JPWO2015020165A1 - 粉体、粉体凝集の抑制方法および染色性の改善方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体、当該樹脂組成物の粉体における粉体凝集を抑制する方法、および当該樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法における染色性の改善方法の提供を課題とする。【解決手段】少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、粉体。【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも樹脂及び染料を含有する樹脂組成物の粉体、当該樹脂組成物の粉体における粉体凝集の抑制方法、および当該樹脂組成物の粉体における染色性の改善方法に関する。
染料を含有する樹脂組成物の粉体は、例えば着色材料として、紫外線硬化型インキ、熱硬化型インキ、インクジェットインキ、グラビアインキ、オフセットインキ等の各種インク、液体トナー、転写式ハロゲン化銀感光材料、感熱転写方式の記録材料、記録ペン、光記録媒体材料、接着剤、粉体塗料、粉体トナー等の様々な分野で用いられている。
これらの粉体が含有する着色剤としては、各種の顔料や染料が挙げられる。しかしながら、着色剤として分散染料若しくは油溶性染料を含有する樹脂組成物の粉体は、他の着色剤とは異なり、例えば輸送時、着色材料としての使用時、長期の保存又は経時変化等により、特に高温下での粉体凝集が特徴的に生じることが知られてきたため、その抑制が極めて重大な課題となっている。
この粉体凝集は、樹脂組成物中において均一に溶融又は分散していた染料が、おそらく熱により不均一化し、樹脂組成物の表面に出てしまうことにより、この表面に出た染料間の物理的又は化学的な相互作用によって生じることが示唆された。このような凝集が生じると、粉体の流動性、分散性、又は帯電性等の諸物性を損なうことに繋がるため、粉体凝集の抑制が強く要求されている。
これらの粉体が含有する着色剤としては、各種の顔料や染料が挙げられる。しかしながら、着色剤として分散染料若しくは油溶性染料を含有する樹脂組成物の粉体は、他の着色剤とは異なり、例えば輸送時、着色材料としての使用時、長期の保存又は経時変化等により、特に高温下での粉体凝集が特徴的に生じることが知られてきたため、その抑制が極めて重大な課題となっている。
この粉体凝集は、樹脂組成物中において均一に溶融又は分散していた染料が、おそらく熱により不均一化し、樹脂組成物の表面に出てしまうことにより、この表面に出た染料間の物理的又は化学的な相互作用によって生じることが示唆された。このような凝集が生じると、粉体の流動性、分散性、又は帯電性等の諸物性を損なうことに繋がるため、粉体凝集の抑制が強く要求されている。
また、これら染料を含有する樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法としては、例えばインクジェットインクを用いたインクジェット方式の染色方法、乾式の粉体トナーや液体トナーを用いた電子写真方式の染色方法等が挙げられる。
上記のような、染料を含有する樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法においては、染色物の白地汚染、濃度ムラ、染めムラ等の染色性において、不良が生じやすいことが知られている。その理由は定かではないが、染料を含有する樹脂組成物の粉体においては、その輸送時や使用時において、高温にさらされたときに、より染色性の不良が生じやすくなるため、高温により粉体に何らかの物性変化が生じ、それが原因であると推測される。
このような染色不良は、顔料を含有する樹脂組成物の粉体では観察されず、染料を含有する粉体に特有な現象であるため、染料を含有する粉体においては、その改善が極めて重要な課題である。
上記のような、染料を含有する樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法においては、染色物の白地汚染、濃度ムラ、染めムラ等の染色性において、不良が生じやすいことが知られている。その理由は定かではないが、染料を含有する樹脂組成物の粉体においては、その輸送時や使用時において、高温にさらされたときに、より染色性の不良が生じやすくなるため、高温により粉体に何らかの物性変化が生じ、それが原因であると推測される。
このような染色不良は、顔料を含有する樹脂組成物の粉体では観察されず、染料を含有する粉体に特有な現象であるため、染料を含有する粉体においては、その改善が極めて重要な課題である。
特許文献1には、水性インクジェット記録用インクの原料として、油溶性染料、分散染料から選ばれる疎水性着色剤と天然樹脂であるロジン化合物から作製される着色剤微粒子分散液が開示されている。
また、電子写真方式で用いる乾式の粉体トナーや液体トナーとしては、例えば、特許文献2〜5に様々な種類のものが開示されている。
電子写真方式を用いる昇華転写染色は、例えば下記の特許文献6〜11に開示されている。
また、電子写真方式で用いる乾式の粉体トナーや液体トナーとしては、例えば、特許文献2〜5に様々な種類のものが開示されている。
電子写真方式を用いる昇華転写染色は、例えば下記の特許文献6〜11に開示されている。
本発明は、少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体、当該樹脂組成物の粉体における粉体凝集を抑制する方法、および当該樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法における染色性の改善方法の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体において、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料とすることにより、上記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の(1)〜(13)に関する。
(1)少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、粉体。
(2)前記少なくとも2種類の染料のうち、前記少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であり、前記少なくとも1種類の別の染料が、分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、上記(1)に記載の粉体。
(3)前記少なくとも2種類の染料のうち、前記少なくとも1種類の染料が、アントラキノン系、キノフタロン系、アゾ系の各化合物から選択される染料であり、
前記少なくとも1種類の別の染料が、アントラキノン系、アゾ系、アゾメチン系、インドフェノール系、インドアニリン系、ピロリン系、キノフタロン系、ナフタルイミド系の各化合物から選択される分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、上記(1)又は(2)に記載の粉体。
(4)前記少なくとも1種類の別の染料が分散染料、塩基性染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の粉体。
(5)粉体凝集の抑制に用いるか、または、染色性の改善方法において着色剤として用いる、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体と、少なくとも荷電制御剤と、ワックスと、外添剤とを含有するトナー。
(7)粉体凝集の抑制に用いるか、または、染色性の改善方法において着色剤として用いる、上記(6)に記載のトナー。
(8)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体における、粉体凝集の抑制方法。
(9)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法における染色性の改善方法。
(10)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体を用いる染色方法。
(11)上記(10)に記載の染色方法により染色された物質。
(12)前記樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法が、電子写真方式によって樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させ、該中間記録媒体に付着させた樹脂組成物の粉体が含有する染料を、被染色物に昇華転写させることにより染色を行う昇華転写染色方法である、上記(9)に記載の染色性の改善方法。
(13)上記(12)に記載の染色性の改善方法において、電子写真方式によって樹脂組成物の粉体を付着させた中間記録媒体。
(2)前記少なくとも2種類の染料のうち、前記少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であり、前記少なくとも1種類の別の染料が、分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、上記(1)に記載の粉体。
(3)前記少なくとも2種類の染料のうち、前記少なくとも1種類の染料が、アントラキノン系、キノフタロン系、アゾ系の各化合物から選択される染料であり、
前記少なくとも1種類の別の染料が、アントラキノン系、アゾ系、アゾメチン系、インドフェノール系、インドアニリン系、ピロリン系、キノフタロン系、ナフタルイミド系の各化合物から選択される分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、上記(1)又は(2)に記載の粉体。
(4)前記少なくとも1種類の別の染料が分散染料、塩基性染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の粉体。
(5)粉体凝集の抑制に用いるか、または、染色性の改善方法において着色剤として用いる、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体と、少なくとも荷電制御剤と、ワックスと、外添剤とを含有するトナー。
(7)粉体凝集の抑制に用いるか、または、染色性の改善方法において着色剤として用いる、上記(6)に記載のトナー。
(8)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体における、粉体凝集の抑制方法。
(9)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法における染色性の改善方法。
(10)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成物の粉体を用いる染色方法。
(11)上記(10)に記載の染色方法により染色された物質。
(12)前記樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法が、電子写真方式によって樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させ、該中間記録媒体に付着させた樹脂組成物の粉体が含有する染料を、被染色物に昇華転写させることにより染色を行う昇華転写染色方法である、上記(9)に記載の染色性の改善方法。
(13)上記(12)に記載の染色性の改善方法において、電子写真方式によって樹脂組成物の粉体を付着させた中間記録媒体。
本発明により、少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体、当該樹脂組成物の粉体における粉体凝集を抑制する方法、当該樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法における染色性の改善方法を提供する。
以下、本発明について詳細に説明する。特に断りがない限り、本明細書においては実施例等も含めて「部」は質量部を、「%」は質量%をそれぞれ意味する。
本発明は、「少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、粉体」に関する。換言すると、少なくとも樹脂及び分散染料若しくは油溶性染料から選択される1種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体における上記の課題を、さらに1種類の染料を加えて少なくとも2種類以上の染料を含有すること、且つ、それら2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料とすることにより、上記の課題を解決するものである。
本発明は、「少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、粉体」に関する。換言すると、少なくとも樹脂及び分散染料若しくは油溶性染料から選択される1種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体における上記の課題を、さらに1種類の染料を加えて少なくとも2種類以上の染料を含有すること、且つ、それら2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料とすることにより、上記の課題を解決するものである。
また、本発明は、「少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体における、粉体凝集の抑制方法であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、粉体凝集の抑制方法」に関する。換言すると、少なくとも樹脂及び分散染料若しくは油溶性染料から選択される1種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体における上記の課題を、さらに1種類の染料を加えて少なくとも2種類以上の染料を含有すること、且つ、それら2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料とすることにより、上記の課題を解決するものである。
更に、本発明は、「少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体における、染色性の改善方法であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、染色性の改善方法」に関する。換言すると、少なくとも樹脂及び分散染料若しくは油溶性染料から選択される1種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体における上記の課題を、さらに1種類以上の染料を加えて少なくとも2種類以上の染料を含有すること、且つ、それら少なくとも2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料とすることにより、上記の課題を解決するものである。
該プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度は、好ましくは0.04g/100ml〜15g/100ml、より好ましくは0.04g/100ml〜10g/100mlである。
また、樹脂組成物の「粉体」とは、粒子状等の各種の形状を有する粉体の全てを含む意味で使用する。
なお、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとは、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートを意味し、本明細書においては「PGMEA」と省略して記載することもある。
また、樹脂組成物の「粉体」とは、粒子状等の各種の形状を有する粉体の全てを含む意味で使用する。
なお、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとは、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテートを意味し、本明細書においては「PGMEA」と省略して記載することもある。
上記樹脂組成物の粉体が2種類の染料を含有するとき、そのうち1種類の染料が、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であれば、残りの1種類の染料は特に制限されない。この残りの1種類の染料は、下記する各種の染料でもよいし、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料でもよい。
上記樹脂組成物の粉体が3種類以上の染料を含有するときは、全ての染料がPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料でもよいし、3種類以上の染料のうち、1種類のみがPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料でもよい。このようなときは、複数の種類の染料のうち、半数以上の染料がPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であるのが好ましく、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料以外の染料は1種類であることがより好ましい。
上記樹脂組成物の粉体が、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料以外の染料を含有するときは、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料と、それ以外の染料の含有量は、前者の総含有量が通常50〜80%、好ましくは60〜80%であり、後者の総含有量が通常20%〜50%、好ましくは20%〜30%である。
上記樹脂組成物の粉体が、2種類以上の染料を含有するときは、少なくともその1種類の染料が昇華性染料であって、そのPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であり、且つ、少なくとも1種類の別の染料として、分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料が、非昇華性の染料であるのが場合により好ましい。このとき、後者の染料としては、後述する式(1)又は式(2)で表される油溶性染料であるのが好ましい。
上記樹脂組成物の粉体が3種類以上の染料を含有するときは、全ての染料がPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料でもよいし、3種類以上の染料のうち、1種類のみがPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料でもよい。このようなときは、複数の種類の染料のうち、半数以上の染料がPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であるのが好ましく、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料以外の染料は1種類であることがより好ましい。
上記樹脂組成物の粉体が、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料以外の染料を含有するときは、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料と、それ以外の染料の含有量は、前者の総含有量が通常50〜80%、好ましくは60〜80%であり、後者の総含有量が通常20%〜50%、好ましくは20%〜30%である。
上記樹脂組成物の粉体が、2種類以上の染料を含有するときは、少なくともその1種類の染料が昇華性染料であって、そのPGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であり、且つ、少なくとも1種類の別の染料として、分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料が、非昇華性の染料であるのが場合により好ましい。このとき、後者の染料としては、後述する式(1)又は式(2)で表される油溶性染料であるのが好ましい。
染料のPGMEAに対する溶解度は、25℃における100mlのPGMEA中に過剰の分散染料若しくは油溶性染料の固体を加え、1時間攪拌した後に、溶解しなかった固体をヌッチェ(ろ過直径70mm)、ろ紙(アドバンテック社製、No5C、70mm)、吸引びん、及びアスピレーター(アズワン社製、ASPIRATOR 型番AS−01、到達真空度0.09MPa(25℃))を用いて減圧ろ別し、濾過残渣の質量を測定することにより決定する
測定は1染料について少なくとも2回行い、得られた数値の有効数字2桁目を四捨五入した値を、その染料の溶解度とする。また2回の測定値に差が生じたときは、2回の測定で得られた数値を下限値と上限値として記載することにする。
当業者であれば、PGMEAに対する溶解度の測定は極めて容易であるが、そのような染料の一例として、イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を挙げると、C.I.ディスパースイエロー54、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー359が、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlを満たす分散染料若しくは油溶性染料として挙げられる。
測定は1染料について少なくとも2回行い、得られた数値の有効数字2桁目を四捨五入した値を、その染料の溶解度とする。また2回の測定値に差が生じたときは、2回の測定で得られた数値を下限値と上限値として記載することにする。
当業者であれば、PGMEAに対する溶解度の測定は極めて容易であるが、そのような染料の一例として、イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を挙げると、C.I.ディスパースイエロー54、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー359が、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlを満たす分散染料若しくは油溶性染料として挙げられる。
上記の樹脂組成物の粉体に含有する2種類の染料のうち、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料以外の染料の種類は特に制限されない。例えば、反応染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩酸性染料又は酸性媒染染料等の水溶性染料;及び、分散染料、塩基性染料、建染染料、溶剤染料等の油溶性染料を含む非水溶性染料;等が挙げられる。これらの中でも分散染料及び塩基性染料、建染染料等の油溶性染料を含む非水溶性染料が好ましく、分散染料及び塩基性染料等の油溶性染料を含む非水溶性染料がより好ましい。
なお、本明細書において「非水溶性染料」とは、水に対して不溶性又は難溶性の染料を意味する。水に対して「難溶性」とは、25℃の水に対する溶解度が通常0.01g/リットル以下、好ましくは0.001g/リットル以下の染料を意味する。
なお、本明細書において「非水溶性染料」とは、水に対して不溶性又は難溶性の染料を意味する。水に対して「難溶性」とは、25℃の水に対する溶解度が通常0.01g/リットル以下、好ましくは0.001g/リットル以下の染料を意味する。
反応染料の具体例としては、例えばC.I.Reactive Yellow 2、3、18、81、84、85、95、99、102等のイエロー染料;C.I.Reactive Orange 5、9、12、13、35、45、99等のオレンジ染料;C.I.Reactive Brown 2、8、9、17、33等のブラウン染料;C.I.Reactive Red 3、3:1、4、13、24、29、31、33、125、151、206、218、226、245等のレッド染料;C.I.Reactive Violet 1、24等のバイオレット染料;C.I.Reactive Blue 2、5、10、13、14、15、15:1、49、63、71、72、75、162、176等のブルー染料;C.I.Reactive Green 5、8、19等のグリーン染料;C.I.Reactive Black 1、8、23、39等のブラック染料;等が挙げられる。
直接染料の具体例としては、例えばC.I.ダイレクトイエロー4、5、11、12、50、86、87、127、130、132、142、147、153等のイエロー染料;C.I.ダイレクトオレンジ15、34、39、102等のオレンジ染料;C.I.ダイレクトブラウン195、209、210等のブラウン染料;C.I.ダイレクトレッド81、89、224、225、226、227、239、243、252、255等のレッド染料;C.I.ダイレクトバイオレット9、51、66等のバイオレット染料;C.I.ダイレクトブルー86、87、108、199、200、202、218、237、248、267、273、279、281等のブルー染料;C.I.ダイレクトグリーン59、80等のグリーン染料;C.I.ダイレクトブラック19、22、112、117、161、170、171等のブラック染料;等が挙げられる。
酸性染料の具体例としては、例えばC.I.Acid Yellow 1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、40:1、42、44、49、59、59:1、61、65、72、73、79、99、104、110、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、219:1、220、230、232、235、241、242、246等のイエロー染料;C.I. Acid Orange 3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168等のオレンジ染料;C.I.Acid Brown 2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413等のブラウン染料;C.I.Acid Red 1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、82、88、97、97:1、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415等のレッド染料;C.I.Acid Violet 17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126等のバイオレット染料;C.I.Acid Blue 1、7、9、15、23、25、40、61:1、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、127:1、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、277:1、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350等のブルー染料;C.I.Acid Green 9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109等のグリーン染料;C.I.Acid Black 1、2、3、24、24:1、26、31、50、52、52:1、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222等のブラック染料;等が挙げられる。
金属錯塩酸性染料の具体例としては、例えばC.I.アシッドイエロー59、111、112、116、161等のイエロー染料;C.I.アシッドオレンジ82、87、88、95、122、147等のオレンジ染料;C.I.アシッドレッド209、211、215、216、217、256、262、317、355等のレッド染料;、C.I.アシッドバイオレット66、75、116等のバイオレット染料;C.I.アシッドブルー167、168、171、234、250、276等のブルー染料;C.I.アシッドブラウン30、44、45、46、224、282、283、294、295、296、297、333、352、353、369、368等のブラウン染料;C.I.アシッドグリーン43、60、76、77、80等のグリーン染料;C.I.アシッドブラック52:1、107、110、132、155、179等のブラック染料;等を挙げることができる。
酸性媒染染料の具体例としては、例えばC.I.モルダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、50、56、61、62、65等のイエロー染料;C.I.モルダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48等のオレンジ染料;C.I.モルダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95等のレッド染料;C.I.モルダントバイオレット2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58等のバイオレット染料;C.I.モルダントブルー2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84等のブルー染料;C.I.モルダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53等のグリーン染料;等が挙げられる。
塩基性染料の具体例としては、例えばC.I.Basic Yellow 1、2、11、28、51、57、87等のイエロー染料;C.I.Basic Orange 2、14、21、24、31等のオレンジ染料;C.I.Basic Brown 1、16、17等のブラウン染料;C.I.Basic Red 1、2、5、9、12、13、14、15、18、22、27、29、35、36、40、51、76、118等のレッド染料;C.I.Basic Violet 1、2、3、4、7、10、14、15、20、27等のバイオレット染料;C.I.Basic Blue 1、3、5、7、9、16、22、24、25、26、28、29、64、99、117等のブルー染料;C.I.Basic Green 1、4、5等のグリーン染料;C.I.Basic Black 2等のブラック染料;等が挙げられる。
建染染料の具体例としては、例えばC.I.バット イエロー2、4、10、20、33等のイエロー染料;C.I.バット オレンジ1、2、3、5、7、9、13、15等のオレンジ染料;C.I.バット レッド1、2、10、13、15、16、41、61等のレッド染料;C.I.バット バイオレット1、2、9、13、21等のバイオレット染料;C.I.バット ブルー1、3、4、5、6、8、12、14、18、19、20、29、35、41等のブルー染料;C.I.バット グリーン1、2、3、4、8、9等のグリーン染料;C.I.バット ブラウン1、3、25、44、46等のブラウン染料;C.I.バット ブラック1、8、9、13、14 、20 、25 、27、29、36、56 、57、59、60等のブラック染料;等が挙げられる。
分散染料の具体例としては、例えばC.I.ディスパースイエロー3、4、5、7、8、9、13、23、24、30、33、34、39、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、186、192、198、199、200、202、204、210、211、215、216、218、224、237等のイエロー染料;C.I.ディスパースオレンジ1、1:1、3、5、7、11、13、17、20、21、23、25、25:1、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、86、89、90、91、93、96、97、118、119、127、130、139、142等のオレンジ染料;C.I.ディスパースレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、55:1、56、58、59、60、65、70、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、158、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、190:1、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、283、288、298、302、303、310、311、312、320、323、324、328、359等のレッド染料;C.I.ディスパースバイオレット1、4、8、11、17、23、26、27、28、29、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77,97等のバイオレット染料;C.I.ディスパースグリーン9等のグリーン染料;C.I.ディスパースブラウン1、2、4、9、13、19等のブラウン染料;C.I.ディスパースブルー3、5、7、9、14、16、19、20、26、26:1、27、35、43、44、54、55、56、58、60、60:1、62、64、64:1、71、72、72:1、73、73:1、75、77、79、79:1、81、81:1、82、83、87、91、93、94、95、64:1、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、131、139、141、142、143、145、146、148、149、153、154、158、165、165:1、165:2、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、266、267、270、281、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、334、341、353、354、358、359、360、364、365、368等のブルー染料;C.I.ディスパースブラック1、3、10、24等のブラック染料が挙げられる。
溶剤染料の具体例としては、例えばC.I.ソルベントイエロー9、17、19、21、24、31、35、43、44、58、61、80、93、100、102、103、105、112、114、162、163等のイエロー染料;C.I.ソルベントオレンジ1、67等のオレンジ染料;C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、146等のレッド染料;C.I.ソルベントバイオレット8、21等のバイオレット染料;C.I.ソルベントブルー2、11、25、36、55、63、83、105、111等のブルー染料;C.I.ソルベントグリーン3等のグリーン染料;C.I.ソルベントブラウン3等のブラウン染料;C.I.ソルベントブラック3、5、7、22、27、29等のブラック染料;等がそれぞれ挙げられる。
上記の染料は、例えば、アントラキノン系、アゾ系、アゾメチン系、インドフェノール系、インドアニリン系、キノフタロン系、メチン系、アントラピリドン系物、ナフタルイミド系、キサンテン系、トリアリルメタン系、キナクリドン系、オキサジン系、ピロリン系、シアニン系、フタロシアニン系等の各化合物に分類することができる。
上記樹脂組成物の粉体が含有する染料のうち、少なくとも1種類の染料は、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であれば、上記のいかなる染料も併用することができる。
それらの中では、アントラキノン系とアントラキノン系、アントラキノン系とアゾ系、アントラキノン系とアゾメチン系、アントラキノン系とインドフェノール系、アントラキノン系とインドアニリン系、アントラキノン系とピロリン系、キノフタロン系とキノフタロン系、キノフタロン系とアントラキノン系、キノフタロン系とアゾ系、キノフタロン系とナフタルイミド系、アゾ系とアゾ系、アゾ系とアゾメチン系、アゾ系とインドフェノール系、アゾ系とインドアニリン系、アゾ系とピロリン系等の各化合物の組み合わせを含む、2種類以上の染料を含有することが好ましい。
これらの組み合わせの中では、アントラキノン系とアントラキノン系、アントラキノン系とアゾ系、キノフタロン系とアゾ系、キノフタロン系とアントラキノン系の各化合物の組み合わせを含む、2種類以上の染料を含有することがさらに好ましい。
上記樹脂組成物の粉体が含有する染料のうち、少なくとも1種類の染料は、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であれば、上記のいかなる染料も併用することができる。
それらの中では、アントラキノン系とアントラキノン系、アントラキノン系とアゾ系、アントラキノン系とアゾメチン系、アントラキノン系とインドフェノール系、アントラキノン系とインドアニリン系、アントラキノン系とピロリン系、キノフタロン系とキノフタロン系、キノフタロン系とアントラキノン系、キノフタロン系とアゾ系、キノフタロン系とナフタルイミド系、アゾ系とアゾ系、アゾ系とアゾメチン系、アゾ系とインドフェノール系、アゾ系とインドアニリン系、アゾ系とピロリン系等の各化合物の組み合わせを含む、2種類以上の染料を含有することが好ましい。
これらの組み合わせの中では、アントラキノン系とアントラキノン系、アントラキノン系とアゾ系、キノフタロン系とアゾ系、キノフタロン系とアントラキノン系の各化合物の組み合わせを含む、2種類以上の染料を含有することがさらに好ましい。
上記の染料は、いずれも単独で使用してもよい。また、望みの色調を得る目的等により、2種類以上を併用(配合)してもよい。
例えば、ブラックインクの調製においては、ブルー染料を主体にオレンジ染料、及びレッド染料を適宜配合してブラック色に調色し、これをブラック染料として用いることができる。また、例えばブルー、オレンジ、レッド、バイオレット、又はブラック等の色調を、望みの色調に微調製する目的等で複数の染料を配合してもよい。
但し、このように複数の染料を併用するときであっても、上記樹脂組成物の粉体が含有する染料のうち、少なくとも1種類の染料は、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である。
例えば、ブラックインクの調製においては、ブルー染料を主体にオレンジ染料、及びレッド染料を適宜配合してブラック色に調色し、これをブラック染料として用いることができる。また、例えばブルー、オレンジ、レッド、バイオレット、又はブラック等の色調を、望みの色調に微調製する目的等で複数の染料を配合してもよい。
但し、このように複数の染料を併用するときであっても、上記樹脂組成物の粉体が含有する染料のうち、少なくとも1種類の染料は、PGMEAに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である。
上記染料のうち、樹脂組成物の表面への出やすさには差があり、分散染料や油溶性染料は表面に出やすいため、結果として粉体凝集を生じやすい。また、分散染料や油溶性染料の中でも昇華性を有する染料は、より一層樹脂組成物の表面に出やすい。このため、粉体凝集の抑制効果は、これらの染料を含有する樹脂組成物の粉体において、極めて良好に発揮される。
上記樹脂組成物の粉体が含有する樹脂としては、特に制限はなく、染料と混合することが可能なものであれば、公知の樹脂の中から使用目的に応じて適宜選択することができる。
その具体例としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
上記した樹脂は、いずれも単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
その具体例としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
上記した樹脂は、いずれも単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記スチレン又はスチレン誘導体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等が挙げられる。
上記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体等)、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体等)、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記樹脂の市販品の一例としては、ポリエステルとして知られる三菱レーヨン株式会社製のダイヤクロン FC−684、ダイヤクロン FC−1224、ダイヤクロン FC−316等;スチレン−アクリル酸エステル共重合体として知られる三井化学株式会社製のCPR−100、CPR−250、CPR−390等;等が挙げられる。
上記樹脂組成物の粉体の用途としては特に制限は無く、例えば紫外線硬化型インキ、熱硬化型インキ、インクジェットインキ、グラビアインキ、オフセットインキ等の印刷インクや液体トナーが含有する着色材料;転写式ハロゲン化銀感光材料;感熱転写方式の記録材料;記録ペン、光記録媒体材料、接着剤等が含有する着色材料;粉体塗料、粉体トナー等が含有する着色材料;等の用途が挙げられる。これらの用途の中では、紫外線硬化型インキ、熱硬化型インキ、インクジェットインキ、グラビアインキ、オフセットインキ等の印刷インクや液体トナー;粉体塗料、粉体トナー;等が含有する、各着色材料としての用途が好ましく、液体トナーに含まれる粉体の着色樹脂組成物、粉体塗料、粉体トナー等が挙げられる。
上記樹脂組成物の粉体が含有する染料の総含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その目安としては、該粉体の総質量に対して通常1〜40%、好ましくは2〜35%、より好ましくは3〜25%である。
染料の総含有量が1%未満であると着色材料として十分な性能が発揮できず、40%を超えると該粉体中での染料の溶融又は分散不良が生じ、粉体凝集の抑制が困難になり、また、染色性の改善も困難になる。
染料の総含有量が1%未満であると着色材料として十分な性能が発揮できず、40%を超えると該粉体中での染料の溶融又は分散不良が生じ、粉体凝集の抑制が困難になり、また、染色性の改善も困難になる。
上記樹脂組成物の粉体は、上記の通り各種の用途に使用することができる。このため、該樹脂組成物の粉体は、その使用用途に応じて樹脂以外の添加剤を含有してもよい。
添加剤の一例として粉体トナーを挙げると、例えばワックス、荷電制御剤、外添剤等の添加剤が挙げられる。これらの種類、樹脂組成物の粉体の総質量中における含有量、及び、これらの添加剤を含有する粉体トナーの製造方法等については、いずれも公知の先行技術文献に記載されている。上記樹脂組成物の粉体を、粉体トナーとして用いるときは、公知の先行技術文献に基づき粉体トナーとして調製すればよく、他の用途に使用するときも、同様に調製すればよい。
上記樹脂組成物の粉体は、そのような添加剤を含有するときであっても、十分な凝集抑制効果を発揮する。
添加剤の一例として粉体トナーを挙げると、例えばワックス、荷電制御剤、外添剤等の添加剤が挙げられる。これらの種類、樹脂組成物の粉体の総質量中における含有量、及び、これらの添加剤を含有する粉体トナーの製造方法等については、いずれも公知の先行技術文献に記載されている。上記樹脂組成物の粉体を、粉体トナーとして用いるときは、公知の先行技術文献に基づき粉体トナーとして調製すればよく、他の用途に使用するときも、同様に調製すればよい。
上記樹脂組成物の粉体は、そのような添加剤を含有するときであっても、十分な凝集抑制効果を発揮する。
上記のうち、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものと、より好ましいものとの組み合わせ、及び、より好ましいものと、さらに好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
本発明の粉体凝集の抑制方法は、特に高温下での輸送時、使用時、又は保存時等において、樹脂組成物の粉体の表面上に染料が出てくる現象を抑制することができる。このため、上記樹脂組成物の粉体凝集の抑制が可能となり、耐熱安定性、経時安定性が極めて高い、各種の用途に応用が可能な高品質の樹脂組成物の粉体を提供できる。
また、本発明の染色性の改善方法は、特に高温下での輸送時、使用時、又は保存時等において、樹脂組成物の粉体の表面上に染料が出てくる現象を抑制することにより、各種の染色性を改善するものである。この各種の染色性には、掃きムラ、画像メモリ、染色濃度、白地汚染、染めムラ、染色再現性、ビルドアップ性、染着性、均染性等が含まれる。このことから、本発明は、耐熱安定性、経時安定性が極めて高く、各種の用途に応用が可能である、樹脂組成物の粉体を用いる染色性の改善方法を提供できる。
また、本発明の染色性の改善方法は、特に高温下での輸送時、使用時、又は保存時等において、樹脂組成物の粉体の表面上に染料が出てくる現象を抑制することにより、各種の染色性を改善するものである。この各種の染色性には、掃きムラ、画像メモリ、染色濃度、白地汚染、染めムラ、染色再現性、ビルドアップ性、染着性、均染性等が含まれる。このことから、本発明は、耐熱安定性、経時安定性が極めて高く、各種の用途に応用が可能である、樹脂組成物の粉体を用いる染色性の改善方法を提供できる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例中、平均粒子径は、精密粒度分布測定装置「Mulitisizer 3(ベックマン・コールター株式会社製)」を用いて測定した。
実施例中、平均粒子径は、精密粒度分布測定装置「Mulitisizer 3(ベックマン・コールター株式会社製)」を用いて測定した。
<実施例A>
上記樹脂組成物の粉体の一例として、粉体トナーを調製し、その凝集の抑制効果を試験した。
[実施例A−1]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(105部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:5部)、下記式(1)で表される染料(5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
なお、下記式(1)で表される染料は、特開平6−184481号に記載の方法で合成した。
上記樹脂組成物の粉体の一例として、粉体トナーを調製し、その凝集の抑制効果を試験した。
[実施例A−1]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(105部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:5部)、下記式(1)で表される染料(5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
なお、下記式(1)で表される染料は、特開平6−184481号に記載の方法で合成した。
(工程2)
実施例A−1(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、イエロートナーを調製した。
実施例A−1(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、イエロートナーを調製した。
[実施例A−2]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(96部)、C.I.ディスパースブルー359(11.5部)、下記式(2)で表される染料(3部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.5μmのトナー母粒子を得た。
なお、下記式(2)で表される染料は、特開平6−228444号に記載の方法で合成した。
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(96部)、C.I.ディスパースブルー359(11.5部)、下記式(2)で表される染料(3部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.5μmのトナー母粒子を得た。
なお、下記式(2)で表される染料は、特開平6−228444号に記載の方法で合成した。
(工程2)
実施例A−2(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、シアントナーを調製した。
実施例A−2(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、シアントナーを調製した。
[比較例A−3]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(105部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(105部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(工程2)
比較例A−3(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、染料を1種類しか含まない比較用のイエロートナーを得た。
比較例A−3(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、染料を1種類しか含まない比較用のイエロートナーを得た。
[比較例A−4]
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(96部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(11.5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(工程1)
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(96部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(11.5部)、ボントロン E−84(1部)、カルナバワックスC1(4部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間予備混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られた溶融混練物を粉砕・分級機を用いて粉砕・分級することにより、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(工程2)
比較例A−4(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、染料を1種類しか含まない比較用のシアントナーを得た。
比較例A−4(工程1)で得られたトナー母粒子(100部)、クラリアントジャパン社製のH05TM(1.5部)、キャボット社製のTG−811F(1.5部)、チタン工業社製のSW−100(1.0部)をヘンシェルミキサーに入れ、30m/秒の回転速度で10分間撹拌し、染料を1種類しか含まない比較用のシアントナーを得た。
上記のようにして調製した各樹脂組成物の粉体が含有する各染料の、PGMEAに対する溶解度を下記表1に示す。
下記表1中の略号は、以下の意味を有する。
DsY 54:C.I.ディスパースイエロー54。
DsB 359:C.I.ディスパースブルー359。
下記表1中の略号は、以下の意味を有する。
DsY 54:C.I.ディスパースイエロー54。
DsB 359:C.I.ディスパースブルー359。
上記のようにして調製した各粉体トナーの凝集性を下記方法に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
[凝集性評価試験]
50mlのガラス管瓶(日電理化硝子社製、SV−50A)、にトナーを5.0g秤量し、キャップ蓋をして密閉し、下記4条件で24時間保管した後、室温に戻るまで静置した。その後、キャップ蓋を開けてガラス管瓶を逆さまにし、各粉体トナーの排出状態、及び粉体の凝集塊の有無を、それぞれ下記A〜Cの評価基準に従って評価した。
条件1:室温(25℃)下で24時間保管。
条件2:40℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
条件3:50℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
条件4:60℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
50mlのガラス管瓶(日電理化硝子社製、SV−50A)、にトナーを5.0g秤量し、キャップ蓋をして密閉し、下記4条件で24時間保管した後、室温に戻るまで静置した。その後、キャップ蓋を開けてガラス管瓶を逆さまにし、各粉体トナーの排出状態、及び粉体の凝集塊の有無を、それぞれ下記A〜Cの評価基準に従って評価した。
条件1:室温(25℃)下で24時間保管。
条件2:40℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
条件3:50℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
条件4:60℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
[凝集性評価基準]
A:逆さまにした直後に、中のトナーが自然落下により排出される。
B:逆さまにしてもすぐには排出されないが、30秒〜1分以内に自然落下して排出される。
C:逆さまにして1分以上経っても自然落下しない。
粉体が凝集するほど自然落下しにくくなるため、自然落下までの時間が短い方が、粉体凝集が生じていないことを意味し、優れた状態である。
A:逆さまにした直後に、中のトナーが自然落下により排出される。
B:逆さまにしてもすぐには排出されないが、30秒〜1分以内に自然落下して排出される。
C:逆さまにして1分以上経っても自然落下しない。
粉体が凝集するほど自然落下しにくくなるため、自然落下までの時間が短い方が、粉体凝集が生じていないことを意味し、優れた状態である。
[凝集塊の有無]
A:自然落下した粉体に凝集塊は見当たらない。
B:自然落下した粉体は僅かに塊状になっているが、指で押すとすぐに粉状に戻る。
C:落下した粉体には凝集塊があり、指で押しても粉状には戻らない。
粉体が凝集塊を生じないほど優れた状態であることを意味する。
A:自然落下した粉体に凝集塊は見当たらない。
B:自然落下した粉体は僅かに塊状になっているが、指で押すとすぐに粉状に戻る。
C:落下した粉体には凝集塊があり、指で押しても粉状には戻らない。
粉体が凝集塊を生じないほど優れた状態であることを意味する。
表2から明らかなように、本発明の粉体トナーは、凝集性及び凝集塊の形成のいずれの面からも粉体凝集が低減されており、粉体凝集の抑制効果を有することが明らかとなった。
以下に、実施例A−5〜A−12、及び比較例A−13〜A−16としてそれぞれ、樹脂組成物の粉体の調製例を記載する。各調製例において用いたミキサーは、象印マホービン株式会社製のBM−RS08である。
[実施例A−5]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(50.0部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:2.4部)、上記式(1)で表される染料(2.4部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(50.0部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:2.4部)、上記式(1)で表される染料(2.4部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−6]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(36.0部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(2.5部)、上記式(2)で表される染料(1.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(36.0部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(2.5部)、上記式(2)で表される染料(1.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−7]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製:3.0部)、C.I.ディスパースレッド92(日本化薬株式会社製:2.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製:3.0部)、C.I.ディスパースレッド92(日本化薬株式会社製:2.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−8]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製:3.0部)、C.I.ディスパースレッド74(日本化薬株式会社製:2.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、C.I.ディスパースレッド60(日本化薬株式会社製:3.0部)、C.I.ディスパースレッド74(日本化薬株式会社製:2.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−9]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製:2.5部)、上記式(1)で表される染料(2.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製:2.5部)、上記式(1)で表される染料(2.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−10]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.0部)、C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製:1.5部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:2.0部)、上記式(1)で表される染料(4.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.0部)、C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製:1.5部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:2.0部)、上記式(1)で表される染料(4.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−11]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.0部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:2.0部)、式(1)で表される染料(2.0部)、式(2)で表される染料(1.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.0部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:2.0部)、式(1)で表される染料(2.0部)、式(2)で表される染料(1.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[実施例A−12]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(45.8部)、C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製:2.1部)、式(2)で表される染料(1.3部)、C.I.ソルベントブルー63(日本化薬株式会社製:0.9部)で表される染料(1.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(45.8部)、C.I.ディスパースブルー359(日本化薬株式会社製:2.1部)、式(2)で表される染料(1.3部)、C.I.ソルベントブルー63(日本化薬株式会社製:0.9部)で表される染料(1.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、樹脂組成物の粉体を得た。
[比較例A−13]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:5.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、カヤセットイエローA‐G(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー54:5.0部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
[比較例A−14]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(48.0部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(6.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(48.0部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(6.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
[比較例A−15]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、カヤセットイエローA‐H(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー160:2.5部)、上記式(1)で表される染料(2.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、カヤセットイエローA‐H(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー160:2.5部)、上記式(1)で表される染料(2.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
[比較例A−16]
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、カヤセットイエローA‐H(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー160:2.5部)、上記式(2)で表される染料(2.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316(52.5部)、カヤセットイエローA‐H(日本化薬株式会社製、C.I.ディスパースイエロー160:2.5部)、上記式(2)で表される染料(2.5部)を220℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドした。冷却後、得られた混練物をミキサーで粉砕することにより、比較用の樹脂組成物の粉体を得た。
上記のようにして調製した各樹脂組成物の粉体が含有する各染料の、PGMEAに対する溶解度を下記表3に示す。下記表3中、「<0.01」は、PGMEAに対する溶解度が0.01g/100ml未満を意味する。
下記表3中の略号は、以下の意味を有する。
DsY54:C.I.ディスパースイエロー54。
DsY160:C.I.ディスパースイエロー160。
DsR60:C.I.ディスパースレッド60。
DsR74:C.I.ディスパースレッド74。
DsR92:C.I.ディスパースレッド92。
DsB359:C.I.ディスパースブルー359。
SvB63:C.I.ソルベントブルー63。
下記表3中の略号は、以下の意味を有する。
DsY54:C.I.ディスパースイエロー54。
DsY160:C.I.ディスパースイエロー160。
DsR60:C.I.ディスパースレッド60。
DsR74:C.I.ディスパースレッド74。
DsR92:C.I.ディスパースレッド92。
DsB359:C.I.ディスパースブルー359。
SvB63:C.I.ソルベントブルー63。
上記のようにして調製した各樹脂組成物の粉体のブリード性を下記方法に基づいて評価した。その結果を下記表4に示す。
[ブリード性試験]
50mlのガラス管瓶(日電理化硝子社製、SV−50A)、に染料樹脂組成物を5.0g秤量し、キャップ蓋をして密閉し、下記2条件で保管した後、室温に戻るまで静置した。その後、各樹脂組成物の粉体の電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ株式会社製、S−4800形電界放出形走査電子顕微鏡)写真からブリードアウトの有無を、それぞれ下記A〜Dの評価基準に従って評価した。
条件1:室温(25℃)下で24時間保管。
条件2:60℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
50mlのガラス管瓶(日電理化硝子社製、SV−50A)、に染料樹脂組成物を5.0g秤量し、キャップ蓋をして密閉し、下記2条件で保管した後、室温に戻るまで静置した。その後、各樹脂組成物の粉体の電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ株式会社製、S−4800形電界放出形走査電子顕微鏡)写真からブリードアウトの有無を、それぞれ下記A〜Dの評価基準に従って評価した。
条件1:室温(25℃)下で24時間保管。
条件2:60℃±1℃の恒温器に入れ、24時間保管。
[評価基準]
A:ブリードアウトした固体がほとんど観測されない。
B:ブリードアウトした固体が観測されるが、1μm未満の小さな固体がほとんどである。
C:ブリードアウトした固体が観測されるが、1μm以上3μm未満の中型の固体が多数観測される。
D:ブリードアウトした固体が非常に多く、3μm以上の大きな固体が数多観測される。
A:ブリードアウトした固体がほとんど観測されない。
B:ブリードアウトした固体が観測されるが、1μm未満の小さな固体がほとんどである。
C:ブリードアウトした固体が観測されるが、1μm以上3μm未満の中型の固体が多数観測される。
D:ブリードアウトした固体が非常に多く、3μm以上の大きな固体が数多観測される。
表4から明らかなように、本発明の粉体は、高温下におけるブリードアウトの抑制効果を有することが明らかとなった。また、ブリードアウトの評価結果がAからDへと悪化するのに伴い、凝集性及び凝集塊の状態も悪化し、ブリードアウトと凝集性には相関があることが確認された。
<実施例B>
上記樹脂組成物の粉体の一例として、粉体トナーを調製し、その染色性の改善効果を試験した。
上記樹脂組成物の粉体の一例として、粉体トナーを調製し、その染色性の改善効果を試験した。
[実施例B−1]
上記実施例A−1(工程1)及び(工程2)と同様にして、実施例B−1のイエロートナーを調製した。実施例A−1と、実施例B−1のイエロートナーは実質的に同じトナーである。
上記実施例A−1(工程1)及び(工程2)と同様にして、実施例B−1のイエロートナーを調製した。実施例A−1と、実施例B−1のイエロートナーは実質的に同じトナーである。
[実施例B−2]
上記実施例A−2(工程1)及び(工程2)と同様にして、実施例B−2のシアントナーを調製した。実施例A−2と、実施例B−1のシアントナーは実質的に同じトナーである。
上記実施例A−2(工程1)及び(工程2)と同様にして、実施例B−2のシアントナーを調製した。実施例A−2と、実施例B−1のシアントナーは実質的に同じトナーである。
[比較例B−3]
上記比較例A−3(工程1)及び(工程2)と同様にして、比較例B−3のイエロートナーを調製した。比較例A−3と、比較例B−3のイエロートナーは実質的に同じトナーである。
上記比較例A−3(工程1)及び(工程2)と同様にして、比較例B−3のイエロートナーを調製した。比較例A−3と、比較例B−3のイエロートナーは実質的に同じトナーである。
[比較例B−4]
上記比較例A−4(工程1)及び(工程2)と同様にして、比較例B−4のイエロートナーを調製した。比較例A−4と、比較例B−4のイエロートナーは実質的に同じトナーである。
上記比較例A−4(工程1)及び(工程2)と同様にして、比較例B−4のイエロートナーを調製した。比較例A−4と、比較例B−4のイエロートナーは実質的に同じトナーである。
上記のようにして調製した各樹脂組成物の粉体が含有する各染料の、PGMEAに対する溶解度は、上記表1に示す通りである。
上記の実施例及び比較例の各トナーを用いて、下記に示す方法にて染色性の評価を行った。評価結果を表5に示す。
乾式非磁性1成分現像方式印刷機(桂川電気株式会社製:KIPc7800)に、上記実施例及び比較例で得た各カラートナーをそれぞれ充填した。中間記録媒体としてA0判のボンド紙を用いて、解像度:600pixel/inch、定着温度:140℃、現像バイアス:200Vの条件でベタ画像を印刷した中間記録媒体(ボンド紙)をそれぞれ得た。
評価試験1:[中間記録媒体の画像品質]
得られた各中間記録媒体の掃きムラと画像メモリの有無を目視にて観察し、以下の評価基準に従って画像品質を評価した。評価結果を下記表5に示す。
得られた各中間記録媒体の掃きムラと画像メモリの有無を目視にて観察し、以下の評価基準に従って画像品質を評価した。評価結果を下記表5に示す。
A:掃きムラ、画像メモリが無く、均一なベタ画像が得られている。
B:掃きムラ、画像メモリが僅かに観察される。
C:掃きムラ、画像メモリが明らかに観察される。
D:非常に目立つ程の掃きムラ、画像メモリが明確に観察される。
B:掃きムラ、画像メモリが僅かに観察される。
C:掃きムラ、画像メモリが明らかに観察される。
D:非常に目立つ程の掃きムラ、画像メモリが明確に観察される。
得られた各中間記録媒体のトナー付着面と、被染色物として100%ポリエステル繊維で構成されているダブルピケ(目付90g/m2)とを重ね合わせた後、熱プレス機(太陽精機株式会社製:トランスファープレス機TP−600A2)を用いて195℃×60秒の条件にて熱処理することにより、昇華転写染色方法により染色された該ダブルピケの染色物をそれぞれ得た。
評価試験2:[染色濃度]
得られた各染色物の染色部分を分光光度計「スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)」を用いて測色し、染色濃度を測定した。染色濃度は1.35以上であれば良好であることを示す。各実施例及び比較例は、いずれも染色濃度が1.4以上を示し、染色濃度はいずれも良好であった。
得られた各染色物の染色部分を分光光度計「スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)」を用いて測色し、染色濃度を測定した。染色濃度は1.35以上であれば良好であることを示す。各実施例及び比較例は、いずれも染色濃度が1.4以上を示し、染色濃度はいずれも良好であった。
評価試験3:[染色物の白地汚染の測色による評価]
評価例1で得られた各染色物の白地部分を分光光度計「スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)」を用いて測色し、下記の白地汚染の程度(=各染色物の白地部分の測定値−染色を行う前のダブルピケを同様に測色した値)を算出して評価した。評価結果を下記表5に示す。
評価例1で得られた各染色物の白地部分を分光光度計「スペクトロアイ(グレタグマクベス社製)」を用いて測色し、下記の白地汚染の程度(=各染色物の白地部分の測定値−染色を行う前のダブルピケを同様に測色した値)を算出して評価した。評価結果を下記表5に示す。
評価試験4:[染色物の白地汚染の目視による評価]
評価例2に用いた各染色物において、測色を行った白地部分の汚染具合を目視にて観察し、下記する4段階の基準で評価した。評価結果を下記表5に示す。
評価例2に用いた各染色物において、測色を行った白地部分の汚染具合を目視にて観察し、下記する4段階の基準で評価した。評価結果を下記表5に示す。
A:白地汚染がほとんど観察されない。
B:白地汚染が僅かに観察される。
C:白地汚染されていることが明らかに観察される。
D:激しく白地汚染されていることが明確に観察される。
B:白地汚染が僅かに観察される。
C:白地汚染されていることが明らかに観察される。
D:激しく白地汚染されていることが明確に観察される。
評価試験5:[染色物の染めムラの目視による評価]
評価例4に用いた各染色物において、染めムラの具合を目視にて観察し、下記する4段階の基準で評価した。評価結果を下記表5に示す。
評価例4に用いた各染色物において、染めムラの具合を目視にて観察し、下記する4段階の基準で評価した。評価結果を下記表5に示す。
A:染めムラが無い高品質の染色物が得られている。
B:染めムラが僅かに観察される。
C:染めムラが明らかに観察される。
D:激しく染めムラがあることが明確に観察される。
B:染めムラが僅かに観察される。
C:染めムラが明らかに観察される。
D:激しく染めムラがあることが明確に観察される。
表5から明らかなように、各実施例は、各比較例と比較して全ての染色性が同等以上に改善されることが分かった。
本発明の粉体凝集の抑制方法は、各種の用途に使用可能な、染料を含有する樹脂組成物の粉体の凝集を抑制できるため極めて有用である。また、本発明の染色性の改善方法は、染色濃度が高く、且つ染色物の白地汚染及び染めムラ等を抑制することができるため、電子写真方式によるダイレクト染色、昇華転写染色等に用いる、染料を含有する粉体トナーや粉体塗料等を用いた染色又は印刷において、画像不良の無い高品質な染色物又は印刷物を得ることができる方法として、極めて有用である。
Claims (13)
- 少なくとも樹脂及び2種類の染料を含有する樹脂組成物の粉体であって、上記2種類の染料のうち、少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料である、粉体。
- 前記少なくとも2種類の染料のうち、前記少なくとも1種類の染料が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに対する溶解度が0.04g/100ml〜20g/100mlの分散染料若しくは油溶性染料であり、前記少なくとも1種類の別の染料が、分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、請求項1に記載の粉体。
- 前記少なくとも2種類の染料のうち、前記少なくとも1種類の染料が、アントラキノン系、キノフタロン系、アゾ系の各化合物から選択される染料であり、
前記少なくとも1種類の別の染料が、アントラキノン系、アゾ系、アゾメチン系、インドフェノール系、インドアニリン系、ピロリン系、キノフタロン系、ナフタルイミド系の各化合物から選択される分散染料、塩基性染料、建染染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、請求項1又は2に記載の粉体。 - 前記少なくとも1種類の別の染料が分散染料、塩基性染料、及び溶剤染料よりなる油溶性染料の群から選択される染料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体。
- 粉体凝集の抑制に用いるか、または、染色性の改善方法において着色剤として用いる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体と、少なくとも荷電制御剤と、ワックスと、外添剤とを含有するトナー。
- 粉体凝集の抑制に用いるか、または、染色性の改善方法において着色剤として用いる、請求項6に記載のトナー。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体における、粉体凝集の抑制方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法における染色性の改善方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の粉体を用いる染色方法。
- 請求項10に記載の染色方法により染色された物質。
- 前記樹脂組成物の粉体を着色剤として用いる染色方法が、電子写真方式によって樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させ、該中間記録媒体に付着させた樹脂組成物の粉体が含有する染料を、被染色物に昇華転写させることにより染色を行う昇華転写染色方法である、請求項9に記載の染色性の改善方法。
- 請求項12に記載の染色性の改善方法において、電子写真方式によって樹脂組成物の粉体を付着させた中間記録媒体。
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