JPH0756392A - N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー - Google Patents

N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー

Info

Publication number
JPH0756392A
JPH0756392A JP5203868A JP20386893A JPH0756392A JP H0756392 A JPH0756392 A JP H0756392A JP 5203868 A JP5203868 A JP 5203868A JP 20386893 A JP20386893 A JP 20386893A JP H0756392 A JPH0756392 A JP H0756392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
acid
optionally substituted
phenylglycine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5203868A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Yoshihiro Irisato
義広 入里
Hidetake Yoshitomi
英武 吉富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP5203868A priority Critical patent/JPH0756392A/ja
Publication of JPH0756392A publication Critical patent/JPH0756392A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アミド基をもつN−フェニルグリシン誘導
体を含有する電子写真用トナー。 【効果】 毒性の高い金属を含まず、無色で、樹脂と
の相溶性が良好で樹脂中に均一に分散し、負帯電付与
性、帯電量立ち上がり性、経時安定性、環境安定性(温
度、湿度)に優れた化合物を負帯電付与性の電荷調整剤
として含有する電子写真用トナーを得ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真または静電記録
などの静電潜像を現像するときに用いるトナーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
電子写真法は、光導電性物質を含有する感光体上に電気
的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像
し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した
後、加熱あるいは加圧などにより定着し、被写物を得る
ものである。
【0003】これらの現像法に用いられる現像粉は、通
常、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂中に着色剤等を分散
させた後、固化、粉砕して得られる微粉末であるが、特
公昭44−6398号公報等に記載されているような、
例えばステアリン酸リチウムやステアリン酸鉛のような
第三物質を添加した電子写真用現像剤混合物も知られて
いる。また更に帯電性を向上させるために、帯電性を付
与する染料または顔料等の電荷調整剤の添加が行われて
いる。
【0004】現在、公知である負帯電付与性の電荷調整
剤としては、サルチル酸のクロム錯体などの含金属錯体
を挙げることができる。しかし、これらの毒性の高い重
金属を含むものは、環境汚染を引き起こす可能性があ
り、環境保全の面から好ましくない。また、従来の電荷
調整剤のほとんどは有色化合物であるために、カラー電
子写真法に用いることができなかったり、あるいは安定
性に乏しく、機械的摩擦、衝撃、温湿度変化、電気的衝
撃及び光照射等で分解又は変質し、電荷制御性が損なわ
れ易いというような欠点を有する。
【0005】更に、従来の多くの電荷調整剤は熱可塑性
樹脂中に均一に分散溶解することが困難なため、得られ
るトナー粒子の帯電量は粒子間で異なり、帯電の分布が
不均一となり易い。このような電荷調整剤を含有するト
ナーは電気的潜像を忠実に顕像化できず、顕像化手段と
して信頼性を確保できないこととなる。また、現像の初
期段階には良好な現像特性をもたらす電荷調整剤も、寿
命が短く、長期の使用においては現像性能が低下し、記
録画質の低下が見られる。
【0006】このように、従来の電荷調整剤には種々の
問題があり、要求される特性のすべてを満足する、負帯
電付与性の電荷調整剤は未だ見い出されていないのが現
状である。
【0007】本発明の目的は、毒性の高い金属を含ま
ず、無色であり、樹脂との相溶性が良好で樹脂中に均一
に分散し、帯電付与性、帯電量立ち上がり性、経時安定
性、環境安定性(湿度、温度等)に優れた化合物を負帯
電付与性の帯電調整剤として含有する電子写真用トナー
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するべく鋭意検討した結果、アミド基を有するN
−フェニルグリシン誘導体が、前記の諸条件を満足する
優れた負帯電付与性の電荷調整剤であることを見い出
し、本発明を完成した。即ち本発明は、下記一般式
(1)
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R1、R2は同一又は独立に水素原
子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ
基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基、
ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、ニトロ基または
ハロゲン原子を示し、R3は置換されていてもよいアル
キル基または置換されていてもよいアリール基を示
す。〕で表されるN−フェニルグリシン誘導体またはそ
の塩の少なくとも一つを、負帯電付与性の電荷調整剤と
して含有することを特徴とする電子写真用トナーであ
る。
【0011】本発明のトナーに含まれる負帯電付与性の
電荷調整剤の特徴は、N−フェニルグリシンのアミノ基
にアシル基を導入したところにあり、これにより類似し
た公知のカルボン酸類と比べて、帯電性及び樹脂との相
溶性が著しく向上するものである。
【0012】本発明の、一般式(1)の置換基の具体例
を次に示す。R1、R2及びR3の置換されていてもよい
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
ert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−
メチルブチル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−メチルペン
チル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル
基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ドデシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、3,5,5
−トリメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル
基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2
−ヘキシルオキシエチル基、2−オクチルオキシエチル
基、3−クロロプロピル基、3−メトキシプロピル基、
3−エトキシプロピル基、3−ヘキシルオキシプロピル
基、4−クロロブチル基、4−ヒドロキシブチル基、4
−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、エチルカ
ルボニルオキシエチル基、メチルチオエチル基、ジメチ
ルアミノエチル基等の無置換もしくは置換されたアルキ
ル基や、ベンジル基、4−メチルベンジル基、3−メチ
ルベンジル基、2−メチルベンジル基、4−クロロベン
ジル基、2−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル
基、4−ヨードベンジル基、4−フルオロベンジル基、
4−エチルベンジル基、4−プロピルベンジル基、4−
イソプロピルベンジル基、4−ブチルベンジル基、4−
イソブチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル
基、4−ペンチルベンジル基、4−ヘキシルベンジル
基、4−ヘプチルベンジル基、4−オクチルベンジル
基、2,4−ジメチルベンジル基、2−クロロ−4−メ
チルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−エトキ
シベンジル基、4−ブトキシベンジル基、4−ヘキシル
オキシベンジル基、4−オクチルオキシベンジル基、フ
ェネチル基、4−メチルフェネチル基、2−メチルフェ
ネチル基、4−エチルフェネチル基、4−ブチルフェネ
チル基、4−ヘキシルフェネチル基、4−オクチルフェ
ネチル基、4−メトキシフル基、4−ブトキシフェネチ
ル基、4−ヘキシルオキシフェネチル基、フェニルプロ
ピル基、4−メチルフェニルプロピル基、フェニルブチ
ル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の無
置換もしくは置換されたアラルキル基が挙げられ、特に
1〜C14のアルキル基、あるいは無置換もしくは4位
がC1〜C8のアルキル基またはアルコキシ基で置換され
たベンジル基、フェネチル基またはフェニルプロピル基
が望ましい。
【0013】R1、R2及びR3の置換されていてもよい
アリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル
基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4
−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロ
ロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェ
ニル基、2−フルオロフェニル基、4−メチルフェニル
基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニ
ル基、4−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル
基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ペンチルフ
ェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−ヘプチルフェ
ニル基、4−オクチルフェニル基、2,4−ジメチルフ
ェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、4−メ
トキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ブト
キシフェニル基、4−ヘキシルオキシフェニル基、4−
オクチルオキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル
基、2−ヒドロキシフェニル基、4−メチルチオフェニ
ル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−ジブチルア
ミノフェニル基、2,4−ビス−tert−ブチルフェ
ニル基等が挙げられ、特に無置換または4位がC1〜C8
のアルキル基またはアルコキシ基で置換されたものが望
ましい。
【0014】R1及びR2の置換されていてもよいアルコ
キシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、ヒドロキシエトキシ基、メトキシエトキシ基、エト
キシエトキシ基、2−クロロエトキシ基等が、アルコキ
シアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエ
チル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、ブト
キシメチル基等が、アルコキシアルコキシ基としては、
メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメ
トキシ基、プロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基
等が、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチル
アミノ基、ジヘキシルアミノ基等が、アルキルチオ基と
しては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基
等が、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0015】本発明に用いるN−フェニルグリシン誘導
体の塩としては、金属塩あるいはアンモニウム塩が挙げ
られる。金属塩の金属としては、ナトリウム、カリウム
などのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリ
ウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウムなど
の低毒性の金属が挙げられる。また、アンモニウム塩の
アンモニウム成分としては、アンモニウム、メチルアン
モニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウ
ム、ブチルアンモニウム、ペンチルアンモニウム、ジメ
チルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジブチルア
ンモニウム、メチルエチルアンモニウム、トリメチルア
ンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアン
モニウム、メチルエチルブチルアンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ
プロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テ
トラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウ
ム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルブチル
ジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウ
ム、トリエタノールアンモニウム等があり、特に、C2
〜C6のアルキル基またはベンジル基で置換されたアン
モニウムが望ましい。
【0016】本発明に用いるN−フェニルグリシン誘導
体は、対応するN−フェニルグリシン類と対応する酸ハ
ロゲン化物または酸無水物から、次に示すような反応経
路により得ることができる。すなわち、N−フェニルグ
リシン類と酸ハロゲン化物または酸無水物を、ピリジ
ン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどの塩基触媒の存在下、ベンゼン、トルエン、クロ
ロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンなどの不活性溶
媒中で加熱することにより、一般式(1)の化合物を得
ることができ、このN−フェニルグリシン化合物は、公
知の方法により、塩に変えることができる。
【0017】
【化3】 [式中、R1、R2、R3の意味は式(1)に同じであ
り、Xはハロゲン原子、Mは金属またはアンモニウム成
分を示し、、m、nは正の整数である。]
【0018】本発明の電子写真用トナーは、通常、結着
樹脂及び着色剤を含有する。
【0019】本発明において用いられる結着樹脂として
は、従来より知られているものを広く使用することがで
きる。例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン
−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、
ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。
【0020】これらのうち、スチレン樹脂としてはスチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチ
レン、クロロスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン
もしくはスチレン誘導体、又はこれらを主成分として、
α,β−不飽和重合性モノマーを共重合したもの等を例
として挙げることができる。
【0021】また、アクリル樹脂としては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ア
ミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリ
ル酸メチル、、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のα
−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類もしくはそ
の誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド、またはこれらを主成分としてα,β−不
飽和重合性モノマーを共重合したもの等が例として挙げ
られる。
【0022】また、ポリエステル樹脂は、ジカルボン
酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸などの多価カル
ボン酸とジオール、トリオール等の多価アルコールとの
エステル化反応によって得られる。多価アルコール成分
としてはエチレングリコール、グリセリン、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが用
いられ、多価カルボン酸成分としてはフマル酸、マレイ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、オクチルコハク酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸等が挙げられる。
【0023】本発明に用いられる着色剤としては通常用
いられるものでよく、例えば、カーボンブラック、ニグ
ロシン染料、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン、アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロム
イエロー、ウルトラマリンブルー、ローダミン、クロム
イエロー、キノリンイエロー、マラカイトグリーンオキ
ザレート、ランプブラック、アゾオイルブラック、ロー
ズベンガル、メチレンブルークロリド等が挙げられる。
【0024】本発明の負帯電性トナーと混合して現像剤
を形成するキャリアとしては、粒径50〜300μmく
らいの鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、マグネタイト
等強磁性を示す元素を含む化合物あるいは合金が挙げら
れる。
【0025】本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
前述の結着樹脂、着色剤及び一般式(1)で表される電
荷調整剤、また必要により磁性体、オフセット防止剤、
潤滑剤等を加え、溶融し、十分に混合した後、冷却、固
化し、微粉砕する方法であってもよく、また前記混合物
を溶剤中に懸濁し、噴霧乾燥するか、または溶剤を蒸発
して固体残渣を微粉砕する方法であってもよく、また結
着樹脂を構成するモノマーと着色剤と一般式(1)で表
される電荷調整剤、必要により磁性体、オフセット防止
剤、潤滑剤等を加えた混合物を重合し、粉砕する方法で
あってもよく、また前記のモノマーを含む混合物を水中
で懸濁重合して粉粒体として得る方法であってもよい。
【0026】トナー中に占める一般式(1)で表される
電荷調整剤の量は、結着樹脂100重量部に対し通常
0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部で
ある。また、トナー中に占める着色剤の量は、結着樹脂
に対し通常0.1〜30重量部である。
【0027】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明する。ただ
し、ここでの「部」はすべて重量部を表す。 実施例1 N−フェニルグリシン15.1部、塩化アセチル10.
3部、ピリジン7.9部をトルエン300部に入れ、1
10℃で6時間反応した。反応後、ピリジン、トルエン
を留去し、3.5%塩酸1000部へ排出し、濾過、水
洗、乾燥して、粗生成物を得た。これを100部のメタ
ノールに懸濁させ、2時間撹拌後、濾過、メタノール洗
浄、乾燥して、次式(2)の化合物21.1部(収率9
7%)を得た。
【0028】
【化4】
【0029】次に、スチレン−アクリル酸共重合樹脂1
00部に上記化合物5部、カーボンブラック(三菱化成
工業(株)製MA−100)5部、オフセット防止剤
(三洋化成工業(株)製ビスコース330P)8部を加
え、ニーダー中で均一に混合した。冷却後、混合物をジ
ェット・ミル(セイシン企業(株)製FS−4型)中で
粉砕して平均粒径10μmの粉末とした。このトナー粉
末10部をキャリア(パウダーテック社製、ゼオライト
FL−150)90部に混合して二成分系現像剤を調製
し、これを用いて帯電量の測定及び複写テストを行っ
た。まず、10分間の振とうにより帯電させ、ブローオ
フ粉体帯電測定装置(東芝ケミカル(株)製TB−20
0型)にて、キャリアとの摩擦による帯電量を測定し
た。帯電量は−27.6μc/gであった。
【0030】また、正帯電型セレン系感光体、磁気刷子
現像装置及びブレードクリーナーを備えた複写機を用い
て行った複写テストでは、5万枚複写後でも、帯電量立
ち上がり性や帯電性は初期と同値を示し、更にフィルミ
ングやカブリを生じることなく安定した画像濃度を得る
ことができた。
【0031】実施例2〜40 実施例1と同様の方法によって、種々のN−フェニルグ
リシン誘導体を製造後、同様の方法にてトナー粉末を
得、二成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複
写テストを行った。その化合物の構造、融点、帯電量及
び複写テストの結果を、実施例1も含めて第1表に示
す。表中の置換基の位置は、次式(3)に従い、例え
ば、R1が4位のメチル基である時は、R1の欄に4−C
3と表し、それ以外に置換基のない場合はR2:Hと表
した。また、複写性能の欄の○印は、実施例1と同様
に、複写テストの結果が良好であったことを意味する。
【0032】
【化5】
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】実施例41 実施例1で得られた化合物19.3部、水酸化カリウム
7.0部をメタノール160部に入れ、室温で4時間撹
拌した。この溶液に硫酸亜鉛7水和物14.4部を水1
5部に溶解した溶液を1時間かけて裝入し、さらに4時
間撹拌した。反応後、濾過、メタノール洗浄、乾燥して
次式(4)の化合物21.4部(収率95%)を得た。
【0037】
【化6】
【0038】次に、実施例1と同様の方法にてトナー粉
末を得、二成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及
び複写テストを行った。帯電量は−28.2μc/gで
あり、複写テストにおいては、安定した画像が得られ、
5万枚の複写後も、帯電量の立ち上がり性及び帯電性の
低下、フェルミング、カブリ等は見られなかった。
【0039】実施例42〜62 実施例41と同様の方法にて、種々のN−フェニルグリ
シン誘導体の塩を製造後、同様の方法でトナー粉末を
得、二成分系現像剤を調製し、そのキャリアとの摩擦に
よる帯電量の測定及び複写テストを行った。その化合物
の構造、帯電量、融点及び複写テストの結果を、実施例
41も含めて第2表に示す。尚、第2表中の構造は、下
記の構造式(5)に従って示し、置換基の表し方及び○
印の意味は第1表に同じである。
【0040】
【化7】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】比較例1 実施例1において式(2)のN−フェニルグリシン誘導
体を加えない以外は同様の方法にてトナー粉末を得、二
成分系現像剤を調製し、その帯電量の測定及び複写テス
トを行った。帯電量は−4.2μc/gであり、また、
複写テストにおいては、帯電性のバラつきが見られ、安
定した画像が得られなかった。
【0044】比較例2 実施例1において式(2)のN−フェニルグリシン誘導
体の代わりに次に示す化合物(6)を用いた以外は同様
の方法でトナー粉末を製造し、帯電量の測定及び複写テ
ストを行った。帯電量は−6.3μc/gであり、また
複写テストにおいては、初期の画像は安定していたが、
1万枚ぐらいから画像のカブリが見られた。
【0045】
【化8】
【0046】
【発明の効果】本発明により、無色で、樹脂との相溶性
が良好で樹脂中に均一に分散し、負帯電付与性、帯電量
立ち上がり性、経時安定性、環境安定性(温度、湿度
等)に優れた化合物を負帯電付与性の電荷調整剤として
含有する電子写真用トナーを得ることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1、R2は同一又は独立に水素原子、置換され
    ていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリー
    ル基、置換されていてもよいアルコキシ基、アルコキシ
    アルキル基、アルコキシアルコキシ基、ジアルキルアミ
    ノ基、アルキルチオ基、ニトロ基またはハロゲン原子を
    示し、R3は置換されていてもよいアルキル基または置
    換されていてもよいアリール基を示す。〕で表されるN
    −フェニルグリシン誘導体またはその塩の少なくとも一
    種を、負帯電付与性の電荷調整剤として含有することを
    特徴とする電子写真用トナー。
JP5203868A 1993-08-18 1993-08-18 N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー Pending JPH0756392A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5203868A JPH0756392A (ja) 1993-08-18 1993-08-18 N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5203868A JPH0756392A (ja) 1993-08-18 1993-08-18 N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0756392A true JPH0756392A (ja) 1995-03-03

Family

ID=16481042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5203868A Pending JPH0756392A (ja) 1993-08-18 1993-08-18 N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0756392A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001060818A1 (en) * 2000-02-14 2001-08-23 Tularik Inc. Lxr modulators
US6906069B1 (en) 1999-01-08 2005-06-14 Amgen Inc. LXR modulators
US7112606B2 (en) 2002-01-30 2006-09-26 Amgen Inc. Heterocyclic arylsulfonamidobenzylic compounds

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6906069B1 (en) 1999-01-08 2005-06-14 Amgen Inc. LXR modulators
WO2001060818A1 (en) * 2000-02-14 2001-08-23 Tularik Inc. Lxr modulators
US7112606B2 (en) 2002-01-30 2006-09-26 Amgen Inc. Heterocyclic arylsulfonamidobenzylic compounds
US7473703B2 (en) 2002-01-30 2009-01-06 Amgen Inc. Heterocyclic arylsulfonamidobenzylic compounds

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4933250A (en) Magenta color toner for developing latent electrostatic images in color electrophotography
JPH0475263B2 (ja)
JPH06250441A (ja) 電子写真用トナー
JP3809654B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2879120B2 (ja) 粒状トナー材料
JP3313871B2 (ja) 静電荷像現像用トナ−
JPH07325431A (ja) ピロメリット酸誘導体を含有する電子写真用トナー
JP2930263B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH0756392A (ja) N−フェニルグリシン誘導体を含有する電子写真用トナー
JP3154603B2 (ja) ピロメリット酸誘導体を含有する電子写真用トナー
JP3154593B2 (ja) トリメリット酸誘導体を含有する電子写真用トナー
JP3560093B2 (ja) 電子写真用トナー及び現像剤
JPH0756393A (ja) フタルイミド化合物を含有する電子写真用トナー
JPH04107569A (ja) 電子写真用トナー
JP2907564B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2801755B2 (ja) 正帯電性電子写真用トナー
JP2764606B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3720092B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH08234495A (ja) 静電写真用乾式粒状トナー組成物
JP2814510B2 (ja) 静電荷現像用トナー
JPH0749589A (ja) ビスイミド化合物を含有する電子写真用トナー
JPH0218568A (ja) 電子写真用トナー
JP2004157301A (ja) 正電荷制御剤およびこれを用いた電子写真用トナー
JPS63206768A (ja) 静電荷像用現像剤組成物
JPH07109526B2 (ja) 電子写真用トナ−