JP2646936B2 - エバポパージシステムの故障診断装置 - Google Patents

エバポパージシステムの故障診断装置

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JP2646936B2
JP2646936B2 JP4129076A JP12907692A JP2646936B2 JP 2646936 B2 JP2646936 B2 JP 2646936B2 JP 4129076 A JP4129076 A JP 4129076A JP 12907692 A JP12907692 A JP 12907692A JP 2646936 B2 JP2646936 B2 JP 2646936B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエバポパージシステムの
故障診断装置に係り、特に内燃機関の蒸発燃料(ベー
パ)をキャニスタ内の吸着剤に吸着させ、吸着された燃
料を所定運転条件下で内燃機関の吸気系へ放出(パー
ジ)して燃焼させるエバポパージシステムの故障を診断
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク内で蒸発した燃料(ベーパ)
が大気へ放出されるのを防止するため、各部分を密閉す
ると共に、ベーパを一旦キャニスタ内の吸着剤に吸着さ
せ、車両の走行中に吸着した燃料を吸気系に吸引させて
燃焼させるエバポパージシステムを備えた内燃機関にお
いては、何らかの原因でベーパ通路が破損したり、配管
がはずれたりした場合にはベーパが大気に放出されてし
まい、また吸気系へのパージ通路が閉塞した場合には、
キャニスタ内のベーパがオーバーフローし、キャニスタ
大気導入口より大気にベーパが漏れてしまう。従って、
このようなエバポパージシステムの故障発生の有無を診
断することが必要とされる。
【0003】そこで、本出願人は先に特願平3−138
002号にて、キャニスタに蓄えられた蒸発燃料を内燃
機関の吸気系へパージするパージ通路を開閉する第1の
制御弁と、キャニスタの大気孔を開閉する第2の制御弁
とを有し、故障診断時には第2の制御弁を閉弁した後、
所定負圧になるのを待って第1の制御弁を閉弁して所定
時間密閉し負圧を保持し、そのときの圧力の変化度合い
によって故障発生の有無を診断するようにしたエバポパ
ージシステムの故障診断装置を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、燃料タンク
のベーパボリューム(空間容積)が大きい程(燃料残量
が少ない程)ほぼ同じ流量で負圧をかけていくと、或る
初期設定負圧に達する時間が長くなるため、上記の提案
装置により初期設定負圧に達した後負圧を保持し洩れを
判定する場合も、洩れ面積が同じであっても負圧変化が
空間容積によって大きく異なり(空間容積が大きい程、
負圧変化率が小さい)、誤検出するおそれがある。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
燃料タンクの空間容積に応じて判定を行なうことによ
り、上記の課題を解決したエバポパージシステムの故障
診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成
図を示す。すなわち、上記の目的は、図1に示す如く、
燃料タンク10からの蒸発燃料をベーパ通路11を通し
てキャニスタ12内の吸着材に吸着させ、所定運転時に
該キャニスタ12内の吸着燃料をパージ通路13を通し
て内燃機関9の吸気通路14へパージするエバポパージ
システムの故障を診断する装置において、前記燃料タン
ク10の燃料残量を検出する燃料残量検出手段15と、
前記燃料タンク10を含む所定空間を前記吸気通路14
および大気から遮断する遮断手段と、前記所定空間の圧
力を検出する圧力検出手段16と、前記所定空間の圧力
変化に基づいてエバポパージシステムの故障の有無を判
定する判定手段19と、前記燃料残量が所定値である場
合に前記判定手段19による判定を許可する制御手段2
0と、を有するエバポパージシステムの故障診断装置に
より達成される。また、上記の目的は、請求項2に記載
する如く、燃料タンクからの蒸発燃料をベーパ通路を通
してキャニスタ内の吸着材に吸着させ、所定運転時に該
キャニスタ内の吸着燃料をパージ通路を通して内燃機関
の吸気通路へパージするエバポパージシステムの故障を
診断する装置において、 前記燃料タンクの燃料残量を検
出する燃料残量検出手段と、 前記燃料タンクを含む所定
空間を前記吸気通路および大気から遮断する遮断手段
と、 前記所定空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
記所定空間に判定値を超える圧力変化が生じているか否
かに基づいてエバポパージシステムの故障の有無を判定
する判定手段と、 前記燃料残量に基づいて前記判定値を
変更すると共に、前記燃料残量が所定値に満たない場合
に前記判定手段による判定を禁止する制御手段と、 を有
するエバポパージシステムの故障診断装置によっても達
成される。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、燃料タンク10を含
む所定空間に吸気通路14の負圧を導入した後、設定時
間密閉し、その設定時間における所定空間内の圧力の変
化度合いと判定値との比較結果により判定手段19によ
りエバポパージシステムの故障の有無が判定される。所
定空間内に生ずる圧力変化の度合いは燃料タンク10の
燃料残量に応じて変化する。本発明によれば、燃料残量
が予め定められた所定値である場合にのみ判定処理の実
行が許可されるので、燃料残量に応じて判定値を変更す
ることなく、簡単に正確な故障診断ができる。尚、所定
空間は、燃料タンクとベーパ通路とキャニスタとを含む
空間の他、燃料タンクとベーパ通路とのみを含む空間、
および、燃料タンクのみを含む空間でもよい。 また、請
求項2記載の発明では、制御手段20によって、燃料残
量に応じた判定値が設定されると共に、燃料残量が所定
値に満たない場合には、判定処理の実行が禁止される。
所定空間の体積は燃料残量が少量となるほど大きくな
る。また、蒸発燃料に発生に伴う所定空間の圧力変化
は、所定空間の体積が大きいほど小さくなる。このた
め、燃料残量が少量である場合は、故障診断に長い時間
を要すると共に、誤診断が生じ易い。本発明によれば、
燃料残量が所定値を超える場合にのみ反転処理が実行さ
れるため、短時間で精度良く故障診断を行うことができ
る。
【0011】
【実施例】図2は本発明の一実施例のシステム構成図を
示す。同図中、エアクリーナ22により大気中のほこ
り、塵埃等が除去された空気はエアフロメータ23によ
りその吸入空気量が測定された後、吸気管24内のスロ
ットルバルブ25により、その流量が制御され、更にサ
ージタンク26、インテークマニホルド27(前記吸気
管24と共に前記吸気通路14を構成)を通して内燃機
関の吸気弁の開の期間燃焼室(いずれも図示せず)内に
流入する。
【0012】スロットルバルブ25はアクセルペダル
(図示せず)に連動して開度が制御され、その開度はス
ロットルポジションセンサ28により検出される。ま
た、インテークマニホルド27内に一部が突出するよう
各気筒毎に燃料噴射弁29が配設されている。この燃料
噴射弁29はインテークマニホルド27を通る空気流中
に燃料タンク30内の燃料31を、マイクロコンピュー
タ21により指示された時間噴射する。
【0013】燃料タンク30は前記した燃料タンク10
に相当し、燃料31を収容しており、内部で発生した蒸
発燃料(ベーパ)を、ベーパ通路32(前記ベーパ通路
11に相当)を通してキャニスタ33(前記したキャニ
スタ12に相当)へ送出する。キャニスタ33は内部に
活性炭等の吸着剤が充填されており、また一部に大気孔
34が設けられている。
【0014】上記の大気孔34は大気通路35を介して
キャニスタ大気孔バキューム・スイッチング・バルブ
(VSV)36に連通されている。キャニスタ大気孔V
SV36はマイクロコンピュータ21の制御信号に基づ
き、大気導入孔36aと大気通路35との間を連通又は
遮断する制御弁である。また、キャニスタ33はパージ
通路37を介してパージ側VSV38に連通されてい
る。パージ側VSV38は一端が例えばサージタンク2
6に連通されているパージ通路39の他端と上記パージ
通路37の他端とを、マイクロコンピュータ21からの
制御信号に基づき連通又は遮断する制御弁である。ここ
で、本実施例においては、これらキャニスタ大気孔VS
V36、及びパージ側VSV38が、前記した遮断手段
を構成している。
【0015】圧力センサ40はベーパ通路32の途中に
設けられ、ベーパ通路32の圧力を検出することで、燃
料タンク30の内圧を実質的に検出するために設けられ
ている。ここで、本実施例においては、この圧力センサ
40が前記した圧力検出手段を構成している。ウォーニ
ングランプ41はマイクロコンピュータ21が異常を検
出したとき、その異常を運転者に通知するために設けら
れている。
【0016】燃料タンク30内には燃料31の液面上に
浮かぶフロート42aと、一端がフロート42aに取付
けられ、他端が支点42cを中心として回動自在に取付
けられた棒状体42bと、棒状体42bの支点42cに
おける回動角に応じたレベルの電気信号を発生するポテ
ンションメータからなる燃料量センサ42設けられてい
る。この燃料量センサ42は燃料31の液面に応じてフ
ロート42a及び棒状体42cが変位し、燃料31の液
面に応じた、換言すると燃料残量に応じたレベルの電気
信号を発生する構成であり、前記した燃料残量検出手段
15を構成している。
【0017】かかる構成において、燃料タンク30内に
発生したベーパは、ベーパ通路32を介してキャニスタ
33内の活性炭に吸着されて大気への放出が防止され
る。通常はキャニスタ大気孔VSV36は開弁されてお
り、またエバポパージシステム作動時にはパージ側VS
V38も開弁されている。これにより、運転時にインテ
ークマニホルド27の負圧を利用して大気導入口36a
からキャニスタ大気孔VSV36、大気通路35及び大
気孔34を通して大気をキャニスタ33内に導入する。
【0018】すると、活性炭に吸着されている燃料が脱
離され、その燃料がパージ通路37、パージ側VSV3
8及びパージ通路39を夫々通してサージタンク26内
へ吸い込まれる。また、活性炭は上記の脱離により再生
され、次のベーパの吸着に備える。
【0019】マイクロコンピュータ21は前記した判定
手段19及び制御手段20をソフトウェア処理により実
現する制御装置で、図3に示す如き公知のハードウェア
構成を有している。同図中、図2と同一構成部分には同
一符号を付し、その説明を省略する。図3において、マ
イクロコンピュータ21は中央処理装置(CPU)5
0、処理プログラムを格納したリード・オンリ・メモリ
(ROM)51、作業領域として使用されるランダム・
アクセス・メモリ(RAM)52、エンジン停止後もデ
ータを保持するバックアップRAM53、マルチプレク
サを有する入力インタフェース回路54、A/Dコンバ
ータ56及び入出力インタフェース回路55などから構
成されており、それらはバス57を介して接続されてい
る。
【0020】入力インタフェース回路54はエアフロー
メータ23からの吸入空気量検出信号、スロットルポジ
ションセンサ28からの検出信号、圧力センサ40から
の圧力検出信号、燃料量センサ42の出力検出信号など
が並列に入力され、これらを順次切換えて時系列的に合
成された直列信号に変換して、単一のA/Dコンバータ
56へ供給し、ここでその直列信号をアナログ・ディジ
タル変換させてバス57へ順次送出させる。
【0021】入出力インタフェース回路55はスロット
ルポジションセンサ28からの検出信号が入力され、そ
れをバス57を介してCPU50へ入力する一方、バス
57から入力された各信号を燃料噴射弁29、キャニス
タ大気孔VSV36、パージ側VSV38及びウォーニ
ングランプ41へ選択的に送出してそれらを制御する。
【0022】上記の構成のマイクロコンピュータ21の
CPU50はROM51内に格納されたプログラムに従
い、以下説明するフローチャートの処理を実行する。図
4は本発明の要部の第1実施例の動作説明用フローチャ
ートで、例えば65ms毎に割り込み起動される。同図
において、まず実行フラグがセット(値が“1”)され
ているか見る(ステップ101)。機関始動時のイニシ
ャルルーチンによって実行フラグはクリア(値は
“0”)されているため、最初はセットされていないの
で、次のステップ102へ進む。
【0023】ステップ102では、後述の洩れ判定中フ
ラグがセットされているか見る。この洩れ判定中フラグ
もイニシャルルーチンによってクリアされているため、
最初はセットされておらず、最初は次のステップ103
へ進む。ステップ103ではキャニスタ大気孔VSV3
6を遮断(閉弁)状態にし、続くステップ104でパー
ジ側VSV38を開放(開弁)状態にする。すると、機
関燃焼室への負圧が図2に示したパージ通路39、パー
ジ側VSV38、パージ通路37、キャニスタ33、ベ
ーパ通路32を通して燃料タンク30に加わる。これに
より、燃料タンク30の内圧(タンク内圧)は、負方向
へ急激に上昇する。
【0024】続いて、図4のステップ105で圧力セン
サ40の検出信号に基づき、タンク内圧がX Pa以下
であるかどうか判定し、X Pa以下のときには負圧設
定中のため、このルーチンを終了する。タンク内圧がX
Paより負圧側に大となるまで65ms毎に上記のス
テップ101〜105が繰り返し実行される。そして、
タンク内圧がX Paより負圧側に大となったとステッ
プ105で判定されると、パージ側VSV38を遮断す
る(ステップ106)。
【0025】ここで、上記のステップ103〜106に
よる負圧設定時のベーパ通路32、パージ通路37、燃
料タンク30の系内の負圧変化率は、図5(A)に示す
如く、燃料タンク30の燃料残量(燃料量)が多いほ
ど、すなわち燃料タンク30の空間容積(ベーパボリュ
ーム)が小さいほど大きいため、パージ側VSV38が
ステップ104で開弁されてからステップ106で閉弁
されるまでの時間は空間容積が小さいほど短かい。
【0026】また、上記系内の洩れ面積が大きいほど、
図5(A)に示す如く負圧変化率は小となる。洩れ部よ
り空気が吸い込まれ、その分燃料タンク30の負圧が上
がらないためである。
【0027】上記のステップ106でパージ側VSV3
8が閉弁されると、図2のパージ通路37から燃料タン
ク30に到る系が密閉され、系内に初期設定負圧X(P
a)が保持される。この密閉時は洩れが無く、また燃料
ベーパの発生していない状態では上記の初期設定負圧が
保持されるが、洩れがある場合は図5(B)に示す如く
燃料量が多いほど負圧の変化率が大きい。また、同じ燃
料量でも洩れ面積が大きいほど、図5(B)に示す如く
負圧変化率は大となる。
【0028】従って、或る洩れ面積以上の洩れを検出す
る場合は燃料量によって負圧変化率の判定値を変える必
要がある。そこで、本実施例では図5(B)に一点鎖線
Iで示す如き特性を有する判定値のマップを予め図3の
バックアップRAM53に格納しておき、このマップを
用いて後述の如く、燃料残量(燃料量)に応じて判定値
βを可変する。
【0029】すなわち、図4のステップ106の処理が
終ると、続いて洩れ判定タイマが“0”か否か判定され
る(ステップ107)。前記したイニシャルルーチンに
よって、この洩れ判定タイマは“0”にクリアされてい
るので、最初にこのステップ107の判定が行なわれた
ときは、“0”と判定されてステップ108へ進み、現
在の圧力センサ40の検出値を診断開始圧力値PS とし
てRAM52に記憶する。
【0030】続いて、洩れ判定タイマの値を所定値加算
し(ステップ109)、洩れ判定フラグを“1”にセッ
トして(ステップ110)、このルーチンを終了する。
そして、次に再びこのルーチンが起動されると、ステッ
プ102で洩れ判定中と判定されるため、ステップ10
3〜105をジャンプし、更にステップ106を経由し
てステップ107に到る。
【0031】今度はステップ107で洩れ判定タイマは
“0”ではないと判定されるため、洩れ判定タイマの値
が診断時間(洩れ判定時間)αに相当する値になってい
るかどうか判定し(ステップ111)、まだ時間αにな
っていないときはステップ109,110を経由してこ
のルーチンを終了する。
【0032】このようにして、ステップ101,10
2,106,107,111,109,110の処理が
65ms毎に繰り返され、洩れ判定タイマの値が洩れ判
定時間αに相当する値になると、その時点の圧力センサ
40の検出値を診断終了圧力値PE としてRAM52に
記憶する(ステップ112)。そして、RAM52から
読み出した圧力値PS ,PE に基づいて、(PE
S )/α(秒)なる式から圧力の変化率を算出する
(ステップ113)。
【0033】続いて、燃料量センサ42からの電気信号
レベルに基づく燃料量を読み込み(ステップ114)、
その読み込んだ燃料量からベーパボリューム(空間容
積)を算出する(ステップ115)。そして、この算出
ベーパボリュームによりバックアップRAM53に格納
されている前記マップを参照し、図5(B)に一点鎖線
Iで示した特性で表わされる判定値βを読み込む(ステ
ップ116)。
【0034】続いて、前記ステップ113で算出した変
化率が上記の判定値β以上か否か判定し(ステップ11
7)、β以上のときは圧力の変化が大なため洩れが大で
あり異常であると判断して、ウォーニングランプ41を
点灯して(ステップ118)、運転者にエバポパージシ
ステムの故障発生を通知した後、洩れ故障フェイルコー
ドを例えばバックアップRAM53に記憶し(ステップ
119)、ステップ120へ進む。洩れ故障フェイルコ
ードはその後の修理の際にバックアップRAM53から
読み出されて、エバポパージシステムの故障原因を知ら
せる。
【0035】一方、算出変化率がβ未満と判定されたと
きは、洩れが規定値以下であるから正常と判断してステ
ップ118,119をジャンプしてステップ120へ進
む。ステップ120ではキャニスタ大気孔VSV36を
開放状態(開弁)とする。続いて、洩れ判定タイマをク
リアし(ステップ121)、実行フラグを“1”にセッ
トし(ステップ122)、更に洩れ判定フラグを“0”
にクリアして(ステップ123)、故障診断処理を終了
する。以後は、このルーチンが起動されてもステップ1
01で実行フラグが“1”と判定されるので、以後再始
動されるまでこのルーチンが実行されることはない。
【0036】このように、本実施例によれば、ステップ
110〜112により前記弁制御手段18を実現し、ス
テップ113,117により前記判定手段19を実現
し、ステップ114〜116により前記制御手段20を
実現し、燃料残量に応じて負圧の判定値βを可変してい
るため、常に誤診断のおそれなく、そのときの燃料残量
に応じた正確な故障診断ができる。
【0037】次に本発明の第2実施例について説明す
る。図6は本発明の要部の第2実施例の動作説明用フロ
ーチャートを示す。同図中、図4と同一処理ステップに
は同一符号を付し、その説明を省略する。図6のエバポ
パージシステムの故障診断処理ルーチンのフローチャー
トにおいて、実行フラグがセットされていないと判定さ
れたときは(ステップ101)、燃料量センサ42の出
力信号レベルに基づいて燃料31が満タンかどうか判定
される(ステップ201)。
【0038】燃料が満タンと判定されたときはステップ
102〜113,117〜119による前記した故障診
断処理が実行され、燃料が満タンでないと判定されたと
きは上記の故障診断処理を行なうことなく、ステップ1
20へ進んでキャニスタ大気孔VSV36を開弁する。
【0039】このように、本実施例によれば燃料残量が
予め定めた所定値のときのみ故障診断処理を行っている
ので、前記したマップが不要であり、簡単に正確な故障
診断ができる。しかも、本実施例では上記の所定値を燃
料タンク30内の液面位置が図2に破線で示す位置の満
タンとしているため、ベーパボリュームが最小であり、
よって図5(A)に示したように負圧設定時間が短くて
済み、また負圧保持時の負圧変化率が洩れ面積が同じ場
合、図5(B)に示したように最も大きいため、精度良
く負圧変化率を算出できる。更に、満タンの検出は最も
測定し易いという利点もある。
【0040】また、図6の第2実施例は換言すると、燃
料残量が満タン未満のときには故障診断を禁止してい
る。これにより、不正確な故障診断を防止することがで
きる。ところで、燃料量を計測する燃料量センサは図2
中に42で示したようにフロート式であるが、このもの
は油面の高さによって燃料量を計測する。このため、車
両走行中に路面や加減速によって燃料タンク30内の燃
料31の油面が揺れると、燃料量センサ42は正確な燃
料量を検出できない。
【0041】そこで、次に説明する第3実施例は燃料量
センサ42を使用しても正確な燃料量計測値に基づき、
燃料タンク30のベーパボリュームがどのようなもので
あっても、正確な故障診断を行なえるようにしたもので
ある。
【0042】図7は本発明の要部の第3実施例の動作説
明用フローチャートを示す。同図中、図4と同一処理ス
テップには同一符号を付し、その説明を省略する。図7
のエバポパージシステムの故障診断処理ルーチンが例え
ば65ms毎に割り込み起動されると、まず異常検出の
実行フラグがセットされているか判定し(ステップ10
1)、セットされていないと判定されたときは燃料読み
実行フラグが“1”にセットされているか否か判定され
る(ステップ301)。
【0043】燃料読み実行フラグはイニシャルルーチン
によりリセットされており、また後述の図8,図9,図
10及び図12に示すルーチンにより燃料量を記憶した
場合にのみセットされるから、燃料量が読み取られない
うちはこのルーチンは実行されず、一旦終了する。
【0044】燃料量(この値はFUELMに格納され
る)が読み込み完了され、それにより燃料読み実行フラ
グがセットされている場合は、ステップ301からステ
ップ102以降の前述した故障診断処理ルーチンへ進
む。ただし、本実施例ではこの故障診断処理ルーチン
中、ステップ113で圧力の変化率を算出した後、後述
のルーチンで読み込んだ燃料量FUELMで図5(B)
に一点鎖線Iで示した特性のマップを参照し、判定値β
を算出して読み込む(ステップ302)点が前記の実施
例とは異なる。
【0045】次に燃料量算出の制御ルーチンの各例につ
いて説明する。図8は燃料量算出の制御ルーチンの第1
実施例のフローチャートを示す。このルーチンは始動直
後1回のみ、図7とは別ルーチンで実行される。図7に
おいて、まず始動直後か否か判定される(ステップ40
1)。始動直後かどうかは、例えばスタータがオンから
オフになってからの時間で判断できる。
【0046】始動直後と判定されたときのみ、その時点
の燃料量センサ42の出力信号に基づいて燃料量が読み
込まれ、RAM52に燃料量FUELMとして記憶され
る(ステップ402)。そして、燃料読み実行フラグを
セットし(ステップ403)、このルーチンを終了す
る。
【0047】この実施例では燃料油面が確実に安定して
いる、機関始動直後の燃料量を検出しているので、正確
な燃料量の検出ができ、よって正確なエバポパージシス
テムの故障診断ができる。
【0048】図9は燃料量算出の制御ルーチンの第2実
施例のフローチャートを示す。このルーチンは図7のル
ーチンとは別ルーチンで、アイドル判定の都度、最新値
を更新させる。図9において、まず、アイドル状態か否
か判定される(ステップ501)。アイドル状態か否か
はスロットルポジションセンサ28の出力信号によりス
ロットルバルブ25が全閉か否かによって判断できる。
【0049】アイドル状態と判定されたときのみ、その
時点の燃料量センサ42の出力信号に基づいて燃料量が
読み込まれ、RAM52に燃料量FUELMとして記憶
される(ステップ502)。そして、燃料読み実行フラ
グをセットし(ステップ503)、このルーチンを終了
する。
【0050】この実施例では燃料油面が機関始動直後に
次いで安定しているアイドル時に燃料量を読み込んでい
るので、エバポパージシステムの正確な診断ができる。
【0051】ところで、機関始動直後は燃料油面の安定
状態は最も良いが、坂道に駐車された車両の起動時には
燃料油面が誤検出されてしまう。そこで、始動直後と一
旦走行した後の最初のアイドル状態の両方での燃料量の
平均値をとることにより精度を向上したのが、図10に
示す第3実施例の燃料量算出制御ルーチンであり、次に
この燃料量算出制御ルーチンについて説明する。
【0052】図10において、まず燃料読み実行フラグ
がセットされているか否か判定される(ステップ60
1)。この燃料読み実行フラグは後述のステップ610
でセットされない限り“0”であり、セットされている
ときはこのルーチンは実行されない。燃料量はエバポパ
ージシステムの故障診断、すなわち洩れ判定にのみ1回
使用するものであるからである。
【0053】燃料読み実行フラグがまだセットされてい
ない場合は、以下の燃料量算出制御ルーチンが実行さ
れ、まず始動直後か否か判定される(ステップ60
2)。始動直後と判定されたときはその時点の燃料量セ
ンサ42の出力信号に基づいて燃料量が読み込まれて変
数FUELSに代入され、RAM52に記憶され(ステ
ップ603)、一旦ルーチンを抜ける。
【0054】始動直後でないと判定されたときは、アイ
ドル状態か否か判定され(ステップ604)、アイドル
状態でもないときはそのときの車速がYkm/h以上か
否か車速センサの出力検出信号より判定し(ステップ6
05)、Ykm/h以上のときは走行時と判断してフラ
グAをセットし(ステップ606)、このルーチンを一
旦終了する。また、車速がYkm/h未満と判定された
ときは、何もしないでこのルーチンを一旦終了する。
【0055】他方、前記ステップ604でアイドル状態
と判定されたときは、ステップ607に進んでフラグA
が“1”であるか否か判定される。フラグAが“1”に
セットされていない場合は現在のアイドル状態になるま
でに走行状態になっていないからこのルーチンを一旦終
了する。一方、ステップ607でフラグAが“1”であ
ると判定されたときは、ステップ604で判定されたア
イドル状態の以前に走行状態となっていたと判断して燃
料量を読み込み、RAM52にFUELiとして格納す
る(ステップ608)。
【0056】続いて、始動直後の燃料量FUELSと一
旦走行後の最初のアイドル時の燃料量FUELiとをR
AM52から読み出してそれらの平均値を算出し、その
平均値を燃料量FUELMとしてRAM52に格納した
後(ステップ609)、燃料読み実行フラグをセットし
て処理を終了する(ステップ610)。
【0057】図11及び図12は燃料量算出制御ルーチ
ンの第4実施例のフローチャート(その1及びその2)
を示す。本実施例は始動直後と次の1回又は2回のアイ
ドル状態のときの燃料量から、燃料消費の補正をも加味
して正確な燃料量を算出するものであり、図10よりも
精度を向上することができる。
【0058】図11において、まず燃料読み実行フラグ
がセットされているか否か判定され(ステップ70
1)、燃料量FUELMの算出が終了していないときは
燃料読み実行フラグが“0”であり、このときのみ次の
ステップ702へ進んで始動直後か否かの判定が行なわ
れる。始動直後と判定されたときは、そのときの燃料量
センサ42の出力信号に基づく燃料量がFUSとしてR
AM52に格納された後(ステップ703)、一旦この
ルーチンを終了する。
【0059】ステップ702で始動直後でないと判定さ
れたときは、車速センサにより検出された車速を前回の
車速積算値に加算することによって車速積算値SPDS
を算出し(ステップ704)、その車速積算値SPDS
が予め設定されている所定のしきい値Z以上か否か判定
される(ステップ705)。
【0060】SPDS<Zのときはまだ走行距離が充分
でないと判断して、このルーチンを一旦終了する。一
方、SPDS≧Zのときは少なくとも走行されたことが
あると判断して、現在アイドル状態か否かスロットルポ
ジションセンサ28からの検出信号に基づいて判断する
(ステップ706)。
【0061】アイドル状態と判定されたときのみ次のス
テップ707へ進み、フラグAが“1”にセットされて
いるか否か判定する。フラグAは一旦走行した場合にの
みセットされ、イニシャルルーチンによって初期値は
“0”である。従って、最初にこのステップ707が実
行されたときはフラグAは“0”であるから図12のス
テップ708へ進んで、現在の1回目のアイドル状態時
の燃料量を燃料量センサ42から読み込んで、FUi1
としてRAM52に格納される(ステップ708)。
【0062】続いて、ROM51に予め格納されている
図13に示す如き予め実験により求められた、車速積算
値SPDSと燃料消費量との関係を示す2次元マップ
を、車速積算値SPDSで参照することにより、ステッ
プ704で算出された車速積算値SPDSに対応する燃
料消費量Fi1が算出される(ステップ709)。
【0063】次に|FUS−FUi1−Fi1|の値が
許容差σ以内の値であるか否か判定される(ステップ7
10)。すなわち、起動直後の燃料量FUSと走行後の
最初のアイドル時の燃料量FUi1との差の絶対値|F
US−FUi1|は、燃料量の検出状態等が正常である
ならば、燃料消費量Fi1に一致若しくは極めて近い値
となるはずである。
【0064】従って、|FUS−FUi1−Fi1|な
る値が所定の許容差σ以下のときは燃料量の検出状態等
が正常であると判断して、 (FUS+FUi1−Fi1)/2 なる式から目的の燃料量FUELMを算出する(ステッ
プ711)。この燃料量FUELMは始動直後の燃料量
FUSに燃料消費量Fi1を差し引いた値と、最初のア
イドル時の燃料量FUi1との平均値である。
【0065】このようにして、目的の燃料量FUELM
を算出してRAM52に格納すると燃料読み実行フラグ
を“1”にセットして(ステップ712)、このルーチ
ンを終了する。
【0066】一方、ステップ710で絶対値|FUS−
FUi1−Fi1|>σと判定されたときは、燃料量の
検出状態等が正常でなかったと判断して、車速積算値S
PDSをクリアした後(ステップ713)、フラグAを
“1”にセットして(ステップ714)、このルーチン
を一旦終了する。
【0067】その後、図11のステップ701,70
2,704及び705を経てステップ706でアイドル
状態と判定されると、続くステップ707ではフラグA
が“1”であると判定されるから図12のステップ71
5に進み、その2回目のアイドル時の燃料量が燃料量セ
ンサ42の出力信号から読み取られて、RAM52にF
Ui2として格納される。
【0068】続いて、図13に示した2次元マップを車
速積算値SPDSで参照することにより、1回目のアイ
ドル状態判定時から2回目のアイドル状態判定時までの
車速積算値SPDSに対応する燃料消費量Fi2が算出
される(ステップ716)。しかる後に、 |FUS−FUi2−Fi1−Fi2|≦σ (1) なる不等式を満足するか否か判定される(ステップ71
7)。
【0069】すなわち、起動直後の燃料量FUSと走行
後の2回目のアイドル検出時の燃料量FUi2との差の
絶対値|FUS−FUi2|は、燃料量の検出状態等が
正常であるならば、起動直後から2回目のアイドル検出
時までの燃料消費量(Fi1+Fi2)に略一致するは
ずであり、この場合は上記の不等式が満足される。従っ
て、ステップ717で上記の不等式が満足すると判定さ
れたときは、次式 (FUS+FUi2−Fi1−Fi2)/2 に基づいて、始動直後の燃料量FUSに燃料消費量Fi
1及びFi2を夫々差し引いた値と、2回目のアイドル
時の燃料量FUi2との平均値を算出し、これを目的の
燃料量FUELMとしてRAM52に格納した後(ステ
ップ718)、燃料読み実行フラグを“1”にセットす
る(ステップ712)。
【0070】一方、ステップ717で上記(1)式の不
等式が満足されないと判定されたときは、ステップ71
9へ進んで |FUi1−FUi2−Fi2|≦σ (2) なる不等式を満足するか否か判定される。これは(1)
式の不等式が満足されないのは、坂道の駐車等によって
起動直後の燃料量FUSに誤検出の可能性ありと判断し
たためで、最初のアイドル時の燃料量と2回目のアイド
ル時の燃料量FUi2との差は、燃料量が正常に検出さ
れていれば、最初のアイドル時から2回目のアイドル時
までの燃料消費量Fi2に略等しいということに基づ
く。
【0071】従って、(2)式の不等式が満足された場
合は、最初のアイドル時の燃料量FUi1から燃料消費
量Fi2を差し引いた値と、2回目のアイドル時の燃料
量FUi2との平均値を算出し、これを目的の燃料量F
UELMとしてRAMに格納する(ステップ720)。
この後、燃料読み実行フラグが“1”にセットされる
(ステップ712)。
【0072】他方、ステップ719で(2)式の不等式
も満足しないと判定されたときは、次式 (FUS+FUi1+FUi2−Fi1−Fi2×2)/3 の演算を行なう(ステップ721)。この式は始動直後
の燃料量FUSから燃料消費量Fi1及びFi2を夫々
差し引いた値と、1回目のアイドル時の燃料量FUi1
から燃料消費量Fi2を差し引いた値と、2回目のアイ
ドル時の燃料量FUi2との平均値の算出式、すなわ
ち、3つの燃料量FUS,FUi1及びFUi2を2回
目のアイドル時の値に換算したときの平均値の算出式を
示している。この平均値の算出値は目的の燃料量FUE
LMとしてRAM52に記憶される(ステップ72
1)。その後、燃料読み実行フラグがセットされて(ス
テップ712)、このルーチンを終了する。
【0073】本実施例では最大で2回のアイドル状態検
出を行ない、読み込んだ燃料量の差と燃料消費量とを比
較することにより、読み込んだ燃料量の誤検出の割合を
少なくしているため、より高精度の洩れ検出を行なわせ
ることができる。
【0074】ところで、以上の実施例で用いられる燃料
量センサ42は、最も一般的なフロート式であるが、本
発明はこれに限定されるものではなく、図14に示す如
き構成の燃料量センサ60を使用することもできる。燃
料量センサ60はフロート60aに加えて、満タン油面
61に設けられたレベルセンサ60bを有した構成であ
る。レベルセンサ60bは燃料タンク30内の燃料が満
タンであることを検出する。
【0075】また、図14中、フューエルキャップスイ
ッチ62はフューエルキャップが開弁されて燃料が燃料
タンク30内に給油されるときはオフとされ、フューエ
ルキャップが閉弁されているときはオンとされるスイッ
チであって、その検出信号はマイクロコンピュータ21
へ出力される。
【0076】図15は本発明の要部の故障診断処理ルー
チンの第4実施例の動作説明用フローチャートを示す。
同図中、図7と同一処理ステップには同一符号を付し、
その説明を省略する。図15に示す故障診断処理ルーチ
ンが例えば65ms毎に割り込み起動されると、まず燃
料噴射時間積算値TAUSOが積算基準値Wより小さい
かどうか判定される(ステップ801)。この燃料噴射
時間積算値TAUSOは後述の図17のルーチンによっ
て燃料の噴射タイミング毎に算出される。
【0077】図15のステップ801によりTAUSO
≧Wと判定されたときはステップ802により燃料量F
UELMから燃料消費量FUSを差し引いた値を新たな
燃料量FUELMとして更新する。ここで、燃料噴射量
FUS(単位l)は、 FUS=W×INJ×m (3) より算出される固定値である。ただし、上式中、Wは上
記の積算基準値(単位ms)、INJは燃料噴射弁29
の流量特性(単位cc/min)、mは気筒数である。
【0078】続いて、燃料噴射時間積算値TAUSOが
クリアされ(ステップ803)、その後ステップ101
以降の故障診断処理が実行される。また、ステップ80
1でTAUSO<Wと判定されたときはステップ802
及び803をジャンプしてステップ101へ進む。
【0079】すなわち、本実施例では、燃料量FUEL
Mは初期値が図16に示すルーチンによって算出される
満タン時の燃料量であり、燃料噴射時間積算値TAUS
Oが積算基準値Wに達する毎に、積算基準値Wに相当す
る燃料消費量FUSだけ差し引かれる(ステップ801
〜803)。
【0080】次に図16に示す燃料量算出ルーチンにつ
いて説明する。図15の本発明の第4実施例では燃料量
FUELMの初期値を満タン時の値としているが、フロ
ート60a又はレベルセンサ60bだけによって満タン
を検出する場合は、走行中の燃料の油面の揺れによって
満タンでないにも拘らず満タンと誤検出するおそれがあ
る。
【0081】従って、燃料が満タンであると判定するの
は、燃料油面が安定し、平坦路で正確な燃料量検出が可
能な車両が停止中の燃料補給直後が最も望ましい。燃料
補給状態かどうかを検出するためには、図14に示した
ようにフューエルキャップの開閉を検出するフューエル
キャップスイッチ(SW)62を設け、該スイッチ62
がオフからオンになったタイミングを燃料補給終了直後
とし、これにより燃料補給かどうかを検出することがで
きる。
【0082】しかし、燃料補給時に燃料が満タンまで給
油されるとは限らず、満タンまで給油されないと本実施
例では燃料量FUELMの初期値に誤差が生ずる。そこ
で、本実施例では燃料量センサ60とフューエルキャッ
プスイッチ62の両方の検出信号に基づき、燃料補給直
後に燃料が満タンに給油されたと判定したときのみ、図
16のルーチンのステップ907で燃料読み実行フラグ
を“1”にセットし、図15のルーチンによって燃料残
量の算出及び故障検出を実行させるようにしたものであ
る。
【0083】なお、燃料補給時は通常機関は停止される
ため、フューエルキャップスイッチ62がオンからオフ
になったときは、マイクロコンピュータ21を起動させ
る回路を追加してある。
【0084】図16において、まずフューエルキャップ
スイッチ62がオフか否か判定され(ステップ90
1)、オフのときはフラグBをセットして(ステップ9
02)、このルーチンを一旦終了し、オンのときはフラ
グBが“1”にセットされているか否か判定される(ス
テップ903)。
【0085】フラグBはイニシャルルーチン又は後述の
ステップ904でクリアされるため、フラグBが“1”
にセットされていないと判定されたときは、フューエル
キャップスイッチ62がオンであると判断して、何も処
理することなくこのルーチンを抜ける。
【0086】一方、ステップ903でフラグBが“1”
にセットされていると判定されたとき、すなわちフュー
エルキャップスイッチ62がオフからオンになったと判
定されたときは、燃料の補給が終了したと判断してフラ
グBをクリアした後(ステップ904)、燃料が満タン
か否か燃料量センサ60の出力により判定される(ステ
ップ905)。
【0087】燃料が満タンと判断されたときは満タン
(FULL)時の燃料量を燃料量FUELMとしてRA
M52に記憶した後(ステップ906)、燃料読み実行
フラグを“1”にセットして(ステップ907)、イグ
ニッションキーをオフされても記憶保持されるようバッ
クアップRAM53に記憶した後このルーチンを終了す
る。なお、満タン時の燃料量は燃料タンク30の形状に
より一律決まった値のため固定値である。
【0088】一方、燃料が満タン(FULL)でないと
判定されたときは、燃料補給が満タンまで行なわれなか
ったと判断して、燃料読み実行フラグをクリアし(ステ
ップ908)、このルーチンを終了する。このようにし
て、図16のルーチンによって、燃料補給直後で、か
つ、燃料満タンと判定されたときのみ、燃料読み実行フ
ラグが“1”にセットされる。
【0089】次に、図15の故障診断ルーチンの第4実
施例において用いられる燃料噴射時間積算値TAUSO
の算出ルーチンについて、図17と共に説明する。図1
7において、まず燃料読み実行フラグが“1”かどうか
判定される(ステップ1001)。燃料読み実行フラグ
が“0”のときは燃料補給が満タンまで行なわれていな
いから、何も処理せずにこのルーチンを終了する。
【0090】燃料読み実行フラグが“1”にセットされ
ていると判定されたときは、別途に燃料噴射時間算出ル
ーチンによって算出された燃料噴射時間TAUを変数T
AUSに代入した後(ステップ1002)、そのTAU
Sを燃料噴射時間積算値TAUSOに加算して燃料噴射
時間積算値TAUSOを更新し(ステップ1003)、
このルーチンを終了する。
【0091】上記の燃料噴射時間TAUは例えば(TP
×FAF×F)なる式により演算算出される。ここで、
TPは基本燃料噴射時間で、定常運転時に図2に示した
燃料噴射弁29からこの時間TP燃料を噴射したとき
に、機関シリンダ内に吸入される混合気が目標空燃比
(通常は理論空燃比)になるように機関回転数と吸入空
気量(又は吸気管圧力)とから算出される値である。
【0092】また、上記FAFは空燃比フィードバック
補正係数で、排気ガス中の酸素濃度に基づいて空燃比を
上記目標空燃比とするために変化する係数である。更
に、上記Fは各種の補正係数で、吸気温や機関冷却水温
等により定まり、暖機完了前は1.0より大なる値であ
り、暖機完了後は1.0又はそれに近い値とされる。
【0093】このようにして、図14の燃料量センサ6
0及びフューエルキャップスイッチ62と図15乃至図
17の各ルーチンによって、燃料補給直後に燃料量が満
タンと判定されたときは、燃料噴射時間積算値TAUS
Oが積算基準値Wに達する毎に燃料消費量FUSずつ減
少する燃料量FUELMに基づき、エバポパージシステ
ムの系内の圧力の変化率と比較される所定値βを可変す
ることにより、正確な洩れ検出ができる。
【0094】なお、本発明は以上の実施例に限定される
ものではなく、例えば、満タン以外の予め設定した所定
値のときのみ故障診断を行なったり、満タン以外の燃料
残量が所定量以下のときに故障診断を禁止するようにし
てもよい。また、パージ個所はスロットルバルブ25付
近でもよい。
【0095】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、燃料残量が所定値のときのみ故障診断しているの
で、マップを用いることなく簡単に正確な故障診断を行
うことができる。 また、請求項2記載の発明によれば、
燃料残量が所定値以下のときに故障診断を禁止するよう
にしたため、不正確な故障診断を未然に防止することが
できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図3】図2中のマイクロコンピュータのハードウェア
の一例の構成図である。
【図4】本発明の要部の第1実施例の動作説明用フロー
チャートである。
【図5】負圧設定時と負圧保持時の負圧変化率と燃料量
(ベーパボリューム)との関係を示す図である。
【図6】本発明の要部の第2実施例の動作説明用フロー
チャートである。
【図7】本発明の要部の第3実施例の動作説明用フロー
チャートである。
【図8】図7のフローチャート中の燃料読み実行フラグ
をセットする第1実施例のフローチャートである。
【図9】図7のフローチャート中の燃料読み実行フラグ
をセットする第2実施例のフローチャートである。
【図10】図7のフローチャート中の燃料読み実行フラ
グをセットする第3実施例のフローチャートである。
【図11】図7のフローチャート中の燃料読み実行フラ
グをセットする第4実施例のフローチャート(その1)
である。
【図12】図7のフローチャート中の燃料読み実行フラ
グをセットする第4実施例のフローチャート(その2)
である。
【図13】図12のフローチャート中で用いるマップの
一例を示す図である。
【図14】本発明の要部の他の実施例のシステム構成図
である。
【図15】本発明の要部の第4実施例の動作説明用フロ
ーチャートである。
【図16】図15のフローチャート中の燃料量を算出す
るルーチンを示すフローチャートである。
【図17】図15のフローチャート中の燃料噴射積算時
間を算出するルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10,30 燃料タンク 11,32 ベーパ通路 12,33 キャニスタ 13,37,39 パージ通路 14 吸気通路 15 燃料残量検出手段16 圧力検出手段 19 判定手段 20 制御手段 21 マイクロコンピュータ 36 キャニスタ大気孔バキューム・スイッチング.バ
ルブ(VSV) 38 ベーパ側バキューム・スイッチング・バルブ(V
SV) 40 圧力センサ 42,60 燃料量センサ 62 フューエルキャップスイッチ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクからの蒸発燃料をベーパ通路
    を通してキャニスタ内の吸着材に吸着させ、所定運転時
    に該キャニスタ内の吸着燃料をパージ通路を通して内燃
    機関の吸気通路へパージするエバポパージシステムの故
    障を診断する装置において、 前記燃料タンクの燃料残量を検出する燃料残量検出手段
    と、前記燃料タンクを含む所定空間を 前記吸気通路および大
    気から遮断する遮断手段と、前記所定空間の圧力を検出する 圧力検出手段と、前記所定空間の圧力変化に基づいて エバポパージシステ
    ムの故障の有無を判定する判定手段と、前記燃料残量が所定値である場合に前記判定手段による
    判定を許可する制御手段と、 を有することを特徴とするエバポパージシステムの故障
    診断装置。
  2. 【請求項2】 燃料タンクからの蒸発燃料をベーパ通路
    を通してキャニスタ内の吸着材に吸着させ、所定運転時
    に該キャニスタ内の吸着燃料をパージ通路を通して内燃
    機関の吸気通路へパージするエバポパージシステムの故
    障を診断する装置において、 前記燃料タンクの燃料残量を検出する燃料残量検出手段
    と、 前記燃料タンクを含む所定空間を前記吸気通路および大
    気から遮断する遮断手段と、 前記所定空間の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記所定空間に判定値を超える圧力変化が生じているか
    否かに基づいてエバポパージシステムの故障の有無を判
    定する判定手段と、 前記燃料残量に基づいて前記判定値を変更すると共に、
    前記燃料残量が所定値に満たない場合に前記判定手段に
    よる判定を禁止する制御手段と、 を有する ことを特徴とするエバポパージシステムの故障
    診断装置。
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