JP2553784B2 - グラファイトの製造方法 - Google Patents

グラファイトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線モノクロメータ
ー、中性子線モノクロメーター、中性子線フィルター等
の放射線光学素子として利用される高配向性ブロック状
のグラファイトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラファイトは、抜群の耐熱性、耐薬品
性、高電気伝導性等のため工業材料として重要な地位を
占め、ガスケット、電極、発熱体、構造材として広く使
用されている。中でも高配向性グラファイトは、X線や
中性子線に対する優れた分光、反射特性を有するため
に、X線や中性子線のモノクロメーター、あるいはフィ
ルターとして広く用いられている。
【0003】この目的に使用されるグラファイトとして
は、天然に産するものを使用するのが一つの方法である
が、良質のグラファイトは生産量が非常に限られてお
り、しかも取り扱いにくい粉末状又はリン片状のため、
人工的にグラファイトを製造することが行われている。
【0004】このような人工的なグラファイトの製造方
法としては、気相中での炭化水素ガスの高温分解沈積
と、その熱間加工による方法がある。これは圧力を印加
しつつ3400℃で長時間再焼鈍する工程によって作成
する方法である。このようにして作成されるグラファイ
トは高配向性グラファイト(HOPG)と呼ばれ、天然
の単結晶グラファイトと比較して優れた特性を有してい
る。しかし、この方法は製造工程が極めて複雑でかつ歩
留りも著しく低く、その結果HOPGは極めて高価なも
のであった。
【0005】このような従来の高品質グラファイトの製
造方法の欠点を解消し、製造方法が容易でコストの安価
な製造方法として、高分子フィルムを高温焼成して高品
質グラファイトを作成する方法が開発された。高分子材
料は一般的には難グラファイト材料に属し、たとえ30
00℃の高温に加熱しても良質のグラファイトに転化さ
れることはない。
【0006】しかしながら、最近の研究の結果、高分子
材料のいくつかは適当な熱処理によって良質なグラファ
イトに転化されることが分かってきた。それらの高分子
としては、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリイミド、
芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベン
ゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチア
ゾール、ポリパラフェニレンビニレン等がある。これら
の知見に基づき、本出願人は既に特許出願を行ってお
り、それらは特開昭61−275114号公報、特開昭
61−275115号公報、特開昭61−275117
号公報等に開示されている。
【0007】これらの発明に基づいて高分子フィルムを
積層し、加圧焼成してブロック状のグラファイトを作成
する検討がなされた。これらの例は特開平1−1051
99号公報、特開昭63−235218号公報に開示さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら複数枚の
高分子フィルムを積層し、これを配向性に優れるブロッ
クとするためには数多くの工夫が必要であり、単純に加
圧焼成するだけでは目的の高配向性グラファイトは得ら
れない。
【0009】高配向性グラファイトを得るためには、そ
れぞれのフィルムがブロック内部できちんと配向してい
ること、フィルムの内部でグラファイト結晶がきれいに
配列していること、フィルム同士が接着していることが
重要である。しかしながら、例えば、上記の高分子フィ
ルムはいずれも300から600℃の温度領域で熱分解
を起こし、フィルムは急激に収縮を起こす。さらに、こ
れらの高分子は1000℃から2000℃付近の温度領
域では硬くて脆い、所謂ハードカーボンの状態となる。
従って、これらの高分子フィルムを積層し圧力を印加し
つつ熱処理を行っても、通常はフィルムの収縮変形によ
ってしわや内部構造の歪が生じ、極端な場合には破壊に
至ってしまう。
【0010】従って、複数枚の高分子フィルムより高配
向性のグラファイトブロックを作成する技術では、高分
子フィルムの伸びや縮みによって熱分解、炭素化、グラ
ファイト化の過程の間に生じた歪を如何に最終的なグラ
ファイトブロックの中に残さないかと言う点がポイント
になる。
【0011】そのために、例えば、熱分解温度領域では
本質的に圧力を印加せず、分解温度以上から2000℃
の温度領域で2から50kg/cm2の間の圧力を印加し、2
600℃以上では50kg/cm2以上の圧力を印加するよう
な手法が行われる。熱分解温度領域で圧力を印加しない
のは、この領域で圧力を印加するとフィルム同士が融着
し、内部からの発生する分解ガスのスムーズな放出を妨
げ、ついにはその発生ガスによって炭素化物の破壊に至
るからである。分解温度以上から2000℃の間の圧力
操作は作成した炭素化物(ハードカーボンの状態にあ
る)を壊さないように焼成して、分解温度領域で生じた
内部歪を取り除く工程である。また、2600℃以上の
圧力操作はグラファイト化を進めつつ、フィルム同士を
接着させる工程である。
【0012】上記の方法は、熱分解、炭素化、グラファ
イト化、接着の工程をそれぞれ制御して、高配向性のグ
ラファイトを作成する方法であり、この方法によりモザ
イクスプレッドの値が0.7゜程度の特性を持つ高配向
性のグラファイトブロックが得られるようになった。し
かし、より優れた配向性を持つブロックの実現には、熱
分解過程において生じる歪をより小さくすることが重要
である。そのためには熱分解過程において、高分子フィ
ルム同士の接着を防ぎ、分解ガスの放出をスムーズに行
いつつ加圧することが望ましい。しかし、通常、熱分解
過程における加圧は上記のように通常フィルム同士の接
着を起こすため、加圧は出来なかった。
【0013】本発明は、複数枚の高分子フィルムを積層
し、加圧熱処理するグラファイトの製造方法を改良し、
特に熱分解過程での歪を小さくし、より高配向性のグラ
ファイトブロックの製造方法の提供を目的とするもので
ある。特に本発明は、熱分解過程での歪を小さくするた
めに加圧焼成が可能となる原料フィルムの処理方法に関
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に代表的に記載されているよう
に、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリイミド、芳香族
ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビス
チアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾー
ル、及びポリパラフェニレンビニレンの内から選択され
る高分子フィルムを複数用意する工程と、前記高分子フ
ィルムを酸素を含む雰囲気中で熱分解温度以下で酸化処
理する酸化処理工程と、前記酸化処理工程後に高分子フ
ィルムを積層する積層工程と、前記積層工程後に熱分解
温度領域で積層された高分子フィルムを熱分解する熱分
解工程と、前記熱分解工程後にグラファイト化温度領域
で積層された高分子フィルムをグラファイト化するグラ
ファイト化工程と、少なくとも前記熱分解工程において
積層された高分子フィルムを加圧する加圧工程とを有す
るグラファイトの製造方法である。 ここで、加圧工程
は、更に、熱分解工程とグラファイト化工程の間と、前
記グラファイト化工程後においても圧力を印加し、前記
熱分解工程とグラファイト化工程の間で印加される圧力
が、前記熱分解工程において印加される圧力よりも大き
く、前記グラファイト化工程後に印加される圧力が、前
記熱分解工程とグラファイト化工程の間で印加される圧
力よりも大きいことが好適である。 更に、酸化処理工程
は酸素の雰囲気中で行い、グラファイト化工程において
は実質的に圧力を印加しないことが好ましい。
【0015】
【作用】本発明は、上記構成により、特に熱分解工程で
加圧しつつ焼成しても、分解ガスはフィルム間を通って
スムーズに外部に放出され、発生ガスによってフィルム
が破壊にいたるのを防ぐことが出来る。また、加圧によ
ってフィルム内部に歪が入る事を防ぐ事が出来、結果と
して、最終的にグラファイト化したブロックの配向性特
性を向上させる事が出来る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する
が、実施例の説明の前に本発明の概要について説明す
る。
【0017】従来例として説明した問題点を解決すべく
検討の結果、予めその表面を酸化処理した高分子フィル
ムを原料として用いることにより、高い配向性のグラフ
ァイトブロックを得ることが出来ることを発見して本発
明に至った。すなわち、酸化処理により高分子フィルム
はその熱分解工程において互いに接着する事がなくな
り、分解ガスはフィルムの間を通ってスムーズに外部に
拡散する事が出来るようになった。また、フィルムは互
いに接着しないため、ある程度の圧力を印加することが
可能となり、その圧力によってフィルムにしわや歪が導
入される事を防ぐ事が出来る。こうして作成された炭素
化ブロックは上記の手法に従って高温処理が行われグラ
ファイト化されるが、初期に導入される歪が少ないため
に従来の手法に比べ配向性の優れたグラファイトブロッ
クを得る事が出来る。
【0018】以下、本発明の材料、手法について説明す
る。本発明では、各種ポリフェニレンオキサジアゾール
(POD)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベ
ンゾビスチアゾール(PBBT)、ポリベンゾオキサゾ
ール(PBO)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBB
O)、各種芳香族ポリイミド(PI)、各種芳香族ポリ
アミド(PA)、ポリ(フェニレンベンゾイミタゾー
ル)(PBI)、ポリ(フェニレンベンゾビスイミタゾ
ール)(PPBI)、ポリチアゾール(PT)、ポリ
(パラフェニレンビニレン)(PPV)のうちから選ば
れた少なくとも一種類の高分子フィルムの表面を予め酸
化処理し、しかる後にそのフィルムを複数枚積層し、加
圧熱処理によって高配向性のブロックを作成する。
【0019】ここで各種ポリオキサジアゾールとは、ポ
リパラフェニレン−1.3.4−オキサジアゾール及び
それらの異性体を言う。また各種芳香族ポリイミドとは
下記一般式で表されるポリイミドである。
【0020】
【化1】
【0021】また、芳香族ポリアミドとは下記一般式で
表されるポリアミドである。
【0022】
【化2】
【0023】しかし、本発明はこれらのポリイミド、ポ
リアミドに限定されるものではない。
【0024】本発明における原料高分子フィルムは、上
記のPOD、PBT、PBBT、PBO、PBBO、P
I、PA、PBI、PBBI、PT、PPV、等の内か
ら選ばれるが、本発明の手法は 高温での熱処理によっ
て良質のグラファイトを生じるような高分子フィルムに
対して同様に適用することが可能である。
【0025】本発明の方法では出発原料として400μ
m 以下の厚さを有するフィルムが用いられる事が望まし
い。それは400μm 以上の厚さを有する原料を用いた
場合には、本発明の方法によってもフィルム内部から発
生するガスのためにフィルムの内部構造が破壊され高配
向性のグラファイトブロックを得る事が困難となるため
である。
【0026】本発明による酸化の方法は、従って上記高
分子の熱分解温度以下で行われる必要がある。酸化は、
通常空気中での処理、あるいは酸素中での処理によって
行われる。例えば、芳香族ポリイミドを例として酸化処
理について述べる。図1はポリイミド(デュポン社製、
カプトン、25μm )の面方向の伸び縮みの測定結果で
ある。ここに示すようにポリイミドは450から500
℃でわずかに伸び、500から700℃の領域で急激に
元の長さの75%に収縮する。この温度領域は高分子の
熱分解領域に相当する。従って、本発明の酸化処理は5
00℃以下で行われる。空気中での酸化処理を行う場
合、低温での処理では長時間、高温での処理では短時間
である。一般には100℃以下での空気中酸化はあまり
効果がない。100から200℃の温度範囲での処理で
は2時間以上が必要で、200から300℃の範囲では
30分以上、300℃から400℃では10分以上、4
00℃から500℃では2分以上の処理が必要である。
むろん、純酸素中あるいはより酸素の多い雰囲気下での
処理では処理時間はより少なくてよい。
【0027】表面を酸化処理していないポリイミドの場
合、フィルム同士が融着せず、なおかつしわが発生しな
いようにしながら炭素化するためにはフィルムが伸び縮
みする温度領域では本質的に圧力を印加しない事が必要
となる。ここで本質的に圧力を印加しないと言う意味
は、加圧の為の冶具の重量などの微少な圧力は加えても
よいと言う意味である。このときの許容される圧力の大
きさは一般的に2kg/cm2以下であり、特に好ましくは1
kg/cm2以下である。これに対し、上記のような酸化処理
をしたポリイミドフィルムではフィルムフィルム同士の
接着がしにくくなるため、最大10kg/cm2 の加圧が可
能となる。そのため得られた炭素化物は、表面酸化して
いない原料を用いた場合に比べ、はるかにしわの少ない
物であった。そしてこうして得られた炭素化物を用いて
グラファイト化を行った所、平均0.2゜のロッキング
特性の向上が観察された。
【0028】以上、述べた加圧、熱処理の方法は必ずし
もポリイミドに限定される事はなく、一般に熱処理によ
って優れたグラファイトに転化されるグラファイトにつ
いては適用することができる。
【0029】(実施例1)次に、本発明の第1の実施例
について説明する。
【0030】厚さ50μm のポリパラフェニレン-1.
3.4−オキサジアゾールフィルムを400℃、20分
間空気中で酸化処理した。次に、100枚(2×3c
m2)をグラファイト製の冶具にセットし、アルゴンガス
雰囲気中10℃/min の速度で1200℃まで昇温し
た。この間試料に5kg/cm2 の圧力が印加されているよ
うにした。次に1200℃に達した後、同様の昇温速度
を保ちながら圧力を印加した。印加圧力は20kg/cm2
であり、温度が1400℃になるまで圧力を印加した。
その後圧力を減少させ、温度が2600℃に昇温するま
での間では冶具の重量に相当する圧力のみが印加される
ようにした。温度が2600℃に達したのち、再び圧力
を印加した。印加圧力は200kg/cm2である。この圧力
を保ちながら3000℃まで昇温し熱処理を完了した。
この結果得られたグラファイトブロックはほとんどしわ
のない均一な表面を有するものであった。
【0031】得られたグラファイトの特性を、理学電機
社製ローターフレックスRU−200B型X線回折装置
を用い測定した。グラファイト(002)回折線のピー
ク位置におけるロッキング特性測定の結果得られた回折
線の半値幅をもって評価した。測定の結果、ロッキング
特性は0.58°でありX線や中性子線のモノクロメー
ターとして優れた特性を有することが分かった。
【0032】同様の処理を空気中での酸化処理を施さな
いフィルムを用いて行ったが、1200℃までの昇温過
程においてフィルム同士が融着し、内部から発生するガ
スのため破壊してしまった。次に破壊を防ぐため120
0℃までの焼成工程での圧力を事実上冶具重量による圧
力である100g/cm2 として処理を行い、以降の処理を
同様にした。得られたブロックのロッキング特性は0.
8゜であつた。このことから本発明の手法がロッキング
特性の向上に非常に有効であることがわかった。
【0033】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
について説明する。
【0034】厚さ25μm のポリイミド(ジュポン社
製、カプトンHフィルム)を空気中450℃で30分間
酸化処理を行った。次に、200枚(3×3 cm2)を積
層し、第1の実施例と同様の方法でグラファイト製の冶
具にセットし、アルゴンガス雰囲気中10℃/minの速度
で1400℃まで昇温した。この間試料には4kg/cm2
圧力が印加されているようにした。次に1400℃に達
した後、同様の昇温速度を保ちながら30 kg/cm2 の圧
力を加えながら、温度が1600℃になるまで印加し
た。その後圧力を減少させ、温度が2700℃に昇温す
るまでの間では冶具の重量に相当する圧力(100 g/c
m2)のみが印加されるようにした。温度が2700℃に
達したのち、再び圧力を印加した。印加圧力は300 k
g/cm2 である。この圧力を保ちながら3000℃まで昇
温し熱処理を完了した。この結果得られたグラファイト
ブロックはほとんどしわのない均一な表面を有するもの
であった。
【0035】得られたグラファイトの特性を、理学電機
社製ローターフレックスRU−200B型X線回折装置
を用い測定した。グラファイト(002)回折線のピー
ク位置におけるロッキング特性測定の結果得られた回折
線の半値幅をもって評価した。測定の結果、ロッキング
特性は0.50°でありX線や中性子線のモノクロメー
ターとして優れた特性を有することが分かった。
【0036】同様の処理を空気中での酸化処理を施さな
いフィルムを用いて行ったが、1400℃までの昇温過
程において、フィルム同士が融着し内部から発生するガ
スのため破壊してしまった。次に破壊を防ぐため140
0℃までの焼成工程での圧力を事実上冶具重量による圧
力である、100 g/cm2として処理を行い、以降の処理
を同様にした。得られたブロックのロッキング特性は
0.70゜であつた。このことから本発明の手法がロッ
キング特性の向上に非常に有効であることがわかった。
【0037】(実施例3)次に、本発明の第3の実施例
について説明する。
【0038】300℃で1時間酸化処理を施した、厚さ
50μm の、PBT、PBBT、PBO、PBBO、P
I、PA、PBI、PBBI、PT、PPV、フィルム
100枚を積層し、それぞれをグラファイト製の冶具に
セットし、アルゴンガス雰囲気中10℃/minの速度で1
500℃まで昇温した。この間試料には4 kg/cm2 の圧
力が印加されているようにした。次に1500℃に達し
た後、同様の昇温速度を保ちながら圧力を印加した。印
加圧力は30 kg/cm2 であり、温度が1800℃になる
まで印加した。その後圧力を減少させ、温度が2800
℃に昇温するまでの間では冶具の重量に相当する圧力の
みが印加されるようにした。温度が2800℃に達した
のち、再び圧力を印加した。印加圧力は300 kg/cm2
である。この圧力を保ちながら3000℃まで昇温し熱
処理を完了した。この結果得られたグラファイトブロッ
クはほとんどしわのない均一な表面を有するものであっ
た。
【0039】比較のため、酸化処理を行わないフィルム
を用い1500℃までの熱処理過程に置ける圧力をグラ
ファイト冶具の重量に相当する100g/cm2 とし、以降
同様の処理を行ってグラファイトブロックを作成した。
【0040】得られたグラファイトの特性を、理学電機
社製ローターフレックスRU−200B型X線回折装置
を用い測定した。グラファイト(002)回折線のピー
ク位置におけるロッキング特性測定の結果得られた回折
線の半値幅をもって評価した。測定の結果を(表1)に
示す。
【0041】この結果から明かなように、これらの高分
子から得られたグラファイトブロックはいずれもX線や
中性子線のモノクロメーターとして優れた特性であるこ
とが分かった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明は、ポリオキサジア
ゾール等の高分子フィルムを複数用意して、酸素を含む
雰囲気中で熱分解温度以下で酸化処理した後で積層し、
積層後に熱分解温度領域で加圧しながら高分子フィルム
を熱分解するため、分解ガスはフィルム間を通ってスム
ーズに外部に放出され、発生ガスによってフィルムが破
壊にいたるのを防ぐことが出来る。また、加圧によって
フィルム内部に歪が入る事を防ぐ事が出来、結果とし
て、最終的にグラファイト化したブロックの配向性特性
を向上させる事が出来る。高い配向性をもつグラファイ
トブロックは、高品質のグラファイトであり、X線や中
性子線モノクロメーターとして、また中性子線のフィル
ターとして広く使用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として使用されるポリイミド
(デュポン社製、カプトンHフィルム、厚さ25μm )
フィルムの伸び縮みを示す特性図
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−83208(JP,A) 特開 平1−203208(JP,A) 特公 平−18002(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキサジアゾール、芳香族ポリイミ
    ド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ
    ベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリ
    チアゾール、及びポリパラフェニレンビニレンの内から
    選択される高分子フィルムを複数用意する工程と、前記
    高分子フィルムを酸素を含む雰囲気中で熱分解温度以下
    で酸化処理する酸化処理工程と、前記酸化処理工程後に
    高分子フィルムを積層する積層工程と、前記積層工程後
    に熱分解温度領域で積層された高分子フィルムを熱分解
    する熱分解工程と、前記熱分解工程後にグラファイト化
    温度領域で積層された高分子フィルムをグラファイト化
    するグラファイト化工程と、少なくとも前記熱分解工程
    において積層された高分子フィルムを加圧する加圧工程
    とを有するグラファイトの製造方法。
  2. 【請求項2】 加圧工程では、更に、熱分解工程とグラ
    ファイト化工程の間と、前記グラファイト化工程後にお
    いても圧力を印加し、前記熱分解工程とグラファイト化
    工程の間で印加される圧力が、前記熱分解工程において
    印加される圧力よりも大きく、前記グラファイト化工程
    後に印加される圧力が、前記熱分解工程とグラファイト
    化工程の間で印加される圧力よりも大きい請求項1記載
    のグラファイトの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化処理工程は酸素の雰囲気中で行い、
    グラファイト化工程においては実質的に圧力を印加しな
    い請求項1または2記載のグラファイトの製造方法。
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