JP3187388B2 - 塗料用組成物 - Google Patents

塗料用組成物

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JP3187388B2 JP15812899A JP15812899A JP3187388B2 JP 3187388 B2 JP3187388 B2 JP 3187388B2 JP 15812899 A JP15812899 A JP 15812899A JP 15812899 A JP15812899 A JP 15812899A JP 3187388 B2 JP3187388 B2 JP 3187388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、光沢、肉
持ち性、機械的強度、耐酸性、耐溶剤性等に優れてお
り、しかも長期間の屋外使用における光沢保持性、耐変
色性等の長期耐候性に優れた塗膜を形成し得る塗料用組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、水酸基を含有する重合組成物
に、水酸基と反応可能なポリイソシアネート化合物から
なる架橋剤を配合してなる塗料用組成物が知られてい
る。この塗料用組成物は、乾燥性が良く、常温において
も硬化し、また耐酸性、耐溶剤性等の化学的性質に優れ
ている。また、特に、水酸基を含有する重合組成物とし
て、アクリル系のポリオールを用いた場合には、光沢、
透明性や肉持ち性といった美麗感に優れ、しかも化学的
性質に優れた塗膜を形成することができ、自動車補修剤
や建築用資材、木工用資材等として、屋外で使用される
ことが多い。
【0003】このような塗料用組成物としては、例え
ば、シクロアルキル基を含有する不飽和単量体、水酸基
を含有する不飽和単量体、酸性官能基を含有する不飽和
単量体、およびその他の不飽和単量体を共重合してなる
水酸基含有化合物に、ポリイソシアネート化合物を配合
した塗料用組成物が報告されている(特開平5-28748 号
公報)。
【0004】しかしながら、上記従来の塗料用組成物に
よって形成した塗膜は、長期にわたって使用すると、紫
外線によって光沢、透明性が劣化する等、耐候性が劣る
という問題があった。
【0005】そこで、上記の問題を改善するため、重合
組成物として、重合可能な骨格を有する紫外線吸収剤や
紫外線安定剤と、水酸基を含有する単量体との共重合体
を用いた塗料用組成物が用いられている。このような塗
料用組成物としては、例えば、紫外線安定性単量体、シ
クロアルキル基を含有する不飽和単量体、水酸基を含有
する不飽和単量体、紫外線吸収性単量体、およびその他
の不飽和単量体を共重合してなる水酸基含有化合物に、
ポリイソシアネート化合物を配合した塗料用組成物が報
告されている(特開平6-207142号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の塗料用組成物では、紫外線吸収性単量体として、ベ
ンゾフェノン系誘導体のアクリル酸エステルを用いてい
るが、これから得られる紫外線吸収性共重合体は、最大
吸収波長が比較的短く、従って、地上における太陽光線
の紫外線領域の中で、その積算エネルギーが比較的大き
い長波長領域(320 nm〜400 nm)を吸収するには不充分
であり、充分な長期耐候性をもつ塗料用組成物が得られ
ない。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、透明性、光沢、肉持ち性、
機械的強度、耐酸性、耐溶剤性等に優れており、しかも
300nm〜400 nmの波長領域での紫外線吸収能に特に優
れ、長期間の屋外使用における光沢保持性、耐変色性等
の長期耐候性に優れた塗膜を形成し得る塗料用組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく、塗料用組成物について鋭意検討した結
果、特定の構造を有する紫外線吸収性単量体と、特定の
構造を有するシクロアルキル基含有不飽和単量体と、水
酸基含有単量体とを含む単量体組成物を共重合してなる
共重合体を含み、かつ、上記単量体組成物中の上記特定
の構造を有するシクロアルキル基含有不飽和単量体の含
有量が5重量%〜98.9重量%の範囲内である塗料用
組成物が、透明性、光沢、肉持ち性、機械的強度、耐酸
性、耐溶剤性等に優れており、しかも300 nm〜400 nmの
波長領域での紫外線吸収能に特に優れ、長期間の屋外使
用における光沢保持性、耐変色性等の長期耐候性に優れ
た塗膜を形成し得ることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】即ち、請求項1記載の発明の塗料用組成物
は、上記の課題を解決するために、一般式(1)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
8の炭化水素基を表し、R2 は炭素数1〜6の直鎖状ま
たは枝分れ鎖状のアルキレン基を表し、R3 は水素原子
またはメチル基を表し、Xは水素原子、ハロゲン基、炭
素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、シアノ基またはニトロ基を表す)で表される紫外線
吸収性単量体と、一般式(2)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R10は水素原子または炭素数1〜
2の炭化水素基を表し、Zは置換基を有していてもよい
シクロアルキル基を表す)で表されるシクロアルキル基
含有不飽和単量体と、水酸基含有単量体とを含む単量体
組成物を共重合してなる共重合体を含み、かつ、上記単
量体組成物中の上記シクロアルキル基含有不飽和単量体
の含有量が5重量%〜98.9重量%の範囲内であるこ
とを特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明の塗料用組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1記載の塗料用組成
物において、上記一般式(1)において、R1 およびX
のうち少なくとも一方は水素原子であることを特徴とし
ている。
【0015】請求項3記載の発明の塗料用組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2記載の記
載の塗料用組成物において、上記単量体組成物が一般式
(3)
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R6 は水素原子またはシアノ基を
表し、R7 、R8 はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数1〜2の炭化水素基を表し、R9 は水素原子または
炭素数1〜18の炭化水素基を表し、Yは酸素原子または
イミノ基を表す)で表される紫外線安定性単量体および
/または一般式(4)
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R6 は水素原子またはシアノ基を
表し、R7 、R8 はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数1〜2の炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイ
ミノ基を表す)で表される紫外線安定性単量体をさらに
含むことを特徴としている。
【0020】請求項4記載の発明の塗料用組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜3の何れか1項
に記載の塗料用組成物において、上記共重合体に、1分
子中に水酸基と反応可能な官能基を2個以上有する架橋
剤を配合してなることを特徴としている。
【0021】請求項5記載の発明の塗料用組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項4記載の塗料用組成
物において、上記架橋剤が、ポリイソシアネート化合物
またはその変性物からなることを特徴としている。
【0022】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる共重合体は、前記一般式(1)で表される紫外線
吸収性単量体と、前記一般式(2)で表されるシクロア
ルキル基含有不飽和単量体と、水酸基含有単量体とを含
む単量体組成物を共重合してなる。上記の単量体組成物
は、必要に応じて、前記一般式(3)で表される紫外線
安定性単量体および/または前記一般式(4)で表され
る紫外線安定性単量体を含んでいてもよい。さらには、
上記各単量体以外の単量体を含んでいてもよい。
【0023】本発明にかかる前記一般式(1)で表され
る紫外線吸収性単量体(以下、紫外線吸収性単量体
(1)と記す)は、式中、R1 で示される置換基が水素
原子または炭素数1〜8の炭化水素基で構成され、R2
で示される置換基が炭素数1〜6の直鎖状または枝分れ
鎖状のアルキレン基で構成され、R3 で示される置換基
が水素原子またはメチル基で構成され、Xで示される置
換基が水素原子、ハロゲン基、炭素数1〜8の炭化水素
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニト
ロ基で構成されるベンゾトリアゾール類である。
【0024】上記の紫外線吸収性単量体(1)として
は、具体的には、例えば、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メ
タクリロイルオキシメチル)フェニル〕-2H-ベンゾトリ
アゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メタクリロイルオ
キシエチル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-
〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メタクリロイルオキシプロピ
ル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒド
ロキシ-5'-(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニ
ル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-3'-
t-ブチル-5'-(メタクリロイルオキシエチル)フェニ
ル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-
t-ブチル-3'-(メタクリロイルオキシエチル)フェニ
ル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-
(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5- クロロ
-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メ
タクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5- メトキシ-2
H-ベンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メタ
クリロイルオキシエチル)フェニル〕-5- シアノ-2H-ベ
ンゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル〕-5-t- ブチル-2H-ベン
ゾトリアゾール、2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メタクリロ
イルオキシエチル)フェニル〕-5- ニトロ-2H-ベンゾト
リアゾール等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これら紫外線吸収性単量体(1)は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用い
てもよい。
【0025】本発明にかかる前記一般式(2)で表され
るシクロアルキル基含有不飽和単量体(以下、シクロア
ルキル基含有単量体(2)と記す)は、式中、R10で示
される置換基が水素原子または炭素数1〜2の炭化水素
基で構成され、Zで示される置換基が、置換基を有して
いてもよいシクロアルキル基で構成される化合物であ
る。
【0026】上記のシクロアルキル基含有不飽和単量体
としては、具体的には、例えば、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アク
リレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。シクロアルキル基
含有単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0027】本発明にかかる前記水酸基含有単量体とし
ては、具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレー
ト(例えば、商品名プラクセルFM、ダイセル化学工業
株式会社製)、フタル酸とプロピレングリコールとから
得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレ
ート等、水酸基を有する単量体が挙げられるが、特に限
定されるものではない。水酸基含有単量体は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。
【0028】本発明にかかる前記一般式(3)で表され
る紫外線安定性単量体(以下、紫外線安定性単量体
(3)と記す)は、式中、R6 で示される置換基が水素
原子またはシアノ基で構成され、R7 、R8 で示される
置換基がそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2
の炭化水素基で構成され、R9 で示される置換基が水素
原子または炭素数1〜18の炭化水素基で構成され、Yで
示される置換基が酸素原子またはイミノ基で構成される
ピペリジン類である。上記R7 、R8 で示される置換基
とは、具体的には、例えば、水素原子、メチル基または
エチル基であり、R 9 で示される置換基とは、具体的に
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等である。
【0029】上記の紫外線安定性単量体(3)として
は、具体的には、例えば、4-(メタ)アクリロイルオキ
シ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アク
リロイルアミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン、4-
(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6- ペンタメチル
ピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6
- ペンタメチルピペリジン、4-シアノ-4- (メタ)アク
リロイルアミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン、4-
クロトノイルオキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジ
ン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペ
リジン等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。紫外線安定性単量体(3)は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。
【0030】本発明にかかる前記一般式(4)で表され
る紫外線安定性単量体(以下、紫外線安定性単量体
(4)と記す)は、式中、R6 で示される置換基が水素
原子またはシアノ基で構成され、R7 、R8 で示される
置換基がそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2
の炭化水素基で構成され、Yで示される置換基が酸素原
子またはイミノ基で構成されるピペリジン類である。
【0031】上記の紫外線安定性単量体(4)として
は、具体的には、例えば、1-(メタ)アクリロイル-4-
(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6- テトラメチルピ
ペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4- シアノ-4- (メ
タ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペリ
ジン、1-クロトノイル-4- クロトノイルオキシ-2,2,6,6
- テトラメチルピペリジン等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。紫外線安定性単量体(4)は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。
【0032】また、上記単量体(つまり、紫外線吸収性
単量体(1)、シクロアルキル基含有単量体(2)、水
酸基含有単量体、および紫外線安定性単量体(3)・
(4))以外の単量体、即ち、単量体組成物に必要に応
じて含まれるその他の単量体(以下、その他の単量体と
記す)は、該単量体組成物を共重合してなる共重合体を
含む塗料用組成物が、要求される各種物性を損なわない
化合物であればよい。
【0033】上記その他の単量体としては、具体的に
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸および無水マレイン酸等のカルボキシ
ル基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸およびスルホエチル(メタ)アクリレート等の
スルホン酸基含有不飽和単量体;2-(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルアシッドホスフェート、2-(メタ)アク
リロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2-(メ
タ)アクリロイルオキシ- 3-クロロプロピルアシッドホ
スフェート、2-メタクリロイルオキシエチルフェニルリ
ン酸等の酸性リン酸エステル系不飽和単量体;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレー
ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;グリシジ
ル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和単量
体;(メタ)アクリルアミド、N,N'- ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイ
ミダゾール等の含窒素不飽和単量体;塩化ビニル、塩化
ビニリデン等のハロゲン含有不飽和単量体;スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和
単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテ
ル;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。その
他の単量体は、必要に応じて一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0034】単量体組成物における上記各単量体の含有
量は、特に限定されるものではないが、紫外線吸収性単
量体(1)の含有量は、 0.1重量%〜30重量%の範囲内
が好ましく、1重量%〜20重量%の範囲内がさらに好ま
しく、2重量%〜15重量%の範囲内が特に好ましい。
【0035】単量体組成物における紫外線吸収性単量体
(1)の量が 0.1重量%よりも少ない場合には、得られ
る塗料用組成物の紫外線吸収能が不充分となるので好ま
しくない。一方、紫外線吸収性単量体(1)の量が30重
量%よりも多い場合には、塗料用組成物から形成される
塗膜の光沢や肉持ち感が不充分で、外観が醜悪となると
共に、耐溶剤性、耐薬品性が劣るので好ましくない。
【0036】また、単量体組成物におけるシクロアルキ
ル基含有単量体(2)の含有量は、5重量%〜98.9重量
%の範囲内が好ましく、5重量%〜80重量%の範囲内が
さらに好ましく、10重量%〜70重量%の範囲内が特に好
ましい。
【0037】単量体組成物におけるシクロアルキル基含
有単量体(2)の量が、5重量%よりも少ない場合に
は、塗料用組成物から形成される塗膜の光沢や肉持ち感
が不充分であったり、紫外線吸収性単量体(1)との相
乗効果が薄れ、耐候性が充分発揮されないので好ましく
ない。一方、シクロアルキル基含有単量体(2)の量
が、98.9重量%よりも多い場合には、紫外線吸収性単量
体(1)および水酸基含有単量体の含有量が少なくなり
すぎ、塗料用組成物から形成される塗膜の耐候性が不充
分となると共に、耐溶剤性、耐薬品性が劣るので好まし
くない。
【0038】また、単量体組成物における水酸基含有単
量体の含有量は、1重量%〜45重量%の範囲内が好まし
く、2重量%〜40重量%の範囲内がさらに好ましく、5
重量%〜35重量%の範囲内が特に好ましい。
【0039】単量体組成物における水酸基含有単量体の
量が、1重量%よりも少ない場合には、得られる共重合
体中に含まれる活性水酸基が少なくなり、架橋密度が低
くなり、目的とする塗膜性能が得られないので好ましく
ない。一方、水酸基含有単量体の量が、45重量%よりも
多い場合には、重合安定性が不良となったり、得られる
塗膜の耐水性を低下させるので好ましくない。また、ポ
リイソシアネート化合物またはその変性物を配合した後
の保存安定性が悪くなるので好ましくない。
【0040】単量体組成物における紫外線吸収性単量体
(1)の量、シクロアルキル基含有単量体(2)の量、
および水酸基含有単量体の量を上記の範囲内とすること
により、得られる塗料用組成物が、機械的物性や耐酸性
等の各種物性および長期耐候性が良好な塗膜を形成する
ことができる。
【0041】紫外線安定性単量体(3)・(4)は、必
要に応じて、単量体組成物における合計の含有量が20重
量%以下の範囲内で用いられるが、 0.1重量%以上にす
ることにより、得られる塗料用組成物の紫外線安定性が
充分となり、長期耐候性が実現される。尚、紫外線安定
性単量体(3)と紫外線安定性単量体(4)との重量比
は、特に限定されるものではなく、両方を用いてもよ
く、一方のみを用いてもよいが、紫外線安定性単量体
(3)のみを用いるのが特に好ましい。
【0042】上記単量体組成物を得る際の、紫外線吸収
性単量体(1)、シクロアルキル基含有単量体(2)、
水酸基含有単量体、紫外線安定性単量体(3)・
(4)、およびその他の単量体の混合方法は、特に限定
されるものではない。つまり、単量体組成物を調製する
方法は、特に限定されるものではない。
【0043】単量体組成物を共重合させる際の重合方法
は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の重
合方法、例えば、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合
法、塊状重合法等を採用することができるが、溶液重合
法を採用するのが好ましい。
【0044】溶液重合法を採用して単量体組成物を共重
合させる場合において用いることができる溶媒として
は、例えば、トルエン、キシレン、その他の高沸点の芳
香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセ
テート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;イソプロパノー
ル、n-ブタノール、iso-ブタノール等の脂肪族アルコー
ル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル系溶媒等の有機溶媒や水が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。但し、本発明の塗
料用組成物において、共重合体にポリイソシアネート化
合物またはその変性物からなる架橋剤を配合する場合
は、上記に挙げた溶媒のうち、脂肪族アルコール系溶
媒、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶
媒、あるいは水等のようにイソシアネート基に対して活
性を示す溶媒は好ましくない。これら溶媒は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。また、溶媒の使用量は、特に限定されるも
のではない。
【0045】また、単量体組成物を共重合させる際に
は、重合開始剤を用いることができる。上記の重合開始
剤としては、例えば、 2,2'-アゾビス-(2-メチルブチロ
ニトリル) 、t-ブチルパーオキシ-2- エチルヘキサノエ
ート、 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド等の通常
のラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定される
ものではない。また、重合開始剤の使用量は、特に限定
されるものではない。
【0046】また、単量体組成物を共重合させる際に
は、反応温度は、特に限定されるものではないが、室温
〜 200℃の範囲が好ましく、40℃〜 140℃の範囲がより
好ましい。尚、反応時間は、反応温度、或いは、用いる
単量体組成物の組成や重合開始剤の種類等に応じて、重
合反応が完結するように、適宜設定すればよい。
【0047】さらに、単量体組成物を共重合させる際
に、必要に応じて、分子量を調節する目的で、ラウリル
メルカプタン、2-メルカプトエタノール、四塩化炭素、
四臭化炭素等の連鎖移動剤や調節剤を用いてもよい。つ
まり、得られる共重合体の分子量は、反応時間、反応温
度、或いは、用いる単量体組成物の組成や重合開始剤の
種類等、さらには、必要であれば連鎖移動剤や調節剤を
適量用いて調節することができる。このようにして得ら
れる共重合体の重量平均分子量(Mw)は、2,000 〜30
0,000 が好ましく、8,000 〜100,000 がより好ましい。
【0048】本発明にかかる架橋剤は、水酸基と反応可
能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物からなる
ものであれば、特に限定されず、また、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。上記化合物として、1分子中に2個以上のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネート化合物またはそ
の変性物を用いると、常温あるいは比較的低い加熱温度
で硬化する2液架橋型の常温硬化型塗料用組成物が好適
に得られる。
【0049】上記のポリイソシアネート化合物またはそ
の変性物としては、2個以上のイソシアネート基を分子
内に有するものであれば特に限定されないが、例えば、
トリメチレンジイソシアネート、1,6 −ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジ
イソシアネート、 4,4'-メチレンビス(シクロヘキシル
イソシアネート)、および、これらジイソシアネートの
誘導体であるトリメチロールプロパンアダクト体、ビュ
ウレット体、イソシアヌレート体等のアダクトポリイソ
シアネート化合物等を挙げることができる。また、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合し
て用いてもよい。
【0050】本発明の塗料用組成物における共重合体に
対するポリイソシアネート化合物またはその変性物の配
合量は、特に限定されるものではない。
【0051】さらに、本発明の塗料用組成物は、共重合
体にポリイソシアネート化合物またはその変性物を配合
した場合、前記共重合体および架橋剤以外に、共重合体
中の水酸基とイソシアネート基とのウレタン化反応を促
進させるための公知の触媒(例えば、ジラウリル酸ジ−
n−ブチルスズ等の有機スズ化合物や第3級アミン)、
有機溶剤、充填剤、レベリング剤、可塑剤、安定剤、染
料、顔料等の各種塗料用添加剤を適宜含んでいてもよ
い。
【0052】上記の顔料としては、無機顔料、有機顔料
を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸
化チタン、三酸化アンチモン、亜鉛華、リトポン、鉛白
等の白色顔料;カーボンブラック、黄鉛、モリブデン
赤、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄華等の着色顔料が挙げら
れる。有機顔料としては、例えば、ベンジジン、ハンザ
イエロー等のアゾ化合物;フタロシアニンブルー等のフ
タロシアニン類等が挙げられる。これら顔料は、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して
用いてもよい。本発明にかかる塗料用組成物は、公知の
顔料分散方法により、各種顔料を分散して着色塗料とす
ることもでき、カーボンブラック等の顔料の分散性に優
れている。また、複合顔料系における混色安定性にも優
れている。
【0053】本発明の塗料用組成物を得る際の、共重合
体、架橋剤、および各種添加剤の配合方法は、特に限定
されるものではない。
【0054】以上のように、本発明にかかる塗料用組成
物は、紫外線吸収性単量体(1)と、シクロアルキル基
含有単量体(2)と、水酸基含有単量体とを含む単量体
組成物を共重合してなる共重合体を含み、かつ、上記単
量体組成物中の上記シクロアルキル基含有単量体(2)
の含有量が5重量%〜98.9重量%の範囲内である構
成である。
【0055】また、本発明にかかる塗料用組成物は、上
記紫外線吸収性単量体(1)が、前記一般式(1)中、
1 で示される置換基およびXで示される置換基のうち
少なくとも一方は水素原子である構成である。
【0056】これにより、透明性、光沢、肉持ち性、機
械的強度、耐酸性、耐溶剤性等に優れると共に、300 nm
〜400 nmの波長領域での紫外線吸収能に特に優れ、紫外
線吸収性単量体(1)に起因する着色が殆ど起こらず、
しかも長期間の屋外使用における光沢保持性、耐変色性
等の長期耐候性に優れた塗膜を形成し得る塗料用組成物
を提供することができる。
【0057】さらに、本発明にかかる塗料用組成物は、
上記単量体組成物が紫外線安定性単量体(3)および/
または紫外線安定性単量体(4)をさらに含む構成であ
る。これにより、紫外線吸収性単量体(1)および紫外
線安定性単量体(3)・(4)の相乗効果により、紫外
線吸収能および紫外線安定性が充分に発現されるので、
より一層長期耐候性に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0058】その上、本発明にかかる塗料用組成物は、
上記共重合体に、ポリイソシアネート化合物またはその
変性物からなる架橋剤を配合してなる構成である。これ
により、優れた乾燥性を有し、優れた塗装作業性を有す
る二液架橋型の常温硬化型塗料用組成物とすることがで
きる。
【0059】上記の塗料用組成物を塗布することができ
る被塗布物は、特に限定されるものではない。該被塗布
物としては、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン)樹脂、FRP(繊維強化プラスチッ
ク)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリス
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル
系樹脂等の各種プラスチック;各種金属;ガラス等が挙
げられる。これら被塗布物の表面に本発明の塗料用組成
物を塗布等し、塗膜を形成することにより、該被塗布物
を紫外線から保護することができる。つまり、本発明の
塗料用組成物は、プラスチック成形品用、家電製品用、
鋼製品用、大型構造物用、自動車用(新車用および補修
用のソリッドカラー塗装やメタリックカラー塗装のクリ
アトップ用)、建築用、建材用、木工用等の紫外線吸収
性コーティング剤として広範囲に使用することができ
る。
【0060】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示し、「%」は、「重量%」
を示す。
【0061】〔実施例1〕温度計、窒素ガス導入管、滴
下ロート、冷却器および攪拌機を取り付けた4ツ口フラ
スコに、溶媒としてのキシレン25部および酢酸ブチル25
部を仕込み、 100℃に昇温した。一方、紫外線吸収性単
量体(1)としての2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾー
ル(以下、ベンゾトリアゾール(A)と記す)0.1部、シ
クロアルキル基含有単量体(2)としてのシクロヘキシ
ルメタクリレート46.9部、水酸基含有単量体としてのヒ
ドロキシエチルメタクリレート 2.5部、その他の単量体
としてのメタクリル酸 0.5部、および重合開始剤として
の 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(以下、開始剤
(a)と記す) 0.5部を混合した混合液を、滴下ロート
に入れた。その後、この混合液を、窒素ガス気流下で攪
拌しながら 100℃で2時間かけて滴下し、さらに100℃
に保持したまま4時間攪拌して共重合させた。主な反応
条件をまとめて表1に示す。
【0062】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z
+ (粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、49.8
%であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 15000であった。
【0063】次いで、この共重合体溶液に、架橋剤とし
ての多官能イソシアネート(スミジュールN−320
0;住友バイエルウレタン株式会社製)を、該共重合体
中の水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:1
となる量だけ秤取して配合し、塗料用組成物を得た。
【0064】さらに、得られた塗料用組成物にキシレ
ン:酢酸ブチル=1:1のシンナーを添加して希釈し、
該混合物の粘度を、エアスプレーが可能となる粘度に調
整した。これにより、クリア塗料を得た。
【0065】得られたクリア塗料を、2液ウレタン樹脂
エナメルをリン酸亜鉛処理鋼板上に塗布して得られたホ
ワイト板にエアスプレー塗布し、該塗料を、乾燥膜厚が
約30μmとなるようにホワイト板表面に塗装した。その
後、このホワイト板を80℃で60分間、強制乾燥すること
により、蛍光UV凝縮試験(QUV試験)用の試験片を
作成した。
【0066】そして、この試験片を用いて、60°光沢値
および黄変度(以下、Δb値と記す)を測定した。測定
は、JIS K 5400 -1979に基づいて実施し、測
定装置として、株式会社東洋精機製作所製;ユウブコン
(UVCON)UC−1型を使用した。測定条件とし
て、照射70℃×4時間および湿潤50℃×4時間を1セッ
トとするサイクルを繰り返して行い、初期およびQUV
2000 時間後において、60°光沢値および黄変度を測定
し、QUV 2000 時間後の光沢保持率(以下、GRと記
す)を求めた。その結果、初期の60°光沢値は93、QU
V 2000 時間後のGRは93%であり、Δb値は8であっ
た。
【0067】また、耐酸試験を、次のようにして行い、
「優秀」〜「良好」〜「普通」〜「不良」の4段階で評
価を行った。すなわち、前記の試験片に5w/v %硫酸水
溶液をスポットし、60℃で30分間放置した後、目視によ
り観察した。この場合、塗膜には、まったく異常がみら
れなかった(4段階評価「優秀」)。これら測定結果を
まとめて表2に示す。
【0068】〔実施例2〕実施例1におけるベンゾトリ
アゾール(A)の量を 0.1部から 1.0部に、シクロヘキ
シルメタクリレートの量を46.9部から28.5部に、ヒドロ
キシエチルメタクリレートの量を 2.5部から20.0部に、
それぞれ変更した以外は、実施例1と同様の反応および
操作を行い、共重合体溶液を得た。主な反応条件をまと
めて表1に示す。
【0069】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z(粘
度標準液記号)であり、また、不揮発分は、50.1%であ
った。また、得られた共重合体の重量平均分子量(M
w)は 14000であった。
【0070】次に、実施例1と同様の操作を行い、塗料
用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操作を行
い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QUV 200
0 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性試験を
行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0071】〔実施例3〕実施例1の4ツ口フラスコと
同様の4ツ口フラスコに、溶媒としてのキシレン25部お
よび酢酸ブチル25部を仕込み、 100℃に昇温した。一
方、ベンゾトリアゾール(A)15.0部、シクロヘキシル
メタクリレート14.6部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト 8.0部、開始剤(a)0.5 部、およびその他の単量体
としてのメタクリル酸 0.5部、n-ブチルアクリレート
1.5部、を混合した混合液を、滴下ロートに入れた。そ
の後、この混合液を、窒素ガス気流下で攪拌しながら 1
00℃で2時間かけて滴下し、さらに 100℃に保持したま
ま4時間攪拌して共重合させ、共重合体溶液を得た。主
な反応条件をまとめて表1に示す。
【0072】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z2
(粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、50.0%
であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 13000であった。
【0073】次に、実施例1と同様の操作を行い、塗料
用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操作を行
い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QUV 200
0 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性試験を
行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0074】〔実施例4〕実施例1の4ツ口フラスコと
同様の4ツ口フラスコに、溶媒としてのキシレン25部お
よび酢酸ブチル25部を仕込み、 100℃に昇温した。一
方、ベンゾトリアゾール(A) 5.0部、シクロヘキシル
メタクリレート34.5部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト 8.0部、その他の単量体としてのメタクリル酸 0.5
部、開始剤(a)0.5 部、および紫外線安定性単量体
(3)としての4-メタクリロイルオキシ-2,2,6,6- テト
ラメチルピペリジン(以下、ピペリジン(C)と記す)
2.0部を混合した混合液を、滴下ロートに入れた。その
後、この混合液を、窒素ガス気流下で攪拌しながら 100
℃で2時間かけて滴下し、さらに 100℃に保持したまま
4時間攪拌して共重合させ、共重合体溶液を得た。主な
反応条件をまとめて表1に示す。
【0075】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z1+
(粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、49.9%
であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 14000であった。
【0076】次に、実施例1と同様の操作を行い、塗料
用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操作を行
い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QUV 200
0 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性試験を
行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0077】〔実施例5〕実施例1の4ツ口フラスコと
同様の4ツ口フラスコに、溶媒としてのキシレン25部お
よび酢酸ブチル25部を仕込み、 100℃に昇温した。一
方、ベンゾトリアゾール(A) 1.0部、シクロヘキシル
メタクリレート29.0部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト20.0部、および開始剤(a) 0.5部を混合した混合液
を、滴下ロートに入れた。その後、この混合液を、窒素
ガス気流下で攪拌しながら 100℃で2時間かけて滴下
し、さらに 100℃に保持したまま4時間攪拌して共重合
させ、共重合体溶液を得た。主な反応条件をまとめて表
1に示す。
【0078】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z2
(粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、49.9%
であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 14000であった。
【0079】次に、実施例1と同様の操作を行い、塗料
用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操作を行
い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QUV 200
0 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性試験を
行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0080】〔実施例6〕実施例1の4ツ口フラスコと
同様の4ツ口フラスコに、溶媒としてのキシレン25部お
よび酢酸ブチル25部を仕込み、 100℃に昇温した。一
方、ベンゾトリアゾール(A) 7.0部、シクロヘキシル
メタクリレート23.0部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト15.0部、ピペリジン(C) 5.0部、および開始剤
(a)0.5 部を混合した混合液を、滴下ロートに入れ
た。その後、この混合液を、窒素ガス気流下で攪拌しな
がら 100℃で2時間かけて滴下し、さらに 100℃に保持
したまま4時間攪拌して共重合させ、共重合体溶液を得
た。主な反応条件をまとめて表1に示す。
【0081】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z2+
(粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、50.0%
であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 15000であった。
【0082】次に、実施例1と同様の操作を行い、塗料
用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操作を行
い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QUV 200
0 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性試験を
行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0083】〔比較例1〕実施例1の4ツ口フラスコと
同様の4ツ口フラスコに、溶媒としてのキシレン25部お
よび酢酸ブチル25部を仕込み、 100℃に昇温した。一
方、実施例1のベンゾトリアゾール(A)に代えて、紫
外線吸収性単量体としての2-〔 2'-ヒドロキシ-5'-(β
−メタクリロイルオキシエトキシ)-3'-t-ブチルフェニ
ル〕 -4-t-ブチル-2H-ベンゾトリアゾール(以下、ベン
ゾトリアゾール(B)と記す)0.1部、シクロヘキシルメ
タクリレート46.9部、ヒドロキシエチルメタクリレート
2.0部、メタクリル酸 0.4部、および開始剤(a) 0.5
部を混合した混合液を、滴下ロートに入れた。その後、
この混合液を、窒素ガス気流下で攪拌しながら 100℃で
2時間かけて滴下し、さらに 100℃に保持したまま4時
間攪拌して共重合させ、共重合体溶液を得た。主な反応
条件をまとめて表1に示す。
【0084】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z
+ (粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、50.0
%であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 15000であった。
【0085】次に、実施例1と同様の操作を行い、比較
用の塗料用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操
作を行い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QU
V 2000 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性
試験を行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0086】〔比較例2〕実施例1の4ツ口フラスコと
同様の4ツ口フラスコに、溶媒としてのキシレン25部お
よび酢酸ブチル25部を仕込み、 100℃に昇温した。一
方、ベンゾトリアゾール(B) 5.0部、シクロヘキシル
メタクリレート34.5部、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト10.0部、メタクリル酸 0.4部、ピペリジン(C) 2.0
部、および開始剤(a) 0.5部を混合した混合液を、滴
下ロートに入れた。その後、この混合液を、窒素ガス気
流下で攪拌しながら 100℃で2時間かけて滴下し、さら
に 100℃に保持したまま4時間攪拌して共重合させ、共
重合体溶液を得た。主な反応条件をまとめて表1に示
す。
【0087】反応終了後、得られた共重合体溶液の粘度
を、ガードナー泡粘度計により測定したところ、Z1+
(粘度標準液記号)であり、また、不揮発分は、50.1%
であった。また、得られた共重合体の重量平均分子量
(Mw)は 14000であった。
【0088】次に、実施例1と同様の操作を行い、比較
用の塗料用組成物を得た。さらに、実施例1と同様の操
作を行い、試験片を作成して、初期の60°光沢値、QU
V 2000 時間後のΔb値およびGRの測定および耐酸性
試験を行った。これら測定結果をまとめて表2に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】表2に示された結果から明らかなように、
本発明の塗料用組成物からなる塗膜は、QUV 2000 時
間後においても、光沢保持率が良好で、しかも殆ど黄変
していない。また、本発明の塗料用組成物からなる塗膜
は、耐酸性に優れている。これにより、本発明の塗料用
組成物が、透明性、光沢、肉持ち性、機械的強度、耐酸
性、耐溶剤性等に優れており、しかも300 nm〜400 nmの
波長領域での紫外線吸収能に特に優れ、長期間の屋外使
用における光沢保持性、耐変色性等の長期耐候性に優れ
た塗膜を形成し得ることがわかる。
【0092】
【発明の効果】本発明の塗料用組成物は、以上のよう
に、前記一般式(1)で表される紫外線吸収性単量体
と、前記一般式(2)で表されるシクロアルキル基含有
不飽和単量体と、水酸基含有単量体とを含む単量体組成
物を共重合してなる共重合体を含み、かつ、上記単量体
組成物中の上記シクロアルキル基含有不飽和単量体の含
有量が5重量%〜98.9重量%の範囲内である構成で
ある。
【0093】上記単量体組成物における前記一般式
(2)で表されるシクロアルキル基含有不飽和単量体の
量が、5重量%よりも少ない場合には、塗料用組成物か
ら形成される塗膜の光沢や肉持ち感が不充分であった
り、前記一般式(1)で表される紫外線吸収性単量体と
の相乗効果が薄れ、耐候性が充分発揮されないので好ま
しくない。一方、前記一般式(2)で表されるシクロア
ルキル基含有不飽和単量体の量が、98.9重量%より
も多い場合には、前記一般式(1)で表される紫外線吸
収性単量体および水酸基含有単量体の含有量が少なくな
りすぎ、塗料用組成物から形成される塗膜の耐候性が不
充分となると共に、耐溶剤性、耐薬品性が劣るので好ま
しくない。
【0094】本発明の塗料用組成物は、上記の構成を有
することで、透明性、光沢、肉持ち性、機械的強度、耐
酸性、耐溶剤性等に優れており、しかも300 nm〜400 nm
の波長領域での紫外線吸収能に特に優れ、長期間の屋外
使用における光沢保持性、耐変色性等の長期耐候性に優
れた塗膜を形成し得る塗料用組成物を提供することがで
きるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中▲崎▼ 三男 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (56)参考文献 特開 平4−106161(JP,A) 特開 平7−90184(JP,A) 特開 平8−151415(JP,A) 特許2963029(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素
    基を表し、R2 は炭素数1〜6の直鎖状または枝分れ鎖
    状のアルキレン基を表し、R3 は水素原子またはメチル
    基を表し、Xは水素原子、ハロゲン基、炭素数1〜8の
    炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基ま
    たはニトロ基を表す)で表される紫外線吸収性単量体
    と、一般式(2) 【化2】 (式中、R10は水素原子または炭素数1〜2の炭化水素
    基を表し、Zは置換基を有していてもよいシクロアルキ
    ル基を表す)で表されるシクロアルキル基含有不飽和単
    量体と、水酸基含有単量体とを含む単量体組成物を共重
    合してなる共重合体を含み、かつ、上記単量体組成物中
    の上記シクロアルキル基含有不飽和単量体の含有量が5
    重量%〜98.9重量%の範囲内であることを特徴とす
    る塗料用組成物。
  2. 【請求項2】上記一般式(1)において、R1 およびX
    のうち少なくとも一方は水素原子であることを特徴とす
    る請求項1記載の塗料用組成物。
  3. 【請求項3】上記単量体組成物が一般式(3) 【化3】 (式中、R6 は水素原子またはシアノ基を表し、R7
    8 はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2の
    炭化水素基を表し、R9 は水素原子または炭素数1〜18
    の炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表
    す)で表される紫外線安定性単量体および/または一般
    式(4) 【化4】 (式中、R6 は水素原子またはシアノ基を表し、R7
    8 はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜2の
    炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表
    す)で表される紫外線安定性単量体をさらに含むことを
    特徴とする請求項1または2記載の塗料用組成物。
  4. 【請求項4】上記共重合体に、1分子中に水酸基と反応
    可能な官能基を2個以上有する架橋剤を配合してなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の塗料
    用組成物。
  5. 【請求項5】上記架橋剤が、ポリイソシアネート化合物
    またはその変性物からなることを特徴とする請求項4記
    載の塗料用組成物。
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