JP3182814B2 - グラファイトフィルムの製造方法 - Google Patents

グラファイトフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極,発熱体,構造
材,ガスケット,耐熱シール材等として使用され、かつ
柔軟性および弾力性を有するグラファイトフィルムの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にグラファイトは抜群の耐熱性や耐
薬品性,高電気伝導性等を有するため、工業材料として
重要な地位を占め、電極,発熱体,構造材,ガスケッ
ト,耐熱シール材等として広く使用されている。このよ
うなグラファイトとしては天然に産するものを使用する
のが一つの方法であるが、良質のグラファイトは生産量
が非常に限られており、しかも取り扱いにくい粉末状ま
たはブロック状であるため、人工的にグラファイトを製
造することが行われている。特に、フィルム状のグラフ
ァイトは、天然には存在しないため、専ら人工的に作成
されている。人工的なグラファイトの製造方法の代表が
エキスパンド法と呼ばれる方法である。これは主に天然
グラファイトを濃硫酸と濃硝酸の混合液に浸漬し、その
後加熱によりグラファイト層間を広げることにより製造
される。このようにして製造されたグラファイトは洗浄
により酸を取り除いた後、高圧プレス加工をすることに
よってフィルム状に加工される。
【0003】しかしながら、このようにして製造された
グラファイトフィルムのいろいろな特性は天然の単結晶
グラファイトには遠く及ばず、例えば電気伝導度は通常
1.5×103S/cm程度であり(単結晶では2.0×
104S/cm)、粉末より製造されるため、フィルムの
強度も弱いものであった。また、製造工程上多量の酸が
必要であるため、SOxやNOxのガスが発生するという
問題もあった。さらに、フィルムを使用する際には製造
工程で使用された酸が完全には取り除けないため、その
残留酸の浸出による金属の腐食など多くの問題があっ
た。したがって、このようなエキスパンド法によらな
い、高品質グラファイトの製造方法の開発が望まれてい
た。
【0004】このような問題を解決するために、本発明
者らは特殊な高分子フィルムを熱処理してグラファイト
化することにより、直接グラファイトフィルムを得る方
法を開発した。この方法は従来の方法に比べてはるかに
簡単で、かつ容易な方法であって、単結晶に近い優れた
物性値のグラファイトが得られるばかりでなく、残留酸
の問題もない等、非常に優れた方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では高分子フィルムが重なりあった箇所では、高分子
フィルムどうしの融着と熱分解反応による高分子フィル
ムの収縮が生じ、これにより、高分子フィルムが破損し
てしまうという問題点を有していた。また、これにおい
ては、焼成可能なフィルムの大きさは使用される焼成炉
の大きさによって規定されるため、事実上、大面積フィ
ルムの作成は困難であった。そこで、本発明者らはこの
ような困難を克服するため、円筒状のグラファイトの筒
に高分子フィルムを巻き付けて焼成する方法を先に提案
している。しかし、この方法でも円筒の円周以上の長さ
のフィルムを焼成することは困難であった。
【0006】さらに、本発明者らはフィルム状グラファ
イトをセパレーターとして使用することによって、大面
積フィルムを作成する方法も先に提案している。しか
し、この方法でもセパレーターの取り扱いには注意を要
するもので、セパレーターが部分的に破損すると、その
部分の高分子フィルムどうしが融着を起こし、熱分解反
応時に破損するという問題点を有していた。特に、高分
子フィルムとフィルム状グラファイトよりなるセパレー
ターと重ねて巻き付ける時は、高分子フィルムの方が強
度が強いため、フィルム状グラファイトよりなるセパレ
ーターがしばしば破損するもので、そのため、長さ方向
に大きなグラファイトフィルムを製造する時に使用する
大きなセパレーターには、一層の取扱い上の注意が必要
であった。
【0007】本発明は、以上のような高分子フィルムか
らの人造グラファイトフィルムの製造方法における問題
点を解決するためになされたもので、高分子フィルムど
うしの融着と収縮による高分子フィルムの破壊を防止で
きるグラファイトフィルムの製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のグラファイトフィルムの製造方法は、原料
の高分子フィルムとセパレーターとして使用する添加剤
を含んだ高分子フィルムとを重ね合わせて前記高分子フ
ィルムどうしが互いに接触しないようにするとともに、
この高分子フィルムを少なくとも2400℃以上の温度
で熱処理するようにしたものである。
【0009】
【作用】上記手段によれば、原料の高分子フィルムとセ
パレーターとして使用する添加剤を含んだ高分子フィル
ムとを重ね合わせて前記高分子フィルムどうしが互いに
接触しないようにしたもので、セパレーターとして使用
する添加剤を含んだ高分子フィルムの存在により原料の
高分子フィルムどうしの融着を防ぐことができ、また添
加剤の存在により、原料の高分子フィルムとセパレータ
ーとして使用する添加剤を含んだ高分子フィルムの融着
も防ぐことができる。そしてまた前記高分子フィルムを
少なくとも2400℃以上の温度で熱処理するようにし
ているため、この熱処理により、原料の高分子フィルム
とセパレーターとして使用する添加剤を含んだ高分子フ
ィルムの両者を共にグラファイトフィルムとして得るこ
とができ、その結果、長さ方向に大きなグラファイトフ
ィルムを効率よく得ることができるものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】本発明の要点は、(1)原料の高分子フィ
ルムが互いに接触しないように添加剤を含む高分子フィ
ルムをセパレーターとして使用すること、(2)必要に
応じて、原料の高分子フィルムと添加剤を含む高分子フ
ィルムとを重ね合わせたものを円筒状グラファイト質炭
素に巻き付けること、(3)特定の分子構造を有し、か
つ特定の範囲内の厚みを有する高分子フィルムを用いる
ことの3点であるが、必要に応じて特定の温度領域で等
方的な圧力を印加すること、熱処理の後に圧延処理を施
すことも有用である。
【0012】以下、それぞれの工程について説明する。
本発明のグラファイトフィルムの製造方法の第1の要点
は添加剤を含んだ高分子フィルムをセパレーターとして
使用することである。すなわち、原料の高分子フィルム
に添加剤を含んだ高分子ファイルを重ね合わせ、これを
円筒状グラファイト質炭素に巻き付け、その後、ヒータ
ーの中にセットして熱処理を行う。この状態を図4
(a),(b)に示す。この方法によれば、原料の高分
子フィルムどうしの融着が発生しないため、熱分解反応
時に破損することはなくなる。また、添加剤の存在によ
り原料の高分子フィルムとセパレーターとして使用する
添加剤を含んだ高分子フィルムの融着も発生しない。そ
して、上記熱処理により、原料の高分子フィルムとセパ
レーターとして使用する添加剤を含む高分子フィルムの
両者は共にグラファイトフィルムとなる。この結果、長
さ方向に大きなグラファイトフィルムを効率よく得るこ
とができる。
【0013】次に本発明のグラファイトフィルムの製造
方法の第2の要点である原料の高分子フィルムと添加剤
を含む高分子フィルムを重ね合わせて円筒状グラファイ
ト質炭素に巻き付けることについて述べる。長さ方向に
大きなグラファイトフィルムを製造しようとすると、原
料の高分子フィルムを円筒状グラファイト質炭素にこれ
を中心にして何重にも巻く必要がある。そして、このま
ま熱処理を行うと、原料の高分子フィルムどうしの融着
が発生し、さらに熱分解反応による高分子フィルムの収
縮により中心部分の高分子フィルムが破損してしまう。
【0014】しかるに、原料の高分子フィルムと添加剤
を含む高分子フィルムを重ね合わせると原料の高分子フ
ィルムどうしの融着は発生せず、また熱分解反応による
高分子フィルムの収縮が起こっても破損することはな
い。そしてまた中心部分の円筒状グラファイト質炭素に
より、高分子フィルムの収縮時に発生するしわもなくす
ことができる。この結果、長さ方向に大きなグラファイ
トフィルムを得ることができる。
【0015】なお、上記高分子フィルムに添加する添加
剤としては、カルシウム,カリウム,リン,ケイ素,マ
グネシウム,ナトリウムのうち、少なくとも1種類以上
からなる平均粒径が100μm以下の粒状の化合物を使
用する。
【0016】図1(a),(b)に一般に3000℃ま
での高温を得るためのヒーターの構造を示す。ヒーター
1は円筒状のグラファイト質炭素より成り、これに大電
流を印加し、ヒーター1の細い部分2を赤熱させる。試
料はこのヒーター1内部に置かれてヒーター1と共に加
熱される。したがって、平面上の試料を用いる限りはヒ
ーター1の内径より大きな試料は熱処理ができないこと
になる。フィルム状の試料は曲げて入れることはできる
が、この場合、熱処理過程で試料どうしの融着と試料の
収縮が起こるため、中心部分の試料が破損してしまう。
本発明においては原料の高分子フィルムと添加剤を含ん
だ高分子フィルムとを重ね合わせ、それらを円筒状のグ
ラファイト質炭素に巻き付け、図1のヒーター1の内部
にセットする。その概念図を図2,図3および図4に示
す。図2は原料の高分子フィルム3と添加剤を含んだ高
分子フィルム4とを重ね合わせ、これを円筒状のグラフ
ァイト質炭素5に巻き付けた場合の概念図、図3は図2
のものをこれより大きな円筒状のグラファイト質炭素6
内に設置した場合の概念図、図4(a),(b)は図3
のものを図1のヒーター1内に設置した場合の概念図で
ある。これらの図からも明らかなように、試料である高
分子フィルム3と添加剤を含んだ高分子フィルム4は何
重にも巻かれるが、この場合、添加剤を含んだ高分子フ
ィルム4が原料の高分子フィルム3どうしの融着と収縮
による破壊を防ぐものである。
【0017】本発明のグラファイトフィルムの製造方法
の第3の要点は、各種ポリオキサジアゾール(PO
D),ポリベンゾチアゾール(PBT),ポリベンゾビ
スチアゾール(PBBT),ポリベンゾオキサゾール
(PBO),ポリベンゾビスオキサゾール(PBB
O),各種ポリイミド(PI),各種ポリアミド(P
A),ポリ(フェニレンベンゾイミタゾール)(PB
I),ポリ(フェニレンベンゾビスイミタゾール)(P
PBI),ポリチアゾール(PT),ポリ(パラフェニ
レンビニレン)(PPV)のうちから選ばれた少なくと
も一種類の高分子フィルムを不活性ガス中において24
00℃以上の温度で熱処理することにある。さらに必要
に応じ、グラファイト化の過程で発生するガスを処理雰
囲気の圧力の制御によって制御し、これにより、得られ
たグラファイトを圧延処理することにより、良質のグラ
ファイトフィルムを得ようとするものである。ここで各
種ポリオキサジアゾールとはポリパラフェニレン−1.
3.4−オキサジアゾールおよびそれらの異性体を言
う。また各種ポリイミドとは(化1)で表されるポリイ
ミドである。
【0018】
【化1】
【0019】そしてまた芳香族ポリアミドとは(化2)
で表されるポリアミドである。
【0020】
【化2】
【0021】本発明の方法では出発原料として400μ
m以下の厚さを有する高分子フィルムを用いた。400
μm以上の厚さを有する原料の高分子フィルムを用いた
場合には本発明の方法によっても良質のグラファイトを
得ることは難しく、ボロボロのグラファイトしか得られ
ない。したがって、本発明における製造方法が有効に適
用される原料の高分子フィルムの厚さの範囲は400μ
m以下である。
【0022】本発明におけるグラファイトフィルムの製
造方法では最終的な最も高温となる。熱処理温度は24
00℃以上であることが必要である。この熱処理温度が
2400℃以下である場合には得られたグラファイトフ
ィルムは硬く脆いものとなる。また、本発明におけるグ
ラファイトフィルムの製造方法において、少なくとも1
600℃以上の温度領域での熱処理を行う場合、不活性
ガス中、常圧あるいは加圧下で行う必要がある。
【0023】高分子フィルムの厚さが100μm未満の
場合には、常圧下での熱処理で十分である場合も多い
が、100μm以上の厚さの場合には加圧下で熱処理を
行う必要がある。その際に必要な圧力の大きさは高分子
フィルムの厚さにより異なるが、一般には0.1kg/cm
2から50kg/cm2の圧力で良い。上記のような方法で作
成されたグラファイトフィルムは必要に応じて圧延処理
を施すとよい。この圧延処理によって強靱で、かつ柔軟
性に富むグラファイトフィルムが得られる。
【0024】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明する。 (実施例1)厚さ75μmのポリパラフェニレン−1.
3.4−オキサジアゾールよりなる高分子フィルムと添
加剤を含んだ厚さ75μmのポリパラフェニレン−1.
3.4−オキサジアゾールよりなる高分子フィルムとを
重ね合わせ、しかも、これらを円筒状に巻き付けた。こ
の試料を産協電炉(株)製LTF−8型電気炉を用いて
窒素ガス中で15℃/minの速度で100℃まで昇温
し、そしてこの1000℃で1時間保持して予備熱処理
を施した。次に、得られた試料を自由に伸び縮みできる
ようにグラファイト製の円筒状の筒の内部にセットし、
進成電炉(株)製超高温炉46−5型を用いてグラファ
イト製の円筒状の筒と共に30℃/minの速度で30
00℃まで加熱した。この加熱はアルゴンガスの雰囲気
中で行い、その雰囲気圧力を1.0kg/cm2とした。
【0025】次にこのようにして得られたグラファイト
フィルムをステンレス製の2本のローラー(熊谷理機工
業(株)製ローラー)の間を通すことにより圧延処理を
施した。この圧延処理により柔軟で、かつ強靱なグラフ
ァイトフィルムが得られ、そしてこの得られたグラファ
イトフィルムの引っ張り強度を測定した結果を(表1)
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1の手法によって得られたグラファ
イトフィルムのフィルム面方向の電気伝導度は、1.6
〜2.0×104S/cmであり、単結晶並の優れた電気
伝導度を示した。すなわち、この手法により機械的強度
に優れ、かつ高品質のグラファイトフィルムが得られる
ことがわかる。
【0028】(実施例2)厚さ25μm,75μm,1
25μmのポリピロメリットイミド(Dupont、カ
プトンHフィルム)をそれぞれ実施例1の方法に従って
2800℃で熱処理し、その後、得られたグラファイト
フィルムに実施例1と同様の方法で圧延処理を施した。
そしてこのようにして得られたグラファイトフィルムの
引っ張り強度試験を測定した結果を(表2)に示す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例2の手法においても、機械的強度に
優れ、かつ高品質のグラファイトフィルムが得られるこ
とがわかった。
【0031】(実施例3)厚さ50μmのPOD,PB
T,PBBT,PBO,PBBO,PI,PA,PB
I,PPBI,PT,PPVのそれぞれの高分子フィル
ムを実施例1の方法に従って常圧、および2.0kg/cm
2圧力下で3000℃の温度で熱処理し、さらに圧延処
理を施してその引っ張り強度を測定した。その結果を
(表3),(表4)に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】この(表3),(表4)の結果から明らか
なように、この(表3),(表4)に示したそれぞれの
高分子フィルムにおいては、実施例3の手法により優れ
た物理的性質を有するグラファイトフィルムが得られる
ことがわかる。このグラファイトフィルムの電気伝導度
は1.2〜2.0×104S/cmであり、単結晶並の優
れた電気伝導度を示した。すなわち、この実施例3の手
法により機械的強度に優れ、かつ高品質のグラファイト
フィルムが得られることがわかった。
【0035】(実施例4)厚さ50μm、幅500mm、
長さ10000mmポリピロメリットイミド(Dupon
t、カプトンHフィルム)と添加剤を含んだポリピロメ
リットイミド(Dupont、カプトンHフィルム)を
重ね合わせて、円筒状のグラファイト質炭素に巻き付
け、さらに大きな円筒状のグラファイト質炭素に設置
し、これを産協電炉(株)製LTF−8型電気炉を用い
て窒素ガス中で15℃/minの速度で1000℃まで
昇温し、そしてこの1000℃で1時間保持して予備熱
処理を施した。次に進成電炉(株)製超高温炉46−5
型をもちいて30℃/minの速度で3000℃まで加
熱した。この加熱はアルゴンガスの雰囲気中で行い、か
つその雰囲気圧力は常圧、0.2kg/cm2、1.0kg/c
m2の3種類とした。
【0036】次に上記のようにして得られたグラファイ
トフィルムをステンレス製の2本のローラー(熊谷理機
工業(株)製、ローラー)の間を通すことにより圧延処
理を施した。これにより、いずれの場合も、厚さ37μ
m、幅400mm、長さ8000mmの柔軟で、かつ強靱
で、しかも長さ方向に大きなグラファイトフィルムが得
られた。
【0037】上記した各実施例においては、いずれも原
料の高分子フィルムと添加剤を含んだ高分子フィルムと
を重ね合わせ、さらに円筒状グラファイトフィルム質炭
素に巻き付けることが有効であり、このような手法によ
り優れた物理的特性を有するグラファイトフィルムを効
率よく得ることができるものである。この場合のグラフ
ァイトフィルムの電気伝導度は1.2〜2.0×104
S/cmであり、単結晶並の優れた電気伝導度を示した。
また、元素分析による測定ではグラファイトフィルムの
純度は100%炭素であり、その他の元素は検出されな
かった。
【0038】すなわち、実施例1〜4の各手法により機
械的強度に優れ、かつ高品質で、しかも長さ方向に大き
なグラファイトフィルムを効率よく得られることがわか
った。
【0039】上記したように本発明の各実施例における
グラファイトフィルムは、必要に応じて特定の温度領域
で等方的な圧力を印加する、熱処理の後に圧延処理を施
すことにより、柔軟性に富み、かつ強靱で、しかも十分
な厚さと長さ方向の大きさを有するグラファイトフィル
ムを得ることができる。
【0040】またこのグラファイトフィルムは強靱で、
かつ不純物の少ない高品質のグラファイトであって、ガ
スケットやパッキン等に広く使用することができる。そ
してまた、このグラファイトフィルムの製造方法は従来
の高分子フィルムの高温処理によるグラファイトフィル
ムへの直接転化法に比べてはるかに大面積のグラファイ
トフィルムを作成することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明のグラファイトフィ
ルムの製造方法によれば、原料の高分子フィルムとセパ
レーターとして使用する添加剤を含んだ高分子フィルム
とを重ね合わせて前記高分子フィルムどうしが互いに接
触しないようにしたもので、セパレーターとして使用す
る添加剤を含んだ高分子フィルムの存在により原料の高
分子フィルムどうしの融着を防ぐことができ、また添加
剤の存在により、原料の高分子フィルムとセパレーター
として使用する添加剤を含んだ高分子フィルムの融着も
防ぐことができる。そしてまた前記高分子フィルムを少
なくとも2400℃以上の温度で熱処理するようにして
いるため、この熱処理により、原料の高分子フィルムと
セパレーターとして使用する添加剤を含んだ高分子フィ
ルムの両者を共にグラファイトフィルムとして得ること
ができ、その結果、長さ方向に大きなグラファイトフィ
ルムを効率よく得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のグラファイトフィルムの製造方
法において用いられるグラファイト質炭素ヒーターの側
面図 (b)同(a)のX−X部の断面図
【図2】本発明のグラファイトフィルムの製造方法の一
実施例を示す斜視図
【図3】本発明のグラファイトフィルムの製造方法の他
の実施例を示す破断斜視図
【図4】(a)グラファイト質炭素ヒーター内に原料の
高分子フィルム、添加剤を含んだ高分子フィルム、円筒
状のグラファイトフィルム質炭素を設置した状態を示す
側面図 (b)同(a)のY−Y部断面図
【符号の説明】
1 ヒーター 2 細い部分 3 高分子フィルム 4 添加剤を含んだ高分子フィルム 5 円筒状のグラファイト質炭素 6 円筒状のグラファイト質炭素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 睦明 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−275117(JP,A) 特開 昭61−275114(JP,A) 特開 平4−149012(JP,A) 特開 平4−21508(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 31/04 C04B 35/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料の高分子フィルムとセパレーターとし
    て使用する添加剤を含んだ高分子フィルムとを重ね合わ
    せて前記高分子フィルムどうしが互いに接触しないよう
    にするとともに、この高分子フィルムを少なくとも24
    00℃以上の温度で熱処理することを特徴とするグラフ
    ァイトフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】高分子フィルムが400μm以下の厚さを
    有する、ポリオキサジアゾール,ポリベンゾチアゾー
    ル,ポリベンゾビスチアゾール,ポリベンゾオキサゾー
    ル,ポリベンゾビスオキサゾール,ポリイミド,ポリア
    ミド,ポリフェニレンベンゾイミタゾール,ポリフェニ
    レンベンゾビスイミタゾール,ポリチアゾール,ポリパ
    ラフェニレンビニレンのうちから選ばれた少なくとも一
    種類からなる請求項1記載のグラファイトフィルムの製
    造方法。
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