JP6097003B2 - 粒状洗剤組成物 - Google Patents
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Description
近年、洗濯事情の変化、環境負荷に対する意識の高まりから、界面活性剤濃度の低い(30質量%未満)洗剤が主流になっている。界面活性剤濃度の低減に当たっては、無機ビルダー等の増量により、洗浄力の維持・向上が図られている。無機ビルダーとしては、コスト面及び洗浄力の観点から、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)や炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)等が好適に用いられる。
この噴霧乾燥粒子は嵩高いため、1回の洗浄に使用する体積量が多かった。近年では、嵩密度を高めた粒状洗剤組成物、いわゆるコンパクト洗剤が主流となっている。
従来、高嵩密度の粒状洗剤組成物の製造方法としては、界面活性剤と無機ビルダーとを含有するスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥して得られる噴霧乾燥粒子をその他の成分と捏和機(ニーダー)等で捏和した後、該捏和物を粉砕する粉砕造粒法が知られている(例えば、特許文献1)。こうして得られた洗剤組成物は、高い嵩密度となっている。
そこで、本発明は、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムを増量しても、固化しにくい粒状洗剤組成物を目的とする。
前記造粒物は、(A)成分が(B)成分及び(C)成分で被覆されていることが好ましく、前記(A)成分は、炭酸水素ナトリウムの粒子であることが好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物は、(A)成分:炭酸水素ナトリウムの粒子又は炭酸水素カリウムの粒子と、(B)成分:バインダーと、(C)成分:ゼオライト及び粘土鉱物から選択される少なくとも1種とを造粒してなる造粒物を含有するものである。
なお、嵩密度は、JIS K3362−1998に準じて測定される値を示す。
本発明の造粒物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分を造粒してなるものであり、(A)〜(C)成分がほぼ均一に分散した混合粒子や、(A)成分が、その表面を(B)成分及び(C)成分で被覆された被覆粒子等が挙げられ、中でも被覆粒子であることが好ましい。被覆粒子であれば、粒状洗剤組成物の保管中において、粒状洗剤組成物の固化防止効果のさらなる向上が図れる。
(A)成分の表面積に対する被覆された面積の割合(被覆率)は、例えば、造粒物をマイクロスコープ(株式会社朝日光学機器製作所製、Handi Scope TM)や、走査電子顕微鏡(例えば、株式会社島津製作所製、SUPERSCAN SS−550)にて表面観察し、画像処理等により確認できる。
(A)成分は、炭酸水素ナトリウムの粒子又は炭酸水素カリウムの粒子である。中でも炭酸水素ナトリウムの粒子は、安価かつ溶解性に優れる一方、粒状洗剤組成物の経時的な固化を促進する傾向にある。従って、(A)成分を炭酸水素ナトリウムの粒子とした粒状洗剤組成物において、本発明の効果が顕著である。
(B)成分は、バインダーである。バインダーは、(A)成分や(C)成分の種類、製造条件等を勘案して決定でき、例えば、アニオン界面活性剤又はその酸前駆体、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子、又はこれらの水溶液等が挙げられ、中でもノニオン界面活性剤又はその水溶液が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテルとしては、炭素数8〜12のアルキルフェノール又はアルケニルフェノールにEO、PO及びBOから選ばれる1種以上が付加したものが好ましく、EOもしくはPOが単独又はこれらが混合して付加したものがより好ましい。加えて、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、5〜25モルが好ましく、8〜20モルがさらに好ましい。
脂肪酸メチルエステルにEO又はPOが付加した脂肪酸メチルエステルアルコキシレートとしては、平均炭素数が8〜40の飽和又は不飽和脂肪酸メチルエステルに、EOもしくはPOが単独又はこれらが混合して付加したものが好ましい。加えて、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、5〜30モルが好ましい。
(C)成分は、ゼオライト及び粘土鉱物から選択される少なくとも1種である。(C)成分としては、ゼオライトと粘土鉱物との混合物が好ましく、ゼオライトとベントナイトとの混合物がより好ましく、A型ゼオライトとベントナイトとの混合物がさらに好ましい。(C)成分として、ゼオライトと粘土鉱物との混合物を用いる場合、粘土鉱物/ゼオライトで表される質量比は、0.5〜2が好ましい。上記範囲内であれば、粒状洗剤組成物の固化防止効果のさらなる向上が図れる。
(C)成分の平均粒子径は、(A)成分の平均粒子径等を勘案して決定でき、例えば、1〜20μmが好ましい。(C)成分の平均粒子径は、レーザー光散乱法(例えば、粒度分布測定装置(LDSA−3400A(17ch)、東日コンピューターアプリケーションズ株式会社製を使用)によって測定される値であり、体積基準のメジアン径である。
本発明の粒状洗剤組成物には、造粒物に加え、界面活性剤、ビルダー等の洗剤成分を含む、造粒物を除く界面活性剤粒子(以下、単に界面活性剤粒子ということがある)を配合することができる。界面活性剤粒子を配合することで、粒状洗剤組成物の洗浄効果の向上を図ることができる。なお、界面活性剤粒子は、粒状洗剤組成物中において、造粒物と独立して配合されていてもよいし、造粒物に含まれていてもよい。粒状洗剤組成物の固化防止効果を向上させる観点から、界面活性剤粒子と造粒物とは、それぞれ独立して配合されていることが好ましい。
界面活性剤粒子の水分量は、溶解性と保存安定性とを両立させる観点から、4〜10質量%が好ましく、5〜9質量%がより好ましく、5.5〜8.5質量%がさらに好ましい。
界面活性剤粒子に配合するアニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩。
(2)脂肪酸の平均炭素数が10〜20の高級脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
(3)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(5)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(6)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(9)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(10)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。これらアニオン界面活性剤は、1種単独又2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
界面活性剤粒子に配合するノニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル、より好ましくは10〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
界面活性剤粒子に配合するカチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。中でも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系の両性界面活性、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
界面活性剤粒子には、必要に応じて洗浄性ビルダー、蛍光増白剤、ポリマー類、酵素安定剤、ケーキング防止剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤等を配合することができる。
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;結晶性層状珪酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−Na2O・2SiO2)等の結晶性アルカリ金属珪酸塩)、非晶質アルカリ金属珪酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩、炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属珪酸塩の複合体(例えば、ロディア社製のNABION15(商品名))等が挙げられる。
界面活性剤粒子の製造方法は、公知の製造方法により製造できる。例えば、界面活性剤や任意成分を水に分散・溶解した後、噴霧乾燥して粉末状の界面活性剤粒子を得ることができる。また例えば、界面活性剤や任意成分を捏和・押出、撹拌造粒、転動造粒等の装置に供して、捏和や造粒、圧縮成形等を施し、さらに必要に応じて粉砕等により所望する形態の界面活性剤粒子を得ることができる。
本発明の粒状洗剤組成物には、上述した(A)〜(C)成分を含む造粒物、界面活性剤粒子に加えて、必要に応じてその他の成分(洗剤任意成分)を配合してもよい。洗剤任意成分は、(A)〜(C)成分を含む造粒物、界面活性剤粒子と共に粉体混合して、粒状洗剤組成物に配合することができる。
洗剤任意成分としては、衣料用等の洗剤組成物に通常使用されているものが挙げられ、例えば、過炭酸塩、過硼酸塩等の漂白剤、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩等の漂白活性化剤、漂白活性化触媒、酵素造粒物、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、クエン酸又はその塩、中鎖もしくは長鎖の脂肪酸又はその塩、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸/塩等の重金属キレート剤、粘土鉱物造粒物、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、ウルトラマリンブルー等の顔料、染料等が挙げられる。
本発明の粒状洗剤組成物の製造方法は、(A)〜(C)成分を含有する造粒物が得られれば特に限定されない。
例えば、界面活性剤粒子、(A)成分及び(C)成分を造粒装置内で流動させながら(B)成分を添加する造粒方法が挙げられる(以下、一括造粒法ということがある)。
造粒方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、攪拌造粒法、流動層造粒法、転動造粒法が挙げられる。
(B)成分を加熱する場合には、室温(20℃)〜95℃とすることが好ましい。室温未満であると(B)成分の微細化が不十分となり、95℃超では粘度が下がりすぎて噴霧圧が高くなる場合がある。
また、(B)成分を水溶液として添加する場合には、該水溶液中の(B)成分の含有量を好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上とする。水溶液中の(B)成分の含有量が少ないと、添加する水溶液量を増量することとなり、この増量に伴い、造粒物の水分量が増大し、粒状洗剤組成物の固化防止効果が損なわれるおそれがある。
なお、造粒後、任意で乾燥を行ってもよく、粒度分布を整えるために適宜整粒処理を行ってもよい。
(B)成分の添加方法は、上述した一括造粒法と同様である。
加えて、造粒物の切断面をオイルレッド等の油溶性色素成分で着色することで、混合粒子又は被覆粒子の判別が行える。切断面を着色すると、(B)成分は着色され、(A)成分は着色されない。このため、着色した切断面を実体顕微鏡で観察し、混合物の内部が着色されず表面が着色されている場合には被覆粒子であると確認でき、造粒物の内部が着色されている場合には混合粒子であると確認できる。
本発明によれば、(A)〜(C)成分を造粒することで、(A)成分の露出面積を縮小し上記の複塩の形成を抑制すると共に、(A)成分からセスキ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムが生じることを抑制できる。この結果、粒状洗剤組成物の固化抑制が図れる。特に、紙製の容器に充填して製品とした場合、輸送中にさらに高嵩密度とされ、その後、高温多湿条件に長期間保管される等の過酷な保管がなされた場合にも、固化が抑制される。
各実施例及び各比較例における使用原料を以下に示す。
<(A)成分>
・A−1:炭酸水素ナトリウム、平均粒子径10μm、関東化学株式会社製
・A−2:エコブラストEB−60(商品名)、平均粒子径0.3mm、旭硝子株式会社製
<(B)成分>
・B−1:ノニオン界面活性剤、ECOROL26(商品名、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール、ECOGREEN社製)の酸化エチレン平均15モル付加体、純分;90質量%、ライオン株式会社製)
<(C)成分>
・C−1:ベントナイト粉末、ランドロジルDGAパウダー(商品名)、平均粒子径20μm、Na/Ca質量比=2.73、SUD社製
・C−2:A型ゼオライト、平均粒子径3μm、純分;80質量%、水澤化学株式会社製
・α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ペースト:ペースト組成;脂肪酸鎖長炭素数;C16/C18=8/2(質量比)、有効成分=63質量%、ノニオン界面活性剤=16質量%、ジ塩及びメチル硫酸塩等の不純物=8質量%、水分=13質量%
・LAS−K:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ライポンLH−200(AV値(LAS−Hを1g中和するに要する水酸化カリウムのmg数)=180.0)を噴霧乾燥粒子調製用スラリー中で、48質量%水酸化カリウム溶液で中和したもの、ライオン株式会社製(表中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す)
・ノニオン界面活性剤:B−1と同
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸カリウム、純分;53質量%、ライオン株式会社製
・A型ゼオライト:C−2と同
・アクリル酸/マレイン酸コポリマー塩:アクアリックTL−400、純分;40質量%水溶液、株式会社日本触媒製
・炭酸ナトリウム:粒灰、ソーダアッシュジャパン株式会社製
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)、旭硝子株式会社製
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成株式会社製
・珪酸ナトリウム:珪酸ソーダ2号(純分;40質量%、SiO2/Na2O比(モル比)=2.5)、富士化学株式会社製
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(純分;67質量%、タイター;40〜45℃、脂肪酸組成;C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量;289)、ライオン株式会社製
・過炭酸ナトリウム:SPC−D、平均粒子径750μm、嵩密度0.85kg/dm3、三菱瓦斯化学株式会社製
・界面活性剤粒子C:MIZULAN(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩粉体)、脂肪酸鎖長炭素数;C16/C18=8/2(質量比)、有効成分=75質量%、ゼオライト12質量%、水分5.5%、平均粒子径500μm、ライオンエコケミカルズ社製
外側からコートボール紙(坪量:350g/m2)、ワックスサンド紙(坪量:30g/m2)、クラフトパルプ紙(坪量:70g/m2)の3層からなる紙を用いて、長さ15cm×巾9.3cm×高さ18.5cmの箱を作製した。この箱に各例の粒状洗剤組成物1.1kgを入れ、10cmの高さから10回落下させることで粒子同士の接触点を増やす操作を行った。その後、粒状洗剤組成物が入った箱を45℃、85%RH8時間と、25℃、65%RH16時間との繰返し運転の恒温恒湿室中に14日間保存した。恒温恒湿室から取り出した箱を20℃、60%RHで6時間放置した後に、箱中の粒状洗剤組成物を静かに目開き5mmの篩上に移した。篩を穏やかに左右に10回揺動した後、篩上の残分と篩の通過分の質量とを求め、下記(2)式から固化率を算出した。固化率5%以下のものを合格とした。
表1の組成に従い、A型ゼオライト2質量%相当分を除く各成分を攪拌機、ジャケットを有する反応装置内に投入し、水に溶解分散させ(ジャケット温度75℃)、固形分濃度60質量%のスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを、向流式乾燥塔を用いて以下の条件で噴霧乾燥し、噴霧乾燥塔の下部より噴霧乾燥粒子コート被覆剤としてA型ゼオライトの一部(2質量%)を導入して噴霧乾燥粒子を得た。
・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0m
・微粒化方式:加圧ノズル方式
・噴霧圧力:30kg/cm2
・熱風入口温度:250℃
・熱風出口温度:100℃
得られた噴霧乾燥粒子の平均粒子径は300μm、嵩密度は0.3kg/dm3、水分含有量は5質量%であった。
次いで、得られたドウ状物をペレッターダブル(EXD−100型、不二パウダル株式会社製)に投入し、孔径10mm、厚さ10mmのダイスから押し出すと同時に切断し(ペレッター(カッター)のカッター周速は5m/s)、ペレット状成形体(直径約10mm、長さ70mm以下(実質的には5mm以上))を得た。
・送風温度:15±3℃
・送風量(気/固の比率):2.8±0.25m3/kg
・スクリーン径:3段上から6mm、4mm、2mm
・粉砕機回転数:100%=4700rpm(周速約60m/s)
・処理速度:230kg/hr
表2の組成に従い、A型ゼオライト2質量%相当分を除く各成分を攪拌機、ジャケットを有する反応装置内に投入し、水に溶解分散させ(ジャケット温度75℃)、固形分濃度60質量%のスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを、向流式乾燥塔を用いて以下の条件で噴霧乾燥し、噴霧乾燥塔の下部より噴霧乾燥粒子コート被覆剤としてA型ゼオライトの一部(2質量%)を導入して噴霧乾燥粒子を得た。
・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0m
・微粒化方式:加圧ノズル方式
・噴霧圧力:30kg/cm2
・熱風入口温度:250℃
・熱風出口温度:100℃
得られた噴霧乾燥粒子の平均粒子径は280μm、嵩密度は0.28kg/dm3、水分含有量は5質量%であった。
次いで、得られたドウ状物をペレッターダブル(EXD−100型、不二パウダル株式会社製)に投入し、孔径10mm、厚さ10mmのダイスから押し出すと同時に切断し(ペレッター(カッター)のカッター周速は5m/s)、ペレット状成形体(直径約10mm、長さ70mm以下(実質的には5mm以上))を得た。
・送風温度:15±3℃
・送風量(気/固の比率):2.8±0.25m3/kg
・スクリーン径:3段上から6mm、4mm、2mm
・粉砕機回転数:100%=4700rpm(周速約60m/s)
・処理速度:230kg/hr
表3の組成に従い、以下の一括造粒法により粒状洗剤組成物を製造した。粒状洗剤組成物の製造には、容器回転式円筒型混合機を用いた。この容器回転式円筒型混合機は、容器が直径0.7m、長さ1.4m、傾斜角3.0°、出口堰高さ0.15m、内部混合羽根が高さ0.1m、長さ1.4mの平羽根を90°毎に4枚取り付けた仕様のものである。また、内部混合羽根の回転数はフルード数Fr=0.2になるように調整した。容器回転式円筒型混合機におけるフルード数(Fr)は、下記(3)式で表すことができる。
[ただし、前記(3)式中、Vは、容器回転式円筒型混合機における最外周の周速(m/s)を表す。Rは、容器回転式円筒型混合機における最外周の回転中心からの半径(m)を表す。gは、重力加速度(m/s2)を表す。]
表4の組成に従い、以下の単独造粒法により造粒物を得、得られた造粒物と界面活性剤粒子Aとを混合して粒状洗剤組成物を製造した。
まず、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間のクリアランスが5mmのレディゲミキサー(M20型、株式会社マツボー製)に(A)成分を投入し(充填率30容積%)、主軸200rpmで攪拌を開始した(チョッパーは停止)。攪拌開始10分後に(B)成分を30秒間で添加し、その後(C)成分を添加し、造粒した。こうして、被覆粒子である造粒物を得た。
次いで、表4の組成に従い、得られた造粒物と界面活性剤粒子Aとを容器回転式円筒型混合機にて混合し、粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物について、固化性の評価を行い、その結果を表4に示す。
加えて、各例で造粒された混合物の切断面をオイルレッドで着色して、実体顕微鏡で観察することにより、実施例7〜11の造粒物は、(A)成分の表面に(B)成分により被覆された状態にあることを確認した。
(A)成分をA−1とし、チョッパーを1000rpmで回転させた以外は、実施例8と同様にして混合粒子である造粒物を得た。
次いで、表4の組成に従い、得られた造粒物と界面活性剤粒子Aとを容器回転式円筒混合機にて混合し、粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物について、固化性の評価を行い、その結果を表4に示す。
得られた造粒物については、実施例7〜11と同様にして、切断面のSEM観察、EDXでの元素分析及び実体顕微鏡観察により、(A)〜(C)成分がほぼ均一に分散された混合粒子であることを確認した。
界面活性剤粒子Aを界面活性剤粒子Bとし、表5の組成に従った以外は、実施例1と同様の一括造粒法により粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物について、固化性の評価を行い、その結果を表5に示す。
界面活性剤粒子Aを界面活性剤粒子B及びCとし、表5の組成に従った以外は、実施例1と同様の一括造粒法により粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物について、固化性の評価を行い、その結果を表5に示す。
一方、(B)成分又は(C)成分を配合しない比較例1〜3は、いずれも固化率が5.4%以上であった。
また、造粒物を混合粒子とした実施例12は、(B)成分と(C)成分とを同じ組成とする実施例3と、実施例8との比較において、一括造粒法を採用した実施例3よりも固化率が低かったが、被覆粒子とした実施例8よりも固化率が高かった。
一方、(B)成分を配合しない比較例4は、固化率が5.2%であった。
Claims (4)
- (A)成分:炭酸水素ナトリウムの粒子又は炭酸水素カリウムの粒子、(B)成分:ノニオン界面活性剤、及び(C)成分:ゼオライト及び粘土鉱物から選択される少なくとも1種とを造粒してなり、(A)成分/(B)成分/(C)成分で表される比が1〜30/0.1〜10/1〜10である造粒物と、界面活性剤を含有する界面活性剤粒子(ただし、前記造粒物を除く)とを各々独立して含有する粒状洗剤組成物であって、
前記造粒物100質量%中、前記(A)成分の配合量が80質量%以上であり、
前記粒状洗剤組成物100質量%中、前記(A)成分の配合量が5〜30質量%、前記(B)成分の配合量が0.1〜5質量%、前記(C)成分の配合量が1〜5質量%である、粒状洗剤組成物。 - 前記造粒物は、(A)成分が(B)成分及び(C)成分で被覆されている、請求項1に記載の粒状洗剤組成物。
- 前記(A)成分は、炭酸水素ナトリウムの粒子である、請求項1又は2に記載の粒状洗剤組成物。
- 前記(C)成分は、粘土鉱物及びゼオライトであり、粘土鉱物/ゼオライトで表される質量比が0.5〜2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状洗剤組成物。
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