JP3154593B2 - トリメリット酸誘導体を含有する電子写真用トナー - Google Patents

トリメリット酸誘導体を含有する電子写真用トナー

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JP3154593B2 JP19350593A JP19350593A JP3154593B2 JP 3154593 B2 JP3154593 B2 JP 3154593B2 JP 19350593 A JP19350593 A JP 19350593A JP 19350593 A JP19350593 A JP 19350593A JP 3154593 B2 JP3154593 B2 JP 3154593B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真または静電記録
などの静電潜像を現像するときに用いるトナーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
電子写真法は、光導電性物質を含有する感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した
後、加熱あるいは加圧などにより定着し、被写物を得る
ものである。
【0003】これらの現像法に用いられる現像粉は、通
常、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂中に着色剤等を分散
させた後、固化、粉砕して得られる微粉末であるが、特
公昭44−6398号公報等に記載されているような、
例えばステアリン酸リチウムやステアリン酸鉛のような
第三物質を添加した電子写真用現像剤混合物も知られて
いる。また更に帯電性を向上させるために、帯電性を付
与する染料または顔料等の電荷調整剤の添加が行われて
いる。
【0004】現在公知である負帯電付与性の電荷調整剤
としては、サルチル酸のクロム錯体などの含金属錯体を
挙げることができる。しかし、これらの毒性の高い重金
属を含むものは、環境汚染を引き起こす可能性があり、
環境保全の面から好ましくない。また、従来の電荷調整
剤のほとんどは有色化合物であるために、カラー電子写
真法に用いることができなかったり、あるいは安定性に
乏しく、機械的摩擦、衝撃、温湿度変化、電気的衝撃及
び光照射等で分解又は変質し、電荷制御性が損なわれ易
いというような欠点を有する。
【0005】更に、従来の多くの電荷調整剤は熱可塑性
樹脂中に均一に分散溶解することが困難なため、得られ
るトナー粒子の帯電量は粒子間で異なり、帯電の分布が
不均一となり易い。このような電荷調整剤を含有するト
ナーは電気的潜像を忠実に顕像化できず、顕像化手段と
して信頼性を確保できないこととなる。また、現像の初
期段階には良好な現像特性をもたらす電荷調整剤も、寿
命が短く、長期の使用においては現像性能が低下し、記
録画質の低下が見られる。
【0006】このように、従来の電荷調整剤には種々の
問題があり、要求される特性のすべてを満足する、負帯
電付与性の電荷調整剤は未だ見い出されていないのが現
状である。
【0007】本発明の目的は、毒性の高い金属を含ま
ず、無色であり、樹脂との相溶性が良好で樹脂中に均一
に分散し、帯電付与性、帯電量立ち上がり性、経時安定
性、環境安定性(湿度、温度等)に優れた化合物を負帯
電付与性の帯電調整剤として含有する電子写真用トナー
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するべく鋭意検討した結果、エステル基を有する
トリメリット酸化合物が、前記の諸条件を満足する優れ
た負帯電付与性の電荷調整剤であることを見い出し、本
発明を完成した。即ち本発明は、下記一般式(1)(化
2)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R1、R2は同一又は独立に水素原
子、置換されていてもよいアルキル基または置換されて
いてもよいアリール基を示し、少なくともR1、R2のい
ずれか一つは水素原子ではない。〕で表されるトリメリ
ット酸誘導体またはその塩の少なくとも一つを、負帯電
付与性の電荷調整剤として含有することを特徴とする電
子写真用トナーである。
【0011】本発明のトナーに含まれる負帯電付与性の
電荷調整剤の特徴は、トリメリット酸骨格にエステル基
を導入したところにあり、既知の負帯電付与性の電荷調
整剤に比較して、負帯電付与性、帯電量立ち上がり性、
経時安定性、環境安定性などの点で非常に優れた性能を
示すものである。
【0012】本発明の、一般式(1)の中の置換基
1、R2の具体例を次に示す。置換されていてもよいア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチル
ブチル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基、n−
ヘキシル基、イソヘキシル基、2−メチルペンチル基、
3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2,2
−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
タデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタ
デシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、3,5,5−
トリメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、
2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ヘ
キシルオキシエチル基、2−オクチルオキシエチル基、
3−クロロプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−
エトキシプロピル基、3−ヘキシルオキシプロピル基、
4−クロロブチル基、4−ヒドロキシブチル基、4−メ
トキシブチル基、4−エトキシブチル基、エチルカルボ
ニルオキシエチル基、メチルチオエチル基、ジメチルア
ミノエチル基等の無置換もしくは置換されたアルキル基
や、ベンジル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベ
ンジル基、2−メチルベンジル基、4−クロロベンジル
基、2−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、4
−ヨードベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−エ
チルベンジル基、4−プロピルベンジル基、4−イソプ
ロピルベンジル基、4−ブチルベンジル基、4−イソブ
チルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4
−ペンチルベンジル基、4−ヘキシルベンジル基、4−
ヘプチルベンジル基、4−オクチルベンジル基、2,4
−ジメチルベンジル基、2−クロロ−4−メチルベンジ
ル基、4−メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル
基、4−ブトキシベンジル基、4−ヘキシルオキシベン
ジル基、4−オクチルオキシベンジル基、フェネチル
基、4−メチルフェネチル基、2−メチルフェネチル
基、4−エチルフェネチル基、4−ブチルフェネチル
基、4−ヘキシルフェネチル基、4−オクチルフェネチ
ル基、4−メトキシフェネチル基、4−ブトキシフェネ
チル基、4−ヘキシルオキシフェネチル基、フェニルプ
ロピル基、4−メチルフェニルプロピル基、フェニルブ
チル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の
無置換もしくは置換されたアラルキル基があり、特にC
1〜C14のアルキル基、または無置換もしくは4位がC1
〜C8のアルキル基またはアルコキシ基で置換されたベ
ンジル基、フェネチル基またはフェニルプロピル基が望
ましい。
【0013】置換されていてもよいアリール基として
は、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフ
ェニル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル
基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4
−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フル
オロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−プロピル
フェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチル
フェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert
−ブチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、4−ヘ
キシルフェニル基、4−ヘプチルフェニル基、4−オク
チルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−ク
ロロ−4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル
基、4−ヘキシルオキシフェニル基、4−オクチルオキ
シフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロ
キシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−ジメ
チルアミノフェニル基、4−ジブチルアミノフェニル
基、2,4−ビス−tert−ブチルフェニル基等があ
り、特に無置換または4位がC1〜C8のアルキル基また
はアルコキシ基で置換されたものが望ましい。
【0014】トリメリット酸誘導体の塩としては、金属
塩あるいはアンモニウム塩がある。そのうち、金属塩の
金属としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカ
リ土類金属、亜鉛、アルミニウムなどの低毒性の金属が
ある。またアンモニウム塩のアンモニウム成分として
は、アンモニウム、メチルアンモニウム、エチルアンモ
ニウム、プロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、
ペンチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチ
ルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、メチルエチル
アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルア
ンモニウム、トリブチルアンモニウム、メチルエチルブ
チルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラ
エチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テ
トラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウ
ム、テトラヘキシルアンモニウム、ベンジルトリメチル
アンモニウム、ベンジルブチルジメチルアンモニウム、
ベンジルジメチルアンモニウム、トリエタノールアンモ
ニウム等があり、特に、C2〜C6のアルキル基またはベ
ンジル基で置換されたアンモニウムが望ましい。金属ま
たはアンモニウム成分は、式(1)化合物の1個ないし
2個のカルボン酸の水素原子と置換して塩を形成する。
【0015】上記トリメリット酸誘導体のうち、例えば
1、R2のうち一方が水素原子であるものは、対応する
アルコールと無水トリメリット酸から、下に示すような
反応経路により得ることができる。すなわち、対応する
アルコ−ル類と無水トリメリット酸を、ベンゼン、トル
エン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンなど
の不活性溶媒中で加熱することにより、一般式(1)の
化合物を得ることができる。この際、硫酸、塩酸等の鉱
酸、芳香族スルホン酸等の有機酸、あるいはフッ化水素
エーテラート等のLewis酸の存在下に反応させると
更に効果的である。得られたトリメリット酸誘導体は、
公知の方法により、対応する金属塩あるいはアンモニウ
ム塩に変えることができる。
【0016】尚、反応条件により、生成するトリメリッ
ト酸エステルは下記のように2種の混合物になると推測
されるが、この混合物のまま、トナーの製造に用いて何
ら性能に問題はない。もちろん、単離しても差し支えな
い。
【0017】
【化3】 〔式中、Mm+は金属イオン又はアンモニウムイオンを示
し、xは0又は1、m、nは正の整数、yは1又は2で
ある。〕
【0018】本発明の電子写真用トナーは、通常、結着
樹脂及び着色剤を含有する。
【0019】本発明において用いられる結着樹脂として
は、従来より知られているものを広く使用することがで
きる。例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン
−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、
ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。
【0020】これらのうち、スチレン樹脂としてはスチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチ
レン、クロロスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン
もしくはスチレン誘導体、又はこれらを主成分として、
α,β−不飽和重合性モノマーを共重合したもの等を例
として挙げることができる。
【0021】また、アクリル樹脂としては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ア
ミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリ
ル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステ
ル類もしくはその誘導体、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド、またはこれらを主成分と
してα,β−不飽和重合性モノマーを共重合したもの等
が例として挙げられる。
【0022】また、ポリエステル樹脂は、ジカルボン
酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸などの多価カル
ボン酸とジオール、トリオール等の多価アルコールとの
エステル化反応によって得られる。多価アルコール成分
としてはエチレングリコール、グリセリン、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが用
いられ、多価カルボン酸成分としてはフマル酸、マレイ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、オクチルコハク酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸等が挙げられる。
【0023】本発明に用いられる着色剤としては通常用
いられるものでよく、例えば、カーボンブラック、ニグ
ロシン染料、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロム
イエロー、ウルトラマリンブルー、ローダミン、クロム
イエロー、キノリンイエロー、マラカイトグリーンオキ
ザレート、ランプブラック、アゾオイルブラック、ロー
ズベンガル、メチレンブルークロリド等が挙げられる。
【0024】本発明の負帯電性トナーと混合して現像剤
を形成するキャリアとしては、粒径50〜300μmく
らいの鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、マグネタイト
等強磁性を示す元素を含む化合物あるいは合金が挙げら
れる。
【0025】本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
前述の結着樹脂、着色剤及び一般式(1)で表される電
荷調整剤、また必要により磁性体、オフセット防止剤、
潤滑剤等を加え、溶融し、十分に混合した後、冷却、固
化し、微粉砕する方法であってもよく、また前記混合物
を溶剤中に懸濁し、噴霧乾燥するか、または溶剤を蒸発
して固体残渣を微粉砕する方法であってもよく、また結
着樹脂を構成するモノマーと着色剤と一般式(1)で表
される電荷調整剤、必要により磁性体、オフセット防止
剤、潤滑剤等を加えた混合物を重合し、粉砕する方法で
あってもよく、また前記のモノマーを含む混合物を水中
で懸濁重合して粉粒体として得る方法であってもよい。
【0026】トナー中に占める一般式(1)で表される
電荷調整剤の量は、結着樹脂100重量部に対し通常
0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部程
度である。また、トナー中に占める着色剤の量は、結着
樹脂に対し通常0.1〜30重量部程度である。
【0027】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明する。ただ
し、ここでの「部」はすべて重量部を表す。 実施例1 無水トリメリット酸38.5部、オクタノール26.1
部をトルエン75部に入れ、還流するまで加熱し、同温
で6時間反応した。反応後、100℃まで冷却し、トル
エン75部を装入し、さらに1時間保温後、室温まで冷
却し、沈殿物を濾過、メタノール洗浄、水洗浄、乾燥し
て、生成物59.4部を得た。この化合物は、元素分析
により次式(2)(化4)で表される混合物であること
を確認し、収率は92%であった。
【0028】
【化4】
【0029】次に、スチレン−アクリル酸共重合樹脂1
00部に上記化合物5部、カーボンブラック(三菱化成
工業(株)製MA−100)5部、オフセット防止剤
(三洋化成工業(株)製ビスコース330P)8部を加
え、ニーダー中で均一に混合した。冷却後、混合物をジ
ェット・ミル(セイシン企業(株)製FS−4型)中で
粉砕して平均粒径10μmの粉末とした。このトナー粉
末10部をキャリア(パウダーテック社製、ゼオライト
FL−150)90部に混合して二成分系現像剤を調製
し、これを用いて帯電量の測定及び複写テストを行っ
た。まず、10分間の振とうにより帯電させ、ブローオ
フ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製TB−2
00型)にて、キャリアとの摩擦による帯電量を測定し
た。帯電量は−45.7μc/gであった。
【0030】また、正帯電型セレン系感光体、磁気刷子
現像装置及びブレードクリーナーを備えた複写機を用い
て行った複写テストでは、5万枚複写後でも、帯電量立
ち上がり性や帯電性は初期と同値を示し、更にフィルミ
ングやカブリを生じることなく安定した画像濃度を得る
ことができた。
【0031】実施例2〜94 実施例1と同様の方法によって、種々のトリメリット酸
誘導体を製造後、同様の方法にてトナー粉末を得、二成
分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テスト
を行った。その化合物の構造、融点、帯電量及び複写テ
ストの結果を、実施例1も含めて第1表に示す。構造は
式(1)に従って示し、置換基R1、R2の表し方は、例
えば実施例番号2では、R1:−CH3かつR2:Hの化
合物と、R1:HかつR2:−CH3の化合物の混合物で
あることを意味する。尚、複写性能の欄の○の印は、5
万枚複写後も、帯電量立ち上がり性や帯電性が低下せ
ず、またフィルミングやカブリを生じることもなく、安
定した画像濃度を得ることができたことを意味する。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】実施例95 実施例1で得られた化合物32.2部、水酸化カリウム
7.0部をメタノール500部に入れ、室温で4時間撹
拌した。この溶液に硫酸亜鉛7水和物14.4部を水1
5部に溶解した溶液を1時間かけて裝入し、さらに4時
間撹拌した。反応後、濾過、メタノール洗浄、乾燥して
生成物33.6部を得た。この化合物は元素分析によ
り、次式(3)(化5)であることを確認し、収率は9
5%であった。
【0039】
【化5】
【0040】次に、実施例1と同様の方法にてトナー粉
末を得、二成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及
び複写テストを行った。帯電量は−45.8μc/gで
あり、複写テストにおいては、安定した画像が得られ、
5万枚の複写後も、帯電量立ち上がり性及び帯電性の低
下やフェルミング、カブリ等は見られなかった。
【0041】実施例96〜115 実施例95と同様の方法にて種々のトリメリット酸モノ
エステルの塩を製造後、同様の方法でトナー粉末を得、
二成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テ
ストを行った。その化合物の構造、帯電量、融点及び複
写テストの結果を、実施例95も含めて第2表に示す。
尚、第2表中の構造は、下記の構造式(4)(化6)に
従って示す。複写性能の欄の○印の意味は第1表に同じ
である。
【0042】
【化6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】実施例116〜147 実施例95と同様の方法にて種々のトリメリット酸ジエ
ステルの塩を製造後、同様の方法でトナー粉末を得、二
成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テス
トを行った。その化合物の構造、帯電量、融点及び複写
テストの結果を第3表に示す。尚、第3表中の構造は下
記の構造式(5)(化7)に従って示す。置換基R1
2の表し方及び複写性能の欄の○印の意味は第1表に
同じであり、略号の意味はEt:−C25である。
【0046】
【化7】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】比較例1 実施例1において式(2)で表されるトリメリット酸誘
導体を加えない以外は同様の方法にてトナー粉末を製造
し、帯電量の測定及び複写テストを行った。帯電量は−
4.2μc/gであり、また、複写テストにおいては、
帯電性のバラつきが見られ、安定した画像が得られなか
った。
【0050】比較例2 実施例1において式(2)で表されるトリメリット酸誘
導体の代わりに下記化合物(6)(化8)を用いた以外
は同様の方法でトナー粉末を製造し、帯電量の測定及び
複写テストを行った。帯電量は−6.3μc/gであ
り、また複写テストにおいては、初期の画像は安定して
いたが、1万枚ぐらいから画像のカブリが見られた。
【0051】
【化8】
【0052】
【発明の効果】本発明により、無色で、樹脂との相溶性
が良好で樹脂中に均一に分散し、負帯電付与性、帯電量
立ち上がり性、経時安定性、環境安定性(温度、湿度
等)に優れた化合物を負帯電付与性の電荷調整剤として
含有する電子写真用トナーを得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 〔式中、R1、R2は同一又は独立に水素原子、置換され
    ていてもよいアルキル基または置換されていてもよいア
    リール基を示し、少なくともR1、R2のいずれか一つは
    水素原子ではない。〕で表されるトリメリット酸誘導体
    またはその塩の少なくとも一種を、負帯電付与性の電荷
    調整剤として含有することを特徴とする電子写真用トナ
    ー。
JP19350593A 1993-08-04 1993-08-04 トリメリット酸誘導体を含有する電子写真用トナー Expired - Fee Related JP3154593B2 (ja)

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