JP3538360B2 - 重研削用のレジノイド研削砥石 - Google Patents

重研削用のレジノイド研削砥石

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JP3538360B2
JP3538360B2 JP2000056923A JP2000056923A JP3538360B2 JP 3538360 B2 JP3538360 B2 JP 3538360B2 JP 2000056923 A JP2000056923 A JP 2000056923A JP 2000056923 A JP2000056923 A JP 2000056923A JP 3538360 B2 JP3538360 B2 JP 3538360B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B24D5/00Bonded abrasive wheels, or wheels with inserted abrasive blocks, designed for acting only by their periphery; Bushings or mountings therefor
    • B24D5/02Wheels in one piece
    • B24D5/04Wheels in one piece with reinforcing means

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重研削用のレジノ
イド研削砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼所における鋼片(スラブ、ブルー
ム、ビレット)の表面傷取り・皮むき等の目的で行なわ
れる重研削作業は、鋼製造の最終工程である圧延加工工
程に入る直前に行なわれる表面除去研削で、高品位の鋼
材・鋼板を得るために不可欠な重要な作業である。この
重研削作業は一般に削除量がきわめて多いため、用いら
れる重研削用砥石も大型である。
【0003】上記重研削用砥石には、一般に、フェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂から成る合成樹脂結合剤(レジ
ンボンド)で砥粒を結合したレジノイド研削砥石が用い
られる。合成樹脂結合剤は、ガラス質結合剤(ビトリフ
ァイドボンド)、金属質結合剤(メタルボンド)や電着
結合剤に比較して弾性率が低いことから、研削加工中に
被削材から砥粒に作用する負荷を結合剤の弾性変形によ
って緩和できるためである。なお、上記砥粒には、例え
ばアルミナ(Al2O3) 、炭化ケイ素(SiC) やアルミナ・ジ
ルコニア(Al2O3-ZrO2)質等の一般砥粒が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記重研削用砥石は、
フランジにより研削装置の回転軸に固定されるので、そ
のフランジの外径よりも短径の部分は研削に使用するこ
とができず、使用済みの砥石が発生する。その使用済み
の砥石は廃棄物として埋め立て処理されるが、発生する
廃棄物の量が、国内だけでも年間 100〜 200トンと多量
であることと、近年の廃棄物処理場の枯渇とにより、そ
の処理が困難になってきている。また、砥石の廃棄物を
製造メーカが引き取るべきという要請がユーザーの間に
高まっている。
【0005】従来は、使用済み廃棄物については、細か
く粉砕し、耐火物やショットブラスト材、磨き材、ノン
スリップ材等に少量使用されるにすぎず、且つ、それら
に使用されても最終的には廃棄物になるため、根本的な
問題解決にはなっていなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、発生する廃
棄物を少なくすることができる重研削用のレジノイド研
削砥石を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために種々検討を重ねた結果、重研削用のレ
ジノイド研削砥石の内側部分、すなわち補強部を金属製
のコアに置き換え、その金属コアを繰り返し使用すれば
発生する廃棄物を減少させることができることを見いだ
した。さらに、補強部に金属コアを用いると、従来のレ
ジノイド研削砥石(補強部も砥粒が熱硬化性樹脂により
相互に結合させられた構造を有している)に比較して、
研削比が大きく向上するという事実も見いだした。本発
明はかかる知見に基づいて為されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、前記目的を達
成するための本発明の要旨とするところは、機械的強度
が高められた内周側の補強部と、その補強部の外周側に
一体的に設けられ、砥粒が熱硬化性樹脂により相互に結
合させられた研削部とを備えた重研削用のレジノイド研
削砥石であって、前記研削部の熱膨張係数をαとした場
合に、前記補強部がα-5×10-6(/℃) からα+5×10-6(/
℃) の範囲の熱膨張係数を有する金属製であることにあ
る。
【0009】
【発明の効果】このようにすれば、補強部が金属製であ
ることから、研削比が向上する。そのため、生産効率が
向上するとともに、レジノイド研削砥石の寿命が長くな
るので、発生する使用済みの砥石を少なくすることがで
きる。さらに、使用済みの砥石のうち補強部は金属製で
あることから、破損および変形の恐れが少なく、繰り返
し使用することができる。従って、発生する廃棄物を著
しく少なくすることができる。また、補強部が繰り返し
使用されることから、原料費が削減でき結果として製造
コストを削減できる。なお、補強部に用いられる金属の
熱膨張係数は、研削部の熱膨張係数αの±5 ×10-6(/
℃) の範囲であるので、研削部にクラックが生じたり、
研削部の一部が剥がれたりすることなく、安全に使用で
きる。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記重研削用の
レジノイド研削砥石は、前記補強部の外周面と前記研削
部の内周面との間に有機系耐熱接着剤層を備えたもので
ある。このように構成されたレジノイド研削砥石は、補
強部と研削部との間が有機系耐熱接着剤により固定され
ていることから、レジノイド研削砥石が高速で回転させ
ら、且つ、そのレジノイド研削砥石が高温となる重研削
作業においても、補強部と研削部とが一層剥がれにくく
なる。
【0011】また、好適には、前記補強部の外周面は、
その補強部の径方向と垂直な方向に凹凸を有するもので
ある。このように構成されたレジノイド研削砥石は、補
強部の径方向と垂直な方向、すなわち、このレジノイド
研削砥石が研削装置の回転軸に取り付けられた場合のそ
の回転軸方向に対する荷重に強いので、被削材が前記回
転軸に対して相対移動させられる研削作業がより安全に
なる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0013】図1は、本発明の一実施例のレジノイド研
削砥石10を示す斜視図である。図においてレジノイド
研削砥石10は、後述する図5に示されるビレット・グ
ラインダ等に用いられる重研削用研削砥石であり、寸法
は、たとえば外径 610(mm)×厚さ75(mm)×内径203.2(m
m) 程度とされ、その回転軸32に取り付けるために機
械的強度が高められた内周側の補強部(コア部)10a
と、研削に寄与する円筒状の研削面16を外周に備えた
外周側の研削部10bとから構成されている。後者の研
削部10bは、例えば砥粒12が結合剤組織14で結合
されることにより、砥粒率 50(%) 程度(JIS R 6212に
規定する組織6に相当)の緻密な組織に構成されてお
り、気孔率は略零である。
【0014】一方、前者の補強部10aには、従来は、
研削部10bよりも機械的強度を高める目的で調合組成
が研削部10bとは異なるものとされるが、研削部10
bと同様に結合剤組織14中に砥粒12が分散された構
造の砥石が用いられていたが、本発明では補強部10a
は、従来の補強部よりも弾性率が低い金属製とされてい
る。また、その金属には、研削作業においてレジノイド
研削砥石10の温度が上昇しても、研削部10bにはが
れやクラックが生じないようにするため、研削部10b
の熱膨張係数αに対して、α-5×10-6(/℃) からα+5×
10-6(/℃) の範囲の熱膨張係数を有するものが用いられ
る。なお、上記熱膨張係数は、下記の式1から算出され
るものであり、線膨張係数ともいう。 [式1] α=(dl/dT)/l0 l:長さ, T:温度, l0:0℃における長さ
【0015】図2は、レジノイド研削砥石10の研削面
16近傍の断面を拡大して概念的に示す図である。上記
の砥粒12は、例えば粒度が#20程度[すなわち平均粒
径で1000(μm)程度]で円柱状を成したシリンダ・タイ
プと称されるアルミナ(Al2O 3 )系の砥粒であり、結合
剤組織14中に略一様に分散させられると共に、一部は
研削面16に露出している。この砥粒12の熱膨張係数
は例えばα= 7×10-6(/℃) 程度である。一方、結合剤
組織14は、例えば熱膨張係数が50×10-6(/℃) 程度と
砥粒12のそれよりも遙かに大きいフェノール樹脂等の
熱硬化性合成樹脂から成る合成樹脂結合剤18と、その
合成樹脂結合剤18中に略一様に分散させられた無機質
充填材20とから構成される。結合剤組織14中の合成
樹脂結合剤18および無機質充填材20の容積比は、例
えば 1:1 程度である。
【0016】上記の無機質充填材20は複数種類の無機
質材料粒子が混合されたものであって、例えば、研削助
剤として機能する硫化鉄、骨材として機能する硫酸カリ
ウム、クリオライト等の一般充填材から構成される。上
記研削助剤および骨材は、重研削用のレジノイド研削砥
石の充填材(フィラー)として従来から用いられている
ものであり、例えば 0.5〜 50(μm)程度の平均粒径を備
え、熱膨張係数はα=10×10-6〜 100×10-6(/℃) 程度
である。そして、これら砥粒12、合成樹脂結合剤1
8、および無機質充填材20から構成される研削部10
bの熱膨張係数はα=10×10-6〜 14 ×10-6(/℃) 程度
となる。たとえば、合成樹脂結合剤18としてフェノー
ル樹脂を用い、無機質充填材20として硫化鉄を用い、
それらの比率(重量比)を合成樹脂結合剤18:無機質
充填材20=60〜70:100 とした結合剤組織14に、砥
粒率が50% となるように砥粒12を混合すると、研削部
10bの熱膨張係数は室温においておよそα= 12×10-6
となる。
【0017】図3は、上記レジノイド研削砥石10を図
1のA−A線で切断した断面図である。図3に示すよう
に、補強部10aの外周面22は、補強部10aの径方
向に垂直な方向(図3において上下方向)に凹凸を有し
ている。すなわち、外周面22は、研削部10bの研削
面16と平行な凸面24と、研削部10bの研削面16
と平行且つその凸面24に対して凹んだ凹面26とを有
する凹凸形状である。そして、この凹凸形状(フィン構
造)の外周面22と研削部10bの内周面28とが嵌ま
り合ってレジノイド研削砥石10が構成されている。ま
た、補強部10aの外周面22と研削部10bの内周面
28との間には、有機系耐熱接着剤層30が形成されて
いる。この有機系耐熱接着剤層30を構成する接着剤
は、前記結合剤組織14中の合成樹脂結合剤18と同程
度以上の耐熱性を有するものであり、たとえばフェノー
ル樹脂系接着剤やポリイミド系接着剤等が用いられ、好
適には、前記合成樹脂結合剤18と同系の接着剤が用い
られる。
【0018】以上のように構成されるレジノイド研削砥
石10は、例えば、図4に示される工程に従って製造さ
れる。先ず、予備混合工程S1において、例えばフェノ
ール樹脂等の合成樹脂結合剤粉末と前記の無機質充填材
20とを混合して所謂『ボンド粉』を作製する。次い
で、攪拌混合工程S2において、このボンド粉と、砥粒
12および液状フェノール樹脂等の液状の合成樹脂結合
剤とを攪拌混合して所謂『坏土』を作製する。このと
き、結合剤組織14中にガラス・ファイバ等の補強材が
含まれる場合には、砥粒12等と同時に混合される。ま
た、これら粉体混合工程S1および攪拌混合工程S2に
おいては、各構成材料の調合比は、前述したような砥粒
率や容積比等が得られるように定められる。
【0019】そして、成形工程S3においては、金属製
の補強部10aの外周面16に、耐熱性接着剤としてた
とえば明和化成(株)製の液状フェノール樹脂MWB−
5101を塗布し、その接着剤を塗布した補強部10a
を金型内の所定位置に配置し、さらに、上記金型内の補
強部10aの外側に前記攪拌混合工程S2で調製した坏
土を供給して、180〜200℃程度の温度で熱間加圧
成形(ホット・プレス)することによりレジノイド研削
砥石10を一体的に成形する。続いて、熟成工程S4に
おいて結合剤組織14の種類毎に定められる温度でアフ
タ・キュアすることにより、前記図1に示されるレジノ
イド研削砥石10が得られる。
【0020】次に、補強部10aを研削部10bと同等
の熱膨張係数を有する金属製としたレジノイド研削砥石
10を図4の工程に従って製造し(実施例1)、性能評
価を行なった結果を比較例1、2と共に示す。
【0021】実施例1および比較例1、2は、それぞれ
2個ずつの砥石を製造し、1個は安全性を確認するため
に回転破壊試験に使用し、他方は研削性能を調べるため
の研削試験に使用した。そこで、まず実施例1および比
較例1、2の研削砥石の製造条件を説明する。実施例1
および比較例1、2において、砥石寸法は、全て、外径
610(mm)×厚さ75(mm)×内径203.2(mm) 、補強部10a
の外径360(mm) とした。また、研削部10bの組成も全
て同じとした。研削部10bの熱膨張係数が室温におい
てα= 12×10-6であったことから、実施例1は、それと
同じく室温における熱膨張係数がα= 12×10-6のスチー
ル製(S45C)の補強部10aとし、比較例1は、熱
膨張係数がα= 23×10-6のアルミ(単体)製の補強部1
0aとし、比較例2は、従来から使用されている熱膨張
係数がα= 13×10-6の砥石製の補強部10aとした。な
お、比較例2の研削砥石は、補強部10aが砥石製であ
る従来の製造方法であることから、補強部10aと研削
部10bとの間に接着剤は介在させていない。
【0022】次に、これら実施例1および比較例1、2
の砥石について回転破壊試験を行なった結果を表1に示
す。 [表1]砥石種類 破壊回転数(r.p.m.) 破壊周速度v(m/s) 安全率(v/80) 実施例1 5405 173 2.16 倍 比較例1 3907 125 1.56 倍比較例2 5148 164 2.05 倍 (安全率は、使用周速度80m/s に対する破壊周速度vの倍率)
【0023】表1に示すように、本発明を適用した実施
例1は、従来のレジノイド砥石である比較例2の1.05倍
の強度があった。それに対して、比較例2は、同じ金属
製のコアであるにもかかわらず、比較例2の0.76倍の強
度しかなかった。また、本発明のレジノイド研削砥石1
0が使用されるビレット・グラインダの使用周速度は80
m/s であり、通常、安全率が2.00倍以上であることが要
求される。本実施例では、安全率は2.16倍であるので、
安全性について問題はないことが分かった。
【0024】次に、研削性能の評価を行なった。図5
は、その研削性能試験に使用されるビレット・グライン
ダの使用状態の一例を示す図である。図において、ビレ
ット・グラインダは、図示しない製鋼の圧延工程や切削
工程等に先立って、例えば角柱状の鋼片(ビレット)3
2の疵取りを行うための研削装置である。ビレット・グ
ラインダにはビレット32が載せられた状態で紙面に垂
直な水平方向すなわちビレット32の長手方向に往復移
動させられる鋼片台34が備えられている。鋼片台34
の上方には、レジノイド研削砥石10が回転軸36に嵌
め込まれて回転可能に設けられている。
【0025】図6は、上記ビレット・グラインダに装着
されたレジノイド研削砥石10を上記回転軸36を通る
垂直平面で切断した断面図である。図6に示すように、
レジノイド研削砥石10は、径が小さくされた回転軸3
6の先端に嵌め入れられ、一対のフランジ37、38、
およびナット39により固定されている。また、前記補
強部10aの直径は、そのフランジ37、38の外径よ
りもやや小さくされている。このように、レジノイド研
削砥石10は、フランジ37、38により固定されるの
で、フランジ37、38の外径よりも短径の部分は、研
削に使用することができず、使用済みの研削砥石が発生
する。
【0026】図5に戻って、上記回転軸36は図に一点
鎖線で示されるベルト40、41を介してモータ42に
よって回転させられるようになっている。また、モータ
42やレジノイド研削砥石10等は、シリンダ装置44
のピストン46の抜き差しに従って図の左右方向に移動
させられる水平移動台48上に設けられており、その水
平移動台48上には、更に一対のシリンダ装置50、5
0からのピストン52の突き出し量の差異によって回動
軸54回りに回動させられるアーム56が設けられ、上
記回転軸36は、そのアーム56に軸支されている。こ
れらシリンダ装置44、50は、左方に配置される操作
者がレバー58を操作することにより駆動される。その
ため、レジノイド研削砥石10は、シリンダ装置44に
よって図に矢印Bで示される左右方向に移動させられる
と共に、シリンダ装置50、50によって図に矢印Cで
示される上下方向に移動させられる。これにより、レジ
ノイド研削砥石10とビレット32とがその長手方向お
よびそれと垂直な断面内における任意の位置に相対移動
させられて、ビレット32の全面或いは図7に示される
ようにその複数箇所に生じた多数の疵60が研削除去さ
れる。
【0027】上記のようにして、図5乃至図7のビレッ
ト・グラインダに実施例1、比較例1および比較例2の
研削砥石を用いてビレット32を重研削した際の加工条
件および研削結果を表2に示す。なお、下記の試験結果
において、「砥石摩耗量」は加工による研削砥石の重量
減少を、「被削材研削量」は加工によるビレット32の
重量減少を、「研削比」は「被削材研削量/砥石摩耗
量」を、それぞれ比較例2を 100として表した相対値で
あり、研削比の数値が大きいほど高い研削性能を有する
こととなる。また、研削方式は何れも定電流研削であ
り、研削時間は何れも20分間である。
【0028】 [表2] [加工条件] ・被削材材質:SUS430 ・被削材寸法:130 ×130 ×2600(mm) ・砥石周速度:80 (m/s) ・台車速度 :0.5(m/s) [試験結果]砥石種類 砥石摩耗量 被削材研削量 研削比 実施例1 89 130 146 比較例1 - - (クラック発生のため測定できず。)比較例2 100 100 100
【0029】表2に示すように、本発明を適用した実施
例1は、従来のレジノイド砥石である比較例2を用いた
場合に比較して、46% も高い研削比が得られた。この理
由は以下のように考えられる。すなわち、比較例2では
補強部10aは砥石であり、比較的弾性率が低いのに対
し、実施例1のレジノイド研削砥石10の補強部10a
は、それよりも弾性率が高いスチールを用いている。そ
の結果、実施例1では、研削時に研削部10bが逃げる
割合が比較例2よりも少なくなって、被削材研削量が増
えたと考えられる。そのため、従来のレジノイド砥石を
用いた比較例2の場合に比較して高い研削比を得ること
ができたのである。
【0030】一方、比較例1は、補強部10aと研削部
10bとの境界にクラックが生じ、破損の恐れがあった
ため、研削試験を途中で中止した。これは、ビレット・
グラインダによる研削作業においては研削熱の発生が大
きく、補強部10aがアルミ製であることから、その研
削熱による研削部10bとの熱膨張差が大きいためと考
えられる。
【0031】上述のように、本実施例においては、補強
部10aがスチール製であることから、研削比が向上す
る。そのため、生産効率が向上するとともに、レジノイ
ド研削砥石10の寿命が長くなるので、発生する使用済
みの砥石を少なくすることができる。さらに、使用済み
の砥石のうち補強部10aはスチール製であることか
ら、破損および変形の恐れが少なく、繰り返し使用する
ことができる。従って、発生する廃棄物を著しく少なく
することができる。また、補強部10aが繰り返し使用
されることから、原料費が削減でき結果として製造コス
トを削減できる。なお、補強部に用いられるスチールの
熱膨張係数は、研削部10bの熱膨張係数αと同じであ
るので、研削部10bにクラックが生じたり、研削部1
0bの一部が剥がれたりすることなく、安全に使用でき
る。
【0032】因みに、補強部10aを繰り返し使用する
場合、使用済みの砥石を回収するための費用が必要とな
るが、重研削用のレジノイド研削砥石10を使用するユ
ーザーは限られており、砥石メーカーと直接取引する場
合が多く、新しいレジノイド研削砥石10を納入すると
きに使用済みの砥石を回収することができるので、回収
費用はそれほど高くならない。従って、回収した補強部
10aを再利用できることによる効果の方が大きいの
で、原料費は削減できるのである。また、回収した補強
部10aが破損または変形して再利用できない場合で
も、金属製であるため、溶かして再利用することが容易
である。
【0033】また、本実施例のレジノイド研削砥石10
は、補強部10aと研削部10bとの間が耐熱性のある
液状フェノール樹脂接着剤により固定されていることか
ら、レジノイド研削砥石10が高速で回転させられ、且
つ、そのレジノイド研削砥石10が高温となる重研削作
業においても、補強部10aと研削部10bとが一層剥
がれにくくなる。
【0034】また、本実施例のレジノイド研削砥石10
の補強部10aの外周面22は、補強部10aの径方向
と垂直な方向に凹凸を有することから、補強部10aの
径方向と垂直な方向、すなわち、レジノイド研削砥石1
0がビレット・グラインダの回転軸36に取り付けられ
た場合のその回転軸36方向に対する荷重に強いので、
被削材が回転軸36に対して相対移動させられる研削作
業がより安全になる。
【0035】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0036】例えば、実施例においては、補強部10a
はスチール製であったが、ステンレス合金または低熱膨
張アルミ合金等、熱膨張係数がα-5×10-6(/℃) からα
+5×10-6(/℃) の範囲の他の金属であってもよい。
【0037】また、前述の実施例では、補強部10aの
外周面22の凹凸形状は、研削部10bの外周面16に
平行な2つの平面24、26を有する形状であったが、
凹凸形状は、鋭角な山型が連続する形状や、凹曲面と凸
曲面が連続する形状等、他の形状であってもよい。ま
た、回転軸36方向の負荷がそれほど大きくない場合
は、補強部10aの外周面22は凹凸形状ではなく一平
面とされてもよい。
【0038】また、前述の実施例では、レジノイド研削
砥石10は、成形工程S3で説明したように、ホットプ
レスにより製造されていたが、コールドプレスにより製
造してもよい。
【0039】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のレジノイド研削砥石の全体
を示す斜視図である。
【図2】図1の研削砥石の研削面近傍の断面を拡大して
示す図である。
【図3】図1のA−A線でレジノイド研削砥石を切断し
た断面図である。
【図4】図1の研削砥石の製造工程を説明する工程図で
ある。
【図5】図1のレジノイド研削砥石が適用されるビレッ
ト・グラインダの全体構成を模式的に示す図である。
【図6】図5のビレット・グラインダに装着されたレジ
ノイド研削砥石を回転軸を通る垂直平面で切断した断面
図である。
【図7】ビレットの疵取り研削加工を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10:レジノイド研削砥石 10a:補強部 10b:研削部 12:砥粒 14:結合剤組織 16:研削面 18:合成樹脂結合剤(熱硬化性樹脂) 22:補強部の外周面 30:有機系耐熱接着剤層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的強度が高められた内周側の補強部
    と、該補強部の外周側に一体的に設けられ、砥粒が熱硬
    化性樹脂により相互に結合させられた研削部とを備えた
    重研削用のレジノイド研削砥石であって、 前記研削部の熱膨張係数をαとした場合に、前記補強部
    がα-5×10-6(/℃) からα+5×10-6(/℃) の範囲の熱膨
    張係数を有する金属製であることを特徴とする重研削用
    のレジノイド研削砥石。
  2. 【請求項2】 前記補強部の外周面と前記研削部の内周
    面との間に有機系耐熱接着剤層を備えていることを特徴
    とする請求項1記載の重研削用のレジノイド研削砥石。
  3. 【請求項3】 前記補強部の外周面は、該補強部の径方
    向と直角な方向に凹凸を有することを特徴とする請求項
    1または2記載の重研削用のレジノイド研削砥石。
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