JP3329407B2 - 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物Info
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Description
を改良した高耐熱性の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーに関するものであり、自動車部品、家電部品等に好適
に使用される。
肪酸アマイド、脂肪酸メチロールアマイドらの化合物を
配合した場合、摺動性が改良されることは知られている
(特公昭47−49174号公報)。さらに高級脂肪酸
アマイド、ビス脂肪酸アマイドを配合した例も知られて
いる(特公昭51−24295号公報)。しかしなが
ら、それらの熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物
は熱老化性が劣ることが問題となっている。
使用されていたアマイド系化合物は摺動性を改良するこ
とができるが、耐熱老化性が悪くなるのが問題であり、
本発明は、摺動性が良好で、かつ耐熱老化性に優れた熱
可塑性ポリエステルエラストマー組成物を提供しようと
するものである。
で耐熱老化性が低下せず、溌水性をも付与できる摺動性
良好な材料が得られる。すなわち本発明は(a)熱可塑
性ポリエステルエラストマー及び(b)分子量2000
以下で下記一般式の化合物R 1 −HNCONH−(R 2 −HNCONH) n −R 3 (nは0〜5の整数であり、R 1 ,R 3 は水素、炭素数1
〜10の飽和炭化水素基および不飽和炭化水素基、水酸
基、カルボン酸基、または炭素数6以上の脂環族基、芳
香族基あるいは飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪炭化
水素基の1種又は2種であり、R 2 は炭素数1〜10の
飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基、または炭素数6
以上の脂環族基、芳香族基あるいは飽和脂肪族炭化水素
基、不飽和炭化水素基の1種である)とを配合した熱可
塑性ポリエステルエラストマー組成物である。
の少なくとも一つは1単位以上の2重結合を有し、n数
が0または1の組成物である置換尿素類が熱可塑性ポリ
エステルエラストマーとの相溶性がないため好ましい。
ストマーとは、高融点ポリエステルセグメント分子量4
00〜6000の低融点重合体セグメント構成部分だけ
で高重合体を成形した場合の融点が150℃以上であ
り、低融点重合体セグメント構成成分のみで測定した場
合の融点ないし軟化点が80℃以下であるような構成成
分からなる熱可塑性ポリエステルエラストマーであり、
好ましくは融点が80℃以上で、粘度がηsp/Cで
1.0以上の熱可塑性ポリエステルエラストマーであ
る。
ポリエステルはテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビ安息香酸、
ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4−スル
ホニジ安息香酸などの芳香族ジカルボン酸の残基とエチ
レングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジ
メチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、デカメチレングリコール、p−キシレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、等のジオール残基か
らなるポリエステルあるいはp−(β−ヒドロキシエト
キシ)安息香酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸及び
それらの残基から誘導されるポリエステル、ポリピバロ
ラクトンなどの
ジカルボキシジフェノキシ)エタンなどの芳香族エーテ
ルジカルボンの残基と前述のジオール残基とからなるポ
リエーテルエステル、さらに以上述べたジカルボン酸、
オキシ酸、ジオール類などを組み合わせた共重合ポリエ
ステルなどのうち、融点が150℃以上のものをあげる
ことができる。
2〜10の脂肪族または脂環族グリコールからなるポリ
エステル、例えばポリエチレンアジペート、ポリテトラ
メチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリテ
トラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレ
ート、ポリヘキサメチレンアゼレート、ポリ−ε−カプ
ロラクトン、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン等
の脂肪族ポリエステル及び2種の脂肪酸ジカルボン酸あ
るいは2種のグリコールを用いてできる脂肪族コポリエ
ステル等をあげることができる。
して上記脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとを
組み合わせたポリエステルポリエーテルブロック共重合
体などをあげることができる。
ーは通常の重合方法によって製造することができる。好
適な方法としては芳香族ジカルボン酸またはそのジメチ
ルエステルと低融点セグメント形成性ジオールとを触媒
中の存在下に約150〜260℃に加熱しエステル化反
応またはエステル交換反応を行い、次いで真空化に過剰
の低分子ジオールを除去しつつ重縮合反応を行うことに
より熱可塑性ポリエステルエラストマーを得る方法、あ
らかじめ調整した高融点ポリエステルセグメント形成プ
レポリマー及び低融点重合体セグメント形成性プレポリ
マーにそれらのプレポリマーの末端と反応する2官能性
の鎖延長剤を混合して、反応させた後、系を高真空に保
ち揮発分を除去することにより熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーを得る方法、高重合度の高融点ポリエステル
とラクトン類とを加熱混合し、ラクトンを開環重合させ
つつ、エステル交換反応させることにより熱可塑性エラ
ストマーを得る方法などがある。
素結合を有する化合物(b)とは、R1−HNCONH
−(R2−HNCONH)n−R3なる構造を有し、その
うちのR1,R3は水素、炭素数1〜10の飽和炭化水素
基および不飽和炭化水素基、水酸基、カルボン酸基、ま
たは炭素数6以上の脂環族基、芳香族基あるいは飽和脂
肪族炭化水素基、不飽和脂肪炭化水素基の1種又は2種
であり、R 2 は炭素数1〜10の飽和炭化水素基及び不
飽和炭化水素基、または炭素数6以上の脂環族基、芳香
族基あるいは飽和脂肪族炭化水素基、不飽和炭化水素基
の1種であり、好ましくは少なくともR 1 ,R 3 のうちの
一つには1単位以上の二重結合を有し、n数が0または
1の置換尿素類である。
リル基、ラウリル基、ミルスチル基、パルミチル基、ス
テアリル基、イソステアリル基、アラキジル基、ベヘリ
ル基、リグノセリル基があり、不飽和脂肪族炭化水素基
としてはオレイル基、エルカリル基、脂環基としてはシ
クロヘキシル基、芳香族基としてはフェニルメタン基、
トルイル基、キシリル基などがある。これらのうちN−
ブチル−N′−ステアリル尿素、ヘキサメチレンビスス
テアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素が特
に摺動剤として良好な性能を示す。
100重量部に対して、本発明における尿素結合を有す
る化合物(b)の配合量が0.10〜20重量部では良
好な摺動性能を示すが、0.01重量部未満では摺動性
効果が無く、20重量部を越えると配合が困難になる。
特に好ましいのは0.5〜5重量部の配合量である。
マー(a)尿素結合を有する化合物(b)の配合方法と
しては150〜260℃の温度範囲で混練りし、例えば
ストランド状に吐出し水冷後、チツプ化するのが簡便で
ある。必要によっては水中カッター、ホットカッター、
ミストカッターを使用してもよい。または、重合時の任
意の工程で配合しても良い。
するが、さらに紫外線に対する安定剤、熱酸化に対する
安定剤、加水分解に対する安定剤を配合することにより
極めて容易に上記性質を著しく安定化させることができ
る。
線に対する安定剤としては置換ベンゾフェノン類または
置換ベンゾトリアゾール類など、熱酸化に対する安定剤
としてフェノール誘導体、例えばテトラキス〔メチレン
−3(3.5−ジタ−シャリブチル−4′−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジタ−シャリブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4′−
ブチリデンビス(6−ターシャブリブチルメタクレゾー
ル)、4,4′−チオビス(3−メチリ−6−ターシャ
ブリブチルフェノール)等があり、芳香族アミン類例え
ば、ジララウリルジチオプロピネート、ジステアリルジ
プロピオネート等がある。
水分解に対する安定剤としてはカルボジイミド類、モ
ノ、あるいはポリエポキシ類がある。これらの配合は溶
融混練り時はたは別に任意の段階で行うことができる。
ーズ、ガラスバルーン、ガラスミルドファイバー等のガ
ラスフィラー、モンモリドナイト、タルク、ワラストナ
イト、炭酸カルシュウム等の無機フィラー、ボロン繊
維、炭素繊維等の無機繊維酸化チタン等の着色剤、難燃
剤としてのハロゲン化合物、難燃助剤としてのアンチモ
ン化合物、及び本発明で用いない滑剤、離型剤を用いて
も本発明になんら悪影響は及ばさない範囲で配合しても
良い。
トマーとの相溶性に劣る尿素結合を有する化合物を配合
するため該化合物のブルーミングが起こり、摺動性、溌
水性の改善効果が得られる。
はJIS K6301、摩擦係数はJIS K7125
を測定した。耐熱老化は140℃のギアーオーブンの中
で10日間処理した後の引っ張り強さ、伸びの変化を求
めた。ブルーム性はテストピースをひとつずつエチレン
の袋に入れ23℃で10日間放置した後表面の状態を観
察した。溌水性は水の接触角を測定した。
例中、単に部あるいは%とあるは重量部あるいは重量%
を示す。
数平均分子量が約1000であるポリオキシテトラメチ
レングリコール(PTMG)を用い、PTMGの単位が
それぞれ25%、50%を占めるようなポリエステル・
ポリエーテルブロック共重合体(ポリマーA,B)を製
造した溶液粘度ηsp/cはポリマーAが1.45、ポ
リマーBが1.71であった。
−ブチル−N−ブチル−N′−ステアリル尿素、(e)
ヘキサメチレンビスステアリル尿素、(f)ジフェニル
メタンビスラウリル尿素を使用した。(g)オレイン酸
アマイドを表1に示す割合で混合し、さらに酸化防止剤
としてナウガード445を0.2部混合し、溶融押出機
で220℃で溶融混練して本発明の組成物を得た。得ら
れた組成物チップを棚式乾燥機で100℃で2時間乾燥
させてから射出成形機でテストピースを成形して評価し
た。その結果を表2及び表3に示す。
本発明組成物は熱可塑性ポリエステルエラストマーに特
定の尿素結合を有する化合物を配合することによって摺
動性を改善するだけでなく耐熱老化性、溌水性に優れ、
これまで使われるこのなかった広範な用途に使用が可能
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー及び(b)分子量2000以下で下記一般式の化合物R 1 −HNCONH−(R 2 −HNCONH) n −R 3 (nは0〜5の整数であり、R 1 ,R 3 は水素、炭素数1
〜10の飽和炭化水素基および不飽和炭化水素基、水酸
基、カルボン酸基、または炭素数6以上の脂環族基、芳
香族基あるいは飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪炭化
水素基の1種又は2種であり、R 2 は炭素数1〜10の
飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基、または炭素数6
以上の脂環族基、芳香族基あるいは飽和脂肪族炭化水素
基、不飽和炭化水素基の1種である)とを配合した熱可
塑性ポリエステルエラストマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29538293A JP3329407B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29538293A JP3329407B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145302A JPH07145302A (ja) | 1995-06-06 |
JP3329407B2 true JP3329407B2 (ja) | 2002-09-30 |
Family
ID=17819910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29538293A Expired - Fee Related JP3329407B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3329407B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP29538293A patent/JP3329407B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07145302A (ja) | 1995-06-06 |
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