JP2013170260A - 粒状洗剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高嵩密度粒子と無機塩粒子とを含み、水への溶解性に加えて、初期および経時の流動性にも優れる粒状洗剤の提供。
【解決手段】界面活性剤および水溶性無機塩を含む高嵩密度粒子(a)の表面と炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムのうちの少なくとも一方からなる無機塩粒子(b)の表面とを、下記式(1)または(2)のノニオン界面活性剤で被覆した粒状洗剤。Rは炭素数5〜21のアルキル基又はアルケニル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、sはORの平均繰返し数で5〜30の数である。Rは炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、p、rはEOの平均繰返し数、qはPOの平均繰返し数で、p>1、r≧0、0<q≦3、p+r=10〜30である。
[化1]
Figure 2013170260

[化2]
Figure 2013170260

【選択図】なし

Description

本発明は、粒状洗剤及びその製造方法に関する。
粒状洗剤、特に衣料用洗剤として用いられる粒状洗剤には、従来、界面活性剤、水溶性無機塩などのビルダーを含有する水性スラリーを噴霧乾燥した噴霧乾燥粒子が用いられてきた。
ところが、この噴霧乾燥粒子は中空で嵩高いため、1回の洗浄に必要とされる体積量が多い。そのため、近年では、嵩高い噴霧乾燥粒子からなる粒状洗剤にかわって、嵩密度を高めた粒状洗剤、いわゆるコンパクト洗剤が主流となっている。
高嵩密度の粒状洗剤の製造方法としては、界面活性剤と水溶性無機塩などのビルダーを含有するスラリーを調製し、該スラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得て、ついで、この噴霧乾燥粒子とその他の成分とを捏和機(ニーダー)等で捏和し、得られた捏和物を粉砕する粉砕造粒法が知られている(例えば、特許文献1)。このような粉砕造粒法で得られた粒子は中実な高嵩密度粒子である。
一方、近年、洗濯事情の変化、環境負荷に対する意識の高まりなどから、粒状洗剤中の界面活性剤濃度は低く抑えられる傾向にある。ところが、界面活性剤濃度が低くなると、洗浄力が低下する懸念がある。そこで、高嵩密度粒子内にビルダー等として含有させる水溶性無機塩の量を多くすることにより、界面活性剤濃度を低く抑えながら洗浄力を維持することが検討されている。
特開昭64−6095号公報
しかしながら、高嵩密度粒子内に含有させる水溶性無機塩の量を増やそうとすると、捏和性が低下するなどして、粒子化が難しくなる傾向にある。そこで、高嵩密度粒子とは別に、水溶性無機塩からなる無機塩粒子を用意し、この無機塩粒子と高嵩密度粒子とを混合し、粒状洗剤とする方法が考えられる。この方法によれば、高嵩密度粒子内の水溶性無機塩を捏和性が良好な量に維持したまま、粒状洗剤全体としての無機塩量を増やすことができる。
ところが、高嵩密度粒子と無機塩粒子とを単に混合した粒状洗剤は、水への溶解性が良好ではなかった。また、初期の流動性が悪い場合や、初期の流動性が良好であっても、経時的に流動性が低下する場合があった。水への溶解性や流動性を改善するためには、高嵩密度粒子と無機塩粒子の表面を適当な処理剤で処理する方法が考えられるが、水への溶解性だけでなく、初期および経時の流動性をも向上させるような技術は従来見出されていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高嵩密度粒子と無機塩粒子とを含む粒状洗剤であって、水への溶解性に加えて、初期および経時の流動性にも優れる粒状洗剤の提供を課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、高嵩密度粒子と無機塩粒子の表面を特定のノニオン界面活性剤で被覆することによって、水への溶解性に加えて、初期および経時の流動性にも優れる粒状洗剤が得られることを見出した。
本発明の粒状洗剤は、界面活性剤および水溶性無機塩を含み、粒子群としての嵩密度が600g/L以上である高嵩密度粒子(a)の表面がノニオン界面活性剤(c1)で被覆された被覆粒子(A)と、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムのうちの少なくとも一方からなる無機塩粒子(b)の表面がノニオン界面活性剤(c2)で被覆された被覆粒子(B)とを含み、前記ノニオン界面活性剤(c1)および前記ノニオン界面活性剤(c2)は、それぞれ独立に下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方であることを特徴とする。
Figure 2013170260
[式(1)中、Rは炭素数5〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。sはORの平均繰返し数を示し、5〜30の数である。]
Figure 2013170260
[式(2)中、Rは炭素数10〜16の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、p、rはEOの平均繰返し数、qはPOの平均繰返し数を表し、p、q、rはp>1、r≧0、0<q≦3、p+r=10〜30を満たす数である。]
前記高嵩密度粒子(a)中の前記界面活性剤の含有量が10〜30質量%で、かつ、前記高嵩密度粒子(a)中の前記水溶性無機塩と前記界面活性剤との質量比(水溶性無機塩/界面活性剤)が1〜5であることが好ましい。
本発明の粒状洗剤の製造方法であって、前記高嵩密度粒子(a)と、前記無機塩粒子(b)と、前記ノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を含む処理液とを混合することを特徴とする。
本発明によれば、高嵩密度粒子と無機塩粒子とを含む粒状洗剤であって、水への溶解性に加えて、初期および経時の流動性にも優れる粒状洗剤を提供できる。
流動性の評価方法を説明する説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粒状洗剤は、高嵩密度粒子(a)の表面がノニオン界面活性剤(c1)で被覆された被覆粒子(A)と、無機塩粒子(b)の表面がノニオン界面活性剤(c2)で被覆された被覆粒子(B)とを含む。
<被覆粒子(A)>
本発明の粒状洗剤に含まれる被覆粒子(A)は、高嵩密度粒子(a)の表面がノニオン界面活性剤(c1)で被覆されたものである。
被覆粒子(A)は、高嵩密度粒子(a)の表面積の70%以上がノニオン界面活性剤(c1)で被覆されていることが好ましく、90%以上被覆されていることがより好ましく、100%被覆されていてもよい。
表面積に対する被覆された面積の割合(被覆率)は、例えば、被覆粒子をマイクロスコープ(株式会社朝日光学機器製作所製、Handi Scope TM)や、走査電子顕微鏡(例えば、株式会社日立製作所製、S−2380N)とエネルギー分散型X線分析装置(例えば、株式会社堀場製作所製、EMAX−7000)にて表面観察し、画像処理、あるいは表面元素分析等により確認できる。
[高嵩密度粒子(a)]
被覆粒子(A)を構成する高嵩密度粒子(a)は、粒状洗剤の洗浄力を担う成分であって、少なくとも界面活性剤と水溶性無機塩とを含み、粒子群として嵩密度が600g/L以上の粒子であり、好ましくは600〜1200g/L、より好ましくは700〜1200g/Lであり、さらに好ましくは800〜1200g/Lである。嵩密度が600g/L以上であると、高嵩密度粒子(A)を製造する際のエネルギーコスト(単位質量あたり)を低減できる。一方、1200g/L以下であると、洗浄時に溶け残る懸念が少ない。
なお、本明細書における嵩密度は、JIS K3362−1998に準じて測定される値を示す。
(界面活性剤)
高嵩密度粒子(a)に含まれる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤のうちの1種以上を使用できる。
アニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩)。
(2)脂肪酸の平均炭素数が10〜20の高級脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩(石鹸)。
(3)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(5)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(6)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(9)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(10)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
これらのアニオン界面活性剤は、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。これらアニオン界面活性剤は、1種単独又2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ノニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル、より好ましくは10〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル(LMAO)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば、RαCO(OA)ORβで表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
式中、RαCOは、炭素数6〜22、好ましくは炭素数8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。Rβは炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。中でも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系の両性界面活性剤、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
以上例示した界面活性剤の中でも、アニオン界面活性剤を用いることが好ましく、なかでもα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、LAS塩、石鹸を用いることが洗浄力の点から好ましい。また、ノニオン界面活性剤を用いることも好ましく、例えばLMAOが好ましい。アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を併用する場合には、これらの質量比(アニオン界面活性剤/ノニオン界面活性剤)は、洗浄力の点から、1〜10が好ましく、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜5である。
(水溶性無機塩)
高嵩密度粒子(a)に含まれる水溶性無機塩は、洗剤のビルダー等として添加されるものである。
水溶性無機塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;結晶性層状ケイ酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−NaO・2SiO)等の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩)、非晶質アルカリ金属ケイ酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属ケイ酸塩の複合体(例えば、ロディア社製のNABION15(商品名))等が挙げられる。
なかでも、アルカリ金属炭酸塩、硫酸塩などを使用することが好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウムなどを使用することがより好ましい。また、炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとは、これらを併用することがさらに好ましい。炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用することで、高嵩密度粒子(a)の強度、流動性が高まる傾向にある。
炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用する場合、高嵩密度粒子(a)中の炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウムで表される質量比は、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2〜10がさらに好ましい。炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウムの質量比が上記範囲の下限値以上であると、高嵩密度粒子(a)の洗浄力がより向上する傾向にあり、上限値以下であると、高嵩密度粒子(a)の強度、流動性がより優れる。
なお、硫酸ナトリウムとしては、無水物が好適に使用される。本明細書における「硫酸ナトリウム」との記載は、無水物を指す。
(界面活性剤および水溶性無機塩の含有量)
高嵩密度粒子(a)中の界面活性剤の含有量は、10〜30質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。また、高嵩密度粒子(a)中における、界面活性剤に対する水溶性無機塩の質量比(水溶性無機塩/界面活性剤)は、1〜5であることが好ましく、より好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは2〜3である。
界面活性剤の含有量、質量比(水溶性無機塩/界面活性剤)がこのような範囲であれば、界面活性剤濃度を低く抑えつつ、より優れた洗浄力を得ることができ、また、高嵩密度粒子(a)の造粒(粒子化)も問題なく行うことができる。さらに、該高嵩密度粒子(a)を用いて製造された粒状洗剤の水への溶解性が優れるとともに、初期および経時の流動性も良好となりやすい。
(任意成分)
高嵩密度粒子(a)には、上述した界面活性剤および水溶性無機塩の他に、有機ビルダーや水不溶性無機塩が含まれていてもよい。
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物、カルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
これらのなかでは、洗浄力や洗濯液中での汚れ分散性がより向上することから、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩を用いることが好ましい。また、有機ビルダーの好適な含有量は、高嵩密度粒子(a)中1〜20質量%であり、より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%である。
水不溶性無機塩としては、例えばゼオライトが、洗浄力の向上に寄与するビルダーとして好適に用いられる。ゼオライトとはアルミノケイ酸塩の総称であり、アルミノケイ酸塩としては、結晶性、非晶質(無定形)のいずれも用いることができる。カチオン交換能の点から結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。結晶性アルミノケイ酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が好適である。
また、ゼオライトを使用する場合、粒状洗剤100質量%中の含有量が好ましくは5〜16質量%となるように、より好ましくは7〜15質量%、さらに好ましくは10〜14質量%となるように含有させる。上記範囲の下限値以上であると、ゼオライトを用いたことによる洗浄力向上効果が得られやすく、上限値以下であると、ゼオライトを用いたことによるすすぎ性悪化などが生じにくい。
また、高嵩密度粒子(a)は、必要に応じて、蛍光増白剤、ポリマー類、酵素安定剤、ケーキング防止剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤等を含有することができる。
上述した界面活性剤および水溶性無機塩と、必要に応じて任意成分を含む高嵩密度粒子(a)は、従来公知の方法により製造できる。
例えば、高嵩密度粒子(a)を構成する原料(界面活性剤、水溶性無機塩、任意成分)の一部を水に分散・溶解して噴霧乾燥用スラリーを調製し(スラリー調製工程)、噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥機により乾燥して噴霧乾燥粒子を得る(噴霧乾燥工程)。ついで、得られた噴霧乾燥粒子を残りの原料と共に造粒する(造粒工程)。これにより、高嵩密度粒子(a)が得られる。その後、必要に応じて高嵩密度粒子(a)を篩い分けて、所望する平均粒子径、粒度分布に調整してもよい(篩分工程)。
噴霧乾燥用スラリーの噴霧乾燥時においては、噴霧乾燥塔内には高温ガスが供給される。この高温ガスは、例えば噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される。この高温ガスの温度としては、170〜300℃であることが好ましく、200〜280℃であることがより好ましい。該範囲であれば、噴霧乾燥用スラリーを充分に乾燥することができ、所望とする水分含有量の噴霧乾燥粒子を容易に得ることができる。
また、噴霧乾燥塔より排出されるガスの温度は、通常、70〜125℃であることが好ましく、70〜115℃であることがより好ましい。
なお、高温ガスが噴霧乾燥塔の下部より供給され、噴霧乾燥塔の塔頂より排出される(向流式)場合、得られる噴霧乾燥粒子の温度が高くなりすぎることを抑制するために、噴霧乾燥塔の下部より冷風を供給することができる。また、同時に、例えば噴霧乾燥塔の下部より無機微粒子(ゼオライト等)等を導入し、噴霧乾燥粒子と接触させることにより、該噴霧乾燥粒子の噴霧乾燥塔内壁への付着防止を図ったり、得られる噴霧乾燥粒子の流動性の向上を図ったりできる。噴霧乾燥塔としては、向流式であっても並流式であってもよく、中でも、熱効率や乾燥粉(噴霧乾燥粒子)を充分に乾燥することができることから向流式が好ましい。
噴霧乾燥用スラリーの微粒化装置としては、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式等が挙げられる。中でも、所望とする平均粒径を得ることが容易な圧力噴霧ノズルを用いることが好ましい。ここで、「圧力噴霧ノズル」とは、圧力をかけることにより、噴霧乾燥用スラリーを該ノズルの噴霧口より押し出しながら噴射させて微粒化させる際に用いるノズル全般を包含する。中でも、噴霧乾燥用スラリーを、該ノズルの一又は複数の流入口から該ノズル内の渦巻き室に導き、その渦巻き室内で旋回流として噴霧口より噴射させる構造を持つノズルが特に好ましい。噴霧時の圧力としては、2〜4MPa(ゲージ圧)が好ましく、より好ましくは2.5〜3MPa(ゲージ圧)である。
造粒工程には、従来公知の方法を用いることができ、例えば、噴霧乾燥粒子と残りの原料を捏和・粉砕する粉砕造粒や、攪拌造粒、転動造粒、流動層造粒等が挙げられる。
篩分工程としては、例えば、複数種の目開きの篩を用意し、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ねて篩ユニットとし、該篩ユニットの上部に高嵩密度粒子(a)成分を投入し、篩ユニットを振動して篩い分ける方法が挙げられる。各篩上に残存した高嵩密度粒子(a)を篩毎に回収し、回収した高嵩密度粒子(a)を混合することにより、所望する平均粒子径又は粒度分布の高嵩密度粒子(a)成分を得ることができる。
高嵩密度粒子(a)の平均粒子径は、特に制限は受けないが、200〜1500μmが好ましく、250〜1000μmがより好ましく、さらに好ましくは300〜700μmである。
なお、本明細書における平均粒子径は、日本薬局方に記載された粒度の試験に準じた篩い分けによる粒度分布から算出される値を示す。
すなわち、平均粒子径は、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、及び149μmの9段の篩と、受け皿とを用いた分級操作により測定できる。分級操作は、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」、また、aμmの篩上の質量頻度を「d%」として、下記式(3)により平均粒径(質量50%)を求め、試料の平均粒子径とする。
Figure 2013170260
高嵩密度粒子(a)の水分量は、溶解性と保存安定性とを両立させる観点から、4〜10質量%が好ましく、5〜9質量%がより好ましく、5.5〜8.5質量%がさらに好ましい。
なお、水分量は、Kett水分計(商品名、赤外線水分計、株式会社ケツト科学研究所製)により試料表面温度140℃、20分間で測定した値である。
[ノニオン界面活性剤(c1)]
ノニオン界面活性剤(c1)は、高嵩密度粒子(a)の表面を被覆して被覆粒子(A)を形成するものであって、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方である。以下、式(1)で表される化合物を化合物(1)、式(2)で表される化合物を化合物(2)という場合がある。
ノニオン界面活性剤(c1)としては、化合物(1)のみを用いても、化合物(2)のみを用いても、これらを併用してもよい。
(化合物(1))
Figure 2013170260
[式(1)中、Rは炭素数5〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。sはORの平均繰返し数を示し、5〜30の数である。]
式(1)中、Rは、炭素数5〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数5〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。
におけるアルキル基、アルケニル基の炭素数は、それぞれ炭素数9〜13であることが好ましく、それぞれ炭素数11〜13であることがより好ましい。このような炭素数であると、洗浄力、水への溶解性、初期および経時の流動性が良好となる。
は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、炭素数2〜3のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
(ORは、オキシアルキレン基の繰り返し構造を示し、この構造には、一種単独のオキシアルキレン基のみが含まれても、二種以上のオキシアルキレン基が混在していてもよい。二種以上のオキシアルキレン基が混在している場合、オキシアルキレン基はブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。sは、ORの平均繰返し数を示し、5〜30の数であり、12〜18が好ましい。このような範囲であると、洗浄力、水への溶解性、初期および経時の流動性が良好となる。
は、炭素数1〜4のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
また、化合物(1)のナロー率は、20質量%以上であることが好ましい。ナロー率の上限値は実質的には80質量%が好ましい。ナロー率は、20〜60質量%であることがより好ましく、30〜45質量%であることがさらに好ましい。
なお、ナロー率とは、ORの繰返し数が異なる化合物の分布の割合を示すものであって、下記式(4)で表される値をいう。ナロー率は、化合物(1)の製造方法等によって制御できる。
Figure 2013170260
[式(4)中、において、Smaxは、化合物(1)全体の中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体のアルキレンオキシドの付加モル数を示す。iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。Yiは、化合物(1)全体の中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。]
化合物(1)の製造方法は、特に制限されず、一例として、表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにアルキレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照。)により容易に製造することができる。表面改質された複合金属酸化物触媒としては、具体的には、金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒が、金属水酸化物等により表面改質されたものや、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等が挙げられる。また、複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドとの混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
(化合物(2))
Figure 2013170260
[式(2)中、Rは炭素数10〜16の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、p、rはEOの平均繰返し数、qはPOの平均繰返し数を表し、p、q、rはp>1、r≧0、0<q≦3、p+r=10〜30を満たす数である。]
式(2)中、Rにおけるアルキル基、アルケニル基の炭素数は10〜16であり、10〜14であることが好ましい。Rのアルキル基、アルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
rは、r≧0であり、好ましくはr≧1である。p+r=10〜30であり、好ましくはp+r=14〜20である。
EOとPOとの比率は、q/(p+r)で表される比で0.1〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3である。
(EO)/(PO)におけるEOとPOとは、いずれか一方のみが存在していてもよく、混在して配列してもよい。(EO)/(PO)は、EOとPOとがランダム状に付加していてもよく、ブロック状に付加していてもよい。
化合物(2)は、公知の方法で合成できる。一例として、天然油脂から誘導されたアルコールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシドをこの順に付加反応した後、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを混合付加(ランダム付加)した後、再度、エチレンオキシドを付加することで合成できる。
ノニオン界面活性剤(c1)を高嵩密度粒子(a)に被覆して、被覆粒子(A)を製造する方法としては、高嵩密度粒子(a)を例えば攪拌造粒機、転動造粒機、流動層造粒機等の造粒機で流動させながら、高嵩密度粒子(a)にノニオン界面活性剤(c1)を含む処理液を任意の液滴径で、圧力噴霧ノズルを用いて噴霧する方法が挙げられる。
転動造粒機としては、例えば、特開2005−154648号公報に記載されているような有底円筒状の容器内に攪拌羽根を備えた容器回転式円筒型混合機が挙げられる。
噴霧する処理液としては、ノニオン界面活性剤(c1)が水中に溶解した水溶液または分散した水分散液や、ノニオン界面活性剤(c1)の溶融液が挙げられる。
処理液として、水溶液や水分散液を用いる場合には、処理液中のノニオン界面活性剤(c1)の濃度は、80質量%以上に調整することが好ましい。
処理液の温度は特に限定されないが、70〜85℃が好ましい。液滴径は特に限定されないが、100〜200μmが好ましい。液滴径は、例えば、レーザー式粒子径測定装置(東日コンピュータアプリケーションズ株式会社製、LDSA−1400A等。)により測定できる。
また、処理液が噴霧される高嵩密度粒子(a)の温度は特に限定されないが、20〜40℃が好ましい。
また、ノニオン界面活性剤(c1)の高嵩密度粒子(a)100質量部に対する量としては、高嵩密度粒子(a)100質量部に対して、純分換算で、1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
このような範囲であると、ノニオン界面活性剤(c1)で被覆することの効果、すなわち、水への溶解性、流動性の改善効果が充分に得られるとともに、高嵩密度粒子(a)の表面がべとついて、水への溶解性、流動性を悪化させることもない。
このようにしてノニオン界面活性剤(c1)を被覆した後、必要に応じて、流動層乾燥機などで乾燥工程を行い、水分量を調整してもよい。また、篩い分けを行って、例えば200〜1500μmなどの平均粒子径に調整してもよい。
なお、詳しくは後述するが、高嵩密度粒子(a)にノニオン界面活性剤(c1)を被覆して被覆粒子(A)を製造する方法として、高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)とを上記造粒機で混合しつつ流動させながら、これら粒子にノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を含む処理液を噴霧して、被覆粒子(A)と被覆粒子(B)とを一括して製造する方法も挙げられる。
<被覆粒子(B)>
本発明の粒状洗剤に含まれる被覆粒子(B)は、無機塩粒子(b)の表面がノニオン界面活性剤(c2)で被覆されたものである。
被覆粒子(B)は、無機塩粒子(b)の表面積の70%以上がノニオン界面活性剤(c2)で被覆されていることが好ましく、90%以上被覆されていることがより好ましく、100%被覆されていてもよい。
表面積に対する被覆された面積の割合(被覆率)は、被覆粒子(A)について説明した方法と同様の方法にて、確認できる。
[無機塩粒子(b)]
被覆粒子(B)を構成する無機塩粒子(b)は、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムのうちの少なくとも一方からなり、無機塩粒子(b)としては、炭酸水素ナトリウム粒子のみを用いても、塩化ナトリウム粒子のみを用いてもよい。また、これら粒子の混合物を用いてもよい。
炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムは、水への溶解時に吸熱する化合物である。よって、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムを無機塩粒子(b)として含む被覆粒子(B)を、高嵩密度粒子(a)を含む被覆粒子(A)とは別に粒状洗剤中に存在させることによって、被覆粒子(A)が水に溶解した際の発熱を被覆粒子(B)が緩和する作用を奏し、その結果、粒状洗剤が水に溶解した際の凝集(溶け残り)を抑制でき、粒状洗剤の水への溶解性が高まる。
なお、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムは、無機塩粒子(b)として使用されることに加えて、上述した高嵩密度粒子(a)中にビルダーとして含まれても構わない。しかしながら、高嵩密度粒子(a)中に含まれる炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムは、高嵩密度粒子(a)の製造時にイオン乖離し、吸熱性を失ってしまう。よって、高嵩密度粒子(a)中に炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムを含有させた場合でも、それとは別に、無機塩粒子(b)として炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムのうちの少なくとも一方を用いることが、粒状洗剤の凝集を抑制し、溶解性を向上させる観点から重要である。
炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムには、市販品を使用できる。これらの平均粒子径、粒度分布には特に制限はなく、いずれも、平均粒子径10〜1000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましい。このような範囲であれば、粒状洗剤の製造工程中における粉立ちが抑制されると共に、水への溶解性、流動性がより良好となる。
[ノニオン界面活性剤(c2)]
ノニオン界面活性剤(c2)は、無機塩粒子(b)の表面を被覆して被覆粒子(B)を形成するものであって、ノニオン界面活性剤(c1)として説明した化合物(1)および化合物(2)の少なくとも一方を使用できる。このように特定のノニオン界面活性剤(c2)で無機塩粒子(b)を被覆して被覆粒子(B)とし、上述の被覆粒子(A)とともに粒状洗剤を構成することによって、該粒状洗剤は水への溶解性と、初期および経時の流動性とが共に良好なものとなる。
なお、高嵩密度粒子(a)を被覆するノニオン界面活性剤(c1)と、無機塩粒子(b)を被覆するノニオン界面活性剤(c2)とは、それぞれ独立に、化合物(1)および化合物(2)のうちの少なくとも一方を選択できる。よって、粒状洗剤には、以下のケースがある。
(i)高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)の表面がいずれも化合物(1)のみで被覆されるケース。
(ii)高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)の表面がいずれも化合物(2)のみで被覆されるケース。
(iii)高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)の表面がいずれも化合物(1)および(2)の混合物で被覆されるケース。
(iv)高嵩密度粒子(a)の表面のみが化合物(1)および(2)の混合物で被覆され、無機塩粒子(b)の表面が化合物(1)または(2)の一方のみで被覆されるケース。
(v)無機塩粒子(b)の表面のみが化合物(1)および(2)の混合物で被覆され、高嵩密度粒子(a)の表面が化合物(1)または(2)の一方のみで被覆されるケース。
ノニオン界面活性剤(c2)を無機塩粒子(b)に被覆して、被覆粒子(B)を製造する方法としては、ノニオン界面活性剤(c1)を高嵩密度粒子(a)に被覆する方法と同様の方法、すなわち、各種造粒機で無機塩粒子(b)を流動させながら、無機塩粒子(b)にノニオン界面活性剤(c2)を含む処理液を任意の液滴径で、圧力噴霧ノズルを用いて噴霧する方法が挙げられる。
ノニオン界面活性剤(c2)を含む処理液としては、ノニオン界面活性剤(c2)が水中に溶解した水溶液または分散した水分散液や、ノニオン界面活性剤(c2)の溶融液が使用でき、処理液中のノニオン界面活性剤(c2)の濃度、処理液の温度、液滴径なども、好ましくは先に説明したノニオン界面活性剤(c1)の処理液の場合と同様に設定できる。処理液が噴霧される無機塩粒子(b)の温度も特に限定されないが、20〜40℃が好ましい。
また、ノニオン界面活性剤(c2)の無機塩粒子(b)100質量部に対する量としては、純分換算で、1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
このような範囲であると、ノニオン界面活性剤(c2)で被覆することの効果、すなわち、水への溶解性、流動性の改善効果が充分に得られるとともに、無機塩粒子(b)の表面がべとついて、水への溶解性、流動性を悪化させることもない。
このようにしてノニオン界面活性剤(c2)を被覆した後、必要に応じて、流動層乾燥機などで乾燥工程を行い、水分量を調整してもよい。また、篩い分けを行って、例えば200〜1500μmなどの平均粒子径に調整してもよい。
<粒状洗剤およびその製造方法>
本発明の粒状洗剤は、高嵩密度粒子(a)の表面がノニオン界面活性剤(c1)で被覆された被覆粒子(A)と、無機塩粒子(b)の表面がノニオン界面活性剤(c2)で被覆された被覆粒子(B)とを含む。該粒状洗剤は、上述のようにして得られた被覆粒子(A)と被覆粒子(B)とを混合する方法でも製造できるが、工程数が少なくてすむことから、高嵩密度粒子(a)と、無機塩粒子(b)と、ノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を含む処理液とを混合する工程を有する方法を採用することが好ましい。この方法によれば、高嵩密度粒子(a)および無機塩粒子(b)を一括に被覆できる。
具体的には、高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)とを先に例示したような造粒機で流動させつつ混合しながら、これら粒子にノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を含む処理液を任意の液滴径で、圧力噴霧ノズルを用いて噴霧する方法が挙げられる。処理液としては、化合物(1)のみを含む処理液、化合物(2)のみを含む処理液、化合物(1)および(2)を含む処理液のうちのいずれをも使用できる。
粒状洗剤中の高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)との質量比は、無機塩粒子(b):高嵩密度粒子(a)=1:1.0〜5.5が好ましく、より好ましくは1:1.5〜5、さらに好ましくは1:2.0〜4.0である。このような質量比であると、粒状洗剤中の界面活性剤の量を抑制しつつ、充分な洗浄力を得ることができる。
また、高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)とを造粒機で流動させつつ混合する場合、高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)とを造粒機に同時に添加してもよいし、時間差を設けて別々に添加してもよい。
転動造粒機としては、先に説明したとおり、特開2005−154648号公報に記載されているような有底円筒状の容器内に攪拌羽根を備えた容器回転式円筒型混合機が挙げられ、該容器回転式円筒型混合機を用いて、高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)とを混合する場合には、下記式(5)式で表されるフルード数(Fr)を0.01〜0.8とすることが好ましい。Frを上記範囲とすることで、該粒子を良好に混合できる。
Figure 2013170260
[式(5)中、Vは、容器回転式円筒型混合機の攪拌羽根における最外周の周速(m/s)を表す。Rは、容器回転式円筒型混合機における最外周の回転中心からの半径(m)を表す。gは、重力加速度(m/s)を表す。]
被覆に用いるノニオン界面活性剤(c1)および(c2)の合計量は、純分換算で、高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)の合計100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。また、粒状洗剤の総量を100質量%とした場合には、ノニオン界面活性剤(c1)および(c2)の合計量は、粒状洗剤中、1.0〜10.0質量%となる量であることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0質量%である。ノニオン界面活性剤(c1)および(c2)の合計量が上記範囲内であると、粒状洗剤の水への溶解性と流動性とがともにより優れる。上記範囲を超えると、水への溶解性、流動性がともに低下する傾向があり、上記範囲未満では、水への溶解性、流動性の改善効果が得られにくい。
ノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を含む処理液としては、これらノニオン界面活性剤がともに水中に溶解した水溶液または分散した水分散液や、これらノニオン界面活性剤の溶融液((c1)と(c2)の混合溶融液)が使用できる。処理液中のノニオン界面活性剤(c1)および(c2)の合計濃度、処理液の温度、液滴径などは、先に説明したノニオン界面活性剤(c1)の処理液の場合と同様に設定できる。処理液が噴霧される高嵩密度粒子(a)および無機塩粒子(b)の温度も特に限定されないが、20〜40℃が好ましい。
このようにしてノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を被覆した後、必要に応じて、流動層乾燥機などで乾燥工程を行い、水分量を調整してもよい。また、篩い分けを行って、例えば200〜1500μmなどの平均粒子径に調整してもよい。
本発明の粒状洗剤は、必要に応じて、例えば漂白剤、漂白活性化剤、漂白活性化触媒、酵素、再汚染防止剤(CMCなど)、消泡剤、香料、色素等の任意成分を含有することができる。これら任意成分を配合するタイミングには制限はなく、造粒機で高嵩密度粒子(a)と無機塩粒子(b)を混合する際に任意成分も混合し、任意成分もノニオン界面活性剤(c1)および(c2)で被覆されるようにしてもよいし、被覆粒子(A)および被覆粒子(B)に対して混合してもよい。
以上説明した粒状洗剤は、高嵩密度粒子(a)が特定のノニオン界面活性剤(c1)で被覆された被覆粒子(A)と、無機塩粒子(b)が特定のノニオン界面活性剤(c2)で被覆された被覆粒子(B)とを含んでいる。そのため、水への溶解性に加えて、初期および経時の流動性にも優れ、衣料用洗剤として好適に使用される。
特定のノニオン界面活性剤による被覆、すなわち、化合物(1)および(2)による被覆がこのような効果を奏する詳細な理由は明らかではないが、化合物(1)および(2)はゲル化しにくい性質を有し、そのため、被覆粒子(A)および(B)は初期だけでなく経時的にもべたつくことがなく、それが初期および経時の良好な流動性に寄与しているものと考えられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各例で用いた成分の配合量は、特に指定しない限り質量基準の純分換算値としている。各表に記載の配合量も同様である。
[製造例1(高嵩密度粒子(a−1)の製造)]
以下のようにして表1に示す組成の高嵩密度粒子(a−1)を製造した。
(1−1)混合濃縮物の製造
脂肪酸エステルをスルホン化してα−スルホ脂肪酸メチルエステルを得て、ついでこれを中和して、MESを含有する水性スラリー(水分濃度25質量%に調整。)を得た。
ついで、この水性スラリーに、ノニオン界面活性剤(LMAO)の一部(MESに対して25質量%となる量。)を投入し、水分濃度が11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤(LMAO)との混合濃縮物を得た。
なお、各成分としては以下のものを用いた。
・脂肪酸エステル;炭素数16:炭素数18=80:20(質量比)の脂肪酸メチルエステルスルフォネートのナトリウム塩(ライオン株式会社製、AI(純度)=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)。
・LMAO:LMAO−90(商品名、日本触媒製)[ポリオキシエチレン(EO15)アルキル(C12−14)エーテル]。なお、(EO15)はエチレンオキシドの平均付加モル数が15であることを示し、(C12−14)はアルキル基の炭素数が12〜14であることを示す。
(1−2)噴霧乾燥粒子の製造
一方、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにLAS塩および石鹸を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤を添加した。さらに10分間撹拌した後、アルミノケイ酸塩の一部、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水物)を添加した。さらに20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した。これを向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm、水分5質量%の噴霧乾燥粒子を得た。
なお、各成分としては以下のものを用いた。
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン株式会社製、純分;67質量%、タイター;40〜45℃、脂肪酸組成;C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量;289)
・LAS塩:LAS−H(直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン株式会社製、製品名;ライポンLH−200(純分96質量%))を、濃度48質量%水酸化カリウム水溶液で中和したもの(表中の配合量は、LAS−K(カリウム)としての質量%を示す)
・MA剤:アクリル酸/マレイン酸共重合体ナトリウム塩、商品名;アクアリックTL−400、純分40質量%水溶液、日本触媒株式会社製
・アルミノケイ酸塩:A型ゼオライト、製品名;シルトンB、純分80質量%、水澤化学株式会社製
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm、旭硝子株式会社製
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成工業株式会社製
(1−3)捏和物の製造
上記(1−1)で得られた混合濃縮物、上記(1−2)で得られた噴霧乾燥粒子、アルミノケイ酸塩の一部、ノニオン界面活性剤(LMAO)の残り全量、蛍光増白剤、水を連続ニーダー(KRC−S12型、株式会社栗本鐵工所製)に投入し、ニーダーの回転数135rpm、ジャケット温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分6質量%の捏和物を得た。
(1−4)高嵩密度粒子(a−1)の製造
上記(1−3)で得られた捏和物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル株式会社製、EXDFJS−100型)で押し出しつつ、カッターで切断(カッター周速は5m/s)し、長さ5〜30mm程度のペレット状成形物を得た。
次いで、得られたペレット状成形物に、粉砕助剤としてアルミノケイ酸塩の残り全量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン株式会社製、DKA−3)を用いて粉砕し、粉砕物(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)を得て、これを高嵩密度粒子(a−1)とした。
なお、アルミノケイ酸塩については、上述のように(1−2)、(1−3)、(1−4)の各工程で投入し、最終的なアルミノケイ酸塩の高嵩密度粒子(a−1)中の量が、表1に示すように16質量%となるようにした。この際の投入比率(質量比)は、(1−2):(1−3):(1−4)=10:1:5とした。
[製造例2(高嵩密度粒子(a−2)の製造)]
上記製造例1の(1−3)におけるニーダーの回転数とジャケット温度をそれぞれ90rpm、70℃に変更した以外は、製造例1と同様にして、高嵩密度粒子(a−2)を製造した。
[製造例3(高嵩密度粒子(a−3)の製造)]
組成を表1に示すように変更するとともに、上記製造例1の(1−3)におけるニーダーの回転数とジャケット温度をそれぞれ165rpm、60℃に変更した以外は、製造例1と同様にして高嵩密度粒子(a−3)を製造した。
なお、アルミノケイ酸塩については、上述のように(1−2)、(1−3)、(1−4)の各工程で投入し、最終的なアルミノケイ酸塩の高嵩密度粒子(a−1)中の量が、表1に示す値となるようにした。この際の投入比率(質量比)は、(1−2):(1−3):(1−4)=10:1:5とした。
[製造例4(高嵩密度粒子(a−4)の製造)]
組成を表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様にして、高嵩密度粒子(a−4)を製造した。
なお、アルミノケイ酸塩については、上述のように(1−2)、(1−3)、(1−4)の各工程で投入し、最終的なアルミノケイ酸塩の高嵩密度粒子(a−1)中の量が、表1に示す値となるようにした。この際の投入比率(質量比)は、(1−2):(1−3):(1−4)=10:1:5とした。
[製造例5(ノニオン界面活性剤(cx)の製造)]
高嵩密度粒子および無機塩粒子の被覆用として、ノニオン界面活性剤(cx)を製造した。ノニオン界面活性剤(cx)は、下記の化合物である。
1123CO−(OC15−OCH、ナロー率33質量%
製造は、特開2000−144179号公報に記載の方法に準拠して実施した。
具体的には、化学組成が2.5MgO・Al・nHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(商品名キョーワード300、協和化学工業社製)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム触媒(未改質)2.2gと、表面改質剤として0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル350gとを4リットルオートクレーブに仕込み、該オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後に昇温し、温度180℃、圧力3×105Paに維持しながら、エチレンオキシド1079gを導入して撹拌しながら反応させた。
次いで、反応液を80℃まで冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾過して、目的物であるノニオン界面活性剤(cx)(AI(純度)=90%)を得た。
[ノニオン界面活性剤(cy)]
高嵩密度粒子および無機塩粒子の被覆用として、ノニオン界面活性剤(cy)(AI(純度)=100%)を用いた。ノニオン界面活性剤(cy)は、炭素数10〜14の1級アルコールに、平均9モルのエチレンオキシド、平均2モルのプロピレンオキシド、平均9モルのエチレンオキシドを順にブロック付加させたものである。式(2)において、R=炭素数10〜14の直鎖状アルキル基、p=9、q=2、r=9の化合物である。
[ノニオン界面活性剤(cz)]
高嵩密度粒子および無機塩粒子の被覆用として、ノニオン界面活性剤(cz)を用いた。ノニオン界面活性剤(cz)は、LMAO−90(商品名、日本触媒製)、[ポリオキシエチレン(EO15)アルキル(C12−14)エーテル]である。なお、「EO15」はエチレンオキシドの平均付加モル数が15であることを示し、(C12−14)はアルキル基の炭素数が12〜14であることを示す。
[実施例1]
表2に記載の質量比で、上述のようにして得られた23℃の高嵩密度粒子(a−1)と、16℃の無機塩粒子(b−1、炭酸水素ナトリウム)を容器回転式円筒型混合機に15kg/minの速度で同時に投入し、混合した。この容器回転式円筒型混合機は、容器が直径0.7m、長さ1.4m、傾斜角3.0°、出口堰高さ0.15m、内部混合羽根が高さ0.1m、長さ1.4mの平羽根を90°毎に4枚取り付けた仕様のものである。また、内部混合羽根の回転数はフルード数をFr=0.2になるように調整した。
容器を回転させて流動化させた粒子群に対し、予め75℃に調整した上述のノニオン界面活性剤(cx)の水分散液(濃度:90質量%)を表2に記載の質量比となるように噴霧し、1分間転動して、実施例1の粒状洗剤を得た。
[実施例2〜20、比較例1〜6]
高嵩密度粒子、無機塩粒子、ノニオン界面活性剤として、表2〜5に記載のものを表2〜5に記載の質量比で用いた以外は、実施例1と同様にして、各例の粒状洗剤を製造した。
なお、無機塩粒子(b−2)は塩化ナトリウム、無機塩粒子(b−3)は炭酸ナトリウムである。
[比較例7]
無機塩粒子(b−1)のみを容器回転式円筒型混合機に投入し、ノニオン界面活性剤(cx)を噴霧した後、これと被覆処理がなされていない高嵩密度粒子(a−1)とを混合して、比較例7の粒状洗剤を得た。
[比較例8]
高嵩密度粒子(a−1)のみを容器回転式円筒型混合機に投入し、ノニオン界面活性剤(cx)を噴霧した後、これと被覆処理がなされていない無機塩粒子(b−1)とを混合して、比較例8の粒状洗剤を得た。
なお、無機塩粒子(b−1)〜(b−3)に用いた化合物は以下のとおりである。
・炭酸水素ナトリウム:Penrice社製、商品名「SODIUM BICARBONATE FOOD GRADE COARSE GRANULAR」、平均粒子径300μm
・塩化ナトリウム:日本製塩(株)製、商品名;焼き塩S、粒子径350μm
・炭酸ナトリウム:粒灰、平均粒子径320μm、旭硝子株式会社製
Figure 2013170260
<評価>
各例で得られた粒状洗剤について、以下の評価を行った。
(1)溶解性
二槽式洗濯機(株式会社東芝製、VH−30S(H))に、5℃の水道水30Lを張り、被洗物として綿肌シャツ6枚、ポリエステルシャツ2枚、アクリルシャツ2枚を用意し、その半量を投入し、浴比(全被洗物の質量に対する洗浄液の質量)を20倍に調整した。被洗物はそれぞれ折り畳んで水面に浮かべた。また、被洗物の中心に、粒状洗剤30gを乗せ、残りの半量の被洗物を投入し、布と共に5分間浸漬後、弱水流で5分間撹拌した。排水後、布を1分間脱水し、布上及び洗濯機中にある溶け残りを拾い出し、目視にて溶け残り量を、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:溶け残りがほとんどない。
○:溶け残りがやや見られるが問題ないレベル。
△:溶け残りが目立つが使用可能なレベル。
×:溶け残りが著しく見られる。
(2)流動性(初期、経時)
図1の測定容器を用いて、粒状洗剤の初期と所定条件で保存後(経時)の安息角を測定し、初期および経時の流動性を評価した。
(測定容器)
この測定容器21は、厚さ3mmの透明なアクリル板で形成され上端が開口した直方体形状を備え、その内側に、幅30mm、奥行き100mm、深さ100mmの内部空間Sが形成されている。測定容器21の前壁22を構成するアクリル板の下方部分22aは、上端から20mmの位置に取付けられた蝶番24を中心に矢印A方向に回動して、測定容器21の内部空間Sを前方に向かって開放させることができるように構成されている。また、測定容器21の一方の側壁26を形成する透明アクリル板には、前方下端の角(隅)28を中心とした分度器様の角度目盛り30が放射状に印刷されている。
(測定法)
温度25℃、相対湿度40%の雰囲気条件の条件下で、容器上部50mmの高さから0.06L/sの流速で噴霧乾燥粒子Pを落下させ、測定容器21の上端から測定容器21の内部空間Sに導入して、内部空間Sの上端まで噴霧乾燥粒子Pを充填した。
充填後、上面が水平な高さ100mmの台の上に、開閉可能な側面部が突き出るようにアクリル容器を静かに設置し、前壁22を構成するアクリル板の下方部分22aを、0.5πrad/sで矢印A方向に90度(図1(b)中、α度)回動させ、測定容器21の内部空間Sを前方に向かって徐々に開放した。これにより、開放部22bを通して内部空間Sに充填されている噴霧乾燥粒子Pの一部を流出させた。流出が停止したとき、内部空間Sに残存した噴霧乾燥粒子Pは、図1(b)に示されているように、表面P1が、測定容器21の側壁26の前方下側の角(隅)28から斜め上方に向かって斜面した状態となる。この状態で、測定容器21の内部空間Sに残存する噴霧乾燥粒子Pの表面P1の傾斜角βを、角度目盛り30を用いて読み取った。上述の操作を3回繰り返し該角度の平均値を安息角とした。
(初期の流動性)
製造直後の粒状洗剤をポリエチレン製の内袋を装備した縦900mm、横570mmの封筒型の紙袋に10kg採取した後、紙袋中心部分の粉体層の温度が25℃になった時点で、初期の安息角を上記測定法にて測定した。
そして、測定された初期の安息角(平均値)に基き、初期の流動性を下記4段階で評価した。
◎ :45°未満。
○ :45°以上50°未満。
△ :50°以上55°未満。
× :55°以上。
(経時の流動性)
製造直後の粒状洗剤を温度40℃、相対湿度80%雰囲気条件下で14日間保存した後に、経時の安息角を上記測定法にて測定した。
そして、測定された経時の安息角の値(平均値)から初期の安息角の価(平均値)を引いた値(差)に基き、経時の流動性を下記3段階で評価した。
◎:差が5°未満。
△:差が5°以上10°未満。
×:10°以上。
Figure 2013170260
Figure 2013170260
Figure 2013170260
Figure 2013170260
表に示すように、実施例の粒状洗剤は、水への溶解性、初期および経時の流動性のいずれもが良好であった。これに対して、比較例の粒状洗剤は、水への溶解性が良好であっても、経時の流動性が悪い(比較例1〜4、7、8)、水への溶解性が悪く、流動性も良好ではない(比較例5、6)という結果であった。

Claims (3)

  1. 界面活性剤および水溶性無機塩を含み、粒子群としての嵩密度が600g/L以上である高嵩密度粒子(a)の表面がノニオン界面活性剤(c1)で被覆された被覆粒子(A)と、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムのうちの少なくとも一方からなる無機塩粒子(b)の表面がノニオン界面活性剤(c2)で被覆された被覆粒子(B)とを含み、
    前記ノニオン界面活性剤(c1)および前記ノニオン界面活性剤(c2)は、それぞれ独立に下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方であることを特徴とする粒状洗剤。
    Figure 2013170260
    [式(1)中、Rは炭素数5〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。sはORの平均繰返し数を示し、5〜30の数である。]
    Figure 2013170260
    [式(2)中、Rは炭素数10〜16の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、p、rはEOの平均繰返し数、qはPOの平均繰返し数を表し、p、q、rはp>1、r≧0、0<q≦3、p+r=10〜30を満たす数である。]
  2. 前記高嵩密度粒子(a)中の前記界面活性剤の含有量が10〜30質量%で、かつ、前記高嵩密度粒子(a)中の前記界面活性剤に対する前記水溶性無機塩の質量比(水溶性無機塩/界面活性剤)が1〜5であることを特徴とする請求項1に記載の粒状洗剤。
  3. 請求項1または2に記載の粒状洗剤の製造方法であって、
    前記高嵩密度粒子(a)と、前記無機塩粒子(b)と、前記ノニオン界面活性剤(c1)および(c2)を含む処理液とを混合する工程を有することを特徴とする粒状洗剤の製造方法。
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WO2016195030A1 (ja) * 2015-06-05 2016-12-08 横浜ゴム株式会社 タイヤ用表面塗布剤
JP2017066394A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 三洋化成工業株式会社 衣料用洗浄剤

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