JP3154611B2 - シート材への印刷方法および装置 - Google Patents

シート材への印刷方法および装置

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JP3154611B2
JP3154611B2 JP09018294A JP9018294A JP3154611B2 JP 3154611 B2 JP3154611 B2 JP 3154611B2 JP 09018294 A JP09018294 A JP 09018294A JP 9018294 A JP9018294 A JP 9018294A JP 3154611 B2 JP3154611 B2 JP 3154611B2
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/315Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
    • B41J2/32Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/18Character-spacing or back-spacing mechanisms; Carriage return or release devices therefor
    • B41J19/20Positive-feed character-spacing mechanisms
    • B41J19/202Drive control means for carriage movement

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Common Mechanisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、シート材への印刷方法および装
置に関し、詳しくは、印刷プログラムにより決定される
図柄を印刷するのに好適な印刷方法および装置に関す
る。図柄とは、文字、記号、図形、美的効果を有する構
図等、印刷によって形成される像すべてをいう。
【0002】
【従来技術およびその問題点】本願の出願人が、米国特
許出願第08/007,662号により優先権を主張し
て日本国特許庁に出願した特願平5‐336792号に
は、記憶した印刷プログラムによりシート材に図柄を印
刷する熱転写印刷装置が開示されている。プログラム
は、マイクロコンピュータが内蔵された制御器に読み込
まれて機械指令に翻訳され、プログラムにコード化され
ていた図柄はプリンターでシート材に描かれる。このプ
リンターは、例えば、印刷中にシート材に対して移動し
ない熱転写印刷ヘッドを備え、かつシート材が所定の駆
動手段により該熱転写印刷ヘッドに向かって送られるよ
うに構成された熱転写型プリンターから構成される。制
御器は、シート材に所望の図柄が描かれるように熱転写
印刷ヘッドと駆動手段を制御する。上記の印刷装置に用
いられるシート材の一形態として、感圧接着剤で母材に
接着されたビニール製のシート材がある。このようなシ
ート材を用いれば、印刷後、印刷が施された部分のシー
ト材を裁断し、母材から剥して所定のボード等に貼付す
ることができる。
【0003】上記特願平5‐336792号では、図柄
に彩色するため昇華性の印刷インクを含有したインクリ
ボンを用いている。そして、多色刷りの図柄は、色に応
じてインクリボンを交換して印刷する。したがって、色
の数に応じた回数だけインクリボンをプリンターに通す
ことになる。各色は、インクリボンがプリンターを通過
する度毎に異なった(帯状の)経路でシート材に転写さ
れるので、各色による帯状の図柄の位置に若干の狂いが
生じても、またはひとつの図柄内のひずみでも、製品の
完成度を損なう顕著な欠陥となって現れる。そして、こ
のような欠陥や誤差は、熱転写印刷ヘッドとシート材を
駆動する駆動手段のバックラッシュが原因で、各色によ
る印刷が開始される時に発生することが知られている。
一方、商品宣伝用の印刷製品や芸術的要素の高い印刷製
品には、上述の顕著な欠陥および見当合わせの誤差等の
ない高い品質を維持したものが求められている。
【0004】
【発明の目的】本発明は、以上の問題点に鑑みなされた
もので、印刷中にシート材と印刷ヘッドを相対的に移動
させる駆動手段を備えた印刷装置において、バックラッ
シュによって生じる欠陥や誤差を取り除き、図柄の歪み
や誤差のない印刷が可能な印刷方法および装置を提供す
ることを、目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明は、図柄を印刷する印刷プログラ
ムによりシート材に多色印刷を施す方法および装置に関
する。具体的には、本発明の印刷装置は、シート材に対
して多色刷り印刷する印刷ヘッドと、上記シート材を印
刷ヘッドに対して印刷方向及び該印刷方向と反対の戻し
方向に移動させて、該シート材の送り方向に印刷方向を
展開する駆動手段と、上記印刷ヘッドおよび駆動手段を
制御する制御手段と、を備え、上記制御手段は、1色目
は、上記シート材を上記印刷方向に所定距離移動させ
て、シート材の送り方向に展開される印刷方向の印刷原
点を設定し、この印刷原点を基準にして印刷方向に移動
させながら印刷し、2色目以降は、上記シート材を、印
刷動作を実行することなく上記印刷原点を越える所定位
置まで上記戻し方向に移動させてから、その後再び上記
印刷方向に移動させて、上記印刷原点を基準にして上記
印刷方向に移動させながら印刷することに特徴を有す
る。「印刷原点を超える所定位置」とは、バックラッシ
ュによって生じる図柄の歪みや誤差(多色印刷の色ズ
レ)を除去するに必要な位置を意味する。
【0006】制御手段は、印刷プログラムに応じた制御
を行うとともに、シート材上の様々な位置に図柄を形成
するために、印刷ヘッドと駆動手段の移動、駆動を制御
する。本発明の実施例においては、印刷ヘッドは、熱転
写印刷ヘッドであり、駆動手段に係合するシート材は、
印刷中に熱転写印刷ヘッドに対して移動する。印刷プロ
グラムには、印刷処理の開始点となり、かつ図柄の位置
の基準となる、原点が記憶されている。
【0007】そして本発明の印刷方法、印刷装置は、各
色の印刷を、常に同一の印刷原点を基準にして、同一の
印刷方向に移動させながら実行すること、印刷原点は、
同一の印刷方向移動によって設定することに特徴があ
る。この印刷プログラムに基づく印刷工程によれば、印
刷ヘッドとシート材の正確な位置決めが可能になり、印
刷された図柄は、歪んだり色ずれしたりすることがな
い。
【0008】
【発明の実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明が適用される印刷装置10の斜視図
である。この印刷装置10は、ハウジング24、制御パ
ネル18、カバー22、ロール状態のシート材Sが保持
される台枠14を備えている。さらに、メモリー12お
よび制御器20が印刷装置10に接続されている。そし
て、印刷装置10は、メモリー12に記憶されたシート
材Sに図柄を印刷する印刷プログラムに基づいて操作さ
れる。シート材Sは、ロール状態で、印刷装置10後方
の台枠14に上方に向けて延設した一対の前方アーム材
11間の軸13に回動自在に支持されている。この台枠
14には、ロール状のシート材Sから該シート材Sを折
り返して前方に案内するガイドローラ16を支持する一
対の後方アーム材17が上方に向けて延設されている。
これにより、シート材Sはガイドローラ16に案内され
て印刷装置10のハウジング24に導かれる。印刷操作
が行われる印刷装置10を通り抜けたシート材Sには図
柄が印刷されて、印刷装置10の前方に排出される。本
実施例では、印刷装置10は熱転写型プリンタであり、
シート材Sは、感圧接着剤で母材に接着されたビニール
製のシート材である。また、図5は、印刷する図柄の一
例を示すもので、この図柄「AR」がシート材Sに印刷
された後に、裁断機で図柄を輪郭に沿って裁断してか
ら、母材から剥して所定のボード等に貼付してもよい。
この印刷・裁断システムは、上記特願平5−33679
2号に詳しく記載されている。
【0009】シート材Sに印刷する図柄はメモリー12
にディジタル情報として記憶されている。操作者が制御
パネル18で印刷プログラムの実行を開始すると、マイ
クロコンピュータを内蔵した制御器20は、この印刷プ
ログラムから印刷ヘッドとシート材Sを送給する駆動手
段を駆動させる指令を出す。
【0010】熱転写型プリンタ10は、図1に示すよう
に、ハウジング24上に載置されたカバー22を備えて
おり、該カバー22を開けてシート材Sを装着すること
ができる。
【0011】図2乃至図4には、熱転写型プリンタ10
の内部が、カバー22を取り外した状態で、詳細に示さ
れている。印刷中にシート材Sを図2の矢印方向に送給
する駆動手段は、一対のスプロケット30,32を備え
ている。これらスプロケット30,32は、ハウジング
24に回動可能に配設された駆動軸34に固定されてお
り、該駆動軸34と一体に回動する。そして、ハウジン
グ24内に配設されたステップモータ36は、ギヤ3
8,40、プリー42,44及びこれらプーリに巻き掛
けられたベルト46を介して、駆動軸34を回動させ
る。また、スプロケット30,32は、図1に示すよう
に、シート材Sの送給(長手)方向の縁部に形成された
一連の送給孔SH(図示せず)に係合する。
【0012】シート材Sとスプロケット30、32の係
合を確実にするために、一対の円弧状枠48がスプロケ
ット30,32を覆うように配設されている。さらに、
円弧状枠48は、そのシート材S送給側および排出側
に、押圧ローラ50、52を備えており、駆動軸34を
中心として約180度の中心角でシート材Sが充分にス
プロケット30,32に係合するように構成されてい
る。
【0013】次に、ローラプラテン(以下、プラテンと
いう)54について説明する。図3に示すように、プラ
テン54は、一対のスプロケット30,32の間に、駆
動軸34と平行に配設されている。そして、プラテン5
4上のシート材Sの接触点で、プラテン54の円筒面と
スプロケット30,32の円筒面は、図2に示すよう
に、接線状態で接するように構成されている。本実施例
では、シート材Sは15インチ(約38センチメート
ル)の幅を有し、プラテン54は、シート材Sの送給孔
SHがスプロケット30,32に係合するように、(シ
ート材Sの幅より短い)12インチ(約30センチメー
トル)の幅を有している。プラテン54は、駆動軸34
に固定されたプーリ56,58および該プーリに巻き掛
けられた合成ゴム製ベルト60,62により駆動され
る。さらに、プラテン54の円筒部を、硬質ゴムスリー
ブで同心円状に囲み、シート材Sの摩擦案内部を形成す
ると好ましい。このような構造にすれば、上記スプロケ
ット30,32に加え、シート材Sがプラテン54に摩
擦接触するので、シート材Sを熱転写ヘッド70に対し
て確実に位置決めすることができる。
【0014】図4に示すように、熱転写ヘッド70は、
支持枠72に、支持板74、一連のボルト76およびバ
ネ78により、懸垂状態で弾性支持され、かつシート材
Sの送給方向を横切る方向にプラテン54と略同じ幅で
配設されている。熱転写ヘッド70は、複数のボルト7
6により支持枠72に取り付けられている支持板74に
配設されている。これらのボルト76の一端は支持板
4に螺合し、他端は支持枠72に形成された嵌合孔72
aに摺動可能に挿通されている。これにより、支持板
4と熱転写ヘッド70は、支持枠72に対して垂直方向
(図4の上下方向)に移動可能となる。そして、ボルト
76に沿って形成された支持枠72内の空間72b、及
支持板74の間には、バネ78が縮設されている。こ
のコイルバネ78は、シート材Sがプラテン54の頂部
を移動するとき、支持板74と熱転写ヘッド70を下方
に向かって一様に押圧し、さらに熱転写ヘッド70をプ
ラテン54に向かって一様に押圧する。そして、プラテ
ン54の幅方向に延びた熱転写ヘッド70の全長に亘り
一様に分布した加熱エレメント群(図示せず)を備えて
いる。これらの加熱エレメント群は、プラテン54上の
シート材Sが接触する熱転写ヘッド70の面に、例えば
300dpi(1インチ当たり300個)の密度で配置
することができる。この種の熱転写ヘッドは、京都にあ
るキョーセラ・インダストリアル・セラミックス社(Kyo
cera Industrial Ceramics, Inc.) で製造されている。
【0015】印刷中の印刷圧力を制御するために、ボル
ト76とバネ78は、支持板74と支持枠72の間の異
なる位置に取り付けられている。ボルト76は支持枠7
2に対して垂直方向に自由にスライドするが、このとき
バネ78は、支持板74および熱転写ヘッド70の全長
に亘り均一に加圧する。なお、図4においては、ボルト
76とバネ78は同軸状に配設されているが、それぞれ
別の部位に配設してもよい。
【0016】熱転写ヘッド70の上昇・下降、および印
刷圧力の調整のため、支持枠72の一端は、図2に示す
ように、ハウジング24に配設された軸80に回動可能
に軸支されている。支持枠72の他端は、制御器20か
らの指令で作動する圧力アクチュエータ82に接続して
いる。したがって、制御器20からの指令による印刷圧
力に応じ、圧力アクチュエータ82を介して支持枠72
が軸80を中心に所定角度回動したときに、バネ78
は、この印刷圧力を熱転写ヘッド70およびプラテン5
4上のシート材Sに均一に伝達する。
【0017】次に、熱転写型プリンタ10に装着された
インクリボンWについて説明する。熱転写ヘッド70で
シート材Sに図柄を印刷するために、昇華性のインクを
含有したインクリボンWが、図2および図4に示すよう
に、熱転写ヘッド70とシート材Sの間に送給される。
このインクリボンWは、支持枠72に対する着脱および
交換が可能なカセット88の2本のスプール84,86
の間に巻き掛けられている。インクリボンWはスプール
84から供給され、静電気除去ブラシ90に接触し、遊
動ローラ92に案内されて熱転写ヘッド70に向かって
送給される。熱転写ヘッド70が印刷位置にあるとき、
インクリボンWは、プラテン54の頂部の長手方向に形
成される接触面で、熱転写ヘッド70とシート材Sの間
で押圧される。インクリボンWは、さらに熱転写ヘッド
70から離れ、遊動ローラ94に案内され、静電気除去
ブラシ96に接触してから、巻き取りスプール86に巻
き取られる。
【0018】印刷中、スプロケット30,32、プラテ
ン54は、プラテン54上のシート材Sを図2の矢印方
向に移動させる。一方、熱転写ヘッド70の加熱エレメ
ント群は、選択的に加熱され、インクをインクリボンW
からシート材Sに転写する。熱転写ヘッド70により加
えられる圧力により、インクリボンWとシート材Sの間
には摩擦が生じ、滑りがなくなるので、インクリボンW
はシート材Sと同期して移動する。これにより、未使用
の新しいインクリボンWを常に熱転写ヘッド70に対向
させることができる。
【0019】上記昇華性インクは、赤、黄等どのような
色でもよく、所定の色の図柄をシート材Sに印刷する。
図柄が多色刷りの場合は、インクリボンWに色の数に応
じて(帯状に)区分けするか、色毎にカセット88を交
換しなければならない。次の色の印刷準備のため、イン
クリボンW上の所定区分け部を選択している時、または
カセット88の交換中は、シート材Sは、図2の矢印と
は反対方向に、図柄の印刷開始位置まで戻される。この
開始位置は、図柄の原点すなわち印刷プログラムに記憶
された原点に対応する。そして、所定の区分け部が決ま
り、またはカセットの交換が終了すると、印刷操作が続
行され、インクリボンWは、プラテン54に対して、再
度図2の矢印方向に送給される。
【0020】図5は、熱転写プリンタ10による多色刷
り印刷の工程を説明したものである。ここでは、三次元
的効果を有する文字「AR」のうち、文字の正面部を所
定の一色で印刷し、三次元的効果を表現する側面部を他
の一色で印刷するものとする。例えば、正面部を赤色、
側面部を黒色とする。輪郭100,102,104は各
色毎に、メモリー12の印刷プログラムに記憶されてい
る。具体的には、各色毎の輪郭はX方向の共通原点X0
(例えば指標点108の左端の点106)を(印刷操
作)基準点として区画されている。上記指標点108
は、印刷された文字「AR」を数値制御された裁断機で
輪郭に沿って裁断する際の見当合わせ(registration)の
ために使用してもよい。この点に関しては、上記特願平
5−336792号に詳しく記載されている。
【0021】図5は、シート材から見た熱転写ヘッドの
相対的な移動方向を描いたものである。すなわち、X座
標はシート材から見た熱転写ヘッド70の相対的な移動
方向を示しており、座標点X 0 ,X 1 ,X 2 は、X座標
に沿ったシート材Sに対するヘッドの異なった位置を示
している。例えば、図に示すように、座標点X0 を原点
106の座標点としてもよい。この場合、X座標に沿っ
て、ヘッド70が図5の左から右に相対的に移動するの
を印刷方向(正の方向)とし、その逆を戻し方向(負の
方向)とする。座標点X1 は、三次元的効果を表現する
側面部(黒色)の限界点(印刷開始点)であり、座標点
2 は、正面部(赤色)の限界点(印刷開始点)とす
る。印刷中に、指標点108は、まず使用する色のうち
の一色(黒色)で熱転写ヘッド70により描かれ、これ
に続き、座標点X1 から印刷される部分(黒色)が、
ート材Sに対して相対的に移動する熱転写ヘッド70に
よって印刷される。
【0022】上述の黒色部分の印刷が終了すると、シー
ト材Sは、熱転写ヘッド70の直下に原点106(印刷
操作基準点)が位置するまで戻し方向に移動される。こ
の時、シート材Sは上記原点106を戻し方向に越えて
所定の距離ΔXをさらに動かされる。シート材SがΔX
移動したら、操作者によりカバー22と支持枠72が開
けられ、第1色(黒色)のインクリボンWを収納したカ
セット88を第2色(赤色)のインクリボンWを収納し
たカセットに交換される。そして、この作業が終了する
と、支持枠72とカバー22は閉じられ、再度印刷操作
が開始される。このとき、スプロケット30,32、ス
テップモータ36等からなる、シート材Sを送給する駆
動手段バックラッシュにより生じる欠陥や誤差を除去
するため、シート材Sは印刷方向に距離ΔXだけ移動し
て、第1色の印刷開始時のように、原点106を正確に
熱転写ヘッド70に対して位置決めする。そして、熱転
写型プリンタ10は、シート材Sを原点106から第2
色用の座標点X2 に移動させ、この座標点X2 から、図
5の右側に向かって、第2色の印刷を開始する。なお、
原点106からシート材Sを、駆動手段により、印刷方
向または戻し方向に移動する、バックラッシュにより生
じる欠陥や誤差を除去する動作は、シート材Sの実質的
な印刷操作に先んじて連続的に行っても、または所定の
印刷操作が終了してから行ってもよい。
【0023】印刷操作がすべて終了すると、シート材S
は、自動的にまたは手動で、熱転写型プリンタ10から
取り外される。そして、図柄が印刷されたシート材S
は、残りの未印刷部分から分離される。
【0024】図6に示すフローチャートは、上述した文
字「AR」のような図柄を印刷する操作を制御器20に
より実行する時に用いられる印刷プログラムの基本的な
ステップを現したものである。
【0025】まず最初に、ビニール製のシート材Sが母
材と共に、駆動軸34を中心に約180の中心角で、ス
プロケット30,32に充分係合するように装着され
る。なお、このとき、上記特願平5−336792号に
記載されているようなシート位置検知センサーにより、
シート材Sの装着状態を制御パネル18で表示して操作
者に警告してもよい。シート材Sの装着状態を確認した
操作者は、制御パネル18から印刷開始の指令を送る
と、プログラムの印刷用のサブルーチンは、ステップ1
10(以下、ステップはSで代表する)から開始され
る。次に、S112において、文字「AR」を区画する
プログラムがメモリー12から読み出され、制御器20
にロードされる。さらに、制御器20は、S114にお
いて、該プログラムから原点106を捜し出す。
【0026】S116では、制御器20は、カセット8
8が熱転写型プリンタ10内の規定位置に正しく装着さ
れているか、およびカセットに収納されるインクリボン
Wの色は正しく選択されたものか否かが、判断される。
例えば、上述のように、図柄「AR」の三次元効果部分
を第1色である黒色とすると、黒色のインクリボンWを
収納したカセット88は対応するコードを備えている。
このコードを制御器20で解読して、カセット88は黒
色のインクリボンWを収納していると認識する。そし
て、カセット88が正しく装着されていると判断する
と、プログラムは制御器20によりS118に進む。も
し、カセット88の装着状態が正しくないときは、S1
20に進み、制御器20は制御パネル18で、操作者に
カセット88の再装着を警告する。カセット88が正し
く装着されると、プログラムはS116からS118に
進む。
【0027】S118においては、初期状態では上昇位
置にある熱転写ヘッド70が、プラテン54上のシート
材SとインクリボンW、および熱転写ヘッド70とイン
クリボンWを接触させるために、所定の位置まで下げら
れる。これで印刷準備が完了する。次に、S122で
は、プログラムは、スプロケット30,32およびステ
ップモータ36からなる駆動手段でシート材Sを印刷方
向にΔXだけ移動させる。シート材Sを印刷方向にΔX
(例えば、0.15インチ(約3.6ミリメートル)だ
け移動させることで、プログラムされている原点を正確
に熱転写ヘッド70の位置に対向させることができる。
このように、シート材SをΔXだけ移動させることによ
り、ギヤ38,40,プーリ42,46、ベルト46の
バックラッシュのみならず、スプロケット30,32と
シート材Sの送給孔SHとの間のバックラッシュも除去
することができる。これ以後、駆動パルスによるシート
材Sの送給は、プログラムされている熱転写ヘッド70
に対するシート材Sの送給ステップを正確に反映したも
のとなるので、印刷された図柄は印刷プログラムを忠実
に再現したものとなる。もし、バックラッシュが除去さ
れない場合、図柄の歪みは、図柄の印刷の初期段階で発
生する可能性が高くなる。図5には、印刷開始前にシー
ト材SをX座標の印刷方向にΔX移動させて、印刷が開
始された時にバックラッシュによりシート材Sが不規則
に移動しない位置(例えば、指標点108の左側)に原
点106を設定できることが示されている。したがっ
て、印刷操作は、位置に狂いのない指標点を基準に行わ
れ、その他図柄印刷に関する座標データもすべてこの正
確な指標点に基づいて処理される。
【0028】S122において、シート材SがΔX移動
すると、プログラムはS124に進み、図柄の第1色が
印刷される。そして、第1色の印刷が終了すると、プロ
グラムはS126に進み、熱転写ヘッド70は、操作者
により上げられて印刷操作状態から解放される。次に、
S128では、制御器20が、他に印刷すべき色がある
か否かを判断する。もし、他に印刷する色が無ければ、
プログラムはS130に進み、終了する。しかし、第2
色以降がある場合は、プログラムはS132に進み、駆
動手段がシート材Sを原点106の座標点に向かって引
き戻す。そして、S134では、シート材Sが原点10
6に再度到達すると、引き続いて戻し方向にΔX移動さ
せて、(第1色)印刷開始前の位置までシート材Sを戻
す。
【0029】S134が実行された位置でシート材Sが
停止した時は、スプロケット30,32とシート材Sの
送給孔SHとの間のバックラッシュを含めて、駆動手段
に発生するバックラッシュが、シート材Sと熱転写ヘッ
ド70の位置関係に誤差を生じさせる場合がある。
【0030】さらに、プログラムはS136に進み、操
作者に、カセット88を第1色以外のものに交換するよ
うに警告する。そして、S138において、印刷操作の
中断フラグを上げる。ここで、操作者は、熱転写型プリ
ンタ10のカバー22を開けて、カセット88を交換
し、カバー22を閉じる。カセット88の交換作業が終
了すると、操作者は制御パネル18から印刷プログラム
の再開を指令し、プログラムはS116に進む。S11
6では、再度制御器20により、カセット88が熱転写
型プリンタ10内の規定位置に正しく装着されている
か、およびカセットに収納されるインクリボンWの色は
正しく選択されたものか否かが、判断される。カセット
88が正しく装着されていると判断すると、プログラム
は、制御器20により、S118に進む。もし、カセッ
ト88の装着状態が正しくないときは、S120に進
み、制御器20は制御パネル18で、操作者にカセット
88の再装着を警告する。カセット88が正しく装着さ
れると、プログラムはS116からS118に進む。S
118においては、上昇位置にある熱転写ヘッド70
が、プラテン54上のシート材SとインクリボンW、お
よび熱転写ヘッド70とインクリボンWを接触させるた
めに、所定の位置まで下げられる。これで第2色用の印
刷準備が完了する。次に、S122では、プログラム
は、スプロケット30,32およびステップモータ36
からなる駆動手段でシート材Sを印刷方向にΔXだけ移
動させる。シート材Sを印刷方向にΔXだけ移動させる
ことで、プログラムされている原点を正確に熱転写ヘッ
ド70の位置に対向させることができる。このように、
シート材SをΔXだけ移動させることにより、ギヤ3
8,40,プーリ42,46、ベルト46のバックラッ
シュのみならず、スプロケット30,32とシート材S
の送給孔SHとの間のバックラッシュも除去することが
できる。このように、印刷プログラムが、第2色の印刷
を実行するS124に到達するまでに、バックラッシュ
は除去され、シート材Sと熱転写ヘッド70は原点10
6に対して正しく位置決めされる。印刷操作は、第1色
の場合と同様に実行されるが、この際図柄に歪みが発生
せず、図柄の第1色と第2色の部分は適切に見当合わせ
がなされることは勿論である。
【0031】以上のシート材の送り制御は、ステップモ
ータ36のパルス数の制御によって行なわれる。すなわ
ち、制御器20は、第1色の印刷に際してはシート材S
を印刷方向に所定距離ΔXだけ移動させた後、ステップ
モータ36によって管理される印刷原点X0 からさらに
シート材を印刷方向に移動させて印刷する。そして、イ
ンクリボンを交換した後に行なう2色目以降の印刷の前
には、シート材Sを、ステップモータ36によって管理
される印刷原点X0 を越えて戻し方向にΔXだけ移動さ
せ、その後再び印刷方向に移動させて、ステップモータ
によって管理される印刷原点X0 から2色目以降の印刷
を行なうのである。より具体的には、原点位置、印刷開
始点、印刷点、印刷終了点、バックラッシュにより生じ
る欠陥や誤差を除去するための送り量ΔX等をパルス数
としてメモリー12に記憶させる。これによれば、制御
器20に読み込んだ上記ステップモータ駆動用パルスに
よりステップモータ36を制御して、シート材Sの送り
量およびプラテン54回転量とステップモータ36回転
量(ステップ数)を正確に対応させて印刷を行うことが
できる。このとき、バックラッシュにより生じる欠陥や
誤差を除去するための送り量ΔXもパルス数として記憶
されるが、該パルス数は、ステップモータ36からプラ
テン54に至る駆動機構が経験的に有するバックラッシ
ュ量に相当するパルス数を上回るものに設定される。こ
のようにすれば、印刷が開始されると、原点位置を基準
としてパルスがカウントされてゆき、記憶された所定の
パルス数にしたがって図柄が印刷される。そして、印刷
終了点で第1色印刷終了後にシート材Sを戻し方向に移
動させる過程でバックラッシュが発生して、原点位置の
パルス数と実際のパルス数が一致していなくても、シー
ト材Sをさらに戻し方向にΔX移動させてから、ステッ
プモータ36のパルス数によって管理されている原点位
置に戻せば、スプロケットピンと送給孔の間のバックラ
ッシュも含め、バックラッシュによって生じる欠陥や誤
は実質的に除去される。
【0032】本発明は、上記の実施例で説明したが、本
発明の範疇を逸脱することなく、多くの修正および代案
が可能である。例えば、上述の実施例では、ステップモ
ータを用いてバックラッシュによって生じる欠陥や誤差
を除去する制御を実行したが、ステップモータまたは直
流モータにエンコーダを並設して、エンコーダによりモ
ータの回転を検知して、プラテン54に至る駆動機を構
御するように構成しても、上記と同様の制御が可能であ
る。すなわち、本発明の要旨は、すべての印刷操作の基
準となる原点位置において、シート材と熱転写ヘッドが
常に正しい位置関係を保つように、印刷操作の開始時に
シート材と熱転写ヘッドを相対的に所定距離移動させる
ことにある。また、必ずしも必須の要件ではないが、熱
転写ヘッドは、シート材が原点に向かって戻される時
は、非印刷位置まで上昇していると好ましい。シート材
の駆動手段の構成要素、例えば、モータ、ギヤ、プー
リ、プーリに巻きかけられるベルト、スプロケット、そ
の他機械的または電気的な装置等は、所定量のバックラ
ッシュまたはヒステリシスを生じるものであってもよ
い。本発明は、インクリボンを用いた熱転写型プリンタ
に適用したが、他のタイプのプリンタに用いても同様の
効果を得ることができる。換言すれば、シート材と熱転
写ヘッドが、バックラッシュによって生じる欠陥や誤差
除去するために、相対的に移動した結果到達した点が
印刷プログラムの実行が開始される原点となるように構
成すれば、どのようなタイプのプリンタにも、本発明を
適用することができる。なお、この原点は、図柄の主要
部に設定しても、視認されない図柄の周辺部に設定して
もよい。
【0033】なお、本実施例では、シート材Sとプラテ
ン54の間では、シート材Sの横方向の滑りは生じない
と仮定している。
【0034】
【発明の効果】本発明は、所定の手順でシート材に図柄
を印刷する印刷プログラムに基づいて作動制御手段によ
り、駆動手段を駆動して、原点位置から印刷操作が開始
される前に、シート材を印刷ヘッドに対して所定距離移
動させる、バックラッシュによって生じる欠陥や誤差の
除去手段を備えたので、歪みや見当合わせの誤差のない
図柄を作成することができる。また、本発明を、多色刷
りの図柄を印刷するために、印刷ヘッドに対して相対的
に移動するシート材に、ぞれぞれ異なった色のインクが
逐次帯状に転写されて行くタイプの印刷装置に適用する
と、極めて有効である。すなわち、図柄を構成する各色
部分は、シート材上で異なる(帯状の)印刷経路が要求
され、かつ各経路の印刷を開始する毎に、シート材は原
点に戻されるが、複数の印刷経路の印刷原点が同じにな
るので、多色刷りの印刷製品の品質を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した熱転写型プリンタの斜視図で
ある。
【図2】シート材を移動させる駆動手段を示す拡大側面
図である。
【図3】プラテンおよびスプロケットの支持・駆動手段
を示す断面図である。
【図4】図3に示す支持・駆動手段の印刷ヘッド部分を
示した拡大断面図である。
【図5】本発明を適用した装置・方法により印刷される
3次元的効果を有する文字ARを例示した図である。
【図6】本発明の手順を説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
20 制御器(制御手段) 30 スプロケット(駆動手段) 32 スプロケット(駆動手段) 36 ステップモータ 70 熱転写印刷ヘッド(印刷ヘッド) 88 カセット S シート材 W インクリボン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールス エム ヘブナー アメリカ合衆国 コネチカット州 06033 グラストンベリー ホイットレ ス ウェイ 50 (56)参考文献 特開 平4−115663(JP,A) 特開 平3−43257(JP,A) 特開 平3−215056(JP,A) 特開 昭62−30471(JP,A) 特開 昭62−256685(JP,A) 特開 平4−265768(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材に対して多色刷り印刷する印刷
    ヘッドと、 上記シート材を印刷ヘッドに対して印刷方向及び該印刷
    方向と反対の戻し方向に移動させて、該シート材の送り
    方向に印刷方向を展開する駆動手段と、 上記印刷ヘッドおよび駆動手段を制御する制御手段と、
    を備え、 上記制御手段は、1色目は、上記シート材を上記印刷方
    向に所定距離移動させて、シート材の送り方向に展開さ
    れる印刷方向の印刷原点を設定し、この印刷原点を基準
    にして印刷方向に移動させながら印刷し、 2色目以降は、上記シート材を、印刷動作を実行するこ
    となく上記印刷原点を越える所定位置まで上記戻し方向
    に移動させてから、その後再び上記印刷方向に移動させ
    て、上記印刷原点を基準にして上記印刷方向に移動させ
    ながら印刷すること、を特徴とするシート材への印刷装
    置。
  2. 【請求項2】 上記印刷ヘッドとシート材の間に位置す
    る、少なくとも一色を含有した交換可能なインクリボン
    と、印刷ヘッドがインクリボンに含浸したインクをシー
    ト材に転写できるように、インクリボンを印刷ヘッドと
    シート材の間に位置するように支持する支持機構とを備
    えている請求項1に記載のシート材への印刷装置。
  3. 【請求項3】 上記印刷ヘッドは、上記シート材との接
    触位置と非接触位置との間を移動可能に構成され、上記
    制御手段は、印刷開始前であって、かつ上記シート材を
    上記所定距離移動させる前に、印刷ヘッドとシート材を
    接触状態にし、またシート材が上記戻し方向に移動する
    前に、印刷ヘッドとシート材を非接触状態とする請求項
    1または2に記載のシート材への印刷装置。
  4. 【請求項4】 上記駆動手段はステッピングモータを備
    え、上記制御手段は、上記駆動手段による上記シート材
    の移動方向および移動距離を、上記ステッピングモータ
    の駆動方向および駆動パルス数で制御する請求項1から
    3のいずれか一項に記載のシート材への印刷装置。
  5. 【請求項5】 印刷プログラムによって決定される図柄
    を多色刷り印刷する印刷ヘッドと、シート材を印刷ヘッ
    ドに対し印刷中に相対的に移動させて該シート材の送り
    方向に印刷方向を展開する駆動手段とを備えた装置によ
    り多色印刷する方法において、 1色目は、上記シート材を上記印刷方向に所定距離移動
    させてシート材の送り方向に展開される印刷方向の印刷
    原点を設定し、この印刷原点を基準にして印刷方向に移
    動させながら印刷し、 2色目以降は、上記シート材を、印刷動作を実行するこ
    となく上記印刷原点を越える所定位置まで戻し方向に移
    動させてから、その後再び上記印刷方向に移動させて、
    上記印刷原点を基準にして上記印刷方向に移動させなが
    ら印刷すること、を特徴とするシート材への印刷方法。
  6. 【請求項6】 上記シート材を、上記印刷原点から上記
    印刷方向に移動している間は、上記印刷ヘッドを上記シ
    ート材と接触状態にし、上記シート材を上記戻し方向に
    移動している間は、上記印刷ヘッドを上記シート材と非
    接触状態にする請求項5に記載のシート材への印刷方
    法。
  7. 【請求項7】 上記シート材が上記印刷方向に移動しつ
    つ上記印刷ヘッドが図柄を印刷する工程は、所定の一色
    で図柄を印刷する工程であり、再度駆動手段を駆動した
    後に実行される、次の印刷工程では、上記シート材が上
    記印刷方向に移動しつつ、上記印刷ヘッドが上記所定の
    一色以外の色で図柄を印刷する請求項5または6に記載
    のシート材への印刷方法。
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