JP3123757B2 - 洗剤粒子 - Google Patents

洗剤粒子

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JP3123757B2 JP11530654A JP53065499A JP3123757B2 JP 3123757 B2 JP3123757 B2 JP 3123757B2 JP 11530654 A JP11530654 A JP 11530654A JP 53065499 A JP53065499 A JP 53065499A JP 3123757 B2 JP3123757 B2 JP 3123757B2
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修 山口
博之 山下
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は高速溶解性の洗剤粒子群及びその製法並びに
その洗剤粒子群を含有する洗剤組成物に関する。
背景技術 近年上市されている洗濯機は、『洗濯を簡単に済ませ
てしまいたい』という消費者ニーズに対応し、大容量化
(一度に多くの衣類が洗える)傾向にあり、また洗濯時
間に短時間洗濯モードの設定等がなされている。更に
『衣類を大切に洗いたい』というニーズに対し、弱攪拌
モードの設定が行われ、衣類いたみの軽減を訴求してい
る。加えて、環境・エネルギーや経済性への対応から、
節水、低温洗濯、運転時間の短縮への潮流がある。
この潮流は、いずれも洗濯機の仕事量(機械力×時間
の意)を低下させる方向であり、その結果、洗剤粒子の
溶解速度の低下によって洗浄力の劣化が生じ、洗濯終了
時に粉末洗剤の溶け残り、洗剤粒子の衣類残留が増大す
ることがある。
これらの解決を試みた従来の技術として、特開平5−
247497号公報には、ゼオライト含有のクラッチャースラ
リーを調製する際に、クエン酸塩を添加して、噴霧乾燥
して得られるビーズの強度を向上させ、そのビーズに界
面活性剤を塗布して、高い溶解性特性を有する洗剤組成
物の製法が開示されている。
また、特表平3−504734号公報には、ゼオライト45〜
75重量%、石鹸1〜6重量%、ポリマー1〜12重量%、
硫酸ナトリウム0〜25重量%、ノニオン0〜5重量%、
水10〜24重量%を含有し、高い吸着能により界面活性剤
を担持し、界面活性剤を担持されたい粒状吸着剤は良好
な洗濯機への分配性挙動を有する旨の記載がある。
しかしながら、これらの公報は、上述の技術的な課題
を十分に解決し得るものではなく、特に高速で溶解可能
な洗剤を意図する技術については全く開示されていな
い。
そこで現在までに市販されている代表的な粉末洗剤に
ついて、本発明で規定する5℃の水へ投入60秒後および
30秒後の溶解率を本明細書に記載の測定方法に従って測
定を行ってみた。その結果、60秒後の溶解率の評価で
は、日本で市販されているものは64〜87%(代表的コン
パクト洗剤9種)の範囲であり、米国で市販されている
ものは75%〜88%(代表的コンパクト洗剤4種)の範囲
であり、欧州で市販されているものは57%〜70%(代表
的コンパクト洗剤3種)の範囲であり、アジア・オセア
ニアで市販されているものは64%〜69%(代表的コンパ
クト洗剤2種)の範囲であった。また、30秒後の溶解率
の評価では、日本で市販されているものは55%〜73%
(同上)の範囲であり、米国で市販されているものは65
%〜81%(同上)の範囲であり、欧州で市販されている
ものは40%〜60%(同上)の範囲であり、アジア・オセ
アニアで市販されているものは55%〜60%(同上)の範
囲であった。これらの溶解速度では、先に挙げた低機械
力化の潮流に十分対応できていない。
発明の開示 本発明の目的は、上記課題に対応すべく、水への投入
後素早く溶解し得る高速溶解性の洗剤粒子群及びその製
法、並びにその洗剤粒子群を含有する洗剤組成物を提供
することにある。
本発明の要旨は、 〔1〕 平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/リッ
トル以上の洗剤粒子群であって、該洗剤粒子群は、水に
溶解する過程において粒子径の1/10以上の径の気泡を粒
子内部から放出し得る洗剤粒子を含有し、かつ5℃の水
に該洗剤粒子群を投入し以下に示す攪拌条件にて60秒間
攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)
に供した場合、式(1)で算出される洗剤粒子群の溶解
率が90%以上である洗剤粒子群、若しくは30秒間攪拌し
て同様に算出される洗剤粒子群の溶解率が82%以上であ
る洗剤粒子群、 攪拌条件(以下、試験攪拌条件という):1リットルの
硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca/Mgのモル比7/3)に該
洗剤粒子群1gを投入し、1リットルビーカー(内径105m
m)内で攪拌子(長さ35mm、直径8mm)にて攪拌、回転数
800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
きに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量
(乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
る)(g) 〔2〕 平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/リッ
トル以上の洗剤粒子群であって、洗剤粒子群は、水不溶
性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有するベ
ース顆粒に界面活性剤を担持させてなる洗剤粒子の集合
体であって、該ベース顆粒はその構造においてその内部
よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類
が多く存在する偏在性を有し、かつ5℃の水に該洗剤粒
子群を投入し試験攪拌条件にて60秒間攪拌してJIS Z
8801規定の標準篩(目開き74μm)に供した場合、式
(1)で算出される洗剤粒子群の溶解率が90%以上であ
る洗剤粒子群、若しくは30秒間攪拌して同様に算出され
る洗剤粒子群の溶解率が82%以上である洗剤粒子群、 〔3〕 以下の工程を有する、前記〔1〕又は〔2〕記
載の洗剤粒子群の製法: 工程(a):水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶
性塩類を含有するスラリーであって、該水溶性ポリマー
及び該水溶性塩類である水溶性成分の60重量%以上が溶
解したスラリーを調製する工程、 工程(b):工程(a)で得られたスラリーを噴霧乾燥
してベース顆粒群を調製する工程、 工程(c):工程(b)で得られたベース顆粒群に界面
活性剤を添加して担持させる工程、 〔4〕 前記〔1〕又は〔2〕記載の洗剤粒子群を50重
量%以上含有してなる洗剤組成物、 〔5〕 平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/リッ
トル以上の洗剤組成物であって、該洗剤組成物は水に溶
解する過程において粒子径の1/10以上の気泡を粒子内部
から放出し得る洗剤粒子を含有し、かつ5℃の水に該洗
剤組成物を投入し、試験攪拌条件にて60秒間攪拌してJI
S Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)に供した場
合、式(1)で算出される洗剤組成物の溶解率が90%以
上である洗剤組成物、若しくは30時間攪拌して同様に算
出される洗剤組成物の溶解率が82%以上である洗剤組成
物、に関する。
図面の簡単な説明 第1図はそのままの状態のベース顆粒群1又はベース
顆粒群1を均一にすり潰した状態のものをFT−IR/PASで
測定した結果を比較した図である。実線はそのままの状
態のベース顆粒群のデータであり、破線は均一にすり潰
した状態のベース顆粒群のデータである。
第2図はSEMによるベース顆粒群1中の粒子構造(×4
00)の一例を示す写真である。
第3図はEDS分析(Na分析)によるベース顆粒群1中
の粒子構造(×400)の一例を示す写真である。
第4図はEDS分析(Al分析)によるベース顆粒群1中
の粒子構造(×400)の一例を示す写真である。
第5図はEDS分析(Si分析)によるベース顆粒群1中
の粒子構造(×400)の一例を示す写真である。
第6図はEDS分析(S分析)によるベース顆粒群1中
の粒子構造(×400)の一例を示す写真である。
第7図はSEM写真による実施例1の洗剤粒子群中の単
核性洗剤粒子の粒子構造(×400)の一例を示す写真で
ある。
第8図はSEM写真によるベース顆粒群1中の粒子構造
(×400)の一例を示す写真である。
第9図はSEM写真によるベース顆粒群2中の粒子構造
(×400)の一例を示す写真である。
第10図はSEM写真によるベース顆粒群3中の粒子構造
(×400)の一例を示す写真である。
第11図はSEM写真によるベース顆粒群4中の粒子構造
(×400)の一例を示す写真である。
第12図はSEM写真による実施例2の洗剤粒子群中の単
核性洗剤粒子の粒子構造(×400)の一例を示す写真で
ある。
発明を実施するための最良の形態 本発明における洗剤粒子とは、界面活性剤及びビルダ
ー等を含有してなる粒子であり、洗剤粒子群とはその集
合体を意味する。そして洗剤組成物は、洗剤粒子群を含
有し、さらに洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成分
(例えば、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂
白活性化剤等)を含有する組成物を意味する。
1.高速溶解性の機構 I.1 気泡放出による高速溶解性 従来のコンパクト洗剤粒子は、洗剤粒子の表面近傍か
ら徐々に溶解する溶解挙動を示すために、完全に溶解す
るまでに比較的長い時間を必要とする。
一方、本発明の洗剤粒子群は、水に溶解する過程にお
いて粒子径の1/10以上の径の気泡を粒子内部から放出し
得る洗剤粒子(以下、気泡放出洗剤粒子という)を含有
し、この気泡放出洗剤粒子は、水に溶解する過程におい
て、まず、粒子内部に少量の水が浸入すると粒子内部か
ら所定の大きさの気泡が放出され、次いで、該粒子内部
に大量の水が浸入することによって粒子自体が崩壊(粒
子の自己崩壊)し、表面近傍からの溶解のみならず、粒
子内部からの溶解及び崩壊が起こる。
このような溶解挙動は、気泡放出洗剤粒子を水に溶解
した場合に、該粒子の粒子径の1/10以上、好ましくは1/
5以上、より好ましくは1/4以上、さらに好ましくは1/3
以上の径の気泡(以下、所定の大きさの気泡という)を
放出する現象として、デジタルマイクロスコープや光学
顕微鏡等で確認することができる。これに対して従来の
コンパクト洗剤粒子では、発生する殆どの気泡の大きさ
は洗剤粒子径の1/10未満に過ぎず、粒子自体を自己崩壊
させるには至らない。そのため本発明の洗剤粒子群のよ
うな十分な高速溶解性が得られない。尚、気泡放出洗剤
粒子は、水に静置状態にて溶解させた場合、120秒以内
に所定の大きさの気泡が発生することが好ましく、60秒
以内がより好ましく、45秒以内がさらに好ましい。
この気泡放出による高速溶解性を有する気泡放出洗剤
粒子は、所定の大きさの気泡を放出可能な気孔(単数個
でも複数個でもよい)を有していれば良く、特に、粒子
の形態、構造に限定されない。例えば、第4項で後述す
る単核性の洗剤粒子であっても良く、単核性以外、例え
ば単核性のベース顆粒を凝集させた洗剤粒子(以下、多
核性洗剤粒子という)。第6、7項で述べる。)であっ
ても良い。また、気泡放出洗剤粒子は洗剤粒子群に60重
量%以上含有されることが好ましく、80重量%以上がよ
り好ましい。
気泡径は次のように測定する。
ガラスシャーレ(内径50mm)の底面中心に両面テープ
を装着する。洗剤粒子群を両面テープ上に付着させる。
先ずデジタルマイクロスコープを用いて得られる画像か
ら個々の粒子についての円相当径(αμm)を測定す
る。デジタルマイクロスコープとしては例えばKEYENCE
社製VH−6300を用いることができる。
続いてガラスシャーレに20℃のイオン交換水を5mL注
入し、測定対象の個々の粒子についての溶解挙動を観察
する。粒子内部から気泡が放出される場合、気泡が粒子
から離脱する瞬間の画像から気泡の円相当径(βμm)
を測定する。尚、粒子内部から複数個の気泡が放出され
る場合にはそれぞれの気泡について測定した円相当径の
最大値をβμmとする。そして粒子系に対する気泡径の
比(β/α)をそれぞれの粒子について求める。
好ましい気泡放出洗剤粒子では、該粒子の内部に粒子
径の1/10〜4/5の、好ましくは1/5〜4/5の径の気孔が存
在することが好ましい。
気孔径は次のように測定することができる。
選択された粒子を壊さない様にメス等で最大粒子径を
含む面で切断する。切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察し、切断粒子の切断面の円相当径(粒子径)(γ
μm)及び粒子内部で気孔の存在が確認された場合には
気孔の円相当径(気孔径)(δμm)を測定する。な
お、複数個の気孔が確認される場合には、その中で最も
大きい気孔についての円相当径をδμmとする。そして
粒子径に対する気孔径の比(δ/γ)を求める。
気泡放出洗剤粒子が単核性であることが、溶解速度を
飛躍的に高める観点から好ましい。
また、気泡放出洗剤粒子が第2項で後述するベース顆
粒により構成される場合、ベース顆粒はそ内部に粒子径
の1/10〜4/5の、好ましくは1/5〜4/5の径の気孔が存在
する構造が好ましい。気孔径は、前述の方法で測定する
ことができる。
1.2 ベース顆粒の偏在性による高速溶解性 本発明の洗剤粒子群に含有される洗剤粒子において、
前記のような気泡放出による溶解機構とは別に、あるい
は前記の溶解機構と共に粒子表面からの高速溶解性が認
められる。その特徴としては、水不溶性無機物、水溶性
ポリマー及び水溶性塩類を含有するベース顆粒に界面活
性剤を担持させてなる洗剤粒子であって、該ベース顆粒
の構造においてその内部よりも表面近傍に水溶性ポリマ
ー及び/又は水溶性塩類が多く存在する偏在性(以下、
ベース顆粒の偏在性という)を有することにある。そし
て表面近傍に水溶性物質が多く偏在したベース顆粒は、
水中で表面近傍の水溶性成分がより早く溶解して、該洗
剤粒子の粒子表面からの崩壊が促進される溶解挙動を示
すことにより、高速溶解性を発現することができる。
尚、高速溶解性を発現させる最も好ましい態様として
は、前記のような偏在性を有すると共に、さらに気泡放
出洗剤粒子である。この場合において単核性洗剤粒子の
みならず、多核性洗剤粒子であってもよい。尚、単核性
洗剤粒子の定義は第4項で後述する。そして、ベース顆
粒の偏在性の確認は第3項で後述する。
2.ベース顆粒の組成 本発明の洗剤粒子群に含有される洗剤粒子を構成する
ベース顆粒は、主として、水不溶性無機物(A)、水溶
性ポリマー(B)、水溶性塩類(C)から構成されてい
るものであって、界面活性剤を担持させるために使用さ
れる顆粒をいい、その集合体をベース顆粒群という。
(A)成分の水不溶性無機物としては、1次粒子の平
均粒径が0.1〜20μmのものが好ましく、例えば、結晶
性もしくは非晶質のアミノ珪酸塩や、二酸化珪素、水和
珪酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物
等があるが、結晶性もしくは非晶質のアルミノ珪酸塩
や、二酸化珪素、水和珪酸化合物が好適であり、中でも
結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。
(B)成分の水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系
ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、
糖類等が挙げられるが、中でもカルボン酸系ポリマーが
好ましい。
分子量が数千〜10万程度の下記の式(I)で表される
コポリマー及び/又は式(II)で表されるホモポリマー
等のカルボン酸系ポリマーを配合することが好ましい。
なおコポリマーは一般的にランダム重合である。
(式中、Zは炭素数1〜8のオレフィン、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、メタリルスルホン酸等であ
って、(無水)マレイン酸、又はマレイン酸塩と共重合
可能なモノマーを表し、m及びnはコポリマーの分子量
が数百〜10万を示すような値である。MはNa、K、N
H4、アミン、Hである。) (式中、pは単独重合可能なモノマーであり、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸等がその例である。qは
ホモポリマーの分子量が数百〜10万を示すような値であ
る。ホモポリマーはNa、K、NH4塩となっている。) これらのカルボン酸系ポリマーの中でアクリル酸−マ
レイン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩(Na、K、
NH4等)が特に優れている。分子量は1000〜8000が好ま
しく、2000以上であって且つカルボキシル基を10個以上
有するものがさらに好ましい。
上記カルボン酸系ポリマー以外に、ポリグリシジル酸
塩等のポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセル
ロース誘導体並びにポリアスパラギン酸塩等のアミノカ
ルボン酸系のポリマーも使用することができる。
式(I)のコポリマー及び/又は式(II)のホモポリ
マーの配合量は、洗剤組成物中に、それぞれ好ましくは
1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%である。
(C)成分の水溶性塩類としては、炭酸根、炭酸水素
根、硫酸根、亜硫酸根、硫酸水素根、リン酸根、ハロゲ
ン化物等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミ
ン塩に代表される水溶性の無機塩類や、クエン酸塩やフ
マル酸塩等の低分子量の水溶性有機酸塩類を挙げること
が出来る。これらの中で、炭酸根、硫酸根、亜硫酸根が
好ましい。該無機塩はベース顆粒群調製後さらに水との
反応により水和熱、溶解熱を生じることで洗剤粒子中の
気泡を熱膨張させ、粒子の自己崩壊を促進することから
好ましい。
ここで、炭酸ナトリウムは洗濯液中で好適なpH緩衝領
域を示すアルカリ剤として好ましい。炭酸ナトリウム以
外のアルカリ剤としては、非晶質および結晶質の珪酸塩
がある。非晶質の珪酸塩(水ガラス)は、アルカリ剤と
して広く洗剤用原料として用いられているが、ベース顆
粒の水不溶性無機物としてアルミノ珪酸塩を用いた場合
には、非晶質の珪酸塩(水ガラス)を配合すると、難溶
性の不溶物塊を形成する性質があり、基剤の種類や配合
量に十分注意を払わなければならない。
また、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、亜硫酸ナトリ
ウム等の解離度の高い塩類は、洗濯液のイオン強度を高
め、皮脂汚れ洗浄等に好適に使用される。また、亜硫酸
等は水道水中に含有されている次亜塩素イオンを還元
し、酵素や香料等の洗剤成分の、次亜塩素イオンによる
酸化劣化を防止する効果があり重要である。また、金属
イオン封鎖能やアルカリ能に優れたビルダーであるトリ
ポリリン酸ナトリウムの使用も、本発明の効果を妨げる
ものではない。また、低分子量の水溶性有機塩として
は、金属イオン封鎖能を期待してpKCa2+が大きく、及び
/又はカチオン交換容量の大きい基剤が好ましい。クエ
ン酸塩の他、メチルイミノジ酢酸塩、イミノジコハク酸
塩、エチレンジアミンジコハク酸塩、タウリンジ酢酸
塩、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸塩、β−アラニンジ
酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシ
ンジ酢酸塩、グルタミン酸ジ酢酸塩、アスパラギンジ酢
酸塩、ゼリンジ酢酸塩等を挙げることが出来る。ここで
洗浄力の点から、タウリンジ酢酸塩、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、ヒドロキシイ
ミノジコハク酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、グルタミ
ン酸ジ酢酸塩、アスパラギン酢酸塩、ゼリンジ酢酸塩が
好ましい。
また、硫酸値、亜硫酸根等の炭酸根とは異なる陰イオ
ンやカリウムやアンモニウム等のナトリウムとは異なる
陽イオンをベース顆粒中に混在させると、耐ケーキング
性の点で効果がある。また、アルキルベンゼンスルホン
酸塩等の陰イオン性界面活性剤を5〜25重量%配合して
も同様の効果が発揮される。
ベース顆粒の組成としては、成分(A)の水不溶性無
機物は20〜90重量%が好ましくは、30〜75重量%がより
好ましく、40〜70重量%が最も好ましい。成分(B)の
水溶性ポリマーは2〜30重量%が好ましく、3〜20重量
%がより好ましく、5〜20重量%が最も好ましい。成分
(C)の水溶性塩類は5〜78重量%が好ましく、10〜70
重量%がより好ましく、10〜67重量%がさらに好まし
く、20〜60重量%が特に好ましく、20〜55重量%が最も
好ましい。これらの範囲内であれば、ベース顆粒はその
表面近傍が水溶性成分で被覆された構造をとる上で好適
であり、粒子表面の被覆層が十分に形成され、粒子強度
が十分となる。また、洗剤組成物の溶解性の点でも好ま
しい。
また、ベース顆粒中にこれら(A)〜(C)の3成分
以外に、界面活性剤や、洗剤組成物に好適な蛍光染料、
顔料、染料等の補助成分を含んでも構わない。
所望の粒子強度、嵩密度を得るために、界面活性剤は
本質的にはベース顆粒の必須成分として必要ではない
が、後述の第5項の工程(a)で調製するスラリー中へ
添加することにより工程(b)での乾燥効率の向上のた
めに添加してもよい。添加量としてはスラリー中に10重
量%以下が好ましく、1〜10重量%がより好ましくは、
2〜8重量%が最も好ましい。なお、これらの配合量は
スラリーの固形分を基準にした値である。
ベース顆粒の担持能が高ければ高いほど、多くの界面
活性剤を添加してもなお高速溶解性が発現され易い。
ベース顆粒の担持能を向上させる因子としては、例え
ば、(A)成分の水不溶性無機物に担持能(吸油能)の
大きい基剤を用いることが挙げられる。好適な基剤は、
例えば、A型ゼオライトであり、金属イオン封鎖能及び
経済性の点でも好ましい。ここで、A型ゼオライトの、
JIS K 5101法による吸油能の値は40〜50mL/100gであ
る(例えば、商品名:トヨビルダー;東ソー(株)社製
が挙げられる。)。その他、P型(例えば商品名Doucil
A24やZSE064等;Crosfield社製;吸油能60〜150mL/100
g)やX型(例えば商品名:WessalithXD;Degussa社製;
吸油能80〜100mL/100g)が挙げられる。また、金属イオ
ン封鎖能は低いが、高い吸油能を有する非晶質シリカや
非晶質アルミノシリケート等も水溶性無機物として用い
ることが出来る。例えば特開昭62−191417号公報第2頁
右下欄第19行〜第5頁左上欄第17行(特に初期温度は15
〜60℃の範囲が好ましい。)、特開昭62−191419号公報
第2頁右下欄第20行〜第5頁左下欄第11行(特に吸油量
は170mL/100gが好ましい。)に記載の非晶質アルミノシ
リケートや、特開平9−132794号公報第17欄第46行〜第
18欄第38行、特開平7−10526号公報第3欄第3行〜第
5欄第9行、特開平6−227811号公報第2欄第15行〜第
5欄第2行、特開平8−119622号公報第2欄第18行〜第
3欄第47行に記載されている非晶質アルミノシリケート
(吸油能285mL/100g)等を挙げることが出来る。例え
ば、トクシールNR(徳山ソーダ(株)社製:吸油能210
〜270mL/100g)、フローライト(同:吸油能400〜600mL
/100g)、TIXOLEX25(韓仏化学社製:吸油能220〜270mL
/100g)、サイロピュア(富士ディビソン(株)社製:
吸油能240〜280mL/100g)等の吸油担体を用いることが
出来る。特に吸油担体としては特開平5−5100号公報第
4欄第34行〜第6欄第16行(特に、第4欄第43〜49行の
吸油担体)や特開平6−179899号公報第12欄第12行〜第
13欄第17行、第17欄第34行〜第19欄第17行に記載の性質
を持つものが好適である。
本発明においては、これらの水不溶性無機物は、単独
でも、数種のものを組み合わせても良い。これらの中
で、長期間の保存を経ても高い溶解性を維持する(変質
しない)観点から、Si/Al(モル比)が4.0以下、好まし
くは3.3以下のアミノ珪酸塩が好ましい。
3.ベース顆粒の偏在性 ベース顆粒の偏在性の確認方法として、例えばフーリ
エ変換赤外分光法(FT−IR)や光音響分光法(PAS)を
併用する方法(「FT−IR/PAS」と略記する。)を用いる
ことができる。FT−IR/PASはAPPLIED SPECTROSCOPY v
ol.47 1311−1316(1993)に記載されているように、
試料の表面から深さ方向における物質の分布状態を確認
することができる。
本発明に用いられるベース顆粒の構造の特定するため
の測定方法を以下に例示する。
2種類の状態の異なるベース顆粒をセルに充填してFT
−IR/PAS測定を行い、それを比較することによりベース
顆粒の構造を特定することができる。つまり、1つはベ
ース顆粒を目的の構造を保持した状態でFT−IR/PAS測定
を行い、比較試料はメノウ乳鉢等で十分に粉砕して均一
な状態にしたベース顆粒のFT−IR/PAS測定を行う。FT−
IR/PASの測定は例えばBio−Rad Laboratories社製FTS
−60A/896型赤外分光光度計を用い、PASセルとしてMTEC
社製300型光音響検出器を使用して行う。測定条件は分
解能8cm-1、スキャン速度0.63cm/s、積算128回とする。
この測定条件はベース顆粒の表面から約10μmまでの情
報が含まれている。ベース顆粒のPASスペクトルにおい
て、例えば、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム、ゼオ
ライト、ポリアクリル酸ナトリウムの特性ピークをそれ
ぞれ1434cm-1(CO3 2-の縮重伸縮振動)、1149cm-1(SO4
2-の縮重伸縮振動)、1009cm-1(Si−O−Siの逆対称伸
縮振動)、及び1576cm-1(CO2 -の逆対称伸縮振動)とし
て、そのピークの面積強度を読み取る。ベース顆粒の構
造を保持した状態で測定した場合と粉砕して均一な状態
で測定した場合のそれぞれについて求めたゼオライトの
特性ピークに対する炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウム等
の水溶性塩類の特性ピークの相対面積強度及びゼオライ
トの特性ピークに対する水溶性ポリマーの特性ピークの
相対面積強度を比較することによってベース顆粒の構造
上の特徴を特定することができる。具体的には、内部よ
りも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類を
多く含有すると共に表面近傍よりも内部に水不溶性無機
物を多く含有するという偏在性を証明することが可能で
ある。
ベース顆粒に関しては、成分の偏在性構造を保持した
状態で測定した場合のゼオライトの特性ピークに対する
相対面積強度は、粉砕して均一な状態として測定した場
合のゼオライトの特性ピークに対する相対面積強度に対
してその比を求めると、水溶性塩類に関しては1.1以
上、好ましくは1.3以上であり、水溶性ポリマーについ
ては1.3以上、好ましくは1.5以上である。これらの相対
面積強度を有する場合に、偏在性構造を有すると言え
る。
即ち、表面近傍に炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等
の水溶性塩類及びポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性
ポリマーの含有量が相対的に多く、より内部ではゼオラ
イト等の水不溶性無機物の含有量が相対的に多い本発明
のベース顆粒の構造上の特徴がFT−IR/PAS測定によって
確認できる。
ベース顆粒をそのままの状態又は均一にすり潰した状
態でFT−IR/PASを測定し、ゼオライトのピーク強度で規
格化した結果を第1図に例示する。第1図から、ベース
顆粒をそのままの状態で測定した場合のゼオライトに対
する炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムの相対面積強度及
びゼオライトに対するポリアクリル酸ナトリウムの相対
面積強度が粉砕して均一な状態にして測定した場合の相
対面積強度より高くなることがわかる。尚、第1図に例
示したベース顆粒は、後述の実施例に示した本発明品の
ベース顆粒1を用いた。
ベース顆粒の構造解析法のその他の例として、エネル
ギー分散型X線分光法(EDS)や電子プローブ微小部分
析法(EPMA)を用いることができる。これらの解析方法
は、試料面を電子線で走査することによって元素の2次
元分布を解析することができる。
例えば、エネルギー分散型X線分析装置としては、日
立製 S−4000形電解放射形走査電子顕微鏡等のSEMに
付属したホリバ製作所製 EMAX 3770を用いることがで
きる。ベース顆粒中に水溶性塩類及び水不溶性無機物及
び水溶性ポリマーが含まれる場合には、ベース顆粒粒子
を樹脂で包埋し、ミクロトームで切り出したベース顆粒
粒子の切断面のC、O、Na、Al、Si、S等について測定
した元素の分布状態は、粒子断面の外側にNa、Sが多
く、中心部にAl、Siが多い元素分布となり、表面近傍に
水溶性塩類を多く含有し、中心部に水不溶性無機物を多
く含有するベース顆粒の構造を確認することができる。
第2図〜第6図に本発明に用いられるベース顆粒のSE
M像及びNa、Al、Si、SについてのEDS測定結果を例示す
る。尚、例示したベース顆粒は実施例のベース顆粒1で
ある。
第3図〜第6図から明らかなように、ベース顆粒は、
粒子表面近傍(粒子切断面においては外周付近)に水溶
性塩類である炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムの特徴
的な構成元素であるNa、Sの分布が多く、粒子の中心部
に水不溶性無機物であるゼオライトの特徴的な構成元素
であるAl、Siが多く分布していることがわかる。第3図
〜第6図において元素の分布の多い部分は明度が高い。
4.単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群とベース顆粒 本発明の洗剤粒子群は高速溶解性の観点より単核性洗
剤粒子を含有することが好ましい。「単核性洗剤粒子」
とは、ベース顆粒に界面活性剤が担持された洗剤粒子で
あって、1個の洗剤粒子の中に1個のベース顆粒を核と
して有する洗剤粒子をいう。
単核性を表現する因子として、式(2)で定義される
粒子成長度を用いることができ、好ましくは1.5以下、
さらに好ましくは1.3以下である。
粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒子)/(ベー
ス顆粒群の平均粒径) ・・・式(2) 最終の洗剤粒子群とは、ベース顆粒群に界面活性剤を
担持させた後の洗剤粒子群の平均粒径、又は該粒子群に
表面改質処理を施した洗剤粒子群のことをいう。
本発明において、ベース顆粒に担持させる界面活性剤
としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤の1種また
は組み合わせを挙げることが出来るが、好ましくは陰イ
オン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤である。
陰イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜18のアル
コールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアルコールの
アルコキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィ
ンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩又は脂肪酸塩が好ましい。本発明
では特に、アルキル鎖の炭素数が10〜14の、より好まし
くは12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ま
しく、対イオンとしては、アルカリ金属塩やアミン類が
好ましく、特にナトリウム及び/又はカリウム、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミンが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレ
ンアルキル(炭素数8〜20)エーテル、アルキルポリグ
リコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜
20)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタ
ン脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリオキシアルキ
レングリコール脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ
ー、や下記式(III)で表されるポリオキシアルキレン
アルキロール(炭素数8〜22)アミドが好ましい。
(式中、R1は平均炭素数7〜19の飽和または不飽和の炭
化水素基を表し、R2、R3はそれぞれ独立してHまたはメ
チル基を表し、JOはオキシエチレン基またはオキシプロ
ピレン基またはそれらの混合物であるオキシアルキレン
基を表し、xはオキシアルキレン基の平均付加モル数を
表し、0.5≦x≦10である。) 特に、非イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜18
のアルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシド
等のアルキレンオキシドを4〜20モル付加した〔HLB値
(グリフィン法で算出)が10.5〜15.0、好ましくは11.0
〜14.5であるような〕ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテルや前記式(III)で表されるポリオキシアルキレ
ンアルキロールアミドの中で、R1が平均炭素数11〜13の
飽和の炭化水素基、R2、R3がH基、xが1≦x≦5が好
ましい。
本発明に用いられるベース顆粒群に担持させる界面活
性剤の量は、洗浄力を発揮させる点から、ベース顆粒群
100重量部に対して5〜80重量部が好ましく、5〜60重
量部がより好ましく、10〜60重量部がさらに好ましく、
20〜60重量部が特に好ましい。ここで、陰イオン性界面
活性剤の担持量は1〜60重量部が好ましく、1〜50重量
部がより好ましく、3〜40重量部が特に好ましい。非イ
オン性界面活性剤の担持量は1〜45重量部が好ましく、
1〜35重量部がより好ましく、4〜25重量部が好まし
い。陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤は単
独で用いることもできるが、好ましくは、混合して用い
るのが良い。また、両性界面活性剤や陽イオン性界面活
性剤を目的に合わせ併用することも出来る。ここでいう
界面活性剤の担持量とは、後述する第5.1項の工程
(a)でのスラリー調製時に界面活性剤が添加される場
合、その界面活性剤の添加量を含まないものである。
本発明に用いられるベース顆粒群の好適な物性として
は、以下の通りである。
4.1 ベース顆粒群の物性 4.1.1 嵩密度:400〜1000g/リットル、好ましくは500〜
800g/リットル。嵩密度は、JIS K 3362により規定さ
れた方法で測定する。この範囲において、洗剤粒子群の
嵩密度が500g/リットル以上で良好な高速溶解性を有す
るものが得られる。
4.1.2 平均粒径:150〜500μm、好ましくは180〜300μ
m。平均粒径は、JIS K 8801の標準篩(目開き2000
〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイ
ズによる重量分率からメジアン径を算出する。
4.1.3 粒子強度:50〜2000kg/cm2の範囲であり、好まし
くは100〜1500kg/cm2、特に好ましくは150〜1000kg/cm2
である。この範囲において、ベース顆粒群が良好な崩壊
性を呈し、良好な高速溶解性を有する洗剤粒子群が得ら
れる。
粒子強度の測定法は、以下の通りである。
内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に、試料20gを入
れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)、TVP1型タ
ッピング式密充填カサ密度測定器、タッピング条件;周
期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行い、その時
の試料高さ(初期試料高さ)を測定する。その後、加圧
試験機にて容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/m
inの速度で加圧し、荷重−変位曲線の測定の行い、変位
率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さを
かけ、加圧面積で除した値を粒子強度とする。
4.1.4 担持能:20mL/100g以上、好ましくは40mL/100g以
上。この範囲において、ベース顆粒同士の凝集が抑制さ
れ、洗剤粒子群中の粒子の単核性を維持するのに好適で
ある。
担持能の測定法は、下記の通りである。
内部に攪拌翼を備えた内径約5cm×約15cmの円筒型混
合槽に試料100gを入れ、350rpmで攪拌しながら25℃で亜
麻仁油を約10mL/minの速度で投入する。攪拌動力が最も
高くなった時の亜麻仁油の投入量を担持能とする。
4.1.5 水分:水分が20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、特に好ましくは5重量%以下。この範囲におい
て、良好な物性のベース顆粒群が得られる。
水分の測定法は、下記の通りである。
秤量皿に試料3gを入れ、電気乾燥器で105℃で2時間
乾燥させる。乾燥後の試料を秤量する。乾燥前後の試料
の重量から水分含量を算出し、百分率で表す。
4.2 単核性洗剤粒子を含有する洗浄粒子群の物性 4.2.1 単核性 単核性は下記(a)法、(b)法、(c)法のうち少
なくとも一つの方法により確認できる。
(a)法:洗剤粒子群の平均粒径付近から任意にサンプ
リングした洗剤粒子を切断し、洗剤粒子内におけるベー
ス顆粒の有無及びその個数を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察することによって洗剤粒子の単核性を確認する方
法。第7図に例示したSEM写真は、後述の実施例に記載
した本発明のベース顆粒1を用いて調製した洗剤粒子の
切断面について観察したSEM像である。第7図から明ら
かなように、本発明の洗剤粒子群に含有される洗剤粒子
は、ベース顆粒を核としてなる単核性の洗剤粒子である
ことがわかる。
(b)法:洗剤粒子内のベース顆粒中の水溶性ポリマー
を溶解しない有機溶媒(例えば、ベース顆粒中に、水溶
性ポリマーとしてポリアクリル酸塩、界面活性剤として
陰イオン性界面活性剤(LAS)や非イオン性界面活性剤
が存在する場合、エタノールを好適に用いることができ
る)により、洗剤粒子中の有機溶媒可溶分を抽出し、そ
の後の有機溶媒不溶分をSEM観察によって観察する方
法。即ち、1個の洗剤粒子を上記有機溶媒で処理して得
た有機溶媒不溶分に1個のベース顆粒が存在する場合、
単核性の洗剤粒子であることがわかる。
(c)法:樹脂で包埋した洗剤粒子の切断面の2次元の
元素分布をEDSやEPMAによって検出することによって洗
剤粒子の単核性を確認する方法。
4.2.2 高速溶解性 本発明の単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群は高速
溶解性を有する。本発明において、単核性洗剤粒子の高
速溶解性は、60秒間溶解率又は30秒間溶解率で評価する
ことができる。
本発明において洗剤粒子群の60秒間溶解率についての
高速溶解性とは、以下の方法で算出される洗剤粒子群の
溶解率が90%以上であることをいう。該溶解率としては
94%以上が好ましく、97%以上がより好ましい。
前述の試験攪拌条件をより具体的に説明する。5℃に
冷却した71.2mgCaCO3/リットルに相当する1リットルの
硬水(Ca/Mgモル比7/3)を1リットルビーカー(内径10
5mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1リット
ルガラスビーカー)の中に満たし、5℃の水温をウォー
ターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、
直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロンSA(丸型
細型))にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる
回転数(800rpm)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなる
ように縮分・秤量した洗剤粒子群を攪拌下に水中に投入
・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中
の洗剤粒子群分散液を、重量既知のJIS Z 8801に規
定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩
上に残留した含水状態の洗剤粒子群を篩と共に重量既知
の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収する
までの操作時間を10±と2秒とする。回収した洗剤粒子
群の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾
燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25
℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、乾燥した洗
剤の溶残物と篩と回収容器の合計の重量を測定し、式
(1)によって洗剤粒子群の溶解率(%)を算出する。
また、本発明において洗剤粒子群の30秒間溶解率につ
いての高速溶解性とは、60秒間溶解率の算出方法におい
て、投入から30秒後に洗剤粒子分散液の濾過を行った場
合に算出される洗剤粒子群の溶解率が82%以上であるこ
とをいう。該溶解率としては85%以上が好ましく、90%
以上がより好ましい。
溶剤の溶解速度が低下する低温水を用いた上記の評価
法においても、本発明において、ベース顆粒を用いた単
核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群は、前記の高い溶解
率を示すものである。本発明の優れた溶解性は、洗浄成
分をより速く洗濯浴中に溶出することによって洗浄力を
向上させる効果を有するのみならず、全自動洗濯機に採
用されている手洗いコース、弱攪拌コース、スピード洗
濯等の低機械力や短時間の洗濯においても洗剤の溶け残
りが発生しない品質上の大きなメリットを持つ。
本発明において得られる単核性洗剤粒子を含有する洗
剤粒子群の好適な物性としては、以下の通りである。
4.2.3 嵩密度:500g/リットル以上であり、500〜1000g/
リットルが好ましく、600〜1000g/リットルが更に好ま
しく、650〜850g/リットルが特に好ましい。嵩密度は、
JIS K 3362により規定された方法で測定する。
4.2.3 平均粒径:150〜500μmであり、180〜300μmが
好ましい。平均粒径は、JIS Z 8801の標準篩(目開
き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目
のサイズによる重量分率からメジアン径を算出する。
4.2.5 流動性:流動時間として10秒以下が好ましく、
8秒以下がより好ましい。流動時間は、JIS K 3362
により規定された嵩密度測定用のホッパーから、10mLの
粉末が流出するのに要する時間とする。
4.2.6 ケーキング性:篩通過率として90%以上が好ま
しく、95%以上がより好ましい。
ケーキング性の試験法は、下記の通りである。濾紙
(ADVANTEC社製No.2)で長さ10.2cm×幅6.2cm×高さ4cm
の天部のない箱を作り、四隅をステープラーでとめた。
この箱に試料50gを入れ、その上にアクリル樹脂板と鉛
板(または鉄板)の合計重量15g+250gをのせた。これ
を温度30℃、湿度80%の恒温恒湿器中に放置し、7日後
又は1カ月後にケーキング状態について判定を行った。
判定は、以下のようにして通過率を求めることによって
行った。
<透過率> 試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760
μm)上に静かにあけ、通過した粉末の重量を計り、試
験後の試料に対する通過率を求める。
通過率(%)=〔通過した粉末の重量(g)/試料全体
の重量(g)〕×100 4.2.7 シミ出し性:以下に示す評価で2ランク以上が
好ましく、1ランクがより好ましい。
シミ出し性の試験法は、ケーキング試験を行った濾紙
の底部(粉体と接していない面)での界面活性剤のシミ
出し状態を目視で評価して行った。シミ出しの評価は、
底部の濡れ面積で判定し、1〜5ランクとする。尚、各
ランクの状態は、下記の通りである。
ランク1:濡れていない。 2:1/4程度の面が濡
れている。
2:1/2程度の面が濡れている。4:3/4程度の面が濡
れている。
5:全面が濡れている。
5.洗剤粒子群の製法 本発明の洗剤粒子群は、以下に記す工程(a)〜工程
(c)を含む工程により製造することができる。
工程(a):水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶
性塩類を含有するスラリーであって、該水溶性ポリマー
及び該水溶性塩類である水溶性成分の60重量%以上が溶
解したスラリーを調製する工程。
工程(b):工程(a)で得られたスラリーを噴霧乾燥
してベース顆粒群を調製する工程。
工程(c):工程(b)で得られたベース顆粒群に界面
活性剤を添加して担持させる工程。
更に、得られる洗剤粒子群の物性・品質をより向上さ
せるために、工程(c)の後に表面改質する工程をさら
に加えることが好ましい。以下に(a)〜(c)の各工
程及び表面改質工程の好ましい態様について記す。
5.1 工程(a)(スラリーの調製工程) 工程(a)はベース顆粒群を調製するためのスラリー
を調製する工程である。本発明に用いられるスラリー
は、ポンプでの送液が可能で非硬化性のスラリーであれ
ばよい。また、成分の添加方法、順序についても状況に
応じて適宜可変である。スラリー中の水不溶性成分
(A)は6〜63重量%、スラリー中の水溶性成分(B、
C)は2.1〜56重量%が好ましい。
工程(b)で得られるベース顆粒群のベース顆粒が本
発明の構造、即ち、その内部よりも表面近傍に水溶性成
分(B、C)が多く存在し、その表面近傍よりも内部に
水不溶性成分(A)が多く存在する構造(成分の偏在性
構造)を有するためには、工程(b)において水溶性成
分(B、C)が、水分の蒸発に伴って粒子表面に移動す
る必要がある。そのためには、該スラリー中での水溶性
成分(B、C)の溶解率が重要な因子になる。即ち、水
溶性成分(B、C)が少なくとも60重量%以上、好まし
くは70重量%以上、より好ましくは85重量%以上、更に
好ましくは90重量%以上が溶解したスラリーを調製する
ことが必要であり、そのために必要なスラリー中の水分
量は一般に好ましくは30〜70重量%、より好ましくは35
〜60重量%、最も好ましくは40〜55重量%が最も好まし
い。水分が少ないと、水溶性成分(B、C)が十分に溶
解していないために、ベース顆粒の表面近傍に存在する
水溶性成分(B、C)の割合が減少する。また、水分が
多過ぎると工程(b)で蒸発させる水分量が多くなるた
め生産性が低下する。
スラリー中の水溶性成分(水溶性ポリマー及び水溶性
塩類)の溶解率の測定法は下記の通りである。スラリー
を減圧濾過し、濾液中の水分濃度(P%)を測定する。
スラリー水分を(Q%)とし、スラリー中の水溶性成分
の濃度を(R%)とする。式(3)によって水溶性成分
の溶解率が算出される。但し、算出される上記溶解率が
100%を超える場合は、溶解率は100%とする。
また、スラリーの温度は通常、好ましくは30〜80℃で
あり、さらに好ましくは40〜70℃である。スラリーの温
度がこの範囲であれば、水溶性成分(B、C)の溶解性
及びポンプでの送液の点で好ましい。
スラリーを形成する方法としては、例えば、最初に水
の全て又は殆ど全てを混合槽に加え、好ましくは水温が
操作温度にほぼ到達した後に、他の成分を逐次又は同時
に添加する。通常の添加順序としては、最初に界面活性
剤、ポリアクリル酸塩等の液状成分を添加し、その後
に、ソーダ灰等の水溶性の粉体原料を添加する。また、
染料等の少量の補助成分も添加する。最後にゼオライト
等の水不溶性成分を添加する。その際に、混合効率を向
上させる目的で、水不溶性成分を2回以上に分割して添
加しても構わない。また、粉体原料を予め混合した後に
これらを水性媒体中に添加しても構わない。また、全成
分添加後に、粘度やスラリー水分を調整するために水を
添加しても構わない。スラリー中に全成分を添加した後
に、好ましくは10分以上、さらに好ましくは30分以上混
合して均質なスラリーを得る。
5.2 工程(b)(ベース顆粒群の調製工程) 工程(b)は工程(a)にて得られたスラリーを乾燥
してベース顆粒群を調製する工程である。スラリーの乾
燥方法としては、ベース顆粒が本発明で特徴とする所望
の気泡を放出し得る気孔を有するため、及び成分の偏在
性構造をとるためには、スラリーを瞬間乾燥することが
好ましく、粒子形状が実質的に球状となる噴霧乾燥が特
に好ましい。噴霧乾燥塔としては向流塔、並流塔の何れ
の形態でも構わないが、熱効率や、ベース顆粒群の粒子
強度が向上することから向流塔がより好ましい。スラリ
ーの微粒化装置としては圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノ
ズル、回転円盤式のいずれの形態でも構わないが、ベー
ス顆粒群の平均粒径が150〜500μm、好ましくは180〜3
00μmであることから、圧力噴霧ノズルが特に好まし
い。
乾燥塔に供給される高温ガスの温度としては通常、好
ましくは150〜300℃、より好ましくは170〜250℃であ
る。この範囲より高いと、連続運転を行った場合に噴霧
乾燥塔内に付着した固形物中の有機物が燃焼を起こし、
トラブルの原因となり得る。また、乾燥塔より排出され
るガスの温度は通常、好ましくは70〜125℃、より好ま
しくは80〜115℃である。この範囲より高いと、乾燥塔
の熱効率が低下する。
5.3 工程(c)(界面活性剤の担持工程) 工程(c)は工程(b)で得られたベース顆粒群に界
面活性剤を担持させる工程である。ベース顆粒群への界
面活性剤の担持方法は、例えば、回分式や連続式の公知
の混合機を用いて行うことができる。また、本発明を回
分式で行う場合は、ベース顆粒群と界面活性剤の混合機
への仕込み方法は、例えば以下のような種々の方法をと
ることができる。尚、(1)〜(3)の方法は、混合機
を運転させながら行う。
(1)混合機に先ずベース顆粒群を仕込んだ後、界面活
性剤を添加する。(2)混合機にベース顆粒群と、界面
活性剤を少量ずつ仕込む。(3)ベース顆粒群の一部を
混合機に仕込んだ後、残りのベース顆粒群と界面活性剤
とを少量ずつ仕込む。
これらの方法の中で、特に上記(1)が好ましい。ま
た、界面活性剤は液体状態で添加することが好ましく、
さらに液体状態の界面活性剤を噴霧して供給することが
好ましい。
界面活性剤の中で、実用上の温度範囲内において昇温
しても固体あるいはペースト状で存在するものについて
は、これらを予め粘性の低い例えば非イオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤水溶液又は水中に分散又は溶
解させて界面活性剤の混合液又は水溶液を調製し、該混
合液又は水溶液の形態でベース顆粒群に添加することが
できる。この方法により、固体あるいはペースト状で存
在する界面活性剤をも容易にベース顆粒群に添加するこ
とができ、更に単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子の製
造に有利である。粘性の低い界面活性剤又は水と固体あ
るいはペースト状の界面活性剤の混合比率は、得られる
混合液又は水溶液が噴霧可能である粘度範囲であれば好
ましく、例えばポリオキシエチレンドデシルエーテルと
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであれば、両者
の比を1:1.4以下の範囲で調整することで、容易に噴霧
可能な界面活性剤混合液を得ることができる。
上記混合液の製法は、例えば、粘性の低い界面活性剤
又は水に固体あるいはペースト状の界面活性剤を投入し
て混合する方法や、粘性の低い界面活性剤中又は水中で
界面活性剤の酸前駆体をアルカリ剤(例えば苛性ソーダ
水溶液や苛性カリ水溶液)で中和することにより界面活
性剤混合液を調製してもよい。
また、この工程において、界面活性剤の添加前、界面
活性剤の添加と同時、界面活性剤の添加途中、または界
面活性剤添加後に陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添
加することも可能である。陰イオン性界面活性剤の酸前
駆体を添加することで、界面活性剤の高配合化、ベース
顆粒群の吸油能コントロール及び洗剤粒子群の非イオン
性界面活性剤のシミ出し抑制、流動性等の物性・品質の
向上が可能となる。
本発明で用いることのできる陰イオン性界面活性剤の
酸前駆体としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン
酸、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸、アルキル又
はアルケニル硫酸、α−オレフィンスルホン酸、α−ス
ルホン化脂肪酸、アルキル又はアルケニルエーテルカル
ボン酸、脂肪酸等が挙げられる。特に脂肪酸を界面活性
剤の添加後に添加することが洗剤粒子群の流動性向上の
観点より好ましい。
陰イオン性界面活性剤の酸前駆体の使用量としては、
ベース顆粒群100重量部に対して0.5〜30重量部が好まし
く、1〜20重量部がさらに好ましい。陰イオン性界面活
性剤の酸前駆体の使用量はこの範囲において、洗剤粒子
群中の粒子の単核性が維持される傾向にあり、従って良
好な高速溶解性を呈する。また、陰イオン性界面活性剤
の酸前駆体の添加方法としては、常温で液体のものは噴
霧して供給することが好ましく、常温で固体のものは粉
末として添加してもよく、溶融させた後噴霧して供給し
てもよい。ただし、粉末で添加する場合は、粉末が溶融
する温度まで混合機中の洗剤粒子群の温度を昇温するの
が好ましい。
工程(c)で好ましく用いられる装置としては、公知
の混合機を用いることができる。例えばヘンシェルミキ
サー(三井三池工機(株)製)、ハイスピードミキサー
(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター
((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研
(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)
製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)
等がある。
好ましい混合機としては、単核性洗剤粒子を多く含有
する洗剤粒子群を製造する観点からベース顆粒に強い剪
断力がかかりにくい(ベース顆粒を崩壊させにくい)装
置であり、界面活性剤の分散効率の観点から混合効率の
よい装置が好ましい。上記の混合機の中で特に好ましく
は、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸
に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサ
ー(横型混合機)でレディゲミキサー、プロシェアミキ
サー等がある。
また、上記の混合機の連続型の装置を用いてベース顆
粒群に界面活性剤を担持させてもよい。また、上記以外
の混合機の連続型の装置として、例えばフレキソミック
ス型((株)パウレック製)、タービュライザー(ホソ
カワミクロン(株)製)等がある。
また、工程において、非イオン型界面活性剤が使用さ
れる場合、この界面活性剤の融点上昇剤となる融点45〜
100℃、分子量1000〜30000の水溶性非イオン性有機化合
物(以下、融点上昇剤という)又はこの水溶液を界面活
性剤の添加前、界面活性剤の添加と同時、界面活性剤の
添加途中、または界面活性剤添加後、あるいは界面活性
剤に予め混合して添加することも可能である。融点上昇
剤を添加することで、ケーキング性、洗剤粒子群中の界
面活性剤のシミ出し性を抑制することができる。本発明
で用いることのできる融点上昇剤としては、例えば、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、プルロニック型非
イオン性界面活性剤等が挙げられる。
融点上昇剤の使用量は、ベース顆粒群100重量部に対
して0.5〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部が好まし
い。この範囲が、洗剤粒子群に含有される洗剤粒子の単
核性の維持、高速溶解性、及びシミ出し性やケーキング
性の抑制の点から好ましい。融点上昇剤の添加方法とし
て、予め界面活性剤と任意の方法で混合して添加するこ
と、または界面活性剤の添加後に融点上昇剤を添加する
ことが洗剤粒子群のシミ出し性やケーキング性の抑制に
有利である。
混合機内の温度は、界面活性剤の融点以上に昇温して
混合を行えば、より好ましい。ここで、昇温させる温度
としては、界面活性剤の担持を促進させるために添加す
る界面活性剤の融点より高ければよいが、実用的な範囲
を挙げると融点を越えて融点より50℃高い温度までが好
ましく、融点より10℃〜30℃高い温度がより好ましい。
また、この工程で陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添
加する場合は、当該陰イオン性界面活性剤の酸前駆体が
反応できる温度に昇温して混合を行えばより好ましい。
好適な洗剤粒子群を得るための回分式の混合時間、及
び連続式の混合における平均滞留時間は、1〜20分間が
好ましく、2〜10分間が更に好ましい。
また、界面活性剤の水溶液や水溶性非イオン性有機化
合物水溶液を添加した場合には余剰の水分を混合中及び
/又は混合後に乾燥する工程を有してもよい。
界面活性剤の添加前、界面活性剤の添加と同時、界面
活性剤の添加途中、または界面活性剤添加後に粉末の界
面活性剤及び/又は粉末ビルダーを添加することも可能
である。粉末ビルダーを添加することで、洗剤粒子群の
粒子径をコントロールすることができ、また洗浄力の向
上を図ることができる。特に陰イオン性界面活性剤の酸
前駆体を添加する場合は該酸前駆体を添加する前にアル
カリ性を呈する粉末ビルダーを添加することが中和反応
を促進する観点から有効である。尚、ここで言う粉末ビ
ルダーとは、界面活性剤以外の粉末の洗浄力強化剤を意
味し、具体的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イ
オン封鎖能を示す基剤や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性珪酸塩等の金属イ
オン封鎖能・アルカリ能いずれも有する基剤、その他硫
酸ナトリウム等のイオン強度を高める基剤等を指す。
また、特開平5−279013号公報第3欄第17行〜第6欄
第24行(特に、500〜1000℃で焼成して結晶化させたも
のが好ましい。)、特開平7−89712号公報第2欄第45
行〜第9欄第34行、特開昭60−227895号公報第2頁右下
欄第18行〜第4頁右上欄第3行(特に第2表の珪酸塩が
好ましい。)に記載の結晶性珪酸塩を粉末ビルダーとし
て用いることができる。ここで、アルカリ金属珪酸塩の
SiO2/M2O(但しMはアルカリ金属を表す。)が0.5〜3.2
好ましくは1.5〜2.6のものが好適に用いられる。
当該粉末ビルダーの使用量としては、ベース顆粒群10
0重量部に対して0.5〜12重量部が好ましく、1〜6重量
部がさらに好ましい。当該洗剤用粉末ビルダーの使用量
はこの範囲において、洗剤粒子群に含有される洗剤粒子
の単核性を維持し、良好な高速溶解性を得られ、また、
粒子径のコントロールも好適である。
5.4 表面改質工程 本発明においては、工程(c)により界面活性剤を担
持させた洗剤粒子群の粒子表面を改質するために、添加
時の形態として以下の(1)微粉体、(2)液状物のよ
うな種々の表面被覆剤を添加する表面改質工程を一工程
あるいは二工程重複して行ってもよい。
本発明の洗剤粒子群の粒子表面を被覆すると、洗剤粒
子群の流動性と非ケーキング性が向上する傾向がある。
表面改質工程は好ましい。表面改質工程で使用される装
置は得に限定されず、公知の混合機を用いることができ
るが、前述の工程(c)で例示した混合機が好ましい。
以下に表面被覆剤についてそれぞれ説明する。
(1)微粉体 一次粒子の平均粒径が10μm以下であることが好まし
く、0.1〜10μmであることがより好ましい。平均粒径
がこの範囲において、洗剤粒子群の粒子表面の被覆率が
向上し、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の
観点から好適である。当該微粉体の平均粒径は、光散乱
を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀
場製作所(株)製)、または顕微鏡観察による測定等で
測定される。また、該微粉体が高いイオン交換能や高い
アルカリ能を有していることが洗浄面から好ましい。
該微粉体としては、アルミノ珪酸塩が望ましく、結晶
性、非晶質の何れでも構わない。アルミノ珪酸塩以外で
は、硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、ベ
ントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結
晶性シリケート化合物等のシリケート化合物のような微
粉体も好ましい。また、一次粒子が0.1〜10μmの金属
石鹸、粉末の界面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)や
水溶性有機塩も同様に用いることができる。結晶性シリ
ケート化合物を用いる場合、吸湿や吸炭酸ガスによる結
晶性シリケートの凝集等による劣化を防ぐ目的から、結
晶性シリケート化合物以外の微粉体と混合して用いるこ
とが好ましい。
微粉体の使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対
して0.5〜40重量部が好ましく、1〜30重量部がより好
ましく、2〜20重量部が特に好ましい。当該微粉体の使
用量はこの範囲において、流動性が向上し、消費者に良
好な使用感を与える。
(2)液状物 液状物としては、水溶性ポリマーや脂肪酸等が挙げら
れ、水溶液や溶融状態で添加することができる。
(2−1)水溶性ポリマー 水溶性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、
アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポ
リカルボン酸塩等が挙げられる。当該水溶性ポリマーの
使用量としては、洗剤粒子群100重量部に対して0.5〜10
重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、2〜
6重量部が特に好ましい。当該水溶性ポリマーの使用量
はこの範囲において、洗剤粒子群に含有される洗剤粒子
の単核性を維持し、良好な高速溶解性を得られつつ、良
好な流動性、耐ケーキング性を示す粉体を得ることがで
きる。
(2−2)脂肪酸 脂肪酸としては、例えば、炭素数10〜22の脂肪酸等が
挙げられる。当該脂肪酸の使用量としては、単核性洗剤
粒子を含有する洗剤粒子群100重量部に対して0.5〜5重
量部が好ましく、0.5〜3重量部が特に好ましい。常温
で固体のものの場合は、流動性を示す温度まで加温した
後に、噴霧して供給することが好ましい。
6.多核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群 本発明の洗剤粒子群は多核性洗剤粒子を含有すること
ができる。多核性洗剤粒子は、前述の第4項の単核性洗
剤粒子を構成するベース顆粒を凝集させたものでも、又
は溶性塩類、例えば炭酸ナトリウム等を核として凝集さ
せて構成したものでも良く、所定の大きさの気泡が発生
し得るものが好ましい。特に、上述の単核性洗剤粒子を
構成するベース顆粒を用いることにより、ベース顆粒の
偏在性も寄与し、高速溶解性がさらに向上される。その
ため、そのベース顆粒は上述の単核性洗剤粒子における
ベース顆粒を用いることができ、ベース顆粒に担持し得
る界面活性剤も上述の単核性洗剤粒子における界面活性
剤を用いることができる。また、界面活性剤の量を増や
すことにより、多核性洗剤粒子を容易に形成することが
できる。なお、重曹や過炭酸塩等の発泡剤を用い、ベー
ス顆粒間の溶解促進を助長させても良い。
7.多核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群の物性 本発明の洗剤粒子群は高速溶解性を有する。本発明で
定義する洗浄粒子群の高速溶解性とは、前述の第4.2.2
項の方法で確認される。また、本発明の洗剤粒子群は、
単核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群と同様の高い溶解
率を示し、従来の洗剤の溶解性より高速溶解性を有す
る。
また、嵩密度、平均粒径、流動性、ケーキング性及び
シミ出し性については、第4.2.3〜4.2.7項における単核
性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群の場合と同様の物性を
示すことが好ましい。
8.洗剤組成物 本発明の洗剤組成物は、(a):単核性洗剤粒子を含
有する洗剤粒子群及び/又は多核性洗剤粒子を含有する
洗剤粒子群、並びに(b):前記(a)成分以外に別途
添加された洗剤成分(例えば、蛍光染料、酵素、香料、
消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)を含有する。
この場合において、洗剤組成物は単核性洗剤粒子及び
/又は本発明の多核性洗剤粒子を含有する洗剤粒子群を
洗剤組成物中に好ましくは50重量%以上、さらに好まし
くは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有す
る。これにより高速溶解性を有する洗剤組成物を提供す
ることができる。
かかる洗剤組成物においては、洗剤組成物が水に溶解
する過程において、洗剤組成物を構成する粒子の粒子径
の1/10以上の径の気泡を該粒子の内部から放出して溶解
する、洗剤組成物を構成する粒子が、全ての洗剤組成物
を構成する粒子中に好ましくは30重量%以上、より好ま
しくは50重量%以上を、さらに好ましくは80重量%以上
を占める。
本発明の洗剤組成物は高速溶解性を有するが、その高
速溶解性は、前述の第4.2.2項に記載した方法(この場
合において「洗剤粒子群」を「洗剤組成物」と読み替え
る)により確認することができる。
実施例 ベース顆粒の調製 下記の手順にてベース顆粒群1を作製した。
水465kgを攪拌翼を有した1m3の混合槽に加え、水温が
55℃に達した後に、50重量%のドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム水溶液48kg、40重量%のポリアクリル酸
ナトリウム水溶液135kgを添加した。15分間攪拌した後
に、炭酸ナトリウム120kg、硫酸ナトリウム60kg、亜硫
酸ナトリウム9kg、染料3kgを添加した。更に15分間攪拌
した後に、ゼオライト300kgを添加し、30分間攪拌して
均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は58℃
であった。また、このスラリー中の水分は50重量%であ
り、水溶性成分(ポリアクリル酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム)の溶解率
は100%であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力
噴霧ノズルから噴霧圧力25kg/cm2で噴霧を行った。噴霧
乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が225℃で
供給され、塔頂より105℃で排出された。得られたベー
ス顆粒群1の組成及び物性を表1に示す。又、ベース顆
粒群1について、粒子径及び粒子内部の気孔径を測定し
た際の切断面のSEM像の一例を第8図に示す。尚、ベー
ス顆粒群1に関しては、気孔径が粒子径の1/10〜4/5で
ある気孔が88%の粒子において確認された(尚、上記88
%の粒子における気孔径/粒子径の平均値は3.1/5であ
った。)。
同様の手法を用いてベース顆粒群2〜4を作製した。
各ベース顆粒群の組成及び物性を表1に示す。又、ベー
ス顆粒群2〜4それぞれについて粒子径及び粒子内部の
気孔径を測定した際の切断面のSEM像の一例を第9図〜
第11図に示す。ベース顆粒群2に関しては、気孔径が粒
子径の1/10〜4/5である気孔が85%の粒子において確認
された(尚、上記85%の粒子における気孔径/粒子径の
平均値は2.2/5であった。)。ベース顆粒群3に関して
は、気孔径が粒子径の1/10〜4/5である気孔が91%の粒
子において確認された(尚、上記91%の粒子における気
孔径/粒子径の平均値は1.3/5であった。)。ベース顆
粒群4に関しては、気孔径が粒子径の1/10〜4/5である
気孔が72%の粒子において確認された(尚、上記72%の
粒子における気孔径/粒子径の平均値は3.4/5であっ
た。)。
また、これらのベース顆粒群をFT−IR/RAS、SEM観
察、EDSにて解析したところ、粒子内側にゼオライトの
比率が高く、水溶性ポリマー及び水溶性塩類は粒子表面
近くに多く存在した被覆型の粒子構造を有していること
が確認された。
実施例1 ベース顆粒群1に表2に記載の比率にて界面活性剤を
添加して担持させることにより、本発明の洗剤粒子群を
得た。表2記載の非イオン界面活性剤23重量部を50℃に
なるように加熱した。次に、レディデミキサー(松坂技
研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記ベース顆
粒群100重量部を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー
(4000rpm)の攪拌を開始した。尚、ジャケットに60℃
の温水を10L/分で流した。そこに、上記非イオン性界面
活性剤を2分間で投入し、その後4分間攪拌を行い排出
した。
得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
洗剤粒子群の中空性を測定した結果、86%の粒子にお
いて気孔径が粒子径の1/10〜4/5である気孔が存在し
た。
更に洗剤粒子群の溶解挙動をデジタルマイクロスコー
プで観察した結果、87%の粒子から粒子径の1/10以上の
径の気泡が放出されたことが確認された(尚、上記87%
の粒子から放出された気泡径/粒子径の平均値は3.0/5
であった。)。更にこの洗剤粒子群の表面に10重量部の
結晶性アルミノ珪酸塩で表面被覆を行った。得られた洗
剤粒子群の物性は、溶解性を保持し、流動性が改善され
た。
実施例2 ベース顆粒群1に予め表2記載のポリエチンレグリコ
ールを混合した非イオン性界面活性剤溶液を添加して本
発明の洗剤粒子群を得た。
表2記載の非イオン性界面活性剤21重量部とポリエチ
レングリコール2重量部を70℃になるように加熱混合
し、混合液を作製した。次に、実施例1と同じミキサー
に上記ベース顆粒群100重量部を投入し、主軸(150rp
m)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始した。尚、ジ
ャケットに75℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記
混合液を2分間で投入し、その後4分間攪拌を行った。
更に、この洗剤粒子群の粒子表面に10重量部の結晶性ア
ミノ珪酸塩で表面被覆を行った。
得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
洗剤粒子群の中空性を測定した結果、87%の粒子にお
いて気孔径が粒子径の1/10〜4/5である気孔が存在し
た。洗剤粒子群について粒子径及び粒子内部の気孔径を
測定した際の切断面のSEM像の一例を第12図に示す。
尚、洗剤粒子群の溶解挙動を実施例1と同様に観察し
た結果、89%の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡が
放出されることが確認された(尚、上記89%の粒子から
放出された気泡径/粒子径の平均値は2.8/5であっ
た。)。また、ポリエチレングリコールを配合したこと
で、洗剤粒子群の耐ケーキング性が更に向上し、ノニオ
ン活性剤のシミ出しが更に抑制された。
実施例3 ベース顆粒群1に表2記載の比率にて界面活性剤等を
添加することにより、本発明の洗剤粒子群を得た。
表2記載の非イオン性界面活性剤15重量部と陰イオン
性界面活性剤15重量部とポリエチレングリコール1重量
部を70℃になるように加熱混合し、混合液を作製した。
次に、上記混合物を3分間で投入し、その後5分間攪拌
を行なうこと以外は実施例2と同様の操作により洗剤粒
子剤を得た。
得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
洗剤粒子群の中空性を測定した結果、90%の粒子にお
いて気孔径が粒子径の1/10〜4/5である気孔が存在し
た。
更に、洗剤粒子群の溶解挙動を実施例1と同様に観察
した結果、88%の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡
が放出されることが確認された(上記88%の粒子から放
出された気泡径/粒子径の平均値は2.7/5であっ
た。)。
実施例4 陰イオン性界面活性剤の添加方法として、陰イオン性
界面活性剤の酸前駆体を用い、該酸前駆体と混合せず非
イオン性界面活性剤を混合機に投入した後、陰イオン性
界面活性剤の酸前駆体(ドデシルベンゼンスルホン酸)
を混合機に投入することにより本発明の洗剤粒子群を得
た。ベース顆粒群はベース顆粒群1を用いた。
表3記載の非イオン性界面活性剤15重量部とポリエチ
レングリコール1重量部を70℃になるように加熱混合
し、混合液を作製した。次に、実施例1と同じミキサー
に上記ベース顆粒群100重量部を投入し、主軸(150rp
m)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始した。尚、ジ
ャケットに75℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記
混合液を2分間で投入し、その後3分間攪拌を行った。
次に45℃に加熱した陰イオン性界面活性剤の酸前駆体15
重量部を2分間で投入し、その後4分間攪拌を行った。
更に、この洗剤粒子群の粒子表面に5重量部の非晶質ア
ルミノ珪酸塩で表面被覆を行った。
得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
洗剤粒子群の中空性を測定した結果、85%の粒子にお
いて気孔径が粒子径の1/10〜4/5である気孔が存在し
た。
更に、洗剤粒子群の溶解挙動を実施例1と同様に観察
した結果、86%の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡
が放出されることが確認された(上記86%の粒子から放
出された気泡径/粒子径の平均値は2.8/5であった)。
実施例5 ベース顆粒群1に表2記載の比率にて界面活性剤等を
添加することにより、本発明の洗剤粒子群を得た。
表2記載の非イオン性界面活性剤20重量部を50℃にな
るように加熱した。次に、実施例1と同じミキサーに上
記ベース顆粒群100重量部を投入し、主軸(150rpm)と
チョッパー(4000rpm)の攪拌を開始した。尚、ジャケ
ットに75℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記非イ
オン性界面活性剤を2分間で投入し、その後4分間攪拌
を行った。次に表2記載のアルカリ性ビルダーを3重量
部投入し、1分間攪拌を行った。その後、表2記載の陰
イオン性界面活性剤の酸前駆体の溶融物(80℃)を投入
し2分間攪拌を行い排出した。更に、この洗剤粒子群の
表面に8重量部の結晶性アルミノ珪酸塩で表面被覆を行
った。
得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
洗剤粒子群の中空性を測定した結果、86%の粒子にお
いて気孔径が粒子径の1/10〜4/5である気孔が存在し
た。
更に、洗剤粒子群の溶解挙動を実施例1と同様に観察
した結果、88%の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡
が放出されたことが確認された(上記88%の粒子から放
出された気泡径/粒子径の平均値は2.9/5であった)。
実施例6 ベース顆粒群としてベース顆粒群1を篩分けし、125
μmと180μmの篩間に分級されたベース顆粒群を用い
た以外は、実施例3と同様の方法にて洗剤粒子群を得
た。
得られた洗剤粒子群の物性を表2に示す。
洗剤粒子の切断面をSEMにて観察したところ、多核性
洗剤粒子の粒子構造を有していることが確認された。ま
た、洗剤粒子群の溶解挙動を実施例1と同様に観察した
結果、68%の粒子から粒子径の1/10以上の径の気泡が放
出されたことが確認された(上記68%の粒子から放出さ
れた気泡径/粒子径の平均値は1.5/10であった。)。
実施例7 実施例3の洗剤粒子群に酵素造粒物を表3記載の比率
にて添加することにより、本発明の洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物の物性を表3に示す。
実施例8 実施例6の洗剤粒子群に酵素造粒物を表3記載の比率
にて添加することにより、本発明の洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物の物性を表3に示す。
なお、表3中の酵素造粒物の酵素はノボ社製のSavina
se 18T type Wであった。
産業上の利用可能性 本発明により、高速溶解性を有する洗剤粒子群及びこ
れを含有する洗剤組成物が提供される。これにより洗浄
成分をより速く洗濯浴中に溶出することによって洗浄力
を向上させる効果を有するのみならず、昨今の全自動洗
濯機に採用されている手洗いコース、弱攪拌コース、ス
ピード洗濯等の低機械力や短時間の洗濯においても洗剤
の溶け残りが発生しない品質上の大きな効果が達成され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 博之 和歌山県和歌山市湊1334番地 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 高名 周治 和歌山県和歌山市湊1334番地 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開2000−96095(JP,A) 特開2000−178593(JP,A) 特開2000−186300(JP,A) 特開2000−192084(JP,A) 特開2000−192096(JP,A) 特開 平11−183199(JP,A) 特開2000−219893(JP,A) 特表 平8−511568(JP,A) 国際公開99/29829(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 17/06 WPIDS(STN) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/
    リットル以上の洗剤粒子群であって、該洗剤粒子群は、
    水に溶解する過程において粒子径の1/10以上の径の気泡
    を粒子内部から放出し得る洗剤粒子を含有し、かつ5℃
    の水に該洗剤粒子群を投入し以下に示す攪拌条件にて60
    秒間攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μ
    m)に供した場合、式(1)で算出される洗剤粒子群の
    溶解率が90%以上である洗剤粒子群。 攪拌条件:1リットルの硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca
    /Mgのモル比7/3)に該洗剤粒子群1gを投入し、1リット
    ルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8
    mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
    きに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量
    (乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
    ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
    る)(g)
  2. 【請求項2】平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/
    リットル以上の洗剤粒子群であって、該洗剤粒子群は、
    水に溶解する過程において粒子径の1/10以上の径の気泡
    を粒子内部から放出し得る洗剤粒子を含有し、かつ5℃
    の水に該洗剤粒子群を投入し以下に示す攪拌条件にて30
    秒間攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μ
    m)に供した場合、式(1)で算出される洗剤粒子群の
    溶解率が82%以上である洗剤粒子群。 攪拌条件:1リットルの硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca
    /Mgのモル比7/3)に該洗剤粒子群1gを投入し、1リット
    ルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8
    mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
    きに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量
    (乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
    ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
    る)(g)
  3. 【請求項3】洗剤粒子群が水不溶性無機物、水溶性ポリ
    マー及び水溶性塩類を含有するベース顆粒に界面活性剤
    を担持させてなる洗剤粒子の集合体であって、該ベース
    顆粒は、その構造においてその内部よりも表面近傍に水
    溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類が多く存在する偏在
    性を有する請求項1又は2記載の洗剤粒子群。
  4. 【請求項4】平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/
    リットル以上の洗剤粒子群であって、洗剤粒子群は、水
    不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有す
    るベース顆粒に界面活性剤を担持させてなる洗剤粒子の
    集合体であって、該ベース顆粒はその構造においてその
    内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性
    塩類が多く存在する偏在性を有し、かつ5℃の水に該洗
    剤粒子群を投入し以下に示す攪拌条件にて60秒間攪拌し
    てJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)に供し
    た場合、式(1)で算出される洗剤粒子群の溶解率が90
    %以上である洗剤粒子群。 攪拌条件:1リットルの硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca
    /Mgのモル比7/3)に該洗剤粒子群1gを投入し、1リット
    ルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8
    mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
    きに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量
    (乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
    ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
    る)(g)
  5. 【請求項5】平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/
    リットル以上の洗剤粒子群であって、洗剤粒子群は、水
    不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有す
    るベース顆粒に界面活性剤を担持させてなる洗剤粒子の
    集合体であって、該ベース顆粒はその構造においてその
    内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性
    塩類が多く存在する偏在性を有し、かつ5℃の水に該洗
    剤粒子群を投入し以下に示す攪拌条件にて30秒間攪拌し
    てJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μm)に供し
    た場合、式(1)で算出される洗剤粒子群の溶解率が82
    %以上である洗剤粒子群。 攪拌条件:1リットルの硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca
    /Mgのモル比7/3)に該洗剤粒子群1gを投入し、1リット
    ルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8
    mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤粒子群の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
    きに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量
    (乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
    ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
    る)(g)
  6. 【請求項6】洗剤粒子群が内部に粒子径の1/10〜4/5の
    径の気孔が存在する洗剤粒子を含有する請求項4又は5
    記載の洗剤粒子群。
  7. 【請求項7】ベース顆粒の組成が、水不溶性無機物20〜
    90重量%、水溶性ポリマー2〜30重量%、および水溶性
    塩類5〜78重量%である請求項4〜6いずれか記載の洗
    剤粒子群。
  8. 【請求項8】洗剤粒子群が単核性洗剤粒子を含有する請
    求項1〜7のいずれか記載の洗剤粒子群。
  9. 【請求項9】以下の工程を有する、請求項1〜8いずれ
    か記載の洗剤粒子群の製法: 工程(a):水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶
    性塩類を含有するスラリーであって、該水溶性ポリマー
    及び該水溶性塩類である水溶性成分の60重量%以上が溶
    解したスラリーを調製する工程、 工程(b):工程(a)で得られたスラリーを噴霧乾燥
    してベース顆粒群を調製する工程、 工程(c):工程(b)で得られたベース顆粒群に界面
    活性剤を添加して担持させる工程。
  10. 【請求項10】請求項1〜8いずれか記載の洗剤粒子群
    を50重量%以上含有してなる洗剤組成物。
  11. 【請求項11】平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g
    /リットル以上の洗剤組成物であって、該洗剤組成物は
    水に溶解する過程において粒子径の1/10以上の気泡を粒
    子内部から放出し得る洗剤粒子を含有し、かつ5℃の水
    に該洗剤組成物を投入し、以下に示す攪拌条件にて60秒
    間攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μ
    m)に供した場合、式(1)で算出される洗剤組成物の
    溶解率が90%以上である洗剤組成物。 攪拌条件:1リットルの硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca
    /Mgのモル比7/3)に該洗剤組成物1gを投入し、1リット
    ルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8
    mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤組成物の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
    きに、篩上の残存する洗剤組成物の溶残物の乾燥重量
    (乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
    ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
    る)(g)
  12. 【請求項12】平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g
    /リットル以上の洗剤組成物であって、該洗剤組成物は
    水に溶解する過程において粒子径の1/10以上の径の気泡
    を粒子内部から放出し得る洗剤粒子を含有し、かつ5℃
    の水に該洗剤組成物を投入し以下に示す攪拌条件にて30
    秒間攪拌してJIS Z 8801規定の標準篩(目開き74μ
    m)に供した場合、式(1)で算出される洗剤組成物の
    溶解率が82%以上である洗剤組成物。 攪拌条件:1リットルの硬水(71.2mgCaCO3/リットル、Ca
    /Mgのモル比7/3)に該洗剤組成物1gを投入し、1リット
    ルビーカー(内径105mm)内で攪拌子(長さ35mm、直径8
    mm)にて攪拌、回転数800rpm 溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (1) S:洗剤組成物の投入重量(g) T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したと
    きに、篩上の残存する洗剤組成物の溶残物の乾燥重量
    (乾燥条件:105℃の温度下に1時間保持した後、シリカ
    ゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持す
    る)(g)
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