JPH0517117A - グラフアイトの製造方法 - Google Patents

グラフアイトの製造方法

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JPH0517117A
JPH0517117A JP3169874A JP16987491A JPH0517117A JP H0517117 A JPH0517117 A JP H0517117A JP 3169874 A JP3169874 A JP 3169874A JP 16987491 A JP16987491 A JP 16987491A JP H0517117 A JPH0517117 A JP H0517117A
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JP
Japan
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graphite
films
temperature
pressure
polymer films
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JP3169874A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Hoshi
敏春 星
Mutsuaki Murakami
睦明 村上
Kazuhiro Watanabe
和廣 渡辺
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線モノクロメーター、中性子線モノクロメ
ーター、中性子線フィルター等の放射線光学素子として
利用されるグラファイトの製造方法に関し、簡単な方法
で、しかも、低コストで高配向性のブロック状のグラフ
ァイトを製造する。 【構成】 原料の高分子フィルムを複数枚積層し、高分
子フィルムの熱分解温度時の昇温速度を1℃/min以下に
し、その後、加圧しつつ焼成しても高分子フィルム同士
が融着しないようにする。これによって加圧しつつ焼成
しても、分解ガスは高分子フィルム間を通ってスムーズ
に外部に放出され、発生ガスによって高分子フィルムが
破壊に至るのを防ぐことができる。一方、加圧によって
高分子フィルム内部に歪が入るのを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線モノクロメータ
ー、中性子線モノクロメーター、中性子線フィルター等
の放射線光学素子として利用される高配向性ブロック状
のグラファイトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラファイトは抜群の耐熱性、耐薬品
性、高電気伝導性等を有するため、工業材料として重要
な地位を占め、ガスケット、電極、発熱体、構造材とし
て広く使用されている。中でも高配向性グラファイトは
X線や中性子線に対する優れた分光、反射特性を有する
ため、X線や中性子線のモノクロメーター、あるいはフ
ィルターとして広く用いられている。
【0003】このような目的に使用されるグラファイト
としては、天然に産するものを使用するのが一つの方法
であるが、良質のグラファイトは生産量が非常に限られ
ており、しかも、取り扱いにくい粉末状、またはリン片
状であるため、人工的にグラファイトを製造することが
行われている。
【0004】従来、このような人工的なグラファイトの
製造方法としては、気相中での炭化水素ガスの高温分解
沈積と、その熱間加工による方法があり、この方法によ
れば、圧力を印加しつつ3400℃で長時間再焼鈍する
ことによりグラファイトを製造する。
【0005】このようにして製造されるグラファイト
は、高配向性グラファイト(HOPG)と呼ばれ、天然
の単結晶グラファイトと比較して優れた特性を有してい
る。しかし、この製造方法は製造工程が極めて複雑であ
り、かつ歩留りも著しく低く、その結果、製造された高
配向性グラファイトは極めて高価なものであった。
【0006】近年、上記のような従来の高品質グラファ
イトの製造方法の問題を解消し、高品質グラファイトを
容易に製造することができ、しかも、コストを低下させ
ることができるようにした製造方法として、高分子フィ
ルムを高温焼成する方法が開発された。高分子材料は一
般的には難グラファイト材料に属し、たとえ3000℃
の高温に加熱しても良質のグラファイトに転化されるこ
とはない。
【0007】しかしながら、最近の研究の結果、いくつ
かの高分子材料は、適当な熱処理によって良質なグラフ
ァイトに転化されることがわかってきた。それらの高分
子としては、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリイミ
ド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ
ベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリ
チアゾール、ポリパラフェニレンビニレン等がある。
【0008】これらの知見に基づき、本発明者らは特許
出願を行っており、それらは特開昭61−275114
号公報、特開昭61−275115号公報、特開昭61
−275117号公報等に開示されている。これらの発
明に基づき高分子フィルムを積層し、加圧焼成してブロ
ック状のグラファイトを製造する検討がなされた。これ
らの例は特開平1−105199号公報、特開昭63−
235218号公報に開示されている。
【0009】しかしながら、複数枚の高分子フィルムを
積層し、これを配向性に優れたブロックとするためには
数多くの工夫が必要であり、単純に加圧焼成するだけで
は目的の高配向性グラファイトは得られない。高配向性
グラファイトを得るためには、それぞれのフィルムがブ
ロック内部できちんと配向していること、フィルムの内
部でグラファイト結晶がきれいに配列していること、フ
ィルム同士が接着していることが重要である。しかしな
がら、例えば、上記の高分子フィルムは、いずれも45
0から550℃の温度領域で熱分解を起こし、フィルム
は急激に収縮を起こす。更に、これらの高分子は、10
00℃から2000℃付近の温度領域では硬くて脆い、
いわゆるハードカーボンの状態となる。したがって、こ
れらの高分子フィルムを積層し、圧力を印加しつつ熱処
理しても、通常はフィルムの収縮変形によってしわや内
部構造の歪が生じ、極端な場合には破壊に至ってしま
う。
【0010】したがって、複数枚の高分子フィルムから
高配向性のブロック状のグラファイトを製造する技術の
ポイントは、高分子フィルムの伸びや縮みによって熱分
解、炭素化、グラファイト化の過程の間に生じた歪を如
何に最終的なブロック状のグラファイトの中に残さない
かという点である。そのために、例えば、熱分解温度領
域では本質的に圧力を印加せず、分解温度以上から20
00℃の温度領域で1から50kg/cm2の間の圧力を印加
し、2600℃以上では50kg/cm2以上の圧力を印加す
るような手法が採られる。熱分解温度領域で圧力を印加
しないのは、この領域で圧力を印加するとフィルム同士
が融着し、内部から発生する分解ガスのスムーズな放出
を妨げ、ついにはその発生ガスによって炭素化物の破壊
に至るからである。分解温度以上から2000℃の間の
圧力操作は、作製した炭素化物(ハードカーボンの状態
にある)を壊さないように焼成し、分解温度領域で生じ
た内部歪を取り除く工程である。また、2600℃以上
の圧力操作はグラファイト化を進めつつ、フィルム同士
を接着させる工程である。
【0011】上記の製造方法のように熱分解、炭素化、
グラファイト化、接着の工程をそれぞれ制御することに
より、モザイクスプレッドの値が0.7゜程度の特性を
持つ高配向性のブロック状のグラファイトが得られるよ
うになった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、より優れた配
向性を持つブロック状のグラファイトの実現には、熱分
解過程において生じる歪をより小さくすることが重要で
ある。そのためには熱分解過程において、高分子フィル
ム同士の接着を防ぎ、分解ガスの放出をスムーズに行い
つつ加圧することが望ましい。しかし、通常、高分子フ
ィルムの熱分解過程における昇温速度は1℃/min以上で
行われており、内部から発生する分解ガスが完全に放出
されていないため、高分子フィルム同士の融着を起こ
し、グラファイトの特性劣化を招いていた。
【0013】本発明者らは、上記のように複数枚の高分
子フィルムを積層し、熱処理してグラファイトを製造す
る方法における問題点を解決すべく研究した結果、高分
子フィルムを熱分解温度領域において昇温速度が1℃/m
in以下になるようにして熱処理することにより、熱分解
過程での歪を小さくするための加圧焼成を可能とし、高
配向性のブロック状のグラファイトを製造することがで
きることを究明し、これに基づき、簡単な方法で、しか
も、低コストで高配向性のブロック状のグラファイトを
製造することができるようにしたグラファイトの製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的解決手段は、複数枚の高分子フィルム
を積層し、加圧、熱処理してグラファイトを製造するに
際し、上記高分子フィルムを熱分解温度である450℃
から550℃の間の温度の昇温速度が1℃/min以下にな
るように処理するようにしたものである。
【0015】そして、上記高分子フィルムとして、各種
ポリフェニレンオキサジアゾール(POD)、ポリベン
ゾチアゾール(PBT)、ポリベンゾビスチアゾール
(PBBT)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポ
リベンゾビスオキサゾール(PBBO)、各種芳香族ポ
リイミド(PI)、各種芳香族ポリアミド(PA)、ポ
リ(フェニレンベンゾイミダゾール)(PBI)、ポリ
(フェニレンベンゾビスイミダゾール)(PBBI)、
ポリチアゾール(PT)、ポリ(パラフェニレンビニレ
ン)(PPV)の中から少なくとも一種類を用いること
ができる。
【0016】ここで、各種ポリオキサジアゾールとはポ
リパラフェニレン−1.3.4−オキサジアゾールおよ
びそれらの異性体を言う。また、各種芳香族ポリイミド
とは下記一般式で表されるポリイミドである。
【0017】
【化1】
【0018】また、芳香族ポリアミドとは下記一般式で
表わされるポリアミドである。
【0019】
【化2】
【0020】本発明においては、これらのポリイミド、
ポリアミドに限定されるものではない。
【0021】本発明における原料高分子フィルムは、上
記のPOD、PBT、PBBT、PBO、PBBO、P
I、PA、PBI、PBBI、PT、PPV等の中から
選ばれるが、本発明の製造方法は、高温での熱処理によ
って良質のグラファイトを得ることができるような高分
子フィルムに対しては同様に適用することが可能であ
る。
【0022】本発明の製造方法では、出発原料として4
00μm 以下の厚さを有するフィルムを用いるのが望ま
しい。それは400μm 以上の厚さを有する高分子フィ
ルムを用いた場合には、本発明の製造方法によってもフ
ィルム内部から発生するガスのために、フィルムの内部
構造が破壊され、高配向性のブロック状のグラファイト
を得ることが困難となるためである。
【0023】本発明における高分子フィルムの熱処理方
法は、高分子フィルムの熱分解温度領域で行われる。例
えば、芳香族ポリイミドフィルムを例にとると、ポリイ
ミドフィルム(Dupont(株)製、カプトン:商品名、25
μm )を適当な大きさに切断した後、積層して電気炉に
入れ、フィルムの熱分解温度領域である450℃から5
50℃の昇温速度が1℃/min以下になるように熱処理を
行う。ただし、他の温度領域の昇温速度は1℃/min以上
であれば特に範囲を限定するものではない。
【0024】上記熱分解温度処理をしていないポリイミ
ドの場合、フィルム同士が融着せず、なおかつしわが発
生しないようにしながら炭素化するためには、フィルム
が伸び縮みする温度領域では、本質的に圧力を印加しな
いことが必要となる。ここで、本質的に圧力を印加しな
いということは、加圧のための冶具の重量などの微少な
圧力は加えてもよいという意味である。このときの許容
される圧力の大きさは、一般的に2kg/cm2以下であり、
特に好ましくは1kg/cm2以下である。これに対し、上記
のような処理をしたポリイミドフィルムでは、フィルム
同士が接着しにくくなるため、最大10kg/cm2の加圧が
可能となる。そのため、得られた炭素化物は、熱処理し
ていない原料を用いた場合に比べ、はるかにしわを少な
くすることができた。そして、このようにして得られた
炭素化物を用いてグラファイト化を行った結果、平均
0.2゜のロッキング特性の向上が観察された。
【0025】以上述べた加圧、熱処理の方法は必ずしも
ポリイミドフィルムに限定されるものはなく、一般に熱
処理によって優れたグラファイトに転化される高分子フ
ィルムについても適用することができる。
【0026】
【作用】したがって、本発明によれば、高分子フィルム
の熱処理時に熱分解温度である450℃から550℃の
昇温速度が1℃/min以下となるようにすることにより、
その熱分解工程において、分解ガスは高分子フィルムの
間を通ってスムーズに外部に拡散することができるよう
になり、高分子フィルム同士が接着しなくなる。
【0027】また、高分子フィルムは互いに接着しない
ので、ある程度の圧力を印加することが可能となり、そ
の圧力によって高分子フィルムにしわや歪が生じるのを
防ぐことができる。このようにして得られた炭素化ブロ
ックは、高温処理が行われ、グラファイト化されるが、
それぞれの高分子フィルムがブロック内部できちんと配
向し、しかも、高分子フィルムの内部では結晶がきれい
に配列した高配向性のブロック状のグラファイトを得る
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。
【0029】(実施例1)まず、厚さ50μm のポリパ
ラフェニレン−1.3.4−オキサジアゾールから成る
300枚のフィルム(5×5cm2)を積層し、グラファ
イト製の冶具にセットした。次に、この積層状態のフィ
ルムを450℃まで10℃/minの速度で昇温し、熱分解
温度である450℃から550℃まで1℃/minの速度で
昇温し、550℃以降を10℃/minの速度として、窒素
ガス雰囲気中で1200℃まで昇温した。この間、試料
に5kg/cm2の圧力が印加されているようにした。120
0℃に達した後、上記と同様の昇温速度を保ちながら2
0kg/cm2の圧力を温度が1400℃になるまで印加し
た。その後、圧力を減少させ、温度が3000℃に昇温
するまでの間では冶具の重量に相当する圧力のみが印加
されるようにした。温度が3000℃に達した後、再び
圧力を印加した。印加圧力は200kg/cm2であった。こ
の圧力を保ちながら熱処理を完了した。このようにして
得られたブロック状のグラファイトは、ほとんどしわが
なく、均一な表面を有していた。
【0030】上記のようにして得られた本実施例のグラ
ファイトの特性について理学電機社製のX線回折装置を
用いて測定し、グラファイト(002)回折線のピーク
位置におけるロッキング特性測定の回折線の半値幅をも
って評価した。測定の結果、ロッキング特性は0.61
°であり、X線や中性子線のモノクロメーターとして優
れた特性を有することがわかった。
【0031】(比較例1)比較例として、上記と同様の
熱分解温度処理を施していないフィルムを用いた場合、
1200℃までの昇温過程において、フィルム同士が融
着し、内部から発生するガスにより破壊してしまった。
この破壊を防ぐため、1200℃までの焼成工程におい
て、事実上、冶具重量による圧力で処理を行い、以降の
処理を本実施例と同様にした。得られたブロック状のグ
ラファイトのロッキング特性は0.8゜であった。この
結果からも明らかなように本実施例の製造方法がロッキ
ング特性の向上に非常に有効であることがわかった。
【0032】(実施例2)まず、厚さ25μm 、のポリ
イミドフィルム(Dupont(株)製、カプトンHフィルム、
5×5cm2)300枚を積層し、グラファイト製の冶具
にセットした。次に、この積層状態のフィルムを450
℃まで10℃/minの速度で昇温し、熱分解温度である4
50℃から550℃まで0.5℃/minの速度で昇温し、
550℃以降を10℃/minの速度として、窒素ガス雰囲
気中で1200℃まで昇温した。この間、試料に5kg/c
m2の圧力が印加されているようにした。1200℃に達
した後、上記と同様の昇温速度を保ちながら20kg/cm2
の圧力を温度が1600℃になるまで印加した。その
後、圧力を減少させ、温度が2700℃に昇温するまで
の間では冶具の重量に相当する圧力のみが印加されるよ
うにした。温度が2700℃に達した後、再び圧力を印
加した。印加圧力は200kg/cm2であった。この圧力を
保ちながら3000℃まで昇温し、熱処理を完了した。
このようにして得られたブロック状のグラファイトは、
ほとんどしわがなく、均一な表面を有していた。
【0033】上記のようにして得られた本実施例のグラ
ファイトの特性について理学電機社製のX線回折装置を
用いて測定し、グラファイト(002)回折線のピーク
位置におけるロッキング特性測定の回折線の半値幅をも
って評価した。測定の結果、ロッキング特性は0.55
°であり、X線や中性子線のモノクロメーターとして優
れた特性を有することがわかった。
【0034】(比較例2)比較例として、上記と同様の
熱分解処理を施していないフィルムを用いた場合、12
00℃までの昇温過程において、フィルム同士が融着
し、内部から発生するガスにより破壊してしまった。こ
の破壊を防ぐため、1200℃までの焼成工程におい
て、事実上、冶具重量による圧力で処理を行い、以降の
処理を本実施例と同様にした。得られたブロック状のグ
ラファイトのロッキング特性は0.76゜であった。こ
の結果からも明らかなように本実施例の製造方法がロッ
キング特性の向上に非常に有効であることがわかった。
【0035】(実施例3)まず、厚さ50μm のPB
T、PBBT、PBO、PBBO、PA、PBI、PP
BI、PT、PPVのフィルムをそれぞれ100枚積層
し、それぞれに熱分解温度領域を0.7℃/minで昇温処
理した。次に、処理後の窒素ガス雰囲気中、10℃/min
の速度で1400℃まで昇温した。この間、試料には2
kg/cm2の圧力が印加されているようにした。1400℃
に達した後、上記と同様の昇温速度を保ちながら10kg
/cm2の圧力を温度が2000℃になるまで印加した。そ
の後、圧力を減少させ、温度が2800℃に昇温するま
での間では冶具の重量に相当する圧力のみが印加される
ようにした。温度が2800℃に達した後、再び圧力を
印加した。印加圧力は150kg/cm2であった。この圧力
を保ちながら3000℃まで昇温し、熱処理を完了し
た。このようにして得られたブロック状のグラファイト
は、ほとんどしわがなく、均一な表面を有していた。
【0036】上記のようにして得られたグラファイトの
特性について理学電機社製のX線回折装置を用いて測定
し、グラファイト(002)回折線のピーク位置におけ
るロッキング特性測定の回折線の半値幅をもって評価し
た。測定の結果を(表1)に示す。
【0037】
【表1】
【0038】この結果から明かなように上記各高分子か
ら得られたブロック状のグラファイトは、いずれもX線
や中性子線のモノクロメーターとして優れた特性を有す
ることがわかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
分子フィルムの熱処理時に熱分解温度である450℃か
ら550℃の昇温速度が1℃/min以下となるようにする
ことにより、その熱分解工程において、分解ガスは高分
子フィルムの間を通ってスムーズに外部に拡散すること
ができるようになっており、高分子フィルムが接着しな
くなる。また、高分子フィルムは互いに接着しないの
で、ある程度の圧力を印加することが可能となり、その
圧力によって高分子フィルムにしわや歪が生じるのを防
ぐことができる。その結果、それぞれの高分子フィルム
がブロック内部できちんと配向し、しかも、高分子フィ
ルムの内部では結晶がきれいに配列した高配向性のブロ
ック状のグラファイトを得ることができる。したがっ
て、簡単な方法で、しかも、低コストで高い配向性を持
つブロック状のグラファイトを得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の高分子フィルムを積層し、加
    圧、熱処理してグラファイトを製造するに際し、上記高
    分子フィルムを熱分解温度である450℃から550℃
    の間の温度の昇温速度が1℃/min以下になるように処理
    することを特徴とするグラファイトの製造方法。
  2. 【請求項2】 高分子フィルムがポリオキサジアゾー
    ル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾ
    イミダゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾ
    オキサゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビ
    ニレンの中から選ばれた少なくとも1種類である請求項
    1記載のグラファイトの製造方法。
JP3169874A 1991-07-10 1991-07-10 グラフアイトの製造方法 Pending JPH0517117A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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