JP3681595B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系に放出する内燃機関の蒸発燃料処理装置の故障診断に関し、より具体的には、燃料タンクのリークを検出して警告灯を点灯し、リークの原因が大量リークによるものであり、その後リークが検出されなくなったならば警告灯を消灯することができる内燃機関の蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平10−37815号には、燃料タンクのリーク(漏れ)の有無を判定する手法が提示されている。その手法のうちの1つは、燃料タンクの圧力を複数回検出し、その圧力が大気圧付近に集中する場合はリーク有りと判定し、大気圧に対して正または負圧に大きく変動する場合はリーク無しと判定する。この方法によると、減圧せずに簡単にリークの有無を判定することができる。
【0003】
さらに、燃料タンクのリークの有無を判定する他の手法として、燃料タンクを所定圧力まで減圧した後に燃料タンクを閉鎖し、燃料タンクの圧力変動量が所定値以下であればリーク無し、所定値より大きければリーク有りと判定する(リークチェック)。このリーク判定は、ベーパの影響を取り除くため、ベーパによる圧力変動量を補正値として考慮する。この方法によると、0.5mm径の微小な穴に起因するタンク系のリークまで検出することができる。
【0004】
一方、主にユーザーによる燃料タンクのフィラーキャップの閉め忘れなどに起因する燃料タンクの大穴(大量リーク)の検出は、上記の微小な穴を対象としたリークとは別個に検出してユーザーに警告を促すのが好ましい。特開平9−291856号には、燃料タンクの異常判定を行う手法が記載されており、その中で大穴の判定を行っている。この手法では、燃料タンクを所定圧力まで減圧した後、圧力変動量を算出してリークチェックを行い、リークチェック開始後所定時間内の、減圧終了時の燃料タンクの圧力とリークチェック開始後の燃料タンクの圧力の差が所定値より大きければ、大穴があると判定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような判定手法では、給油量やパージ制御弁の流量のバラツキなどの組み合わせによって、小さなリークまたはリーク無しにもかかわらず大穴と判定されてしまう場合がある。
【0006】
また、フィラーキャップの閉め忘れのようなユーザーのエラーによって大穴と判定されたときにはMIL(警告灯)が点灯するが、このMILの点灯中に、ユーザーがフィラーキャップの閉め忘れに気が付いて閉め直した場合、明らかに大穴が直っているにもかかわらずMILが点灯し続ける状態が続いていた。
【0007】
したがって、この発明は、大穴を精度良く検出することのできる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、この発明の他の目的は、大穴によって警告灯が点灯している間に大穴が検出されなくなった場合には、大穴によって点灯された警告灯をタイミング良く消灯させることのできる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、燃料タンク、該燃料タンクとキャニスタを接続するチャージ通路と、前記キャニスタと内燃機関の吸気管を接続するパージ通路に設けられたパージ制御弁と、前記キャニスタに設けられ内部を大気開放する開放口を開閉するベントシャット弁を有する蒸発燃料排出抑止系と、該蒸発燃料排出抑止系内の圧力を検出する内圧センサと、該内圧センサにより検出された前記蒸発燃料排出抑止系内の圧力の変動が小さいとき蒸発燃料排出抑止系内にリークがあると判定する内圧監視手段と、前記内圧センサの出力をもとに前記蒸発燃料排出抑止系を閉じた系にしたときの前記内圧センサの変化によりリークの有無を判定するリークチェック手段と、前記内圧監視手段によりリーク有りと判定されかつ前記リークチェック手段による判定時に圧力の変化が瞬時に起きたとき大量リーク有りと判定する大量リーク判定手段を有することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置という構成をとる。
【0010】
請求項1の発明によると、いくつかの条件を考慮して大量リークを判定することができるので、良好な精度で大量リークを判定することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の内燃機関の蒸発燃料処理装置が、前記内圧監視手段によりリーク有りと判定されたとき警告をする警告手段と、前回前記大量リーク手段により大量リーク有りと判定され、今回リーク無しと判定された場合は、前記警告手段による警告を解除する警告解除手段を有するという構成をとる。
【0012】
請求項2の発明によると、大量リークに起因して警告灯が点灯している間に大量リーク無しと判定されれば警告灯を消灯するので、大量リークが直ったにもかかわらず警告灯が点灯しつづけることを回避することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施形態による内燃機関の蒸発燃料処理装置の全体構成図である。この装置は、内燃機関(以下、「エンジン」という)1、蒸発燃料排出抑止装置31および電子制御ユニット(以下、「ECU」という)5を備える。以下、大気圧に対して正側の圧力を正圧といい、負側の圧力を負圧という。
【0014】
ECU5は、この発明の制御手段を構成するユニットであり、エンジン1の各部の制御を行うための演算を実行するCPU91、エンジン各部の制御を行うためのプログラムおよび各種のデータを格納する読み取り専用メモリ(ROM)92、CPU91による演算の作業領域を提供し、エンジン各部から送られてくるデータおよびエンジン各部に送り出す制御信号を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)93、エンジン各部から送られてくるデータを受け入れる入力回路94、エンジン各部に制御信号を送る出力回路95を備える。
【0015】
図1では、プログラムは、モジュール1、モジュール2、モジュール3等で示されており、この発明による大穴を判定してMILを点灯/消灯するプログラムは、たとえばモジュール3、4に含まれている。また、演算に用いる各種のデータはテーブル1、テーブル2等の形でROM92に格納されている。ROM92は、EEPROMのような書き換え可能なROMであってもよく、この場合、ある運転サイクルにおいてECU5が演算した結果をROMに格納しておき、次の運転サイクルで利用することができる。また、種々の処理で設定された多くのフラグ情報をEEPROMに記録しておくことにより、故障診断に利用することができる。
【0016】
エンジン1は、例えば4気筒を備えるエンジンであり、吸気管2が連結されている。吸気管2の上流側にはスロットル弁3が配されており、スロットル弁3に連結されたスロットル弁開度センサ(θTH)4は、スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力してECUに供給する。
【0017】
燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であって、エンジン1とスロットル弁3の間に各気筒毎に設けられ、ECU5からの制御信号により開弁時間が制御される。燃料供給管7は、燃料噴射弁6および燃料タンク9を接続し、その途中に設けられた燃料ポンプ8が燃料を燃料タンク9から燃料噴射弁6に供給する。図示しないレギュレータが、ポンプ8と燃料噴射弁6の間に設けられ、吸気管2から取り込まれる空気の圧力と、燃料供給管7を介して供給される燃料の圧力との間の差圧を一定にするよう動作して、燃料の圧力が高すぎるときは図示しないリターン管を通して余分な燃料を燃料タンク9に戻す。こうして、スロットル弁3を介して取り込まれた空気は、吸気管2を通り、燃料噴射弁6から噴射される燃料と混合してエンジン1のシリンダに供給される。
【0018】
吸気管圧力(PBA)センサ13および吸気温(TA)センサ14は、吸気管2のスロットル弁3の下流側に装着されており、それぞれ吸気管圧力および吸気温を検出して電気信号に変換し、それをECU5に送る。
【0019】
エンジン水温(TW)センサ15は、エンジン1のシリンダブロックの冷却水が充満した気筒周壁に取り付けられ、エンジン冷却水の温度を検出し、電気信号に変換して結果をECU5に送る。エンジン回転数(NE)センサ16がエンジン1のカム軸周囲またはクランク軸周囲に取り付けられ、エンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置で信号パルス(TDC信号パルス)を出力し、それをECU5に送る。
【0020】
エンジン1は排気管12を持ち、排気管12の途中に設けられた排気ガス浄化装置である三元触媒33を介して排気する。O2センサ32は排気濃度センサであり、排気管12の途中に装着され、排気ガス中の酸素濃度を検出し、検出値に応じた信号をECU5に送る。
【0021】
車速(VP)センサ17、バッテリ電圧(VB)センサ18および大気圧(PA)センサ19は、ECU5に接続されており、それぞれ車両の走行速度、バッテリ電圧および大気圧を検出し、それをECU5に送る。
【0022】
各種センサからの入力信号は入力回路94に渡される。入力回路94は、入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する。CPU91は、変換されたデジタル信号を処理し、ROM92に格納されているプログラムに従って演算を実行し、車の各部のアクチュエータに送る制御信号を作り出す。この制御信号は出力回路95に送られ、出力回路95は、燃料噴射弁6、バイパス弁24、ベントシャット弁26およびパージ制御弁30その他のアクチュエータに制御信号を送る。
【0023】
次に、蒸発燃料排出抑止系(以下、「排出抑止系」という)31について説明する。排出抑止系31は、燃料タンク9、チャージ通路20、キャニスタ25、パージ通路27およびいくつかの制御弁を備え、燃料タンク9からの蒸発燃料の排出を制御する。排出抑止系31は、チャージ通路20にあるバイパス弁24を境に、便宜上2つに分けて考えることができ、燃料タンク9を含む側をタンク系、キャニスタ25を含む側をキャニスタ系と呼ぶ。
【0024】
燃料タンク9は、チャージ通路20を介してキャニスタ25に接続され、燃料タンク9からの蒸発燃料が、キャニスタ25に移動できるようになっている。チャージ通路20は、第1の分岐20aおよび第2の分岐20bを持ち、これらはエンジンルーム内に設けられている。内圧センサ11は、チャージ通路20の燃料タンク側に取り付けられており、チャージ通路20内の内圧と大気との差圧を検出する。定常状態においては、チャージ通路20内の圧力が燃料タンク9内の圧力とがほぼ等しいので、内圧センサ11により検出された内圧を、燃料タンク9の圧力(以下、「タンク内圧」という)とみなすことができる。
【0025】
第1の分岐20aには二方向弁23が設けられ、二方向弁23は2つの機械式の弁23aおよび23bを備える。弁23aは、タンク内圧が大気圧より2.0kPa程度高くなったときに開く正圧弁であり、これが開弁状態にあると、蒸発燃料がキャニスタ25に流れ、そこで吸着される。弁23bは、タンク内圧がキャニスタ25側の圧力より1.3kPaから2.0kPa程度低くなったとき開く負圧弁であり、これが開弁状態にあると、キャニスタ25に吸着された蒸発燃料が燃料タンク9に戻る。
【0026】
第2の分岐20bには電磁弁であるバイパス弁24が設けられる。バイパス弁24は、通常は閉弁状態にあり、この発明による排出抑止系31のリークを検出する際に、ECU5からの制御信号により開閉を制御される。
【0027】
燃料タンク9は、フィラーキャップ42が設けられた給油管41を有し、さらに給油時用のチャージ通路44(一部のみ図示)を介してキャニスタ25に接続されている。給油時用チャージ通路44は、チャージ通路20より大きな断面積を持ち、給油時に発生する大量の蒸発燃料をキャニスタ25に供給するために設けられている。チャージ通路44の途中には、ダイヤフラム弁45が設けられており、ダイヤフラム弁45は通路43を介して給油管41の給油口近傍に接続され、給油時のみ開弁するよう構成されている。
【0028】
チャージ通路20および44が燃料タンク9に開口する部分には、第1および第2のフロート弁46および47がそれぞれ設けられている。第1および第2ののフロート弁46および47は、燃料タンク9の満タン時や燃料タンク9が傾いたときに閉弁し、液体の燃料がチャージ通路20または44に流出することを防止する。
【0029】
キャニスタ25は、燃料蒸気を吸着する活性炭を内蔵し、通路26aを介して大気に連通する吸気口(図示せず)を持つ。通路26aの途中に、電磁弁であるベントシャット弁26が設けられる。ベントシャット弁26は、通常は開弁状態にあり、この発明による排出抑止系31のリークを検出する際に、ECU5からの制御信号により開閉を制御される。
【0030】
キャニスタ25は、パージ通路27を介して吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続される。パージ通路27の途中には電磁弁であるパージ制御弁30が設けられ、キャニスタ25に吸着された燃料が、パージ制御弁30を介してエンジンの吸気系に適宜パージされる。パージ制御弁30は、ECU5からの制御信号に基づいて、オン−オフデューティ比を変更することにより、流量を連続的に制御する。
【0031】
MIL36は運転席の表示パネル上に設けられた警告灯であり、排出抑制系31にリーク有りと判定された時およびその他の故障が検出された時に、ECU5からの制御信号に応答して点灯し、運転者に何らかの故障が発生したことを警告して注意を促す。また、MIL36は、ECU5からの制御信号に応答して、検出された故障が誤診断と判断されたとき、または故障が回復した時、ECU5からの制御信号に基づいて消灯する。
【0032】
図2は、この発明の実施形態に関連するECU5を機能ブロックで示してあり、これらは図1に示されるECU5のハードウェア構成およびROM92に格納されているプログラムにより実現される。ECU5内の機能ブロックによるデータの受け渡しは、主にRAM93を介して行われる。ECU5は、弁制御部50、始動後オープン処理部56、内圧監視部57、キャニスタモニター部58、タンク減圧モード実行部60およびMIL点灯制御部81を備える。図3〜図7を参照しつつ、それぞれの機能ブロックについて説明する。
【0033】
弁制御部50は、バイパス弁24の開閉を制御するバイパス弁制御部51、ベントシャット弁26の開閉を制御するベントシャット弁制御部52およびパージ制御弁30の開弁量を制御するパージ制御弁制御部53を備え、始動後オープン処理部56、内圧監視部57、キャニスタモニター部58およびタンク減圧実行モード部60からの制御信号に応じて、それぞれの弁に駆動信号を送る。
【0034】
始動後オープン処理部56、内圧監視部57、キャニスタモニター部58およびタンク減圧モニター部60は、排出抑止系31のリークの有無の判定処理を実現する。1回の運転サイクル(エンジンの始動から停止まで)においては、リークの有無の判定処理は1回だけ実行される。しかし、これをどのような頻度で実行するかは設計事項であり、必要に応じて変更することができる。
【0035】
図3を参照すると、1運転サイクルにおける、内圧センサ11で検出される圧力の遷移の例が示される。リークの有無の判定処理は4つの段階、すなわち始動後オープン処理、内圧監視モニター、キャニスタモニターおよびタンク減圧モニターから構成される。
【0036】
始動後オープン処理部56によって実行される始動後オープン処理は、エンジン始動直後にバイパス弁24を開いて排出抑止系31を大気圧に開放し、この時に、タンク内圧が大気開放前の値から所定値以上変動すれば、タンク系にリークが無く正常と判定する。
【0037】
内圧監視部57により実行される内圧監視モニターは、内圧センサ11により検出される圧力を連続的にチェックする。内圧監視部57に含まれる第1のリーク判定部77は、その圧力が大気圧付近に集中する場合はリーク有りと判定し、大気圧を中心に正圧または負圧に大きく変動する場合はリーク無しと判定する。リーク有りと判定したならば、第1のリーク有りフラグに1を設定し、RAM93に記憶する。この実施例では内圧監視部57は、1mm径以上の穴に起因するリークを検出する。
【0038】
キャニスタモニター部58により実行されるキャニスタモニターは、大気開放、減圧、内圧安定待ち、リークチェックおよび圧力復帰モードを含む。キャニスタモニターは、キャニスタ25を負圧にし、負圧の保持状態を検出することによりキャニスタ系のリークの有無を判定する。
【0039】
タンク減圧モード実行部60は、タンク減圧モニターを実行する。これにより、上記の始動後オープン処理および内圧監視モニターで検出されなかったタンク系のリークを検出することができる。例えば、始動後オープン処理または内圧監視モニターで1mm径以上の穴によるリークについて正常判定された場合には、このタンク減圧モニターを実行して、0.5mm径のさらに微小な穴を対象としたリークの有無を判定することができる。タンク減圧モニターについて図4を参照しつつ説明する。
【0040】
図2および図4に示されるように、タンク減圧モニターは、大気開放部61、補正チェック部62、減圧部63、リークチェック部65およびベーパチェック部66によりそれぞれ実行される5つのモードを含む。実線71はタンク系に微小なリークがある場合の、破線73はタンク系にリークが無い場合の、内圧センサ11により検出された圧力の遷移の例を示す。
【0041】
大気開放部61は、バイパス弁24を開き、パージ制御弁30を閉じることにより大気開放モードに移行する。その結果、タンク内圧は実線71に示すように大気圧へと変化する。大気開放モードに要する時間は、例えば15秒である。
【0042】
補正チェック部62は、バイパス弁24を閉じることにより補正チェックモードに移行する。燃料タンク9ではベーパが発生しており、この量に依存してタンク内圧が上昇するので、この圧力上昇分を、後のタンク系のリークの有無を判定するときに考慮する必要がある。したがって、補正チェック部62は、大気圧から正圧に上昇する単位時間あたりの圧力変動量を補正値として測定する。補正チェックモードに要する時間は、例えば30秒である。
【0043】
減圧部63は、バイパス弁24を開き、ベントシャット弁26を閉じることにより減圧モードに移行し、パージ制御弁の開弁量を制御しながら、タンク内圧を所定の圧力、例えば99.3kPa(大気圧より、約2.0kPa低い)にまで安定的に減圧する。内圧センサ11は、すぐに負圧状態になる細いチャージ通路20に設けられており、それに対して燃料タンク9は容量が大きいため、センサ11が負圧を示す時でも燃料タンク9が実際には負圧になっていないことがある。したがって、減圧部63は、安定した負圧状態にするため、オープン減圧をした後にフィードバック減圧を行う。
【0044】
ここで、図5を参照してオープン減圧およびフィードバック(F/B)減圧について説明する。減圧部63は、最初に行われるオープン減圧(時間0〜t1)において、予めROM92に格納されているオープン減圧目標流量テーブルを検索して現在のタンク内圧に応じたパージ流量を算出し、そのパージ流量に対応する開弁量にパージ制御弁30を設定する。その後、ベントシャット弁26を閉じ、バイパス弁24およびパージ制御弁30を開いてタンク系を減圧する。この減圧を所定回数繰り返すことで、ある圧力までタンク系を減圧する。
【0045】
減圧部63は、オープン減圧を実行した後にF/B減圧(t1〜t4)を実行する。内圧センサ11の出力が、減圧目標値の下限値POBJL(たとえば、98.9kPa)に達したとき、次の減圧目標値を、その上限値POBJH(たとえば、99.3kPa)に変更する。現在のタンク内圧および減圧目標値に基づいて、タンク内圧が減圧目標値に達するようパージ流量QOBJLを算出し、算出されたパージ流量に対応する開弁量にパージ制御弁30を設定する。その結果パージ流量は減少し、それに応じてタンク内圧は上昇する(t1〜t2)。次に、内圧センサ11の出力が上限値POBJHに達したとき、タンク内圧の減圧目標値をその下限値POBJLに変更し、現在のタンク内圧および減圧目標値に基づいて、タンク内圧が減圧目標値に達するようパージ流量QOBJHを算出し、算出されたパージ流量に対応する開弁量にパージ制御弁30を設定する。その結果パージ流量は増加し、それに応じてタンク内圧は減少する(t2〜t3)。
【0046】
このように、減圧目標値の上限値および下限値の間で、パージ流量を増減させながら復圧および減圧を繰り返すと、パージ流量がその下限値QOBJLにはりつく(参照番号85)。すなわち、目標タンク内圧を下限値に持ち替えてパージ流量を増加しても、タンク内圧が目標下限値まで下がらなくなる。これは、タンク内圧が上限値と下限値の間の負圧状態であって、パージ流量を変えてもタンク内圧が変わらない安定点に達したことを示し、このような状態に達した時、F/B減圧を終える。パージ流量が上限値にはりつき、目標タンク内圧を上限値に持ち替えてパージ流量を減少させても、タンク内圧が目標上限値まで上がらなくなる場合も同様である。F/B減圧を行うことにより、内圧センサ11により示される圧力と実際のタンク内圧の差圧がほぼゼロになる。減圧モードに要する時間は、例えば30秒〜40秒である。
【0047】
図4に戻り、リークチェック部65は、すべての弁24、26および30を閉じ、リークチェックモードに移行する。タンク系にリークが無ければ、負圧はほぼ保持されたままとなり、破線73に示されるように、復帰する圧力量(これは、ベーパの影響による)が小さい。タンク系にリークが有れば、実線71に示されるように復帰する圧力量が比較的大きい。0.5mmという非常に小さい穴を検出する必要があるので、リークチェックモードに要する時間は、例えば30秒である。
【0048】
ベーパチェック部66は、バイパス弁24およびベントシャット弁26を開き、ベーパチェックモード(圧力復帰モード)に移行して、タンク系を大気圧に戻す。ベーパチェック部66は第2のリーク判定部79を備え、第2のリーク判定部79は、正圧から大気圧に向けてタンク内圧が変動した場合には、リークチェック中にベーパの発生等により正圧にまで変動しており、正確な圧力変動量を算出できないので、リークの有無の判定を禁止する。反対に、負圧から大気圧に変動した場合には、リークチェック中の単位時間あたりの圧力変動量から、補正チェック部により算出された補正値に係数を掛けた値を引いた値に基づいて、タンク系のリークの有無を判定する。リーク有りと判定したならば、第2のリーク判定部79は第2のリーク有りフラグに1を設定し、RAM93に記憶する。このリークの有無の判定では、0.5mm径ほどの微小な穴を対象としたリークを検出することが可能である。ベーパチェックモードに要する時間は、たとえば3秒である。
【0049】
リークチェック部65は大穴判定部78を備え、タンク系における大穴(大量リーク)の有無を判定する。大穴判定部78が大穴を判定するのに使用するパラメータについて、図6を参照して述べる。
【0050】
図6の実線75は、燃料タンク9に大穴がある場合のタンク減圧モニターにおいて内圧センサ11により検出される圧力の遷移を示す。点線72は、図4の実線71に対応し、燃料タンク9に微小な穴によるリークがあるときの圧力の遷移を示す。燃料タンク9に大穴がある場合、燃料タンク9は大気開放モードに移行する前から大気圧になっており、またバイパス弁を閉じても大気圧のままであるので、大気開放モードおよび補正チェックモード中の圧力は大気圧のまま変化しない。大気開放部61は、大気開放モード終了時のタンク内圧をP1としてRAM93に記憶し、補正チェック部62は、補正チェックモード開始時と終了時のタンク内圧をそれぞれP2およびP3としてRAM93に記憶する。
【0051】
減圧部63が減圧モードに移行してタンク系を減圧すると、前述したように内圧センサ11の位置がチャージ通路20にあるために、大穴が存在するにもかかわらず内圧センサ11は負圧の値を示す。リークチェック部65が、パージ制御弁30およびバイパス弁24を閉じてリークチェックモードに移行すると、実際の燃料タンク9の内圧は大気圧なので、タンク系全体の圧力が平衡状態になろうとして、センサ11から検出される圧力は急速に復圧して大気圧に向かう。減圧部63は、減圧モード終了時のタンク内圧をP4としてRAM93に記憶し、リークチェック部65は、リークチェック開始直後(たとえば、t5=0.1秒)および所定時間経過後(たとえば、t6=5秒)のタンク内圧を、それぞれP5およびP6としてRAM93に記憶する。さらに、減圧部63は、減圧の処理時間をT4として記憶する。
【0052】
大穴判定部78は、第1のリーク有りフラグ、上記のタンク内圧P1〜P6および減圧処理時間T4に基づき、以下の判定条件(1)〜(6)に従って大穴を判定する。
(1)内圧監視モニターでリーク有りと判定され、第1のリーク有りフラグに1に設定されること。
(2)P3−P2≦所定値S1が成立していること。ここで、所定値S1は、たとえば133.3Paである。
(3)P5−P4>所定値S2が成立していること。ここで、所定値S2は、たとえば1066.6Paである。
(4)|P1−P5|<所定値S3が成立していること。ここで、所定値S3は、たとえば400.0Paである。
(5)P6−P5<所定値S4が成立していること。ここで、所定値S4は、たとえば200.0Paである。
(6)減圧処理時間T4が、所定時間以上であること。ここで、所定時間S5は、たとえば5.5秒である。
【0053】
条件(1)は、内圧監視部57は1mm径以上の穴に起因するリークを検出するので、大穴があれば当然ここでリーク有りと判定されるからである。条件(2)は、大穴があれば、補正チェックモードにおいて大気圧からの圧力上昇がほとんど無いからである。条件(3)は、大穴があれば、減圧終了時でも実際のタンク内圧が大気圧付近であるため、リークチェック開始直後に大きな圧力変動が現れるからである。条件(4)は、大穴があれば、リークチェック開始直後に大気圧付近に復圧するからである。条件(5)は、大穴があれば、リークチェックモードで大気圧付近まで復圧した後、圧力が変動しないからである。
【0054】
条件(6)は、燃料満タン時に作動するフロート弁46が作動している場合と区別するためのものである。フロート弁46が作動していると、燃料タンク9を含まない系に対して大穴が判定されるので、実際に燃料タンクに大穴があるかどうか判定することができない。したがって、フロート弁46が作動している場合には、減圧処理時間が非常に短いことに着目して、減圧完了までに所定時間以上かかった場合にのみ大穴の判定を行う。
【0055】
大穴判定部78は、上記の判定条件(1)〜(6)のすべてが満たされた場合に大穴と判定し、大穴が検出されたならば大穴有りフラグに1を設定する。こうして、良好な精度で大穴を検出することができる。しかし、上記の判定条件(1)〜(6)のうちのいくつかのみを用いて大穴の判定を行うようにしてもよい。
【0056】
MIL点灯制御部81は、第1のリーク判定部77からの第1のリーク有りフラグ、第2のリーク判定部79からの第2のリーク有りフラグ、およびその他の故障診断(図示せず)からの故障有りを示す信号(以下、その他故障有りフラグという)のいずれかが1に設定されていれば、点灯フラグに1を設定してMIL36を点灯する。その他故障有りフラグは、上記リーク以外の、たとえば触媒の劣化、スロットルセンサや広域空燃費センサなどの各種センサの故障のような、車載診断装置により検出されるその他の故障を示し、いずれかの故障が検出されたならば1に設定される。点灯フラグは、MIL点灯制御部81により設定される、MIL36を駆動する制御信号であり、点灯するときは1に、消灯するときはゼロに設定される。
【0057】
MIL点灯制御部81は、大穴以外のリークおよびその他の故障が1回検出されてMIL36を点灯すると、誤診断と判断されない限り運転中に自動的にMILを消灯することは行わない。一方、MIL点灯制御部81は、大穴によるリークに起因してMIL36を点灯すると、第1のリークが検出されなくなったことに応答して自動的にMIL36を消灯する。
【0058】
図7に、大穴判定に関するMILの点灯および消灯のタイミングの好ましいパターンを2つ示す。図7の(a)のパターンを参照して、現在の運転サイクルの時間t1において第1のリーク判定部77により第1のリークが検出されると、第1のリーク有りフラグが1に設定され、その後時間t2において大穴判定部78により大穴が検出されると、大穴有りフラグが1に設定される。それぞれのフラグはRAM93に記憶される。MIL点灯制御部81は、第1のリーク有りフラグを調べ、第1のリーク有りフラグが1であるので、点灯フラグに1を設定してMIL36を点灯する。
【0059】
この実施例におけるリーク判定および大穴判定は1つの運転サイクル中に1回だけ実行されるので、ある運転サイクル中にMIL36が1回点灯されると、MIL36は、この運転サイクル中点灯し続ける。なお、図7の(a)では時間t2においてMIL36を点灯させているが、時間t1において第1のリーク有りフラグを調べ、MIL36を点灯させるようにしてもよい。
【0060】
次に、たとえばユーザーが時間t2〜t3の間にフィラーキャップを閉め直して大穴を解消すると、以降の運転サイクルの時間t3で実行された第1のリーク判定ではリークが検出されないので第1のリーク有りフラグはゼロに設定され、その後の時間t4で実行された大穴判定処理において大穴が検出されないので、大穴有りフラグはゼロに設定される。
【0061】
MIL制御部81は、時間t4において、第1のリーク有りフラグがゼロに設定されているかどうか調べ、ゼロならば、さらに大穴有りフラグが1からゼロに変わったかどうか調べる。第1のリーク有りフラグがゼロであり、大穴有りフラグが1からゼロに変わったならば、前回の運転サイクルで立てられた第1のリーク有りフラグは大穴に起因するものであって、今回の運転サイクルで大穴が解消されたと判断する。その結果、その他故障有りフラグがゼロの場合には、点灯フラグにゼロを設定してMIL36を消灯する。
【0062】
こうして、大穴によるリークに起因して点灯したMILを、大穴の解消に応じてタイミング良く消灯することができる。この例によると、従来のように大穴が解消されリークが検出されなくなったにもかかわらずMILが点灯し続けることを回避することができる。
【0063】
図7の(b)のパターンによると、現在の運転サイクルの時間t1において第1のリーク判定部77により第1のリークが検出されると第1のリーク有りフラグが1に設定され、その後時間t2において大穴判定部78により大穴が検出されると、大穴有りフラグが1に設定される。それぞれのフラグはRAM93に記憶される。MIL点灯制御部81は第1のリーク有りフラグを調べ、第1のリーク有りフラグが1に設定されているので、点灯フラグに1を設定してMILを点灯する。
【0064】
時間t2〜t3の間に大穴が解消されたとすると、以降の運転サイクルの時間t3において実行された第1のリーク判定ではリークが検出されないので、第1のリーク有りフラグがゼロに設定され、その後の時間t4で実行された大穴判定処理では大穴が検出されないので、大穴有りフラグはゼロに設定される。
【0065】
MIL制御部81は、次の運転サイクル開始時に、前回の運転サイクル(図7の(b)では、「以降の運転サイクル」に対応する)において第1のリーク有りフラグがゼロに設定されたかどうか調べ、ゼロならば、さらに前々回の運転サイクル(図7の(b)では、「現在の運転サイクル」に対応する)の大穴判定処理で1に設定された大穴有りフラグが、前回の運転サイクルの大穴判定処理でゼロに変わったかどうか調べる。前回の運転サイクルにおいて、第1のリーク有りフラグがゼロであり、大穴有りフラグが1からゼロに変わったならば、前々回の運転サイクルで立てられた第1のリーク有りフラグは大穴のリークに起因するものであって、前回の運転サイクルで大穴が解消されたと判断する。その結果、その他故障有りフラグがゼロの場合には、点灯フラグにゼロを設定してMIL36を消灯する。このパターンにおいても、大穴によるリークに起因して点灯したMILが、大穴が解消された後も点灯し続けるということを回避することができる。
【0066】
図2を参照してそれぞれの機能ブロックについて説明したので、以下に、それぞれの機能ブロックが実行する処理を流れ図にして具体的に示す。この流れ図中のタンク内圧P1〜P6、減圧時間T4および所定値S1〜S5の表記は、上記の判定条件(1)〜(6)で示されたものと同じ意味で用いられている。また、第1および第2のリーク有りフラグおよび大穴有りフラグは、それぞれの運転サイクル開始時に初期値としてゼロが設定されている。
【0067】
内圧監視モニター
図8および図9は、内圧監視部57により実行される内圧監視モニター処理の流れ図を示す。内圧監視モニター処理の完了時に1に設定される完了フラグが1でないとき(201)、図8の処理が開始する。後に図9を参照して説明する処理で1に設定されるバイパス弁許可フラグが1になっている状態では(202)、処理は図9に進み、1になっていなければステップ203以下の処理に進む。
【0068】
今回検出したタンク内圧と前回検出しRAM93に記憶されたタンク内圧との差の絶対値が所定値以上であるかどうかを比較することによって、タンク内圧が急激に変化したかどうかを判定する(203)。タンク内圧の急変は、たとえば車の急発進などにより燃料液面が揺れ、燃料がタンク壁面に触れて急激に気化するときに生じる。このような状態は、ベーパーのリーク検出を行うのに適さないので、処理を抜ける。
【0069】
タンク内圧の急変がないと判定されると、ステップ204に移り、燃料消費量が所定値以上であるかどうかを判定し、所定値以上でありかつ回数ダウンカウンタがゼロになっていれば、後述するバイパス弁オープン判定処理に入る(206)。これは、図8のステップ207以下の処理を所定回数実行しても1mmOKフラグに1が設定されず、1mm径基準をクリアできない状態を意味する。
【0070】
ステップ204における燃料消費量の算出は、処理のバックグラウンドで実行されている。すなわち、CPU91は、バックグラウンドで所定期間における燃料噴射弁6の開弁時間の和に所定の係数をかけてこの所定期間における燃料消費量に変換し、これをRAM93に記憶し、所定期間ごとに書き替えている。
【0071】
ステップ204において燃料消費量が所定値より小さいとき、またはステップ205においてカウンタ値がゼロでない、すなわち予定のモニター反復回数に達していないときは、ステップ207に移り1mmOKフラグが1に設定されているかどうか調べる。この1mmOKフラグは、始動後オープン処理で1mm径基準をクリアするとき、または後述するステップ210、212において設定される。
【0072】
1mmOKフラグが1に設定されていなければ、ステップ208に進み、センサ11が現在示すタンク内圧またはセンサ11の出力を所定回サンプリングした平均値(この明細書で、単に現在のタンク内圧というときは、処理の性質に応じて1回の測定値であってもよく、複数回サンプリングした値の平均値であってもよい。)がRAM93に記憶されているそれまでのタンク内圧の最大値より大きければ、RAM93の最大値を現在のタンク内圧で書き換え、現在のタンク内圧がRAM93に記憶されているそれまでのタンク内圧の最小値より小さければRAM93に記憶されている最小値を現在のタンク内圧で書き替える。
【0073】
こうして更新された最大値および最小値の差、すなわちタンク内圧の変動幅が所定値以上であれば(209)、1mm径以上の穴によるリークは無いと判定し、1mmOKフラグを1に設定する(210)。ここで判定に用いる所定値は、始動時のエンジン水温(TW)をパラメータとしてROM92に格納されているマップから読み出した値を使用する。
【0074】
タンク内圧の変動幅が所定値より小さいときは、ステップ211に進み、始動後オープン処理において大気開放して測定しRAM93に記憶されているタンク内圧PM0と、内圧センサ11から得られる現在のタンク内圧PM1との差が1mm径以上の穴によるリークを検出するための判定値(たとえば266.6Pa)以上であれば(211)、タンク系が負圧を保持する機能をもっており1mm径基準によるリークは無いと判定して1mmOKフラグを1に設定する(212)。
【0075】
ステップ213に進み、PM0―PM1が0.5mm径基準の判定値(たとえば666.6Pa)以上であるかどうかが判定される。この判定値以上であれば、タンク系は大きな負圧を保持する機能を持っており0.5mm径基準のリークが無いと一応判断することができる。しかし、車が高負荷で運転している状態、および車が高い場所から低い場所に移動する最中であって大気圧が高くなる方向に大きく変化している状態のような、特別な要因でリークの有無とは関係なくタンク内圧が負圧になることがあるので、ステップ214のキャンセル処理サブルーチンに入り、このような特別な要因がないと判定されると(すなわち、ステップ213の判定結果をキャンセルしないとされると)、0.5mmOKフラグを立てる(215)。次に、回数カウンタがゼロに達していなければ(216)、回数カウンタを1減らして(217)処理を抜け、回数カウンタがゼロに達していればそのまま処理を抜ける。
【0076】
内圧監視モニター処理を実行するプログラムは、図8の実施例においては、予め設定された時間間隔、たとえば80ミリ秒ごとに呼び出され、回数カウンタがゼロになるまで(205)繰り返される。回数カウンタがゼロになると、図9に示すバイパス弁オープン判定処理(206)に移る。バイパス弁オープン処理のステップ312または313で内圧監視モニター完了フラグが立てられると、図8の処理は、ステップ201でこのフラグを検出して処理を抜ける。
【0077】
バイパス弁オープン処理
図9に示されるバイパス弁オープン処理は、図8の処理において回数カウンタの値がゼロになったとき(205)に開始する。また、バイパス弁許可フラグが立っていることが検出されるとき(202)は、図9のステップ304から入る。図8のステップ208で更新されたタンク内圧の最大値が、始動後オープン処理で検出されRAM93に記憶された、大気開放したときに測定されたタンク内圧PM0より所定値以上大きいかどうかが判定され(301)、大きいときはタンク系が始動時以後、正圧を保持する機能を持っていたことになるので、内圧監視モニター完了フラグを立てて(313)、処理を終了する。ステップ301の判定で用いられる所定値は、始動時のエンジン水温(TW)をパラメータとする値で、ROM92にテーブルの形で格納されている。
【0078】
ステップ301での比較の結果がノーのときは、バイパス弁を開く許可フラグを立て(302)、図9に示す処理に費やす予め決められた時間をタンク系判定タイマーに設定する(303)。こうして設定されたタイマー値は当初ゼロではないのでステップ304を経てステップ305に進み、パージ制御弁30を閉じる。ステップ306は、パージ制御弁の閉弁が安定するのを待つステップで、当初は遅延タイマーがゼロに達していないから、ステップ308に進み、現在のタンク内圧PM2をRAM93に記憶する。
【0079】
図9の処理ルーチンも図8の処理ルーチンと同様に所定の時間間隔、たとえば80ミリ秒ごとに呼び出される。したがって、ステップ308を経て処理を抜けた後、再びこの処理に入り、遅延タイマー306がゼロになっていれば、バイパス弁およびベントシャット弁を開きタンク系を大気圧に開放する(307)。ステップ309において、大気開放後の現在のタンク内圧PM3が大気開放前のタンク内圧PM2から所定値以上増したかどうかを判定し、増していればタンク系は負圧を維持する機能を持っていたことになるので、1mm径以上の穴によるリークは無いと判定し、1mmOKフラグを立て(310)、内圧監視モニター完了フラグを立てて処理を抜ける(312)。
【0080】
ステップ309以降において、第1のリーク判定を行う。ステップ309の判定で負圧から大気圧に向かっての変動が所定値に達しないときはステップ311に移り、PM2―PM3が所定値以上であるかどうか、すなわち大気開放後のタンク内圧PM3が大気開放前のタンク内圧PM2から所定値以上小さくなったか(正圧から大気圧に向かって大きく変動したか)を判断する。ここでの所定値は、ステップ309で用いた値とは異なる値であってもよく、典型的にはROM92に格納されているエンジン始動時の水温(TW)をパラメータとするテーブルから読み出した値を用いる。
【0081】
圧力の変動が大きければ、タンク系は圧力を維持する機能を持っていたことになるが、正圧からの変動は微小な穴によるリークの有無を検出するのに適さないので、OKフラグを立てることなく完了フラグを立てて(312)処理を抜ける。ステップ311で圧力の変動が大きくないと判定されるときは、さらに判定処理を繰り返すため、完了フラグを立てることなく処理を抜ける。
【0082】
判定処理を繰り返し、タンク系判定タイマーがゼロになると(304)、ステップ314においてステップ311と同様の判定を行い、正圧から大気圧に向かっての変動が大きければ完了フラグを立てて処理を終了する。変動が大きくなければ、タンク系が圧力を維持する機能を持っていないということなので、タンク系にリークが有ると判定し、第1のリーク有りフラグに1を設定してRAM93に記憶し(315)、内圧監視モニター完了フラグを立てて処理を終了する。第1のリーク有りフラグは、上記の大穴判定条件の(1)で使用される。
【0083】
次に、タンク減圧モニターを構成する大気開放、補正チェック、減圧、リークチェックおよびベーパチェックのそれぞれの処理について順次説明する。それぞれの処理ルーチンは、タンク減圧モニター完了フラグが1に設定されるまで、または次の処理ルーチンに移るまで、上記と同様に所定の時間間隔(たとえば、80ミリ秒)で呼び出される。
【0084】
大気開放モード
図10は、大気開放部61により実行される大気開放処理の流れ図を示す。大気開放処理の完了時に1に設定される完了フラグが1でないとき(501)、図10の処理が開始する。ステップ502において、バイパス弁およびベントシャット弁を開き、パージ制御弁を閉じて、排出抑止系31全体を大気開放する。ダウンタイマーである大気開放タイマーがゼロになって所定時間経過したならば(503)、ステップ504に進んで大気開放完了フラグに1を設定する。ステップ505に進み、内圧センサ11の出力を大気開放終了時のタンク内圧P1としてRAM93に記憶する。タンク内圧P1は、上記の大穴判定条件(4)で使用される。大気開放モードが終了するとき、次の補正チェックモードを実行できるよう補正チェック許可フラグに1を設定する(506)。
【0085】
補正チェックモード
図11は、補正チェック部62により実行される補正チェック処理の流れ図を示す。、大気開放処理の完了時に設定される補正チェック許可フラグが1ならば補正チェック処理を開始する(601)。ステップ602において、バイパス弁24およびパージ制御弁30を閉じ、ベントシャット弁26を開く。
【0086】
ステップ603でダウンタイマーであるタンク内圧読み込みタイマーがゼロでなければ、内圧センサ11の出力を検出して、タンク内圧の初期値P2としてRAM93に記憶する(604)。タンク内圧読み込みタイマーを設けたのは、バイパス弁24を開いた状態から閉じるとタンク内圧が変動するため、所定時間経過して圧力がある程度落ち着いた時のタンク内圧を読み込むためである。
【0087】
所定時間経過して、タンク内圧読み込みタイマーがゼロになったとき(603)、補正チェックタイマーがゼロかどうか判断する(605)。補正チェックタイマーは、補正値算出に必要な時間が経過したかどうかを判断するためのものであり、上記のタンク内圧読み込みタイマーより大きい値に設定される。補正チェックタイマーがゼロになったならばステップ606に進む。
【0088】
ステップ606では、現在のタンク内圧P3と、ステップ604でRAM93に記憶されたタンク内圧の初期値P2とを比較し、タンク内圧が負圧側へ所定値以上変動しているかどうかを判断する。負圧側へ変動していれば、燃料タンク内の温度が低下することにより蒸発燃料が液化している状態であり、適切な補正値を得ることができないので、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定し(610)、この運転サイクルにおけるタンク減圧モニターを禁止する。
【0089】
ステップ606で負圧側への変動がなければ、単位時間あたりのタンク内圧の変動量を示す補正値RVARを、以下の式に従って算出する(607)。
【0090】
【数1】
補正値RVAR =(P3−P2)/ 補正チェックタイマー経過時間
【0091】
ステップ608に進み、算出された補正値RVARが所定値以上であれば、ベーパが大量に発生して二方向弁23の正圧側コントロール圧にタンク内圧がはりついている可能性があり、そのような状態で算出された補正値は適切な値でないので、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定して(610)、以降のタンク減圧モニターを禁止する。補正値RVARが所定値より小さければ、補正チェック許可フラグにゼロを設定し、次の減圧モードを実行するため減圧許可フラグに1を設定する(609)。得られた補正値RVARおよび(P3−P2)の値は、それぞれRAM93に記憶され、ベーパチェックモードおよび大穴の判定条件(2)で使用される。
【0092】
減圧モード
図12および図13は、減圧部63により実行される減圧処理の流れ図を示す。補正チェック処理の完了時に設定される減圧モード許可フラグが1ならば、減圧処理を開始する(701)。さらに、オープン減圧完了時に設定されるFB減圧許可フラグが1ならば、ステップ720のFB減圧のサブルーチンに入る。当初はFB減圧許可フラグがゼロなので、ステップ703に進み、ダウンカウンタであるオープン減圧カウンタを1減らして、カウンタがゼロになったかどうか判定する(704)。カウンタがゼロでなければ、予めROM92に記憶されている目標流量検索テーブルを検索し(705)、現在のタンク内圧に応じて目標パージ流量を決定し、決定された目標パージ流量に応じた開弁量だけパージ制御弁を開く。さらに、バイパス弁を開き、ベントシャット弁を閉じて、タンク系を減圧するオープン減圧を実行する(706)。このオープン減圧は、ステップ703に示されるようにオープン減圧カウンタの回数だけ繰り返し実行される。
【0093】
ステップ704でカウンタがゼロになったならば、FB減圧許可フラグに1を設定し(707)、FB減圧で使用されるFB減圧タイマーおよび完了タイマーに時間を設定し(それぞれ、たとえば30秒および5秒に設定される)、流量持替フラグにゼロを設定する(708)。
【0094】
図13はFB減圧サブルーチンを示し、図12のオープン減圧が完了してFB減圧許可フラグに1が設定され(707)後、ステップ702においてFB減圧許可フラグが1と判断された時に実行される。
【0095】
ステップ721で流量持替フラグが1かどうか判断され、オープン減圧終了時はゼロなので(図12のステップ708)、ステップ722に進む。タンク内圧が、目標タンク内圧の下限値POBJLに達したならば、持替フラグを今度は1に設定し、目標タンク内圧を上限値POBJHに持ち替える(723)。反対に、ステップ721において持替フラグが1で、目標タンク内圧の上限値POBJHに達したならば、持替フラグをゼロに設定する(724および725)。このように、目標タンク内圧をその上限値および下限値の間で交互に持ち替えることにより、図5に示されるようにタンク内圧を目標タンク内圧の上限値と下限値の間で収束させる。
【0096】
ステップ726に進み、目標タンク内圧および現在のタンク内圧の差に基づいて目標パージ流量を算出する。ここで、kは、圧力をパージ流量に換算するための係数である。ステップ727で、バイパス弁を開き、ベントシャット弁を閉じ、さらにステップ726で算出された目標パージ流量に対応する開弁量だけパージ制御弁を開いて、FB減圧を実行する。
【0097】
FB減圧を開始した後、ステップ731および732において、目標パージ流量が、目標パージ流量の下限値QOBJLおよび上限値QOBJHの間にあるかどうか判断する。間にあるならば、完了タイマーをリセットしてスタートさせる(733)。完了タイマーは、前述したようにたとえば5秒に設定されるダウンタイマーであり、目標パージ流量が上限値または下限値にはりついてからの経過時間を測定する。FB減圧は、完了タイマーがゼロになった時、すなわち目標パージ流量が上限値または下限値にはりついて所定時間経過した時に終了するので、上限値および下限値の間にある場合にはタイマーをリセットする。
【0098】
ステップ732でノーであるならば、パージ流量が目標パージ流量の上限値にはりついているということなので、目標パージ流量をその上限値QOBJHに設定し直す(734)。一方、ステップ731でノーであるならば、パージ流量が目標パージ流量の下限値にはりついているということなので、目標パージ流量をその下限値QOBJLに設定し直す(735)。
【0099】
ステップ741では、完了タイマーがゼロかどうか判断し、ゼロならば、パージ流量が下限値にはりついて所定時間経過したことを示すので、ステップ742に進み、減圧タイマーが所定時間(たとえば、24.5秒)以上かどうか判断する。減圧タイマーは、前述したようにたとえば30秒に設定されたダウンタイマーなので、このステップは、減圧処理時間T4が5.5秒(上記の大穴判定条件(6)の所定値S5に対応する)以上かかったかどうかを判断している。減圧処理時間T4が5.5秒以内ならば、ステップ742の条件がイエスとなり、ステップ743に進む。このような短時間で減圧処理が終了したということは、燃料タンク9が満タンでフロート弁46(図1)が作動したためと考えられるので、フロート弁作動フラグに1を設定する。このフロート弁作動フラグは、上記の大穴判定条件(6)で使用される。減圧処理時間が5.5秒より長くかかったならば、フロート弁46が作動していないと考えられるので、ステップ736へ進む。
【0100】
ステップ736では、減圧タイマーがゼロかどうか判断し、所定時間経過してゼロになったならば、減圧処理を終えるため、減圧モード終了時のタンク内圧をP4としてRAM93に記憶する(738)。また、ステップ736で減圧タイマーがゼロでなくても、目標パージ流量が下限値にはりついて所定時間(5秒)経過した場合には(737)、減圧を終了させるためステップ738に進む。ステップ739において、次のリークチェックモードに移行するためリークチェック許可フラグに1を設定し、さらに大穴判定処理で使用するオープン無フラグをリセットする。
【0101】
リークチェックモード
図14〜図16は、リークチェック部65により実行されるリークチェック処理の流れ図を示す。減圧モード処理の完了時に1に設定されるリークチェック許可フラグが1ならば(801)、リークチェック処理を開始する。
【0102】
ステップ802では、バイパス弁24、ベントシャット弁26およびパージ制御弁30をすべて閉じる。ステップ803に進み、タンク内圧読み込みタイマーがゼロかどうか判断する。タンク内圧読み込みタイマーがゼロでなければ、内圧センサ11の出力を検出し、タンク内圧の初期値P5としてRAM93に記憶する(804)。タンク内圧読み込みタイマーを設けたのは、前述したように、所定時間経過して程度落ち着いたタンク内圧を読み込むためである。
【0103】
ステップ803でタンク内圧読み込みタイマーがゼロならば、ダウンタイマーである復圧履歴監視タイマー(たとえば、5秒に設定される)がゼロかどうか判断し(805)、最初はゼロでないのでステップ830に進み、第1の大穴判定サブルーチンを実行する。第1の大穴判定サブルーチンでは、前述した大穴判定条件の(1)から(5)について判断する。第1の大穴判定サブルーチンを実行した後、ステップ809に進む。リークチェックタイマーがまだゼロになっていないのでステップ816に進み、大穴判定終了後に立てられる大穴判定済みフラグが1でないので、いったんこの処理ルーチンを抜ける。
【0104】
再びこの処理ルーチンに入ったとき、ステップ805で復圧履歴タイマーがゼロならば(すなわち、5秒経過したならば)、大穴判定済フラグが1かどうか判断し(806)、最初はこのフラグは立っていないので、ステップ850に進んで第2の大穴判定サブルーチンを実行する。第2の大穴判定サブルーチンでは、前述した大穴判定条件の(6)について判断した後に、最終的に大穴の有無を判定する。その後、大穴判定済みフラグに1が設定される(814)。このように、第1および第2の大穴判定サブルーチンは、リークチェック処理が開始してから5秒以内に1回だけ実行される。
【0105】
大穴判定が実行されて大穴判定済フラグに1が立つと、ステップ807以下の復圧履歴監視を実行する。復圧履歴監視は、ステップ808でリセットされる復圧履歴タイマーの計測時間ごとに、ステップ808で読み込んだタンク内圧を時系列にRAM93に記憶し(すなわち、前回のタンク内圧をP6(n)、前々回のタンク内圧をP6(n-1)...と記憶する)、ステップ807でタンク内圧の圧力変動量を算出する。すなわち、現在のタンク内圧P6および前回のタンク内圧P6(n)の差P6−P6(n)(これを、△Pxとする)と、前回のタンク内圧P6(n)および前々回のタンク内圧P6(n−1)の差P6(n)−P6(n−1)(これを、△Pyとする)を算出し、△Pxと△Pyとの差の絶対値|△Px−△Py|が所定値(たとえば、400.0Pa)以上ならば、燃料タンクが満タンでフロート弁が作動している状態と判断し、このような状態では適切な圧力変動量を算出できないので、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定して、この運転サイクルのタンク減圧モニターを禁止する(815)。
【0106】
復圧履歴監視を終えた後、ステップ809に進み、リークチェックタイマーがゼロかどうか判断する。所定時間経過してゼロになると、現在のタンク内圧P6およびステップ804で記憶されたタンク内圧の初期値P5に基づいて、以下の式に従い、リークチェックモードの単位時間あたりの圧力変動量LVARを算出する(810)。算出されたLVARはRAM93に記憶され、ベーパチェックモードで使用される。
【0107】
【数2】
【0108】
ステップ811に進み、内圧センサ11の出力を検出し、リークチェック終了時のタンク内圧P7としてRAM93に記憶する。ステップ812に進み、リークチェック許可フラグにゼロを設定し、次のベーパチェックモードを実行するため、ベーパチェック許可フラグに1を設定する。
【0109】
ステップ809でリークチェックタイマーがゼロでなければ、大穴判定済みフラグが1かどうか調べ(816)、1が設定されていれば、現在のタンク内圧P6が、大気圧近傍の所定範囲内にあるかどうか判断する(817)。所定範囲内にあるならばステップ818に進み、現在のタンク内圧P6と、前回のタンク内圧P6(n)との差の絶対値|P6−P6(n)|が、所定値(たとえば、133.3Pa)以上かどうか判断する。所定値より小さければ、圧力がほぼ落ち着いてきており、リークチェックタイマーによる時間経過を待つ必要がないので、ステップ810に進み、単位時間あたりの圧力変動量を算出する。この場合の算出は、以下の式に従う。
【0110】
【数3】
【0111】
上記の処理において、リークチェック開始直後(たとえば、0.1秒後)のタンク内圧P5およびリークチェックを開始して所定時間経過後(たとえば、5秒後)のタンク内圧P6は、上記の大穴判定条件(3)〜(5)で使用される。
【0112】
大穴判定
図15は、上記のステップ830で、大穴判定部78により実行される第1の大穴判定サブルーチンの流れ図を示す。ステップ831において、図14のステップ914で立てられる大穴判定済フラグが1かどうか判断し、最初にこのルーチンに入る時は1でないので、ステップ832に進む。ステップ832では、ステップ833以下に実行する大穴判定条件を1つでも満足しない場合に立てられるオープン無フラグが1かどうか判断し、最初にこのルーチンに入る時は図13のステップ739で設定されたようにゼロなので、ステップ833に進む。
【0113】
ステップ833〜837は、前述した大穴判定条件の(1)から(5)のそれぞれに対応する条件を判断する。ステップ833は判定条件(1)に対応し、内圧監視モニターで第1のリーク有りフラグが1に設定されたか(図9のステップ315)を、RAM93に記憶された第1のリーク有りフラグを読み出して判断する。1が設定されているならば、判定条件(1)を満たし、ステップ934に進む。
【0114】
ステップ834は判定条件(2)に対応し、補正チェックモードでRAM93に記憶された圧力変動量P3−P2(図11のステップ607)が所定値S1(たとえば、133.3Pa)以下かどうか判断する。所定値S1以下ならば、判定条件(2)を満たし、ステップ835に進む。ステップ835は判定条件(3)に対応し、RAM93に記憶された、リークチェック処理の開始直後(例えば、開始から0.1秒後)のタンク内圧P5から、減圧終了時のタンク内圧P4を引いた差が、所定値S2(たとえば、1066.6Pa)以下かどうか判断する。所定値S2より大きければ、判定条件(3)を満たし、ステップ836に進む。
【0115】
ステップ836は判定条件(4)に対応し、RAM93に記憶された、大気開放終了時のタンク内圧P1とリークチェック開始直後のタンク内圧P5とを比較し、その差の絶対値が所定値S3(たとえば、400.0Pa)以上かどうか判断する。所定値S3より小さければ、判定条件(4)を満たし、ステップ837に進む。ステップ837は判定条件(5)に対応し、リークチェック処理を開始してから所定時間経過後(たとえば、5秒)のタンク内圧P6から、リークチェック開始直後のタンク内圧P5を引いた差が、所定値S4(たとえば、200.0Pa)以上かどうか判断する。所定値S4より小さければ、判定条件(5)を満たし、この処理を抜ける。
【0116】
ステップ833〜837の判定条件(1)〜(5)のいずれかを満たさない場合には大穴と判定されないないので、ステップ839に進み、オープン無フラグに1を設定してこの処理を抜ける。
【0117】
図16は、図14のステップ850で、大穴判定部78により実行される第2の大穴判定サブルーチンであり、このサブルーチンで最終的に大穴の有無が判定される。ステップ851において、オープン無フラグがゼロであり、かつフロート弁作動フラグがゼロである場合にのみステップ852に進む。すなわち、図15の第1の大穴判定で判定条件をすべて満たした場合、かつ判定条件(6)に対応する減圧処理時間T4が所定時間S5(たとえば、5.5秒)より長かった場合にのみ、ステップ852で大穴有りフラグに1が設定され、大穴が検出されたことを示す。この実施例では、判定条件(1)〜(6)のすべてを満たす場合にのみ大穴有りと判定するが、判定条件(1)〜(6)のうち、任意の1または複数の条件を使用して大穴判定を行うこともできる。
【0118】
ステップ853では、大穴有りと判定された時の状態をRAM93に記憶する。具体的には、減圧終了時のタンク内圧P4とリークチェック開始直後のタンク内圧P5との差圧、およびその所定差圧(上記の所定値S2)、大穴有りと判定されたことを示すコードなどを記憶する。ステップ854では、大穴有りと判定されたので、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定し、この運転サイクルにおける以降のタンク減圧モニターを禁止する。
【0119】
ベーパチェックモード
図17は、ベーパチェック部66により実行されるベーパチェック処理の流れ図を示す。リークチェック処理の完了時に設定されるベーパチェック許可フラグが1ならば(901)、ベーパチェック処理を開始する。
【0120】
ステップ902で、補正チェックモードにおける燃料消費量RGASと、リークチェックモードにおける燃料消費量LGASとの差の絶対値が、所定値(たとえば、10cc)以上かどうか判断する。燃料消費量は、前述したようにバックグラウンドで算出されている。RGASおよびLGASの差の絶対値が所定値以上ならば、両モードの運転状態が大きく異なるため正確な判定を行うことができないと判断し、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定し、この運転サイクルのタンク減圧モニターを禁止する(911)。この所定値は、微小な穴によるリーク検出に対し、補正チェックモードとリークチェックモードとで運転状態が異なることによる影響を示すデータを実験およびシミュレーションで蓄積し、その結果に基づいて決定する。
【0121】
RGASとLGASとの差の絶対値が所定値より小さければ、バイパス弁24およびベントシャット弁26を開き、パージ制御弁30を閉じて、タンク系を大気圧に開放する(903)。ステップ904に進み、現在のタンク内圧と、リークチェックのステップ811(図14)でRAM93に記憶されたリークチェック終了時のタンク内圧P7とを比較し、タンク内圧が正圧から大気圧に向けて低下したかどうか判断する。
【0122】
正圧から大気圧に向けて所定値(たとえば、133.3Pa)以上低下したならば、ベーパが大量に発生してリークチェック終了時にタンク内圧が正圧にまで変動していたことを示し、判定を正確に行うことができないので、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定してモニターを禁止する(911)。正圧から大気圧に所定値以上低下したのでなければ、判定を行うための最終計測値を、以下の式に従って算出する(905)。
【0123】
【数4】
最終計測値=LVAR−(補正係数*RVAR)
【0124】
ここで、LVARは図14のステップ810で得られたリークチェック中の単位時間あたりの圧力変動量であり、RVARは図11のステップ607で得られた補正チェック中の単位時間あたりの圧力変動量である。補正係数は、補正チェックモードにおける大気圧からの圧力上昇量と、リークチェックモードにおける負圧からの圧力上昇量とは条件が異なるので、それを補正するための係数であり、例えば1.5〜2.0である。
【0125】
ステップ906および907では、第2のリーク判定が行われる。ステップ906において、算出された最終計測値が判定値1(たとえば、1066.6Pa)以上ならば、リークチェックモードの圧力上昇はタンク系のリークによるものと考えられるので、タンク系にリークが有ると異常判定(NG判定)し、第2のリーク有りフラグに1を設定したうえで(908)、OKフラグに「0」を設定する(909)。算出された最終計測値が判定値1より小さければ、ステップ907に進む。
【0126】
ステップ907において、算出された最終計測値が判定値2(たとえば、400.0Pa)以下ならば、リークチェックモードの圧力上昇はベーパの発生によるものと考えられるので、タンク系にリークが無く正常と判定(OK判定)し、OKフラグに「1」を設定する(910)。最終計測値が判定値2より大きければ、すなわち、最終計測値が判定値2より大きく判定値1より小さい場合には、リークの有/無を正確に判定することができないので、タンク減圧モニター完了フラグに1を設定し、タンク減圧モニターを禁止する(911)。
【0127】
点灯制御
図18および図19は、MIL点灯制御部81により実行される点灯制御の流れ図を示し、図7の(a)のパターンに対応する。
【0128】
図18の点灯制御ルーチンは、第1のリーク判定、第2のリーク判定またはその他の故障診断のいずれかが実行されてモニター完了フラグに1が設定されたときに処理が開始する。いずれかのモニターが完了したならば(101)、ステップ103〜107において、今回の運転サイクルでその他の故障、第2のリークおよび第1のリークが検出されたかどうか判断する。いずれかが検出されれば、点灯フラグに1を設定してMILを点灯する(115)。
【0129】
その他の故障も第2のリークも検出されず、今回の運転サイクルで第1のリーク有りフラグが1に設定されたならば(107)、MILを点灯する前に、今回の運転サイクルで大穴有りフラグが1に設定されたかどうか調べる(109)。
【0130】
大穴有りフラグが1に設定されたならば、MIL消去カウンタに1を設定したうえで(111)、MILを点灯する(115)。大穴有りフラグが1に設定されていなければ、すなわち第1のリークのみが検出されたならば、MIL消去カウンタに3を設定したうえで(113)、MILを点灯する(115)。
【0131】
MIL消去カウンタは、MILを消灯するかどうか判断するためのダウンカウンタであり、ゼロになったとき、それに応答してMILは消灯される。この実施例において、MILは、大穴によるリークが改善した場合にのみ早く消灯され、その他のリークおよび故障の場合は誤診断と判断されない限り消灯されないように、ステップ111および113では、大穴が検出された場合とそうでない場合とでMIL消去カウンタは異なる値に設定される。
【0132】
ステップ107において今回の運転サイクルで第1のリーク有りフラグが1でなければ、今回の運転サイクルではいかなる故障およびリークも検出されなかったということなので、ステップ117に進み、消灯制御ルーチンを実行する。
【0133】
図19は、図18のステップ117で実行される消灯制御ルーチンの流れ図を示す。ステップ131においてMIL消去カウンタがゼロより大きいかどうか調べ、ゼロより大きくなければ(すなわち、MIL消去カウンタがゼロならば)、現在MILは点灯していないのでこの処理ルーチンを抜ける。MIL消去カウンタがゼロより大きければ、MILが現在点灯しているので、以降のステップを実行する。
【0134】
ステップ133では、MIL消去カウンタが1減らされる。すなわち、今回の運転サイクルにおいていかなる故障およびリークも検出されなかったときには、MIL消去カウンタを1減らす。その結果、ステップ135においてMIL消去カウンタがゼロになったならば、点灯フラグにゼロを設定してMILを消灯し(137)、MIL消去カウンタがゼロでなければ、そのまま処理を抜ける。
【0135】
図18を参照してわかるように、MIL消去カウンタは、第1のリークおよび大穴が検出された時には1に設定され、第1のリークのみが検出されて大穴が検出されない時は3に設定される。したがって、図7の(a)のパターンのように、前回の運転サイクルにおいて第1のリークおよび大穴が検出されると、MIL消去カウンタは1に設定されてMILが点灯する。その後、今回の運転サイクルにおいて、第1のリークが検出されなければ、MIL消去カウンタがゼロとなり、MILは消灯する。これは、前回の運転サイクルにおいて検出された第1のリークは大穴によるものであり、今回の運転サイクルにおいて大穴が解消されたと判断できるからである。
【0136】
一方、前回の運転サイクルで第1のリークのみ検出されて大穴が検出されなかった場合、図18のステップ111に示すようにMIL消去カウンタは3に設定され、MILが点灯する。その後、今回の運転サイクルで第1のリークが検出されなければ、MIL消去カウンタは1だけ減るが(133)、ゼロにはならないのでMILは点灯し続ける(135)。こうして、大穴によるリークに起因して点灯したMILのみを早く消灯することができる。
【0137】
なお、上記のように第1のリークのみ検出され、この第1のリークが大穴によるものでない場合、図18のステップ113でMIL消去カウンタが3に設定されるように、3回の運転サイクルにわたって第1のリークが検出されなければ、第1のリーク検出が誤診断だったと判断してMILを消灯する。このような判断は、第2のリークおよびその他の故障についても同様に適用されることができる。
【0138】
図20は、図7の(b)のパターンに対応する流れ図を示し、運転サイクル開始時のMILの点灯制御を示す。運転サイクル開始後に、図18に示すような点灯制御をさらに実行することは任意である。
【0139】
図18と異なり、ステップ151で始動モードかどうか判断する。これは、たとえばNEセンサ16(図1)から出力されるエンジン回転数によって判断することができる。始動モードならば、以降のステップを図18に示したのと同様に実行する。すなわち、ステップ153〜157において、前回の運転サイクルにおいて、その他の故障、第2のリークおよび第1のリークのいずれかが検出されたならば、MILを点灯する(165)。前回の運転サイクルで第1のリーク有りフラグが1に設定された場合には(157)、MILを点灯する前に、さらに前回の運転サイクルで大穴有りフラグが1に設定されたかどうか調べる(159)。
【0140】
大穴有りフラグが1に設定されていればMIL消去カウンタを1に設定し(161)、大穴有りフラグが1に設定されていなければMIL消去カウンタを3に設定したうえで(163)、MILを点灯する(165)。ステップ157において、前回の運転サイクルで第1のリーク有りフラグが1に設定されなかったならば、ステップ167に進んで消灯制御ルーチンを実行する。
【0141】
消灯制御ルーチンは、図19と同じである。すなわち、MIL消去カウンタがゼロより大きければMILが点灯中なので、MIL消去カウンタを1減らす。MIL消去カウンタがゼロならば、MILを消灯する。こうして、運転サイクル開始時に、前々回の運転サイクルで大穴によるリークに起因して点灯したMILを、前回の運転で大穴が解消されたと判断されたならば、今回の運転サイクル開始時に消灯することができる。
【0142】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、いくつかの条件を考慮して大量リークを判定することができるので、良好な精度で大量リークを判定することができる。
【0143】
請求項2の発明によると、大量リークに起因して警告灯が点灯している間に大量リーク無しと判定されれば警告灯を消灯するので、大量リークが直ったにもかかわらず警告灯が点灯しつづけることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による蒸発燃料処理装置を示す図。
【図2】この発明に関連するECUの機能ブロック図。
【図3】この発明による蒸発燃料処理装置のリークの有無を判定するときの圧力の変化を示す図。
【図4】図2におけるタンク減圧モニターにおけるタンク内圧の変化を示す図。
【図5】図3における減圧モードにおけるタンク内圧の変化を示す図。
【図6】燃料タンクに大穴があるときの、タンク減圧モニターにおけるタンク内圧の変化を示す図。
【図7】大穴によるリークに起因してMILが点灯している間に、第1のリークが検出されなかったことに応答してMILを消灯するタイミングの2つのパターンを示す図。
【図8】内圧監視モニター処理を示す流れ図。
【図9】バイパス弁オープン判定処理を示す流れ図。
【図10】大気開放処理を示す流れ図。
【図11】補正チェック処理を示す流れ図。
【図12】減圧処理を示す流れ図。
【図13】フィードバック減圧処理を示す流れ図。
【図14】リークチェック処理を示す流れ図。
【図15】第1の大穴判定処理を示す流れ図。
【図16】第2の大穴判定処理を示す流れ図。
【図17】ベーパチェック処理を示す流れ図。
【図18】点灯制御処理の一例を示す流れ図。
【図19】点灯制御における消灯処理を示す流れ図。
【図20】点灯制御処理の他の一例を示す流れ図。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 吸気管
5 電子制御ユニット(制御手段) 6 燃料噴射弁
9 燃料タンク 11 内圧センサ 20 チャージ通路
23 圧力調整弁 24 バイパス弁 26 ベントシャット弁
30 パージ制御弁 36 MIL
Claims (2)
- 燃料タンクと、該燃料タンクとキャニスタを接続するチャージ通路と、該チャージ通路に設けられたバイパス弁と、該キャニスタと内燃機関の吸気管を接続するパージ通路に設けられたパージ制御弁と、該キャニスタに設けられ内部を大気開放する開放口を開閉するベントシャット弁と、を有する蒸発燃料排出抑止系の大量リークを判定するための内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
前記バイパス弁よりも前記燃料タンク側に設けられ、圧力を検出する内圧センサと、
前記蒸発燃料排出抑止系において前記大量リークよりも小さいリークを判定することができるように、該系の圧力を該内圧センサにより監視し、該内圧センサにより検出された圧力の変動が小さいとき、該系内にリークがあると判定する内圧監視手段と、
前記ベントシャット弁およびパージ制御弁を閉じて前記蒸発燃料排出抑止系を減圧する減圧手段と、
前記大量リークを判定する大量リーク判定手段であって、
1)前記内圧監視手段によりリーク有りと判定され、かつ、2)前記減圧後に前記蒸発燃料排出抑止系を閉じることに応じて、所定値以上の圧力上昇が瞬時に起きたことに加え、さらに、
3)前記減圧を開始するのに先立ち、前記蒸発燃料排出抑止系を大気に開放した後に前記バイパス弁を閉じ、前記内圧センサにより検出された圧力が所定期間にわたって大気圧付近に停滞すること、
4)前記2)の圧力上昇において、前記内圧センサにより検出された圧力が、前記3)において前記蒸発燃料排出抑止系を大気に開放した時に前記内圧センサにより検出された圧力付近にまで復圧したこと、
5)前記2)の圧力上昇の後、前記内圧センサにより検出された圧力が、大気圧付近に停滞すること、
6)前記減圧手段が前記蒸発燃料排出抑止系を所定圧まで減圧する時間が、所定時間以上であること、
のうちの少なくとも1つが満たされたならば、大量リーク有りと判定する大量リーク判定手段と、を備える、
蒸発燃料処理装置。 - 前記内圧監視手段によりリーク有りと判定されたとき警告をする警告手段と、
前記警告した時のサイクルにおいて、前記大量リーク判定手段により大量リーク有りと判定され、かつ、その後のサイクルにおいて、前記内圧監視手段によりリーク無しと判定されたならば、前記警告を解除する警告解除手段と、
前記警告した時のサイクルにおいて、前記大量リーク判定手段により大量リーク無しと判定されたならば、前記その後のサイクルにおいて、前記警告を維持する警告維持手段と、
をさらに備える、請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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