JPH0788207B2 - グラフアイトフイルムの製造方法 - Google Patents
グラフアイトフイルムの製造方法Info
- Publication number
- JPH0788207B2 JPH0788207B2 JP62092535A JP9253587A JPH0788207B2 JP H0788207 B2 JPH0788207 B2 JP H0788207B2 JP 62092535 A JP62092535 A JP 62092535A JP 9253587 A JP9253587 A JP 9253587A JP H0788207 B2 JPH0788207 B2 JP H0788207B2
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- Japan
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- graphite
- film
- sample
- graphite film
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電極、発熱体、構造材、高温高圧機器用ガスケ
ット、断熱材、耐食性シール材、電機用ブラシ、X線モ
ノクロメーターなどに利用されるグラファイトフィルム
の製造方法に関し、特に、特殊な高分子材料を原料と
し、これを特定の温度で熱処理する事からなるグラファ
イトフィルムの製造方法に関する。
ット、断熱材、耐食性シール材、電機用ブラシ、X線モ
ノクロメーターなどに利用されるグラファイトフィルム
の製造方法に関し、特に、特殊な高分子材料を原料と
し、これを特定の温度で熱処理する事からなるグラファ
イトフィルムの製造方法に関する。
従来の技術 グラファイトは抜群の耐熱性や耐薬品性、高電導性など
のため工業材料として重要な地位をしめ、電極、発熱
体、構造材として広く使用されている。この様なグラフ
ァイトとしては天然に産するものを使用するのが一つの
方法であるが、良質のグラファイトは生産量が非常に限
られており、しかも取り扱いにくい粉末状又はブロック
状のため人工的にグラファイトを製造する事が行なわれ
ている。
のため工業材料として重要な地位をしめ、電極、発熱
体、構造材として広く使用されている。この様なグラフ
ァイトとしては天然に産するものを使用するのが一つの
方法であるが、良質のグラファイトは生産量が非常に限
られており、しかも取り扱いにくい粉末状又はブロック
状のため人工的にグラファイトを製造する事が行なわれ
ている。
その様な人造グラファイトの製造方法は主として次の4
つの方法に分類する事が出来る。
つの方法に分類する事が出来る。
第1はFe,Ni/C系融体からの析出、Si,Al等の炭化物の分
解、あるいは高温、高圧下での炭素融液の冷却によって
作る方法である。この様にして得られたグラファイトは
キャッシュグラファイトと呼ばれ天然のグラファイトと
同じ物性を有している。しかしながら、この方法によっ
ては微少な薄片状のグラファイトしか得られず、製造法
の煩雑さやコスト高と相まって工業的には使われていな
い。
解、あるいは高温、高圧下での炭素融液の冷却によって
作る方法である。この様にして得られたグラファイトは
キャッシュグラファイトと呼ばれ天然のグラファイトと
同じ物性を有している。しかしながら、この方法によっ
ては微少な薄片状のグラファイトしか得られず、製造法
の煩雑さやコスト高と相まって工業的には使われていな
い。
第2は多様な有機物あるいは炭素質物を3000℃以上で加
熱してグラファイト化する方法であるが、この方法では
天然グラファイトやキャッシュグラファイトと同じ物性
のグラファイトは得られない。例えば、グラファイトの
最も典型的な物性であるC軸方向の電気伝導度は、天然
グラファイトやキャッシュグラファイトでは1〜2.5×1
04S/cmであるのに対し、この方法では一般に1〜2×10
3S/cmの電導度の生成物しか得られない。すなわち、こ
の事はこの様な方法では一般にグラファイト化が完全に
は進行しない事を示している。しかし、この第2の方法
は製造法が簡単であるため必ずしも完全なグラファイト
化が必要でない様な用途に広く使用されている。したが
って、この方法によって天然グラファイトと同じ様な特
性を有するグラファイトが出来るならば、その工業的な
意義は非常に大きい。
熱してグラファイト化する方法であるが、この方法では
天然グラファイトやキャッシュグラファイトと同じ物性
のグラファイトは得られない。例えば、グラファイトの
最も典型的な物性であるC軸方向の電気伝導度は、天然
グラファイトやキャッシュグラファイトでは1〜2.5×1
04S/cmであるのに対し、この方法では一般に1〜2×10
3S/cmの電導度の生成物しか得られない。すなわち、こ
の事はこの様な方法では一般にグラファイト化が完全に
は進行しない事を示している。しかし、この第2の方法
は製造法が簡単であるため必ずしも完全なグラファイト
化が必要でない様な用途に広く使用されている。したが
って、この方法によって天然グラファイトと同じ様な特
性を有するグラファイトが出来るならば、その工業的な
意義は非常に大きい。
第3は気相炭化水素の高温分解沈積とその熱間加工によ
って作る方法であり、10Kg/cm3の圧力をかけ3400℃で長
時間再焼鈍すると言う工程により作成される。この様に
して得られたグラファイトは高配向パイログラファイト
と呼ばれ、その特性は天然グラファイトと同じである。
例えばC軸方向の電気伝導度は2.5×104S/cmである。こ
の方法ではキャッシュグラファイトと異なりかなり大き
なものも作成出来るが、製造法が複雑であり非常に高価
であると言う欠点がある。
って作る方法であり、10Kg/cm3の圧力をかけ3400℃で長
時間再焼鈍すると言う工程により作成される。この様に
して得られたグラファイトは高配向パイログラファイト
と呼ばれ、その特性は天然グラファイトと同じである。
例えばC軸方向の電気伝導度は2.5×104S/cmである。こ
の方法ではキャッシュグラファイトと異なりかなり大き
なものも作成出来るが、製造法が複雑であり非常に高価
であると言う欠点がある。
第4は第2の方法と第3の方法によって得られるグラフ
ァイトの間を埋める商品であって、天然グラファイトを
濃硝酸と濃硫酸の混合液に浸せきし、その後、加熱によ
りグラファイト層間を拡げる事により作成する。この様
にして製造されたグラファイトはエクスパンドグラファ
イトと言われるが、粉末状であるためシート状グラファ
イトとするためにはさらに粘結剤と共に高圧プレス加工
をする必要がある。この様にして得られたシート状グラ
ファイトの特性は天然の単結晶グラファイトには及ば
ず、例えば電導度は通常1.2×103S/cm程度である。また
工程上多量の酸が必要であり、SOx,NOxガス発生の問題
や、残留酸の浸出による金属の腐食など多くの問題があ
る。
ァイトの間を埋める商品であって、天然グラファイトを
濃硝酸と濃硫酸の混合液に浸せきし、その後、加熱によ
りグラファイト層間を拡げる事により作成する。この様
にして製造されたグラファイトはエクスパンドグラファ
イトと言われるが、粉末状であるためシート状グラファ
イトとするためにはさらに粘結剤と共に高圧プレス加工
をする必要がある。この様にして得られたシート状グラ
ファイトの特性は天然の単結晶グラファイトには及ば
ず、例えば電導度は通常1.2×103S/cm程度である。また
工程上多量の酸が必要であり、SOx,NOxガス発生の問題
や、残留酸の浸出による金属の腐食など多くの問題があ
る。
以上、述べた様に従来法1〜4のうち、第2、第4の方
法では天然の単結晶グラファイトと同じ特性のグラファ
イトは出来ず、一方、第1、第3の方法は天然の単結晶
グラファイトと同等な特性のグラファイトが得られる
が、工程が複雑で生成物が非常に高価になると言う欠点
がある。また第4の方法も工程上多くの問題を含んでい
る。
法では天然の単結晶グラファイトと同じ特性のグラファ
イトは出来ず、一方、第1、第3の方法は天然の単結晶
グラファイトと同等な特性のグラファイトが得られる
が、工程が複雑で生成物が非常に高価になると言う欠点
がある。また第4の方法も工程上多くの問題を含んでい
る。
この様な問題を解決すべく、我々は高分子フィルムを直
接高品質グラファイトフィルムに転換する事を目的とし
て研究を行なった。そして本発明者らは先に特許出願し
た(特願昭−60−115415号明細書)においてポリオキサ
ジアゾール(以下PODと略す)が1600℃以上の温度で熱
処理する事によって従来のどの様な高分子よりも容易に
グラファイト化でき、良質のグラファイトフィルムに転
換出来る事を述べた。又、特願昭60−115416号明細書に
おいてポリベンゾチアゾール(PBTと略す)、ポリベン
ゾビスチアゾール(PBBTと略す)、ポリベンゾオキサゾ
ール(PBOと略す)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBB
Oと略す)、ポリチヤゾール(PBTと略す)等の高分子も
良質なグラファイトフィルムに転換出来る事を述べた。
さらに特願昭60−115411において、ポリ(ピメリットイ
ミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポ
リ(m−フェニレンベンゾイミダゾール)、ポリ(m−
フェニレンベンゾビスイミダゾール)などの高分子フィ
ルムを自己収縮を防止する様に熱処理し、その後1800℃
以上の温度で熱処理する事によってやはり良質なグラフ
ァイトフィルムに転換出来る事を述べた。
接高品質グラファイトフィルムに転換する事を目的とし
て研究を行なった。そして本発明者らは先に特許出願し
た(特願昭−60−115415号明細書)においてポリオキサ
ジアゾール(以下PODと略す)が1600℃以上の温度で熱
処理する事によって従来のどの様な高分子よりも容易に
グラファイト化でき、良質のグラファイトフィルムに転
換出来る事を述べた。又、特願昭60−115416号明細書に
おいてポリベンゾチアゾール(PBTと略す)、ポリベン
ゾビスチアゾール(PBBTと略す)、ポリベンゾオキサゾ
ール(PBOと略す)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBB
Oと略す)、ポリチヤゾール(PBTと略す)等の高分子も
良質なグラファイトフィルムに転換出来る事を述べた。
さらに特願昭60−115411において、ポリ(ピメリットイ
ミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、ポ
リ(m−フェニレンベンゾイミダゾール)、ポリ(m−
フェニレンベンゾビスイミダゾール)などの高分子フィ
ルムを自己収縮を防止する様に熱処理し、その後1800℃
以上の温度で熱処理する事によってやはり良質なグラフ
ァイトフィルムに転換出来る事を述べた。
これらは単に高分子を不活性ガス中或いは真空中で熱処
理すると言う極めて簡単な操作により、従来、製造する
ことが不可能であったころのほぼ完全なグラファイトフ
ィルムを得る事が出来、すぐれた製造方法であるという
ことができる。
理すると言う極めて簡単な操作により、従来、製造する
ことが不可能であったころのほぼ完全なグラファイトフ
ィルムを得る事が出来、すぐれた製造方法であるという
ことができる。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、これらの製造方法にも大きな欠点があ
る。それは大面積のグラファイトフィルムを得ようとす
る場合には、それだけ大きな高温炉が必要となると言う
点である。連続的に熱処理を行なう事はこの問題の有力
な解決法である。しかし、これらの高分子フィルムは50
0〜1600℃の間ではきわめて脆く、割れ易いため、事実
上連続的に焼成を行う事は不可能に近い。したがって現
在はバッチ式での生産が行われている。この場合、試料
の大きさは用いられるヒーターの大きさによって制限さ
れるためあまり大きなグラファイトフィルムは作る事が
出来なかった。
る。それは大面積のグラファイトフィルムを得ようとす
る場合には、それだけ大きな高温炉が必要となると言う
点である。連続的に熱処理を行なう事はこの問題の有力
な解決法である。しかし、これらの高分子フィルムは50
0〜1600℃の間ではきわめて脆く、割れ易いため、事実
上連続的に焼成を行う事は不可能に近い。したがって現
在はバッチ式での生産が行われている。この場合、試料
の大きさは用いられるヒーターの大きさによって制限さ
れるためあまり大きなグラファイトフィルムは作る事が
出来なかった。
本発明は、以上のような人造グラファイトフィルムの製
造における問題点を解決するためになされたもので、上
記の様な特殊な構造を有する高分子フィルムを不活性ガ
ス中または真空中で熱処理すると言う容易な方法によ
り、天然グラファイトと同等の特性を有する良質のグラ
ファイトを提供することを目的とし、特にバッチ法によ
って大面積のグラファイトフィルムを得ることを目的と
するものである。
造における問題点を解決するためになされたもので、上
記の様な特殊な構造を有する高分子フィルムを不活性ガ
ス中または真空中で熱処理すると言う容易な方法によ
り、天然グラファイトと同等の特性を有する良質のグラ
ファイトを提供することを目的とし、特にバッチ法によ
って大面積のグラファイトフィルムを得ることを目的と
するものである。
問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は高分子フィルムを
円筒状グラファイト質炭素に巻き付けて不活性ガス中又
は真空中で熱処理するようにしたグラファイトフィルム
の製造方法である。
円筒状グラファイト質炭素に巻き付けて不活性ガス中又
は真空中で熱処理するようにしたグラファイトフィルム
の製造方法である。
作用 高分子フィルムを円筒状グラファイト質炭素に巻き付
け、この円筒状グラファイト質炭素と共に熱処理するこ
とによってしわの少ない大面積高品質のグラファイトフ
ィルムを作成する事が可能となる。
け、この円筒状グラファイト質炭素と共に熱処理するこ
とによってしわの少ない大面積高品質のグラファイトフ
ィルムを作成する事が可能となる。
実 施 例 以下本発明の実施例について図面とともに詳細に説明す
る。
る。
第2図(a),(b)に一般に3000℃までの高温を得る
ためのヒーターの構造を示す。ヒーター1は円筒状のグ
ラファイト質炭素より成り、これに大電流を印加し、ヒ
ーターの細い部分2を赤熱する。試料はこのヒーター1
の内部に置かれヒーターと共に加熱される。
ためのヒーターの構造を示す。ヒーター1は円筒状のグ
ラファイト質炭素より成り、これに大電流を印加し、ヒ
ーターの細い部分2を赤熱する。試料はこのヒーター1
の内部に置かれヒーターと共に加熱される。
したがって、平面状の試料を用いる限りはヒーター1の
内径より大きな試料は熱処理出来ない事になる。フィル
ム状試料は曲げて入れる事は出来るが、この場合熱処理
過程で試料の収縮が起きるため、試料に多数のしわが生
じてしまう。
内径より大きな試料は熱処理出来ない事になる。フィル
ム状試料は曲げて入れる事は出来るが、この場合熱処理
過程で試料の収縮が起きるため、試料に多数のしわが生
じてしまう。
本発明においては試料を円筒型のグラファイト質炭素に
まきつけ、それを第2図のヒーター1内部にセットす
る。その概念図を第1図に示す。試料である高分子フィ
ルム3は熱処理過程で収縮しようとするがその収縮は円
筒状グラファイト質炭素4によってさまたげられしわを
生じない。
まきつけ、それを第2図のヒーター1内部にセットす
る。その概念図を第1図に示す。試料である高分子フィ
ルム3は熱処理過程で収縮しようとするがその収縮は円
筒状グラファイト質炭素4によってさまたげられしわを
生じない。
すでに述べた様に試料高分子フィルム3は500〜1600℃
の間ではきわめて脆いが、1800℃以上では可撓性のある
グラファイトフィルムに変化する。したがって1800℃以
上に加熱した場合には試料高分子フィルム3を円筒状グ
ラファイト質炭素4から容易に取り除く事が出来る。こ
の様にして得られたグラファイトフィルムは円筒形の履
歴を有しているがこの様な履歴はロールがけなどの手法
によって極めて容易に取り除くことが出来る。試料高分
子フィルム3は必要に応じて何重にも円筒状グラファイ
ト質炭素4にまき付ける事が出来、長さ方向には十分大
きなフィルムを作成する事が出来る。一方、試料の幅は
円筒状グラファイト質炭素4の長さによって規定され
る。また円筒状グラファイト質炭素4を2個用いてその
間に試料をはさみ込む事は極めて有効な手法である。す
なわち第3図に示す様に2本の円筒状グラファイト質炭
素4,5のうち小さい方の円筒4の外径が大きい方の円筒
5の内径より少し小さくなるようにしておき、その間に
試料高分子フィルム3をはさみ込む様にする訳である。
この様な方法によって試料高分子フィルム3を傷つける
事なくヒーター1から出し入れする事が出来る。試料高
分子フィルム3の熱処理を2段階に分けて行い、第1段
階の熱処理が1000℃以下であれば第1段階の熱処理には
石英管や、セラミック管を使用する事が出来る。この場
合には第2段階の1000℃以上の熱処理を行う前に管をグ
ラファイト質炭素管に変える必要がある。
の間ではきわめて脆いが、1800℃以上では可撓性のある
グラファイトフィルムに変化する。したがって1800℃以
上に加熱した場合には試料高分子フィルム3を円筒状グ
ラファイト質炭素4から容易に取り除く事が出来る。こ
の様にして得られたグラファイトフィルムは円筒形の履
歴を有しているがこの様な履歴はロールがけなどの手法
によって極めて容易に取り除くことが出来る。試料高分
子フィルム3は必要に応じて何重にも円筒状グラファイ
ト質炭素4にまき付ける事が出来、長さ方向には十分大
きなフィルムを作成する事が出来る。一方、試料の幅は
円筒状グラファイト質炭素4の長さによって規定され
る。また円筒状グラファイト質炭素4を2個用いてその
間に試料をはさみ込む事は極めて有効な手法である。す
なわち第3図に示す様に2本の円筒状グラファイト質炭
素4,5のうち小さい方の円筒4の外径が大きい方の円筒
5の内径より少し小さくなるようにしておき、その間に
試料高分子フィルム3をはさみ込む様にする訳である。
この様な方法によって試料高分子フィルム3を傷つける
事なくヒーター1から出し入れする事が出来る。試料高
分子フィルム3の熱処理を2段階に分けて行い、第1段
階の熱処理が1000℃以下であれば第1段階の熱処理には
石英管や、セラミック管を使用する事が出来る。この場
合には第2段階の1000℃以上の熱処理を行う前に管をグ
ラファイト質炭素管に変える必要がある。
以下に具体的実施例によって本発明を説明するが、本発
明がこれらに限定されるものでないことは言うまでもな
い。
明がこれらに限定されるものでないことは言うまでもな
い。
なお、グラファイト化の程度は上記格子定数、黒鉛化
率、電気伝導度などの値より評価した。
率、電気伝導度などの値より評価した。
グラファイトの各物性の測定は下記に従って行なった。
1.格子定数(Co) フィリップス社製PW−1051型X線デイフラクトメーター
を用い、CuKα線を使用して試料X線回折線を測定し
た。Coの値は2θ=26〜27゜付近に現われる(002)回
折線よりブラッグの式nλ=2dsinθ(ただし2d=Co)
を用いて計算した。ここでn=2、λはX線の波長であ
る。
を用い、CuKα線を使用して試料X線回折線を測定し
た。Coの値は2θ=26〜27゜付近に現われる(002)回
折線よりブラッグの式nλ=2dsinθ(ただし2d=Co)
を用いて計算した。ここでn=2、λはX線の波長であ
る。
2.結晶子(Lc) 結晶子の大きさ(Lc)は(002)回折線に諸補正をほど
こした回折線の半価幅(β)より次の関係式に従って計
算した。
こした回折線の半価幅(β)より次の関係式に従って計
算した。
ここでKは形状因子である。
3.黒鉛化率(%) 黒鉛化率は面間隔(d)の値より次式を用いて計算し
た。
た。
d002=3.354g+3.44(1−g) ここでgは黒鉛化の程度を示しg=1は完全な黒鉛、g
=0は無定形炭素を示す。
=0は無定形炭素を示す。
4.電気伝導度(S/cm) 試料に銀ベーストと金線を用いて4端子電極を取り付
け、外側電極より一定電流を流し、内側電極においてそ
の電圧降下を測定する事によって測定した。試料の幅、
長さ、厚さを顕微鏡によって決定し電気伝導度値を決定
した。
け、外側電極より一定電流を流し、内側電極においてそ
の電圧降下を測定する事によって測定した。試料の幅、
長さ、厚さを顕微鏡によって決定し電気伝導度値を決定
した。
実施例1 幅180mm厚さ50μmのPODフィルムを外径68mm、内径64m
m、長さ200mmのグラファイト質炭素円筒に3重まき付
け、アルゴン気流中で室温より毎分10℃の速度で昇温
し、所望の温度Tpで1時間処理し、毎分20℃の速度で降
温させた。使用した炉は進成電炉社製46−6型カーボン
ヒーター炉である。得られた黒色のフィルムはTpが1600
℃以下ではもろくフレキシビリティのないものであった
が、1800℃以上ではフレキシビリティのあるフィルムに
なった。フィルムの大きさは170×180mmであった。
m、長さ200mmのグラファイト質炭素円筒に3重まき付
け、アルゴン気流中で室温より毎分10℃の速度で昇温
し、所望の温度Tpで1時間処理し、毎分20℃の速度で降
温させた。使用した炉は進成電炉社製46−6型カーボン
ヒーター炉である。得られた黒色のフィルムはTpが1600
℃以下ではもろくフレキシビリティのないものであった
が、1800℃以上ではフレキシビリティのあるフィルムに
なった。フィルムの大きさは170×180mmであった。
第1表には種々の温度で処理したPODフィルムの電導
度、格子定数、結晶子の大きさ黒鉛化率を示す。
度、格子定数、結晶子の大きさ黒鉛化率を示す。
この熱処理の条件下では1600℃以上で黒鉛化が開始さ
れ、2000〜2500℃で急激に黒鉛化が進行する。2500℃に
おいてすでに黒鉛化率は97%に達し、2800℃では完全な
黒鉛となる。この時の格子定数、結晶子の大きさなどは
天然の単結晶グラファイトと同じである。
れ、2000〜2500℃で急激に黒鉛化が進行する。2500℃に
おいてすでに黒鉛化率は97%に達し、2800℃では完全な
黒鉛となる。この時の格子定数、結晶子の大きさなどは
天然の単結晶グラファイトと同じである。
実施例2 PBT−1、PBT−2、PBT−3、PBBT、PBO、PBBO及びポリ
イミド(Kapton )、ポリアミド(Kevlar )、ポリア
ミドイミドの9種類の高分子を選択し熱処理を行なっ
た。処理温度は2500℃及び3000℃である。また熱処理の
方法は実施例1と同じである。第2表には各高分子の各
構造式を示し結果を第3表にまとめて示す。PBT−1、P
BT−2、PBT−3、PBBT、PBO、PBBOはいずれも2500℃の
温度処理によって80%以上がグラファイト化し、3000℃
の処理によってほぼ完全な大面積グラファイトになる。
イミド(Kapton )、ポリアミド(Kevlar )、ポリア
ミドイミドの9種類の高分子を選択し熱処理を行なっ
た。処理温度は2500℃及び3000℃である。また熱処理の
方法は実施例1と同じである。第2表には各高分子の各
構造式を示し結果を第3表にまとめて示す。PBT−1、P
BT−2、PBT−3、PBBT、PBO、PBBOはいずれも2500℃の
温度処理によって80%以上がグラファイト化し、3000℃
の処理によってほぼ完全な大面積グラファイトになる。
発明の効果 以上の様に本発明はPOD、PBT、PBBT、PBO、PBBO、PT、P
A、PIなどの高分子フィルムを円筒状グラファイト質炭
素に巻き付け、この円筒状グラファイト質炭素と共に不
活性ガス中、あるいは真空中1800℃以上で加熱する事を
特徴とするグラファイトフィルムの製造方法であって、
本発明により大面積グラファイトフィルムが容易に得ら
れる。
A、PIなどの高分子フィルムを円筒状グラファイト質炭
素に巻き付け、この円筒状グラファイト質炭素と共に不
活性ガス中、あるいは真空中1800℃以上で加熱する事を
特徴とするグラファイトフィルムの製造方法であって、
本発明により大面積グラファイトフィルムが容易に得ら
れる。
第1図は本発明によるグラファイトフィルムの製造方法
を示す概念図、第2図(a),(b)は本発明に用いら
れるグラファイト質炭素ヒーターの実施例を示す側面図
およびそのX−X線断面図、第3図は本発明の他の実施
例におけるグラファイトフィルムの製造方法を示す概念
図である。 1……ヒーター、3……高分子フィルム、4,5……円筒
状グラファイト質炭素。
を示す概念図、第2図(a),(b)は本発明に用いら
れるグラファイト質炭素ヒーターの実施例を示す側面図
およびそのX−X線断面図、第3図は本発明の他の実施
例におけるグラファイトフィルムの製造方法を示す概念
図である。 1……ヒーター、3……高分子フィルム、4,5……円筒
状グラファイト質炭素。
Claims (2)
- 【請求項1】高分子フィルムを円筒状グラファイト質炭
素に巻き付け、不活性ガス中あるいは真空中、1800℃以
上で加熱する事を特徴とするグラファイトフィルムの製
造方法。 - 【請求項2】高分子フィルムがポリフェニレンオキサジ
アゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチア
ゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキ
サゾール、ポリチアゾール、芳香族ポリアミド、芳香族
ポリイミドから選択されたいずれかである事を特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載のグラファイトフィルムの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62092535A JPH0788207B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | グラフアイトフイルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62092535A JPH0788207B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | グラフアイトフイルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63256508A JPS63256508A (ja) | 1988-10-24 |
JPH0788207B2 true JPH0788207B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=14057059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62092535A Expired - Lifetime JPH0788207B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | グラフアイトフイルムの製造方法 |
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