JP3501020B2 - 蒸発燃料パージシステムの故障診断装置 - Google Patents

蒸発燃料パージシステムの故障診断装置

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JP3501020B2
JP3501020B2 JP17742999A JP17742999A JP3501020B2 JP 3501020 B2 JP3501020 B2 JP 3501020B2 JP 17742999 A JP17742999 A JP 17742999A JP 17742999 A JP17742999 A JP 17742999A JP 3501020 B2 JP3501020 B2 JP 3501020B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • F02M25/0809Judging failure of purge control system
    • F02M25/0818Judging failure of purge control system having means for pressurising the evaporative emission space

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの内燃
機関に用いられる蒸発燃料パージシステムの故障診断装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンク内で蒸発した燃料が大気中へ
放出されるのを防止するため、蒸発燃料を一旦キャニス
タ内の吸着剤に吸着させ、車両の走行中に吸着した燃料
を吸気系にパージして燃焼させる蒸発燃料パージシステ
ムが知られている。このような蒸発燃料パージシステム
を備えた内燃機関においては、何らかの原因でその配管
に穴が空いたり配管が外れた場合には燃料が漏洩してキ
ャニスタや燃料タンクから大気中に放出されてしまう。
【0003】従って、このような蒸発燃料パージシステ
ムの漏洩発生の有無を自動的に診断することが必要とさ
れる。
【0004】このため従来では、蒸発燃料パージシステ
ムの内部と外部との間に差圧を設けた後、その内圧の挙
動を検出することで、漏洩故障を診断するシステムが提
案されている。例えば、蒸発燃料パージシステム内に内
燃機関の吸気系の負圧を導いた後、蒸発燃料パージシス
テム内を、導入・排出通路をバルブにて閉じることによ
り密閉し、その後の蒸発燃料パージシステムの内圧変化
を測定するものである。
【0005】しかし、このような蒸発燃料パージシステ
ムでは、漏洩故障ばかりでなく、前述した蒸発燃料パー
ジシステムに対する導入・排出通路に設けられたバルブ
の故障が生じることが考えられる。このようなバルブの
故障が生じると、パージが適切に行われなかったり、あ
るいはキャニスタの大気導入口から燃料が大気中へ放出
されたりするおそれがある。このようなバルブ故障は、
蒸発燃料パージシステムの内圧に与える影響が異なり、
上述した穴の検出のために行われる漏洩故障診断ではバ
ルブ故障診断を兼ねることはできない。
【0006】このため、バルブ故障については、この診
断だけのために内燃機関の吸気系から負圧を蒸発燃料パ
ージシステム内に導いて、同システムの内圧の挙動から
診断していた(特開平5−180101号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように、
漏洩故障診断とバルブ故障診断との2種の故障診断を行
ってしまうと、最低でも2回は吸気系による蒸発燃料パ
ージシステム内への負圧の導入、パージ停止及びパージ
許可が繰り返され、吸気系における空燃比に長期にわた
る変動を引き起こす。このためエミッションを長期に悪
化させるおそれがある。
【0008】本発明は、上述した独立した2つ故障診断
を行うことにより生じる長期の空燃比の乱れを抑制でき
る蒸発燃料パージシステムの故障診断装置の提供を目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段及びその作用効果について以下に記載する。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】請求項記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置は、燃料タンクと、キャニスタと、燃料タ
ンクの蒸発燃料をキャニスタに導入する蒸発燃料導入通
路と、燃料タンクの内圧に応じて前記蒸発燃料導入通路
の開閉状態を調節するタンク内圧制御バルブと、外部か
らキャニスタ内に空気を導入する大気導入通路と、前記
キャニスタの内圧に応じて前記大気導入通路の開閉状態
を調節する大気導入制御バルブと、前記キャニスタ内の
燃料を内燃機関の吸気系にパージするパージ通路と、内
燃機関の運転状態に応じて前記パージ通路の開閉状態を
調節するパージ制御バルブとを備えた蒸発燃料パージシ
ステムの故障診断装置であって、燃料タンクの内圧を検
出する圧力センサと、燃料タンクとキャニスタとを連絡
するバイパス通路と、該バイパス通路の開閉状態を調節
するバイパスバルブと、前記大気導入通路の開閉状態を
調節する圧力封鎖バルブと、前記パージ制御バルブと前
記バイパスバルブとを開状態とし前記圧力封鎖バルブを
閉状態として内燃機関の吸気系の負圧を蒸発燃料パージ
システム内に導入する差圧形成プロセス、該負圧が導入
された状態で前記パージ制御バルブを閉状態として前記
蒸発燃料パージシステム内を密閉する密閉プロセス、及
び前記圧力封鎖バルブを開状態として前記大気導入通路
から蒸発燃料パージシステム内に外部から空気を導入し
た後に前記バイパスバルブを閉状態とする差圧解消プロ
セスを実行するバルブコントロール手段と、該バルブコ
ントロール手段にて行われる密閉プロセスと差圧解消プ
ロセスとの間の期間において、前記圧力センサにて検出
される燃料タンクの内圧の挙動に基づいて漏洩を検出す
る漏洩故障検出手段と、前記バルブコントロール手段に
て行われる差圧形成プロセス、密閉プロセス及び差圧解
消プロセスの内の1つ以上のプロセスに対応して前記圧
力センサにて検出される燃料タンクの内圧の挙動に基づ
いて、該当するプロセスにおいて作動されるバルブの故
障を検出するバルブ故障検出手段とを備え、前記バルブ
故障検出手段は、前記差圧形成プロセスにおいて、前記
圧力センサにて検出される前記燃料タンクの内圧の変化
が、正常降下速度範囲外である場合に、前記バイパスバ
ルブ、前記圧力封鎖バルブ及び前記パージ制御バルブの
内のいずれか1つ以上で故障があると検出することを特
徴とする。
【0016】漏洩故障診断のためには、次の3つのプロ
セスが行われる。すなわち、蒸発燃料パージシステムの
内圧と外圧との間に差圧を設ける差圧形成プロセス、こ
の差圧が形成された状態で蒸発燃料パージシステム内を
密閉する密閉プロセス、及び前記差圧を解消する差圧解
消プロセスである。そして、バルブ故障診断は、このよ
うに漏洩故障診断のために行われる3つのプロセスを利
用して、この内の1つ以上のプロセスにおいて、蒸発燃
料パージシステムの内圧を測定することにより、この内
圧の挙動から該当するプロセスにおいて作動されるバル
ブの故障診断を行っている。従って、バルブ故障診断
は、漏洩診断を開始するための処理あるいは漏洩診断を
終了するための処理を利用することにより、1つの漏洩
診断を行う時間内で、漏洩診断自体とは実質的に重複す
ることなく実行することができる。このため、それぞれ
の診断を個々に蒸発燃料パージシステムの内圧の変化で
正確に検出できると共に、1つ分の診断時間で2種の診
断が完了することになる。このように2種の故障診断を
行っても、吸気系による蒸発燃料パージシステム内への
負圧の導入、パージ停止及びパージ許可は1回のみであ
り、時間も1つの診断を行う時間とほとんど変わりな
い。このため、吸気系における空燃比に対する影響を最
小限に止めることができ、2種の故障診断を行っても長
期にわたってエミッションを悪化させることがない。
り具体的構成として、本請求項に示すごとくの構成を
挙げることができる。すなわち、蒸発燃料パージシステ
ムにおいては、パージ通路、バイパス通路及び大気導入
通路が設けられている。この各通路には漏洩故障の診断
を行うために作動されるパージ制御バルブ、バイパスバ
ルブ及び圧力封鎖バルブが配設されている。
【0017】そして漏洩故障診断は、バルブコントロー
ル手段にて行われる密閉プロセスと差圧解消プロセスと
の間の期間において、漏洩故障検出手段が、圧力センサ
にて検出される燃料タンクの内圧の挙動に基づいて漏洩
を検出することにより行う。
【0018】また、バルブ故障診断は、バルブコントロ
ール手段にて行われる差圧形成プロセス、密閉プロセス
及び差圧解消プロセスの内の1つ以上のプロセスに対応
して、バルブ故障検出手段が、圧力センサにて検出され
る燃料タンクの内圧の挙動に基づいてバルブの故障を検
出する。
【0019】このことにより、上述した作用効果を生じ
させることができる。
【0020】さらに、請求項記載の蒸発燃料パージシ
ステムの故障診断装置、前記バルブ故障検出手段
は、前記差圧形成プロセスにおいて、前記圧力センサに
て検出される燃料タンクの内圧の変化が、正常降下速度
範囲外である場合に、前記バイパスバルブ、前記圧力封
鎖バルブ及び前記パージ制御バルブの内のいずれか1つ
以上で故障があると検出することを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、差圧形成プロセスにお
いて圧力センサにて検出される燃料タンクの内圧の降下
を判定することにより、3つのバルブの内の少なくとも
1つが故障であるかどうかを検出できる。
【0022】請求項記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置は、請求項1に記載の構成に対して、前記
バルブ故障検出手段は、前記密閉プロセスあるいは前記
密閉プロセス直後の期間において、前記圧力センサにて
検出される燃料タンクの内圧の変化が、正常変化範囲外
である場合に、前記パージ制御バルブが故障であると検
出することを特徴とする。
【0023】上記構成によれば、請求項に記載した発
明の作用効果に加えて、密閉プロセスあるいは密閉プロ
セス直後の期間において、圧力センサにて検出される燃
料タンクの内圧の変化を判定することにより、パージ制
御バルブの故障を検出することができる。請求項記載
の蒸発燃料パージシステムの故障診断装置は、請求項
または2に記載の構成に対して、前記バルブ故障検出手
段は、前記差圧解消プロセスにおいて前記圧力封鎖バル
ブを開状態として前記大気導入通路から蒸発燃料パージ
システム内に外部から空気を導入する際に、前記圧力セ
ンサにて検出される燃料タンクの内圧の変化が、正常加
速度範囲外である場合に、前記圧力封鎖バルブが故障で
あると検出することを特徴とする。
【0024】上記構成によれば、請求項1または2に記
載した発明の作用効果に加えて、差圧解消プロセスにお
いて圧力封鎖バルブを開状態として大気導入通路から蒸
発燃料パージシステム内に外部から空気を導入する際
に、圧力センサにて検出される燃料タンクの内圧上昇に
おける加速度を判定することにより、圧力封鎖バルブの
故障を検出することができる。
【0025】請求項記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成
に対して、前記バルブ故障検出手段は、前記差圧解消プ
ロセスにおいて前記バイパスバルブを閉状態とする際
に、前記圧力センサにて検出される燃料タンクの内圧の
変化が、正常減速度範囲外である場合に、前記バイパス
バルブが故障であると検出することを特徴とする。
【0026】上記構成によれば、請求項1〜3のいずれ
かに記載した発明の作用効果に加えて、差圧解消プロセ
スにおいてバイパスバルブを閉状態とする際に、圧力セ
ンサにて検出される燃料タンクの内圧上昇における減速
度を判定することにより、バイパスバルブの故障を検出
することができる。
【0027】請求項記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置は、請求項1または2に記載の構成に対し
て、前記蒸発燃料パージシステムは、前記キャニスタと
前記燃料タンクとを連通して前記キャニスタ内の蒸発燃
料を前記燃料タンク内に戻すバックパージ通路と、前記
燃料タンクの内圧が前記キャニスタの内圧よりも所定圧
以上低いときに開弁して前記キャニスタから前記バック
パージ通路を通じて前記燃料タンクに蒸発燃料が流れる
のを許容するバックパージバルブとを備えるものであ
り、前記バルブ故障検出手段は、前記差圧解消プロセス
において前記圧力封鎖バルブを開状態として前記大気導
入通路から蒸発燃料パージシステム内に外部から空気を
導入する際に、前記圧力センサにて検出される前記燃料
タンクの内圧の変化が、正常加速度範囲外である場合
に、前記圧力封鎖バルブが故障であると検出する第1の
故障診断と、同じく差圧解消プロセスにおいて前記バイ
パスバルブを閉状態とする際に、前記圧力センサにて検
出される前記燃料タンクの内圧の変化が、正常減速度範
囲外である場合に、前記バイパスバルブが故障であると
検出する第2の故障診断とを実行するものであることを
特徴とする。
【0028】上記構成によれば、請求項1または2に記
載した発明の作用効果に加えて、燃料タンクの内圧がキ
ャニスタの内圧よりも所定圧以上低いときにはバックパ
ージバルブが開弁し、キャニスタからバックパージ通路
を通じて燃料タンクに蒸発燃料が戻される(バックパー
ジされる)ため、燃料タンク内の圧力低下に伴う同タン
クの変形を抑制できるとともに、第1の故障診断及び第
2の故障診断を通じて圧力封鎖バルブ及びバイパスバル
ブの双方の故障を検出することができるようになる。
【0029】請求項記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置は、請求項記載の構成に対して、前記バ
ルブコントロール手段は、前記圧力封鎖バルブを開状態
としてから所定期間経過後に前記バイパスバルブを閉状
態とするものであって、前記所定期間を前記圧力センサ
にて検出される前記燃料タンクの内圧に基づいて設定す
るものであることを特徴とする。
【0030】第1の故障診断の際に、圧力封鎖バルブを
開状態とすると、大気導入通路を通じてキャニスタ内に
大気が導入されるため、その内圧は急激に上昇するよう
になる。また、燃料タンクはバイパス通路によってキャ
ニスタと連通されているため、燃料タンクの内圧もまた
上昇するようになる。この際、燃料タンクの内圧は、キ
ャニスタの内圧よりも遅れて上昇するため、燃料タンク
の内圧は一時的にキャニスタの内圧よりも低くなる。こ
のため、燃料タンクの内圧がキャニスタの内圧よりも所
定圧以上低くなり、バックパージバルブが開状態になっ
てバックパージが行われることがある。このようにバッ
クパージが行われているときに、バイパスバルブを閉状
態とさせて第2の故障診断を実行するようにすると、燃
料タンクの内圧がキャニスタの内圧の影響を受けて変動
するようになるため、第2の故障診断における診断精度
が低下してしまうことが懸念される。
【0031】この点、請求項に記載した発明では、圧
力封鎖バルブを開状態としてから所定期間経過後にバイ
パスバルブを閉状態とするようにしている。更に、圧力
封鎖バルブを開状態としてからの燃料タンクとキャニス
タとの内圧差が同燃料タンクの内圧に応じて変化するこ
とから、上記所定期間をこの燃料タンクの内圧に基づい
て設定するようにしている。
【0032】従って、バイパスバルブを閉状態として第
2の故障診断を行う時期を、燃料タンクとキャニスタと
の内圧差が減少して、バックパージが確実に行われなく
なる時期まで遅らせることができる。その結果、バック
パージによる悪影響を回避することができ、第2の故障
診断における精度を向上させることができるようにな
る。
【0033】請求項記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置は、請求項記載の構成に対して、前記バ
ルブコントロール手段は、前記バイパスバルブが閉状態
にあるときに前記圧力センサにて検出される前記燃料タ
ンクの内圧の変動が許容範囲内にあることを実行条件
に、前記差圧形成プロセス、前記密閉プロセス、及び前
記差圧解消プロセスを実行するものであり、前記バイパ
スバルブが閉駆動されているときの前記キャニスタの内
圧変動を前記パージ通路を通過する蒸発燃料の量に基づ
いて推定するとともに、該キャニスタの内圧変動と前記
燃料タンクの内圧変動との相関の有無に基づいて前記バ
イパスバルブが開故障していることを推定し、前記バイ
パスバルブが開故障していると推定されるときには、前
記実行条件が成立しないときでも前記各プロセスを前記
バルブコントロール手段により強制的に実行させる強制
実行手段を更に備えることを特徴とする。
【0034】燃料タンクの内圧の変動が許容範囲内にあ
ることを実行条件として上記差圧形成プロセス、密閉プ
ロセス、及び差圧解消プロセスをそれぞれ実行するよう
にすると、バイパスバルブが開故障している場合には、
バイパスバルブの故障診断を実行することができなくな
ることがある。
【0035】即ち、バイパスバルブが開故障すると、バ
イパス通路を介してキャニスタと燃料タンクとが常に連
通された状態となるため、パージ通路を通じてキャニス
タからパージされる燃料蒸気の量(パージ流量)に応じ
てキャニスタの内圧が変動し、その変動に伴って燃料タ
ンクの内圧も変動するようになる。このように燃料タン
クの内圧がパージ流量に応じて変動し、その変動が許容
範囲内から外れると、上記実行条件が成立しなくなる。
その結果、上記差圧形成プロセス、密閉プロセス、及び
差圧解消プロセスが実行されず、従ってバイパスバルブ
の故障診断も行われないようになる。
【0036】この点、請求項に記載した発明では、バ
イパスバルブが閉駆動されているときのキャニスタの内
圧変動と燃料タンクの内圧変動との相関の有無に基づい
てバイパスバルブが開故障していることを推定するよう
にしている。バイパスバルブが閉駆動されることにより
同バルブが実際に閉状態となっていれば、キャニスタと
燃料タンクとは連通されていないため、キャニスタの内
圧変動と燃料タンクの内圧変動との相関は無くなる。こ
れに対して、バイパスバルブを閉駆動しているのにも関
わらず同バルブが開状態となっていれば、キャニスタと
燃料タンクとが連通された状態となるため、キャニスタ
の内圧変動と燃料タンクの内圧変動とは相関を有するよ
うになる。従って、この相関の有無に基づいてバイパス
バルブが開故障していることを推定することができる。
【0037】そして、バイパスバルブが開故障している
と推定されるときには、上記実行条件が成立しないとき
でも各プロセスを強制的に実行させることで、仮にバイ
パスバルブが開故障している場合であっても、前記差圧
解消プロセスにおいてバイパスバルブの故障が診断され
るようになる。従って、上記構成によれば、バイパスバ
ルブの故障をより早期に診断することができるようにな
る。
【0038】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、実施の
形態1としての蒸発燃料パージシステム全体を表す概略
説明図である。本蒸発燃料パージシステムは自動車に搭
載されているガソリンエンジンに対して取り付けられて
いる。
【0039】ガソリンエンジンの燃料タンク1には、そ
の内部で発生する燃料蒸気をキャニスタ2に導入する蒸
発燃料導入通路3の一端がフロート3aを介して開口し
接続されている。この蒸発燃料導入通路3の他端はキャ
ニスタ2上部に設けられたタンク内圧制御バルブ4を介
して、キャニスタ2と接続されている。このタンク内圧
制御バルブ4は燃料タンク1の内圧が規定値以上になる
と開弁するようなっている。
【0040】また、燃料タンク1には給油時に開弁する
差圧バルブ5が設けられている。この差圧バルブ5はブ
リーザ通路7によりキャニスタ2と接続されている。従
って、給油時に差圧バルブ5が開弁すると、燃料タンク
1内の燃料蒸気はブリーザ通路7を通じてキャニスタ2
内に導入される。
【0041】キャニスタ2の内部はパージ通路8によっ
てエンジン吸気通路9の一部をなすサージタンク9aと
連通されている。このパージ通路8には、パージ制御バ
ルブ11が設けられている。パージ制御バルブ11はマ
イクロコンピュータとして構成されているECU(電子
制御ユニット)10からの制御信号に基づいて駆動回路
11aにより開閉駆動されている。
【0042】例えば、パージ制御バルブ11は、パージ
制御において、パージによりキャニスタ2側からエンジ
ン吸気通路9へ供給される燃料量(パージ流量)を調整
し、故障診断制御ではパージ通路8を遮断・開放を行
う。このパージ制御バルブ11としては例えばバキュー
ムスイッチングバルブ(VSV)等が用いられる。
【0043】キャニスタ2の内部は仕切板15によって
2つの室に区画され、タンク内圧制御バルブ4が設けら
れる主室16と、大気側制御バルブ14が設けられて内
容積が前記主室16より小さい副室17とがそれぞれ形
成されている。また、主室16及び副室17の各一方端
にはそれぞれ空気層18a,18bが形成され、これら
空気層18a,18bに隣接して活性炭吸着材19a,
19bが充填された吸着材層20a,20bがそれぞれ
形成されている。
【0044】吸着材層20a,20bの上記空気層18
a,18bと隣り合う一方端及び他方端にはフィルタ2
0c,20dが設けられており、活性炭吸着材19a,
19bは両フィルタ20c,20dの間に充填されてい
る。また、フィルタ20dが隣接する空間は拡散室21
とされ、この拡散室21により主室16と副室17とは
連通されている。
【0045】主室16が位置する側のキャニスタ2の端
面には、燃料タンク1内において発生した燃料蒸気をキ
ャニスタ2内部に導入するベーパ導入ポート22が形成
されている。また、ベーパ導入ポート22近傍には、燃
料タンク1内が負圧になった際に通気を行うためのチェ
ックボール式のベーパリリーフバルブ23が設けられて
いる。
【0046】ベーパ導入ポート22を覆うようにキャニ
スタ2の同一端面には前記タンク内圧制御バルブ4が配
設されている。タンク内圧制御バルブ4にはダイヤフラ
ム4aが備えられており、このダイヤフラム4aによっ
てベーパ導入ポート22の先端開口部が閉塞可能とされ
ている。また、タンク内圧制御バルブ4の内部はダイヤ
フラム4aによって2つの圧力室に区画されており、ダ
イヤフラム4aの一方側には背圧室4bが形成され、他
方側には正圧室4cが形成されている。また背圧室4b
の側面には、その内部を大気圧に維持する大気開放ポー
ト24が設けられている。更に正圧室4c内部は蒸発燃
料導入通路3を介して燃料タンク1の内部と連通されて
いる。
【0047】なお、ダイヤフラム4aは背圧室4bに設
けられたスプリング4dの付勢力によりベーパ導入ポー
ト22の先端開口部側に押圧されているため、燃料タン
ク1の内圧が規定圧以上になるまでタンク内圧制御バル
ブ4は閉弁状態に保持される。
【0048】また、同じく主室16が位置する側のキャ
ニスタ2の端面にはブリーザ通路7の一端が接続されて
いる。ブリーザ通路7の開口位置近傍には前記パージ通
路8が同様に主室16に接続されている。
【0049】更に、副室17が位置する側のキャニスタ
2の端面には、通気ポート25が形成されている。この
通気ポート25を覆うように大気側制御バルブ14が設
けられている。大気側制御バルブ14は、大気開放制御
バルブ12と大気導入制御バルブ13とが対向して配設
されることで形成されている。
【0050】大気開放制御バルブ12に備えられたダイ
ヤフラム12aの一方側には大気圧室12bが形成さ
れ、大気導入制御バルブ13に備えられたダイヤフラム
13aの一方側には負圧室13bが形成されている。こ
れら2つのダイヤフラム12a,13aによって挟まれ
た空間は、隔壁28により2つの圧力室に区画されてい
る。そして、両圧力室の一方は大気開放制御バルブ12
の正圧室12dとされ、他方は大気導入制御バルブ13
の大気圧室13dとされている。
【0051】前記隔壁28の一部には圧力ポート28a
が形成されるとともに、その先端開口部はダイヤフラム
13aによって閉塞可能とされている。大気圧室13d
には大気導入通路27が連通している。そして、ダイヤ
フラム13aは負圧室13bに配設されたスプリング1
3cの付勢力によって圧力ポート28aの先端開口部側
に押圧されているため、大気導入制御バルブ13は閉弁
状態となっている。また、負圧室13bの側部には、そ
の内部とキャニスタ2の主室16内部とを連通する圧力
通路30が接続され、負圧室13b内にはパージ通路8
に発生する圧力が導入されている。
【0052】従って、エンジン駆動時にサージタンク9
a内に生じる負圧によりキャニスタ2内の吸着燃料がエ
ンジン吸気通路9側にパージ(放出)される際には、圧
力通路30を介して負圧室13bに作用する吸気圧と大
気圧室13d側の大気圧との圧力差が規定圧差に達した
時に大気導入制御バルブ13が開弁する。このことによ
り、外気を圧力ポート28a及び通気ポート25を介し
て副室17側からキャニスタ2内に導入できる。この外
気の導入により、主室16及び副室17内の活性炭吸着
材19a,19bに吸着されている燃料蒸気がパージ通
路8側へ流れて、サージタンク9a内を流れる吸入空気
中にパージされる。
【0053】なお、大気導入通路27には圧力封鎖バル
ブ27aが配設されている。この圧力封鎖バルブ27a
は通常は開かれているが、ECU10により後述のごと
く故障診断時に開閉制御される。圧力封鎖バルブ27a
としては例えばVSV等が用いられる。
【0054】また、大気側制御バルブ14の一方端部に
は大気開放制御バルブ12の大気圧室12bに通じる大
気開放ポート29が形成され、大気圧室12b内部は常
時大気圧とされている。大気側制御バルブ14にはキャ
ニスタ2内で燃料成分が捕集された後の気体を外部に導
出する大気開放通路26が設けられている。ORVR
(Onboard Refueling Vapor Recovery)処理時において
は大量の空気(燃料成分が捕集された気体)が大気開放
通路26を通じて外部に放出されるため、大気開放通路
26はブリーザ通路7とほぼ等しい通路断面積を有して
いる。大気開放通路26の先端開口部は大気開放制御バ
ルブ12のダイヤフラム12aによって閉塞可能とされ
ている。そして、ダイヤフラム12aは、大気圧室12
bに配設されたスプリング12cの付勢力により大気開
放通路26の開口部側に押圧されている。このため、大
気開放制御バルブ12はキャニスタ2の内圧が規定圧以
上になるまで閉弁状態に保持される。
【0055】給油時にブリーザ通路7からキャニスタ2
内に圧力がかかると、大気開放制御バルブ12の正圧室
12dの圧力が高まる。そして、この正圧室12d内の
圧力と大気開放ポート29から大気圧室12bに導入さ
れる大気圧との差圧が、規定圧差に達した時に大気開放
制御バルブ12が開弁する。このことにより、主室16
と副室17とを経て燃料蒸気が吸着されて除かれた気体
が通気ポート25及び大気開放通路26を介して外部に
排出される。
【0056】他方、燃料タンク1の上部には嵌挿孔31
が形成され、この嵌挿孔31にはブリーザ通路7の一部
をなす筒状のブリーザ管32が挿入され固定されてい
る。ブリーザ管32の下部にはフロートバルブ33が形
成されている。また、燃料タンク1の上部にはブリーザ
管32の上端開口部32aを覆うように差圧バルブ5が
配設されている。差圧バルブ5内部はダイヤフラム5a
によって上下に区画され、ダイヤフラム5aの上側には
第1圧力室5bが、下側には第2圧力室5cがそれぞれ
形成されている。ダイヤフラム5aは第1圧力室5bに
配設されたスプリング5dの付勢力により、ブリーザ管
32の上端開口部32a側に押圧されている。このよう
にダイヤフラム5aによってブリーザ管32の上端開口
部32aは閉塞可能とされている。
【0057】差圧バルブ5の第1圧力室5bは、圧力通
路34によって燃料タンク1に設けられた燃料注入管3
6の上部側と連通されている。この燃料注入管36の下
部側先端部には絞り36aが形成されている。給油され
た燃料がこの絞り36aを通過すると、燃料注入管36
内部の燃料蒸気の流れ方向は給油口36bから燃料タン
ク1側に流れる方向に規制される。従って、給油口36
bから燃料蒸気が外部に漏出することを防止できる。な
お、燃料タンク1の上部と燃料注入管36の上部とを連
通させる循環ライン管41が設けられており、給油時に
おいて燃料タンク1内の燃料蒸気を燃料注入管36との
間で循環させて円滑な注油を可能としている。
【0058】また、燃料タンク1の上部には燃料タンク
1内の圧力を検出するための圧力センサ1aが設けられ
ている。圧力センサ1aによる検出信号はパージ制御や
故障診断制御を行っているECU10に出力されてい
る。なお、ECU10へは吸気通路9に設けられたエア
フロメータ9c等の各種センサからの信号も出力されて
いる。
【0059】更に、タンク内圧制御バルブ4内の正圧室
4cからキャニスタ2の副室17へは、バイパス通路5
0が形成されている。このことにより、バイパス通路5
0は、タンク内圧制御バルブ4内の正圧室4c及び蒸発
燃料導入通路3を介して燃料タンク1とキャニスタ2と
を連絡している。このバイパス通路50には、バイパス
バルブ52が配置されている。このバイパスバルブ52
は通常時には閉じられているが、故障診断時にECU1
0により後述するごとく制御されて、バイパス通路50
の開閉状態を調節している。このバイパスバルブ52と
しては例えばVSV等が用いられる。
【0060】上記構成を備える蒸発燃料パージシステム
は以下のように機能する。
【0061】燃料タンク1内において燃料が蒸発し、燃
料タンク1の内圧が規定圧力値以上に増加すると、タン
ク内圧制御バルブ4が開弁し、蒸発燃料導入通路3内に
は燃料タンク1からキャニスタ2に向かう燃料蒸気の流
れが形成される。このため、燃料タンク1の燃料蒸気は
タンク内圧制御バルブ4を介してキャニスタ2側に導入
される。この場合、差圧バルブ5の第1圧力室5bと第
2圧力室5cの内圧は等しいため、差圧バルブ5は閉弁
状態に保持されブリーザ通路7は閉鎖されている。
【0062】蒸発燃料導入通路3を介してキャニスタ2
内部に到達した燃料蒸気は、まず、主室16側の吸着材
層20aに充填された活性炭吸着材19aによって燃料
成分が捕集される。続いて、燃料蒸気は吸着材層20a
を抜けて拡散室21に達する。さらに、燃料蒸気は拡散
室21を通過して副室17に導入され、副室17側の吸
着材層20bにおいて、主室16側の吸着材層20aで
捕集しきれなかった燃料成分が捕集される。このように
燃料蒸気はキャニスタ2内部をU字状の移動経路に沿っ
て流れるため、吸着材層20a,20bの活性炭吸着材
19a,19bに接触する時間が長くなり燃料成分が効
果的に捕集される。
【0063】そして、燃料成分の大部分が吸着材層20
a,20bの活性炭吸着材19a,19bによって捕集
された気体は大気開放制御バルブ12を開弁するととも
に、大気開放通路26を通じて外部に放出される。この
時、大気導入制御バルブ13の負圧室13bの内圧は大
気圧室13dの内圧より大きい正圧となっているため、
大気導入制御バルブ13は開弁しない。従って、大気導
入制御バルブ13を介して、大気導入通路27から燃料
蒸気が外部に漏出することはない。
【0064】一方、長時間の駐車等により、燃料タンク
1が冷却され、燃料タンク1内の燃料蒸気の発生が止ま
り、燃料タンク1の内圧が相対的にキャニスタ2の内圧
より所定圧以上低くなった場合には、タンク内圧制御バ
ルブ4の正圧室4cの圧力は負圧となる。従って、ベー
パリリーフバルブ(バックパージバルブ)23のチェッ
クボールが上方に移動し、ベーパリリーフバルブ23が
開放される。このため、キャニスタ2内の燃料蒸気は蒸
発燃料導入通路3を通じて燃料タンク1に戻される(バ
ックパージされる)。即ち、この蒸発燃料導入通路3
は、キャニスタ2内の燃料蒸気を燃料タンク1に戻すた
めのバックパージ通路を兼ねている。こうしたバックパ
ージが行われることにより、燃料タンク1内の圧力低下
に起因した同タンク1の変形が防止されるようになる。
【0065】また一方、キャニスタ2内に捕集された燃
料成分は以下のようにしてエンジン吸気通路9にパージ
される。エンジンが始動されるとパージ通路8のサージ
タンク9a側開口部近傍は負圧に転じる。そして、EC
U10の制御信号によりパージ制御バルブ11が開放駆
動されると、パージ通路8内部にはキャニスタ2側から
サージタンク9a側へ向かう燃料蒸気の流れが形成され
る。
【0066】従って、キャニスタ2の内圧は負圧とな
り、大気導入制御バルブ13が開弁するとともに、大気
導入通路27を通してキャニスタ2内部に副室17側か
ら空気が導入される。そして、活性炭吸着材19a,1
9bに吸着されている燃料成分は離脱し、その空気に吸
収される。
【0067】このようにして導入された空気により燃料
蒸気はパージ通路8内に導かれ、パージ制御バルブ11
を介してサージタンク9a内に放出される。サージタン
ク9a内において、燃料蒸気はエアクリーナ9b、エア
フロメータ9c及びスロットルバルブ9dを通過した吸
入空気と混合され、シリンダ(図示略)内に供給され
る。そして、吸入空気と混合された燃料蒸気は、燃料タ
ンク1内の燃料ポンプ38を介し燃料噴射バルブ40か
ら吐出された燃料とともに、シリンダ内において燃焼さ
れる。
【0068】次に、ECU10が実行する蒸発燃料パー
ジシステムに対する故障診断処理について説明する。図
2〜図8に故障診断処理のフローチャートを示す。また
処理の一例を図9のタイミングチャートに示す。なおフ
ローチャート中の個々の処理ステップを「S〜」で表
す。
【0069】本診断処理はECU10の電源オン後に必
要な初期設定が行われ、その後、故障診断処理実行条件
が成立すると実行される。この故障診断処理実行条件
は、故障診断のために蒸発燃料パージシステム内に吸気
負圧を導入してもよい状態になったことを判断するため
のものである。例えば、圧力センサ1aその他のセンサ
に異常が無く、エンジンが安定した運転を開始してか
ら、ある程度の時間が経過した場合に故障診断処理実行
条件は成立する。
【0070】前述したごとくの故障診断処理実行条件が
成立して、故障診断処理が開始されると、まずパージ制
御バルブ11を開状態、バイパスバルブ52を開状態及
び圧力封鎖バルブ27aを閉状態とする(S110)。
圧力封鎖バルブ27aが閉状態であるので蒸発燃料パー
ジシステム内は外気が入らない状態となる。そして、パ
ージ制御バルブ11は開状態であるのでキャニスタ2に
はパージ通路8からサージタンク9a内の負圧が導入さ
れる。また、燃料タンク1内には、バイパスバルブ52
が開状態であるので、キャニスタ2、バイパス通路5
0、タンク内圧制御バルブ4の正圧室4c及び蒸発燃料
導入通路3を介して負圧が導入される。
【0071】従って、図9に示すごとく、時刻t0にて
蒸発燃料パージシステムに負圧が導入された後、圧力セ
ンサ1aにて検出される燃料タンク1の内圧は急速に下
降する。
【0072】次に、予め規定した時間後(図9:時刻t
1)に圧力センサ1aにより検出されている燃料タンク
内圧が、ECU10内のRAMメモリ領域に設定されて
いる変数P0に読み込まれる(S120)。そして、ス
テップS120での圧力センサ1aの検出値読み込みか
ら時間Taが経過したか否かが判定される(S13
0)。経過していなければ(S130で「NO」)、再
度ステップS130の判定が繰り返される。すなわち、
時間Taの時間待ちが行われる。
【0073】時間Taが経過すると(S130で「YE
S」:時刻t2)、この時に圧力センサ1aにより検出
されている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメ
モリ領域に設定されている変数P1に読み込まれる(S
140)。そして、時間Taにおける燃料タンク内圧の
変化「P0−P1」が圧力下降判定値C1より小さいか
否かが判定される(S150)。この圧力下降判定値C
1は、蒸発燃料パージシステムが外部と十分に密閉され
て、かつパージ通路8からの負圧がキャニスタ2及び燃
料タンク1に十分な速度で供給されている状態を判定す
るための値である。従って、時間Ta内に十分に負圧が
燃料タンク1まで至っていなければ、すなわち正常降下
速度範囲外であればP0−P1<C1となる。
【0074】このように燃料タンク内圧に十分な下降速
度が生じない状態としては次のような(1)〜(4)の
いずれか、あるいはこれらの組み合わされた状態が考え
られる。
【0075】(1)ECU10がパージ制御バルブ11
を開制御したにも関わらずパージ制御バルブ11が開と
なっていないため、負圧が燃料タンク1まで供給されな
い状態。
【0076】(2)ECU10が圧力封鎖バルブ27a
を閉制御したにも関わらず圧力封鎖バルブ27aが閉と
なっていないため、大気導入通路27と大気導入制御バ
ルブ13とを介してキャニスタ2内に外部の空気が流入
し、燃料タンク内圧の下降速度が十分でない状態。
【0077】(3)ECU10がバイパスバルブ52を
開制御したにも関わらずバイパスバルブ52が開となっ
ていないため、キャニスタ2までは負圧が十分に供給さ
れても、バイパス通路50を介して燃料タンク1へ負圧
が供給されない状態。
【0078】(4)蒸発燃料パージシステムに比較的大
きな穴が存在し、その穴から空気が大量に侵入するた
め、燃料タンク内圧の下降速度が十分でない状態。
【0079】従って、P0−P1<C1であれば(S1
50で「YES」)、パージ制御バルブ11、圧力封鎖
バルブ27a及びバイパスバルブ52の内の1つ以上の
バルブが故障あるいは比較的大きな穴による漏洩故障が
存在するとの診断を下す(S160)。具体的には、こ
こではパージ制御バルブ11、圧力封鎖バルブ27a及
びバイパスバルブ52に対して、ECU10のRAM内
にそれぞれ設定されている故障フラグをオンし、更に漏
洩故障を示す故障フラグもオンする。 次にこのように
設定された故障フラグに従って、図8に示すごとく、車
両計器盤の該当する警告ランプを点灯し(S540)、
退避処理を行って(S550)、故障診断処理を終了す
る。この退避処理により、蒸発燃料パージシステム内へ
の負圧の導入は速やかに中止されるとともに、それ以後
の負圧の導入も禁止されるようになる。
【0080】ステップS150にて、P0−P1≧C1
であれば(S150で「NO」)、図3に示すごとく、
次にECU10はパージ制御バルブ11を閉制御し全閉
とする(S170)。このことにより、パージ通路8か
らの負圧の供給はなくなるとともに、蒸発燃料パージシ
ステム内は完全に密閉される。従って、燃料タンク内圧
の下降は停止すると共に、以後、燃料の蒸気圧に起因し
て燃料タンク内圧は徐々に上昇し始める(時刻t2以
降)。そして、ステップS170でのパージ制御バルブ
11の全閉制御から時間Tbが経過したか否かが判定さ
れる(S180)。経過していなければ(S180で
「NO」)、再度ステップS180の判定が繰り返され
る。すなわち、時間Tbの時間待ちが行われる。
【0081】時間Tbが経過すると(S180で「YE
S」:時刻t3)、この時に圧力センサ1aにより検出
されている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメ
モリ領域に設定されている変数P2に読み込まれる(S
190)。そして、時間Tbにおける燃料タンク内圧の
変化「P2−P1」が圧力変動判定値C2より小さいか
否かが判定される(S200)。この圧力変動判定値C
2は、蒸発燃料パージシステムが完全に密閉されること
で、これ以上の圧力の下降が無くなり蒸気圧による上昇
が徐々に生じている状態を判定するための値である。
【0082】もしパージ制御バルブ11がステップS1
70の処理にて全閉となっていなければ、P2−P1<
C2となる(S200で「YES」)。すなわち燃料タ
ンク内圧は正常変化範囲外となる。従って、パージ制御
バルブ11が開いたままである開故障であるとの診断を
下す(S210)。
【0083】具体的には、ここではパージ制御バルブ1
1に対する故障フラグをオンする。そして、このように
設定された故障フラグに従って、前述したごとく車両計
器盤の該当する警告ランプを点灯し(S540)、退避
処理を行って(S550)、故障診断処理を終了する。
【0084】ステップS200にて、P2−P1≧C2
であれば(S200で「NO」)、ここでパージ制御バ
ルブ11に故障はなく正常であるとの診断を下す(S2
20)。具体的には、例えば、パージ制御バルブ11に
対する診断処理が正常終了したことを表す正常フラグを
オンする。
【0085】次に図4に示すごとく、圧力センサ1aに
より検出されている燃料タンク内圧が、ECU10内の
RAMメモリ領域に設定されている変数P3に読み込ま
れる(S234)。そして、ステップS234の処理か
ら時間Tcが経過したか否かが判定される(S24
0)。経過していなければ(S240で「NO」)、再
度ステップS240の判定が繰り返される。すなわち、
時間Tcの時間待ちが行われる。
【0086】時間Tcが経過すると(S240で「YE
S」:時刻t4)、この時に圧力センサ1aにより検出
されている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメ
モリ領域に設定されている変数P4に読み込まれる(S
250)。そして、時間Tcにおける燃料タンク内圧の
変化「P4−P3」が圧力上昇判定値C3より大きいか
否かが判定される(S260)。この圧力上昇判定値C
3は、蒸発燃料パージシステムが完全に密閉されること
で、比較的長い時間Tcの間に蒸気圧のみによる燃料タ
ンク内圧の上昇状態を判定するための値である。もしス
テップS120〜S150の診断処理にては発見できな
かった比較的微小な穴が蒸発燃料パージシステムに存在
すれば、圧力変化は圧力上昇判定値C3を越えてしまう
ように設定されている。
【0087】もし微小な穴が存在すれば、燃料タンク内
圧の上昇速度は速くなりP4−P3>C3となる(S2
60で「YES」)。従って、穴故障有りとの診断を下
す(S270)。具体的には、ここでは穴故障フラグを
オンする。そして、このように設定された故障フラグに
従って、車両計器盤の該当する警告ランプを点灯する
(S274)。
【0088】微小な穴が存在しなければ、P4−P3≦
C3となる(S260で「NO」)。従って、穴故障無
しとの診断を下す(S280)。具体的には、ここでは
穴故障診断の正常終了を示す正常フラグをオンする。
【0089】ステップS274あるいはステップS28
0の次に、図5に示すごとくECU10は圧力封鎖バル
ブ27aの開制御を行う(S290)。このことによ
り、大気導入通路27からキャニスタ2へ外部の空気を
導入する。そして、この時に圧力センサ1aにより検出
されている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメ
モリ領域に設定されている変数Ppに読み込まれる(S
300:時刻t5)。
【0090】そして、ステップS300の処理から微小
時間ΔTが経過したか否かが判定される(S310)。
経過していなければ(S310で「NO」)、再度ステ
ップS310の判定が繰り返される。すなわち、微小時
間ΔTの時間待ちが行われる。
【0091】微小時間ΔTが経過すると(S310で
「YES」)、この時に圧力センサ1aにより検出され
ている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメモリ
領域に設定されている変数Prに読み込まれる(S32
0)。次に、微小時間ΔTにおける燃料タンク内圧変化
ΔPaが次式1のごとく算出され、ECU10のRAM
に記憶される(S330)。
【0092】
【数1】 ΔPa ← Pr − Pp … [式1] そして、ステップS320の処理から微小時間ΔTが経
過したか否かが判定される(S332)。経過していな
ければ(S332で「NO」)、再度ステップS332
の判定が繰り返される。すなわち、微小時間ΔTの時間
待ちが行われる。
【0093】微小時間ΔTが経過すると(S332で
「YES」)、この時に圧力センサ1aにより検出され
ている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメモリ
領域に設定されている変数Psに読み込まれる(S33
4)。次に、今回の微小時間ΔTにおける燃料タンク内
圧変化ΔPbが次式2のごとく算出され、ECU10の
RAMに記憶される(S336)。
【0094】
【数2】 ΔPb ← Ps − Pr … [式2] そして、次式3に示すごとく、2階差分値ΔΔP(i)
が求められ、ECU10のRAMに記憶される(S33
8)。
【0095】
【数3】 ΔΔP(i) ← ΔPb − ΔPa … [式3] ここで、値iは式3にて2階差分値ΔΔP(i)を求め
る毎に、0からインクリメントされる値を示している。
【0096】次に図6に示すごとく、式3による2階差
分値ΔΔP(i)を求める処理がn回完了したか否かを
判定する(S340)。もしn回完了していなければ
(S340で「NO」)、次に、ΔPaの内容にΔPb
の内容をコピーし(S342)、Prの内容にPsをコ
ピーする(S344)。こうして、ステップS332に
戻り、ステップS334にて燃料タンク内圧が読み込ま
れてからの微小時間ΔTの時間待ちを行う(S33
2)。
【0097】以後、ステップS338がn回完了するま
で、ステップS332〜S344の処理を繰り返す。
【0098】こうして、ステップS338の処理がn回
実行されると(S340で「YES」)、次に、こうし
て求められたΔΔP(0),ΔΔP(1),〜,ΔΔP
(n−1)の2階差分データのパターンを調査する(S
370)。ここでは2階差分データのパターンが、プラ
ス側において凸形になっているかそれ以外のパターンか
を判定する。例えば、ΔΔP(0)からΔΔP(x)ま
では次第に値がプラス側にて上昇し、次にΔΔP(x)
からΔΔP(n−1)までは下降しているパターンが明
確であれば、プラス側において凸形になっているパター
ンである。
【0099】すなわち、ステップS290にてECU1
0により開制御された圧力封鎖バルブ27aが正常に開
状態となっていれば、大気導入通路27、大気導入制御
バルブ13、キャニスタ2、バイパス通路50及び蒸発
燃料導入通路3を介して燃料タンク1内に大気圧が導入
される。このことから、それまで燃料の蒸気圧のみによ
り比較的低い上昇速度であった燃料タンク内圧の上昇速
度は高くなる(図9:時刻t5以降)。従って、図10
のタイミングチャートの前半に示すごとく、n=8とす
るとΔΔP(0),ΔΔP(1),〜,ΔΔP(7)の
値が示すパターンはプラス側において明確な凸形とな
る。
【0100】圧力封鎖バルブ27aが故障して、ステッ
プS290にてECU10による開制御にも関わらず圧
力封鎖バルブ27aが開状態にならなかった場合には、
図9の時刻t5以降に一点鎖線にて示すごとく、燃料タ
ンク内圧の上昇速度は急に高くならない。このため、図
10の前半に示したごとくのプラス側での明確な凸形は
生じない。
【0101】従って、ステップS370でのパターン調
査にてプラス側において凸形であったか否かが判定され
る(S380)。もし、プラス側において凸形でなけれ
ば(S380で「NO」)、すなわち燃料タンク内圧の
変化が正常加速度範囲外であれば、圧力封鎖バルブ27
aが故障であるとの診断を下す(S390)。具体的に
は、ここでは圧力封鎖バルブ27aに対する故障フラグ
をオンする。
【0102】なお、ステップS380で「NO」と判定
される場合は、閉じたままである閉故障ばかりでなく開
いたままの開故障の場合もある。これはステップS15
0の処理にては検出されなかった圧力封鎖バルブ27a
の開故障がステップS380の処理において検出される
場合があるからである。
【0103】そして、このように設定された故障フラグ
に従って、前述したごとく車両計器盤の該当する警告ラ
ンプを点灯し(S540)、退避処理を行って(S55
0)、故障診断処理を終了する。
【0104】プラス側において凸形であれば(S380
で「YES」)、圧力封鎖バルブ27aに故障はなく正
常であるとの診断を下す(S400)。具体的には、例
えば、圧力封鎖バルブ27aに対する診断処理が正常終
了したことを表す正常フラグをオンする。
【0105】次に図7に示すごとく、ECU10はバイ
パスバルブ52の閉制御を行う(S410)。このこと
により、バイパス通路50を閉鎖して、大気導入通路2
7、大気導入制御バルブ13、キャニスタ2、バイパス
通路50及び蒸発燃料導入通路3を介する燃料タンク1
内への大気圧導入を停止する。そして、以下、前述した
ステップS300〜S400と類似の処理を行う。
【0106】すなわち、まずステップS410でのバイ
パスバルブ52の閉制御の後、圧力センサ1aにより検
出されている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAM
メモリ領域に設定されている変数Peに読み込まれる
(S420:時刻t6)。そして、ステップS420の
処理から微小時間ΔTが経過したか否かが判定される
(S430)。経過していなければ(S430で「N
O」)、再度ステップS430の判定が繰り返される。
すなわち、微小時間ΔTの時間待ちが行われる。
【0107】微小時間ΔTが経過すると(S430で
「YES」)、この時に圧力センサ1aにより検出され
ている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメモリ
領域に設定されている変数Pfに読み込まれる(S44
0)。次に、微小時間ΔTにおける燃料タンク内圧変化
ΔPcが次式4のごとく算出され、ECU10のRAM
に記憶される(S450)。
【0108】
【数4】 ΔPc ← Pf − Pe … [式4] そして、ステップS440の処理から微小時間ΔTが経
過したか否かが判定される(S452)。経過していな
ければ(S452で「NO」)、再度ステップS452
の判定が繰り返される。すなわち、微小時間ΔTの時間
待ちが行われる。
【0109】微小時間ΔTが経過すると(S452で
「YES」)、この時に圧力センサ1aにより検出され
ている燃料タンク内圧が、ECU10内のRAMメモリ
領域に設定されている変数Pgに読み込まれる(S45
4)。次に、今回の時間ΔTにおける燃料タンク内圧変
化ΔPdが次式5のごとく算出され、ECU10のRA
Mに記憶される(S456)。
【0110】
【数5】 ΔPd ← Pg − Pf … [式5] そして、次式6に示すごとく、2階差分値ΔΔP(j)
を求め、ECU10のRAMに記憶される(S45
8)。
【0111】
【数6】 ΔΔP(j) ← ΔPd − ΔPc … [式6] ここで、値jは式6にて2階差分値ΔΔP(j)を求め
る毎に、0からインクリメントされる値を示している。
【0112】次に図8に示すごとく、式6による2階差
分値ΔΔP(j)を求める処理がm回完了したか否かを
判定する(S460)。もしm回完了していなければ
(S460で「NO」)、次に、ΔPcの内容にΔPd
の内容をコピーし(S462)、Pfの内容にPgをコ
ピーする(S464)。こうして、ステップS452に
戻り、ステップS454にて燃料タンク内圧が読み込ま
れてからの微小時間ΔTの時間待ちを行う(S45
2)。
【0113】以後、ステップS458がm回完了するま
で、ステップS452〜S464の処理を繰り返す。
【0114】こうして、ステップS458の処理がm回
実行されると(S460で「YES」)、次に、こうし
て求められたΔΔP(0),ΔΔP(1),〜,ΔΔP
(m−1)の2階差分データのパターンを調査する(S
490)。ここでは2階差分データのパターンが、マイ
ナス側において凹形になっているかそれ以外のパターン
かを判定する。例えば、ΔΔP(0)からΔΔP(y)
までは次第に値がマイナス側に下降し、次にΔΔP
(y)からΔΔP(m−1)までは上昇しているパター
ンが明確であれば、マイナス側において凹形になってい
るパターンである。
【0115】すなわち、ステップS410にてECU1
0により閉制御されたバイパスバルブ52が正常に閉状
態となっていれば、バイパス通路50及び蒸発燃料導入
通路3を介して燃料タンク1内に大気圧が導入されるこ
とはない。このことから、それまで大気圧が導入されて
いることにより比較的高い上昇速度であった燃料タンク
内圧の上昇速度は低くなる(図9:時刻t6以降)。従
って、図10のタイミングチャートの後半に示すごと
く、m=8とするとΔΔP(0),ΔΔP(1),〜,
ΔΔP(7)までのパターンはマイナス側において明確
な凹形となる。
【0116】バイパスバルブ52が故障して、ステップ
S410にてECU10による閉制御にも関わらずバイ
パスバルブ52が閉状態にならなかった場合には、図9
の時刻t6以降に一点鎖線にて示すごとく、燃料タンク
内圧の上昇速度は急に低くならない。このため、図10
の後半に示したごとくのマイナス側において明確な凹形
は生じない。
【0117】従って、ステップS490でのパターン調
査にてマイナス側において凹形であったか否かが判定さ
れる(S500)。もしマイナス側において凹形でなけ
れば(S500で「NO」)、すなわち燃料タンク内圧
の変化が正常減速度範囲外であれば、バイパスバルブ5
2が故障であるとの診断を下す(S530)。具体的に
は、ここではバイパスバルブ52に対する故障フラグを
オンする。
【0118】なお、ステップS500で「NO」と判定
される場合は、開いたままである開故障ばかりでなく閉
じたままの閉故障の場合もある。これはステップS15
0の処理にては検出されなかったバイパスバルブ52の
閉故障がステップS500の処理において検出される場
合があるからである。
【0119】そして、このように設定された故障フラグ
に従って、前述したごとく車両計器盤の該当する警告ラ
ンプを点灯し(S540)、退避処理を行って(S55
0)、故障診断処理を終了する。
【0120】マイナス側において凹形であれば(S50
0で「YES」)、バイパスバルブ52に故障はなく正
常であるとの診断を下す(S510)。具体的には、例
えば、バイパスバルブ52に対する診断処理が正常終了
したことを表す正常フラグをオンする。そして、ステッ
プS510に至れば、パージ制御バルブ11を開けてパ
ージ通路8からサージタンク9aへのパージを可能とす
る(S520:時刻t7)。
【0121】上述した実施の形態1において、ステップ
S110,S130が差圧形成プロセスとしての処理に
相当し、ステップS170が密閉プロセスとしての処理
に相当し、ステップS290,S410が差圧解消プロ
セスとしての処理に相当する。そして、これら各プロセ
スのステップとステップS234,S240,S25
0,S260,S270,S280とが漏洩故障診断手
段としての処理に相当する。
【0122】また、ステップS120,S140,S1
50,S160,S180,S190,S200,S2
10,S220,S300〜S400,S420〜S5
10,S530がバルブ故障診断手段及びバルブ故障検
出手段としての処理に相当する。
【0123】また前記各プロセスのステップがバルブコ
ントロール手段としての処理に相当し、ステップS23
4,S240,S250,S260,S270,S28
0が漏洩故障検出手段としての処理に相当する。
【0124】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。
【0125】(イ).実施の形態1の故障診断処理にお
いては、単独に漏洩故障診断を実行する場合と同様なプ
ロセスを実行している。すなわち、燃料タンク内圧とし
て捉えた蒸発燃料パージシステムの内圧と外圧との間に
差圧を設ける差圧形成プロセス(S110,S13
0)、この差圧が形成された状態で蒸発燃料パージシス
テム内を密閉する密閉プロセス(S170)、及び漏洩
検査後に差圧を解消する差圧解消プロセス(S290,
S410)である。
【0126】そして、3つのバルブ11,27a,52
についてのバルブ故障診断は、このように漏洩故障診断
のために行われる上記3つのプロセスを利用して、燃料
タンク内圧を測定することにより、この内圧の挙動から
該当するプロセスに対応して作動されるバルブの故障診
断を行っている。
【0127】従って、バルブ故障診断は、漏洩診断を開
始するための処理あるいは漏洩診断を終了するための処
理を利用することにより、漏洩診断を行う時間内で、し
かも漏洩診断とは実質的に重複することなく実行するこ
とができる。このため、それぞれの診断を個々に燃料タ
ンク内圧の変化にて正確に検出できると共に、1つ分の
診断時間で、漏洩故障と3つのバルブ故障との2種の診
断が完了することになる。
【0128】このように2種の故障診断を行っても、吸
気系による蒸発燃料パージシステム内への負圧の導入、
パージ停止及びパージ許可は1回のみであり、時間的に
は1種の故障診断を行うのとほとんど差はない。このた
め、エンジンの吸気系における空燃比に対する影響を最
小限に止めることができ、2種の故障診断を行ってもエ
ミッションの悪化を増大させることがない。
【0129】(ロ).差圧形成プロセス(S110,S
130)に対しては、燃料タンク内圧の降下を判定して
いる。このことにより、3つのバルブ11,27a,5
2の内の少なくとも1つが故障であることを検出できる
とともに、蒸発燃料パージシステム自体に大穴が存在し
ているか否かを検出することができる。
【0130】(ハ).差圧解消プロセス(S290,S
410)に対しては、燃料タンク内圧の2階差分のパタ
ーンを調査している(S300〜S400,S420〜
S510,S530)。このように燃料タンク内圧の上
昇速度の変化を2階差分値のパターンの調査にて行う
と、極めて精度高く、圧力封鎖バルブ27a及びバイパ
スバルブ52の故障診断が可能となる。
【0131】[実施の形態2]次に、本発明に係る実施
の形態2について上記実施の形態1との相違点を中心に
説明する。
【0132】前述したように、実施の形態1では、パー
ジ制御バルブ11及び圧力封鎖バルブ27aをそれぞれ
閉状態、バイパスバルブ52を開状態にしてい状態(図
9の時刻t2〜t5)から、まず、圧力封鎖バルブ27
aのみを開弁させ(時刻t5)、その後の燃料タンク内
圧の変化に基づいて同圧力封鎖バルブ27aの故障を診
断し、次に、バイパスバルブ52を閉弁させ(時刻t
6)、同じく燃料タンク内圧の変化に基づいて同バイパ
スバルブ52の故障を診断するようにしている。
【0133】ここで、上記のように圧力封鎖バルブ27
aを開弁させると、大気導入通路27を通じてキャニス
タ2内に大気が導入されるため、その内圧は急激に上昇
するようになる。また、燃料タンク1はバイパス通路5
0によってキャニスタ2と連通されているため、燃料タ
ンク内圧もまた上昇するようになる。この際、燃料タン
ク内圧は、キャニスタ2の内圧よりも遅れて上昇するよ
うになる。このため、燃料タンク内圧は一時的にキャニ
スタ2の内圧よりも低くなり、また、その内圧差は圧力
封鎖バルブ27aを開弁してからの経過時間が短いほど
大きくなる。このため、圧力封鎖バルブ27aの開弁時
から所定期間の間、燃料タンク内圧とキャニスタ2の内
圧との圧力差が所定圧以上になり、上記ベーパリリーフ
バルブ23が開弁状態になってバックパージが行われる
ことがある。
【0134】従って、このようにバックパージが行われ
ているときに、バイパスバルブ52を閉弁させて同バル
ブ52の故障診断を実行するようにすると、燃料タンク
内圧がキャニスタ2の内圧の影響を受けて変動するよう
になるため、故障診断の精度低下が懸念される。
【0135】本実施の形態では、バイパスバルブ52の
故障診断を行う際に、こうしたバックパージによる悪影
響を好適に回避することで、その故障診断の精度を更に
向上させるようにしている。
【0136】以下、こうした本実施の形態における故障
診断処理の詳細について説明する。
【0137】本実施の形態では、先の図2〜図8に示す
故障診断処理を一部変更して実行するようにしている。
図11は、この変更した部分の処理を示すフローチャー
トであり、同図に示す一連の処理は、図6に示すステッ
プ400の処理の後、図7に示すステップ410の処理
の前に実行される。
【0138】即ち、圧力封鎖バルブ27aに故障はなく
正常であると診断すると(図6のS400)、この時に
圧力センサ1aにより検出されている燃料タンク内圧
が、ECU10内のRAMメモリ領域に設定されている
変数Pkに読み込まれる(S406)。そして、その読
み込まれた圧力値Pkが所定の判定値C4より大きく、
且つ、ステップS290での圧力封鎖バルブ27aの開
制御が行われてから所定時間Tdが経過したか否かが判
定される(S408)。
【0139】ここで上記判定値C4並びに所定時間Td
はいずれも、バックパージが行われていないことを判定
するためのものである。即ち、圧力封鎖バルブ27aが
開制御されてからの経過時間が長くなるほど、キャニス
タ2の内圧変化に対する燃料タンク内圧の応答遅れ量が
減少するため、同燃料タンク内圧とキャニスタ2の内圧
との圧力差が減少するようになる。また、この経過時間
が同じであっても、燃料タンク内圧が大きくなって大気
圧との差が小さくなるほど、上記圧力差は減少するよう
になる。従って、こうした関係に基づいて上記判定値C
4及び所定時間Tdを設定し、これらと燃料タンク内圧
及び圧力封鎖バルブ27aが開弁してからの経過時間と
をそれぞれ比較することにより、上記圧力差がベーパリ
リーフバルブ23が開弁するときの値を下回っているこ
とを、即ちバックパージが行われていないことを確実に
判定することができる。
【0140】このステップS408での判定条件が満た
されていない場合には、再度、燃料タンク内圧が読み込
まれた後(S406)、バックパージの有無の判定(S
408)が繰り返される。従って、バックパージが行わ
れなくなるまで、バイパスバルブ52が閉制御されるこ
とはなく、同バルブ52の故障診断の実行が遅延される
ようになる。
【0141】一方、燃料タンク内圧(圧力値Pk)が判
定値C4より大きく、圧力封鎖バルブ27aが開弁され
てから所定時間Tdが経過していると判定されると(S
408で「YES」)、バイパスバルブ52が閉弁され
る(図7のS410)。従って、その後の処理を通じて
バイパスバルブ52の故障が診断されるようになる。
【0142】以上説明した本実施の形態によれば、実施
の形態1に記載した(イ)、(ロ)、(ハ)に加えて更
に以下の効果が得られる。
【0143】(ニ).本実施の形態の故障診断処理にお
いては、圧力封鎖バルブ27aの故障診断を実行した
後、バイパスバルブ52の故障診断を実行するに際し
て、その開始時期を、燃料タンク内圧とキャニスタ2の
内圧との圧力差が減少して、バックパージが確実に行わ
れないと判断できる時期まで遅らせるようにしている。
従って、バックパージによって燃料タンク内圧が変動し
てしまうことがなく、同タンク内圧の変化をバイパスバ
ルブ52の閉動作のみに対応したものとして検出するこ
とができる。その結果、こうしたバックパージによる悪
影響を回避することができ、そのバイパスバルブ52の
故障診断の精度を向上させることができるようになる。
【0144】(ホ).更に、このようにバックパージが
確実に行われなくなる時期を、圧力封鎖バルブ27aが
閉弁してからの経過時間のみならず、同経過時間と燃料
タンク内圧とに基づいて判断するようにしているため、
この判断をより高い精度をもって行うことができる。従
って、バックパージによる悪影響をより好適に回避する
ことができ、バイパスバルブ52の故障診断の精度を更
に向上させることができるようになる。
【0145】[実施の形態3]次に、本発明に係る実施
の形態3について上記実施の形態1との相違点を中心に
説明する。
【0146】実施の形態1では、故障診断処理を所定の
条件(故障診断処理実行条件)が成立するときに実行す
るようにしている。この条件としては、前述したよう
に、圧力センサ1aその他のセンサに異常が無いこと等
の他、例えば、以下のような条件も含まれる。
【0147】(a)燃料タンク1内における液面変動量
が小さいこと (b)燃料タンク1内での燃料蒸気の発生量が少ないこ
と (c)燃料タンク1内の燃料残量が所定量以上ではない
こと(満タンでないこと) 上記各条件(a)〜(c)はいずれも燃料タンク内圧の
変動が故障診断に悪影響を及ぼさない許容範囲内にある
ことを保証するためのものであり、これら各条件(a)
〜(c)が成立するか否かはいずれも、燃料タンク内圧
の変化に基づいて判断される。
【0148】例えば、車両が悪路を走行している場合
等、燃料タンク内における液面変動量が大きい場合に
は、その変動に伴って燃料タンク内圧も大きく変動する
ようになる。こうした場合には、正確な故障診断を行う
ことができなくなる。
【0149】また、燃料タンク1内で燃料蒸気が多量に
発生する場合には、その燃料蒸気の発生に伴って燃料タ
ンク内圧も大きく増大するようになり、燃料タンク1が
満タンの状態である場合には、燃料タンク1内において
燃料を除いた空間部分の容積が小さくなるため、僅かな
液面の揺れによって燃料タンク内圧が大きく変動するよ
うになる。これらの場合もやはり、正確な故障診断を行
うことができなくなる。
【0150】従って、上記各条件(a)〜(c)が成立
していることを条件に故障診断処理を実行することによ
り、燃料タンク内圧が安定した状況下で正確な故障診断
を行うことができるようになる。
【0151】ところで、こうした各条件(a)〜(c)
を故障診断処理実行条件に含めるようにすると、前記バ
イパスバルブ52が開弁状態で固着している場合には以
下のような問題が生じる。
【0152】即ち、バイパスバルブ52が開固着する
と、バイパス通路50及び蒸発燃料導入通路3を介して
キャニスタ2と燃料タンク1とが常に連通された状態と
なる。このため、パージ流量に応じてキャニスタ2の内
圧が変動し、その変動に伴って燃料タンク内圧も変動す
るようになる。上記各条件(a)〜(c)はいずれも燃
料タンク内圧の変化に基づいて判断されるため、このよ
うに燃料タンク内圧がパージ流量に応じて変動すると、
燃料タンク1内の液面変動や燃料蒸気の発生等に伴う燃
料タンク内圧の変動が小さい場合であっても、これら各
条件(a)〜(c)が成立しなくなる。その結果、この
ようにバイパスバルブ52が開固着している場合には、
故障診断処理が行われず、従って同バルブ52を故障と
診断することもできなくなる。
【0153】そこで、本実施の形態では、バイパスバル
ブ52が開固着していると推定されるときには、上記各
条件(a)〜(c)を故障診断処理実行条件から除外
し、故障診断処理を強制的に行うことにより、同バルブ
52の故障診断を行うようにしている。
【0154】以下、こうしたバイパスバルブ52の開固
着を推定する際の手順並びにその推定結果に基づいて故
障診断処理実行条件を判断する際の手順について図12
〜図16を参照して説明する。
【0155】図12及び図13は、バイパスバルブ52
の開固着を推定する際の手順を示すフローチャートであ
る。
【0156】これら各図に示す処理では、バイパスバル
ブ52を閉弁駆動しているときに、キャニスタ2の内圧
をパージ流量に基づいて推定するとともに、その推定値
と実際の燃料タンク内圧とが一定の相関を有しているか
否かを判断することにより、バイパスバルブ52の開固
着を推定するようにしている。
【0157】以下、更に詳細に説明すると、図12に示
す処理では、まず、バイパスバルブ52が閉弁駆動され
ているか否かが判断され(S610)、閉弁駆動されて
いない場合には(S610で「NO」)、処理が一旦終
了される。
【0158】一方、バイパスバルブ52が閉弁駆動され
ている場合には(S610で「YES」)、所定時間T
e(例えば「5秒」)における推定キャニスタ内圧Pm
の変化量△Pmが算出される(S620)。この推定キ
ャニスタ内圧Pmは、パージ流量に基づいて推定される
キャニスタ2の内圧であり、例えばこれは図13に示す
ような手順に従って求められる。
【0159】まず、パージ率とエアフロメータ9cによ
り検出される吸入空気量とが乗算され、その乗算値(パ
ージ率×吸入空気量)がパージ流量として算出される
(図13:S710)。ここで、上記パージ率は、エン
ジンの燃焼室に供給される吸入空気の量と蒸発燃料パー
ジシステムから同燃焼室に供給される燃料蒸気の量との
比(燃料蒸気量/吸入空気量)であり、ECU10によ
りエンジンの運転状態に応じて設定され、RAMに記憶
されている。また、パージ制御バルブ11の開度はこの
パージ率に応じて決定される。
【0160】次に、このパージ流量に基づいてキャニス
タ2の内圧の収束値Ptが算出される(S720)。こ
の収束値Ptは、パージ流量を変動させることなく一定
に保持した場合にキャニスタ2の内圧が収束する値であ
る。このパージ流量とキャニスタ内圧の収束値Ptとの
関係は予め実験等によって求められ、図14に示すよう
な演算用マップとしてECU10のメモリ(ROM)に
記憶されている。
【0161】そして、こうして算出されるキャニスタ内
圧の収束値Ptを次式7に基づいてなまし処理すること
により、推定キャニスタ内圧Pmが算出される。尚、こ
うしたなまし処理を行うことにより、パージ流量の変動
に伴ってキャニスタ内圧が変動する際に生じる応答遅れ
を考慮することができ、推定キャニスタ内圧Pmを実際
のキャニスタ内圧の変化に即したものとすることができ
る。
【0162】
【数7】 Pm(i)←Pm(i−1)+(Pt−Pm(i−1))/12…[式7] Pm(i−1):推定キャニスタ内圧Pmの前回値 次に、図12に示すステップS630では、同じく所定
時間Teにおける実際の燃料タンク内圧Pnの変化量△
Pnが算出される。そして、推定キャニスタ内圧Pmの
変化量△Pmの絶対値|△Pm|が所定の判定値C6
(例えば「5mHg」)以上であるか否かが判断される
(S640)。即ち、この処理では、パージ流量の変動
に伴ってキャニスタ内圧が大きく変動するか否かが判断
される。ここで、上記絶対値|△Pm|が判定値C6未
満である場合には(S640で「NO」)、処理は一旦
終了される。
【0163】一方、上記絶対値|△Pm|が判定値C6
以上である場合には(S640で「YES」)、更に燃
料タンク内圧Pnの変化量△Pnの絶対値|△Pn|が
所定の判定値C7(例えば「3mHg」)以上であるか
否かが判断される(S650)。そして、上記絶対値|
△Pn|が判定値C7以上であると判断されると(S6
50で「YES」)、開固着判定用カウンタ値CBVO
がインクリメントされ(S660)、同絶対値|△Pn
|が判定値C7未満であると判断されると(S650で
「NO」)、開固着判定用カウンタ値CBVOがデクリ
メントされる(S670)。これら各ステップS66
0,S670において開固着判定用カウンタ値CBVO
が操作された後、処理は一旦終了される。
【0164】このように開固着判定用カウンタ値CBV
Oは、推定キャニスタ内圧Pmの変化に応じて燃料タン
ク内圧Pnが変化する傾向があると判断される場合(S
650で「YES」)には増加し、逆に推定キャニスタ
内圧Pmが変化してもそれに応じた燃料タンク内圧Pn
の変化がないと判断される場合(S650で「NO」)
には減少するようになる。
【0165】従って、この開固着判定用カウンタ値CB
VOが所定の判定値以上である場合には、バイパスバル
ブ52を閉弁駆動してキャニスタ2と燃料タンク1との
連通を遮断しているにも関わらず、キャニスタ内圧と燃
料タンク内圧とが相関を有して変化していることから、
同バイパスバルブ52が開固着していると推定すること
ができる。
【0166】次に、故障診断処理実行条件を判断する際
の手順について図15に示すフローチャートを参照して
説明する。尚、この図15に示す一連の処理は、故障診
断処理が開始された後も繰り返し実行される。従って、
一旦、故障診断処理実行条件が満たされて、診断処理が
開始された場合でも、同実行条件が成立しなくなれば、
同診断処理は中止される。
【0167】故障診断実行条件を判断する際には、ま
ず、環境条件が成立しているか否かが判断される(S8
10)。この環境条件としては、例えば、・圧力センサ
1aその他のセンサに異常が無いこと、・車両が高地を
走行していないこと(エンジンの運転状態に基づいて推
定される)、・バッテリ電圧が所定電圧以上であるこ
と、・始動時の冷却水温が所定温度範囲内にあること、
等々を挙げることができる。
【0168】ここで、これら各条件が全て満たされてお
り、従って環境条件が成立している場合には(S810
で「YES」)、蒸発燃料パージシステム内への負圧の
導入が完了したか否かが判断される(S820)。負圧
の導入が完了している場合には(S820で「YE
S」)、更に燃料タンク1内において液面変動が発生し
ていないかが判断される(S830)。
【0169】この判断は、具体的には、燃料タンク内圧
の所定時間(例えば「65msec」)での2階差分値
が求められるとともに、その2階差分値の絶対値が積算
され、更にその積算値が所定の判定値と比較されること
により行われる。即ち、この積算値が判定値以上である
場合に、燃料タンク1内に液面変動が発生していると判
断される。
【0170】尚、こうした液面変動の有無にかかる判断
は、故障診断処理が未だ開始されていない場合、或いは
蒸発燃料パージシステム内への負圧の導入が完了してい
ない場合(S820で「NO」)はいずれも行われな
い。即ち、この判断処理(S830)は、蒸発燃料パー
ジシステム内への負圧の導入が完了し、その後引き続い
て穴の有無に係る診断等の故障診断がなされるときに限
って行われる。
【0171】ここで液面変動が発生していないと判断さ
れた場合(S830で「YES」)、或いは蒸発燃料パ
ージシステム内への負圧の導入が完了していない場合
(S820で「NO」)はいずれも、ステップS840
に処理が移行され、更に燃料タンク1内での燃料蒸気の
発生量が少ないか否かが判断される。
【0172】この判断処理では、所定時間間隔(例えば
「15秒間隔」)での燃料タンク内圧の変化量が連続し
て複数回(例えば「3回」)求められ、それら各回での
変化量がいずれも所定の判定値を下回っているときに燃
料タンク1内での燃料蒸気の発生量が少ないと判断され
る。
【0173】ここで燃料蒸気の発生量が少ないと判断さ
れた場合(S840で「YES」)、更に燃料タンク1
内の燃料残量が所定量以上であるか否か、換言すれば燃
料タンク1が満タンであるか否かが判断される(S85
0)。
【0174】この判断処理では、燃料タンク内圧の検出
値が所定時間(例えば「65msec」)毎に所定期間
(例えば「520msec」)の間積算されるととも
に、この積算値の差分値が求められ、この差分値の変化
量が所定の判定値より大きいときに、燃料タンク1内の
燃料残量が所定量以上であると判断される。
【0175】ここで燃料タンク1内の燃料残量が所定量
以上ではないと判断された場合(S850で「N
O」)、即ち、上記環境条件の他、前述した各条件
(a)〜(c)が全て満たされている場合、故障診断処
理実行条件が成立し、同条件の成立を示すフラグが「O
N」に設定される(S860)。
【0176】一方、燃料タンク1内での液面変動が発生
していると判断された場合(S830で「NO」)、燃
料タンク1内で多量の燃料蒸気が発生していると判断さ
れた場合(S840で「NO」)、或いは燃料タンク1
内の燃料残量が所定量以上あると判断された場合(S8
50で「YES」)は、前記開固着判定用カウンタ値C
BVOが「2」以上であるか否かが判定される(S83
5、S845、S855)。ここで、開固着判定用カウ
ンタ値CBVOが「2」未満であり、バイパスバルブ5
2が開固着していないと推定される場合には(S83
5、S845、S855で「NO」)、故障診断処理実
行条件が成立せず、同条件の成立を示すフラグが「OF
F」に設定される(S870)。また、前述した環境条
件が成立していない場合(S810で「NO」)も同様
に、故障診断実行条件の成立を示すフラグが「OFF」
に設定される(S870)一方、開固着判定用カウンタ
値CBVOが「2」以上であり、バイパスバルブ52が
開固着していると推定される場合には(S835、S8
45、S855で「YES」)、各ステップS830、
S840、S850の判定結果に関わらず、故障診断処
理実行条件が成立するものとして、同条件の成立を示す
フラグが「ON」に設定される(S860)。こうして
故障診断処理実行条件の成立を示すフラグが「ON」ま
たは「OFF」に設定された後、処理が一旦終了され
る。
【0177】このように、本実施の形態では、バイパス
バルブ52が開固着していると推定される場合には、上
記各条件(a)〜(c)が全て満たされていない場合で
あっても、故障診断処理が実行されるようになる。
【0178】ところで、このようにバイパスバルブ52
が開固着しているために故障診断処理が強制的に実行さ
れる場合には、通常、バイパスバルブ52が故障である
旨診断されるようになる(図8のS500で「N
O」)。しかしながら、例えば、バイパスバルブ52を
閉駆動した際にパージ流量の増大に伴って燃料タンク内
圧の上昇速度が偶然に低下するようなことがあると、バ
イパスバルブ52が開固着しているにも関わらず同バル
ブ52が正常であると誤診断されてしまう可能性があ
る。
【0179】このため、本実施の形態では、先の図2〜
図8に示す故障診断処理の手順を一部変更することによ
り、バイパスバルブ52が開固着しているものと推定さ
れる場合には、同バルブ52を正常と診断するのを一旦
保留するようにしている。
【0180】図16は、この変更した部分の処理を示す
フローチャートである。同図16に示すように、図8に
示すステップS500において、燃料タンク内圧の変化
が正常減速度範囲内にあると判断された場合には(S5
00で「YES」)、まず、開固着判定用カウンタ値C
BVOが「2」未満であるか否かが判定される。ここ
で、開固着判定用カウンタ値CBVOが「2」未満であ
り、バイパスバルブ52が開固着していないと推定され
る場合には、バイパスバルブ52は正常であると診断さ
れる(S510)。
【0181】一方、開固着判定用カウンタ値CBVOが
「2」以上であり、バイパスバルブ52が開固着してい
ると推定される場合には、バイパスバルブ52は正常で
あるとする診断は行われず、前述したステップS520
の処理が行われる。従って、バイパスバルブ52が開固
着しているのにも関わらず、同バルブ52が正常である
と診断されることが回避されるようになる。
【0182】以上説明した本実施の形態3によれば、実
施の形態1に記載した(イ)、(ロ)、(ハ)に加えて
更に以下の効果が得られる。
【0183】(ヘ).本実施の形態の故障診断処理で
は、キャニスタ内圧と燃料タンク内圧との相関の有無に
基づいてバイパスバルブ52が開固着しているか否かを
推定し、開固着していると推定されるときには、燃料タ
ンク内圧の変化が許容範囲内にあるかが判断される上記
各条件(a)〜(c)を実質的に故障診断処理の実行条
件から除外するようにしている。従って、バイパスバル
ブ52が開固着しているため、パージ流量の変動に伴っ
て燃料タンク内圧が変動している場合でも、故障診断処
理が強制的に行われるようになる。その結果、バイパス
バルブ52の故障をより早期に診断することができるよ
うになる。
【0184】(ト).更に、バイパスバルブ52が開固
着していると推定されるときには、同バルブ52を正常
と診断するのを一旦保留するようにしているため、バイ
パスバルブ52が開固着しているのにも関わらず、同バ
ルブ52が正常であると診断されてしまうことがない。
その結果、バイパスバルブ52の故障を診断する際して
の誤診断を回避することができるようになる。
【0185】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1において、微小な穴の場合はパージ
制御を行っても支障がないので、微小な穴が検出されて
もパージ制御バルブ11を開いているが、他の故障と同
じに、微小穴故障の場合もステップS540,S550
の処理にジャンプしてパージ制御を停止してもよい。
【0186】・差圧解消プロセス(S290,S41
0)に対応する圧力封鎖バルブ27a及びバイパスバル
ブ52の故障診断は2階差分値のパターンにより検出し
ていたが、これ以外に、1階差分値自体の変化により検
出してもよい。
【0187】・圧力センサ1aは燃料タンク1に取り付
けられていたが、蒸発燃料パージシステムの内圧を検出
できるのであれば他の場所でもよい。例えば、キャニス
タ2内でもよい。
【0188】・実施の形態2において、上記所定時間T
dを圧力封鎖バルブ27aを開弁したときに検出される
燃料タンク内圧に基づいて可変設定するようにしてもよ
い。
【0189】・実施の形態3では、故障診断処理実行条
件として前記各条件(a)〜(c)を含めて複数の条件
を例に挙げたが、これらの条件を単独で或いは適宜組み
合わせて故障診断処理実行条件とすることもできる。
【0190】・上記各実施の形態では、圧力封鎖バルブ
27aの故障を診断する際に、燃料タンク内圧の2回差
分の時系列パターンを調査し、このパターンがプラス側
において凸形でなければ、燃料タンク内圧の変化が正常
加速度範囲外であるとして、圧力封鎖バルブ27aが故
障であると判断するようにしたが、例えば燃料タンク内
圧の2回差分の最大値が所定値以下である場合に、燃料
タンク内圧の変化が正常加速度範囲外であるとして、そ
の故障を判断するようにしてもよい。また、バイパスバ
ルブ52の故障を診断する際にも同様に、燃料タンク内
圧の2回差分の最小値が所定値以上である場合に、燃料
タンク内圧の変化が正常減速度範囲外であるとして、同
バルブ52の故障を判断するようにしてもよい。
【0191】以下、上記各実施の形態から把握できる技
術的思想についてその効果とともに記載する。
【0192】(1) 前記バルブ故障検出手段は、前記
差圧解消プロセスにおいて前記圧力封鎖バルブを開状態
として前記大気導入通路から蒸発燃料パージシステム内
に外部から空気を導入する際に、前記圧力センサにて検
出される燃料タンクの内圧の2回差分の時系列パターン
が、プラス側において凸形をなしている場合に、前記圧
力封鎖バルブは故障ではないと検出することを特徴とす
る請求項1または2に記載の蒸発燃料パージシステムの
故障診断装置。
【0193】上記構成によれば、圧力封鎖バルブの開状
態をしたことによる燃料タンクの内圧変化が小さい場合
であっても、これを確実に検出することができるため、
同圧力封鎖バルブの故障をより精度良く検出することが
できるようになる。
【0194】(2) 前記バルブ故障検出手段は、前記
差圧解消プロセスにおいて前記バイパスバルブを閉状態
とする際に、前記圧力センサにて検出される燃料タンク
の内圧の2回差分の時系列パターンが、マイナス側にお
いて凹形をなしている場合に、前記バイパスバルブは故
障ではないと検出することを特徴とする請求項1または
、上記(1)のいずれかに記載の蒸発燃料パージシス
テムの故障診断装置。
【0195】上記構成によれば、バイパスバルブの閉状
態をしたことによる燃料タンクの内圧変化が小さい場合
であっても、これを確実に検出することができるため、
同バイパスバルブの故障をより精度良く検出することが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における蒸発燃料パージシステム
全体を表す概略構成説明図。
【図2】実施の形態1における故障診断処理の手順を示
すフローチャート。
【図3】同じく故障診断処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図4】同じく故障診断処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図5】同じく故障診断処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図6】同じく故障診断処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図7】同じく故障診断処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図8】同じく故障診断処理の手順を示すフローチャー
ト。
【図9】故障診断時における各バルブの開閉状態と燃料
タンク内圧の一例を示すタイミングチャート。
【図10】差圧解消プロセスにおける燃料タンク内圧の
2階差分値の一例を示すタイミングチャート。
【図11】実施の形態2における故障診断処理の手順を
示すフローチャート。
【図12】実施の形態3における開固着判定用カウンタ
値の操作手順を示すフローチャート。
【図13】実施の形態3における推定キャニスタ内圧の
算出手順を示すフローチャート。
【図14】パージ流量とキャニスタ内圧の収束値との関
係を示す演算用マップ。
【図15】実施の形態3における故障診断処理実行条件
の判断手順を示すフローチャート。
【図16】実施の形態3における故障診断処理の手順を
示すフローチャート。
【符号の説明】
1…ガソリンエンジンの燃料タンク、1a…圧力セン
サ、2…キャニスタ、3…蒸発燃料導入通路、3a…フ
ロート、4…タンク内圧制御バルブ、4a…ダイヤフラ
ム、4b…背圧室、4c…正圧室、4d…スプリング、
5…差圧バルブ、5a…ダイヤフラム、5b…第1圧力
室、5c…第2圧力室、5d…スプリング、7…ブリー
ザ通路、8…パージ通路、9…エンジン吸気通路、9a
…サージタンク、9b…エアクリーナ、9c…エアフロ
メータ、9d…スロットルバルブ、10…ECU(電子
制御ユニット)、11…パージ制御バルブ、11a…駆
動回路、12…大気開放制御バルブ、12a…ダイヤフ
ラム、12b…大気圧室、12c…スプリング、12d
…正圧室、13…大気導入制御バルブ、13a…ダイヤ
フラム、13b…負圧室、13c…スプリング、13d
…大気圧室、14…大気側制御バルブ、15…仕切板、
16…主室、17…副室、18a,18b…空気層、1
9a,19b…活性炭吸着材、20a,20b…吸着材
層、20c,20d…フィルタ、21…拡散室、22…
ベーパ導入ポート、23…ベーパリリーフバルブ、24
…大気開放ポート、25…通気ポート、26…大気開放
通路、27…大気導入通路、27a…圧力封鎖バルブ、
28…隔壁、28a…圧力ポート、29…大気開放ポー
ト、30…圧力通路、31…嵌挿孔、32…ブリーザ
管、32a…上端開口部、33…フロートバルブ、34
…圧力通路、36…燃料注入管、36a…絞り、36b
…給油口、38…燃料ポンプ、40…燃料噴射バルブ、
41…循環ライン管、50…バイパス通路、52…バイ
パスバルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 雄一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 花井 修一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平9−264207(JP,A) 特開 平8−61163(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクと、キャニスタと、燃料タン
    クの蒸発燃料をキャニスタに導入する蒸発燃料導入通路
    と、燃料タンクの内圧に応じて前記蒸発燃料導入通路の
    開閉状態を調節するタンク内圧制御バルブと、外部から
    キャニスタ内に空気を導入する大気導入通路と、前記キ
    ャニスタの内圧に応じて前記大気導入通路の開閉状態を
    調節する大気導入制御バルブと、前記キャニスタ内の燃
    料を内燃機関の吸気系にパージするパージ通路と、内燃
    機関の運転状態に応じて前記パージ通路の開閉状態を調
    節するパージ制御バルブとを備えた蒸発燃料パージシス
    テムの故障診断装置であって、 燃料タンクの内圧を検出する圧力センサと、 燃料タンクとキャニスタとを連絡するバイパス通路と、 該バイパス通路の開閉状態を調節するバイパスバルブ
    と、 前記大気導入通路の開閉状態を調節する圧力封鎖バルブ
    と、 前記パージ制御バルブと前記バイパスバルブとを開状態
    とし前記圧力封鎖バルブを閉状態として内燃機関の吸気
    系の負圧を蒸発燃料パージシステム内に導入する差圧形
    成プロセス、該負圧が導入された状態で前記パージ制御
    バルブを閉状態として前記蒸発燃料パージシステム内を
    密閉する密閉プロセス、及び前記圧力封鎖バルブを開状
    態として前記大気導入通路から蒸発燃料パージシステム
    内に外部から空気を導入した後に前記バイパスバルブを
    閉状態とする差圧解消プロセスを実行するバルブコント
    ロール手段と、 該バルブコントロール手段にて行われる密閉プロセスと
    差圧解消プロセスとの間の期間において、前記圧力セン
    サにて検出される前記燃料タンクの内圧の挙動に基づい
    て漏洩を検出する漏洩故障検出手段と、 前記バルブコントロール手段にて行われる差圧形成プロ
    セス、密閉プロセス及び差圧解消プロセスの内の1つ以
    上のプロセスに対応して前記圧力センサにて検出される
    前記燃料タンクの内圧の挙動に基づいて、該当するプロ
    セスにおいて作動されるバルブの故障を検出するバルブ
    故障検出手段とを備え、 前記バルブ故障検出手段は、前記差圧形成プロセスにお
    いて、前記圧力センサにて検出される前記燃料タンクの
    内圧の変化が、正常降下速度範囲外である場合 に、前記
    バイパスバルブ、前記圧力封鎖バルブ及び前記パージ制
    御バルブの内のいずれか1つ以上で故障があると検出す
    ことを特徴とする蒸発燃料パージシステムの故障診断
    装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブ故障検出手段は、前記密閉プ
    ロセスあるいは前記密閉プロセス直後の期間において、
    前記圧力センサにて検出される前記燃料タンクの内圧の
    変化が、正常変化範囲外である場合に、前記パージ制御
    バルブが故障であると検出することを特徴とする請求項
    1に記載の蒸発燃料パージシステムの故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記バルブ故障検出手段は、前記差圧解
    消プロセスにおいて前記圧力封鎖バルブを開状態として
    前記大気導入通路から蒸発燃料パージシステム内に外部
    から空気を導入する際に、前記圧力センサにて検出され
    る前記燃料タンクの内圧の変化が、正常加速度範囲外で
    ある場合に、前記圧力封鎖バルブが故障であると検出す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸発燃料
    パージシステムの故障診断装置。
  4. 【請求項4】 前記バルブ故障検出手段は、前記差圧解
    消プロセスにおいて前記バイパスバルブを閉状態とする
    際に、前記圧力センサにて検出される前記燃料タンクの
    内圧の変化が、正常減速度範囲外である場合に、前記バ
    イパスバルブが故障であると検出することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の蒸発燃料パージシステ
    ムの故障診断装置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発燃料パージシステムは、前記キ
    ャニスタと前記燃料タンクとを連通して前記キャニスタ
    内の蒸発燃料を前記燃料タンク内に戻すバックパージ通
    路と、前記燃料タンクの内圧が前記キャニスタの内圧よ
    りも所定圧以上低いときに開弁して前記キャニスタから
    前記バックパージ通路を通じて前記燃料タンクに蒸発燃
    料が流れるのを許容するバックパージバルブとを備える
    ものであり、 前記バルブ故障検出手段は、前記差圧解消プロセスにお
    いて前記圧力封鎖バルブを開状態として前記大気導入通
    路から蒸発燃料パージシステム内に外部から空気を導入
    する際に、前記圧力センサにて検出される前記燃料タン
    クの内圧の変化が、正常加速度範囲外である場合に、前
    記圧力封鎖バルブが故障であると検出す る第1の故障診
    断と、同じく差圧解消プロセスにおいて前記バイパスバ
    ルブを閉状態とする際に、前記圧力センサにて検出され
    る前記燃料タンクの内圧の変化が、正常減速度範囲外で
    ある場合に、前記バイパスバルブが故障であると検出す
    る第2の故障診断とを実行するものであることを特徴と
    する請求項1または2 に記載の蒸発燃料パージシステム
    の故障診断装置。
  6. 【請求項6】 前記バルブコントロール手段は、前記圧
    力封鎖バルブを開状態としてから所定期間経過後に前記
    バイパスバルブを閉状態とするものであって、前記所定
    期間を前記圧力センサにて検出される前記燃料タンクの
    内圧に基づいて設定するものであることを特徴とする請
    求項5に記載の蒸発燃料パージシステムの故障診断装
    置。
  7. 【請求項7】 前記バルブコントロール手段は、前記バ
    イパスバルブが閉状態にあるときに前記圧力センサにて
    検出される前記燃料タンクの内圧の変動が許容範囲内に
    あることを実行条件に、前記差圧形成プロセス、前記密
    閉プロセス、及び前記差圧解消プロセスを実行するもの
    であり、 前記バイパスバルブが閉駆動されているときの前記キャ
    ニスタの内圧変動を前記パージ通路を通過する蒸発燃料
    の量に基づいて推定するとともに、該キャニスタの内圧
    変動と前記燃料タンクの内圧変動との相関の有無に基づ
    いて前記バイパスバルブが開故障していることを推定
    し、前記バイパスバルブが開故障していると推定される
    ときには、前記実行条件が成立しないときでも前記各プ
    ロセスを前記バルブコントロール手段により強制的に実
    行させる強制実行手段を更に備えることを特徴とする請
    求項4 に記載の蒸発燃料パージシステムの故障診断装
    置。
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