JP5518587B2 - 切削工具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を切削するための切削装置に装備される切削工具の製造方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイア基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハもストリートに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のストリートに沿った切断は、通常、ダイサーと呼ばれている切削装置によって行われている。この切削装置は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削工具および回転スピンドルを回転駆動する駆動機構を備えたスピンドルユニットを含んでいる。切削工具は、円形基台と該円形基台の側面に装着されダイヤモンド砥粒をメッキで固定して形成した電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃とを具備し、該環状の切れ刃が該円形基台の外周縁より突出して構成されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2000−190155公報
而して、切削工具は、円形基台の側面外周部にダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固定した電鋳砥粒層を形成した後、円形基台の外周部を水酸化ナトリウム等のエッチング液よってエッチングすることにより外周部を1mm前後除去し、円形基台の外周縁から電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃を突出して形成する。このようにして製造される切削工具は、上記エッチング時において円形基台の側面外周部に密着している電鋳砥粒層の裏面と、円形基台の外周縁から突出し環状の切れ刃となる電鋳砥粒層の表面との間に応力の差が生じ、円形基台の外周縁から突出し環状の切れ刃が表面側又は裏面側にわずかに湾曲するため、高精度な切削に支障をきたすという問題がある。
特に、サファイア基板、炭化珪素基板、アルチック基板等の難削材を切削する切削工具を製造する場合には、電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃の強度を高めるために、アルデヒド類、ニトリル類、アセチレン化合物等の光沢材を適宜選択または配合してスルファミン酸ニッケル等のメッキ液に混入し、このメッキ液中において円形基台の側面外周部にダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固定した電鋳砥粒層を形成する。このように光沢材が混入されたメッキ液中において円形基台の側面外周部に形成された電鋳砥粒層は、円形基台の外周部をエッチングすることにより1mm前後除去して円形基台の外周縁から環状の切れ刃を突出して形成すると、環状の切れ刃が表面側または裏面側に0.5〜2度の範囲で湾曲する。この環状の切れ刃が湾曲する方向および量は上記メッキ液に配合される光沢材の種類によって異なる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、円形基台の側面外周部に装着され外周縁から突出して形成された電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃を、円形基台の回転軸線に対して垂直に形成することができる切削工具の製造方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、中心部に回転軸に装着する装着穴を備えた円形基台と該円形基台の一側面外周部に装着され砥粒をメッキで固定した電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃とを具備し、該環状の切れ刃が該円形基台の外周縁から突出して構成された切削工具の製造方法であって、
該円形基台の一側面外周部の電鋳砥粒層形成部における少なくとも該環状の切れ刃が形成される切れ刃領域を、該装着穴の軸線に垂直な面に対して該環状の切れ刃の表面および裏面の応力の差によって生ずる撓みを相殺する傾斜面に形成する傾斜面形成工程と、
該傾斜面形成工程が実施された円形基台の電鋳砥粒層形成部に砥粒をメッキで固定した電鋳砥粒層を形成する電鋳砥粒層形成工程と、
該電鋳砥粒層が形成された円形基台の該切れ刃領域をエッチングして除去し、該円形基台の外周縁より該電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃を突出せしめるエッチング工程と、を含む、
ことを特徴とする切削工具の製造方法が提供される。
本発明による切削工具の製造方法においては、円形基台の一側面外周部の電鋳砥粒層形成部における少なくとも環状の切れ刃が形成される切れ刃領域を、装着穴の軸線に垂直な面に対して環状の切れ刃の表面および裏面の応力の差によって生じる撓みを相殺する傾斜面に形成し、電鋳砥粒層形成部に砥粒をメッキで固定した電鋳砥粒層を形成した後、電鋳砥粒層が形成された円形基台の切れ刃領域をエッチングして除去し、円形基台の外周縁より電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃を突出せしめる。このように円形基台の外周縁より突出せしめられた環状の切れ刃は、円形基台の切れ刃領域が除去されることによって電鋳砥粒層を形成する際にメッキ液に混入される光沢材の種類によって表面側または裏面側に湾曲するが、少なくとも切れ刃領域は上述したように環状の切れ刃の表面および裏面の応力の差によって生じる撓みを相殺する傾斜面に形成されるので、円形基台の切れ刃領域が除去された状態で円形基台の装着穴の軸線に対して垂直となる。従って、切削工具が円形基台の装着穴を中心として回転しても環状の切れ刃にブレが生ずることがないため、難削材を含む被加工物を高精度に切削することができる。
本発明による切削工具の製造方法によって製造された切削工具を装備した切削装置の斜視図。 本発明による切削工具の製造方法によって製造された切削工具の断面図。 本発明による切削工具の製造方法によって製造される切削工具を構成する円形基台の断面図。 本発明による切削工具の製造方法における傾斜面形成工程が実施された円形基台の要部拡大断面図。 本発明による切削工具の製造方法におけるマスキング工程を実施した状態を示す円形基台の断面図。 本発明による切削工具の製造方法における電鋳砥粒層形成工程の説明図。 本発明による切削工具の製造方法における電鋳砥粒層形成工程を実施した状態を示す円形基台の断面図。 本発明による切削工具の製造方法における電鋳砥粒層形成工程を実施した状態を示す円形基台の要部拡大断面図。 本発明による切削工具の製造方法におけるマスキング用粘着樹脂部剥離工程を実施した状態を示す円形基台の断面図。 本発明による切削工具の製造方法におけるエッチング工程を実施した状態を示す円形基台の断面図。 本発明による切削工具の製造方法において製造された切削工具の要部拡大断面図。
以下、本発明による切削工具の製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、本発明による切削工具の製造方法によって製造された切削工具を装備した切削装置の斜視図が示されている。
図示の実施形態における切削装置は、略直方体状の装置ハウジング2を具備している。この装置ハウジング2内には、被加工物を保持するチャックテーブル3が切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設されている。チャックテーブル3は、チャックテーブル本体31と、該チャックテーブル本体31の上面に配設された吸着チャック32とを具備しており、該吸着チャック32の上面である保持面上に被加工物を図示しない吸引手段を作動することによって吸引保持するようになっている。また、チャックテーブル3は回転可能に構成されており、図示しない回転機構によって適宜回動せしめられるようになっている。なお、チャックテーブル本体31には、被加工物として後述する光デバイスウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームを固定するためのクランプ機構33が配設されている。
図示の実施形態における切削装置は、切削手段としてのスピンドルユニット4を具備している。スピンドルユニット4は、図示しない移動基台に装着され矢印Xで示す切削送り方向と直交する方向である矢印Yで示す割り出し方向および切り込み方向である矢印Zで示す方向(上下方向)に移動調整されるスピンドルハウジング41と、該スピンドルハウジング41に回転自在に支持された回転スピンドル42と、該回転スピンドル42の前端部に装着された切削工具5とを具備している。なお、切削工具5については、後で詳細に説明する。
また、図示の実施形態における切削装置は、上記チャックテーブル3上に保持された後述する被加工物としての光デバイスウエーハの表面を撮像し、上記切削工具5によって切削すべき領域を検出するためのアライメント手段11を具備している。このアライメント手段11は、顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなる撮像手段を具備している。また、切削装置は、アライメント手段11によって撮像された画像を表示する表示手段12を具備している。
上記装置ハウジング2におけるカセット載置領域13aには、被加工物を収容するカセットを載置するカセット載置テーブル13が配設されている。このカセット載置テーブル13は、図示しない昇降手段によって上下方向に移動可能に構成されている。カセット載置テーブル13上には、被加工物を収容するカセット14が載置される。カセット14には、被加工物としての光デバイスウエーハ10が収容される。光デバイスウエーハ10は、サファイア基板の表面に窒化物半導体からなる光デバイス層が形成され、この光デバイス層が格子状に形成された複数のストリートによって区画されており、この区画された複数の領域に発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスが形成されている。このように形成された光デバイスウエーハ10は、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に裏面が貼着された状態でカセット14に収容される。
また、図示の実施形態における切削装置は、上記カセット載置テーブル13上に載置されたカセット14に収容されている光デバイスウエーハ10(環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されている状態)を仮置きテーブル15上に搬出する搬出・搬入手段16と、仮置きテーブル15上に搬出された光デバイスウエーハ10を上記チャックテーブル3上に搬送する第1の搬送手段17と、チャックテーブル3上において切削加工された光デバイスウエーハ10を洗浄する洗浄手段18と、チャックテーブル3上で切削加工された光デバイスウエーハ10を洗浄手段18へ搬送する第2の搬送手段19を具備している。
以上のように構成された切削装置の作動について、簡単に説明する。
カセット載置テーブル13上に載置されたカセット14の所定位置に収容されている光デバイスウエーハ10は、図示しない昇降手段によってカセット載置テーブル13が上下動することにより所定の搬出位置に位置付けられる。次に、搬出・搬入手段16が進退作動して搬出位置に位置付けられた光デバイスウエーハ10を仮置きテーブル15上に搬出する。仮置きテーブル15上に搬出された光デバイスウエーハ10は、第1の搬送手段17の旋回動作によって上記チャックテーブル3上に搬送される。このようにしてチャックテーブル3上に光デバイスウエーハ10が載置されたならば、図示しない吸引手段が作動して光デバイスウエーハ10をチャックテーブル3上に吸引保持する。また、光デバイスウエーハ10をダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFは、上記クランプ機構33によって固定される。このようにして光デバイスウエーハ10を保持したチャックテーブル3は、アライメント手段11の直下まで移動せしめられる。チャックテーブル3がアライメント手段11の直下に位置付けられると、アライメント手段11によって光デバイスウエーハ10に形成されているストリートが検出され、スピンドルユニット4を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節してストリートと切削工具5との精密位置合わせ作業が行われる。
その後、切削工具5を矢印Zで示す切り込み方向に所定量切り込み送りし所定の方向に回転させつつ、光デバイスウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル3を切削送り方向である矢印Xで示す方向(切削工具5の回転軸と直交する方向)に所定の切削送り速度で移動することにより、チャックテーブル3上に保持された光デバイスウエーハ10は切削工具5により所定のストリートに沿って切断される。光デバイスウエーハ10を所定のストリートに沿って切断したら、チャックテーブル3を矢印Yで示す方向にストリートの間隔だけ割り出し送りし、上記切断作業を実施する。そして、光デバイスウエーハ10の所定方向に延在するストリートの全てに沿って切断作業を実施したならば、チャックテーブル3を90度回転させて、光デバイスウエーハ10の所定方向と直交する方向に延在するストリートに沿って切削作業を実行することにより、光デバイスウエーハ10に格子状に形成された全てのストリートが切削されて個々の光デバイスに分割される。なお、分割されたチップは、ダイシングテープTの作用によってバラバラにはならず、環状のフレームFに支持された光デバイスウエーハ10の状態が維持されている。
上述したように光デバイスウエーハ10のストリートに沿って切断作業が終了したら、光デバイスウエーハ10を保持したチャックテーブル3は最初に光デバイスウエーハ10を吸引保持した位置に戻される。そして、光デバイスウエーハ10の吸引保持を解除する。次に、光デバイスウエーハ10は第2の搬送手段19によって洗浄手段18に搬送される。洗浄手段18に搬送された光デバイスウエーハ10は、ここで洗浄および乾燥される。このようにして洗浄および乾燥された光デバイスウエーハ10は、第1の搬送手段17によって仮置きテーブル15上に搬出される。そして、光デバイスウエーハ10は、搬出・搬入手段16によってカセット14の所定位置に収納される。上述した構成および作用は、切削工具を除いて本発明における新規な特徴を有するものではなく、従って従来周知の構成でよい。
次に、上記切削工具5を製造する切削工具の製造方法について説明する。
図2には、本発明による切削工具の製造方法によって製造された切削工具5の断面図が示されている。図2に示す切削工具5は、中心部に上記回転スピンドル42に装着する装着穴511を備えた円形基台51と、該円形基台51の一側面(図2において右側面)の外周部に装着された環状の切れ刃52とからなっている。環状の切れ刃52は、粒径が0.5〜6μmのダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固定して形成した電鋳砥粒層によって形成されており、アルミニウムからなる円形基台51の外周縁より突出して構成されている。なお、環状の切れ刃52は、厚さ(t)が20〜40μm、円形基台51の外周縁からの突出量(h)が760〜1200μmに設定されている。このように構成された切削工具5は、円形基台51の一側面の外周部に装着された環状の切れ刃52が装着穴511の軸線Pに対して垂直に形成されている。
次に、上記のように構成された切削工具5の製造方法について、図3乃至図11を参照して説明する。
切削工具5を構成する円形基台51は、図3に示すようにアルミニウムによって円形状に形成され、中心部に上記回転スピンドル42に装着するための装着穴511が設けられている。円形基台51の一方の面512(図3において右側の面)における外周部の環状の電鋳砥粒層形成部512a以外は装着穴511の軸線Pに対して垂直な平面に形成され、他方の面513(図3において左側に面)はテーパー状に形成されている。このように形成された円形基台51の一方の面512における環状の電鋳砥粒層形成部512aは、幅(H)が例えば5mmに設定されている。
次に、上述した環状の電鋳砥粒層形成部512aの構成について、図4の(a)(b)(c)(d)を参照して説明する。
図4の(a)に示す実施形態は、環状の電鋳砥粒層形成部512aが円形基台51の装着穴511の軸線P(図3参照)に垂直な平面Sに対して他方の面513側に傾斜する傾斜角αを有する傾斜面に形成される(傾斜面形成工程)。
図4の(b)に示す実施形態は、環状の電鋳砥粒層形成部512aにおける外周側の環状の切れ刃が形成される環状の切れ刃領域512bだけが円形基台51の装着穴511の軸線P(図3参照)に垂直な平面Sに対して他方の面513側に傾斜する傾斜角αを有する傾斜面に形成される(傾斜面形成工程)。
図4の(c)に示す実施形態は、環状の電鋳砥粒層形成部512aが円形基台51の装着穴511の軸線P(図3参照)に垂直な平面Sに対して他方の面513側と反対側に傾斜する傾斜角βを有する傾斜面に形成される(傾斜面形成工程)。
図4の(d)に示す実施形態は、環状の電鋳砥粒層形成部512aにおける外周側の環状の切れ刃が形成される環状の切れ刃領域512bだけが円形基台51の装着穴511の軸線P(図3参照)に垂直な平面Sに対して他方の面513側と反対側に傾斜する傾斜角βを有する傾斜面に形成される(傾斜面形成工程)。
上記環状の電鋳砥粒層形成部512aないし環状の切れ刃領域512bの傾斜方向および量は、環状の電鋳砥粒層形成部512aに電鋳砥粒層を形成するための後述するメッキ液に混入する光沢材の種類によって設定される。即ち、環状の電鋳砥粒層形成部512aないし切れ刃領域512bに形成される傾斜面は、後述する環状の切れ刃の表面および裏面の応力の差によって生ずる撓みを相殺する角度に形成される。この環状の電鋳砥粒層形成部512aないし環状の切れ刃領域512bの傾斜方向および傾斜角αまたはβは、実験に基づいて0.5〜2度に設定される。なお、上述した環状の電鋳砥粒層形成部512aないし環状の切れ刃領域512bに形成される傾斜面は、適宜の機械加工によって形成される。
上述したように傾斜面形成工程を実施したならば、図5に示すように円形基台51には、一方の面512における環状の電鋳砥粒層形成部512a以外の表面にマスキング用粘着樹脂6によってマスキングする(マスキング工程)。なお、環状の電鋳砥粒層形成部512aの幅(H)は、上述したように例えば5mmに設定されている。
次に、マスキング工程が実施された円形基台51の一側面外周部である環状の電鋳砥粒層形成部512aに、砥粒をメッキで固定した電鋳砥粒層を形成する電鋳砥粒層形成工程を実施する。この電鋳砥粒層形成工程は、図6に示すようにメッキ槽7に収容されたスルファミン酸ニッケルメッキ液70にマスキング工程が実施された円形基台51を浸漬した状態で、ニッケルバー71との間に直流電源72により直流電圧を印加することによって実施する。なお、スルファミン酸ニッケルメッキ液70には、粒径が0.5〜6μmのダイヤモンド砥粒およびアルデヒド類、ニトリル類、アセチレン化合物等の光沢材を適宜選択して配合する。この結果、図7に示すように円形基台51の上記マスキングをしていない一方の面512における環状の電鋳砥粒層形成部512aには、ダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固定した環状の電鋳砥粒層520が形成される。上述したニッケルメッキは、環状の電鋳砥粒層の厚さが20〜40μmになるまで実施する。なお、上記電鋳砥粒層形成工程においては、砥粒が均一に積層するようにメッキ槽7内の砥粒が混入されたメッキ液は図示しない攪拌手段によって攪拌される。図8の(a)(b)(c)(d)は、上記図4の(a)(b)(c)(d)に示された環状の電鋳砥粒層形成部512aにそれぞれ電鋳砥粒層520が形成され状態を示している。
上述したように電鋳砥粒層形成工程を実施したならば、図9に示すように円形基台51をマスキングしたマスキング用粘着樹脂6の一部、即ち円形基台51の環状の切れ刃領域512bに対応する外周部を剥離する(マスキング用粘着樹脂部剥離工程)。この剥離するマスキング用粘着樹脂6の幅(B)は、760〜1200μmに設定されている。
次に、電鋳砥粒層520が形成された円形基台51の環状の切れ刃領域512bをエッチングして除去し、円形基台51の外周縁より電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃を突出せしめるエッチング工程を実施する。即ち、上記マスキング用粘着樹脂部剥離工程が実施された円形基台51の外周部をアルミニウムは溶解するがニッケルは溶解しない水酸化ナトリウム等のエッチング溶液で溶解除去する。この結果、図10に示すように円形基台51の外周部の環状の電鋳砥粒層形成部512aにおける環状の切れ刃領域512b、即ちマスキング用粘着樹脂7が剥離された部分の円形基台51がエッチングされて除去され、環状の電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃52が円形基台51の外周縁より760〜1200μm突出せしめられる。
上述したエッチング工程を実施したならば、円基台板51をマスキングしたマスキング用粘着樹脂6を除去するマスキング除去工程を実施することにより、上述した図2に示す切削工具5が得られる。
図11の(a)(b)(c)(d)は、上記図8の(a)(b)(c)(d)に示された電鋳砥粒層形成部512aに電鋳砥粒層520が形成され円形基台51に上記エッチング工程が実施された後にマスキング除去工程が実施された状態が示されている。円形基台51の外周部の環状の電鋳砥粒層形成部512aにおける環状の切れ刃領域512bが除去されると、円形基台51の外周縁から突出せしめられた環状の切れ刃52における環状の切れ刃領域512bに密着していた裏面と、表面との間に応力の差が生じ、環状の切れ刃52は上記メッキ液に混入する光沢材の種類によって表面側または裏面側に湾曲する。しかるに、円形基台51の外周部の電鋳砥粒層形成部512aないし切れ刃領域512bは円形基台51の外周縁から突出せしめられた環状の切れ刃52の表面および裏面の応力の差によって生じる撓みを相殺する傾斜面に形成されるので、円形基台51の外周縁から突出せしめられた環状の切れ刃52は図11の(a)(b)(c)(d)に示すようにそれぞれ円形基台51の装着穴511の軸線Pに対して垂直な面Sに平行となる。従って、切削工具5が円形基台51の装着穴511を中心として回転しても環状の切れ刃52にブレが生ずることがないため、難削材を含む被加工物を高精度に切削することができる。
2:装置ハウジング
3:チャックテーブ
4:スピンドルユニット
5:切削工具
51:円形基台
511:装着穴
512a:電鋳砥粒層形成部
512b:切れ刃領域
6:マスキング用粘着樹脂
7:メッキ槽
70:スルファミン酸ニッケルメッキ液
10:光デバイスウエーハ
11:アライメント手段
12:表示手段
13:カセット載置テーブル
14:カセット
15:仮置きテーブル
16:搬出・搬入手段
17:第1の搬送手段
18:洗浄手段
19:第2の搬送手段

Claims (1)

  1. 中心部に回転軸に装着する装着穴を備えた円形基台と該円形基台の一側面外周部に装着され砥粒をメッキで固定した電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃とを具備し、該環状の切れ刃が該円形基台の外周縁から突出して構成された切削工具の製造方法であって、
    該円形基台の一側面外周部の電鋳砥粒層形成部における少なくとも該環状の切れ刃が形成される切れ刃領域を、該装着穴の軸線に垂直な面に対して該環状の切れ刃の表面および裏面の応力の差によって生ずる撓みを相殺する傾斜面に形成する傾斜面形成工程と、
    該傾斜面形成工程が実施された円形基台の電鋳砥粒層形成部に砥粒をメッキで固定した電鋳砥粒層を形成する電鋳砥粒層形成工程と、
    該電鋳砥粒層が形成された円形基台の該切れ刃領域をエッチングして除去し、該円形基台の外周縁より該電鋳砥粒層からなる環状の切れ刃を突出せしめるエッチング工程と、を含む、
    ことを特徴とする切削工具の製造方法。
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