JP5795993B2 - 粒状洗剤の製造方法 - Google Patents

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本発明は、粒状洗剤の製造方法に関する。
粒状洗剤には、通常、洗浄性能等の付与を目的として、界面活性剤、無機ビルダーが配合されている。無機ビルダーとしては、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)や炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)等が好適に用いられる。加えて、皮脂汚れだけでなく染み汚れの除去を目的として、漂白成分である過炭酸塩などが配合されている粒状洗剤がある。
粒状洗剤には、汚れに対する洗浄力に加えて、水への溶解性も良好であることが求められる。
特許文献1では、溶解性の改善を図るため、少なくとも2種類の非界面活性剤添加剤を混合してプレミックスを形成させる工程と、非イオン界面活性剤の実質的にすべてを該プレミックス上にスプレーして、第1中間体粒子を形成させる工程と、該第1中間体粒子と第2中間体粒子(実質的にすべてのアニオン界面活性剤を含み、非イオン界面活性剤を実質的に含有しない)とを混合する工程と、からなる洗剤組成物を製造する方法が提案されている。
特表平11−514033号公報
しかしながら、粒状洗剤に過炭酸塩を配合した場合、過炭酸塩が溶け残り、溶解性が悪くなりやすい、という問題がある。特に、ホッパーでの一時保管、ベルト移送、空気輸送などの際、高い環境湿度(湿度50%RH以上)の雰囲気に曝された場合には、過炭酸塩の溶け残りが多く、かかる溶解性の問題が顕著である。
これに対し、特許文献1に係る製造方法において、非界面活性剤として過炭酸塩を用いた場合、過炭酸塩の溶け残りが生じ、得られる洗剤組成物の溶解性は不充分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、過炭酸塩の溶け残りが少なく溶解性に優れた粒状洗剤を課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、過炭酸塩を含有する粒状洗剤を製造するに際し、過炭酸塩含有粒子と特定の無機塩の粒子との混合物(プレミックス)を、該プレミックスを調製する工程の環境湿度超から、該プレミックスと界面活性剤含有粒子とを混合する工程の環境湿度未満の環境下に曝露することによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の粒状洗剤の製造方法は、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物を得る工程1、及び、該工程1で得た該混合物と界面活性剤含有粒子とを該工程1より高い湿度の環境下で混合する工程2を有する粒状洗剤の製造方法において、前記工程1と前記工程2との間に、前記工程1の環境湿度超から前記工程2の環境湿度未満の環境下に前記混合物を曝露する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、過炭酸塩の溶け残りが少なく溶解性に優れた粒状洗剤を得ることができる。
曝露工程における環境湿度を、工程1から工程2にかけて、連続的に、高く変化させる場合の実施形態例を示すグラフである。 曝露工程における環境湿度を、工程1から工程2にかけて、段階的に、高く変化させる場合の実施形態例を示すグラフであり;図2(a)は湿度Hと湿度Hとの間で1段階、図2(b)は湿度Hと湿度Hとの間で2段階、一定の湿度状態が存在する場合の実施形態例を示すグラフである。
本発明の粒状洗剤の製造方法は、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物を得る工程1と、該工程1で得た該混合物と界面活性剤含有粒子とを該工程1より高い湿度の環境下で混合する工程2との間に、前記工程1の環境湿度超から前記工程2の環境湿度未満の環境下に前記混合物を曝露する工程を有する。
(粒状洗剤)
本発明の製造方法により製造される粒状洗剤は、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物(以下「プレミックス」ともいう)、及び、界面活性剤含有粒子を含有するものである。
かかる粒状洗剤は、前記の無機塩の粒子と過炭酸塩含有粒子と界面活性剤含有粒子とをそれぞれ粒子として含有するもの(すなわち、これら粒子がそれぞれ独立した粒子として存在する粒子群)でもよく、造粒物でもよい。
粒状洗剤の平均粒子径は、特に限定されないが、200〜1500μmが好ましく、より好ましくは250〜1000μmであり、さらに好ましくは300〜700μmである。粒状洗剤の平均粒子径が好ましい下限値以上であれば、使用時の粉立ちが抑制される。一方、該平均粒子径が好ましい上限値以下であれば、水への溶解性がより向上する。
本発明において、試料の平均粒子径は、日本薬局方に記載された粒度の試験に準じた篩い分けによる粒度分布から算出される値を示す。具体的には以下のようにして測定される。
平均粒子径は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm及び149μmの9段の篩と、受け皿とを用いた分級操作により測定する。
分級操作は、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回の試料を入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した試料を篩目ごとに回収する操作を行う。この操作を繰り返すことにより、1410〜1680μm(1410μmの篩上)、1190〜1410μm(1190μmの篩上)、1000〜1190μm(1000μmの篩上)、710〜1000μm(710μmの篩上)、500〜710μm(500μmの篩上)、355〜500μm(355μmの篩上)、250〜355μm(250μmの篩上)、149〜250μm(149μmの篩上)、受け皿〜149μm(149μmの篩通過、受け皿上)の各粒子径の分級サンプルを得、その質量を測定する。
そして、受け皿と各篩との質量頻度(%)を算出する。積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」、また、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とし、下記(1)式により平均粒子径(50質量%粒径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
Figure 0005795993
粒状洗剤の嵩密度は、特に限定されないが、例えば0.3g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.5〜1.2g/cmであり、さらに好ましくは0.6〜1.1g/cmである。
粒状洗剤の嵩密度が好ましい下限値以上であれば、粉立ちが少なく、取り扱いが容易である。また、粒状洗剤の保存時に必要なスペース(保存場所)をより少なくできる。該嵩密度が好ましい上限値以下であれば、溶解性がより良好である。
本発明において、嵩密度は、JIS K3362−1998に準じて測定される値を示す。
粒状洗剤の水分含量は、特に限定されないが、溶解性と保存安定性の観点から、3〜10質量%が好ましく、より好ましくは4〜9質量%であり、さらに好ましくは5〜8質量%である。
本発明において、水分含量は、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製)により試料5g、試料表面温度130℃、20分間で測定される値を示す。
<無機塩の粒子>
本発明の製造方法により製造される粒状洗剤には、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子(以下単に「無機塩の粒子」という)が含まれる。
アルカリ金属の炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
アルカリ金属の塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
無機塩の粒子の粒子群の平均粒子径は、300〜1200μmが好ましく、より好ましくは500〜1100μmであり、さらに好ましくは600〜1000μmである。
該平均粒子径が好ましい下限値以上であると、粒状洗剤の固化が抑制されやすくなる。該平均粒子径が好ましい上限値以下であると、良好な溶解性が維持される。
無機塩の粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機塩の粒子のなかでも、特に溶解性が良好となることから、アルカリ金属の炭酸水素塩が好ましく、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
無機塩の粒子として炭酸水素ナトリウムを用いる場合、炭酸水素ナトリウムは、従来、粒状洗剤に用いられているもの(単結晶物)を用いることができる。加えて、粒状洗剤の固化がより抑制される点から、これまで粒状洗剤に用いられているものよりも粒子径が大きいもの、たとえば従来品を肥大化させたもの(結晶の合一物)、を用いることが好ましい。従来品の肥大化は、従来品に水を噴霧して造粒する方法等により調製することができる。
粒状洗剤中の無機塩の粒子の含有量は、粒状洗剤の総質量に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.4〜25質量%がより好ましい。
無機塩の粒子の含有量が好ましい下限値以上であると、溶解性がより高まる。一方、無機塩の粒子の含有量が好ましい上限値以下であれば、過炭酸塩含有粒子との配合バランスをとりやすく、過炭酸塩含有粒子の安定化がより図られる。
<過炭酸塩含有粒子>
粒状洗剤は、過炭酸塩含有粒子を含有することで、特に染み汚れに対する洗浄力が高まる。
本発明における過炭酸塩含有粒子としては、過炭酸塩からなる粒子、過炭酸塩の表面を被覆した粒子、過炭酸塩を含む造粒物などが挙げられ、保存安定性がより良好であることから、過炭酸塩の表面を被覆した粒子、過炭酸塩を含む造粒物が好ましい。
過炭酸塩含有粒子の粒子群の平均粒子径は、400〜1500μmが好ましく、より好ましくは700〜1200μmであり、さらに好ましくは800〜1000μmである。該平均粒子径が好ましい下限値以上であると、使用時の粉立ちが抑制される。該平均粒子径が好ましい上限値以下であると、溶解性に優れる。
過炭酸塩含有粒子における過炭酸塩としては、従来、粒状洗剤に用いられているものを用いることができ、過炭酸ナトリウムが好適に用いられる。
過炭酸ナトリウムは、通常、過酸化水素と炭酸ナトリウムとを反応させて析出した過炭酸ナトリウムをろ別する、湿式結晶析出法によって製造される。これにより製造された過炭酸ナトリウム結晶中には、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムがそれぞれ5質量%程度含まれていてもよく、該結晶中に過炭酸ナトリウムが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上含まれていてもよい。
過炭酸塩の表面を被覆した粒子において、過炭酸塩の表面を被覆する方法は、特に限定するものではないが、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、塩化物(塩化ナトリウム、塩化マグネシウム)、硫酸塩(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム)、ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム)、界面活性剤等を混合したスラリーを、過炭酸ナトリウム表面に噴霧して被覆する方法等が挙げられる。
また、過炭酸ナトリウム表面を被覆する被覆剤として、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、m−キシレンスルホン酸ナトリウム等の芳香族炭化水素スルホン酸のアルカリ金属塩;ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンテトラメチレンホスホン酸、1,2−プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、クエン酸等の有機キレート剤;ポリ(メタ)アクリル酸(塩)等のアクリル酸系ポリマー、平均分子量1000〜20000のポリエチレングリコール、重炭酸アルカリ金属塩;ホウ酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩;炭素数4〜18のジカルボン酸;尿素、ジシアンジアミド;高級脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等のアニオン界面活性剤;炭素数8〜22の直鎖状又は分岐鎖状の高級アルコールのエチレンオキシド付加物(エチレンオキシドの付加モル数5〜50)等の非イオン界面活性剤、デンプン、デキストリン等を用いてもよい。
過炭酸ナトリウム表面の被覆には、スラリーを噴霧した後、必要に応じて乾燥すること、又はスラリーを噴霧しながら乾燥することから、流動床造粒装置や転動造粒装置などが好適に用いられる。
過炭酸塩を含む造粒物において、過炭酸塩の造粒には、従来公知の造粒方法(捏和・押出し法、撹拌造粒法、転動造粒法など)を用いることができる。
過炭酸塩の造粒粒子中の有効酸素量は、その安定性と性能の観点から、10〜14質量%が好ましい。
過炭酸塩の造粒物には、その安定性の観点から、リン分をPとして該造粒物中に好ましくは0.1質量%以上含有し、安定性と環境面の配慮の観点から、より好ましくは0.1〜0.5質量%、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%含有する。
過炭酸塩の安定性を向上するためのリン分は、過酸化水素と炭酸ナトリウムとを反応する際に添加される。添加するリン分としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸、ポリリン酸が好適である。リン分は、P換算で過炭酸塩の造粒物中に、好ましくは0.1〜0.5質量%となるように調整される。
過炭酸塩含有粒子として用いるのに好適な市販品としては、SPCC(Zhejiang Jinke Chemicals Co.,Ltd.);Sodium Percarbonate(浙江迪希化工有限公司Zhejiang DC Chemical Co.,Ltd.)等が挙げられる。これら市販品のリン分(Pとして)の含有量は0.1〜0.5質量%程度である。
過炭酸塩含有粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒状洗剤中の過炭酸塩含有粒子の含有量は、無機塩の粒子の種類や含有割合を勘案して決定でき、例えば、2〜25質量%が好ましく、より好ましくは4〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。
過炭酸塩含有粒子の含有量が好ましい下限値以上であれば、特に染み汚れに対する洗浄力がより高まる。過炭酸塩含有粒子の含有量が好ましい上限値以下であれば、界面活性剤含有粒子の配合効果が得られやすくなって洗浄力に優れるとともに、溶解性も優れる。
<界面活性剤含有粒子>
界面活性剤含有粒子は、界面活性剤を含有する粒子である。粒状洗剤は、界面活性剤含有粒子を含有することで、良好な洗浄力を発揮できる。
界面活性剤含有粒子の粒子群の平均粒子径は、200〜1500μmが好ましく、より好ましくは250〜1000μmであり、さらに好ましくは300〜700μmである。該平均粒子径が好ましい下限値以上であると、使用時の粉立ちが抑制される。該平均粒子径が好ましい上限値以下であると、水への溶解性に優れる。
界面活性剤含有粒子の粒子群においては、粒子径149μm以下の粒子量が、界面活性剤含有粒子の粒子群全体の20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下である。この範囲であれば、固化がより抑制される。
また、粒子径1000μm超の粒子量が、界面活性剤含有粒子の粒子群全体の20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下である。この範囲であれば、溶解性がより向上する。
界面活性剤含有粒子の粒子群の嵩密度は、例えば0.5g/cm以上が好ましく、より好ましくは0.6〜1.1g/cmであり、さらに好ましくは0.7〜1.0g/cmである。該嵩密度が前記範囲にあると、固化を生じにくく、また、溶解性がより向上する。
界面活性剤含有粒子の水分含量は、特に固化を生じにくい点から、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜9質量%である。
界面活性剤含有粒子における界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを配合してもよく、1種又は2種以上を併用することができる。
界面活性剤含有粒子中の界面活性剤の含有量は、充分な洗浄性能を付与する点から、界面活性剤含有粒子成分の総質量に対して10〜90質量%が好ましく、より好ましくは15〜80質量%であり、特に15〜25質量%であると溶解性の点からも好ましい。
≪アニオン界面活性剤≫
界面活性剤含有粒子に配合するアニオン界面活性剤としては以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩。
(2)脂肪酸の平均炭素数が10〜20の高級脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
(3)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(5)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(6)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(9)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(10)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。これらアニオン界面活性剤は、1種単独又2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
≪ノニオン界面活性剤≫
界面活性剤含有粒子に配合するノニオン界面活性剤としては以下のものが挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル、より好ましくは10〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
CO(OA)OR ・・・(I)
[式(I)中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは炭素数8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位を示し、mはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。Rは炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。]
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
≪カチオン界面活性剤≫
界面活性剤含有粒子に配合するカチオン界面活性剤としては以下のものが挙げられる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは炭素数14〜18のアルキル基を示す。「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。中でも、炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
≪両性界面活性剤≫
界面活性剤含有粒子に配合する両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系の両性界面活性、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等が好適なものとして挙げられる。
≪界面活性剤含有粒子中のその他の成分≫
界面活性剤含有粒子には、必要に応じて、洗浄性ビルダー、蛍光増白剤、ポリマー類、酵素安定剤、ケーキング防止剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤等を配合することができる。
洗浄性ビルダーとしては、無機ビルダー及び有機ビルダーが挙げられる。
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;A型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト等のゼオライト;結晶性層状珪酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−NaO・2SiO)等の結晶性アルカリ金属珪酸塩)、非晶質アルカリ金属珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩、炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属珪酸塩の複合体(例えば、ローディア社製のNABION15(商品名))等が挙げられる。
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物、カルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
上記洗浄性ビルダーの中でも、洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性が向上することから、有機ビルダーとしては、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩等が好ましく;無機ビルダーとしては、アルカリ金属炭酸塩、硫酸塩、ゼオライト等が好ましい。
そのなかでも、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩等の有機ビルダーと、アルカリ金属炭酸塩、硫酸塩、ゼオライト等の無機ビルダーとを併用することがより好ましい。
界面活性剤含有粒子中の洗浄性ビルダーの含有量は、充分な洗浄性能を付与する点から、界面活性剤含有粒子の総質量に対して10〜80質量%が好ましく、より好ましくは20〜75質量%である。
粒状洗剤中の界面活性剤含有粒子の含有量の下限は、粒状洗剤の総質量に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。界面活性剤含有粒子の含有量が好ましい下限値以上であると、洗浄効果がより向上する。一方、粒状洗剤中の界面活性剤含有粒子の含有量の上限は、粒状洗剤の総質量に対して90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。界面活性剤含有粒子の含有量が好ましい上限値以下であれば、混合物(プレミックス)との配合バランスをとりやすく、溶解性もより高まる。
≪界面活性剤含有粒子の製造方法≫
界面活性剤含有粒子の製造方法は、公知の製造方法により製造できる。例えば、界面活性剤とその他の成分とを水に分散・溶解した後、噴霧乾燥して粉末状の界面活性剤含有粒子を得ることができる。また、界面活性剤と任意成分とを捏和・押出、撹拌造粒、転動造粒等の装置に供して捏和や造粒、圧縮成形等を施し、さらに必要に応じて粉砕等を施すことにより、所望とする形態の界面活性剤含有粒子を得ることができる。
<粒状洗剤中のその他の成分>
本発明の製造方法により製造される粒状洗剤は、上述した無機塩の粒子、過炭酸塩含有粒子及び界面活性剤含有粒子に加えて、必要に応じてその他の成分(洗剤任意成分)を含有してもよい。
洗剤任意成分としては、衣料用等の洗剤に通常使用されているものが挙げられ、例えば、アニオン界面活性剤又はその酸前駆体、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子等のバインダー;A型ゼオライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト等のゼオライト;過硼酸塩等の漂白剤、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩等の漂白活性化剤、漂白活性化触媒、酵素造粒物、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩;クエン酸又はその塩、中鎖もしくは長鎖の脂肪酸又はその塩、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はその塩等の重金属キレート剤、粘土鉱物又はその造粒物、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、ウルトラマリンブルー等の顔料、染料等が挙げられる。
(粒状洗剤の製造方法)
本発明の粒状洗剤の製造方法は、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物を得る工程1と、該工程1で得た該混合物と界面活性剤含有粒子とを該工程1より高い湿度の環境下で混合する工程2と、該工程1と該工程2との間に、任意の環境湿度下に該混合物を曝露する工程(以下「曝露工程」という)と、を有する製造方法である。
本発明において「環境湿度」とは、通常用いられる相対湿度(%RH)であり、空気中に含まれる水蒸気の量と、その温度での空気が含み得る水蒸気の最大量と、の比率をいう。曝露工程が密閉状態である場合、その環境における相対湿度を示し、開放状態である場合、該プレミックス粉末表面に対して垂直方向に10cm離れた位置における相対湿度を示す。湿度は、一般に用いられるデジタル温湿度計(たとえばT&D corp.製、製品名おんどとりTR−72U等)、乾湿球湿度計、毛髪湿度計などを用いて測定することができる。本発明における湿度は、デジタル温湿度計を用いることにより測定される値を示し、測定値の安定的な取得のため、測定環境にデジタル温湿度計を設置した後の1分後の値とする。
以下、本発明の製造方法について、その一例を挙げて説明する。
[工程1]
工程1は、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物(プレミックス)を得る工程である。特定の無機塩の粒子と過炭酸塩含有粒子とを予め混合してプレミックスを調製することにより、過炭酸塩の安定化が図られ、過炭酸塩の分解が抑制される。
工程1では、無機塩の粒子と過炭酸塩含有粒子とを、例えば、混合機内で流動させつつ混合することにより、粒子群からなるプレミックスが得られる。
混合機としては、特に限定されず、無機塩の粒子と過炭酸塩含有粒子とを混合できるものであればよく、たとえば転動造粒装置などが挙げられる。具体的には、有底円筒状の容器内に撹拌羽根を備えた容器回転式円筒型混合機などを用いることができる。
混合を行う際、混合機内の温度を、室温(20℃)以上50℃以下とすることが好ましく、室温(20℃)以上40℃以下とすることがより好ましい。
該温度を前記の範囲内とすることで、無機塩の粒子の性質が維持されやすくなり、過炭酸塩の分解もより抑制される。
混合機内の湿度は、40%RH以下とすることが好ましく、10〜30%RHとすることがより好ましい。
該湿度を好ましい上限値以下とすることで、過炭酸塩の分解がより抑制され、一方、該湿度を好ましい下限値以上とすることで、混合機内の粉立ちがより抑制される。
無機塩の粒子と過炭酸塩含有粒子との配合比率は、無機塩の粒子/過炭酸塩含有粒子で表される質量比を、1/99〜50/50とすることが好ましく、2/98〜30/70とすることがより好ましく、4/96〜20/80とすることがさらに好ましい。
かかる質量比を好ましい下限値以上とすると、過炭酸塩の安定化がより図られ、過炭酸塩の分解がより抑制される。該質量比を好ましい上限値以下とすると、無機塩の粒子による凝着が抑制されやすくなる。
[曝露工程]
曝露工程は、任意の環境湿度下に、前記工程1で得た混合物(プレミックス)を曝露する工程である。工程1と工程2との間でこの操作を行うことにより、粒状洗剤は、過炭酸塩の溶け残りが少なくなり、溶解性が高くなる。加えて、粒状洗剤は保存安定性が良好となり、過炭酸塩が分解しにくい。
曝露工程では、たとえば前記混合機内の環境湿度を、工程1から工程2にかけて、連続的に又は段階的に高めていき、その環境下に前記工程1で得たプレミックスを曝露する操作が行われる。
曝露する操作を行う際、混合機内(環境)の温度を、45℃以下とすることが好ましく、20〜40℃とすることがより好ましい。該温度を好ましい上限値以下とすることで、温度の影響によるプレミックスの変質等が抑制される。一方、該温度を好ましい下限値以上とすることで、工程1の操作を受けたことによって生じる結露が抑制されやすくなる。たとえば、曝露工程の環境と、工程1の環境と、の温度差を20℃以下とすることが好ましい。
混合機内(環境)の湿度の下限値は、工程1の環境湿度より高く、35%RH超とすることが好ましく、40%RH超とすることがより好ましく、50%RH超とすることがさらに好ましく、60%RH超とすることが特に好ましく;混合機内(環境)の湿度の上限値は、工程2の環境湿度より低く、80%RH未満とすることが好ましく、75%RH未満とすることがより好ましく、70%RH未満とすることがさらに好ましく、60%RH未満とすることが特に好ましい。
該湿度を前記の好ましい範囲とすることで、粒状洗剤は、過炭酸塩の溶け残りがより少なくなる。加えて、過炭酸塩がより分解しにくくなる。
混合機内の環境下にプレミックスを曝露する時間は、20分間以上とすることが好ましく、30分間以上とすることがより好ましく;上限値を120分間以下とすることが好ましく、60分間以下とすることがより好ましい。
この曝露する時間を好ましい下限値以上とすることで、プレミックス全体の均質化が図られやすい。一方、曝露する時間を好ましい上限値以下とすることで、過炭酸塩の溶け残りがより少なくなる。加えて、過炭酸塩がより分解しにくくなる。
環境下にプレミックスを曝露する操作は、雰囲気にプレミックス全体が一様に接するように施すことが好ましく、均一に混合しながら該操作を施すことがより好ましい。具体的には、プレミックスを混合機内で流動させながら曝露する方法が挙げられる。その際、下記式
Fr=V/(R×g)
[式中、Vは混合機における最外周の周速(m/s)を表す。Rは混合機における最外周の回転中心からの半径(m)を表す。gは重力加速度(m/s)を表す。]
で表されるフルード数(Fr)を0.01〜0.8とすることが好ましく、0.05〜0.5とすることがより好ましく、0.1〜0.4とすることが特に好ましい。Frをこの範囲とすることで、混合機内の環境下にプレミックス全体をより均一に曝露でき、プレミックス全体の均質化が図られやすい。
曝露工程においては、工程1から工程2にかけて湿度を高めた環境下にプレミックスを曝露することにより、プレミックスの水分含量を、該環境下に曝露する前(工程1の直後)のプレミックスの水分含量に対して0.5質量%以上増加させることが好ましく、1〜3質量%増加させることがより好ましい。プレミックスの水分含量の増加割合を、好ましい下限値以上とすることで、工程2での急速な吸湿が抑制されやすくなる。プレミックスの水分含量の増加割合を、好ましい上限値以下とすることで、固化を生じにくくなる。
該環境下に曝露する前のプレミックスの水分含量は、プレミックスの総量に対して0.1〜3質量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2質量%程度である。
<環境湿度の制御>
曝露工程の環境湿度は、たとえば前記混合機内の環境湿度を、工程1から工程2にかけて、連続的に又は段階的に、高くしていくことにより制御される。
環境湿度の制御方法は、事前に湿度が調整されたエアー(調湿エアー)を用いて工程の環境を充たしてもよいし、環境に水を噴霧してもよい。該噴霧は、水が微粒化される条件で行うことが好ましく、微粒化条件は噴霧の加圧、噴霧する水又は環境の高温化によって制御される。
図1に、曝露工程における環境湿度を、工程1から工程2にかけて、連続的に、高く変化させる場合の実施形態例を示す。
図1において、曝露工程における環境湿度は、工程1の環境湿度(湿度H)から工程2の環境湿度(湿度H)に向かって、L:直線的に、又は、C:下に凸の曲線状に、若しくは、C:上に凸の曲線状に高く変化している。
図2に、曝露工程における環境湿度を、工程1から工程2にかけて、段階的に、高く変化させる場合の実施形態例を示す。
図2(a)において、曝露工程における環境湿度は、工程1の環境湿度(湿度H)から湿度H(湿度の関係:H<H<H)へと高くされ、その湿度Hが一定時間保たれ、その後、工程2の環境湿度(湿度H)へと高くされている。すなわち、湿度Hと湿度Hとの間で1段階、一定の湿度状態(湿度H)が存在している。
湿度Hと湿度Hとの差hは、10%RH以上とすることが好ましく、10〜50%RHとすることがより好ましい。
湿度Hと湿度Hとの差hは、10%RH以上とすることが好ましく、10〜30%RHとすることがより好ましい。
湿度Hの保持時間は、配合スケール、混合機の種類等を考慮して適宜決定され、たとえば20分間以上とすることが好ましく、20〜70分間とすることがより好ましく、30〜60分間とすることが特に好ましい。
図2(b)において、曝露工程における環境湿度は、工程1の環境湿度(湿度H)から湿度H01(湿度の関係:H<H01)へと高くされ、その湿度H01が一定時間保たれた後、湿度H01から湿度H02(湿度の関係:H01<H02<H)へと高くされ、その湿度H02が一定時間保たれ、その後、工程2の環境湿度(湿度H)へと高くされている。すなわち、湿度Hと湿度Hとの間で2段階、一定の湿度状態(湿度H01及び湿度H02)が存在している。
湿度H02と湿度H01との差hは、10%RH以上とすることが好ましく、15〜30%RHとすることがより好ましい。
湿度Hと湿度H02との差hは、5%RH以上とすることが好ましく、5〜15%RHとすることがより好ましい。
湿度H01及び湿度H02の保持時間は、配合スケール、混合機の種類、差h等を考慮して適宜決定され、湿度H01の保持時間は、たとえば15分間以上とすることが好ましく、30〜50分間とすることがより好ましく、湿度H02の保持時間は、たとえば5分間以上とすることが好ましく、10〜20分間とすることがより好ましい。
なお、曝露工程における環境湿度を段階的に高くしていく場合、工程1の環境湿度(湿度H)と工程2の環境湿度(湿度H)との間で3段階又はそれ以上、一定の湿度状態を保つように、環境湿度を制御してもよい。
本発明の粒状洗剤の製造方法においては、過炭酸塩の溶け残りがより少なくなりやすいことから、前記工程1から前記工程2にかけて環境湿度を段階的に高めることが好ましい。なかでも、プレミックス全体の均質化、作業効率の点から、図2(a)に示すように環境湿度を制御するのが特に好ましい。
曝露工程の操作は、容器回転式円筒型混合機以外の手段でも行うことができる。たとえば、ベルト移送、空気輸送等の粉体移動手段、流動層、リボンミキサー、パドルミキサー、スクリュー混合機等の粉体混合手段が挙げられる。
[工程2]
工程2は、前記曝露工程を経た混合物(プレミックス)と界面活性剤含有粒子とを前記工程1より高い湿度の環境下で混合する工程である。
工程2では、たとえば、前記曝露工程を経たプレミックスと界面活性剤含有粒子とを、前記と同様の混合機内で流動させつつ混合することにより、混合物(粒子群)が得られる。
混合を行う際、混合機内の温度を、20〜80℃とすることが好ましく、30〜50℃とすることがより好ましい。
該温度を好ましい下限値以上とすることで、工程1及び曝露工程での操作を受けたことによって生じる結露が抑制されやすくなり、一方、該温度を好ましい上限値以下とすることで、プレミックス及び界面活性剤含有粒子の変質がより抑制される。
本発明においては、工程2における湿度と、工程1における湿度と、の差を35%RH以上とすることが好ましく、40〜60%RHとすることがより好ましい。この差を前記範囲とすることで、本発明の効果が発揮されやすくなる。
工程2における混合機内の湿度は、60%RH以上とすることが好ましく、70〜95%RHとすることがより好ましい。該湿度を好ましい下限値以上とすることで、粒状洗剤の吸湿速度をより低下させることができ、一方、該湿度を好ましい上限値以下とすることで、プレミックス及び界面活性剤含有粒子において、混合機内における結露に伴う急激な変質が抑制されやすくなる。
前記曝露工程を経たプレミックスと界面活性剤含有粒子との配合比率は、プレミックス/界面活性剤含有粒子で表される質量比を1/99〜30/70とすることが好ましく、5/95〜20/80とすることがより好ましい。
かかる質量比を好ましい下限値以上とすると、粒状洗剤、特に界面活性剤含有粒子の溶解性が良好となる。加えて、特に染み汚れに対する洗浄力が高まる。該質量比を好ましい上限値以下とすると、界面活性剤含有粒子の配合効果が得られやすくなって洗浄力に優れるとともに、溶解性も優れる。
本発明の粒状洗剤の製造方法においては、工程2で、前記曝露工程を経たプレミックスと界面活性剤含有粒子とを、前記と同様の混合機内で流動させつつ混合しながら、この粒子群にゼオライト、バインダー等を添加して、粒子表面の改質を行ってもよい。
バインダーの添加方法は、バインダーの種類等に応じて決定でき、例えば、滴下又は噴霧による添加方法が挙げられる。バインダーを噴霧により添加するには、加熱して又は水溶液に調製して、微粒化できる状態に粘度調整することが好ましい。
バインダーを加熱する場合には、室温(20℃)〜95℃とすることが好ましい。室温未満であると、バインダーの微細化が不充分となり、95℃超では粘度が下がりすぎて噴霧圧が高くなる場合がある。
また、バインダーを水溶液として添加する場合には、該水溶液中のバインダーの含有量を、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上とする。水溶液中のバインダーの含有量が少ないと、添加する水溶液量を増量することとなり、この増量に伴い、粒子の水分含量が増大し、粒状洗剤の固化防止効果が損なわれるおそれがある。また、水溶液中のバインダーの含有量を前記の好適な範囲とすることは、混合機内の環境湿度の制御にも成り得る。
バインダーとしては、従来、粒状洗剤に用いられているものであればよく、例えば、アニオン界面活性剤又はその酸前駆体、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子等が挙げられる。粒状洗剤中のバインダーの含有量は、界面活性剤含有粒子、無機塩の粒子及び過炭酸塩含有粒子等の含有割合を勘案して決定される。界面活性剤含有粒子、無機塩の粒子、過炭酸塩含有粒子の各粒子表面が、バインダー自体で、又はバインダーを介してゼオライト等の添加剤で被覆されることで、粒子表面が改質する。
アニオン界面活性剤又はその酸前駆体としては、例えば、炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数8〜20のアルキル基を有する高級脂肪酸塩、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)及びブチレンオキシド(BO)から選ばれる1種以上が平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル、脂肪酸メチルエステルにEO又はPOが付加した脂肪酸メチルエステルアルコキシレート等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルとしては、炭素数8〜40の飽和又は不飽和のアルコールに、EO、PO及びBOから選ばれる1種以上が付加したものが好ましく、中でも、EOもしくはPOが単独又はこれらが混合して付加したものがより好ましい。加えて、アルキレンオキシドの平均付加モル数は、3〜35モルが好ましく、5〜30モルがより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテルとしては、炭素数8〜12のアルキルフェノール又はアルケニルフェノールに、EO、PO及びBOから選ばれる1種以上が付加したものが好ましく、EOもしくはPOが単独又はこれらが混合して付加したものがより好ましい。加えて、アルキレンオキシドの平均付加モル数は、5〜25モルが好ましく、8〜20モルがより好ましい。
脂肪酸メチルエステルにEO又はPOが付加した脂肪酸メチルエステルアルコキシレートとしては、平均炭素数が8〜40の飽和又は不飽和脂肪酸メチルエステルに、EOもしくはPOが単独又はこれらが混合して付加したものが好ましい。加えて、アルキレンオキシドの平均付加モル数は、5〜30モルが好ましい。
水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール(重量平均分子量200〜20000)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(脂肪酸基の炭素数8〜22、エチレングリコールの重合度(EOの平均付加モル数)5〜25)、デカグリセリン脂肪酸エステル(脂肪酸基の炭素数8〜22)、ソルビタン脂肪酸エステル(脂肪酸基の炭素数8〜22)、ポリアクリル酸塩(重量平均分子量1000〜100000)、アクリル酸マレイン酸共重合体(重量平均分子量1000〜100000)又はその塩等が挙げられる。
また、本発明の粒状洗剤の製造方法においては、工程2で、前記曝露工程を経た混合物(プレミックス)と界面活性剤含有粒子とを、撹拌造粒、転動造粒等の造粒方法により造粒物としてもよい。
さらに、本発明の粒状洗剤の製造方法においては、工程2で、前記曝露工程を経たプレミックスと界面活性剤含有粒子とを混合した後、任意で乾燥を行ってもよく、粒度分布を整えるために適宜整粒処理を行ってもよい。
本発明に係る製造方法で得られる粒状洗剤を用いる被洗物の洗浄方法としては、例えば、粒状洗剤の濃度が0.02〜2質量%である洗浄液を用い、洗濯機で被洗物を洗浄する方法、洗浄液に被洗物を浸け置く等の方法等、従来公知の洗浄方法が挙げられる。
被洗物としては、例えば、衣料、布帛、カーテン、シーツ等の繊維製品が挙げられ、特に衣料用として好適である。
本発明に係る製造方法によれば、過炭酸塩の溶け残りが少なく溶解性に優れた粒状洗剤を得ることができる。
粒状洗剤に過炭酸塩含有粒子を配合した際、過炭酸塩含有粒子が硬い塊状物となって溶け残り、溶解性が悪くなりやすい、という問題がある。これは、粒状洗剤が高い環境湿度下に保管等されることで、粒子表面の過炭酸塩が水と炭酸塩とに分解し、粒子同士が凝着するため、と考えられる。従来、過炭酸塩含有粒子の表面を非イオン界面活性剤で被覆することにより、溶解性の向上が図られている。しかしながら、該被覆では、過炭酸塩の分解は抑制されず、過炭酸塩含有粒子の溶け残りはほとんど改善されない。
本発明においては、工程1で、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物(プレミックス)を予め調製する。これにより、無機塩の粒子と過炭酸塩含有粒子とが近接することで、過炭酸塩含有粒子は環境湿度の影響を受けにくくなる。加えて、曝露工程の後での環境湿度の増加に対し、過炭酸塩含有粒子は吸湿速度が低くなり、粒子同士の凝着が起きにくい。これら作用により、本発明に係る製造方法で得られる粒状洗剤は、過炭酸塩の分解が抑制され、溶け残りが減少して溶解性に優れる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
本実施例における粒子径は、前述した分級操作(9段の篩と受け皿とを用いた分級操作)により測定した。また、前記の(1)式により平均粒子径(50質量%粒径)を算出し、これを試料の平均粒子径とした。
(使用原料)
実施例及び比較例で用いた原料を以下に示す。
<無機塩の粒子>。
・炭酸水素ナトリウム粒子(1):平均粒子径が800μmの炭酸水素ナトリウム粒子、以下に示す製造例により調製したもの。
≪炭酸水素ナトリウム粒子(1)の製造例≫
本製造例では、以下の炭酸水素ナトリウムを用いた。
炭酸水素ナトリウム:旭硝子株式会社製の商品名「重炭酸ナトリウム(一般工業用)、工重KG」、平均粒子径250μm、粒子径149μm以下の粒子の含有量15質量%、粒子径600μm以上の粒子は含まないもの。
そして、この炭酸水素ナトリウムを用い、粒子の造粒による肥大化を行った。これにより得た粒子を、無機塩の粒子として用いた。
該炭酸水素ナトリウム(旭硝子株式会社製の重炭酸ナトリウム)を、容器回転式円筒型混合機を用いて、水を噴霧することにより造粒した。この容器回転式円筒型混合機には、容器として直径0.7m、長さ1.4m、傾斜角3.0°、出口堰高さ0.15m;内部混合羽根として高さ0.1m、長さ1.4mの平羽根を90°毎に4枚取り付けた仕様のものを用いた。
また、内部混合羽根の回転数は、前述の式:Fr=V/(R×g)で表されるフルード数Fr=0.2になるように調整した。
該炭酸水素ナトリウムを、上記仕様の容器回転式円筒型混合機に、15kg/minの速度で投入した。
次いで、容器を回転させて流動化させた該炭酸水素ナトリウムに対し、水を、空円錐ノズル(K008、株式会社いけうち製)を用い、噴霧圧力0.20〜0.40MPaで噴霧した。該噴霧は、該炭酸水素ナトリウム粒子群が回転方向に沿って広がった領域における上端から2/3以内の範囲に行った。噴霧の際、粒子群の平均温度を35℃とした。この際の該炭酸水素ナトリウムと水との質量比率を99/1とした。
次いで、得られた炭酸水素ナトリウム粒子を乾燥することによって、該粒子の水分含量を0.5質量%未満にした。
以上により、平均粒子径が800μmの炭酸水素ナトリウム粒子(1)(粒子径が710μm超の粒子の割合:粒子群に対して90質量%、粒度分布:粒子径の範囲500〜1410μm、粒子径800μm付近にピークをもつもの)を得た。
・塩化ナトリウム:平均粒子径300μmの塩化ナトリウム(純正化学株式会社製)を、炭酸水素ナトリウムと同様に肥大化させたもの(粒度分布:粒子径の範囲500〜1410μm、粒子径800μm付近にピークをもつもの)を用いた。
・硫酸カリウム:平均粒子径150μmのもの(上野製薬株式会社製)を、炭酸水素ナトリウムと同様に肥大化させたもの(粒度分布:粒子径の範囲355〜1410μm、粒子径780μm付近にピークをもつもの)を用いた。
<過炭酸塩含有粒子>
過炭酸塩含有粒子として以下に示すものを用いた。
商品名SPCC(Zhejiang Jinke Chemicals Co.,Ltd.製):過炭酸ナトリウム89質量%、炭酸ナトリウム4.5質量%、塩化ナトリウム4.5質量%、水分1質量%からなる粒子を、コーティング剤1質量%を用いて被覆したもの;平均粒子径900μm。
<界面活性剤含有粒子>。
・LAS−K:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ライポンLH−200(AV値(LAS−H1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数)=180.0)を、噴霧乾燥粒子調製用スラリー中で、48質量%水酸化カリウム溶液で中和したもの、ライオン株式会社製(表中の含有量は、LAS−Kとしての質量%を示す)。
・A型ゼオライト:平均粒子径3μm、純分80質量%、水澤化学株式会社製。
・アクリル酸/マレイン酸コポリマー塩:アクアリックTL−400、40質量%水溶液、株式会社日本触媒製。
・炭酸ナトリウム:粒灰、ソーダアッシュジャパン株式会社製。
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)、旭硝子株式会社製。
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成株式会社製。
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(純分67質量%、タイター40〜45℃、脂肪酸組成:C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量:289)、ライオン株式会社製。
・α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(MES)含有ペースト:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩における脂肪酸鎖長の炭素数C16/C18=8/2(質量比)。ペースト組成:有効成分=63質量%、ノニオン界面活性剤=16質量%、ジ塩及びメチル硫酸塩等の不純物=8質量%、水分=13質量%。
・ノニオン界面活性剤:ECOROL26(商品名、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール、ECOGREEN社製)のエチレンオキシド平均15モル付加体、純分90質量%、ライオン株式会社製)。
≪界面活性剤含有粒子の製造例≫
表1の組成(表中の含有量は純分濃度を示す)に従い、A型ゼオライト2質量%相当分を除く各成分を撹拌機、ジャケットを有する反応装置内に投入し、水に溶解分散させ(ジャケット温度75℃)、固形分濃度60質量%のスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを、向流式乾燥塔を用いて以下の条件で噴霧乾燥し、噴霧乾燥塔の下部より、噴霧乾燥粒子コート被覆剤としてA型ゼオライトの一部(2質量%)を導入して噴霧乾燥粒子を得た。
・噴霧乾燥装置:向流式、塔径2.0m、有効長5.0m
・微粒化方式:加圧ノズル方式
・噴霧圧力:30kg/cm
・熱風入口温度:250℃
・熱風出口温度:100℃
得られた噴霧乾燥粒子の平均粒子径は300μm、嵩密度は0.3g/cm、水分含量は5質量%であった。
Figure 0005795993
得られた噴霧乾燥粒子73.8質量部と、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ペースト17質量部と、ノニオン界面活性剤1.4質量部と、水1.3質量部とを連続ニーダー(KRC−S4型、株式会社栗本鐵工所製)で捏和(ニーダーの回転数135rpm、ジャケット温度:ジャケット入り口5℃、出口25℃(ジャケットに通水して冷却))して、ドウ状物を調製した。得られたドウ状物の温度は55±15℃であった。
次いで、得られたドウ状物をペレッターダブル(EXD−100型、不二パウダル株式会社製)に投入し、孔径10mm、厚さ10mmのダイスから押し出すと同時に切断し(ペレッター(カッター)のカッター周速は5m/s)、ペレット状成形体(直径約10mm、長さ70mm以下(実質的には5mm以上))を得た。
このペレット状成形体93.5質量部に、粉砕助剤としてのA型ゼオライト6.5質量部を添加し、送風共存下で3段直列に配置されたフィッツミル(DKA−6型、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて粉砕することにより界面活性剤含有粒子を得た。粉砕条件は以下の通りとした。得られた粉体の温度は30±10℃、平均粒子径は350μm、粒子径149μm以下の粒子の含有量は全体の10質量%、嵩密度は0.85g/cm、水分含量は7質量%であった。
・送風温度:15±3℃
・送風量(気/固の比率):2.8±0.25m/kg
・スクリーン径:3段上から6mm、4mm、2mm
・粉砕機回転数:100%=4700rpm(周速約60m/s)
・処理速度:230kg/hr
<洗剤任意成分>。
・炭酸水素ナトリウム粒子(2):エコブラストEB−60(商品名、旭硝子株式会社製;平均粒子径300μm、粒度分布:粒子径の範囲75〜500μm、粒子径300μm付近にピークをもつもの)。
・A型ゼオライト:平均粒子径3μm、純分80質量%、水澤化学株式会社製。
・ノニオン界面活性剤:ECOROL26(商品名、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール、ECOGREEN社製)のエチレンオキシド平均15モル付加体、純分90質量%、ライオン株式会社製)。
・酵素:商品名がデオザイム(Deozyme)、ライペックス100T(LIPEX 100T)、ケアザイムプレミアム5000T(Carezyme Premium 5000T)(いずれもノボザイム社製)の酵素製剤を、デオザイム/ライペックス/ケアザイムプレミアム=2/2/6の質量比で混合したものを用いた。
(実施例1〜10、比較例1〜5:粒状洗剤の製造例)
表2に示す洗剤組成に従い、以下のようにして粒状洗剤を製造した。
粒状洗剤の製造には容器回転式円筒型混合機を用い、この容器回転式円筒型混合機として、炭酸水素ナトリウム粒子(1)の製造に用いたものと同一の仕様のものを用いた。
尚、表3、4、5中に示す粒状洗剤の水分含量は、最終的に得られた粒状洗剤中に含まれている水分の割合を示す。
Figure 0005795993
(実施例1)
[工程1]
炭酸水素ナトリウム粒子(1)と過炭酸塩含有粒子とを、上記仕様の容器回転式円筒型混合機に、15kg/minの速度で投入した。
次いで、これら粒子を、温度35℃、湿度30%RHの環境下で、容器を回転(フルード数Fr=0.2)させて流動させつつ予め混合し、炭酸水素ナトリウム粒子(1)と過炭酸塩含有粒子との粒子群からなる混合物(プレミックス)を得た。
[曝露工程]
続けて、該容器回転式円筒型混合機内の環境湿度を、図2(a)に示すように制御して曝露操作を行った。具体的には、温度35℃、湿度70%RHの環境下に、該プレミックスを、容器を回転(フルード数Fr=0.2)させて粒子群を流動させながら30分間曝露した。湿度の制御には調湿エアーを用いた。
[工程2]
続けて、該容器回転式円筒型混合機内を、温度35℃、湿度80%RHに設定した(湿度の制御には調湿エアーを用いた)。この環境下、界面活性剤含有粒子を15kg/minの速度で投入し、容器を回転(フルード数Fr=0.2)させて、該プレミックスと界面活性剤含有粒子とからなる粒子群を流動させつつ混合しながら、A型ゼオライトを添加し、その後、予め75℃に調整したノニオン界面活性剤を噴霧して粒状洗剤を得た。
ノニオン界面活性剤の噴霧は、空円錐ノズル(K008、株式会社いけうち製)を用い、噴霧圧力0.30〜0.50MPaで、所定の流量(0.05kg/min)と液滴径(150μm)とに設定して行った。ノニオン界面活性剤の噴霧は、粒子群が回転方向に沿って広がった領域における上端から2/3以内の範囲に行った。ノニオン界面活性剤の噴霧の際、粒子群の平均温度を35℃とした。
(実施例2)
曝露工程における湿度を55%RHに変更した以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(比較例1)
曝露工程における湿度を30%RHに変更した以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例3)
曝露工程における湿度を50%RH、プレミックスの曝露時間を60分間にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例4)
曝露工程における容器の回転速度(フルード数)を変更した以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例5)
曝露工程における湿度を55%RHに変更した以外は、実施例4と同様にして粒状洗剤を得た。
(比較例2)
曝露工程における湿度を30%RHに変更した以外は、実施例4と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例6)
工程1で、炭酸水素ナトリウム粒子(1)の代わりに、塩化ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例7)
工程2で、界面活性剤含有粒子の一部を炭酸水素ナトリウム粒子(2)に換えて配合した以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例8)
工程1で、炭酸水素ナトリウム粒子(1)の代わりに、硫酸カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例9)
工程1で、炭酸水素ナトリウム粒子(1)の一部を塩化ナトリウムに換えて配合した以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(実施例10)
曝露工程において、該容器回転式円筒型混合機内の環境湿度を、図2(b)に示すように制御して曝露操作を行った以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
具体的には、プレミックスを、50%RHに40分間曝露した後、70%RHに15分間曝露した。
(比較例3)
工程1で、炭酸水素ナトリウム粒子(1)を未配合(界面活性剤含有粒子を増量)とした以外は、実施例1と同様にして粒状洗剤を得た。
(比較例4)
工程1で、炭酸水素ナトリウム粒子(1)を未配合(界面活性剤含有粒子を増量)とした以外は、実施例4と同様にして粒状洗剤を得た。
(比較例5)
工程1で、炭酸水素ナトリウム粒子(1)を未配合(界面活性剤含有粒子を増量)とした以外は、実施例7と同様にして粒状洗剤を得た。
(評価方法)
上記にて得られた各例の粒状洗剤について、以下の溶解性及び保存安定性の評価をそれぞれ行った。その結果を表3、4、5に示す。
<溶解性>
二槽式洗濯機(株式会社東芝製、VH−30S(H))に、5℃の水道水30Lを入れ、被洗物として綿肌シャツ6枚、ポリエステルシャツ2枚、アクリルシャツ2枚を用意し、その半量(綿肌シャツ3枚、ポリエステルシャツ1枚、アクリルシャツ1枚)を投入し、浴比(被洗物の質量に対する洗浄液の質量)を20倍に調整した。被洗物はそれぞれ折り畳んで水面に浮かべた。被洗物の中心に各例の粒状洗剤30gを乗せ、残りの半量の被洗物を投入し、被洗物の全量を5分間浸漬後、弱水流で10分間撹拌した。排水後、被洗物を1分間脱水し、被洗物上及び洗濯機中にある溶け残りを拾い出した。
その後、拾い出した溶け残りのうち、FT−IRを用いて、過炭酸ナトリウム含有粒子であると同定されたもの(粒子)のみを数えた。
なお、拾い出した溶け残りの粒子が過炭酸ナトリウム含有粒子であるか否か、については、FT−IR測定により、界面活性剤のバンド(MES)が確認されない粒子を過炭酸ナトリウム含有粒子である、としてその粒子数を数えた。
過炭酸ナトリウム含有粒子であると同定された粒子を指標として、下記評価基準に基づき、粒状洗剤の溶解性について評価した。
≪評価基準≫
◎◎:溶け残りは無かった。
◎:溶け残った粒子数が1〜3粒であった。
○:溶け残った粒子数が4〜10粒であった。
△:溶け残った粒子数が11〜20粒であった。
×:溶け残った粒子数が21〜30粒であった。
××:溶け残った粒子数が31粒以上であった。
<保存安定性>
外側からコートボール紙(坪量:350g/m)、ワックスサンド紙(坪量:30g/m)、クラフトパルプ紙(坪量:70g/m)の3層からなる紙を用いて、長さ15cm×幅9cm×高さ12cmの箱を作製し、この箱に各例の粒状洗剤1.0kgを入れた。
この粒状洗剤が入った箱を、温度50℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿室内に21日間保存した。21日間の保存後、粒状洗剤を入れた箱を恒温恒湿室から取り出し、温度20℃、相対湿度60%RHの環境下で6時間放置した。
6時間放置の後、粒状洗剤1.0kgを約10gになるまで縮分し、次いで、10mgまで精秤した。その後、試料をビーカーに入れ、33質量%酢酸水溶液100mLを加え、マグネチックスターラーで攪拌して溶解させた。次いで、10質量%ヨウ素カリウム水溶液20mLを添加して得られる溶液を、1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した。途中、溶液が無色になったところで飽和モリブデン酸アンモニウムを2〜3滴加え、溶液が淡黄色になったところでさらに滴定を続け、再び溶液が無色になった時点で滴定を終了した。滴定開始から滴定終了までに滴下した1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量p(mL)から、下式により有効酸素量を求めた。
有効酸素量(%)={f×p×(1/2)×(1/1000)×16}/g×100
[式中、fは1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター、pは滴定量(単位:mL)、gは試料の質量(単位:g)]
そして、下式により過炭酸ナトリウムの残存率(PC残存率)を求めた。この過炭酸ナトリウムの残存率の値が大きいほど、保存安定性が良好であることを意味する。
過炭酸ナトリウムの残存率(%)=(保存安定性試験を行った後の試料の有効酸素量(%)/初期有効酸素量(%))×100
Figure 0005795993
Figure 0005795993
Figure 0005795993
表に示す結果から、本発明を適用することで、過炭酸塩の溶け残りが少なく溶解性に優れた粒状洗剤を得られることが確認できた。
実施例1、2と比較例1との対比、及び、実施例4、5と比較例2との対比より、工程1から工程2にかけて環境湿度を高めた環境下にプレミックスを曝露することで、過炭酸塩の溶け残りが少なくなること、及び、PC残存率が高くなること(過炭酸塩の安定化が図れること)が分かる。

Claims (1)

  1. アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の塩化物及び硫酸カリウムからなる群より選ばれる無機塩の粒子と、過炭酸塩含有粒子との混合物を得る工程1、及び、
    該工程1で得た該混合物と界面活性剤含有粒子とを該工程1より高い湿度の環境下で混合する工程2
    を有する粒状洗剤の製造方法において、
    前記工程1と前記工程2との間に、前記工程1の環境湿度超から前記工程2の環境湿度未満の環境下に前記混合物を曝露する工程を有することを特徴とする粒状洗剤の製造方法。
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