JP3560093B2 - 電子写真用トナー及び現像剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電記録等に於て静電潜像を現像するために用いられるトナー及び電子写真用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電気を利用した静電記録、静電写真等の画像形成プロセスは、フタロシアニンその他の有機顔料、セレン、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の光導電性物質をアルミ、紙等の基材上に塗布することにより得られた感光体上に光信号により静電潜像を形成する過程と、トナーと称される5−50μに調整された着色微粒子をキャリヤー(鉄粉、フェライト粉等)により接触帯電させ(二成分系現像法)、また、一成分系現像法ではトナーを直接帯電させた後静電潜像に作用せしめ顕像化させる過程から構成されている。尚、トナーは感光体上に形成される静電潜像の極性に対応した電荷、すなわち正、負のいずれかの電荷が付与される必要がある。
【0003】
一般にトナーと称される着色微粒子はバインダー樹脂と着色材とを必須成分としその他必要に応じ磁性粉等から構成されている。トナーに電荷を付与する方法としては荷電制御剤を用いることなくバインダー樹脂そのものの帯電特性を利用することもできるがそれでは帯電の経時安定性、耐湿性が劣り良好な画質を得ることが出来ない。従って通常トナーの電荷保持、荷電制御の目的で荷電制御剤が加えられる。
【0004】
トナーに要求される品質特性としては帯電性、流動性、定着性等に優れていることが挙げられるが、これらの品質特性はトナーに用いられる荷電制御剤によって大きく影響される。
【0005】
従来トナーに添加される荷電制御剤としては、1)有色の負電荷制御剤としての2:1型含金属錯塩染料(例、特公昭45−26478、特公昭41−20153)フタロシアニン顔料(例、特開昭52−45931)また、無色の負電荷制御剤の例として芳香族ダイカルボン酸の金属錯体(例、特公昭59−7384)や、サリチル酸の金属錯体(例、特開昭57ー104940)または特開昭61ー3149等に記載された荷電制御剤等が、また、2)正荷電制御剤としてはニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、各種4級アンモニウム塩(静電気学会誌1980第4巻第3号P−144)、ジブチル錫オキサイド等の有機スズ化合物(例、特公昭57−29704)等が知られているが、これらを荷電制御剤として含有したトナーは、帯電性、経時安定性等トナーに要求される品質特性を充分に満足させるものではない。
【0006】
例えば負荷電制御剤として知られる2:1含金属錯塩染料を含有したトナーは帯電量の高さについては一応の水準を有するものの、2:1型含金属錯塩染料は概してバインダー樹脂に対する分散性が劣るという欠点がある。そのためバインダー樹脂中に均一に分布せず、得られたトナーの帯電量分布も極めてシャープさに欠けるものであり得られる画像は階調が低く画像形成能に劣るものである。更に、2:1型含金属錯塩染料は黒を中心とした限定された色相のトナーにしか使用できないという欠点があり、カラートナーとしての使用には、着色剤の鮮明さを損なってしまう。さらに、環境に対する安全性の面から金属を含有しているという欠点をもっている。
【0007】
無色に近い負荷電制御剤の例として芳香族ダイカルボン酸の金属錯体が挙げられるが(特公昭59−7384)このものは完全な無色とは成りえないという欠点やその分散性に難点がある。また、無色の負荷電制御剤で比較的良好な帯電性能を持つものとしてサリチル酸の金属錯体が挙げられるが(特開昭57ー104940)このものは重金属類を含有しており、環境に対する安全性が疑問である。無色で重金属を含まない負荷電制御剤として特開昭61ー3149及び特開昭63ー38958に紹介された化合物や特開昭2ー201378に紹介された化合物が知られているが、このものは帯電の立ち上がり速度が遅く、帯電量が不足するという欠点があり含金錯塩に比べ帯電特性は不十分である。
【0008】
また、正帯電制御剤として知られるニグロシン系染料や、トリフェニルメタン系染料は、それ自体着色しているため、黒を中心とした限定された色相のトナーにしか使用できず、また、トナーの連続複写に対する経時安定性が良好でないという欠点がある。また、従来の4級アンモニウム塩は、トナー化した場合耐湿性が不十分であることに起因する経時安定性に劣り、繰り返し使用で良質な画像を与えないという欠点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
無色で負に帯電する荷電制御剤を使用し、良好な帯電立ち上がり特性、高い帯電量、帯電の経時安定性及び環境安定性にすぐれ、トナー製出時に安定した性質を示し、重金属類を含まない電子写真用トナー及び現像剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意努力した結果、下記式(1)のような構造を有する化合物を少なくとも1種トナーに含有せしめることにより、トナーの帯電特性が大幅に改善されることを見いだし本発明を完成させた。すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写真用トナー、
【0012】
【化2】
【0013】
[式(1)において、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、アシル基を表す。但し、R1 、R2 、R3 、R4 は同時に水素原子にはならず、少なくとも1つは水素原子である。]
(2)R1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基である(1)に記載の電子写真用トナー、
(3)R2 が置換もしくは未置換のアルキル基または置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基である(2)に記載の電子写真用トナー、
(4)R1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数12−25のアルキル基、炭素数7−20のアラルキル基、炭素数6−20のアリール基である(1)に記載の電子写真用トナー、
(5)R1 が水素原子であり、R2 が置換もしくは未置換のアルキル基または置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換ののアリール基であり、R3 、R4 が水素原子である(1)に記載の電子写真用トナー、
(6)R1 、R3 、R4 が水素原子であり、R2 が炭素数13−25のアルキル基もしくは炭素数7−25のアラルキル基である(1)に記載の電子写真用トナー、
(7)式(1)の化合物をバインダー樹脂に対し、0.1−10%含有する(1)に記載の電子写真用トナー、
(8)(1)ないし(7)の電子写真用トナーを含有する電子写真用現像剤、
に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
式(1)の化合物は荷電制御剤として働くが、このものはバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、これを含有せしめたトナーは比帯電量が高く、その経時安定性も良好であることからトナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与え、無色の負の帯電性能をもつため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナーを製出することが出来る。また、このものは重金属を含まないため環境に対する安全性が高い。また、懸濁重合法や乳化重合法でトナーを作成する際には、含金属の荷電制御剤で見られるような重金属による重合禁止作用がないので、安定してトナーを製出することが出来る。
【0015】
式(1)の化合物のR1 、R2 、R3 、R4 に於て置換又は未置換のアルキル基としては、炭素数1〜25のアルキル基が好ましい。未置換のアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、イソペンチル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、等のが挙げられる。また、置換アルキル基として具体的には、例えばブトキシエチル基、パーフロロオクチル基、2−(パーフロロヘキシル)エチル基、2−(2−(パーフロロオクチル)エトキシカルボニル)プロピル基、(2−(パーフロロヘキシル)エトキシカルボニル)エチル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2ー(パーフロロー7ーメチルオクチル)エチル基、2−(1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルオキシカルボニル)エチル基、4−(N−フタロイル)ブチル基、2−(N−フタロイル)エチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、トリメチルシリルオキシカルボニルメチル基、t−ブチルオキシカルボニルメチル基、ベンゾイルメチル基、2−メチルヘキサデシル基、2ーエチルヘキシル基、12−ヒドロキシドデシル基等が挙げられる。
【0016】
置換又は未置換のアラルキル基としては、炭素数7〜25のアラルキル基が好ましい。未置換のアラルキル基の具体例としては、例えばフェネチル基、フルオレニル基、ベンジル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基が挙げられ、置換アラルキル基の具体例としては、例えば2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−オクタデシルベンジル基等が挙げられる。置換又は未置換のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。未置換のアリール基の具体例としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ベンズイミダゾイル基等が挙げられ、置換アリール基の具体例としては、例えば4−オクタデシルフェニル基、4−クロロフェニル基等が挙げられる。未置換のアルケニル基としては、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、置換アルケニル基としては、シンナミル基等が挙げられる。アシル基としては、パルミトイル基、ステアロイル基、リノレオイル基等が挙げられる。
【0017】
式(1)においてR1 、R2 、R3 、R4 の好ましい組み合わせとしては、例えばR1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 のうち少なくとも1つが炭素数12−25のアルキル基、炭素数7−20のアラルキル基、炭素数6−20のアリール基であり、残りは水素原子である。又、より好ましい組み合わせとしては、R1 、R3 、R4 が水素原子であり、R2 が炭素数13−25のアルキル基もしくは炭素数7−25のアラルキル基である。
【0018】
本発明で荷電制御剤としてトナーに含有せしめられる式(1)の化合物の具体例としては、例えば5−オクタデシルバルビツール酸、5−ヘプタデシルバルビツール酸、5−ヘキサデシルバルビツール酸、5−ドデシルバルビツール酸、5−エイコシルバルビツール酸、5−ドコシルバルビツール酸、5−オクチルバルビツール酸、5−テトラデシルバルビツール酸、5−フェニルプロピルバルビツール酸、5−フェネチルバルビツール酸、5−パーフロロオクチルバルビツール酸、5−(2−(パーフロロヘキシル)エチル)バルビツール酸、5−シンナミルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−ヘキサデシルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−ベンジルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−シンナミルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−テトラデシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−テトラデシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−ベンジルバルビツール酸、1−メチル−5−オクタデシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−オクタデシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−ベンジルバルビツール酸、5−(4−(N−フタロイル)ブチル)バルビツール酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
前記式(1)の化合物を含有するトナーを製造する方法としては、式(1)の化合物、着色剤及びバインダー樹脂等からなる混合物を加熱ニーダー、二本ロール等の加熱混合処理可能な装置によりバインダー樹脂の溶融下で混練し、次いで冷却固化したものを、粗粉砕工程を経て、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により3〜20μ粒径に粉砕後、気流式分級機等で分級することによって得る方法、着色剤とバインダー樹脂と式(1)の化合物を溶媒(例 アセトン、酢酸エチル、メタノール等)に溶解もしくは分散し、かくはん処理後、水中に投じて再沈澱もしくはそのまま濾過、乾燥後、ボールミル等の粉砕機により3ー20μ粒径に粉砕もしくは解砕することによって得る方法、式(1)の化合物と、着色剤およびバインダー樹脂の単量体とを水中に均一に懸濁させ撹はん下において単量体を微粒子状で重合させて沈澱を生成させ、沈澱物を濾過、水洗、乾燥して微粒子状粉末とし、これを分級して3ー20μの粒径の目的物を得る方法があり、またバインダー等の圧力定着用低融点樹脂、着色成分、磁性体等を含む軟質粒子状芯材(芯粒子)を、保護機能および荷電制御機能を有する硬い外殻で覆った形態を有するマイクロカプセルトナーの外殻材料として使用することも出来る。さらに、荷電制御剤を含まない着色微粒子を上記方法により調製し、次いで式(1)の化合物を単独もしくはコロイダルシリカ等の外添剤と供にメカノケミカル的な方法等により粒子表面に固着添加することも出来る。
【0020】
これらの場合通常バインダー樹脂成分は99〜65%より好ましくは98.5〜83%、着色剤は0.5〜20%より好ましくは5〜15%、荷電制御剤は0.1〜10%より好ましくは0.5〜3%の割合(いずれも重量比)で使用される。その他必要に応じ、低分子量ポリプロピレン等のオフセット防止剤を数%添加しても使用される。
【0021】
本発明の電子写真用トナーに用いうる着色剤の例としては、カーボンブラック、群青、鉄黒、活性炭、酸化銅、二酸化マンガン、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、ベンガラ、カドミウムレッド、マンガン紫、酸化チタン、硫化亜鉛、クロムグリーン、酸化クロム、アンチモン白等の無機顔料、CI.ピグメントイエロー1、CI.ピグメントレッド9、CI.ピグメントブルー15、アニリンブラック、ナフトールエローS、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、アンスラピリミジンエロー、ハンザエローG、パーマネントエローNCG、ピラゾロンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジGK、ピラゾロンレッド、ブリリアントカーミン6B、ローダミンレーキB、キナクリドン、アリザリンレーキ、チオインジゴレッド、チオインジゴマルーン、ブリリアントカーミン3B、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、アニリンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の有機顔料、CI.ソルベントイエロー93、CI.ソルベンヨレッド146、CI.ソルベントブルー35、CI.ジスパーズイエロー42、CI.ジスパーズレッド59、CI.ジスパーズブルー81、CI.ソルベントレッド49、CI.ソルベントレッド52、CI.ソルベントレッド109、CI.ベイシックレッド12、CI.ベイシックレッド1、CI.ダイレクトレッド1、CI.アシッドレッド1、CI.ベーシックレッド1、CI.ダイレクトレッド4、CI.モーダントレッド30、CI.ダイレクトブルー2、CI.アシッドブルー9、CI.ベーシックブルー3、CI.ベーシックブルー5、CI.アシッドブルー15、CI.モーダントブルー7、CI.(CIはカラーインデックスの略、以下同様)等の油溶性染料等従来公知の着色剤を挙げることが出来る。
【0022】
また、バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーメタクリル酸共重合体、スチレンーメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシアクリレート樹脂、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が単独または、混合して使用することが出来る。
【0023】
また、バインダー樹脂の単量体は上記樹脂の単量体が使用され、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル芳香族炭化水素単量体、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ー2ーエチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ー2ーエチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル等のアクリル系化合物の単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の二重結合を有するモノカルボン酸類、マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類、エチレン、プロピレン、ブチレン、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、等のビニル単量体、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレングリコール、1、4ーブタンジオール、1、6ーヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオール化合物、p−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1、4ーテトラメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類、エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、1、4ージアミノベンゼン、1、4ージアミノブタン、モノエタノールアミン等のアミン類、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が単独または混合して使用することが出来る。
【0024】
更に本発明の電子写真用トナーには微粒子の酸化珪素(コロイダルシリカ)や酸化アルミ、酸化チタンのごとき流動剤、鉱物油のごとき被り防止剤、磁性一成分系用としての各種磁性体もしくは鉄粉、酸化亜鉛のごとき導電性付与剤等を必要に応じ加えてもよい。
【0025】
本発明で得られたトナーは、非磁性1成分もしくは磁性1成分等の1成分系ではトナーそのものを現像剤として、帯電ブレードもしくは帯電ローラにより帯電させて、又2成分系では例えば125ー200メッシュ程度のキャリヤー(鉄粉、フェライト粉、また、フェライト粉上にシリコーン樹脂やアクリル樹脂、フッ素樹脂等をコートしたコートキャリア)と例えば3−8:97−92(トナー:キャリヤー)というような重量比で混合し、現像剤となし、帯電させることにより電子写真に於ける現像工程に使用されるものである。
【0026】
【実施例】
以下実施例、合成例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例、合成例に限定されるものではない。実施例、合成例中、部は特に限定しない限り重量部を表す。又、実施例中の粒径の範囲及び中位粒径はコールター社製の粒度分布測定器により測定した値である。
【0027】
合成例1 オクタデシルバルビツール酸の合成
260部の乾燥エタノールにナトリウムエトキシド20.4部を溶解し、この溶液にマロン酸ジエチル48部を加え、70−75℃まで加熱し、この溶液にオクタデシルブロマイド100部を約1時間かけて滴下する。滴下し終わってから更に1時間還流して冷却し、析出した臭化ナトリウムを減圧濾過して、オクタデシルジエチルマロネートのエタノール溶液を得る。
エタノール151部にナトリウムエトキシド20.4部、尿素18部を加えて溶解し、これに上記で得られたオクタデシルジエチルマロネートのエタノール溶液を加え8時間加熱還流する。生成した白色沈澱を氷水2800部に滴下し、氷で冷却しながら希塩酸にてPH2まで中和し、濾過、水洗を行う。得られたケーキをエタノールに懸濁し、濾過、水洗、乾燥して5ーオクタデシルバルビツール酸60部を得る。
【0028】
尚、その他の化合物例についても上記合成例1と同様にマロン酸誘導体を合成し、それに対応する尿素誘導体を反応させることにより、合成できる。
【0029】
実施例1
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黒色トナーを得た。
得られたトナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Aを得た。
【0030】
実施例2
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黒色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで混合(外添)した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Bを得た。この現像剤Bを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、鮮明な黒色の画像が得られた。
【0031】
実施例3
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黒色トナーを得た。
得られたトナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Cを得た。
【0032】
実施例4
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用青色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Dを得た。この現像剤Dを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、着色剤本来の色相を阻害することのない鮮明な青色の画像が得られた。
【0033】
実施例5
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黄色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Eを得た。更にこの現像剤Eを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、着色剤本来の色相を阻害することのない鮮明な黄色の画像が得られた。
【0034】
実施例6
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用赤色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Fを得た。この現像剤Fを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、着色剤本来の色相を阻害することのない鮮明な赤色の画像が得られた。
【0035】
この現像剤A〜Fを用いて帯電安定性試験(帯電量通常経時安定性試験、帯電量耐湿経時安定性試験)を実施し、又減衰率を求め、結果を表1〜3に示した。尚、減衰率は下記式により算出した。
減衰率=(N−M)/N×100(%)
ここで、Nは帯電量通常経時安定性試験開始1分後の帯電量(通常初期帯電量)のことを、Mは帯電量耐湿経時安定性試験開始1分後の帯電量(耐湿試験後の初期帯電量)のことを言う。又、帯電安定性試験は次の方法によった。
【0036】
帯電量通常経時安定性試験:大気中で現像剤(トナーとキャリヤーとの混合物)をポリ容器中に計量し、30rpmのボールミルにて1時間、100rpmのボールミルにて残り1時間接触帯電させ、その際の時間毎にサンプリングを行い、トナーの帯電量をブローオフ法により測定する。
帯電量耐湿経時安定性試験:上記帯電量経時安定性試験と同様にポリ容器中に現像剤(トナーとキャリア)を計量し、容器をオープンにして35℃,85%RHの条件下に20時間放置し、容器の蓋をして上記試験と同様に時間毎にサンプリングを行い、トナーの帯電量をブローオフ法により測定する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
表3
現像剤 A B C D E F
減衰率(%) −5.3 −7.7 15.7 8.8 7.7 17.5
【0040】
以上の表1〜3の結果から明らかなように、現像剤A〜Fは耐湿条件下でも通常と同様に充分な帯電が得られ、経時的に急激な帯電の変化も少なく、帯電安定性が極めて優れていた。
【0041】
【発明の効果】
本発明で得られた電子写真用トナーは従来の荷電制御剤を用いたトナーに比べてシャープな帯電量分布と良好な帯電の耐湿安定性及び良好な帯電の経時安定性を有し、高い帯電量を有している。その結果、カブリの無い極めて階調性の高い画像が得られ、且つ反復画像形成能が極めて良好であることが特徴である。また、荷電制御剤自体が本質的に無色であり、バインダー樹脂に対する分散性が非常によいことから、カラートナーに要求される色相に合わせて任意の着色剤を選定することが可能であり、且つ染料、顔料が有する本来の色相を何ら阻害することが無いことも特徴である。さらに金属を含まないタイプの荷電制御剤を使用しているため環境に対する安全性が高いことも特徴である。
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電記録等に於て静電潜像を現像するために用いられるトナー及び電子写真用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電気を利用した静電記録、静電写真等の画像形成プロセスは、フタロシアニンその他の有機顔料、セレン、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の光導電性物質をアルミ、紙等の基材上に塗布することにより得られた感光体上に光信号により静電潜像を形成する過程と、トナーと称される5−50μに調整された着色微粒子をキャリヤー(鉄粉、フェライト粉等)により接触帯電させ(二成分系現像法)、また、一成分系現像法ではトナーを直接帯電させた後静電潜像に作用せしめ顕像化させる過程から構成されている。尚、トナーは感光体上に形成される静電潜像の極性に対応した電荷、すなわち正、負のいずれかの電荷が付与される必要がある。
【0003】
一般にトナーと称される着色微粒子はバインダー樹脂と着色材とを必須成分としその他必要に応じ磁性粉等から構成されている。トナーに電荷を付与する方法としては荷電制御剤を用いることなくバインダー樹脂そのものの帯電特性を利用することもできるがそれでは帯電の経時安定性、耐湿性が劣り良好な画質を得ることが出来ない。従って通常トナーの電荷保持、荷電制御の目的で荷電制御剤が加えられる。
【0004】
トナーに要求される品質特性としては帯電性、流動性、定着性等に優れていることが挙げられるが、これらの品質特性はトナーに用いられる荷電制御剤によって大きく影響される。
【0005】
従来トナーに添加される荷電制御剤としては、1)有色の負電荷制御剤としての2:1型含金属錯塩染料(例、特公昭45−26478、特公昭41−20153)フタロシアニン顔料(例、特開昭52−45931)また、無色の負電荷制御剤の例として芳香族ダイカルボン酸の金属錯体(例、特公昭59−7384)や、サリチル酸の金属錯体(例、特開昭57ー104940)または特開昭61ー3149等に記載された荷電制御剤等が、また、2)正荷電制御剤としてはニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、各種4級アンモニウム塩(静電気学会誌1980第4巻第3号P−144)、ジブチル錫オキサイド等の有機スズ化合物(例、特公昭57−29704)等が知られているが、これらを荷電制御剤として含有したトナーは、帯電性、経時安定性等トナーに要求される品質特性を充分に満足させるものではない。
【0006】
例えば負荷電制御剤として知られる2:1含金属錯塩染料を含有したトナーは帯電量の高さについては一応の水準を有するものの、2:1型含金属錯塩染料は概してバインダー樹脂に対する分散性が劣るという欠点がある。そのためバインダー樹脂中に均一に分布せず、得られたトナーの帯電量分布も極めてシャープさに欠けるものであり得られる画像は階調が低く画像形成能に劣るものである。更に、2:1型含金属錯塩染料は黒を中心とした限定された色相のトナーにしか使用できないという欠点があり、カラートナーとしての使用には、着色剤の鮮明さを損なってしまう。さらに、環境に対する安全性の面から金属を含有しているという欠点をもっている。
【0007】
無色に近い負荷電制御剤の例として芳香族ダイカルボン酸の金属錯体が挙げられるが(特公昭59−7384)このものは完全な無色とは成りえないという欠点やその分散性に難点がある。また、無色の負荷電制御剤で比較的良好な帯電性能を持つものとしてサリチル酸の金属錯体が挙げられるが(特開昭57ー104940)このものは重金属類を含有しており、環境に対する安全性が疑問である。無色で重金属を含まない負荷電制御剤として特開昭61ー3149及び特開昭63ー38958に紹介された化合物や特開昭2ー201378に紹介された化合物が知られているが、このものは帯電の立ち上がり速度が遅く、帯電量が不足するという欠点があり含金錯塩に比べ帯電特性は不十分である。
【0008】
また、正帯電制御剤として知られるニグロシン系染料や、トリフェニルメタン系染料は、それ自体着色しているため、黒を中心とした限定された色相のトナーにしか使用できず、また、トナーの連続複写に対する経時安定性が良好でないという欠点がある。また、従来の4級アンモニウム塩は、トナー化した場合耐湿性が不十分であることに起因する経時安定性に劣り、繰り返し使用で良質な画像を与えないという欠点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
無色で負に帯電する荷電制御剤を使用し、良好な帯電立ち上がり特性、高い帯電量、帯電の経時安定性及び環境安定性にすぐれ、トナー製出時に安定した性質を示し、重金属類を含まない電子写真用トナー及び現像剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意努力した結果、下記式(1)のような構造を有する化合物を少なくとも1種トナーに含有せしめることにより、トナーの帯電特性が大幅に改善されることを見いだし本発明を完成させた。すなわち本発明は、
(1)下記式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写真用トナー、
【0012】
【化2】
【0013】
[式(1)において、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、アシル基を表す。但し、R1 、R2 、R3 、R4 は同時に水素原子にはならず、少なくとも1つは水素原子である。]
(2)R1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基である(1)に記載の電子写真用トナー、
(3)R2 が置換もしくは未置換のアルキル基または置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基である(2)に記載の電子写真用トナー、
(4)R1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数12−25のアルキル基、炭素数7−20のアラルキル基、炭素数6−20のアリール基である(1)に記載の電子写真用トナー、
(5)R1 が水素原子であり、R2 が置換もしくは未置換のアルキル基または置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換ののアリール基であり、R3 、R4 が水素原子である(1)に記載の電子写真用トナー、
(6)R1 、R3 、R4 が水素原子であり、R2 が炭素数13−25のアルキル基もしくは炭素数7−25のアラルキル基である(1)に記載の電子写真用トナー、
(7)式(1)の化合物をバインダー樹脂に対し、0.1−10%含有する(1)に記載の電子写真用トナー、
(8)(1)ないし(7)の電子写真用トナーを含有する電子写真用現像剤、
に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
式(1)の化合物は荷電制御剤として働くが、このものはバインダー樹脂に対する相溶性が良好であり、これを含有せしめたトナーは比帯電量が高く、その経時安定性も良好であることからトナーを長時間保存しても静電記録の画像形成において安定して鮮明な画像を与え、無色の負の帯電性能をもつため、黒色の負帯電トナーおよびカラートナーを製出することが出来る。また、このものは重金属を含まないため環境に対する安全性が高い。また、懸濁重合法や乳化重合法でトナーを作成する際には、含金属の荷電制御剤で見られるような重金属による重合禁止作用がないので、安定してトナーを製出することが出来る。
【0015】
式(1)の化合物のR1 、R2 、R3 、R4 に於て置換又は未置換のアルキル基としては、炭素数1〜25のアルキル基が好ましい。未置換のアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、イソペンチル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、等のが挙げられる。また、置換アルキル基として具体的には、例えばブトキシエチル基、パーフロロオクチル基、2−(パーフロロヘキシル)エチル基、2−(2−(パーフロロオクチル)エトキシカルボニル)プロピル基、(2−(パーフロロヘキシル)エトキシカルボニル)エチル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2ー(パーフロロー7ーメチルオクチル)エチル基、2−(1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルオキシカルボニル)エチル基、4−(N−フタロイル)ブチル基、2−(N−フタロイル)エチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、トリメチルシリルオキシカルボニルメチル基、t−ブチルオキシカルボニルメチル基、ベンゾイルメチル基、2−メチルヘキサデシル基、2ーエチルヘキシル基、12−ヒドロキシドデシル基等が挙げられる。
【0016】
置換又は未置換のアラルキル基としては、炭素数7〜25のアラルキル基が好ましい。未置換のアラルキル基の具体例としては、例えばフェネチル基、フルオレニル基、ベンジル基、フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基が挙げられ、置換アラルキル基の具体例としては、例えば2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−オクタデシルベンジル基等が挙げられる。置換又は未置換のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。未置換のアリール基の具体例としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ベンズイミダゾイル基等が挙げられ、置換アリール基の具体例としては、例えば4−オクタデシルフェニル基、4−クロロフェニル基等が挙げられる。未置換のアルケニル基としては、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、置換アルケニル基としては、シンナミル基等が挙げられる。アシル基としては、パルミトイル基、ステアロイル基、リノレオイル基等が挙げられる。
【0017】
式(1)においてR1 、R2 、R3 、R4 の好ましい組み合わせとしては、例えばR1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 のうち少なくとも1つが炭素数12−25のアルキル基、炭素数7−20のアラルキル基、炭素数6−20のアリール基であり、残りは水素原子である。又、より好ましい組み合わせとしては、R1 、R3 、R4 が水素原子であり、R2 が炭素数13−25のアルキル基もしくは炭素数7−25のアラルキル基である。
【0018】
本発明で荷電制御剤としてトナーに含有せしめられる式(1)の化合物の具体例としては、例えば5−オクタデシルバルビツール酸、5−ヘプタデシルバルビツール酸、5−ヘキサデシルバルビツール酸、5−ドデシルバルビツール酸、5−エイコシルバルビツール酸、5−ドコシルバルビツール酸、5−オクチルバルビツール酸、5−テトラデシルバルビツール酸、5−フェニルプロピルバルビツール酸、5−フェネチルバルビツール酸、5−パーフロロオクチルバルビツール酸、5−(2−(パーフロロヘキシル)エチル)バルビツール酸、5−シンナミルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−ヘキサデシルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−ベンジルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−シンナミルバルビツール酸、1,3−ジフェニル−5−テトラデシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−テトラデシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−ベンジルバルビツール酸、1−メチル−5−オクタデシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−オクタデシルバルビツール酸、1−ベンジル−5−ベンジルバルビツール酸、5−(4−(N−フタロイル)ブチル)バルビツール酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
前記式(1)の化合物を含有するトナーを製造する方法としては、式(1)の化合物、着色剤及びバインダー樹脂等からなる混合物を加熱ニーダー、二本ロール等の加熱混合処理可能な装置によりバインダー樹脂の溶融下で混練し、次いで冷却固化したものを、粗粉砕工程を経て、ジェットミル、ボールミル等の粉砕機により3〜20μ粒径に粉砕後、気流式分級機等で分級することによって得る方法、着色剤とバインダー樹脂と式(1)の化合物を溶媒(例 アセトン、酢酸エチル、メタノール等)に溶解もしくは分散し、かくはん処理後、水中に投じて再沈澱もしくはそのまま濾過、乾燥後、ボールミル等の粉砕機により3ー20μ粒径に粉砕もしくは解砕することによって得る方法、式(1)の化合物と、着色剤およびバインダー樹脂の単量体とを水中に均一に懸濁させ撹はん下において単量体を微粒子状で重合させて沈澱を生成させ、沈澱物を濾過、水洗、乾燥して微粒子状粉末とし、これを分級して3ー20μの粒径の目的物を得る方法があり、またバインダー等の圧力定着用低融点樹脂、着色成分、磁性体等を含む軟質粒子状芯材(芯粒子)を、保護機能および荷電制御機能を有する硬い外殻で覆った形態を有するマイクロカプセルトナーの外殻材料として使用することも出来る。さらに、荷電制御剤を含まない着色微粒子を上記方法により調製し、次いで式(1)の化合物を単独もしくはコロイダルシリカ等の外添剤と供にメカノケミカル的な方法等により粒子表面に固着添加することも出来る。
【0020】
これらの場合通常バインダー樹脂成分は99〜65%より好ましくは98.5〜83%、着色剤は0.5〜20%より好ましくは5〜15%、荷電制御剤は0.1〜10%より好ましくは0.5〜3%の割合(いずれも重量比)で使用される。その他必要に応じ、低分子量ポリプロピレン等のオフセット防止剤を数%添加しても使用される。
【0021】
本発明の電子写真用トナーに用いうる着色剤の例としては、カーボンブラック、群青、鉄黒、活性炭、酸化銅、二酸化マンガン、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、ベンガラ、カドミウムレッド、マンガン紫、酸化チタン、硫化亜鉛、クロムグリーン、酸化クロム、アンチモン白等の無機顔料、CI.ピグメントイエロー1、CI.ピグメントレッド9、CI.ピグメントブルー15、アニリンブラック、ナフトールエローS、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、アンスラピリミジンエロー、ハンザエローG、パーマネントエローNCG、ピラゾロンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジGK、ピラゾロンレッド、ブリリアントカーミン6B、ローダミンレーキB、キナクリドン、アリザリンレーキ、チオインジゴレッド、チオインジゴマルーン、ブリリアントカーミン3B、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、アニリンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の有機顔料、CI.ソルベントイエロー93、CI.ソルベンヨレッド146、CI.ソルベントブルー35、CI.ジスパーズイエロー42、CI.ジスパーズレッド59、CI.ジスパーズブルー81、CI.ソルベントレッド49、CI.ソルベントレッド52、CI.ソルベントレッド109、CI.ベイシックレッド12、CI.ベイシックレッド1、CI.ダイレクトレッド1、CI.アシッドレッド1、CI.ベーシックレッド1、CI.ダイレクトレッド4、CI.モーダントレッド30、CI.ダイレクトブルー2、CI.アシッドブルー9、CI.ベーシックブルー3、CI.ベーシックブルー5、CI.アシッドブルー15、CI.モーダントブルー7、CI.(CIはカラーインデックスの略、以下同様)等の油溶性染料等従来公知の着色剤を挙げることが出来る。
【0022】
また、バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーメタクリル酸共重合体、スチレンーメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシアクリレート樹脂、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が単独または、混合して使用することが出来る。
【0023】
また、バインダー樹脂の単量体は上記樹脂の単量体が使用され、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル芳香族炭化水素単量体、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ー2ーエチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ー2ーエチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル等のアクリル系化合物の単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の二重結合を有するモノカルボン酸類、マレイン酸、マレイン酸メチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、フタル酸、コハク酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類、エチレン、プロピレン、ブチレン、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、等のビニル単量体、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレングリコール、1、4ーブタンジオール、1、6ーヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA等のポリオール化合物、p−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1、4ーテトラメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類、エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、1、4ージアミノベンゼン、1、4ージアミノブタン、モノエタノールアミン等のアミン類、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が単独または混合して使用することが出来る。
【0024】
更に本発明の電子写真用トナーには微粒子の酸化珪素(コロイダルシリカ)や酸化アルミ、酸化チタンのごとき流動剤、鉱物油のごとき被り防止剤、磁性一成分系用としての各種磁性体もしくは鉄粉、酸化亜鉛のごとき導電性付与剤等を必要に応じ加えてもよい。
【0025】
本発明で得られたトナーは、非磁性1成分もしくは磁性1成分等の1成分系ではトナーそのものを現像剤として、帯電ブレードもしくは帯電ローラにより帯電させて、又2成分系では例えば125ー200メッシュ程度のキャリヤー(鉄粉、フェライト粉、また、フェライト粉上にシリコーン樹脂やアクリル樹脂、フッ素樹脂等をコートしたコートキャリア)と例えば3−8:97−92(トナー:キャリヤー)というような重量比で混合し、現像剤となし、帯電させることにより電子写真に於ける現像工程に使用されるものである。
【0026】
【実施例】
以下実施例、合成例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例、合成例に限定されるものではない。実施例、合成例中、部は特に限定しない限り重量部を表す。又、実施例中の粒径の範囲及び中位粒径はコールター社製の粒度分布測定器により測定した値である。
【0027】
合成例1 オクタデシルバルビツール酸の合成
260部の乾燥エタノールにナトリウムエトキシド20.4部を溶解し、この溶液にマロン酸ジエチル48部を加え、70−75℃まで加熱し、この溶液にオクタデシルブロマイド100部を約1時間かけて滴下する。滴下し終わってから更に1時間還流して冷却し、析出した臭化ナトリウムを減圧濾過して、オクタデシルジエチルマロネートのエタノール溶液を得る。
エタノール151部にナトリウムエトキシド20.4部、尿素18部を加えて溶解し、これに上記で得られたオクタデシルジエチルマロネートのエタノール溶液を加え8時間加熱還流する。生成した白色沈澱を氷水2800部に滴下し、氷で冷却しながら希塩酸にてPH2まで中和し、濾過、水洗を行う。得られたケーキをエタノールに懸濁し、濾過、水洗、乾燥して5ーオクタデシルバルビツール酸60部を得る。
【0028】
尚、その他の化合物例についても上記合成例1と同様にマロン酸誘導体を合成し、それに対応する尿素誘導体を反応させることにより、合成できる。
【0029】
実施例1
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黒色トナーを得た。
得られたトナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Aを得た。
【0030】
実施例2
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黒色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで混合(外添)した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Bを得た。この現像剤Bを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、鮮明な黒色の画像が得られた。
【0031】
実施例3
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黒色トナーを得た。
得られたトナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Cを得た。
【0032】
実施例4
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用青色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Dを得た。この現像剤Dを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、着色剤本来の色相を阻害することのない鮮明な青色の画像が得られた。
【0033】
実施例5
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用黄色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Eを得た。更にこの現像剤Eを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、着色剤本来の色相を阻害することのない鮮明な黄色の画像が得られた。
【0034】
実施例6
上記組成の混合物を105〜140℃に調整されたニーダーにて溶融混合処理した後冷却、固化せしめた。次いで、ロートプレックス粗粉砕機により粗粉砕した後、ジェットミル粉砕機にて微粉砕を行い、さらに気流式分級機にて分級し粒径5〜20μ(中位粒径11μ)の本発明の電子写真用赤色トナーを得た。
得られたトナー100部に対しコロイダルシリカ0.3部をヘンシェルミキサーで外添した。得られた外添トナーを約125メッシュのシリコンコートフェライトキャリヤーと3:97(トナー:キャリヤー)の重量比で混合し本発明の電子写真用現像剤Fを得た。この現像剤Fを用いて複写機によりコピーを行ったところ階調性に優れ、着色剤本来の色相を阻害することのない鮮明な赤色の画像が得られた。
【0035】
この現像剤A〜Fを用いて帯電安定性試験(帯電量通常経時安定性試験、帯電量耐湿経時安定性試験)を実施し、又減衰率を求め、結果を表1〜3に示した。尚、減衰率は下記式により算出した。
減衰率=(N−M)/N×100(%)
ここで、Nは帯電量通常経時安定性試験開始1分後の帯電量(通常初期帯電量)のことを、Mは帯電量耐湿経時安定性試験開始1分後の帯電量(耐湿試験後の初期帯電量)のことを言う。又、帯電安定性試験は次の方法によった。
【0036】
帯電量通常経時安定性試験:大気中で現像剤(トナーとキャリヤーとの混合物)をポリ容器中に計量し、30rpmのボールミルにて1時間、100rpmのボールミルにて残り1時間接触帯電させ、その際の時間毎にサンプリングを行い、トナーの帯電量をブローオフ法により測定する。
帯電量耐湿経時安定性試験:上記帯電量経時安定性試験と同様にポリ容器中に現像剤(トナーとキャリア)を計量し、容器をオープンにして35℃,85%RHの条件下に20時間放置し、容器の蓋をして上記試験と同様に時間毎にサンプリングを行い、トナーの帯電量をブローオフ法により測定する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
表3
現像剤 A B C D E F
減衰率(%) −5.3 −7.7 15.7 8.8 7.7 17.5
【0040】
以上の表1〜3の結果から明らかなように、現像剤A〜Fは耐湿条件下でも通常と同様に充分な帯電が得られ、経時的に急激な帯電の変化も少なく、帯電安定性が極めて優れていた。
【0041】
【発明の効果】
本発明で得られた電子写真用トナーは従来の荷電制御剤を用いたトナーに比べてシャープな帯電量分布と良好な帯電の耐湿安定性及び良好な帯電の経時安定性を有し、高い帯電量を有している。その結果、カブリの無い極めて階調性の高い画像が得られ、且つ反復画像形成能が極めて良好であることが特徴である。また、荷電制御剤自体が本質的に無色であり、バインダー樹脂に対する分散性が非常によいことから、カラートナーに要求される色相に合わせて任意の着色剤を選定することが可能であり、且つ染料、顔料が有する本来の色相を何ら阻害することが無いことも特徴である。さらに金属を含まないタイプの荷電制御剤を使用しているため環境に対する安全性が高いことも特徴である。
Claims (8)
- R1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基である請求項1に記載の電子写真用トナー。
- R2 が置換もしくは未置換のアルキル基または置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基である請求項2に記載の電子写真用トナー。
- R1 が水素原子であり、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数12−25のアルキル基、炭素数7−20のアラルキル基、炭素数6−20のアリール基である請求項1に記載の電子写真用トナー。
- R1 が水素原子であり、R2 が置換もしくは未置換のアルキル基または置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換ののアリール基であり、R3 、R4 が水素原子である請求項1に記載の電子写真用トナー。
- R1 、R3 、R4 が水素原子であり、R2 が炭素数13−25のアルキル基もしくは炭素数7−25のアラルキル基である請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 式(1)の化合物をバインダー樹脂に対し、0.1−10%含有する請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 請求項1ないし7のいずれか一項の電子写真用トナーを含有する電子写真用現像剤。
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