が上記の正圧側と負圧側の設定圧力の間にある場合には燃料タンクは密閉されている。このため、機関始動後燃料ポンプによってタンク内の燃料が汲みだされるようになりタンク内の燃料油液面が低下するとタンク内圧力は低下する。また、機関始動後ある程度の時間が経過するとタンク内に還流される燃料噴射弁からの高温のリターン燃料と排気系からの受熱によりタンク内燃料油温度が上昇するため、燃料蒸気圧が上昇しタンク内圧力は上昇する。
【0006】
すなわち、燃料タンクに洩れ等の故障がなければ、燃料タンク内圧力は機関始動後一時的に低下し、その後上昇して内圧制御弁の設定圧力近傍になる。
一方、タンクに洩れが生じている場合にはタンク内部と大気とが常に連通しているので、機関始動後も上記のような圧力変動は生じず、タンク内圧力は大気圧近傍に留まったままとなる。上記公報の装置はこの圧力変化を検出して、機関始動後の所定期間内に燃料タンク内圧が上述したような変化を示さない場合には燃料タンクに洩れなどの故障が生じたと判定するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平6−26408号公報の装置のように、機関始動後の燃料タンク内の圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定していると誤判定を生じる場合がある。
例えば、前述のように通常であれば機関始動後には燃料消費により燃料タンク内圧力は一時的に低下するが、機関始動後アイドル運転等のように機関燃料消費量が極めて少ない運転状態が長時間続けられた場合には、始動後の燃料タンク内圧力の低下は少なくなり、始動後の燃料タンク内圧力低下を検出してタンクの異常有無を判定していると、タンクに洩れがないにもかかわらず洩れが生じたと誤判定してしまう可能性がある。
【0008】
また、機関始動後ある程度の時間が経過すると、通常であればリターン燃料と排気系からの受熱によるタンク内燃料温度上昇のためタンク内圧力は上昇するが、この時期に機関の高負荷運転等のように機関燃料消費量が大きい運転状態が続けられた場合には、タンク内燃料油面の下降速度が大きくなるためタンク内圧の上昇幅は小さくなる。従って、始動後所定時間経過後の燃料タンク内圧力上昇を検出してタンクの異常有無を判定していると、この場合も燃料タンクが正常であるにもかかわらず異常が生じたと誤判定してしまう可能性がある。
【0009】
また、燃料タンク内圧を所定範囲に保持する内圧制御弁の設定圧力は大気圧に比較的近い値に設定されるのが通常であるため、タンクに洩れ等の異常がない場合でも機関始動後のタンク内圧変化幅はそれほど大きくならない。このため、異常の有無を判定するためには比較的小さな圧力変化があるか否かを判定する必要があり、例えば圧力検出中の気温の変化や圧力検出用のセンサの公差などが異常有無の判定精度に大きく影響し、正確な判定ができなくなる場合が生じる。
【0010】
本発明は上記問題に鑑み、燃料タンク圧力に基づいてタンクの異常の有無を判定する場合に、誤判定が生じることを防止して正確な故障診断を行うことが可能なエバポパージシステムの故障診断装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出された機関始動後の燃料タンク内圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、始動後の機関燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、機関始動時から所定の時間が経過するまでの前記機関燃料消費量が予め定めた下限値以下の場合に、前記判定手段による判定を禁止する禁止手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出された機関始動後の燃料タンク内圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、始動後の機関燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、機関始動時から所定の時間が経過した時点からの所定の期間内の前記燃料消費量が予め定めた上限値以上の場合に前記判定手段による判定を禁止する禁止手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、機関始動後の、所定の期間内の前記燃料タンク内圧力に基づいて算出される異常判定パラメータの値を予め定めた判定値と比較することにより、燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、始動後の機関燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、機関始動後の所定の期間内における前記機関燃料消費量に応じて、前記判定値を設定する設定手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出された機関始動後の燃料タンク内圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、前記燃料タンク壁面温度を検出する壁面温度検出手段と、機関始動後の所定の期間内の前記燃料タンク壁面温度が所定値以上変化した場合に前記判定手段による判定を禁止する禁止手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段により検出された機関始動時の燃料タンク内圧力力を記憶し、機関始動後に前記圧力検出手段で検出した燃料タンク内圧力の前記記憶した機関始動時の燃料タンク内圧力からの偏差を所定期間にわたり積分し、該積分値に基いて、燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力と大気圧との差圧が予め定めた開弁差圧以上になると開弁して前記燃料タンク内圧力と大気圧との差圧を所定の範囲に保持する弁装置と、前記燃料タンク内圧力と大気圧との差圧を検出する圧力検出手段と、機関始動時の前記燃料タンクと大気圧との差圧と予め定めた第1の判定値とを比較することにより燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
機関始動後の所定の期間の前記燃料タンクと大気圧との差圧の変化幅と予め定めた第2の判定値とを比較することにより燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、を備え、前記弁装置の前記開弁差圧が、前記圧力検出手段の検出公差と前記第1の判定値と前記第2の判定値との総和より大きな値に設定されているエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0017】
請求項7に記載の発明によれば、内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、該パージ通路を開閉するパージ弁と、前記ベーパ通路に設けられ、前記燃料タンク内圧力と大気圧との差圧を所定の範囲内に保持する弁装置と、圧力検出端を有し、該圧力検出端に作用する圧力と大気圧との差圧を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出端を前記燃料タンクと、前記パージ通路のパージ弁より燃料タンク側位置とに選択的に連通させる三方弁と、を備え、機関始動前に前記圧力検出端が前記パージ通路側に連通する位置に前記三方弁を切換えるとともに前記パージ弁を開弁して、パージ弁を介して吸気通路内の大気圧を前記圧力検出端に作用させて前記圧力検出手段により大気圧を検出し、更に前記三方弁を前記圧力検出端が前記燃料タンクに連通する位置に切換えて前記圧力検出端に燃料タンク内圧力を作用させて前記圧力検出手段により燃料タンク内圧力を検出し、前記圧力検出手段により検出した前記燃料タンク内圧力と前記大気圧とに基づいて、燃料タンク内の真の圧力を算出するとともに、該真の燃料タンク内圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を検出する判定手段と、を備えたエバポパージシステムの故障診断装置が提供される。
【0019】
【作用】
請求項1の故障診断装置では、禁止手段は機関始動時から所定の時間が経過するまで、例えば燃料タンクが正常な場合には燃料タンク内圧力が低下傾向を示す期間の機関燃料消費量が所定の下限値以下の場合には判定手段によるタンク異常有無の判定を禁止する。これにより、機関始動後に機関燃料消費量が小さい状態で機関が運転され、タンクが正常であってもタンク内圧力の低下が小さくなる場合には異常有無の判定が禁止される。
【0020】
請求項2の故障診断装置では、禁止手段は機関始動時から所定時間が経過した時点からの所定の期間内、例えば機関始動後燃料タンク内圧力が上昇する期間内の燃料消費量が所定の上限値以上の場合には判定手段によるタンク異常有無の判定を禁止する。これにより、機関始動後に燃料タンク内の圧力が上昇する時期に機関が燃料消費量の大きい状態で運転され、タンクが正常であってもタンク内圧力の上昇が小さくなる場合には異常有無の判定が禁止される。
【0021】
請求項3の故障診断装置では、判定手段は機関始動後の所定の期間内の燃料タンク内圧力から算出する異常判定パラメータの値を予め定めた判定値と比較することにより燃料タンクの異常の有無を判定する。また、禁止手段は、この判定値を機関始動後の所定の期間内における機関燃料消費量に応じた値に設定する。
機関始動後の燃料タンク内圧力の変化は機関燃料消費量の影響を受けるため、上記異常パラメータと判定値との比較に基づいて異常の有無を判定する場合には判定値は機関燃料消費量に応じて変化するが、これにより異常パラメータの判定値は常に機関燃料消費量に応じた値に設定される。
【0022】
請求項4の故障診断装置では、判定手段は機関始動後の燃料タンク内圧力に基づいて異常の有無を判定する。禁止手段は機関始動後の所定期間における燃料タンク壁面温度が所定値以上変化した場合には判定手段による判定を禁止する。これにより、燃料タンク壁面温度変化によるタンク内圧力の変動が異常有無の判定に影響を与えることが防止される。
【0023】
請求項5の故障診断装置では、判定手段は機関始動後に圧力検出手段により検出した燃料タンク内圧力の機関始動時に圧力検出手段で検出した燃料タンク内圧力からの偏差を所定期間にわたり積分し、該積分値に基いて、燃料タンクの異常の有無を判定する。一般に、タンクに洩れがない場合でも機関始動後の燃料タンク内圧力の変化は比較的小さい。本発明では、積分値を用いることにより、圧力変化が小さい場合にも比較的大きな値となる積分値に基いて異常判定を行なうことができるため、異常判定精度が向上する。また、本発明のように、燃料タンク圧力の積分値を用いるるような場合には、圧力検出手段の検出値が誤差を含んでいた場合には、検出値そのものを積分すると積分値に検出値の誤差累積されてしまうことになる。本発明では、判定手段は、機関始動時に圧力検出手段で検出した燃料タンク圧力と、同じ圧力検出手段で検出した機関始動後の燃料タンク内圧力との差を積分しているため、積分値から圧力検出手段の検出値に含まれる誤差を排除することが可能となり、検出値の誤差に影響を受けない異常有無の判定が行われる。
【0024】
請求項6の故障診断装置では、第1の判定手段は機関始動時の燃料タンク圧力が第1の判定値以上大気圧から離れた場合(所定の正圧以上、または所定の負圧以下の圧力になった場合)には燃料タンクが正常と判定する。また第2の判定手段は、機関始動後の燃料タンク内の圧力の変動幅が第2の判定値以上である場合に燃料タンクが正常と判定する。従って正常な燃料タンクが第1と第2の判定手段の両方により正常判定されるためには、機関始動後燃料タンク内圧は第1と第2の判定値を加えた圧力だけ大気圧より高くなるか、或いは第1と第2の判定値を加えた圧力だけ大気圧より低くなる必要がある。また、圧力検出手段の検出誤差(公差)を考慮すると、正常判定に必要な上記燃料タンク内圧力は第1と第2の判定値の和に更に圧力検出手段の検出公差を加えた圧力となる。このため、弁装置の開弁差圧は、燃料タンク内圧力が上記正常判定に必要なタンク内圧力に到達することを許容できるように設定されていなければならない。請求項6の装置では、弁装置の開弁差圧を上記第1の判定値と第2の判定値との和に更に圧力検出手段の公差を加えた値以上に設定したことにより、タンク内圧力が上記正常判定に必要な圧力に到達することが許容される。
【0025】
請求項7の故障診断装置では、三方弁とパージ弁との切換え操作を機関始動前に行うことにより、圧力検出手段を用いて簡易に大気圧を検出することができる。また、圧力検出手段で検出した上記大気圧と燃料タンク内圧力の検出値とから燃料タンク内の真の圧力が算出されるため、判定手段による異常判定に際して圧力検出手段の検出値の誤差が排除され正確な判定が行われる。
【0027】
【実施例】
以下添付図面を用いて本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明を適用した自動車用内燃機関の実施例の概略構成を示す図である。図1において、1は内燃機関本体、2は機関1の吸気通路、3は吸気通路に配置されたエアクリーナを示す。吸気通路2には運転者のアクセルペダル(図示せず)の操作に応じた開度をとるスロットル弁6が設けられている。また、吸気通路2には、機関1の各気筒燃料ポートに後述するフュエルポンプ70から供給される加圧燃料を噴射する燃料噴射弁7が設けられている。
【0028】
図1に11で示すのは機関1の燃料タンクである。タンク11内の燃料油はフュエルポンプ70により昇圧され、フィード配管71を介して燃料噴射弁7に圧送される。また、図1に72で示すのは燃料噴射弁7に供給される燃料油圧力を一定に制御するプレッシャレギュレータである。燃料ポンプ70から圧送された燃料のうち、燃料噴射弁7から機関に噴射されなかった燃料はリターン配管73を通じて燃料タンク11に還流される。
【0029】
図1に20で示すのは、機関1の制御回路である。制御回路20は、ROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24及び入出力ポート25、26を互いに双方向性バス21で接続した公知の構成のディジタルコンピュータからなり、機関1の燃料噴射制御等の基本制御を行う他、本実施例では後述するエバポパージシステムの故障診断を行っている。
【0030】
上記制御のため、制御回路20の出力ポート26は図示しない駆動回路を介して機関1の燃料噴射弁7に接続され、燃料噴射弁7の開弁時間(燃料噴射量)を制御している他、後述するパージ制御弁15のアクチュエータ15aに接続され、制御弁15の作動を制御している。
また、制御回路20の入力ポート25には、機関1の回転数、吸入空気量、機関冷却水温度等を表す信号が、それぞれ図示しないセンサから入力されている他、後述する圧力センサ30からの信号が図示しないA/D変換器を経由して入力されている。
【0031】
図1に10で示すのは燃料タンク内の蒸発燃料を吸着するキャニスタである。キャニスタ10はベーパ配管12により燃料タンク11の燃料液面上部空間と、また、パージ配管14により吸気通路2のスロットル弁6下流側部分と、それぞれ接続されている。図1に15で示すのは、パージ通路14を開閉するパージ制御弁15である。パージ制御弁15は制御回路20からの信号により機関の所定運転条件下で開弁し、キャニスタ10と吸気通路2のスロットル弁6下流側部分とを連通してキャニスタ10のパージを行う。図1に15aで示すのは、パージ制御弁15を駆動する、ソレノイド、負圧アクチュエータなどの適宜な形式のアクチュエータである。
【0032】
本実施例では、後述する燃料タンクの異常を検出するために、圧力センサ30が設けられている。圧力センサ30は検出圧力と大気圧との差圧に比例した電圧信号を出力するものであり、圧力センサ30の出力信号は図示しないA/D変換器を通して制御回路20の入力ポート25に供給されている。
また、圧力センサ30の圧力検出部は三方弁31を介してベーパ配管12と、パージ配管14のキャニスタ10とパージ制御弁15との間の部分に接続されており、三方弁31を切り換えることによりベーパ配管12の圧力(燃料タンク11内圧力)とパージ配管14の圧力(キャニスタ10内圧力)との両方を検出することが可能となっている。図1に31aで示すのは、三方弁31のアクチュエータである。アクチュエータ31aはソレノイド、負圧アクチュエータなどの適宜な形式のものが使用され、図示しない駆動回路を介して制御回路20の出力ポート26に接続されている。アクチュエータ31aは制御回路20からの信号に応じて三方弁31の切換動作を行い、圧力センサ30の検出端をベーパ配管12またはパージ配管14に接続する。
【0033】
図2は本実施例のキャニスタ10の構造を示している。キャニスタ10はハウジング10aと、該ハウジング内に充填された活性炭などの蒸発燃料吸着剤13とを備えている。
ハウジング10aは内圧制御弁16と均圧弁18とを介してベーパ通路12に接続されている。また、ハウジング10aには大気弁18と大気放出弁19とが設けられている。
【0034】
内圧制御弁16は燃料タンク11内圧力が大気圧より所定の圧力(ΔPA )だけ高くなると開弁し、キャニスタ10と燃料タンク11とを連通する。また、均圧弁17は、燃料タンク11内圧力がキャニスタ10内圧力より所定の圧力(ΔPB )だけ低くなると開弁し、同様にキャニスタ10と燃料タンク11とを連通する。
【0035】
一方、大気弁18はキャニスタ10内圧力が大気圧より所定圧力だけ(ΔPC )だけ低くなると開弁し、配管18e、エアクリーナ3を介してキャニスタ10内を大気と連通する。また、大気放出弁19は逆に、キャニスタ10内圧が大気圧より所定圧力だけ高くなるとキャニスタ10内と大気とを連通し、キャニスタ10の過度の圧力上昇を防止する。なお上記弁装置16から19の開弁圧力(ΔPA からΔPC )の設定については後に説明する。
【0036】
次に、本実施例におけるキャニスタ10の機能について説明する。
キャニスタ10と吸気通路2とを接続するパージ通路14上のパージ制御弁15が閉弁中に燃料タンク11内圧力が上昇して内圧制御弁16の開弁圧力(ΔPA )に到達すると、内圧制御弁16が開弁する。これにより、ベーパ通路12を介して燃料タンク11からキャニスタ10内に蒸発燃料が流入し、吸着剤13に蒸発燃料が吸着され、空気のみが大気放出弁19から放出される。このため、燃料タンク11内圧力は内圧制御弁16の開弁圧力(大気圧+ΔPA )以下に保持されるとともに、蒸発燃料の大気放出が防止される。
【0037】
また、機関運転中にパージ制御弁15が開弁されると、キャニスタ10内にはパージ通路14を介して吸気通路2のスロットル弁6下流側の負圧が作用する。これにより、大気弁18が開弁し、配管18eからキャニスタ10内に清浄な空気が流入する。この空気は吸着剤13から吸着した蒸発燃料を離脱させ、蒸発燃料と空気との混合ガス(パージガス)となってパージ通路14から機関吸気通路2に流入し、機関燃焼室で燃焼する。これにより、吸着剤13が蒸発燃料で飽和することが防止される。
【0038】
さらに、機関停止後等に燃料タンク11内の燃料温度が低下してタンク11内圧力がキャニスタ10圧力より所定の圧力(ΔPB )だけ低くなると、均圧弁17が開弁し、ベーパ通路12を介して燃料タンク11とキャニスタ10内部とを連通する。これにより、燃料タンク11内圧力はキャニスタ10内圧力との圧力差は均圧弁17の開弁差圧以下に保持される。ここで、キャニスタ10内圧力は大気弁18により、大気圧より所定圧(ΔPD )以上低下することはないため、燃料タンク11内圧力は均圧弁17と大気弁18とにより(大気圧−(ΔPB +ΔPC ))以上に保持されることになる。
【0039】
すなわち、燃料タンク11内圧力は、内圧制御弁16、均圧弁17、大気弁18の作用により常に、(大気圧+ΔPA )の正圧と(大気圧−(ΔPB +ΔPC ))の負圧との間に保持される。
次に、本実施例の燃料タンクの異常有無の検出方法について説明する。
【0040】
本実施例では、機関始動後の燃料タンク11内圧力の変化により燃料タンク洩れ等の異常を検出する。
機関始動時の燃料タンク11内圧力は始動時のタンク11内燃料温度により異なっている。すなわち、機関の冷間始動時で燃料タンク11内の燃料油温度が低下している場合には燃料蒸気圧の低下によりタンク11内圧力は負圧になっている。また、機関の高温始動時で燃料タンク11内の燃料油温度が高い場合にはタンク11内の圧力は燃料蒸気圧の上昇により正圧になっている。しかし、前述のように、燃料タンク11内圧力は内圧制御弁16、大気弁18等により制御されているため、(大気圧+ΔPA )と(大気圧−(ΔPB +ΔPC ))との間に保持されている。
【0041】
一方、機関始動後はフュエルポンプ70の作動によりタンク内燃料油のレベルが低下するため、機関始動後ある程度の時間が経過すると燃料タンク内圧力は始動時の圧力より低下する。
また、機関始動後は、燃料噴射弁7からの高温の余剰燃料がリターン配管73を介してタンク11に還流されるためタンク11内の燃料油温度は徐々に上昇し、タンク11内圧力は上昇するようになる。
【0042】
図3は機関冷間始動時と高温始動時の機関始動後の燃料タンク11内圧力の時間的変化を示している。図3の実線は燃料タンクに洩れがない場合の機関冷間始動後のタンク11内圧力の変化を、点線は同じく洩れがない場合の機関高温始動後のタンク11内圧力の変化を示しており、一点鎖線はタンクに洩れが生じた場合の機関始動後のタンク内圧力変化を示している。図3に示すように、機関冷間始動時には始動後にタンク内圧力は油面低下により一時的に低下して負圧になり通常、始動後5分程度で最も低圧になる。また、時間が経過すると燃料タンク内圧力は徐々に増大して通常、始動後20分程度で内圧制御弁16の設定値近傍まで上昇することになる。
【0043】
一方、機関停止後短時間で再始動したような場合で始動時のタンク内燃料油温度が高い場合には、タンク内圧は機関始動時から大気圧より高くなっており、始動後短時間で内圧制御弁16の設定圧力に到達する。
ところが、タンク11に洩れを生じていると、洩れ部分を通してタンク11内と大気とが直接連通するようになるため、タンク11内圧は燃料油温度にかかわらず大気圧付近に保たれる(図3、一点鎖線)。
【0044】
このため、機関始動後の所定の期間内の燃料タンク11圧力変化からタンク11に洩れが生じているか否かを判定することができる。
上記のような機関始動後の燃料タンク11内圧力変化に基づいて燃料タンク11の異常有無の判定を行うため、圧力センサ30で検出された圧力値に基づく種々の異常判定パラメータを使用する判定方法が考えられるが、ここでは、そのうちの3つの方法についてそれぞれ説明する。
【0045】
▲1▼異常判定パラメータとして、圧力センサ30で検出した燃料タンク11内圧力をそのまま使用する判定方法。
図4を用いて本判定方法の原理を説明する。図4は機関始動後の燃料タンク11内圧力の変化を示す図3と同様な図である。前述のように、機関始動後の燃料タンク11内圧力は、始動後一旦低下してから始動後5分程度で最も低くなり、その後上昇して始動後20分程度で内圧制御弁16の開弁設定圧付近まで上昇する。このため機関が始動してから所定期間内(例えば始動後20分程度の期間)にタンク11内圧力が所定の負圧(図4、P2 )以下、または所定の正圧(図4、P1 )以上に一度もならなかった場合にはタンクに洩れ等の異常が発生(図4、点線)したと判定できる。
【0046】
上記判定値P1 、P2 は、検出すべき洩れの大きさに応じて設定され、本実施例ではP1 は大気圧プラス約0.3KPa(30mmAq)程度の正圧に、P2 は大気圧マイナス約0.3KPa(30mmAq)程度の負圧に設定されている制御回路20は、機関始動時に三方切換弁31を切り換えて圧力センサ30をベーパ通路12に接続し、機関始動後の燃料タンク11内圧力を監視することにより燃料タンク11の洩れの有無の判定を行う。
【0047】
図5は制御回路20により実行される上記判定動作を示すフローチャートである。本ルーチンは制御回路20により一定時間毎に実行される。
図5において、t(ステップ505、507、521)は機関始動後ルーチン実行毎にカウントアップ(ステップ505)されるカウンタであり、機関始動時からの経過時間を表す。また、t0 (ステップ507)は機関始動後20分程度に相当するカウンタ値である。KD(ステップ503、519、523)は燃料タンク11の異常診断が終了したか否かを示すフラグであり、KD=1は異常診断が終了したことを表している。KDの値が1にセットされると、その後は故障診断は実行されない(ステップ503)。また、FXは燃料タンク11の異常診断結果を表すフラグであり、FX=1はタンクに異常が生じていることを、FX=0はタンクが正常であることをそれぞれ表している。
【0048】
図5では、機関始動完了後、ルーチン実行毎に圧力センサ30から燃料タンク11内圧力Pを読み込む(ステップ509)。ステップ501での機関始動完了の判定は、機関回転数が所定値(例えば400rpm )以上になったか否かにより判断する。また、ステップ509、511では、上記により読み込んだ燃料タンク11内圧力Pの値が判定値P2 以下になったか否か、及び判定値P1 以上になったか否かの判断を行う。機関始動後20分程度の時間が経過するまでに(ステップ507)ステップ511、513のいずれかで、P≦P2 またはP≧P1 になった場合には燃料タンク11は正常と判定され、ステップ517でフラグFXの値は1にセットされステップ519でフラグKDの値は1にセットされる。また、ステップ511、513でP2 <P<P1 の場合にはステップ515でフラグFXの値は1(異常)にセットされ、機関始動後20分程度の時間が経過するとFX=1にセットされたまま診断が終了する(ステップ507→ステップ519)。
【0049】
すなわち、本故障診断ルーチンでは、機関始動後の所定期間内に燃料タンク11内圧力が一度も判定値P2 以下、またはP1 以上に変化しない場合には燃料タンク11に洩れ等の異常が生じたと判定される。
▲2▼異常判定パラメータとして機関始動後所定時間内の燃料タンク11内圧力の変化量を使用する判定方法。
【0050】
図6は本判定方法の原理を説明する図4と同様な図である。本判定方法では、燃料タンク11内圧力の絶対値から異常の有無を判定するのではなく、機関始動後所定期間内の燃料タンク11が到達した最も低い圧力(PMIN )と最も高い圧力(PMAX )との差(ΔP)が判定値ΔP0 (例えば0.6KPa程度)以上にならない場合には燃料タンク11に洩れ等の異常が生じたと判定する。
【0051】
図7は、制御回路20により実行される上記故障診断ルーチンを示すフローチャートである。
なお、図7のフラグKD、FX、カウンタt及びカウンタ値t0 等は図5と同一の機能を持つものであるので、ここでは説明は省略する。
図7のルーチンでは、機関始動完了後所定時間t0 が経過するまで(ステップ707)、圧力センサ30で検出した燃料タンク11内圧力Pを用いて、燃料タンク11内圧力の最小値PMIN と最大値PMAX との更新を行う(ステップ711から717)。そして、所定時間t0 が経過した時点で最大圧力PMAX と最小圧力PMIN との差、すなわち期間内の最大圧力変化幅が判定値ΔP0 以上の場合には燃料タンク11は正常であると判定し(ステップ721)、最大圧力変化幅が判定値ΔP0 より小さい場合には燃料タンク11に異常が生じたと判定する(ステップ723)。
【0052】
▲3▼異常判定パラメータとして機関始動後の燃料タンク11内圧力の時間積分値を使用する判定方法。
図8は本判定方法の原理を説明する図4と同様な図である。本判定方法では、燃料タンク11内圧力の時間積分値を使用する。図4の判定方法のように機関始動後の燃料タンク11内圧力の絶対値で異常の有無を判定する場合、小さな洩れを検出するためには判定値P1 、P2 はかなり小さな圧力(例えば0.3KPa程度)に設定する必要がある。また、図6の判定方法のように機関始動後の燃料タンク11内圧力の変化幅に基づいて異常の有無を判定する場合にも、同様に判定値ΔP0 は比較的小さくなる。一方、燃料タンク11に洩れが生じていた場合でも気温や気圧の条件によっては上記判定値近くまで燃料タンク11内圧力が変動する場合があるため、上記のように燃料タンク11内圧力の絶対値や変化幅のみに基づいて異常判定を行うと気温や気圧の変化等の外乱があると、異常が生じているにもかかわらず誤って正常判定がなされる可能性がある。本判定方法では、これを防止するために、図8に示すように燃料タンク11内圧力の時間積分値(すなわち、図8に斜線で示した、圧力の時間変化カーブと大気圧線とで囲まれる部分の面積)に基づいて異常の有無の判断を行う。通常、燃料タンク11に異常が生じている場合にも、機関始動後の燃料タンク11内圧力は負圧側、正圧側に多少変化するが、図8のように燃料タンク11内圧力の時間積分値をとると、燃料タンクが正常な場合に較べて積分値は極めて小さくなる。このため、異常時と正常時との差が大きく、外乱の影響を受けずに明確に異常有無の判定が可能となる。
【0053】
図9は異常判定パラメータとして燃料タンク11内圧力の時間積分値を用いる判定方法のフローチャートである。本ルーチンは制御回路20により一定時間毎に実行される。
なお、図9においてもフラグKD、FX、カウンタt及びカウンタ値t0 等は図5、図7と同一の機能を持つものである。
【0054】
図9のルーチンでは、機関始動完了後所定時間t0 が経過するまで(ステップ907)、ルーチン実行毎に圧力センサ30で検出した燃料タンク11内圧力Pを用いて、燃料タンク11内圧力の時間積分値(正確には、大気圧と燃料タンク11内圧力Pとの差の絶対値の積分値)PSを計算する(ステップ911)。そして、所定時間t0 が経過した時点での積分値PSとが所定の判定値PS0 とを比較し(ステップ913)、PS≧PS0 の場合には燃料タンク11は正常であると判定し(ステップ915)、PS<PS0 の場合には燃料タンク11に異常が生じたと判定する(ステップ917)。
【0055】
なお、本実施例では異常判定のための時間t0 は図5、図7の実施例と同様20分程度としているが、t0 を正常時に燃料タンク11負圧がピークになる程度の時間(例えば機関始動後5分程度)に設定するようにしても良い。図8に示すように、燃料タンク11に異常が生じた場合には、特に燃料タンク11内圧力が負圧側になる時期では圧力低下が小さく負圧になっている時間も短いため、異常時と正常時とではこの期間の圧力時間積分値に大きな差が生じるからである。
【0056】
なお、上記 図5、図7、図9ルーチンにおいて、異常判定フラグFXの値が1にセットされると、別途制御回路20により実行される図示しないルーチンにより、警告灯が点灯され運転者にエバポパージシステムの異常発生を報知する。また、機関イグニッションスイッチのOFF時にも記憶内容を保持可能なバックアップRAMを設けFXの値を記憶し、次回の修理、点検に備えるようにしても良い。
【0057】
ところで、上記▲1▼から▲3▼の方法で燃料タンクの異常有無の判定をするためには燃料タンク11が正常な場合に燃料タンク11内圧力が図3に示したように変化する必要があるが、始動後の機関運転状態によっては燃料タンク11が正常であっても燃料タンク11圧力の変化が小さくなる場合がある。
例えば、図3で説明したように機関始動後に燃料タンク11内圧力の低下が生じるのは、機関の燃料消費のために燃料タンク11液面レベルが低下することによっているが、機関始動直後に燃料消費量が極めて少ない運転状態(例えばアイドル運転)が続いたような場合タンク液面の低下速度は小さくなり、それに応じて燃料タンク11内圧力の低下幅は小さくなる。
【0058】
また、機関始動後の燃料油温度上昇により燃料タンク11内圧力が上昇する期間に燃料消費量が極めて大きい運転状態(例えば機関高負荷運転)が続いたような場合には、タンク内液面レベルの低下が大きいため燃料温度が多少上昇しても燃料タンク11内圧力は殆ど上昇しなくなる。従って、このような運転状態において上記▲1▼から▲3▼のいずれかの方法で燃料タンク11の異常有無を判定すると、燃料タンク11が正常であるにもかかわらず、異常判定がなされてしまう問題がある。
【0059】
本実施例では、上記の問題を防止するため、機関始動時から通常であれば燃料タンク11内圧力が低下する期間(例えば、機関始動時から5分間)の機関燃料消費量FE1 と、機関始動後通常であれば燃料タンク11内圧力の上昇が生じる期間(例えば機関始動後5分経過時点から機関始動後20分が経過するまでの時間)の機関燃料消費量FE2 とを検出し、FE1 が所定値以下、またはFE2 が所定値以上の場合には▲1▼から▲3▼の方法による故障診断を禁止するようにしている。
【0060】
図10は上述した機関始動後の燃料消費量に基づく故障診断実行可否の判定ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは制御回路20により一定時間毎に実行される。
図10において、ルーチンがスタートするとステップ1001では機関の始動が完了したか否かが判定され、始動が完了していない場合(すなわちクランキング中の場合)にはステップ1025から1029で後述するカウンタT、フラグKE、燃料消費量積算値FE1 、FE2 の値の初期化が行われる。
【0061】
ステップ1001で機関始動が完了している場合には、ステップ1003で判定終了フラグKEの値が1にセットされているか否かを判断し、KE=1の場合にはそのままルーチンを終了する。フラグKEは機関始動時に初期値0にセットされ(ステップ1027)、故障診断実行可否の判定が終了後ステップ1023で1にセットされるフラグである。すなわち、ステップ1005以下の故障診断実行可否の判定動作はフラグKEの値が1にセットされた後は実行されない。
【0062】
ステップ1005では、カウンタTの値がプラス1カウントアップされる。
カウンタTの値は機関始動時にクリアされ(ステップ1025)、機関始動後はルーチン実行毎にプラス1カウントアップされる。本ルーチンは一定時間毎に実行されるため、これによりカウンタTの値は機関始動後の経過時間に対応した値となる。
【0063】
次いでステップ1007では、機関の燃料噴射TAUの値が読みだされる。TAUは、燃料噴射弁7(図1)からの燃料噴射量であり、別途制御回路20により実行される図示しないルーチンにより一定時間毎に算出され、RAM23の所定領域に最新の値が常時格納されている。燃料噴射量TAUは、すなわち単位時間当たりの燃料消費量を表している。
【0064】
次いで、ステップ1009、1011では、カウンタTの値がT1 に到達するまで、上記燃料噴射量TAUの積算を行い、積算値FE1 を算出する。ここで、T1 は機関始動後燃料タンク11内圧力が低下傾向を示す期間に相当し、本実施例ではT1 は5分程度の時間に相当する値とされる。すなわち、FE1 は機関始動時から5分間が経過するまでの燃料消費量を表している。
【0065】
ステップ1009でカウンタTの値がT1 に到達すると、ルーチンはステップ1013に進み、上記により求めた機関始動後5分間の燃料消費量FE1 が所定値FE10以下か否かを判定する。FE1 ≦FE10の場合には、機関始動後5分間の燃料消費量が少なく、燃料タンク11が正常な場合でもタンク内圧力低下が少なく誤診断を生じる可能性があるため、ステップ1021に進み、図5、7、9に示した故障診断ルーチンの実行を禁止して、ステップ1023でフラグKEを1(故障診断実行可否判定終了)にセットしてルーチンを終了する。
【0066】
また、ステップ1013でFE1 >FE10の場合には、機関始動後5分間の燃料消費量FE1 は適正な範囲内にあるため、引き続きステップ1015、1017でカウンタTの値がT1 に到達してからT2 に到達するまでの期間の燃料消費量FE2 を算出する。T2 の値は機関始動後燃料タンク圧力が上昇して内圧制御弁16の開弁圧力に近づく時間に相当し、本実施例ではT2 は20分程度の時間に相当する値とされる。
【0067】
また、カウンタTの値がT2 になると、ステップ1019で、燃料消費量FE2 の値が所定値FE20以上か否かを判定する。FE2 ≧FE20の場合には、燃料タンク11内圧力が上昇すべき期間に燃料消費量が大きく、燃料タンク11が正常な状態でも圧力上昇が小さくなっている可能性があるため、ステップ1021に進み、故障診断ルーチンの実行を禁止する。また、FE2 ≦FE20の場合にはステップ1023でフラグKEの値を1にセットしてそのままルーチンを終了する。
【0068】
上述のように、本実施例では、機関始動後の所定期間(例えば機関始動から5分経過するまでの期間)の燃料消費量FE1 が少ない場合、または上記期間経過後、更に所定の期間が経過するまで(例えば機関始動から5分経過した時点から機関始動後20分が経過するまでの期間)の燃料消費量FE2 が大きい場合には故障診断の実行を禁止し、誤診断が生じることを防止している。
【0069】
なお、上記燃料消費量の判定値FE1 とFE2 とは図5から9の故障診断方法において燃料タンク11内圧力変化に影響が生じる燃料消費量であり、実際には実験等により予め決定される。
次に、図11を用いて本発明の別の実施例について説明する。図10の実施例では機関始動後の燃料消費量が所定の禁止条件にあるときには故障診断そのものを禁止していたが、実際には燃料消費量が上記の禁止条件になっていて、燃料タンク11内圧力変化が小さくなるような場合には、正常な燃料タンク11が異常と判定される可能性はあっても、異常を生じた燃料タンクが正常と誤判定されることはない。このため、上記禁止条件が成立していても正常判定がなされた場合には燃料タンクには異常は生じていないと判断できる。
【0070】
そこで、本実施例では、図5から図9の故障診断ルーチンの判定結果(フラグFX)の信頼性を、機関始動後の燃料消費量に基づいて判断し、最終的な異常判定フラグKXの値を設定するようにしている。
すなわち、図11では、図10と同様に機関始動時から時間T1 が経過するまでの燃料消費量FE1 とその後時間T2 が経過する迄の燃料消費量FE2 とを算出する(ステップ1109からステップ1115)。そして、時間T2 が経過後にステップ1117、1119で燃料消費量FE1 、FE2 がそれぞれFE1 ≦FE10、FE2 ≧FE20の条件を満たしているか否かを判断し、ステップ1117と1119の両方の条件が成立する場合には、図5から図9の故障診断ルーチンの判定結果は十分に信頼性があるため、最終異常判定フラグKXの値を図5から図9の故障診断ルーチンにより設定される異常判定フラグFXと同じ値にセットする。
【0071】
また、ステップ1117、1119のいずれかが成立しなかった場合には、ステップ1123で故障診断ルーチンで設定されたフラグFXの値が0(正常判定)か否かを判断し、正常判定がなされている場合(FX=0)には、最終異常判定フラグKXの値を0(正常)にセットする。また、ステップ1123でFX=1(異常判定)の場合には、判定結果の信頼性が低いため、最終異常判定ルーチンの値は設定せずにフステップ1127でフラグKEを1にセットしてそのままルーチンを終了する。本実施例では、フラグFXは異常判定のための仮フラグとして用い、最終異常判定フラグKXの値に応じて警告灯の点灯等の操作を行う。
【0072】
このように、条件が成立しない場合には一律に故障診断を禁止するのではなく、燃料消費量FE1 、FE2 の値に応じて診断結果の信頼性を判定するようにしたことにより、燃料タンクが正常と判定される機会を増大することができる。
次に、図12を用いて本発明の他の実施例を説明する。
図10、図11の実施例で説明したように、機関始動後の燃料タンク11内圧力の変動幅は機関燃料消費量に応じて変化するため、故障診断において異常判定パラメータの判定値(例えば図7におけるΔP0 )として一定値を用いていると誤診断を生じる可能性がある。そこで、本実施例では、異常判定パラメータを燃料消費量に応じて変更するようにしている。
【0073】
図12は、図7のルーチンを用いて故障診断を行う場合について示しており、図7ステップ719の判定値ΔP0 を機関燃料消費量に応じて変更する例を示している。
図12のルーチンでは、機関始動後時間T1 が経過した時点から始動後時間T2 が経過するまでの期間の機関燃料消費量FE2 のみを計算する(ステップ1201から1213)。そして、機関始動後時間T2 が経過すると、上記より算出した燃料消費量FE2 に基づいて図7における圧力変化幅の判定値ΔP0 を算出する(ステップ1215)。
【0074】
図7のルーチンでは、機関始動後燃料タンク11内圧力が低下して、その後上昇する際の、到達最低圧力PMIN と最高圧力PMAX との差に基づいて異常の有無を判定しているため(図6参照)、タンク内圧力がPMIN まで低下した後PMAX まで上昇する期間内の燃料消費量(すなわち上記FE2 )が大きいと燃料タンク11が正常であってもPMAX とPMIN との差は小さくなる。そこで、本実施例では、図12ステップ1215において燃料消費量FE2 の値に応じてPMAX とPMIN との差の判定値ΔP0 を設定することにより、正確な故障診断を行うようにしている。ΔP0 の値は、FE2 が大きい程小さな値に設定するが、詳細には実際の機関を用いて実験等によりFE2 とΔP0 との最適な関係を求めることが好ましい。
【0075】
次に本発明の別の実施例について説明する。図10から図12の実施例では、燃料消費量の相違による誤診断の可能性について説明したが、燃料タンク内圧力の変化は燃料消費量以外にも他の外乱の影響を受ける場合がある。例えば、燃料タンク内圧力はタンク壁面温度が変化するとそれに応じて変化する。例えば、故障診断実行中にタンク壁面温度が低下すると、タンク壁面で蒸発燃料が凝縮するため燃料タンク内圧力は低下する。このため、タンク壁面温度が大きく低下すると、燃料タンクが正常であっても本来燃料タンク内圧力が上昇すべき時期に圧力の上昇が生じないことになり、前述の図5から図9の方法で故障診断を行うと正常な燃料タンクが異常と誤診断されてしまう場合が生じる。
【0076】
そこで、本実施例では機関始動後のタンク壁面温度を検出して、このタンク壁面温度が機関始動後所定量以上変化した場合には故障診断を禁止するようにしている。次に、本実施例の燃料タンク壁面温度の検出方法について説明する。
燃料タンク壁面温度は、温度センサを配置して直接検出することも可能であるが、あまり実際的ではない。そこで、本実施例ではタンク壁面温度の変化を間接的に検出するようにしている。タンク壁面温度が変化する原因は大きく分けて、▲1▼気温の変化、▲2▼降雨の影響とがある。特に、降雨があると路面からの水はねによるタンク壁面の冷却効果が大きくなり気温の変化が小さい場合でもタンク壁面温度は低下する。そこで、本実施例では上記気温の変化と降雨の有無とを検出してタンク壁面温度の変化を推定している。
【0077】
図13は、燃料タンク壁面温度による故障診断実行可否の判定を示すフローチャートである。本ルーチンは制御回路20により一定期間毎に実行される。
図13においてルーチンがスタートすると、ステップ1301では大気温度THAMBが読み込まれる。本実施例では、大気温度を検出する大気温度センサを設け大気温度を検出しているが、後述するように吸気通路2のエアフローメータに設けた吸入空気量較正用の吸気温度センサの検出値を、一定条件下で大気温度の近似値として用いるようにしても良い。
【0078】
次いでステップ1303では機関始動が完了したか否かを判定し、始動が完了していない場合にはステップ1305でステップ1301で検出した大気温度をTHAMB1 として記憶する。また、ステップ1307では、気温変化または降雨の有無に応じて作動状態が変更される補機(例えば、エアコン、ヘッドライト、ワイパ等)の作動状態(ON/OFF状態)が記憶される。また、ステップ1309ではカウンタT、フラグKEの値が0にセットされる。カウンタTとフラグKEの機能は図10のものと同様である。
【0079】
ステップ1303で機関始動が完了している場合には、ステップ1313でフラグKEの値から故障診断可否の判定が終了したか否かを判断し、終了していない場合(KE=0)の場合にはステップ1315でカウンタTの値をプラス1増大させる。
また、ステップ1317では、カウンタTの値がT2 に到達したか否か(例えばT2 は機関始動後20分程度に相当するカウンタTの値)を判定し、T2 に到達していない場合には、ステップ1301で読み込んだ大気温度THAMBをTHAMB2 として記憶する。ついでステップ1321では、機関始動時の大気温度THAMB1 から現在の大気温度THAMB2 が所定値α以上変化したか否かを判定する。|THAMB1 −THAMB2 |≧αの場合には故障診断期間中の気温変化が大きくタンク壁面温度が変化しており誤診断が生じる可能性が高いため、ステップ1325で故障診断を禁止する。ステップ1325で故障診断が禁止されると、図5から図9の故障診断は中断されるとともに、既に診断が行われた場合には診断結果は無効にされる。
【0080】
また、ステップ1321で大気温度の変化が小さい場合には、次にステップ1323に進み、現在の補機の作動状態とステップ1307で記憶した補機の作動状態とが比較され、いずれかの補機の作動状態が変化している場合には(例えばワイパがOFFからONになっている場合には)、機関始動後降雨があったため故障診断実行中にタンク壁面温度が変化しており誤診断が行われる可能性があると判断し、気温変化があった場合と同様にステップ1325で故障診断が禁止される。
【0081】
上記のように、タンク壁面温度の変化が大きい場合に故障診断を禁止するようにしたことにより、気温変化、降雨などにより誤診断が生じることが防止される。
なお、上記実施例では、別途大気温度センサを設けて大気温度を検出しているが、吸気通路のエアフローメータに設けられた吸気温度センサで検出した吸気温度を大気温度として使用することもできる。この場合、大気温度と吸気温度との誤差が大きくなることを防止するため、例えば機関が冷間始動状態された(機関冷却水温度と吸気温度との差が所定値(例えば5度C程度)以下であり、かつ冷却水温度が低い(例えば40度C以下)場合にのみステップ1305で吸気温度をTHAMB1 として記憶し、また機関始動後は車両走行速度が所定値以上(例えば40Km/H以上)の状態が数分程度継続した場合にステップ1319で吸気温度をTHAMB2 として記憶するようにすることが好ましい。これにより、大気温度センサを別途設けずに判定を行うことができる。
【0082】
次に、本発明の別の実施例について説明する。前述の図5、図9の故障診断においては、圧力センサ30の検出した燃料タンク11内圧力をそのまま(図5)或いはその積分値を用いて(図9)タンク異常の有無を判定している。
ところが、このような場合には、上述の燃料消費量やタンク壁面温度の変化以外にも故障診断結果が圧力センサ30の検出公差により影響を受ける場合が生じる。
【0083】
この問題を図5の故障診断を例にとって説明する。図14は燃料タンク11に洩れがある場合(一点鎖線)と燃料タンク11が正常な場合(実線)の機関始動後の燃料タンク11内の圧力変化を示す図3と同様な図である。ここで、図14の縦軸は圧力センサ30の検出値を示し、図中点線は真の大気圧を示している。すなわち、図14では、圧力センサ30による検出値と真の圧力との間には誤差によるずれが生じている。通常圧力センサ30の検出精度には所定の誤差(公差)が認められており、このため、圧力センサ30による検出値と真の圧力との間には最大で上記公差に相当する量の誤差が生じている可能性がある。いま、図14に示すように圧力センサ30の検出値が正の値の誤差PE を含んでいたとすると、実際には燃料タンク11内圧力が大気圧になっている場合でも圧力センサ30は正の圧力PE を出力する。
【0084】
燃料タンク11に洩れ等の異常がある場合には、図14に一点鎖線で示したように機関始動後の燃料タンク11内圧力は大気圧近傍で僅かに変動するようになる。従って、この場合には図14の圧力センサで検出した燃料タンク11内の圧力はPE 近傍で変動することになる。ところが、この場合には図5のルーチンにおいて燃料タンク11が正常判定される正圧側の判定値P1 とPE との差が小さくなっているため、燃料タンク11内の圧力が実際には大気圧近傍で変動しているにもかかわらず、圧力センサ30の検出値では判定値P1 以上になる場合が生じてしまう(図14斜線部)。このため、本来異常判定されるべき燃料タンク11が圧力センサ30の公差のために正常判定されてしまう問題が生じる。図14は図5の故障診断方法の場合について説明したが、図9のように圧力変化の積分値をとる場合でも、各時点の圧力検出値が公差による誤差を含んでいると同様な問題を生じることになる。
【0085】
本実施例では、この公差による誤診断の問題を防止するために、図5、図9の故障診断において、圧力センサ30の検出値に基づいて故障診断を行う代わりに、機関始動時の圧力センサ30の検出値と始動後の圧力センサの検出値との差(図14にP′で示す値)を用いるようにしている。このように、機関始動時の燃料タンク11内圧力の検出値と、機関始動後の燃料タンク11内圧力の検出値との差を用いることにより、公差による検出誤差を含まない機関始動後のタンク内圧力変動に基づいて故障診断を行うことが可能となるため、公差による誤診断が生じることが防止される。
【0086】
図15は、上記圧力差P′算出ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、図5、図9のルーチンより短い一定の時間間隔で実行される。
図15では、ステップ1501で圧力センサ30の検出した燃料タンク11内圧力Pを読み込んだ後ステップ1503で機関の始動が完了しているか否かを判定し、始動が完了していない場合にはステップ1505に進み、読み込んだPの値をP0 ′として制御回路20のRAM23に記憶する。これにより、機関始動が完了するまでP0 ′の値は最新のPの値を用いて更新され、機関始動完了後はP0 ′には始動完了直前(機関始動時)のPの値が保持される。
【0087】
また、機関始動が完了するとステップ1507では、ステップ1501で読み込んだPの値とRAM23に保持したP0 ′の値との差が算出され、P′としてRAM23に格納される。本実施例では、図5、図9のルーチン実行時にステップ509またはステップ909で圧力センサ30の検出値Pを直接読み込む代わりにRAM23から上記により算出したP′の値を読み込んでルーチンを実行するようにしている。これにより、図5から図9の故障診断を行う場合の圧力センサ30の公差による影響を排除して正確な故障診断を行うことが可能となる。
【0088】
次に、図5から図9とは別の故障診断方法の例について説明する。
図5から図9の故障診断はいずれも機関始動後所定期間内のの燃料タンク11内圧力の変化に基づいて異常の有無の判定を行っている。すなわち、図5から図9の故障診断では或る期間継続して燃料タンク11内圧力を計測する必要がある。このため、図5から図9の故障診断ではこの期間内のタンク壁面温度の変化や燃料消費量変化等の外乱の影響を受けやすくなっている。
【0089】
この問題を防止するために、本実施例では図5から図9の故障判定とは別に機関始動時の燃料タンク11内圧力のみに基づいて故障診断を行うようにしている。前述したように、燃料タンク11に洩れ等の異常がある場合には機関停止中に燃料タンク11内圧力は大気圧近傍になっており、機関始動時に燃料タンク11内圧力と大気圧との差圧は極めて小さくなっている。このため、機関始動時に燃料タンク11内圧力が所定の正圧以上、または所定の負圧になっているときには、燃料タンクには洩れ等の異常が生じていないと判定することが可能である。 一方、燃料タンク11が正常であっても気温等の影響によりタンク内圧力が大気圧近傍になっている場合も考えられるため、機関始動時のタンク内圧力が所定の正圧以上または所定の負圧以下になっていない場合でも直ちにタンクに異常が生じたと判定することはできない。そこで、本実施例では機関始動時のタンク内圧力が所定の正圧以上、または所定の負圧以下の場合には燃料タンク11は正常であると判断し、その後の故障診断は行わず、機関始動時に上記のタンク内圧力条件が成立しておらず、正常と判定することができない場合にのみ、図5から図9のいずれかの故障診断方法を用いて機関始動後に再診断を行うようにしている。これにより、機関始動後直ちに燃料タンク11の故障診断を行うことができ、燃料タンク11が正常と判定された場合には以後の故障診断を行う必要がなくなるため異常有無の判定が上記外乱の影響を受け難くなる利点がある。
図16は本実施例の故障診断を示すフローチャートである。図16のフローチャートは図5、図7、図9の各フローチャートにステップ1603からステップ1611を付加した点のみが相違しているため、ここではこの相違に関連する部分のみを説明する。
【0090】
図16では機関の始動が完了する前に(ステップ1601)圧力センサ30で燃料タンク11内圧力Pを読み込み(ステップ1603)、この圧力Pが所定の正圧P3 以上(ステップ1605)、または所定の負圧P4 以下(ステップ1607)の場合にはステップ1609で異常判定フラグFXの値を0(正常)にセットして判定終了フラグKDの値を1にセットする(ステップ1611)。
【0091】
機関始動時に正常判定がなされた場合には、判定終了フラグKDの値が1にセットされるため、機関始動後の故障診断は実行されない。
すなわち、機関始動時にステップ1603から1607で正常判定がなされなかった場合にのみ、ステップ1615、ステップ1617で図5、図7、図9のいずれかの方法を用いて機関始動後の異常判定が行われる。なお、上記圧力P3 は例えば0.3KPa程度に、P4 は−0.3KPa程度の圧力に設定される。
【0092】
次に、図16の故障診断を行う場合の圧力センサ30の公差と、内圧制御弁16、均圧弁17、大気弁18(図1)の弁装置の開弁設定圧力との関係について説明する。
前述したように、燃料タンク11内圧力は内圧制御弁16、均圧弁17、大気弁18等の弁装置の作用により常に、(大気圧+ΔPA )と(大気圧−(ΔPB +ΔPC ))との間に保持されている。すなわち、燃料タンク11内圧力は大気圧+ΔPA 以上に上昇することはできず、大気圧−(ΔPB +ΔPC )以下には低下することはできない。ここで、図5から図9の故障診断のように機関始動後所定期間内の圧力変化に基づいて異常の判定を行う場合には、圧力変化の判定値と上記弁装置の開弁設定圧との関係が問題になる。
【0093】
図17(A) は、燃料タンク11が正常な場合の機関始動後のタンク内圧力変化を示す図3と同様な図であり、実線は機関冷間始動時、点線は機関高温始動時を示している。更に図17(A) においてA線は内圧制御弁16の開弁設定圧により定まる燃料タンク11内の最高圧力、B線は均圧弁17、大気弁18の設定圧力により定まる燃料タンク11内の最低圧力を示している。
【0094】
図7の実施例では、機関始動後の所定期間内の燃料タンク内圧力の変化幅(図17(A) にΔPで示す)が所定値ΔP0 以下の場合にタンクに異常を生じたと判定するようにしているが、例えば図17(A) で機関が高温始動されたような場合(点線)には始動時のタンク内圧力が高いため、タンク内圧力が少し上昇しただけで内圧制御弁16の開弁圧力に到達してしまうことになり、正常であっても燃料タンク11内の圧力変化幅ΔPが正常判定をするのに必要なだけ大きくならないおそれがある。また、同様に気温が低い状態での冷間始動時等では機関始動時の燃料タンク11内圧力は大気圧よりかなり低くなる場合があるため、機関始動後にタンク内圧力が少し低下しただけで均圧弁17と大気弁18とが開弁してしまい、始動後のタンク内圧力低下が少なくなり圧力変化幅ΔPが十分に大きくならないおそれがある(図17(A) 、実線)。
【0095】
図16では、機関始動時の燃料タンク11内圧力が所定の正圧P3 以上、または所定の負圧P4 以下の場合には直ちに正常判定を行うようにしたことにより、上記のように圧力変化幅ΔPが小さくなる場合に誤診断が発生する可能性は低くなっているものの、まだ誤診断が生じる場合がある。
例えば、図17(A) に示すように、機関始動時に燃料タンク11内圧力がP3 より僅かに低い場合やP4 より僅かに高い場合には、機関始動時には正常判定がなされず、機関始動後の圧力変化幅ΔPに基づく異常診断が行われることになるため、弁装置16、17、18の開弁設定圧と圧力変化幅の判定値ΔP0 との設定によっては誤診断の可能性がある。
【0096】
図17から判るように、この問題を防止するためには、弁装置の開弁設定圧力は上記の判定値P3 、P4 からΔP0 の幅の圧力変動を許容するものである必要がある。
すなわち、内圧制御弁16の開弁設定圧力ΔPA は正圧側の判定値P3 からのΔP0 の圧力上昇を許容する必要があり(ΔPA ≧P3 +ΔP0 )、また均圧弁17と大気弁18の設定圧力ΔPB 、ΔPC は負圧側の判定値P4 からのΔP0 の圧力低下を許容する必要がある(ΔPB +ΔPC ≧P4 −ΔP0 )。
【0097】
さらに、圧力センサ30の検出誤差について考える。圧力センサ30の検出値は公差による誤差を含むため、例えば、図17(B) に示すように圧力センサ30の正圧側の検出公差をPE1(すなわち、燃料タンク11内が大気圧のときに圧力センサが−PE1の圧力を検出する)とすると、圧力センサ30で検出した燃料タンク11内圧力が正圧側の判定値P3 になっている場合、真のタンク内圧力は最大でP3 +PE1 になっている可能性がある。この場合内圧制御弁16の開弁圧力ΔPA は上記に加え、さらに公差PE に相当する分だけ高く設定されていないとΔP0 の圧力上昇を許容できないことになる。また、負圧側の公差PE2と均圧弁17、大気弁18の開弁圧力ΔPB +ΔPC との関係についても同様である。
【0098】
従って、内圧制御弁16、均圧弁17、大気弁18の開弁圧ΔPA 、ΔPB 、ΔPC は、判定値P3 、P4 、及びΔP0 と圧力センサの正負側の検出公差PE1、PE2に対して、
ΔPA ≧P3 +ΔP0 +PE1
ΔPB +ΔPC ≧P4 −ΔP0 −PE2
の関係を満たしている必要がある。本実施例では、弁装置16、17、18の開弁設定圧を上記のように設定することにより、圧力センサ30の公差により異常判定が影響を受ける可能性をなくして正確な異常診断を可能としている。
【0099】
次に、圧力センサ30の公差による異常判定への影響を解消する別の方法について説明する。上記の例では、弁装置の開弁設定圧を圧力センサの公差を考慮して決定することにより圧力センサの検出公差による問題を解決しているが、本実施例では燃料タンク11内圧力を測定する圧力センサ30を用いて実際に大気圧を測定しておき、この大気圧を用いて圧力センサ30の検出値を較正することにより正確な判定を行う。
【0100】
前述のように、圧力センサ30は大気圧との差圧を検出するものであり、その検出値は誤差を含んでいる。圧力センサ30の検出値が有する誤差は、圧力センサ30を用いて実際に大気圧を測定することにより簡単に求めることができる。例えば、圧力センサ30の検出誤差がPE1(正の値)であった場合には、圧力センサ30を用いて計測した大気圧は−PE1となる。この場合、燃料タンク11内の真の圧力は圧力センサ30で検出した圧力Pから、大気圧の計測値(−PE1)を引いた値(P−(−PE1))となる。
【0101】
本実施例では、圧力センサ30を用いて大気圧を測定し、以後の圧力センサ30の検出圧力Pから大気圧測定値(例えばPE とする)を引いた値(P−PE )をPの代わりに用いて図16のルーチンを実行することにより正確な判定を行うようにしている。このように、検出値Pを直接用いる代わりに大気圧の測定値PE を引いた値(P−PE )を用いて異常判定を行うことにより、圧力センサ30の検出誤差が相殺され、センサの誤差の影響を完全に排除することが可能となる。
【0102】
次に、本実施例の大気圧の測定方法について説明する。図1で説明したように、圧力センサ30は三方切換弁31の切換により燃料タンク11(ベーパ通路12)とキャニスタ10(パージ通路14)との両方の圧力を検出することができる構成となっている。また、キャニスタ10はパージ制御弁15を開弁することにより吸気通路2に連通し、キャニスタ10内圧力は吸気通路2内圧力と等しくなる。一方、吸気通路2内圧力は、機関停止時には大気圧と等しくなっている。そこで、本実施例では、機関始動前(すなわち、機関のイグニッションスイッチOFFからONにされ、まだクランキングが開始されていない状態)で三方切換弁31をパージ通路14側に切り換えるとともに、パージ制御弁15を開弁し、吸気通路2内の大気圧をパージ通路14に導入して測定することにより、圧力センサ30を用いて大気圧を計測し、大気圧の計測終了後パージ制御弁15を閉弁し、三方切換弁31をベーパ通路12側に切り換えて燃料タンク11内の圧力の計測を行うようにしている。これにより、簡易な方法で圧力センサ30を用いて大気圧を検出することが可能となる。
【0103】
また、イグニッションスイッチON後直ちにクランキングが開始されたような場合には吸気通路2内に負圧が発生するため、圧力センサ30で計測した値が真の大気圧からずれる場合もある。そこで、上記の方法で機関始動時(始動前)に大気圧を測定し、この大気圧を用いて較正した燃料タンク内圧力を用いて異常判定を実施したあと、機関停止時にイグニッションスイッチがOFFにされた後に同じ方法で圧力センサ30を用いて大気圧を計測し、機関始動前に計測した大気圧と機関停止後に計測した大気圧との差が所定値以上の場合にはその間に実施した異常有無の判定結果を無効とするようにしても良い。
【0104】
次に、圧力センサ30の公差による異常判定への影響を解消する更に別の方法について説明する。本実施例では、機関始動時のキャニスタ10内圧力PCNと燃料タンク11内圧力Pとを比較し、PCNとPとの間に所定値以上の差が生じていない場合には燃料タンク11に異常が生じたと判定する。
機関の停止中、キャニスタ10内圧力と燃料タンク11内圧力とはそれぞれ気温、燃料油温度等に応じた変化をするが燃料タンク11に洩れ等の異常が生じていない場合にはキャニスタ10内圧力と燃料タンク11内圧力とが同じ圧力になることは殆どない。
【0105】
例えば、キャニスタ10の大気弁18に洩れが生じた場合、もしくはキャニスタ10のハウジングに孔が開いて洩れを生じたような場合にはキャニスタ10内圧力は短時間で大気圧になる。このため、キャニスタ10に洩れがある場合には燃料タンク11内圧力とキャニスタ10内圧力とが同一になっていれば燃料タンク11に洩れを生じていることになる。
【0106】
次に、キャニスタ10の大気弁18等に洩れがなく、パージ制御弁15閉弁中にキャニスタ10が完全に密閉状態になっている場合について考える。
図18は、キャニスタ10と燃料タンク11との両方に洩れが生じていない場合の機関停止後のキャニスタ10内圧力(点線)と燃料タンク11圧力(実線)の変化を示す図である。
【0107】
この状態ではキャニスタ10内は大気弁18の設定圧力に等しい負圧を保持している(図18、▲1▼部)。また、燃料タンク11は機関停止後の冷却により圧力が低下するが、燃料タンク11内圧力がキャニスタ10内圧力より所定値だけ低くなると均圧弁17が開弁し、燃料タンク11とキャニスタ10とを連通する(図18、▲2▼部)(以下、この状態をバックパージという)。すなわち、バックパージが生じた状態では、燃料タンク11内圧力は必ずキャニスタ10内圧力より低くなっている。
【0108】
一旦バックパージが生じると気温が低い状態では燃料タンク11に洩れが無い場合には燃料タンク11内圧力はキャニスタ10内圧力より低い状態に維持される(図18、▲3▼部)。また、この状態から気温が上昇するとキャニスタ10内圧力と燃料タンク11内圧力とは気温とともに上昇するが(図18、▲4▼部)、この上昇傾向はキャニスタ10と燃料タンク11とでは同様であるため、バックパージ発生後の気温上昇中にキャニスタ10内圧力と燃料タンク11内圧力とが同一になることはない。
【0109】
また、気温が上昇してキャニスタ10内圧力が大気放出弁19(図2)の設定圧力を越えるとキャニスタ10内は大気と連通する。このため、キャニスタ内圧力は大気放出弁19の設定圧(大気圧近傍)に維持される(図18、▲5▼部)。
従って、バックパージ発生後、燃料タンク11が正常であれば、図18に示すように燃料タンク11とキャニスタ10との圧力が等しくなるのは、気温による圧力上昇が生じた時の限られた時間(図18、▲5▼点)のみであり、機関始動時期が正確にこの時期に合致した場合以外はキャニスタ10と燃料タンク11との圧力が等しくなることはない。
【0110】
従って、機関始動時にキャニスタ10内圧力と燃料タンク11内圧力とに差が生じていない場合には燃料タンク11にもれが生じたと判定することができる。図19は上記を用いた故障診断ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは制御回路20により一定時間毎に実行される。
図19においてルーチンがスタートすると、ステップ1901では機関始動が完了しているか否かが判定される。始動が完了していない場合にはステップ1903で三方切換弁31(図1)をキャニスタ10側に切り換えてステップ1905で圧力センサ30でキャニスタ10内圧を検出し、この圧力をPCNとして記憶する。また、機関始動が完了するとステップ1911では三方切換弁31を燃料タンク11側に切り換えて圧力センサ30で燃料タンク11内圧力を検出し(ステップ1913)、この燃料タンク11内圧力Pとキャニスタ10内圧力として記憶したPCNとの差の絶対値が所定値α以上か否かを判定する。ここで、αは0に近い正の値であり、|PCN−P|<αの場合にはPCN≒Pが成立するため、ステップ1917で以上判定フラグFXの値を1(異常)にセットしたあと、ステップ1921で異常判定終了フラグKDを1にセットしてルーチンを終了する。また、|PCN−P|≧αの場合には異常が生じていないと判定できるため、ステップ1919で異常判定フラグFXの値を0(正常)にセットして、ステップ1921を実行後ルーチンを終了する。なお、ステップ1921で終了フラグKDの値が1にセットされると、次回ルーチン実行時から本ルーチンはステップ1909から直接終了するようになりステップ1911以下は実行されない。
【0111】
上述のように、本実施例においても同一の圧力センサ30で検出したキャニスタ10内圧力と燃料タンク11内圧力とを比較することにより異常判定を行うため、圧力センサ30の検出誤差が相殺され、正確な判定を行うことができる。
また、図16の場合と同様に機関始動後直ちに燃料タンク11の故障診断を行うことができるため、異常有無の判定期間中の燃料消費量や気温の変化等の外乱が判定結果に影響を与えることを防止できる効果がある。
【0112】
なお、図19の故障診断は機関停止中にバックパージが生じた場合に最も正確な異常判定が可能となるため、機関運転中に機関冷却水温度条件(例えば、冷却水温度が高い状態がある程度の時間継続したこと)等から機関停止後にバックパージが生じるか否かを判断し、この判断結果をイグニッションスイッチOFF時にも記憶内容を保持可能なバックアップRAM等に格納するようにして、停止中にバックパージが生じる条件で前回機関が運転された場合にのみ始動時の上記故障診断を行うようにしても良い。
【0113】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、燃料タンク内圧力に基づいて故障診断を行う場合に誤診断を防止して正確な故障診断を行うことが可能となるという効果が得られる。すなわち、
請求項1から3に記載の発明によれば、機関始動後の燃料消費量の相違による誤診断が防止されるため、正確な故障診断を行うことができる。
【0114】
また、請求項4に記載の発明によれば、気温の変化や降雨の影響等により誤診断が生じることが防止されるため、正確な故障診断を行うことができる。
更に、請求項5から6に記載の発明によれば、圧力センサの検出公差に影響されることなく正確な故障診断を行うことができる。
また、請求項7から8に記載の発明によれば、圧力センサの検出公差による影響を排除するとともに、機関始動時に短時間のうちに故障診断を終了することができるため、診断期間中の燃料消費量や気温の変化、降雨等に影響されることのない正確な故障診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の故障診断装置を適用した自動車用内燃機関の実施例の概略構成を示す図である。
【図2】キャニスタの構成を説明する図である。
【図3】機関始動後の燃料タンク内圧力の時間的変化を説明する図である。
【図4】エバポパージシステムの故障診断方法の一実施例を説明する図である。
【図5】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【図6】エバポパージシステムの故障診断方法の一実施例を説明する図である。
【図7】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【図8】エバポパージシステムの故障診断方法の一実施例を説明する図である。
【図9】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【図10】故障診断実行可否の判定ルーチンの一実施例を示すフローチャートである。
【図11】故障診断結果の判定ルーチンの一実施例を示すフローチャートである。
【図12】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【図13】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【図14】エバポパージシステムの故障診断方法の一実施例を説明する図である。
【図15】圧力センサの検出誤差の較正ルーチンの一実施例を説明するフローチャートでである。
【図16】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【図17】エバポパージシステムの弁装置の開弁圧力の設定値を説明する図である。
【図18】エバポパージシステムの故障診断方法の一実施例を説明する図である。
【図19】故障診断ルーチンの一実施例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体
2…吸気通路
10…キャニスタ
11…燃料タンク
12…ベーパ配管
14…パージ配管
15…パージ制御弁
16…内圧制御弁
18…大気弁
20…制御回路
30…圧力センサ
31…三方切換弁
Claims (7)
- 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、
前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された機関始動後の燃料タンク圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
始動後の機関燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
機関始動時から所定の時間が経過するまでの前記機関燃料消費量が予め定めた下限値以下の場合に、前記判定手段による判定を禁止する禁止手段と、
を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。 - 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、
前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された機関始動後の燃料タンク圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
始動後の機関燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
機関始動時から所定の時間が経過した時点からの所定の期間内の前記燃料消費量が予め定めた上限値以上の場合に前記判定手段による判定を禁止する禁止手段と、
を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。 - 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、
前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
機関始動後の、所定の期間内の前記燃料タンク内圧力に基づいて算出される異常判定パラメータの値を予め定めた判定値と比較することにより、燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
始動後の機関燃料消費量を検出する燃料消費量検出手段と、
機関始動後の所定の期間内における前記機関燃料消費量に応じて、前記判定値を設定する設定手段と、
を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。 - 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、
前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された機関始動後の燃料タンク内圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
前記燃料タンク壁面温度を検出する壁面温度検出手段と、
機関始動後の所定の期間内の前記燃料タンク壁面温度が所定値以上変化した場合に前記判定手段による判定を禁止する禁止手段と、
を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。 - 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、
前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力が大気圧より高い所定の圧力以上になると開弁し、燃料タンク内圧力を前記所定の圧力以下に保持する内圧制御弁と、
前記燃料タンク内圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された機関始動時の燃料タンク内圧力を記憶し、機関始動後に前記圧力検出手段で検出した燃料タンク内圧力と前記記憶した機関始動時の燃料タンク内圧力との偏差を所定期間にわたり積分し、該積分値に基いて、燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。 - 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、
前記ベーパ通路上の、前記パージ装置と燃料タンクとの間に設けられ、燃料タンク内圧力と大気圧との差圧が予め定めた開弁差圧以上になると開弁して前記燃料タンク内圧力と大気圧との差圧を所定の範囲に保持する弁装置と、
前記燃料タンク内圧力と大気圧との差圧を検出する圧力検出手段と、
機関始動時の前記燃料タンクと大気圧との差圧と予め定めた第1の判定値とを比較することにより燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、
機関始動後の所定の期間の前記燃料タンクと大気圧との差圧の変化幅と予め定めた第2の判定値とを比較することにより燃料タンクの異常の有無を判定する判定手段と、を備え、
前記弁装置の前記開弁差圧が、前記圧力検出手段の検出公差と前記第1の判定値と前記第2の判定値との総和より大きな値に設定されているエバポパージシステムの故障診断装置。 - 内燃機関燃料タンク内の燃料液面上部空間に接続されたベーパ通路と、燃料タンク内の蒸発燃料を前記ベーパ通路から機関吸気通路に導くパージ装置と、該パージ通路を開閉するパージ弁と、
前記ベーパ通路に設けられ、前記燃料タンク内圧力と大気圧との差圧を所定の範囲内に保持する弁装置と、
圧力検出端を有し、該圧力検出端に作用する圧力と大気圧との差圧を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出端を前記燃料タンクと、前記パージ通路のパージ弁より燃料タンク側位置とに選択的に連通させる三方弁と、を備え、
機関始動前に前記圧力検出端が前記パージ通路側に連通する位置に前記三方弁を切換えるとともに前記パージ弁を開弁して、パージ弁を介して吸気通路内の大気圧を前記圧力検出端に作用させて前記圧力検出手段により大気圧を検出し、
更に前記三方弁を前記圧力検出端が前記燃料タンクに連通する位置に切換えて前記圧力検出端に燃料タンク内圧力を作用させて前記圧力検出手段により燃料タンク内圧力を検出し、
前記圧力検出手段により検出した前記燃料タンク内圧力と前記大気圧とに基づいて、燃料タンク内の真の圧力を算出するとともに、該真の燃料タンク内圧力に基づいて燃料タンクの異常の有無を検出する判定手段と、
を備えたエバポパージシステムの故障診断装置。
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