JP3069831B2 - 鋳物切断用カッター - Google Patents

鋳物切断用カッター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳物切断用カッターに係
り、特に、機械構造用のダクタイル、可鍛鋳鉄を含む銑
鉄鋳物、ダクタイル鋳鉄管等の切断に好適な鋳物切断用
カッターに関する。
【0002】
【従来の技術】素形材として供給する鋳物生産工場にお
いて、鋳造後の後工程として、素形材に不必要な、押湯
・堰湯口等を切断したり除去する作業工程は、手持式電
動機や空動式などの工具に、切断砥石を取りつけて作業
を行なっていたが、特に近年、過酷な作業環境や、人件
費削減に伴なう合理化手法として、自動切断専用機の導
入が活発化している。
【0003】人的手法や機械的手法にかかわらず、この
ような切断には、一般に溶融アルミナや炭化珪素質の硬
質砥粒を、フェノール樹脂等の結合剤で固め、繊維物質
によって補強した、いわゆるレジノイド砥石が一般に多
用されている。このレジノイド砥石は、大きな可塑性と
高い周速度とを与えられた砥石ではあるが、硬質砥粒の
摩耗に伴ない、結合剤に使われている樹脂の発熱燃焼に
より、粉塵や悪臭を発生するため、作業環境としても、
また安全衛生的にも、決して好ましい砥石とはいえない
ものであった。
【0004】さらに、作業工程における管理面において
も、砥石の摩耗に伴ない、径の減少により、周速が低下
し、作業効率が悪くなったり、頻繁に砥石の交換を余儀
なくされ、特に、自動化に際しては、長時間無交換で切
断できる砥石が切望されながら、好適な砥石の開発が進
展しない状況であった。
【0005】このような作業背景の中で、一般的な道路
切断用や砥石切断用として多用され、金属粉末と砥粒と
を焼結したチップを基板に接合した、いわゆるセグメン
トタイプのダイヤモンドカッター、あるいは円板状に砥
粒を電着させたコンティニュアスリム形ダイヤモンドカ
ッターなどを一部転用したりしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳物除
去作業は、工場内の鋳物砂の損耗や切断面の酸化あるい
は素形材の錆びの問題から、環境的に湿式ではなく乾式
の切断を行うため、これらの単純な転用では、有効なダ
イヤモンドの自生作用が起こらず、また、電着品であれ
ば、ダイヤモンドの多層化の必要性はないが、切刃ダイ
ヤモンド砥粒を生かして、いかに有効で長期間仕事ので
きる構成にすべきかが課題であった。
【0007】電着タイプのダイヤモンドカッターは、砥
粒ダイヤモンドの露出部が多く、ダイヤモンドの放熱性
が大きく、ダイヤモンドの摩耗が減少され、長寿命化さ
れる特性を有しながらも、砥粒形状および粒径が一定で
なく、高速回転時に作用する有効切刃数が少ないので、
使用時から除々に切れ味が低下し、乾式切断時に発生す
る摩擦熱や単純摩耗に伴ない、砥粒エッジが平準化さ
れ、一般に多用される手持式電動機の出力や人的推力の
限界の中で、ほぼ寿命となりながらも、まだ有効な砥粒
が残存するものであった。
【0008】さらに、切削対象物である鋳物形状は複雑
な形をとるため、人的、機械的手法においても、円板状
基板の側面が鋳物に接触して高速回転するので、基板と
鋳物との接触により、局部的な発熱によって基板の変形
や金属疲労を急激に誘発され、非常に危険な作業環境を
強いられていた。
【0009】本発明の目的は、鋳物切断用砥石における
従来技術の問題点を解消し、次の要件を満足する鋳物切
断用カッターを提供しようとするものである。
【0010】(1)電着カッターの切刃部は、従来のも
のは、実用メッシュ粒度範囲により、円板外周縁全体に
固着されるため、継続使用に際し、有効切刃がまだ残存
した状況で工具寿命となるが、本発明では、機械的ある
いは人的切断手法においても、従来より一段と切れ味を
良くするとともに寿命の延長を図ること。
【0011】(2)鋳物切断時に、作業中におけるワー
クや基盤の傾きや、推力による基板のたわみ等の不規則
な切断運動に伴ない、基板側面にワークが接触すること
による安全上の対策を可能とし安全作業が可能であるこ
と。
【0012】(3)鋳物切断時に発生する円板外周縁の
切刃部の乾式切断熱や、側面接触摩耗熱の蓄熱により、
熱膨張による円板状基板の板振れを防止し、より安全性
の高い切断用砥石とすること。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の要旨とするところは次の如くである。
【0014】(1)円板状基板の外周縁に、ダイヤモン
ド粒子や立方晶窒化ホウ素(CBN)粒子の砥粒を電着
保持させた切刃部を有してなる鋳物切断用カッターにお
いて、切断に作用する主砥粒部と、この主砥粒の平均粒
径以下の粒径を有する副砥粒部とが、円周方向へ交互に
隙間なく連続して、略等分的に配列電着された切刃部を
有する鋳物切断用カッター。
【0015】(2)円板状基板の両側面に、切刃部と締
付部との基板側面の露出部全体にわたって、切刃部の砥
粒粒径以下のダイヤモンドと、Al23、SiO2、又
はZrO2 硬質酸化物とを混合して電着した砥粒領域
を散在させた鋳物切断用カッター。
【0016】(3)円板状基板は、Fe−Ni合金、も
しくはFe−Ni−Co合金から成る鋳物切断用カッタ
ー。
【0017】
【作用】上記構成によれば、本発明の鋳物切断用カッタ
ーは、それぞれが次ぎの如く作用する。 (1)基板円周端面の切刃部に、円周方向へ主砥粒部と
副砥粒部とを略等分に交互に配列することにより、主砥
粒部と副砥粒部の大小の粒子に段差を生じるため、切削
動作するとき、大きい切削応力と小さい切削応力とを受
けながら、全体的な切刃部として推移し作用する。しか
も、これらの砥粒を全円周の円周方向に隙間なく連続的
に電着させることにより、隙間がある場合の衝撃が抑制
されるので、金属疲労が誘発されるのを防ぎ、基板に亀
裂の発生しない安全な鋳物切断用カッターが得られる。
【0018】すなわち、切削開始時は、被加工物への衝
撃破損作用との相乗効果によって、主砥粒部の大きい切
削応力により切れ味がよく、切刃エッジの摩耗や損傷が
進行するのにしたがい、副砥粒部の作用応力も高まりな
がら、全体の切刃部が有効に作用することを、本発明者
は見い出した。
【0019】結果的に切刃エッジが有効な作用効果を示
し、従来の単純な電着品に比べ、大幅に仕事量をこなす
ことが立証された。また、単純に鋳物と称しながらも、
材質の関係により、主砥粒部と副砥粒部との幾何学配列
により、例えば、主砥粒部のダイヤモンド電着比率を高
めると耐久性が向上するなど、材質特有の有意を示すこ
とも判明した。
【0020】(2)また、基板側面に散在して電着保持
される小径砥粒領域による作用としては、高速回転する
基板側面が、ワーク(切削対象の鋳造品)に接触するこ
とがあり、このとき、基板とワークとの接触摩耗熱によ
る思わぬ基板損傷や、さらには金属疲労の誘発が、基板
側面の電着砥粒領域により防止される。
【0021】電着保持される硬質粒子は、切刃部と異な
り、積極的に切削作用を目的にするものではないので、
高価なダイヤモンドのみを保持する必要性はなく、安価
な硬質酸化物であるAl23、SiO2、ZnO2等の砥
粒を混合して用いることで何んら支障を生じるものでな
いことを見い出した。
【0022】(3)加工対象物が銑鉄鋳物である場合、
切削熱が蓄積されるため、円板状基板の加熱温度分布と
熱膨張の関係から、基板のたて振れ現象を誘発し、作業
継続が困難な状況となるほか、被加工物への反発も激し
く、安全上使用に耐え得るものではない状態となる。し
かしながら、基板材料を、Fe−Ni合金、もしくはF
e−Ni−Co合金にすることにより、いずれも線膨張
係数が極めて小さいので、上記のような振れが発生せ
ず、高速回転による切断を長時間継続することができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。図1は、本発明の鋳物切断用カッターの一実施
例を示す側面図、図2は、図1の外周端面に電着保持さ
れた砥粒の態様と、その作用応力の概略挙動関係を示す
図、図3は、図1のI−I断面図である。
【0024】これらの図に示すように、鋳物切断用カッ
ター1において、円板状基板2の円周端面に1層の砥粒
層を電着して形成した切刃部3は、大径の砥粒からなる
主砥粒部Aと、小径の砥粒からなる副砥粒部Bとが、基
板2の円周方向に交互に配列されている。切刃部3の砥
粒は、副砥粒部Bの砥粒を、主砥粒部Aの平均粒径以下
の粒径とし、ダイヤモンド粒子または立方晶窒化ホウ素
粒子(CBN)を用いている。
【0025】また、本実施例のカッター1の両側面に
は、切刃部3と円板中央の締付部4との間の両側面全体
にわたって、電着砥粒領域5を幾何学的に分散配置して
ある。この電着砥粒領域5の砥粒粒子は、切刃部3の砥
粒粒径以下の硬質粒子を用い、ダイヤモンド粒子と、A
23やSiO2、あるいはZnO2等の硬質酸化物と
を、略半分程度ずつ混合して固着させたものである。
【0026】基板側面の電着砥粒領域5については、切
刃部3による切断に直接寄与するものではなく、基板損
傷や摩擦抵抗を抑制するものであり、そのため、特に高
価なダイヤモンド粒子を作用させる必要性はないことを
見い出した。したがって、実用上、コスト低減を考慮し
て電着砥粒領域5を配置すればよい。また、特に自動切
断機で斜め切り等を行なうときは、任意の密集領域を、
実用に合わせて散在させることができる。
【0027】さらに、本実施例の円板状基板2は、高速
回転時の振れ防止の目的から、低熱膨張係数材である、
Fe−Ni合金、もしくは、Fe−Ni−Co合金から
成っている。例えば、Ni36.5%、Fe63.5%の
インバー、もしくは、Ni32%、Co5%、Fe63
%の超不変鋼等を用いている。
【0028】次に、本実施例の作用を説明する。 (1)まず、基板外周端面に、粒径の異なる主砥粒部A
および副砥粒部Bを、ほぼ等分に交互に配置したことに
よる作用を説明する。
【0029】主砥粒部Aの大径粒子と副砥粒部Bの小径
粒子とが切削作動するときに、大きい切削応力および小
さい切削応力を受ける作用と、衝撃による破損作用との
相乗効果により、初期切れ味がよく、そのまま切削作用
が推移継続し、全体の切刃部を有効に作用させる。
【0030】そのため、人的、機械的切断手法として、
実用上、充分切断可能なる状態で推移し、図2に示すよ
うに、副砥粒部Bも主砥粒部Aほどの粒子圧壊は示さな
いものの、結果的に、従来の単純な電着品に比べ、大巾
に仕事量をこなすことが立証された。また、単純に鋳物
と称しながらも、材質の関係により、主砥粒部Aと副砥
粒部Bとの幾何学配列により、例えば、主砥粒部のダイ
ヤモンド電着比率による耐久性の変化など、若干の有意
性を示す特性も判明した。
【0031】従来の一般的な電着ダイヤモンドカッター
は、ほぼ同一粒径の砥粒が、切刃エッジとして、基板端
面の円周方向全体に固着されており、鋳物切断用として
は、それなりの効果を示しながらも、手持式や機械式切
断に際し、初期切れ味は良いが、除々に切刃硬質粒子の
エッジが摩耗し、粒子形状がフラットな面形状を示し、
全体的に同形態となり、切れ味の低下を引き起こしてく
る。また、砥石の切断推力にも限界があり、最終的に
は、寿命と称する段階では、電着時の有効切刃エッジを
有する粒子が転在しているものである。
【0032】通常、鋳物以外の非金属類の切断では、硬
質粒子を固定しているボンド(ニッケルメッキ層等)の
摩耗が進み、適度にダイヤモンドの脱落がおこるが、鋳
物切断に際しては、ボンドの摩耗進行は殆ど認められな
いことが確認されている。これらの実験試料に対し、ダ
イヤモンドの累積摩耗形態の寿命の経過を実験した結
果、特に最近では、自動切断に際し、本体動力が設計的
に高出力原動機を採用しているため、充分な推力を寄与
されるので、切刃部の同一実用粒度範囲では、ある定格
負荷電流において、急激な発熱と、切れ味低下とを誘発
し、寿命をきたす結果を見い出した。
【0033】これは、ほぼ全体に電着された粒子および
粒子間において、ある安定した応力が加わるものであ
り、それぞれ所定粒度の主砥粒部Aおよび副砥粒部B
を、等間隔に配列して実験を行なった結果、ある一定の
エッジ摩耗時に、鋳物切断時による衝撃破損が起こるも
ので、単純な間引き配列では、切れ味はよいが、耐久性
が問題であることも判明した。
【0034】本発明は、これらの実験経過をもとに、本
発明の特徴である主砥粒部Aおよび副砥粒部Bについ
て、結果的にほぼ全粒子が有効に作用し、かつ耐久性の
向上を目的としたものである。図2のA、B粒子群にお
ける作用応力の概略挙動関係図に示すように、主砥粒部
のA粒子群A1〜Anと、副砥粒部のB粒子群B1〜Bn
とに加わる作用応力に差を生じるため、初期切れ味がよ
く、衝撃破損効果との相乗効果により、長期間の寿命を
保てるような、全体的切刃エッジを有効に作用させるこ
とを可能にしたものである。
【0035】そのため、初期切れ味は使用とともに徐々
に低下しながらも、人的、機械的切断手法として、実用
上、充分切断可能なる状態で推移することを見い出し、
副砥粒部のB粒子群も、主砥粒部Aほどの粒子圧壊は示
さないものの、結果的に、従来の単純な電着品に比べ
て、大巾に仕事量をこなすことが立証され、しかも、単
純に鋳物と称しながらも、材質の関係により、A・B粒
子群の若干の幾何学的な配列に、有意性を示す特性も判
明した。
【0036】(2)次に、切刃部3より小径の砥粒によ
る電着領域5を、基板側面全体にわたって散在させたこ
とによる作用を説明する。素形材供給にあたり、鋳造時
に発生する鋳物の押湯、湯口、堰等を、人的、機械的手
法により切断除去する場合、高速回転する基板側面が、
鋳物に接触することがあり、このとき、基板と切削対象
物であるワークとの接触摩耗熱により、思わぬ基板損傷
や、しいては金属疲労を誘発する。
【0037】そこで、本実施例では、より安全性を高め
る目的で、基板両側面に、回転に対し、基板とワークと
が接触することのないように、幾何学的配置形状の砥粒
領域5を形成した。領域5に電着保持される硬質粒子
は、切刃部とは異なり、積極的作用が目的ではないの
で、砥粒として、高価なダイヤモンドのみを保持する必
要性はなく、安価な硬質酸化物であるAl23、SiO
2、ZnO2等の砥粒と、ダイヤモンド砥粒とを、ほぼ等
重量で混合し、電着領域5を基板側面に分散させて固着
することにより、何んら支障を生じるものでないことを
見い出したものである。
【0038】(3)次に、基板材料が、Ni−Fe合
金、もしくはFe−Ni−Co合金であることによる作
用を説明する。鋳物切断用カッターは、外周縁の切刃部
に、ダイヤモンドあるいはCBNの砥粒を電着保持して
いても、高速回転に伴う乾式切断により、基板外周部は
発熱する。
【0039】加工対象物が、一般的な石材、建材、コン
クリート等の非金属材料とは異なり、これらに多用され
ている基板材である工具鋼や合金鋼の場合は、切削熱が
蓄積されるため、円板状基板が熱膨張し、基板のたて振
れ現象を誘発し、手持式電動機などでは、激しい振動を
生じ、作業継続が困難な状況となる。さらに、被加工物
への反発も激しく、安全上使用に耐え得るものでない状
態となる。
【0040】しかしながら、基板材を、低熱膨張係数の
材料にすることにより、例えば、Fe−Ni材、もしく
はFe−Ni−Co材は、線膨張係数が極めて小さいの
で、上記のような切削工具の振れが発生せず、高速回転
による切断を長時間継続することができる。
【0041】ここで、本発明の実験例を説明する。サン
プル(A)として図1に示した本発明のカッターを用
い、サンプル(B)に比較用のカッターとして、切刃部
に平均的に同一実用粒度のみを固着した従来例を用い
て、自動切断用機械本体による自動車用大型カムシャフ
トの堰切断カッターとして装着し、比較試験を行なっ
た。
【0042】仕様は、 カッターサイズ φ455(外径)×2.5t(基板
厚)mm 基板材 63.5%Fe−36.5%Ni合金 駆動出力(原動機) 9KW 回転数 2200rpm 被切断材 カムシャフト(FC300) 切断(堰)断面積形状 φ30mm カッター自動切断送り速度 2.0mm/sec 1サイクルタイム 40sec である。
【0043】サンプル(A)は、 切刃部ダイヤ: 主砥粒部Aは35/45#(500〜350μ) 副砥粒部Bは40/50#(420〜297μ) 側面の電着砥粒領域: Al23(60/80#)と、ダイヤモンド(60/8
0#)(wtで 1/1)である。
【0044】サンプル(B)は、 切刃部ダイヤ:40/45# 側面の電着砥粒領域:Al23(60/80#)と、ダ
イヤモンド(60/80#)(wtで 1/1)である。
尚、#は、U・Sメッシュである。
【0045】本実験結果を図4に示す。図4は、負荷電
流の挙動と切断累積仕事量との関係を示したものであ
る。無負荷状態(空転時)での電流は13アンペアで、
切断本数10本毎に負荷電流値(最小〜最大)を読みと
り、定格電流35アンペアを最大値として寿命とした。
サンプル(A)およびサンプル(B)による処理本数
は、以下の通りであった。
【0046】 サンプル(A):処理本数 14800本 サンプル(B):処理本数 9020本 上記のように、本発明のカッター(A)は、比較用カッ
ター(B)に対し、寿命が約1.7倍と大きく向上する
ことが判明した。これは、本発明のカッターにおいて、
主砥粒部と副砥粒部との粒度の相違が、有効に切削作用
したことによる明確な結果である。
【0047】このように、本実施例によれば、鋳物切断
用砥石における従来技術の問題点が解消され、鋳物切断
用カッターとして、円板外周縁全体に平均的に砥粒を固
着した従来品に比較して、本実施例では、機械的あるい
は人的切断手法においても、継続使用に際し、従来より
一段と切れ味を良くするとともに寿命も延長する。
【0048】また、鋳物切断時に、作業中におけるワー
クや基盤の傾きや、推力による基板のたわみ等の不規則
な切断運動に伴ない、基板側面にワークが接触すること
による安全上の対策を可能とし、安全作業が可能であ
る。さらに、鋳物切断時に発生する円板外周縁の切刃部
の乾式切断熱や、側面接触摩耗熱の蓄熱により、熱膨張
による円板状基板の板振れを防止し、より安全性の高い
切断用砥石とすることができる。
【0049】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、機械構造
用の銑鉄鋳物、ダクタイル鋳鉄管等を素形材として供給
するにあたり、鋳造後の押湯、湯口、堰等の切断除去作
業工程に関し、簡便に使用される電動機等に取りつけて
切断をしたり、自動切断専用機に取りつけられ、連続切
断の乾式使用されるのに好適で安全な鋳物切断用カッタ
ーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る鋳物切断用カッターの一
実施例を示す側面図である。
【図2】図2は、図1の外周端面に電着保持された砥粒
の態様と、その作用応力の概略挙動関係を示す図であ
る。
【図3】図3は、図1のI−I断面図である。
【図4】図4は、本実施例と従来例との比較実験によ
り、負荷電流の挙動と切断累積仕事量との関係を示した
図である。
【符号の説明】
1 鋳物切断用カッター 2 基板 3 切刃部 4 締付部 5 基板側面の電着砥粒領域 A 主砥粒部 B 副砥粒部 (A) 本発明のサンプル (B) 従来例のサンプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−2871(JP,A) 特開 昭51−100390(JP,A) 特開 昭57−148609(JP,A) 特開 平5−42481(JP,A) 実開 昭56−38762(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状基板の円周端面に、1層の砥粒
    層を電着して切刃部を形成し、前記砥粒層は、大径の砥
    粒からなる主砥粒部と、前記主砥粒部の砥粒の平均粒径
    以下である小径の砥粒からなる副砥粒部とが、前記基板
    の円周方向へ交互に隙間なく連続して配列されているこ
    とを特徴とする円板回転式の鋳物用カッター。
  2. 【請求項2】 前記円板状基板は、低熱膨張係数材料で
    ある、Fe−Ni合金、又はFe−Ni−Co合金から
    なる請求項1に記載の鋳物切断用カッター。
  3. 【請求項3】 前記円板状基板の側面に分散配置された
    電着砥粒領域の砥粒は、前記切刃部の砥粒粒径以下の粒
    径であるダイヤモンドと、Al23、SiO2又はZr
    2の硬質酸化物とを混合したものである請求項1に記
    載の鋳物切断用カッター。
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