JP2009119559A - 切削ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板、セラミック基板等の難切削材を切削可能な切削ブレードを提供する。
【解決手段】被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードを回転可能に支持する切削手段とを備えた切削装置で使用する切削ブレードであって、該切削ブレードは電着砥石からなる切刃を有しており、該切刃は、天然又は合成ダイヤモンド砥粒及び立方晶窒化硼素砥粒からなる群から選ばれた超砥粒86と、フッ素系樹脂粒88と、該超砥粒と該フッ素系樹脂粒を混在して固めたニッケル電着層94とから構成されており、該フッ素系樹脂粒の粒径は0.2〜20μmの範囲内であり、該フッ素系樹脂粒の共析量は10〜45体積%の範囲内であり、該超砥粒の集中度は60〜150の範囲内であることを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、ガラス、セラミックス等の難切削材の切削に適した切削ブレードに関する。
ダイシング装置(切削装置)は、スピンドルの先端にフランジを取り付け、このフランジに薄い切刃を有する切削ブレードを装着してナットで固定し、IC又はLSI等が形成されたシリコンウエーハや、光導波路等が形成されたニオブ酸リチウム(LN)等のセラミック基板、樹脂基板、ガラス板等を切断し、個々のLSIチップや、電子デバイス、又は光デバイスに分割する分野で使用されている。
ダイシング装置で使用される切削ブレードには大別して2種類が存在する。その一つはハブブレードと呼ばれ、円形ハブを有する円形基台の外周にニッケル母材中にダイヤモンド砥粒が分散されてなる切刃を電着して構成されている。他の一つはリング状ブレード又はオールブレードと呼ばれ、円形基台の全面にニッケル母材中にダイヤモンド砥粒が分散されてなる切刃を電着して構成されている。
いずれのタイプの切削ブレードも、IC又はLSI等が形成されたシリコンウエーハの切削には非常に適しているが、セラミック基板、樹脂基板、ガラス基板等の硬い材料を切削すると、表面のダイヤモンド砥粒がすぐ磨耗するため、何らかの改良が必要である。
この問題を解決するため、特開平4−8477号公報では、ダイヤモンド砥粒を保持するメッキ層に樹脂粒子を分散させてなる電着砥石が開示されている。この公開公報に開示された電着砥石では、メッキ金属層中に分散された樹脂粒子が、メッキ金属層の強度を制御するとともに、切削によって所定以上の力が砥粒周辺のメッキ金属層にかかると、メッキ金属層が破壊し、古い砥粒を脱落させ、新たな砥粒を露出させる働きをしている。
このように、この電着砥石では、樹脂粒子がメッキ層が破壊するように作用して新たな砥粒を突出させるように作用するため、セラミック基板、ガラス基板、樹脂基板等の硬い材料の切削に適していると考えられる。
特開平4−8477号公報
特許文献1に開示された電着砥石は、ただ単にダイヤモンド砥粒を保持するメッキ層に樹脂粒子を分散させて構成されていると開示されているのみであり、樹脂粒子の最適粒径や最適配合量は不明であり、特許文献1の開示に基づいて、ダイシングに用いられるような薄い切刃で良好な切削結果が得られる切削ブレードを作成するのは困難であるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹脂基板、ガラス基板、セラミック基板等の難切削材の切削に適した切削ブレードを提供することである。
本発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードを回転可能に支持する切削手段とを備えた切削装置で使用する切削ブレードであって、該切削ブレードは電着砥石からなる切刃を有しており、該切刃は、天然又は合成ダイヤモンド砥粒及び立方晶窒化硼素砥粒からなる群から選ばれた超砥粒と、フッ素系樹脂粒と、該超砥粒と該フッ素系樹脂粒を混在して固めたニッケル電着層とから構成されており、該フッ素系樹脂粒の粒径は0.2〜20μmの範囲内であり、該フッ素系樹脂粒の共析量は10〜45体積%の範囲内であり、該超砥粒の集中度は60〜150の範囲内であることを特徴とする。
好ましくは、フッ素系樹脂粒の粒径は超砥粒の平均粒径の1/3以下であり、フッ素系樹脂粒の共析量は20〜45体積%の範囲内である。また、超砥粒の粒径は1〜400μmの範囲内である。
本発明の切削ブレードは、超砥粒を固定しているニッケル電着層中に最適粒径及び最適配合量のフッ素系樹脂が分散されて構成されているので、電着層の極端な強度低下がなく、安定した砥粒の脱落が得られる高品質な精密加工用切削ブレードを提供可能であり、ガラス、セラミックス等からなる硬い難切削材であっても良好な切削が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の切削ブレードが装着されるのに適したダイシング装置(切削装置)2の外観を示しており、このダイシング装置は、難切削材のセラミックウエーハ等をダイシングして個々のチップ(デバイス)に分割することができる。
切削装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作手段4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
図2に示すように、ダイシング対象のウエーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2ストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画されて多数のデバイスDがウエーハW上に形成されている。
ウエーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周縁部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハWはダイシングテープTを介してフレームFに支持された状態となり、図1に示したウエーハカセット8中にウエーハが複数枚(例えば25枚)収容される。ウエーハカセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
ウエーハカセット8の後方には、ウエーハカセット8から切削前のウエーハWを搬出するとともに、切削後のウエーハをウエーハカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。ウエーハカセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のウエーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、ウエーハWを一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
仮置き領域12の近傍には、ウエーハWと一体となったフレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたウエーハWは、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、このチャックテーブル18に吸引されるとともに、複数の固定手段19によりフレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウエーハWの切削すべきストリートを検出するアライメント手段20が配設されている。
アライメント手段20は、ウエーハWの表面を撮像する撮像手段22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の処理によって切削すべきストリートを検出することができる。撮像手段22によって取得された画像は、表示手段6に表示される。
アライメント手段20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウエーハWに対して切削加工を施す切削手段24が配設されている。切削手段24はアライメント手段20と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。
切削手段24は、回転可能なスピンドル26の先端に切削ブレード28が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード28は撮像手段22のX軸方向の延長線上に位置している。
図3を参照すると、スピンドルと、スピンドルに装着されるブレードマウントとの関係を示す分解斜視図が示されている。スピンドルユニット30のスピンドルハウジング32中には、図示しないサーボモータにより回転駆動されるスピンドル26が回転可能に収容されている。スピンドル26はテーパ部26a及び先端小径部26bを有しており、先端小径部26bには雄ねじ34が形成されている。
36はボス部(凸部)38と、ボス部38と一体的に形成された固定フランジ40とから構成されるブレードマウントであり、ボス部38には雄ねじ42が形成されている。さらに、ブレードマウント36は装着穴43を有している。
ブレードマウント36は、装着穴43をスピンドル26の先端小径部26b及びテーパ部26aに挿入して、ナット44を雄ねじ34に螺合して締め付けることにより、図4に示すようにスピンドル26の先端部に取り付けられる。
図4はブレードマウント36が固定されたスピンドル26と、切削ブレード28との装着関係を示す分解斜視図である。切削ブレード28はハブブレードと呼ばれ、円形ハブ48を有する円形基台46の外周にニッケル母材中にダイヤモンド砥粒及びフッ素系樹脂粒が分散された切刃50が電着されて構成されている。
切削ブレード28の装着穴52をブレードマウント36のボス部38に挿入し、固定ナット54をボス部38の雄ねじ42に螺合して締め付けることにより、図5に示すように切削ブレード28がスピンドル26に取り付けられる。
図6を参照すると、リング状またはワッシャー状の切削ブレード56をスピンドル26に装着する様子を示す分解斜視図が示されている。切削ブレード56はその全体が電鋳された切刃(電鋳砥石)から構成されている。切削ブレード56は、リング状基台の全面にニッケル母材中にダイヤモンド砥粒及びフッ素系樹脂粒が分散された電鋳砥石が形成されている。
ブレードマウント36のボス部38に切削ブレード56を挿入し、さらに着脱フランジ58をボス部38に挿入して、固定ナット54を雄ねじ42に螺合して締め付けることにより、切削ブレード56は固定フランジ40と着脱フランジ58により両側から挟まれてスピンドル26に取り付けられる。
図7を参照すると、切削ブレードとして第1実施形態のハブブレード28を採用した切削手段24の拡大斜視図が示されている。60は切削ブレード28をカバーするブレードカバーであり、このブレードカバー60には切削ブレード28の側面に沿って伸長する図示しない切削水ノズルが取り付けられている。切削水が、パイプ72を介して図示しない切削水ノズルに供給される。
62は着脱カバーであり、ねじ64によりブレードカバー60に取り付けられる。着脱カバー62は、ブレードカバー60に取り付けられた際、切削ブレード28の側面に沿って伸長する切削水ノズル70を有している。切削水は、パイプ74を介して切削水ノズル70に供給される。
66はブレード検出ブロックであり、ねじ68によりブレードカバー60に取り付けられる。ブレード検出ブロック66には発光素子及び受光素子からなる図示しないブレードセンサが取り付けられており、このブレードセンサにより切削ブレード28の切刃50の状態を検出する。
ブレードセンサにより切刃50の欠け等を検出した場合には、切削ブレード28を新たな切削ブレードに交換する。76はブレードセンサの位置を調整するための調整ねじである。
次に、ハブブレード28の製造方法について図8を参照して説明する。ハブブレード28は図8に示すような電着ブレード製造装置80を使用して製造される。電着槽82内には硫酸ニッケル又は硝酸ニッケル等の電解液84が蓄えられており、この電解液84中にダイヤモンド砥粒86及びポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン)等のフッ素系樹脂粒88が混入されている。フッ素系樹脂としては、フッ化黒鉛、テトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン等も採用可能である。
電解液84中には電着面47を上にしてハブブレード28の基台46及びニッケル等の電解金属90が浸漬されている。ここで、基台46の電着面47には、電着面47の外周部のみが露出するようにマスキングを施して、基台46を電着面47を上にして電解液84中に浸漬する。基台46は電源92の−端子に接続され、電解金属90は電源92の+端子に接続されている。
このように構成される電着ブレード製造装置80において、電源92により基台46と電解金属90との間に所定の電圧を印加すると、電解液84中に混入したダイヤモンド砥粒86及びフッ素系樹脂粒88が沈降して基台46の電着面47に堆積するとともに、電解金属によって電着面47においてメッキされて電解金属中に固定されたダイヤモンド砥粒86及びフッ素系樹脂88を含んだ電着層(メッキ層)94が成長していく。
そして、電着層94が所望の厚さまで形成された後、基台46を電解液84から取り出すと、マスキングされていない電着面47の外周部のみ所定量の電着層94が形成される。
電解液84中に混入するフッ素系樹脂粒88の最適粒径及び最適配合量を決定するため、以下の実験を行った。
実験1
ダイヤモンド砥粒86の粒径に対してフッ素系樹脂粒の粒径を異ならせた下記の6種類の電着槽と、フッ素系樹脂粒88を混入しない1種類の電着槽を準備し、フッ素系樹脂粒を約20体積%共析させた6種類の切削ブレードと、フッ素系樹脂粒を共析しない1種類の切削ブレードを作成した。
(1) 平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を混入し、且つ電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第1のニッケル電着槽。
(2) 平均粒径0.4μmのフッ素系樹脂粒を混入し、且つ電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第2のニッケル電着槽。
(3) 平均粒径4μmのフッ素系樹脂粒を混入し、且つ電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第3のニッケル電着槽。
(4) 平均粒径10μmのフッ素系樹脂粒を混入し、且つ電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第4のニッケル電着槽。
(5) 平均粒径20μmのフッ素系樹脂粒を混入し、且つ電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第5のニッケル電着槽。
(6) 平均粒径30μmのフッ素系樹脂粒を混入し、且つ電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第6のニッケル電着槽。
(7) フッ素系樹脂粒は混入せずに、電着時に平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させるような電解液を含んだ第7のニッケル電着槽。
各電着槽に基台を浸漬して厚み100μmの電着層(メッキ層)を成長させ、直径52mmの切削ブレード28を、第1の切削ブレードから第7の切削ブレードまで7種類作成した。
各切削ブレードで厚み0.5mmのガラスを切削したところ、図9に示す如く第6の切削ブレード及び第7の切削ブレードにおいて、比較的大きいチッピングがガラスの裏面に発生した。図9において、横軸は第1〜第7の切削ブレードの番号、縦軸はチッピングの長さを示す。
第1の切削ブレード〜第5の切削ブレードは比較的良好な切削性能を示したが、特に第1の切削ブレード〜第3の切削ブレードはほとんどチッピングは発生せずに非常に良好な切削性能を示した。
この実験から、フッ素系樹脂粒の粒径は20μm以下が好ましく、より好ましくは、0.2〜6.0μmの範囲内である。
実験2
実験1で一番良好であった第1の切削ブレードについて、フッ素系樹脂の共析量を変化させた下記の7種類の切削ブレードを作成した。
(1) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、フッ素系樹脂粒を共析しない第1のブレード。
(2) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、且つ平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を5体積%共析させた第2のブレード。
(3) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、且つ平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を10体積%共析させた第3のブレード。
(4) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、且つ平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を20体積%共析させた第4のブレード。
(5) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、且つ平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を30体積%共析させた第5のブレード。
(6) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、且つ平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を40体積%共析させた第6のブレード。
(7) 平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒を集中度125で電着させ、且つ平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒を45体積%共析させた第7のブレード。
各ブレードは基台を電着槽に浸漬させて厚み100μmの電着層(メッキ層)を成長させることで、直径52mmの切削ブレードを第1の切削ブレードから第7の切削ブレードまで7種類作成した。平均粒径20μmのダイヤモンド砥粒に対して、平均粒径0.2μmのフッ素系樹脂粒は45体積%以上共析されなかった。
各切削ブレードで厚み0.5mmのガラスを切削したところ、図10に示すような結果が得られた。図10において、横軸は切削ブレードの番号、縦軸は発生したチッピングの長さを示す。
図10を観察すると明らかなように、第1の切削ブレード及び第2の切削ブレードにおいて、比較的大きいチッピングがガラスの裏面に発生した。第3の切削ブレード〜第7の切削ブレードはあまりチッピングを発生させずに比較的良好であり、特に第4の切削ブレード〜第7の切削ブレードはほとんどチッピングを発生させず優れた切削性能を示した。
この結果から、フッ素系樹脂粒の共析量は10〜45体積%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜45体積%の範囲内である。
実験3
ダイヤモンド砥粒の粒径を種々変化させ、実験1と実験2に準じた実験を行った結果、ダイヤモンド砥粒の粒径が1μm〜400μmの範囲内で好ましい結果が得られた。
実験4
ダイヤモンド砥粒の粒径に対して混入するフッ素系樹脂粒の粒径を種々変化させて実験1及び実験2に準じた実験を行ったところ、フッ素系樹脂粒の粒径はダイヤモンド砥粒の粒径の1/3以下であることが好ましいことが判明した。
実験5
ダイヤモンド砥粒の集中度を種々変化させて、実験1と実験2に準じた実験を行ったところ、ダイヤモンド砥粒の集中度は60〜150の範囲内が好ましいことが判明した。換言すると、これは体積比で15〜37.5%に相当する。
本発明の切削ブレードは、金属層を有するような半導体ウエーハ基板、ガラス基板、樹脂基板、セラミック基板等の硬い難切削材の切削に特に適している。ここで、セラミック基板はサファイア基板、アルミナ基板、ニオブ酸リチウム(LN)基板、タンタル酸リチウム(LT)基板等を含んでいる。また、フッ素系樹脂はポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン)、フッ化黒鉛、テトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン等を含んでいる。
また、ダイヤモンド砥粒86としては天然又は合成ダイヤモンド砥粒を採用可能であり、ダイヤモンド砥粒に代えて立方晶窒化硼素(CBN)砥粒等の他の超砥粒も採用可能である。
本発明実施形態の切削ブレード28,56は、切削ブレード中のフッ素系樹脂粒が、電着層(メッキ層)94中の強度を制御するとともに、切削によって所定以上の力がダイヤモンド砥粒86周辺の電着層94にかかると、電着層94が破壊し、古いダイヤモンド砥粒86を脱落させて新たなダイヤモンド砥粒86を露出させる働きを有している。
よって、極端な電着層の強度低下を防止して、安定した砥粒の脱落が得られる高品質な精密加工用の切削ブレードが提供可能であり、硬い難切削材であっても良好な切削が可能となる。
本発明の切削ブレードを装着するのに適した切削装置の外観斜視図である。 フレームと一体化されたウエーハを示す斜視図である。 スピンドルユニットと、スピンドルに固定されるべきブレードマウントとの関係を示す分解斜視図である。 スピンドルユニットと、スピンドルに装着されるべきハブブレードとの関係を示す分解斜視図である。 ハブブレードがスピンドルに装着された状態の斜視図である。 スピンドルユニットと、スピンドルに装着されるべきリング状切削ブレードとの関係を示す分解斜視図である。 切削手段の拡大斜視図である。 電着ブレード製造装置の概略断面図である。 フッ素系樹脂粒の粒径とチッピングとの関係を示すグラフである。 フッ素系樹脂粒の共析量とチッピングとの関係を示すグラフである。
符号の説明
2 切削装置
18 チャックテーブル
24 切削手段
26 スピンドル
28 切削ブレード
30 スピンドルユニット
36 ブレードマウント
40 固定ブラケット
44 固定ナット
56 リング状切削ブレード
58 着脱フランジ
80 電着ブレード製造装置
82 電着槽
84 電解液
86 ダイヤモンド砥粒
88 フッ素系樹脂粒
90 電解金属
92 電源
94 電着層

Claims (3)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードを回転可能に支持する切削手段とを備えた切削装置で使用する切削ブレードであって、
    該切削ブレードは電着砥石からなる切刃を有しており、
    該切刃は、天然又は合成ダイヤモンド砥粒及び立方晶窒化硼素砥粒からなる群から選ばれた超砥粒と、フッ素系樹脂粒と、該超砥粒と該フッ素系樹脂粒を混在して固めたニッケル電着層とから構成されており、
    該フッ素系樹脂粒の粒径は0.2〜20μmの範囲内であり、
    該フッ素系樹脂粒の共析量は10〜45体積%の範囲内であり、
    該超砥粒の集中度は60〜150の範囲内であることを特徴とする切削ブレード。
  2. 前記フッ素系樹脂粒の粒径は前記超砥粒の平均粒径の1/3以下であり、
    前記フッ素系樹脂粒の共析量は20〜45体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の切削ブレード。
  3. 前記超砥粒の粒径は1〜400μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2記載の切削ブレード。
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