JP2015143323A - 洗剤粒子群の製造方法 - Google Patents

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啓一 松本
Keiichi Matsumoto
啓一 松本
重人 宮崎
Shigeto Miyazaki
重人 宮崎
翔一 増田
Shoichi Masuda
翔一 増田
北垣外 博士
Hiroshi Kitagaito
博士 北垣外
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Abstract

【課題】溶解性に優れ、且つ、良好な長期保存安定性を有する洗剤粒子群の製造方法を提供すること。
【解決手段】以下の工程I〜IVを含むことを特徴とする洗剤粒子群の製造方法:
工程I:(a)水溶性アルカリ無機物質を含有するスラリーを調製する工程;工程II:前記スラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を調製する工程;工程III:(b)非イオン界面活性剤、(c)陰イオン界面活性剤及び(d)ポリオキシアルキレン型化合物を含有する(f)界面活性剤組成物であって、(c)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して0〜300質量部であり、(d)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して1〜100質量部である界面活性剤組成物を調製する工程;並びに工程IV:工程IIで得られたベース顆粒群100質量部に対して、工程IIIで得られた(f)成分12〜45質量部を配合し、次いで、(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体3〜30質量部を配合して乾式中和する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗剤粒子群の製造方法に関する。
経済性及び泡立ち等の観点から陰イオン界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートが主体の洗剤粒子群を含む洗剤が多く製造されている。このような洗剤粒子群を製造する方法として、陰イオン界面活性剤の酸前駆体を炭酸ナトリウムのような水溶性固体アルカリ無機物質によって乾式中和する方法がある。
しかしながら、この方法によって洗剤粒子群を製造する場合、中和により生成した陰イオン界面活性剤の粘着性によって粒子が凝集/粗大化するのを抑制する為、混合用の攪拌機構と解砕/分散用の切断機構を高速度で作動させ、生成物を粒子状に維持する必要がある。この為、目的の洗剤粒子群を効率良く得ることは困難であった。また、得られた洗剤粒子群の粒度分布が幅広くなっていた。
これらの課題を解決する方法として、特許文献1には、水溶性固体アルカリ無機物質を含有し、噴霧乾燥によって得られるベース顆粒群を、非石鹸性陰イオン界面活性剤の液体酸前駆体で乾式中和する工程を有する製造方法があり、この方法により得られる洗剤粒子群が、保存安定性と溶解性に優れ、かつ粒度分布のシャープな粒度分布を有することが記載されている。
更に、特許文献2には、ベース洗剤粒子を製造する工程(1)、得られたベース洗剤粒子の表面を陰イオン界面活性剤の酸前駆体で中和する工程(2)、及び得られた洗剤粒子に層状粘土鉱物を含有する表面改質剤を添加して被覆する工程(3)を有する方法により得られる洗剤粒子が、溶解性に優れ、耐ケーキング性、及び界面活性剤等のシミ出し抑制等の保存安定性に優れることが記載されている。
特開2004−115791号公報 特開2009−108165号公報
ここで、特許文献1や特許文献2に記載の製造方法により得られる洗剤粒子は、従来の製造方法で得られるものに比べると、保存安定性と低温溶解性の点で優れている。しかしながら、特許文献1に記載の保存安定性は温度30℃、湿度80%、保存期間7日の短期間で評価されたものである。従って、消費者が実際に家庭で使用する過酷な環境下で長期間、例えば、高温、高湿度である夏場のような環境下であっても、洗浄力等の本来の機能を損なうことなく使用できる洗剤粒子群の提供が望まれる。
また、近年の洗濯機は、節水・節電の観点から低温・低浴比下での洗濯条件が設定されていることから、特許文献1や2に記載の低温溶解性よりも、更に一段と優れた低温溶解性を有することが望まれている。
本発明の課題は、溶解性に優れ、且つ、良好な長期保存安定性を有する洗剤粒子群の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、
以下の工程I〜IVを含むことを特徴とする洗剤粒子群の製造方法:
工程I:(a)水溶性アルカリ無機物質を含有するスラリーを調製する工程、
工程II:工程Iで得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を調製する工程、
工程III:(b)非イオン界面活性剤、(c)陰イオン界面活性剤及び(d)ポリオキシアルキレン型化合物を含有する(f)界面活性剤組成物であって、(c)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して0質量部以上300質量部以下であり、(d)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下である界面活性剤組成物を調製する工程、
工程IV:工程IIで得られたベース顆粒群100質量部に対して、工程IIIで得られた(f)界面活性剤組成物12質量部以上45質量部以下を配合し、次いで、(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体3質量部以上30質量部以下を配合して乾式中和する工程、に関する。
本発明の製造方法により得られた洗剤粒子群は、低温溶解性に優れ、且つ、長期保存安定性に優れるという効果が奏される。
本発明は、以下に示す工程I〜IVを含むことを特徴とする。
1.工程I:スラリー調製工程
工程Iは、(a)水溶性アルカリ無機物質を含有するスラリーを調製する工程である。
(1)(a)水溶性アルカリ無機物質
(a)成分である「水溶性アルカリ無機物質」としては、常温で固体状のアルカリ無機物質であり、20℃の水100g中に1g以上溶解し得るものが好ましい。例えば、水酸根、炭酸根、炭酸水素根を持つアルカリ金属塩、ケイ酸塩等が挙げられる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及びケイ酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上のアルカリ無機物質である。中でも洗濯液中で好適なpH緩衝領域を示す炭酸ナトリウムが好ましい。又、乾式中和時の反応速度の観点からは水酸化ナトリウムも有効である。
(a)成分の量について、洗浄性能の観点からの必要量に加え、工程IIIで混合される(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体との乾式中和に必要な量を配合する必要がある。従って、(a)成分の量としては、(e)成分の中和当量の4倍以上、好ましくは6倍以上である。
具体的には、(a)成分の量は、洗浄力の観点から、スラリー中10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、そして、低温溶解性の観点から、スラリー中50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がより好ましい。
本発明で用いられるスラリー中には、(a)成分の他に、洗浄性能、粒度分布及び粒子強度の観点から、洗剤粒子群に通常使用されている他の成分、例えば、キレート剤、水溶性無機塩、ポリマー、中でも水溶性ポリマー、界面活性剤、水不溶性賦形剤、その他の補助成分等を配合することが好ましい。これらの成分の具体例を以下に示す。
(2)キレート剤
カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンによる洗浄作用の阻害を抑制できるキレート剤の例としては、水溶性キレート剤及び水不溶性キレート剤が挙げられるが、中でも水不溶性キレート剤が好ましい。
水溶性キレート剤としては、例えば、トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩等が挙げられる。中でも、トリポリリン酸塩が好ましい。対イオンとしては、アルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム及び/又はカリウムが好ましい。水溶性キレート剤の量は、スラリー中、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、そして、20質量%以下が好ましい。
水不溶性キレート剤としては、例えば、結晶性アルミノケイ酸塩が挙げられ、例えばA型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト等がある。金属イオン封鎖能及び経済性の点でA型ゼオライトが好ましい。また、水中での分散性の観点から、粒子の平均粒径が0.1〜20μmのものが好ましい。水不溶性キレート剤、特にゼオライトの量は、スラリー中、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、そして、30質量%以下が好ましい。
(3)水溶性無機塩
水溶性無機塩は、洗濯液のイオン強度を高め、皮脂汚れ洗浄等の効果を向上させることができる。該水溶性無機塩としては、例えば、硫酸根、亜硫酸根を持つアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、イオン解離度の高い硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸カリウムを使用することが好ましい。又、溶解速度向上の観点からは硫酸マグネシウムの併用も有効である。
水溶性無機塩の量は、イオン強度の観点から、スラリー中、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、そして、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がより好ましい。
(4)ポリマー
結晶析出調整及び皮膜形成による粒子強度向上を目的に、水溶性ポリマーを添加しても良い。水溶性ポリマーとしては、例えば、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール等有機系のポリマーか、あるいは非晶質のケイ酸塩等の無機系のポリマーが挙げられるが、好ましくは有機系のポリマーである。中でも、カルボン酸系ポリマーが好ましく、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩やポリアクリル酸塩が特に優れている。
カルボン酸系ポリマーの分子量は1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、5,000以上がより好ましく、8,000以上がより好ましく、そして、30,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましい。また、2,000以上であって且つカルボキシル基を10個以上有するものがさらに好ましい。有機系のポリマーの量は、スラリー中、2質量%以上が好ましく、そして、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより好ましい。
また、粒子強度向上の観点から、有機系のポリマーと非晶質のケイ酸塩等を併用することが好ましく、特に2号ケイ酸ナトリウムが好ましい。非晶質のケイ酸塩等の量は、溶解性の観点から、スラリー中、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、そして、20質量%以下が好ましい。
(5)界面活性剤
界面活性剤を添加しても良い。例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、エーテルスルホン酸ナトリウム等が使用できる。特に、経済性の観点から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。これらの界面活性剤は中和塩としてではなく、酸前駆体として添加することもできる。
界面活性剤の量としては、粒子強度の観点から、スラリー中0.2質量%以下、が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
(6)水不溶性賦形剤
水不溶性賦形剤としては、本発明分野で公知のものを使用することができる。
(7)スラリーの媒体は水である。
スラリー水分としては、結晶析出の観点からは60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましい。一方、ハンドリングの観点からは40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましい。
スラリーの調製時の温度については、溶解度の観点から30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。一方、熱安定性の観点からは80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。スラリーの粘度は特に限定されないが、例えば、55℃で50〜1,000mPa・sの範囲が好ましく、100〜500mPa・sの範囲がより好ましい。
工程Iにおいては、反応速度向上及び粒子強度向上の観点から、(a)水溶性固体アルカリ無機物質がスラリー中で、平均粒子径50μm以下、好ましくは30μm以下、そして、1μm以上、好ましくは3μm以上の大きさに微細化していることが好ましい。その微細化方法としては、以下の(イ)〜(ハ)などが挙げられる。
(イ)(a)成分をスラリー中に分散・溶解した状態で、工程IIの噴霧乾燥を行う。(ロ)(a)成分の溶解度をコントロールし、スラリー中で微細粒子として析出させる。この場合、他の水溶性成分の添加によって溶解度をコントロールすることが好ましい。または、結晶調整剤としてポリマーの添加も有効である。
(ハ)(a)成分を含むスラリーを、ラインミル、コロイドミル、メディアミル等の湿式粉砕機によって粉砕する。
微細粒子の平均粒子径は、例えばFBRMシステム(メトラー・トレド(株)製)を使って測定できる。
具体的には、1Lのポリカップ(プラスチック製カップ)中に測定対象のスラリーを1L入れ、プロープを液面に対して40〜45度の角度で投入し、測定面が液面上に出ないように設置する。次に、直径6cmのプロペラを用いて250r.p.m.(r/min)で攪拌を行い、プローブの測定面がスラリー中に有ることを確認し、測定する。
2.工程II
工程IIは工程Iで得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を調製する工程である。工程Iで得られたスラリーを噴霧乾燥する条件については、スラリー中に配合されている物質に実質的に影響しなければ、特に限定されず、一般的に行われている噴霧乾燥条件が使用可能である。
噴霧乾燥温度としては、乾燥効率向上と、分解抑制の観点から150〜300℃が好ましく、160〜300℃がより好ましく、170〜300℃がより好ましい。一方、噴霧乾燥を行う装置としては、通常公知の噴霧乾燥塔を用いることができ、該噴霧乾燥塔の排風温度としては80〜130℃になるよう調整することが好ましい。
本発明における噴霧乾燥においては、比較的小さな粒径のベース顆粒を粒度分布がシャープな状態で得ることが重要である。その為にはノズル形式及びその噴霧圧の選定が重要である。例えば、1流体方式の高圧ノズルを用いることで上記目的を達成することができる。
3.工程III
工程IIIは、(b)非イオン界面活性剤、(c)陰イオン界面活性剤及び(d)ポリオキシアルキレン型化合物を含有する(f)界面活性剤組成物であって、(c)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して0質量部以上300質量部以下であり、(d)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下である界面活性剤組成物を調製する工程である。
(b)成分である「非イオン界面活性剤」としては、例えばポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)エーテル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸(炭素数8〜22)エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーからなる群より選択される1種以上の非イオン界面活性剤を挙げることができる。
中でも、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)エーテルが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数は、10〜18が好ましく、12〜16がより好ましく、12〜14がより好ましい。また、ポリオキシアルキレン基としてはポリオキシエチレン基が好ましい。その平均付加モル数は、4〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、8〜10がより好ましい。
界面活性剤組成物中における(b)成分の量は、洗浄力の観点から好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
(c)成分である「陰イオン界面活性剤」は、(b)非イオン界面活性剤と併用することで、良好な泡立ち性や洗浄性能を得ることができる。ここで、界面活性剤組成物中に存在する(c)陰イオン界面活性剤は、中和塩として配合するものであっても、または、陰イオン界面活性剤の酸前駆体として配合してアルカリ剤で中和されたものであっても良い。また、(c)成分は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(c)陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキル基の炭素数10〜18、好ましくは炭素数12〜16の有機酸の塩、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群より選択される1種以上の陰イオン界面活性剤を挙げることができる。中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。また、塩としては、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン塩を挙げることができるが、洗剤組成物の粒子強度向上の点から、好ましくはアルカリ金属塩である。
(c)成分の配合量は、(b)成分100質量部に対して、0質量部以上、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、そして、300質量部以下、好ましくは250質量部以下、より好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下である。(c)成分は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(d)成分である「ポリオキシアルキレン型化合物」は、特に限定されるものではないが、例えば、常温で液状又はペースト状の(b)成分の非イオン界面活性剤の流動性を抑え、且つ該組成物が流動性を失った状態での進入硬度を著しく高めることができる化合物であることが好ましい。(d)成分としては、(b)成分に該当する化合物以外のもの、例えば、分子量が3,000〜30,000のポリオキシアルキレン型非イオン性化合物などを挙げることができるが、好ましくは、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールである。
中でも(b)成分の融点より高く、界面活性剤組成物の流動点よりも低い温度範囲で、該組成物の進入硬度を高める効果、及び流動点以上の温度で該組成物を減粘させる効果の向上の点で、分子量3,000〜30,000(好ましくは5,000〜15,000)のポリエチレングリコール及び/又はポリポリプロピレングリコールがより好ましく、分子量3,000〜30,000(好ましくは5,000〜15,000)のポリエチレングリコールがさらに好ましい。(d)成分の配合量は、(b)成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上であり、そして、100質量部以下、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
界面活性剤組成物には水が含まれていても構わない。界面活性剤組成物中の水の量としては、好ましくは1質量%以上、好ましくは3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。界面活性剤組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、原料となる各成分を混合して撹拌することによって調製することができる。
(f)界面活性剤組成物は、製造上のハンドリング性の観点から、該組成物の流動点以上の温度で該組成物の粘度が10Pa・s以下、好ましくは5Pa・s以下、より好ましくは2Pa・s以下となる温度域を有するものである。ベース顆粒への吸蔵を高める点で、該組成物の粘度は、特に好ましくは1Pa・s以下、最も好ましくは0.5Pa・s以下である。このような温度域としては、界面活性剤組成物の安定性の観点から、好ましくは90℃まで、より好ましくは80℃まで、特に好ましくは70℃までに存在するのが好ましい。
ここで、粘度は、B型粘度計(TOKYO KEIKI社製DVM-B形)、ローターNo.3、60r/minの条件で測定して求める。また、該条件での測定値が2Pa・sを越え、測定不能となる場合は、ローターNo.3、12r/minの条件で測定して求める。
また、本発明における界面活性剤組成物は、該組成物の流動点より低く(a)成分の融点より高い温度範囲(非イオン界面活性剤のシミ出し抑制の適性範囲を広げる観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上の範囲)において、該組成物の進入硬度が100g/cm2以上、好ましくは300g/cm2以上、特に好ましくは800g/cm2以上となる温度域を有する。流動点は、JIS K 2269の方法により測定される。
界面活性剤組成物の進入硬度の測定は、レオメーター(NRM-3002D、不動工業(株)製)と直径8mm、底面積50mm2の円形アダプター(No.3、8φ)を用いて行う。アダプターが界面活性剤組成の内部に進入速度20mm/minで20mm進入したときの荷重を円形アダプター底面積で除した値を進入硬度とする。
4.工程IV
工程IVは、工程IIで得られたベース顆粒群100質量部に対して、工程IIIで得られた(f)界面活性剤組成物12質量部以上45質量部以下を配合し、次いで、(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体3質量部以上30質量部以下を配合して乾式中和する工程である。ここで言う「配合」とは、対象の成分を添加して撹拌することを言う。
(f)成分である「界面活性剤組成物」の配合量は、洗浄力の観点より、ベース顆粒100質量部に対して、12質量部以上、より好ましくは16質量部以上、より好ましくは20質量部以上、より好ましくは24質量部以上である。また、前記界面活性剤組成物の配合量は、流動性と低温溶解性の観点から、ベース顆粒100質量部に対して、45質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
(e)成分である「陰イオン界面活性剤の酸前駆体」としては、液状のものが好ましく、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキル硫酸、内部オレフィンスルホン酸、脂肪酸エステルスルホン酸、アルキルエーテル硫酸、ジアルキルスルホコハク酸等が挙げられる。このような(e)成分は一成分のみを用いても良く、二成分以上を組み合わせて用いても良い。中でも、経済性、保存安定性及び泡立ちの観点からは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。なお、工程IIIで(c)陰イオン界面活性剤を用いる場合は、(e)成分は、(c)成分の前駆体であることが好ましい。
本工程における(e)成分の量としては、洗浄力及び保存安定性の観点からベース顆粒群100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、より好ましくは10質量部以上、より好ましくは13質量部以上、より好ましくは15質量部以上、より好ましくは18質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは27質量部以下、より好ましくは23質量部以下である。
また、(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体100質量部に対する(b)非イオン界面活性剤の配合量は、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上、より好ましくは70質量部以上、より好ましくは80質量部以上である。また、前記配合量は、好ましくは1,000質量部以下、より好ましくは500質量部以下、より好ましくは300質量部以下、より好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。
工程IIで得られたベース顆粒群を用いて洗剤粒子群を製造する場合、前記ベース顆粒群と前記界面活性剤組成物や(e)成分とを混合する際に、従来で行われていたような高切断力をかけることなく乾式中和を行うことができるので、ベース顆粒の破壊が少なく、得られる洗剤粒子はベース顆粒の粒子成長の変化が少ないものとなる。
特に、本発明においては、(e)成分を混合する前に特定量の前記界面活性剤組成物を事前混合することになるので、洗剤粒子群のより表面部分で中和反応を行うことができる。その結果、工程IIで副生した微粉は、粒子表面部分に高濃度で存在する陰イオン界面活性剤を介して洗剤粒子中に取り込むことができる。従って、界面活性剤組成物を事前混合しない場合と比べて残存する微粉が少なくなるので、本発明においては、洗剤粒子群の粒度分布をよりシャープなものにすることができる。従って、本発明によれば、保存安定性、溶解性に一段と優れ、かつ粒度分布のシャープで微粉率の少ない洗剤粒子群を効率よく得ることができる。
前記界面活性剤組成物や(e)成分の添加方法としては、ノズルにてベース顆粒群に噴霧しできるだけ均一に添加することが好ましい。前記界面活性剤組成物の添加温度は、ハンドリングの観点から40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。(e)成分の添加温度としては、流動性や中和反応の観点から40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
乾式中和時の温度としては、反応を促進する観点からは温度が高い方が好ましく、60〜80℃が好ましいが、逆に反応を遅延させて(e)成分との混合状態を長くし、粒子表面を均一被覆する観点からは温度が低い方が好ましく、20〜40℃が好ましい。また、中和温度の測定は、混合機内に熱電対(OMURON製、E-52-CA100A 3.2)を固定し、データロガー(KEYENCE製、GR-3500)にて、連続的にモニタリングし、温度変化がなくなった時点を中和温度とする。乾式中和の場合、(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体を添加した後、3〜10分程度で混合機内の温度が一定となる。
工程IVにおいては、乾式中和時におけるベース顆粒群の崩壊抑制の為、中和時の切断操作はできるだけ低減することが好ましい。例えば、混合機構のみを使用しチョッパー等の切断機構による切断を与えないことがより好ましい。このような混合機としてはリボンミキサー、ナウタミキサー等を挙げることができる。また、チョッパーの低速回転によって切断力を低減するか又は切断機構を使用しないことでベース顆粒群の崩壊を抑制できるならば、レディゲミキサーやハイスピードミキサーといった切断機構を備えた装置を使用することもできる。
5.工程V
工程IVで得られた洗剤粒子群の流動特性及び保存安定性を更に向上させる為に、(g)表面改質剤を添加して該洗剤粒子群の表面改質を行う工程(表面改質工程)を実施することが好ましい。工程IVは一回の表面改質操作の実施であっても良く、2回又はそれ以上の回数に分けて実施しても良い。
(g)成分である「表面改質剤」としては、例えばゼオライト、トリポリリン酸塩及び粘土鉱物からなる群より選択される1種又は2種以上が挙げられる。キレート能を有するゼオライトやトリポリリン酸塩は、洗浄初期からキレート作用による洗浄力の向上に発揮できる。中でも、ゼオライトは流動特性の観点から、トリポリリン酸ナトリウムはすすぎ性の観点からより好ましい。
また、粘土鉱物は、耐ケーキング性、界面活性剤等のシミ出し抑制等の効果に発揮する。粘土鉱物としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、粘土鉱物としては、耐ケーキング性、仕上がり感の観点から、スメクタイト型層状粘土鉱物であることが好ましい。スメクタイト型層状粘土鉱物は膨潤性と粘結性を有し、層間に液状成分を吸収する能力に優れるため、液状の界面活性剤等のシミ出しを抑制することができる。ここで、「膨潤性」とは、粘土の層構造が液体媒体中で膨張する性質をいう。
使用可能な粘土鉱物の市販品としては、ラヴィオッサ社製の「ベントナイト」、「デタソフトGIS」、「デタソフトGIB」、「デタソフトGISW」、黒崎白土工業株式会社製の「オドソルブK−400」、ズード・ケミ社製の「ラウンドロジルDGA212」、「ラウンドロジルPR414」、「ラウンドロジルDG214」、「ラウンドロジルDGAパウダー」、「フラソフト−1パウダー」、CSM社製のピュアベントナイト、スタンダードベントナイト、プレミアムベントナイト等が挙げられる。
なお、(g)表面改質剤の平均粒子径は、被覆性の観点から洗剤粒子群の平均粒子径の1/10以下が望ましい。より具体的には、表面改質剤の平均粒径は、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、より好ましく25μm以下である。また、前記平均粒径は、より好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上である。平均粒径がこの範囲内であれば、溶解性の低下を回避した上で、十分な耐ケーキング性向上効果が期待できる。
ここで、(g)表面改質剤の平均粒径は、例えば乾式測定ユニットを有したレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。具体的にはMie散乱法を用いた、株式会社堀場製作所製「Partica LA-950」に、乾式測定ユニット「G0310630」を接続することにより測定することができる。
また、表面改質剤の量は、流動特性の観点から、洗剤粒子群100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。またその好ましい上限は、洗剤粒子群100質量部に対して、20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
表面改質方法の条件については特に規定はなく、(g)成分ができるだけ洗剤粒子表面に均一分布することが好ましい。表面改質装置の温度としては、界面活性剤を固化させる観点からは冷却しながら表面改質することが好ましい。表面改質装置としては、強い攪拌力と切断力を同時に与え、均一に表面改質することのできるレディゲミキサーやハイスピードミキサーが好適に用いられる。
以下に、本発明の製造方法で得られた洗剤粒子群の物性について述べる。
(1)嵩密度
洗剤粒子群の嵩密度は、好ましくは200g/L以上、より好ましくは350g/L以上、より好ましくは500g/L以上、より好ましくは600g/L以上、より好ましくは640g/L以上、より好ましくは680g/L以上であり、そして、好ましくは1,200g/L以下、より好ましくは1,000g/L以下、より好ましくは800g/L以下である。嵩密度は、JIS K 3362により規定された方法で測定する。
(2)平均粒子径
洗剤粒子群の平均粒子径は、ハンドリングと外観の観点から、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上、より好ましくは250μm以上であり、そして、好ましくは600μm以下、より好ましくは500μm以下、より好ましくは450μm以下、より好ましくは400μm以下、より好ましくは350μm以下である。平均粒子径は、JIS K 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出する。
(3)流動性
洗剤粒子群の流動性は流動時間として評価する。流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間とする。前記流動時間は、最終製品のサラサラ性の観点から、好ましくは8秒以下、より好ましくは7秒以下、より好ましくは6秒以下、より好ましくは5.8秒以下である。
(4)粒子成長度
洗剤粒子群は、ベース顆粒群の大きさが保持されたものが好ましい。ベース顆粒の大きさが保持されていることは、以下の式から求められる粒子成長度で確認することができる。前記粒子成長度は、好ましくは0.9以上、より好ましくは1.0以上、より好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下である。
粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベース顆粒群の平均粒径)
ここで、最終の洗剤粒子群とは、乾式中和後の洗剤粒子群、もしくは表面改質工程を含むならば表面改質工程によって得られた粒子群のことである。なお、ベース顆粒群の平均粒径は、洗剤粒子群の平均粒径と同様の方法で測定する。
(5)溶解性(I)(低温溶解性)
洗剤粒子群の低温溶解性の指標は、洗剤粒子群の5℃、60秒間の溶解率を用いることができる。溶解率は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。
洗剤粒子群の60秒間溶解率は以下の方法で算出する。
5℃に冷却した71.2mgCaCO3/リットルに相当する1リットルの硬水(Ca/Mgモル比:7/3)を1リットルビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製、1リットルガラスビーカー)の中に満たし、5℃の水温をウォーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン(登録商標)SA(丸型細型))にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800r.p.m.)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなるように縮分・秤量した洗剤粒子群を攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中の洗剤粒子群分散液を、質量既知のJIS Z 8801に規定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗剤粒子群を篩と共に質量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。回収した洗剤粒子群の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物と篩と回収容器の合計の質量を測定し、前記溶残物の乾燥質量を求める。次いで、下記式(1)によって洗剤粒子群の溶解率(%)を算出する。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100・・・(1)
S:洗剤粒子群の投入質量(g)
T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥質量(g)
(6)溶解性(II)(溶け残り発生率)
洗剤粒子群が少量の水と長時間接触した後の溶解性の指標として、洗剤粒子群40gと20℃の水を60分間接触させた後の溶け残り量を用いることができる。溶解性(II)の好適範囲としては、好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
溶け残り量は下記の手順によって算出される。まず、70mlの非帯電性トレー(例えば、アズワン社製:バランストテイSTS−4)に、20℃の水道水を3g投入した後、洗剤粒子群40gを投入する。その後、一定時間放置した後、20℃、水圧0.06MPaの水道水を、20秒間、トレーに注水する。放置時間は60分を目安とする。
その後、非帯電性トレー内に残った洗剤組成物を電気乾燥機(ADVAVTEC社製、DRM620TB)にて60℃、3時間乾燥させ、この時の乾燥質量をAgとする。溶け残り発生率は次のように定義される。
溶け残り発生率(%)=Ag/40g*100
(7)長期保存安定性
洗剤粒子群の長期保存安定性の指標は、特定条件下での保存後の洗剤粒子群のケーキング状態を示す篩通過率を用いることができる。篩通過率は、以下のようにして求めることができる。
(篩通過率の求め方)
濾紙(ADVANTEC社製、No.2)で長さ10.2cm×幅6.2cm×高さ4cmの天部のない箱を作り、四隅をステープラーでとめる。試料として洗剤粒子群50gを入れ、温度30℃、湿度70%RH、CO2濃度0.03%の雰囲気下で28日間放置する。その後、試料をJIS Z 8801規定の目開き4760μmの篩上に静かにあけ、通過した粉末の質量を計る。次式に示すように、試料全体の質量に対する通過した試料の質量を篩通過率とする
篩通過率(%)=[通過した粉末の質量(g)/試料全体の質量(g)]×100
ここで、篩通過率は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、100%が最も好ましい。
以下、本発明を実施例等によってより具体的に説明する。なお、特に表記が無い限り、「部」とは「質量部」のことを言う。
<ベース顆粒群の調製>
下記の手順にてベース顆粒群を作製した。
混合槽に水422部を入れ、水温が45℃に達した後に、硫酸ナトリウム(四国化成株式会社製、無水中性芒硝)160部を添加して10分間攪拌した。炭酸ナトリウム(セントラル硝子株式会社製、デンス灰、嵩密度:1000g/L、平均粒径:260μm)162部を添加し、40%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(花王株式会社製、質量平均分子量1万)163部を添加し10分間攪拌し、塩化ナトリウム(南海塩業株式会社製、ナクルN)48部を添加し、15分間攪拌した。このようにして調製されたスラリーの55℃における粘度は300mPa・sであった。
スラリーをポンプで噴霧乾燥塔(向流式)に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度230℃で供給され、塔頂より120℃で排出する方法で調製した。得られたベース顆粒群の平均粒径は230μmであった。
<界面活性剤組成物の調製>
調製例1
界面活性剤組成物(1)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製、ノニオン界面活性剤、エマルゲン108KM、エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14)801部とポリエチレングリコール(三井化学株式会社製、PEG13000、質量平均分子量:10,000、固形分60%)67部を60℃に加熱し、さらに所定量の水を添加して撹拌し、表1に示す界面活性剤組成物を調製した。本組成物(1)の60℃における粘度は176mPa・sであった。
調製例2
界面活性剤組成物(2)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製、ノニオン界面活性剤、エマルゲン108KM、エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14)801部とポリエチレングリコール(三井化学株式会社製、PEG13000、質量平均分子量:10,000、固形分60%)67部を60℃に加熱し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが354部になるようにドデシルベンゼンスルホン酸(花王株式会社製、ネオペレックスGS)と48%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、さらに所定量の水を添加して撹拌し、界面活性剤組成物を調製した。本組成物(2)の60℃における粘度は180mPa・sであった。
調製例3〜6
界面活性剤組成物(3)〜(6)
界面活性剤組成物(2)と同様の方法にて調製を行い、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを表1に示す値とした。組成物(3)の60℃における粘度は193mPa・sであり、組成物(4)の60℃における粘度は400mPa・sであり、組成物(5)の60℃における粘度は636mPa・sであり、組成物(6)の60℃における粘度は500mPa・sであった。なお、表1中の水分量は、ポリエチレングリコールや水酸化ナトリウム水溶液からの持ち込み水分量も考慮した値である。
Figure 2015143323
<洗剤粒子群の調製>
実施例1
リボンミキサー(ホソカワミクロン製:80Lスケール、ジャケット付;65℃の温水流量10L/分)に上記手順で得られたベース顆粒45質量部を投入し、主軸(攪拌翼、回転数:33rpm、周速:0.6m/s)の攪拌を開始し、そこに、界面活性剤組成物(1)11部を1.5分間で投入した後、2分間攪拌を行った。次に、60℃に調温したLAS−酸型(陰イオン界面活性剤の液体酸前駆体)11部をノズルを用いて4分間で投入し、その後、4分間攪拌混合して乾式中和反応を行った(ベース顆粒中のアルカリ量:陰イオン界面活性剤の中和当量の9.8倍)。
次いで、表面改質剤としてベントナイト4部とA型ゼオライト29部を添加して洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成及び物性を表2に示す。
実施例2〜5
実施例(1)と同様の手順で表2に示す実施例(2)−(5)の調製を行った。
実施例6
実施例(1)のLAS−酸型の一部(30モル%)を事前に中和したLAS-酸型(部分中和)を使用して、洗剤粒子群を調製した。
比較例1
<洗剤粒子群の調製>
リボンミキサー(ホソカワミクロン製:80Lスケール、ジャケット付;65℃の温水流量10L/分)に上記手順で得られたベース顆粒の59部を投入し、主軸(攪拌翼、回転数:33rpm、周速:0.6m/s)の攪拌を開始し、そこに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製、ノニオン界面活性剤、エマルゲン108KM、エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14)の5部を1.5分間で投入した後、2分間攪拌を行った。次に、60℃に調温したLAS−酸型(陰イオン界面活性剤の液体酸前駆体)の19部をノズルを用いて4分間で投入し、その後、4分間攪拌混合して乾式中和反応を行った(ベース顆粒中のアルカリ量:陰イオン界面活性剤の中和当量の5.7倍、酸による中和当量の5.7倍)。次いで、表面改質剤としてA型ゼオライトの17部を添加して洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成及び物性を表2に示す。
比較例2〜3
<洗剤粒子群の調製>
実施例(1)と略同様の手順で表2に示す比較例(2)〜(3)の調製を行った。
Figure 2015143323
なお、表2中の*は、(f)成分の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用したことを示す。
実施例(1)−(6)では溶解性(I)(低温溶解性)、溶解性(II)に優れた洗剤粒子群を得ることができた。また、保存安定性も、過酷条件において、篩通過率が100%であり、耐ケーキング性に優れる洗剤粒子群を得ることができた。比較例(1)では粒子成長度が大きく、溶解率が低いことが分かった。比較例(2)では低温溶解性、保存安定性は良好であるものの、溶解性(II)が実施例に比較して劣っていた。比較例(3)の洗剤粒子群は、実施例のそれと比べて溶解性(II)が劣悪であった。
本発明の製造方法によって得られた洗剤粒子群は、衣類等の洗濯に使用できる。

Claims (9)

  1. 以下の工程I〜IVを含むことを特徴とする洗剤粒子群の製造方法:
    工程I:(a)水溶性アルカリ無機物質を含有するスラリーを調製する工程、
    工程II:工程Iで得られたスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を調製する工程、
    工程III:(b)非イオン界面活性剤、(c)陰イオン界面活性剤及び(d)ポリオキシアルキレン型化合物を含有する(f)界面活性剤組成物であって、(c)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して0質量部以上300質量部以下であり、(d)成分の配合量は(b)成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下である界面活性剤組成物を調製する工程、
    工程IV:工程IIで得られたベース顆粒群100質量部に対して、工程IIIで得られた(f)界面活性剤組成物12質量部以上45質量部以下を配合し、次いで、(e)陰イオン界面活性剤の酸前駆体3質量部以上30質量部以下を配合して乾式中和する工程。
  2. 更に、以下の工程Vを含む請求項1記載の洗剤粒子群の製造方法:
    工程V:工程IVで得られた洗剤粒子群に対して、(g)表面改質剤を添加して表面改質する工程。
  3. (g)成分がゼオライト、トリポリリン酸塩及び粘土鉱物からなる群より選択される1種又は2種以上の表面改質剤である、請求項2項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  4. (a)成分の量が、(e)成分の中和当量の4倍以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  5. (a)成分が、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及びケイ酸ナトリウムからなる群より選択される1種以上のアルカリ無機物質である、請求項1〜4の何れか1項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  6. (b)成分が、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)エーテル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸(炭素数8〜22)エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーからなる群より選択される1種以上の非イオン界面活性剤である、請求項1〜5の何れか1項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  7. (c)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、内部オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩及びジアルキルスルホコハク酸塩からなる群より選択される1種以上の陰イオン界面活性剤である、請求項1〜6の何れか1項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  8. (e)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキル硫酸、内部オレフィンスルホン酸、脂肪酸エステルスルホン酸、アルキルエーテル硫酸及びジアルキルスルホコハク酸からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜7の何れか1項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  9. (d)成分が、分子量が3,000〜30,000のポリエチレングリコール及び分子量が3,000〜30,000のポリプロピレングリコールからなる群より選択される1種以上のポリオキシアルキレン型化合物である、請求項1〜8の何れか1項に記載の洗剤粒子群の製造方法。
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