JPH0756393A - フタルイミド化合物を含有する電子写真用トナー - Google Patents

フタルイミド化合物を含有する電子写真用トナー

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JPH0756393A
JPH0756393A JP5203869A JP20386993A JPH0756393A JP H0756393 A JPH0756393 A JP H0756393A JP 5203869 A JP5203869 A JP 5203869A JP 20386993 A JP20386993 A JP 20386993A JP H0756393 A JPH0756393 A JP H0756393A
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acid
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JP5203869A
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Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Yoshihiro Irisato
義広 入里
Hidetake Yoshitomi
英武 吉富
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボキシル基をもつフタルイミド化合物
を含有する電子写真用トナー。 【効果】 本発明により、毒性の高い金属を含まず、
無色で、樹脂との相溶性が良好で樹脂中に均一に分散
し、負帯電付与性、帯電量立ち上がり性、経時安定性、
環境安定性(温度、湿度)に優れた化合物を負帯電付与
性の電荷調整剤として含有する電子写真用トナーを得る
ことができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真または静電記録
などの静電潜像を現像するときに用いるトナーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
電子写真法は、光導電性物質を含有する感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した
後、加熱あるいは加圧などにより定着し、被写物を得る
ものである。
【0003】これらの現像法に用いられる現像粉は、通
常、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂中に着色剤等を分散
させた後、固化、粉砕して得られる微粉末であるが、特
公昭44−6398号公報等に記載されているような、
例えばステアリン酸リチウムやステアリン酸鉛のような
第三物質を添加した電子写真用現像剤混合物も知られて
いる。また更に帯電性を向上させるために、帯電性を付
与する染料または顔料等の電荷調整剤の添加が行われて
いる。
【0004】現在、公知である負帯電付与性の電荷調整
剤としては、サルチル酸のクロム錯体などの含金属錯体
を挙げることができる。しかし、これらの毒性の高い重
金属を含むものは、環境汚染を引き起こす可能性があ
り、環境保全の面から好ましくない。また、従来の電荷
調整剤のほとんどは有色化合物であるために、カラー電
子写真法に用いることができなかったり、あるいは安定
性に乏しく、機械的摩擦、衝撃、温湿度変化、電気的衝
撃及び光照射等で分解又は変質し、電荷制御性が損なわ
れ易いというような欠点を有する。
【0005】更に、従来の多くの電荷調整剤は熱可塑性
樹脂中に均一に分散溶解することが困難なため、得られ
るトナー粒子の帯電量は粒子間で異なり、帯電の分布が
不均一となり易い。このような電荷調整剤を含有するト
ナーは電気的潜像を忠実に顕像化できず、顕像化手段と
して信頼性を確保できないこととなる。また、現像の初
期段階には良好な現像特性をもたらす電荷調整剤も、寿
命が短く、長期の使用においては現像性能が低下し、記
録画質の低下が見られる。
【0006】このように、従来の電荷調整剤には種々の
問題があり、要求される特性のすべてを満足する、負帯
電付与性の電荷調整剤は未だ見い出されていないのが現
状である。
【0007】本発明の目的は、毒性の高い金属を含ま
ず、無色であり、樹脂との相溶性が良好で樹脂中に均一
に分散し、帯電付与性、帯電量立ち上がり性、経時安定
性、環境安定性(湿度、温度等)に優れた化合物を負帯
電付与性の帯電調整剤として含有する電子写真用トナー
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するべく鋭意検討した結果、カルボキシル基を有
するフタルイミド化合物またはその塩が、前記の諸条件
を満足する優れた負帯電付与性の電荷調整剤であること
を見い出し、本発明を完成した。即ち本発明は、下記一
般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、Rは置換されていてもよいアルキ
ル基または置換されていてもよいアリール基を示す。〕
で表されるフタルイミド化合物またはその塩の少なくと
も一つを、負帯電付与性の電荷調整剤として含有するこ
とを特徴とする電子写真用トナーである。
【0011】本発明のトナーに含まれる負帯電付与性の
電荷調整剤の特徴は、フタルイミド骨格の4位にカルボ
キシル基もしくはその塩を導入したところにあり、これ
により、既知の負帯電付与性の電荷調整剤と比べて、帯
電性及び樹脂との相溶性が著しく向上するものである。
【0012】本発明の、一般式(1)の置換基Rの具体
例を次に示す。置換されていてもよいアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル
基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、イソヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メ
チルペンチル基、4−メチルペンチル基、2,2−ジメ
チルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、
3,5−ジメチルヘキシル基、3,5,5−トリメチル
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ヘキシルオキ
シエチル基、2−オクチルオキシエチル基、3−クロロ
プロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプ
ロピル基、3−ヘキシルオキシプロピル基、4−クロロ
ブチル基、4−ヒドロキシブチル基、4−メトキシブチ
ル基、4−エトキシブチル基、エチルカルボニルオキシ
エチル基、メチルチオエチル基、ジメチルアミノエチル
基等の無置換もしくは置換されたアルキル基や、ベンジ
ル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、
2−メチルベンジル基、4−クロロベンジル基、2−ク
ロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、4−ヨードベ
ンジル基、4−フルオロベンジル基、4−エチルベンジ
ル基、4−プロピルベンジル基、4−イソプロピルベン
ジル基、4−ブチルベンジル基、4−イソブチルベンジ
ル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−ペンチル
ベンジル基、4−ヘキシルベンジル基、4−ヘプチルベ
ンジル基、4−オクチルベンジル基、2,4−ジメチル
ベンジル基、2−クロロ−4−メチルベンジル基、4−
メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−ブ
トキシベンジル基、4−ヘキシルオキシベンジル基、4
−オクチルオキシベンジル基、フェネチル基、4−メチ
ルフェネチル基、2−メチルフェネチル基、4−エチル
フェネチル基、4−ブチルフェネチル基、4−ヘキシル
フェネチル基、4−オクチルフェネチル基、4−メトキ
シフル基、4−ブトキシフェネチル基、4−ヘキシルオ
キシフェネチル基、フェニルプロピル基、4−メチルフ
ェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチ
ル基、フェニルヘキシル基等の無置換もしくは置換され
たアラルキル基が挙げられ、特にC1〜C14のアルキル
基、あるいは無置換もしくは4位がC1〜C8のアルキル
基またはアルコキシ基で置換されたベンジル基、フェネ
チル基またはフェニルプロピル基が望ましい。
【0013】置換されていてもよいアリール基として
は、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフ
ェニル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル
基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4
−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フル
オロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−プロピル
フェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチル
フェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert
−ブチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、4−ヘ
キシルフェニル基、4−ヘプチルフェニル基、4−オク
チルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2−ク
ロロ−4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル
基、4−ヘキシルオキシフェニル基、4−オクチルオキ
シフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロ
キシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−ジメ
チルアミノフェニル基、4−ジブチルアミノフェニル
基、2,4−ビス−tert−ブチルフェニル基、2−
メチル−4−ニトロフェニル基、2−メトキシ−4−ニ
トロ基等が挙げられ、特に無置換または4位がC1〜C8
のアルキル基またはアルコキシ基で置換されたものが望
ましい。
【0014】本発明に用いるフタルイミド化合物の塩と
しては、金属塩あるいはアンモニウム塩がある。そのう
ち、金属塩の金属としては、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム
などのアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウムなどの低
毒性の金属が挙げられる。またアンモニウム塩のアンモ
ニウム成分としては、アンモニウム、メチルアンモニウ
ム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ブチ
ルアンモニウム、ペンチルアンモニウム、ジメチルアン
モニウム、ジエチルアンモニウム、ジブチルアンモニウ
ム、メチルエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウ
ム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウ
ム、メチルエチルブチルアンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピ
ルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラペ
ンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、ベ
ンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルブチルジメチ
ルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、トリ
エタノールアンモニウム等があり、特に、C2〜C6のア
ルキル基またはベンジル基で置換されたアンモニウムが
望ましい。
【0015】本発明に用いるフタルイミド化合物は、対
応するアミンと無水トリメリット酸から、次に示すよう
な反応経路により得ることができ、得られたフタルイミ
ド化合物は公知の方法により対応する塩に変えることが
できる。
【0016】
【化3】 [式中、Rの意味は式(1)に同じであり、Mは金属ま
たはアンモニウム成分を示し、m及びnは正の整数であ
る。]
【0017】すなわち、フタルイミド化合物は、アミン
類と無水トリメリット酸を、ベンゼン、トルエン、クロ
ロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンなどの不活性溶
媒中で加熱することにより得ることができる。この際、
生成する水を共沸させて系外に取り出すか、硫酸マグネ
シウム等の乾燥剤やジシクロカルボジイミド(DCC)
等の脱水剤を共存させて脱水しながら反応を行うことに
より、より効率よくフタルイミド化合物を得ることがで
きる。また、硫酸、塩酸等の鉱酸、芳香族スルホン酸等
の有機酸、あるいはフッ化ホウ素エーテラート等のLe
wis酸の存在下に反応させると更に効果的である。
【0018】また、次に示すような反応経路によって
も、本発明のフタルイミド化合物を得ることができる。
【0019】
【化4】 [式中、Rの意味は式(1)に同じであり、Mは金属ま
たはアンモニウム成分、Xはハロゲン、SO3またはS
4を表す。]
【0020】すなわち、ハロゲン化合物、硫酸エステル
またはスルホン酸エステルと4−カルボキシフタルイミ
ドを、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどの塩基触媒の存在下に加熱するこ
とによっても得ることができる。
【0021】本発明の電子写真用トナーは、通常、結着
樹脂及び着色剤を含有する。
【0022】本発明において用いられる結着樹脂として
は、従来より知られているものを広く使用することがで
きる。例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン
−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、
ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。
【0023】これらのうち、スチレン樹脂としてはスチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチ
レン、クロロスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン
もしくはスチレン誘導体、又はこれらを主成分として、
α,β−不飽和重合性モノマーを共重合したもの等を例
として挙げることができる。
【0024】また、アクリル樹脂としては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ア
ミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のα
−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類もしくはそ
の誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド、またはこれらを主成分としてα,β−不
飽和重合性モノマーを共重合したもの等が例として挙げ
られる。
【0025】また、ポリエステル樹脂は、ジカルボン
酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸などの多価カル
ボン酸とジオール、トリオール等の多価アルコールとの
エステル化反応によって得られる。多価アルコール成分
としてはエチレングリコール、グリセリン、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが用
いられ、多価カルボン酸成分としてはフマル酸、マレイ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、オクチルコハク酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸等が挙げられる。
【0026】本発明に用いられる着色剤としては通常用
いられるものでよく、例えば、カーボンブラック、ニグ
ロシン染料、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロム
イエロー、ウルトラマリンブルー、ローダミン、クロム
イエロー、キノリンイエロー、マラカイトグリーンオキ
ザレート、ランプブラック、アゾオイルブラック、ロー
ズベンガル、メチレンブルークロリド等が挙げられる。
【0027】本発明の負帯電性トナーと混合して現像剤
を形成するキャリアとしては、粒径50〜300μmく
らいの鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、マグネタイト
等強磁性を示す元素を含む化合物あるいは合金が挙げら
れる。
【0028】本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
前述の結着樹脂、着色剤及び一般式(1)で表される電
荷調整剤、また必要により磁性体、オフセット防止剤、
潤滑剤等を加え、溶融し、十分に混合した後、冷却、固
化し、微粉砕する方法であってもよく、また前記混合物
を溶剤中に懸濁し、噴霧乾燥するか、または溶剤を蒸発
して固体残渣を微粉砕する方法であってもよく、また結
着樹脂を構成するモノマーと着色剤と一般式(1)で表
される電荷調整剤、必要により磁性体、オフセット防止
剤、潤滑剤等を加えた混合物を重合し、粉砕する方法で
あってもよく、また前記のモノマーを含む混合物を水中
で懸濁重合して粉粒体として得る方法であってもよい。
【0029】トナー中に占める一般式(1)で表される
電荷調整剤の量は、結着樹脂100重量部に対し通常
0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部で
ある。また、トナー中に占める着色剤の量は、結着樹脂
に対し通常0.1〜30重量部である。
【0030】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明する。ただ
し、ここでの「部」はすべて重量部を表す。 実施例1 無水トリメリット酸19.2部、n−ブチルアミン7.
3部、ピリジン7.9部をトルエン200部に入れ、1
10℃にて6時間反応した。反応後、トルエンとピリジ
ンを減圧下に留去し、残渣をメタノール500部に排出
し、濾過、メタノール洗浄、水洗、希塩酸洗浄、水洗、
乾燥、の順に処理して、次式(2)で表わされる化合物
22.8部(収率92%)を得た。
【0031】
【化5】
【0032】次に、スチレン−アクリル酸共重合樹脂1
00部に上記化合物5部、カーボンブラック(三菱化成
工業(株)製MA−100)5部、オフセット防止剤
(三洋化成工業(株)製ビスコース330P)8部を加
え、ニーダー中で均一に混合した。冷却後、混合物をジ
ェット・ミル(セイシン企業(株)製FS−4型)中で
粉砕して平均粒径10μmの粉末とした。このトナー粉
末10部をキャリア(パウダーテック社製、ゼオライト
FL−150)90部に混合して二成分系現像剤を調製
し、これを用いて帯電量の測定及び複写テストを行っ
た。まず、10分間の振とうにより帯電させ、ブローオ
フ粉体帯電測定装置(東芝ケミカル(株)製TB−20
0型)にて、キャリアとの摩擦による帯電量を測定し
た。帯電量は−28.9μc/gであった。
【0033】また、正帯電型セレン系感光体、磁気刷子
現像装置及びブレードクリーナーを備えた複写機を用い
て行った複写テストでは、5万枚複写後でも、帯電量立
ち上がり性や帯電性は初期と同値を示し、更にフィルミ
ングやカブリを生じることなく安定した画像濃度を得る
ことができた。
【0034】実施例2〜45 実施例1と同様の方法によって、種々のフタルイミド化
合物を製造後、同様の方法にてトナー粉末を得、二成分
系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テストを
行った。その化合物の構造、融点、帯電量及び複写テス
トの結果を、実施例1も含めて第1表に示す。表中の化
合物の構造は式(1)に従って表し、複写性能の欄の○
印は、複写テストの結果が実施例1と同様に良好であっ
たことを意味する。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】実施例46 実施例1で得られた化合物24.7部、水酸化カリウム
7.0部をメタノール200部に入れ、室温で4時間撹
拌した。この溶液に硫酸亜鉛7水和物14.4部を水1
5部に溶解した溶液を1時間かけて裝入し、さらに4時
間撹拌した。反応後、濾過、メタノール洗浄、乾燥して
次式(3)の化合物26.8部(収率96%)を得た。
【0039】
【化6】
【0040】次に、実施例1と同様の方法にてトナー粉
末を得、二成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及
び複写テストを行った。帯電量は−29.8μc/gで
あり、複写テストにおいては、安定した画像が得られ、
5万枚の複写後も、帯電量の立ち上がり性及び帯電性の
低下、フェルミング、カブリ等は見られなかった。
【0041】実施例47〜69 実施例46と同様の方法にて、種々のフタルイミド化合
物の塩を製造後、同様の方法でトナー粉末を得、二成分
系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テストを
行った。その化合物の構造、融点、帯電量及び複写テス
トの結果を、実施例46も含めて第2表に示す。尚、第
2表中の構造は、下記の構造式(4)に従って示し、○
印の意味は第1表に同じである。
【0042】
【化7】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】比較例1 実施例1において式(2)のフタルイミド化合物を加え
ない以外は同様の方法にてトナー粉末を得、二成分系現
像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テストを行っ
た。帯電量は−4.2μc/gであり、また、複写テス
トにおいては、帯電性のバラつきが見られ、安定した画
像が得られなかった。
【0046】比較例2 実施例1において式(2)のフタルイミド化合物の代わ
りに次に示す化合物(5)を用いた以外は同様の方法で
トナー粉末を製造し、その帯電量の測定及び複写テスト
を行った。帯電量は−6.3μc/gであり、また複写
テストにおいては、初期の画像は安定していたが、1万
枚ぐらいから画像のカブリが見られた。
【0047】
【化8】
【0048】
【発明の効果】本発明により、毒性の高い金属を含ま
ず、無色で、樹脂との相溶性が良好で樹脂中に均一に分
散し、負帯電付与性、帯電量立ち上がり性、経時安定
性、環境安定性(温度、湿度等)に優れた化合物を負帯
電付与性の電荷調整剤として含有する電子写真用トナー
を得ることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは置換されていてもよいアルキル基または置
    換されていてもよいアリール基を示す。〕で表されるフ
    タルイミド化合物またはその塩の少なくとも一種を、負
    帯電付与性の電荷調整剤として含有することを特徴とす
    る電子写真用トナー。
JP5203869A 1993-08-18 1993-08-18 フタルイミド化合物を含有する電子写真用トナー Pending JPH0756393A (ja)

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