JP3164173B2 - 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物Info
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Description
ラストマー樹脂組成物に関するものであり、詳しくは耐
摩耗性、耐熱性に優れた押出成形品や射出成形品を得る
ことができる樹脂組成物に関するものである。
体潤滑剤並びに高級アルコール高級脂肪酸、それらの誘
導体及び長鎖炭化水素化合物から選ばれた1種以上の化
合物を配合して摺動性を改良することは知られている
(特開昭52−65552号公報)。これまで摺動剤と
して使用されていたアマイド化合物は、摺動性を改良す
る性能を有するもののブルーミング現象があり、ポリマ
ーの耐熱老化性を低下させる欠点もある。従って外観を
重視する用途、耐熱老化性が要求される用途には不向き
であった。
エラストマーとの相溶性が良好で成形品表面へのブルー
ミングがなく、しかも耐熱老化性を低下させない摺動性
良好な熱可塑性ポリエステルエラストマーを得ようとす
るものである。
ポリエステルエラストマーと(b)R1 −CONH−R
2 なる構造を持つ置換アマイド類(R1 及びR2 は炭素
数6以上の脂環族基、芳香族基、飽和脂肪族炭化水素
基、不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかである。)とを
(a)/(b)=100/0.01〜100/20(重
量比)の配合比で配合したことによって得られる熱可塑
性ポリエステルエラストマー樹脂組成物であり、上記の
配合によって熱可塑性ポリエステルエラストマー系成形
品の摺動性を著しく改良できる。
ストマーとは、高融点ポリエステルセグメントと分子量
400〜6000の低融点重合体セグメントとからなる
ブロック共重合体であり、高融点ポリエステルセグメン
ト構成部分だけで高重合体を形成した場合の融点が15
0℃以上であり、低融点重合体セグメント構成成分のみ
で測定した場合の融点ないし軟化点が80℃以下である
ような構成成分からなる熱可塑性ポリエステルエラスト
マーであり、その熱可塑性ポリエステルエラストマーの
融点は80℃以上である。
ポリエステルはテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸,ビ安息香酸、
ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4−スル
ホニルジ安息香酸などの芳香族ジカルボン酸の残基とエ
チレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、テトラメチ
レングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、2,2−
ジメチルトリメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリ
コ−ル、デカメチレングリコ−ル、p−キシレングリコ
−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等のジオール残基と
からなるポリエステルあるいはこれら2種類以上のジカ
ルボン酸あるいは2種類以上のジオールを用いたコポリ
エステル、あるいはp−(β−ヒドロキシエトキシ)安
息香酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸およびそれら
の残基から誘導されるポリエステル、ポリピバロラクト
ンなどのポリラクトン、1,4−ビス(4,4’−ジカ
ルボキシジフェノキシ)エタンなどの芳香族エーテルジ
カルボンの残基と前述のジオール残基とからなるポリエ
ーテルエステル、さらに以上述べたジカルボン酸、オキ
シ酸、ジオール類などを組み合わせたコーポリエステル
などのうち、融点が150℃以上のものをあげることが
できる。特にポリブチレンテレフタレートが好ましい。
グメント構成成分は、ポリエステル系ブロック共重合体
のなかで実質的に非晶の状態を示すものであり、そのセ
グメント構成成分だけで測定した場合の融点あるいは軟
化点が80℃以下のものをいう。その分子量は400〜
6000が適当である。また熱可塑性ポリエステルエラ
ストマーのなかでの低融点重合体セグメント構成成分の
割合は3〜90%である。
としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ
ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコール等のポリエーテルグリコール及びこれらの混
合物さらにこれらのエーテル構成成分を共重合した共重
合ポリエーテルグリコール等を示す。さらに炭素数2〜
12の脂肪族または脂環族ジカルボン酸と炭素数2〜1
0の脂肪族または脂環族グリコールからなるポリエステ
ル例えばポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレン
アジペート、ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチ
ルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリ
テトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレ
ート、ポリ−ε−カプロラクトン等の脂肪族ポリエステ
ル及び2種の脂肪族ジカルボン酸あるいは2種のグリコ
ールを用いてできる脂肪族コポリエステル等をあげるこ
とができる。さらに低融点重合体セグメント構成成分と
して上記脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとを
組み合わせたポリエステルポリエーテルブロック共重合
体などをあげることができる。
ーは通常の重合方法によって製造することができる。好
適な方法としては、芳香族ジカルボン酸またはそのジメ
チルエステルと低融点セグメント形成性ジオールとを触
媒の存在下に約150〜260℃に加熱し、エステル化
反応またはエステル交換反応を行い、次いで真空下に過
剰の低分子ジオールを除去しつつ重縮合反応を行うこと
により熱可塑性ポリエステルエラストマーを得る方法、
あらかじめ調整した高融点ポリエステルセグメント形成
性プレポリマー及び低融点重合体セグメント形成性プレ
ポリマーに、それらのプレポリマーの末端と反応する2
官能性の鎖延長剤を混合して、反応させた後、系を高真
空に保ち揮発分を除去することにより熱可塑性ポリエス
テルエラストマーを得る方法、高重合度の高融点ポリエ
ステルとラクトン類とを加熱混合し、ラクトンを開環重
合させつつエステル交換反応させることにより熱可塑性
ポリエステルエラストマーを得る方法などがある。
ONH−R2 なる構造を有し、そのうちR1 ,R2 は炭
素数6以上の脂環族基、芳香族基、飽和脂肪族炭化水素
基、不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかの基であり、好
ましくは少なくともR1 及びR2 のうちの一方には1個
以上の2重結合を有している。例えば飽和脂肪族炭化水
素基としてはカプリル基、ラウリル基、パルミチル基、
ステアリル基、イソステアリル基、ベヘリル基があり、
不飽和脂肪族炭化水素基としてはオレイル基、エルカリ
ル基、脂環基としてはシクロヘキシル基、芳香族基とし
てフェニルメタン基、トルイル基、キシリル基などが
る。これらのうちオレイルオレイン酸アマイド、ステフ
リルオレイン酸アマイド、オレイルステアリン酸アマイ
ドが特に摺動剤として良好な性能を示す。
100重量部に対して置換アミド類の配合比が0.01
〜20重量部では良好な性能を示すが、0.01重量部
未満では摺動性改良効果がなく、20重量部を越えると
相溶不良が発生する。
マーと置換アミド類を熱可塑性ポリマーの150〜26
0℃の温度範囲で混練し、たとえばストランド状に吐出
し水冷後、チップ化するのが簡便である。必要によって
は水中カッター、ホットカッター、ミストカッターを使
用してもよい。
有するがさらに紫外線に対する安定剤、熱酸化に対する
安定剤、加水分解に対する安定剤等を配合することによ
り極めて容易に上記性質を著しく安定化させることがで
きる。安定剤として有用な代表的なものは、紫外線に対
する安定剤としては置換ベンゾフェノン類または置換ベ
ンゾトリアゾール類など、熱酸化に対する安定剤として
はフェノール誘導体、例えばテトラキス[メチレン−3
(3,5−ジタ−シャリブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジタ−シャリブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4’−ブチ
リデンビス(6−ターシャリブチルメタクレゾール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−ターシャリブチ
ルフェノ−ル)等があり、芳香族アミン類例えば、N,
N’−ビス(β−ナフチル)パラフェニレンジアミン、
N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−パラフェニレ
ンジアミン等があり、チオプロピオン酸エステル類、例
えばジラウリルジチオプロピネ−ト、ジステアリルジプ
ロピオネート等がある。またこれらの組合せも有効であ
る。加水分解に対する安定剤としてはカルボジイミド
類、モノあるいはポリエポキシがある。これらの配合は
溶融混練時または別に任意の段階で行うことができる。
ーズ、ガラスバルーン、ガラスミルドファイバー等のガ
ラスフィラー、タルク、ワニストンイト、炭酸カルシウ
ム等の無機フィラー、ボロン繊維、炭素繊維などの無機
繊維酸化チタン等の着色剤、難燃剤としてのハロゲン化
合物、難燃助剤としてのアンチモン化合物、及び滑剤、
離型剤を用いても本発明になんら悪影響は及ぼさず有用
である。
中、単に部あるいは%とあるのは重量部あるいは重量%
を示す。 製造例1〜3 ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオール及び
数平均分子量が約1000であるポリオキシテトラメチ
レングリコール(PTMG)を用い、PTMGの単位が
それぞれ25%と50%を占めるポリエステル・ポリエ
ーテルブロック共重合体(ポリマ−A及びB)を製造し
た。溶液粘度ηsp/cはポリマーAが1.45、ポリマ
ーBが1.71であった。また、ポリブチレンテレフタ
レート100重量部とε−カプロラクトン50重量部と
を250℃で加熱混合し、60分間反応缶内でラクトン
を開環重合させつつエステル交換反応させることによっ
て、ポリエステル・ポリエステルブロック共重合体(ポ
リマーC)製造した。溶液粘度は1.20であった。
ド、(e)オレイルステアリン酸アミド、(f)ステア
リルステアリン酸アマイド、(g)オレイン酸アマイド
を使用した。置換アマイド類を配合する際に酸化防止剤
イルガノックス1010を供に配合し、表1の各実施
例、比較例で得られた組成物のチップを棚式乾燥機で1
00℃で2時間乾燥させてから射出成形機によって試験
用テストピースを作製した。
301、滑り摩耗性はJIS K7218のA法に従っ
て測定した。動摩擦係数は、試験速度50m/秒、荷重
10Kg、滑り距離3Kmで測定した。耐熱老化性は1
50℃のギアオーブンの中で10日間処理した後の強伸
度変化を求めた。ブルーミングはテストピースを一つず
つポリエチレンの袋に入れ、23℃で10日間放置した
後の表面状態を観察した。
マー樹脂組成物は、摺動性を改善するのみならず、耐熱
老化性、耐ブルーミング性に優れ、これまで使われるこ
とのなかった広い範囲の成形品に使用が可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーと(b)R1 −CONH−R2 なる構造を持つ置換ア
マイド類(R1 及びR2 は炭素数6以上の脂環族基、芳
香族基、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素
基のいずれかの基である。)とを(a)/(b)=10
0/0.01〜100/20(重量比)の配合比で配合
したことを特徴とする熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10896492A JP3164173B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10896492A JP3164173B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物 |
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JP5245196B2 (ja) * | 2005-11-30 | 2013-07-24 | 東洋紡株式会社 | 熱可塑性ポリエステルエラストマー樹脂組成物 |
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1992
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