JP2002192469A - 超砥粒薄刃切断砥石 - Google Patents
超砥粒薄刃切断砥石Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高価な硬脆材料を少ない取り代で高精度、高
能率で切断することができる超砥粒薄刃切断砥石を提供
する。 【解決手段】 金属ボンド中に超砥粒を分散して焼結成
形し、均一厚みとしたドーナツ状砥石に於いて、外径を
φ50〜200mm、厚みを0.1〜1.0mm、砥石
強度をヤング率50〜300GPa、平均粒径を10〜
300μm、切断刃部を構成する砥石外周部に於ける超
砥粒含有率を10〜80容量%とする切断砥石とする。
更に、該砥石の外周部に幅及び深さ0.5mm以上の複
数個の切溝を設け、その間の刃長を75mm以下とする
ことで、切屑の排出性を良くする。又、切断刃エッジに
面取りを施すことで、切断表面に生じるチッピングをな
くすことができる。
能率で切断することができる超砥粒薄刃切断砥石を提供
する。 【解決手段】 金属ボンド中に超砥粒を分散して焼結成
形し、均一厚みとしたドーナツ状砥石に於いて、外径を
φ50〜200mm、厚みを0.1〜1.0mm、砥石
強度をヤング率50〜300GPa、平均粒径を10〜
300μm、切断刃部を構成する砥石外周部に於ける超
砥粒含有率を10〜80容量%とする切断砥石とする。
更に、該砥石の外周部に幅及び深さ0.5mm以上の複
数個の切溝を設け、その間の刃長を75mm以下とする
ことで、切屑の排出性を良くする。又、切断刃エッジに
面取りを施すことで、切断表面に生じるチッピングをな
くすことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体関連、電子
部品関連に用いられるシリコン、水晶、ガラス、セラミ
ックス等の硬脆材料の切断に供する超砥粒切断砥石に関
するものであり、中でも特に素材が高価であるため切断
加工代を少なく、且つ、高精度に切断して材料歩留まり
を良くする必要性のある希土類磁石の切断に供すること
を目的とする。
部品関連に用いられるシリコン、水晶、ガラス、セラミ
ックス等の硬脆材料の切断に供する超砥粒切断砥石に関
するものであり、中でも特に素材が高価であるため切断
加工代を少なく、且つ、高精度に切断して材料歩留まり
を良くする必要性のある希土類磁石の切断に供すること
を目的とする。
【0002】
【従来の技術】上記のように高価な素材を、高精度で且
つ少ない切断代で切断することを求められる薄刃切断砥
石には、図4に示すような薄板円板を台金1とし、その
外周部分に超砥粒層2を形成した外周刃切断砥石(以下
台金付き切断砥石という)や、図6に示すようなドーナ
ツ状円板の砥石台金1の内周穴部に超砥粒層2を形成し
た内周刃切断砥石が主に用いられている。
つ少ない切断代で切断することを求められる薄刃切断砥
石には、図4に示すような薄板円板を台金1とし、その
外周部分に超砥粒層2を形成した外周刃切断砥石(以下
台金付き切断砥石という)や、図6に示すようなドーナ
ツ状円板の砥石台金1の内周穴部に超砥粒層2を形成し
た内周刃切断砥石が主に用いられている。
【0003】内周刃切断砥石の場合、砥石台金であるド
ーナツ状のステンレス鋼板の外周部を固定し、固定部を
拡張させて鋼板を張り上げて使用するが、鋼板に均一に
張り上げ力がかかるよう、且つ、切断刃に回転フレが生
じないよう位置決めをするのが極めて困難で、張り上げ
には高度のスキルを必要とする上、装置自体が特別なも
のであるからシリコンウェハの切断以外には広く採用さ
れていない。
ーナツ状のステンレス鋼板の外周部を固定し、固定部を
拡張させて鋼板を張り上げて使用するが、鋼板に均一に
張り上げ力がかかるよう、且つ、切断刃に回転フレが生
じないよう位置決めをするのが極めて困難で、張り上げ
には高度のスキルを必要とする上、装置自体が特別なも
のであるからシリコンウェハの切断以外には広く採用さ
れていない。
【0004】このため、一般的には台金付き切断砥石が
使用されている。このような砥石の台金には工具鋼が用
いられているが、希土類磁石のような素材の切断では、
切断取り代を少なくする目的から、砥石台金を特に薄い
肉厚とするので、台金の機械的強度の不足から砥石に曲
がりが生じ、被削材の切断面に曲がりやうねりが生じ、
真直に切断されず寸法精度を損ねる結果になる。
使用されている。このような砥石の台金には工具鋼が用
いられているが、希土類磁石のような素材の切断では、
切断取り代を少なくする目的から、砥石台金を特に薄い
肉厚とするので、台金の機械的強度の不足から砥石に曲
がりが生じ、被削材の切断面に曲がりやうねりが生じ、
真直に切断されず寸法精度を損ねる結果になる。
【0005】この欠点を補う目的で、特開平9−174
41では、台金を工具鋼に代え超硬材とすることが提案
されている。しかし、ここで紹介されている外径φ25
0mm以下で、且つ、厚みが0.1〜1mmの超硬円板
は、従来の鋼板に比べ極めて高価であり、砥石自体も従
来品に比べ高価なものになってしまう。
41では、台金を工具鋼に代え超硬材とすることが提案
されている。しかし、ここで紹介されている外径φ25
0mm以下で、且つ、厚みが0.1〜1mmの超硬円板
は、従来の鋼板に比べ極めて高価であり、砥石自体も従
来品に比べ高価なものになってしまう。
【0006】いずれにしても、台金付き切断砥石は図5
に示す如く台金が被削材の切断面と接触することがない
よう、超砥粒層と台金との間にクリアランスaを確保し
ておかねばならない。この為、台金付き切断砥石は超砥
粒層の刃厚Tを台金の厚みtより1.2〜2.0倍の厚
みとすることが避けられず、その分超砥粒層厚が余分に
厚くなってしまう。因みに、前述の超硬円板を用いる砥
石の発明の実施例に於いては、外径φ150mm−0.
5mm厚の台金を用いた場合の超砥粒層の刃厚は0.6
mmとし、外径φ125mm−0.4mm厚の台金を用
いた場合の超砥粒層の刃厚は0.5mm、外径φ80m
m−0.3mm厚の台金を用いた場合の超砥粒層の刃厚
は0.4mmとしている。このように超砥粒層の刃厚は
台金より0.1mmも厚くしている。
に示す如く台金が被削材の切断面と接触することがない
よう、超砥粒層と台金との間にクリアランスaを確保し
ておかねばならない。この為、台金付き切断砥石は超砥
粒層の刃厚Tを台金の厚みtより1.2〜2.0倍の厚
みとすることが避けられず、その分超砥粒層厚が余分に
厚くなってしまう。因みに、前述の超硬円板を用いる砥
石の発明の実施例に於いては、外径φ150mm−0.
5mm厚の台金を用いた場合の超砥粒層の刃厚は0.6
mmとし、外径φ125mm−0.4mm厚の台金を用
いた場合の超砥粒層の刃厚は0.5mm、外径φ80m
m−0.3mm厚の台金を用いた場合の超砥粒層の刃厚
は0.4mmとしている。このように超砥粒層の刃厚は
台金より0.1mmも厚くしている。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】従来の台金付き切断砥
石では前述のように、砥石構成上、超砥粒層の刃厚が厚
くなることが避けられない。本発明は図1に示すよう
に、金属ボンド中に超砥粒を分散して焼結成形し、全体
を均一厚みとした薄刃切断砥石(以下成形型切断砥石と
いう)とし、硬脆材料を高精度、高能率で切断できる超
砥粒薄刃切断砥石を見出した。
石では前述のように、砥石構成上、超砥粒層の刃厚が厚
くなることが避けられない。本発明は図1に示すよう
に、金属ボンド中に超砥粒を分散して焼結成形し、全体
を均一厚みとした薄刃切断砥石(以下成形型切断砥石と
いう)とし、硬脆材料を高精度、高能率で切断できる超
砥粒薄刃切断砥石を見出した。
【0008】かかる薄刃切断砥石には、ダイシングソー
と称し、半導体ウェハーの切断に供する特別な仕様のも
のがある。ダイシングソーは厚さが数十μm、外径はφ
50〜60mmに限られ、被削材であるシリコン表面に
深くともせいぜい50μm未満の引っ掻き溝をつけて、
スクライバーに於けると同様に被削材の破断を導く為の
溝を付ける工具として用いられるものであり、本発明と
は用途、目的が全く異なるものである。
と称し、半導体ウェハーの切断に供する特別な仕様のも
のがある。ダイシングソーは厚さが数十μm、外径はφ
50〜60mmに限られ、被削材であるシリコン表面に
深くともせいぜい50μm未満の引っ掻き溝をつけて、
スクライバーに於けると同様に被削材の破断を導く為の
溝を付ける工具として用いられるものであり、本発明と
は用途、目的が全く異なるものである。
【0009】かかるダイシングソーを用いて硬脆材料を
数mm以上の切込で切断加工することは考え及ぶもので
はないが、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の砥石
仕様の条件下に於いては、前述の硬脆材料を高能率で、
精度よく容易に切断出来ることを見出した。更に、砥石
外周部に設けた切溝に面取りを形成すれば切断表面に発
生するチッピングを小さくする効果があることを見出し
た。
数mm以上の切込で切断加工することは考え及ぶもので
はないが、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の砥石
仕様の条件下に於いては、前述の硬脆材料を高能率で、
精度よく容易に切断出来ることを見出した。更に、砥石
外周部に設けた切溝に面取りを形成すれば切断表面に発
生するチッピングを小さくする効果があることを見出し
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の砥石外径はφ5
0〜200mmの範囲とした。その理由はφ200mm
を超える大径とすると、全体を均一な厚みで金属ボンド
を焼結成形する上での技術上の克服すべき問題が多く、
又、φ50mm未満の小径とした場合、フランジからの
切刃部の突出量が小さくなり本発明の目的とする切込量
3mm以上のフルカットに適さないためである。砥石の
厚みは、砥石自体の強度と切断取り代を小さくする目的
に制限を受ける。0.1mm未満では切断時に砥石に曲
げが発生し、切断面に曲がりやうねりを起こす虞があ
る。1mm超とすれば切断取り代が大きくなり好ましく
ない。よって、砥石の厚みは0.1〜1mmの範囲とす
る。成形型切断砥石に於いて有効な切れ味を発揮する超
砥粒の平均粒径について検討した結果、平均粒径が10
μm未満では超砥粒の突き出しが小さいため切断力がな
く、砥石自体に負荷がかかり、切断面に曲がりやうねり
を生じてしまう。一方、平均粒径を300μm超とする
と、切断表面に大きなチッピングを発生させるので好ま
しくない。よって、平均粒径は10〜300μmとすべ
きである。なお、希土類磁石を切断する場合には、切断
力を向上させるために平均粒径を30μm以上とするの
が好ましい。超砥粒の含有率は、砥石寿命と砥石の強度
に影響する。超砥粒の含有率が10容量%未満では砥石
の寿命が短く、80容量%超とすると切断に関与する超
砥粒数は多くなるが、その分一つ一つの超砥粒にかかる
圧力が小さくなり、希土類磁石のような硬い被削材では
研削作用をなさない。又、超砥粒含有率があまりに高く
なり過ぎ砥石強度が低下する虞がある。よって、10〜
80容量%とすべきであり、より好ましくは20〜50
容量%である。
0〜200mmの範囲とした。その理由はφ200mm
を超える大径とすると、全体を均一な厚みで金属ボンド
を焼結成形する上での技術上の克服すべき問題が多く、
又、φ50mm未満の小径とした場合、フランジからの
切刃部の突出量が小さくなり本発明の目的とする切込量
3mm以上のフルカットに適さないためである。砥石の
厚みは、砥石自体の強度と切断取り代を小さくする目的
に制限を受ける。0.1mm未満では切断時に砥石に曲
げが発生し、切断面に曲がりやうねりを起こす虞があ
る。1mm超とすれば切断取り代が大きくなり好ましく
ない。よって、砥石の厚みは0.1〜1mmの範囲とす
る。成形型切断砥石に於いて有効な切れ味を発揮する超
砥粒の平均粒径について検討した結果、平均粒径が10
μm未満では超砥粒の突き出しが小さいため切断力がな
く、砥石自体に負荷がかかり、切断面に曲がりやうねり
を生じてしまう。一方、平均粒径を300μm超とする
と、切断表面に大きなチッピングを発生させるので好ま
しくない。よって、平均粒径は10〜300μmとすべ
きである。なお、希土類磁石を切断する場合には、切断
力を向上させるために平均粒径を30μm以上とするの
が好ましい。超砥粒の含有率は、砥石寿命と砥石の強度
に影響する。超砥粒の含有率が10容量%未満では砥石
の寿命が短く、80容量%超とすると切断に関与する超
砥粒数は多くなるが、その分一つ一つの超砥粒にかかる
圧力が小さくなり、希土類磁石のような硬い被削材では
研削作用をなさない。又、超砥粒含有率があまりに高く
なり過ぎ砥石強度が低下する虞がある。よって、10〜
80容量%とすべきであり、より好ましくは20〜50
容量%である。
【0011】本発明者らは、上述の仕様の成形型切断砥
石で希土類磁石の切断試験を重ねた結果、砥石強度がヤ
ング率30GPa以上であれば、精度よく切断可能であ
ることを見出した。砥石強度はCu−Sn系ボンドの場
合低いが、Fe、Co等の含有量比率を多くすることで
ボンドを硬くし砥石強度を高めることができる。しか
し、ボンド強度を高めすぎるとボンドの後退性が悪くな
り、砥石の切れ味を損ねる。本発明の砥石仕様での強度
は50〜300GPaの範囲が好ましい。
石で希土類磁石の切断試験を重ねた結果、砥石強度がヤ
ング率30GPa以上であれば、精度よく切断可能であ
ることを見出した。砥石強度はCu−Sn系ボンドの場
合低いが、Fe、Co等の含有量比率を多くすることで
ボンドを硬くし砥石強度を高めることができる。しか
し、ボンド強度を高めすぎるとボンドの後退性が悪くな
り、砥石の切れ味を損ねる。本発明の砥石仕様での強度
は50〜300GPaの範囲が好ましい。
【0012】かかる薄刃による深切込み切断では切断箇
所に研削液が充分に供給されず、切屑排除が悪くなり砥
石に目詰まりを生じて切れ味を悪くする。本発明者らは
上記砥石の外周部に切溝を設け、それが切屑の排出を容
易にし切溝が有効に作用する範囲を見出した。図2に示
すように砥石外周部に等間隔のピッチpで切溝mを設け
る。超砥粒層切刃Sが切断作用を行う時、その刃長Lの
間で切断作用によって発生した切屑が、次の切溝で排出
され、切刃間で目詰まりを生じることのない程度のピッ
チ間隔とすれば良い。即ち、切刃が長いとその間で発生
した切屑が有効に排出されずに目詰まりを起こす。本発
明者らは、本発明の切断条件とする3mm以上の切込で
切断テストを重ねた結果、超砥粒層刃長Lを75mm以
下になるよう砥石を設計すれば良いことが判明した。当
然、切溝mの幅w及び溝深さdはあまりに小さ過ぎれば
切屑排除の効果がなく、少なくとも溝幅、溝深さとも
0.5mm以上は必要である。
所に研削液が充分に供給されず、切屑排除が悪くなり砥
石に目詰まりを生じて切れ味を悪くする。本発明者らは
上記砥石の外周部に切溝を設け、それが切屑の排出を容
易にし切溝が有効に作用する範囲を見出した。図2に示
すように砥石外周部に等間隔のピッチpで切溝mを設け
る。超砥粒層切刃Sが切断作用を行う時、その刃長Lの
間で切断作用によって発生した切屑が、次の切溝で排出
され、切刃間で目詰まりを生じることのない程度のピッ
チ間隔とすれば良い。即ち、切刃が長いとその間で発生
した切屑が有効に排出されずに目詰まりを起こす。本発
明者らは、本発明の切断条件とする3mm以上の切込で
切断テストを重ねた結果、超砥粒層刃長Lを75mm以
下になるよう砥石を設計すれば良いことが判明した。当
然、切溝mの幅w及び溝深さdはあまりに小さ過ぎれば
切屑排除の効果がなく、少なくとも溝幅、溝深さとも
0.5mm以上は必要である。
【0013】本発明者らは更に図3に示すように各切刃
の回転方向先端側、即ち、各切刃が切断を開始する側
で、先端部に面取りを施すことで図7で示す切断表面の
切り口部に発生するチッピングをなくすことを見出し
た。これは、切刃のシャープな先端部Kが切込み開始時
に被削材3の表面に衝撃的に接触し、脆性が高く脆い被
削材であればある程切断エッジ部分にチッピングcを生
じさせてしまう。しかし、本発明では切刃の切込開始側
で面取Hを設けておけば、切込が面取り角度に対応して
分割したベクトル力で切断が開始されるので、急激で衝
撃的な切込とならず、チッピングを発生させない。面取
りの角度θは15〜75度であれば効果がある。面取り
の大きさは短辺側で0.2mm以上あれば良い。或い
は、0.2mm以上のアールを設けても同様の効果があ
る。
の回転方向先端側、即ち、各切刃が切断を開始する側
で、先端部に面取りを施すことで図7で示す切断表面の
切り口部に発生するチッピングをなくすことを見出し
た。これは、切刃のシャープな先端部Kが切込み開始時
に被削材3の表面に衝撃的に接触し、脆性が高く脆い被
削材であればある程切断エッジ部分にチッピングcを生
じさせてしまう。しかし、本発明では切刃の切込開始側
で面取Hを設けておけば、切込が面取り角度に対応して
分割したベクトル力で切断が開始されるので、急激で衝
撃的な切込とならず、チッピングを発生させない。面取
りの角度θは15〜75度であれば効果がある。面取り
の大きさは短辺側で0.2mm以上あれば良い。或い
は、0.2mm以上のアールを設けても同様の効果があ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、金属ボンド中に超砥粒
を分散して、中心部に砥石取り付け穴を設け、全体を均
一厚みに焼結成形して薄刃切断砥石とし、希土類磁石等
の硬脆材料を3mm以上の切込でもって、高能率、高精
度の切断を可能ならしめる砥石の開発を目的とし、切断
試験を重ね、それに適合できる砥石サイズ、砥石強度、
超砥粒径及び超砥粒含有率等の仕様を見極めた。又、か
かる薄刃切断砥石の切刃をなす外周部に切溝を設け更に
性能が向上する条件を見出した。
を分散して、中心部に砥石取り付け穴を設け、全体を均
一厚みに焼結成形して薄刃切断砥石とし、希土類磁石等
の硬脆材料を3mm以上の切込でもって、高能率、高精
度の切断を可能ならしめる砥石の開発を目的とし、切断
試験を重ね、それに適合できる砥石サイズ、砥石強度、
超砥粒径及び超砥粒含有率等の仕様を見極めた。又、か
かる薄刃切断砥石の切刃をなす外周部に切溝を設け更に
性能が向上する条件を見出した。
【0015】
【実施例】平均粒径120μmのダイヤモンド砥粒をC
u70重量%とSn30重量%からなる金属ボンド中に
混在させ焼結成形後、外径φ100mm、厚み0.4m
m、軸穴φ40mmのサイズで、超砥粒含有率20容量
%、砥石強度はヤング率116.5GPaの砥石を複数
枚作製した。一部の砥石には、砥石外周部に溝幅wを
1.5mm、溝深さdを4mmとする12個の切溝を等
間隔に設けて、刃長Lを約24.7mmとした。切断テ
ストに供する被削材として、縦53mm−横53mm−
厚み8mmの希土類磁石をガラス板に張り付けて準備し
た。切断条件は、砥石周速78.5m/sec、切断速
度50mm/min、切込9mmとするダウンカットで
10ラインの切断を行った。
u70重量%とSn30重量%からなる金属ボンド中に
混在させ焼結成形後、外径φ100mm、厚み0.4m
m、軸穴φ40mmのサイズで、超砥粒含有率20容量
%、砥石強度はヤング率116.5GPaの砥石を複数
枚作製した。一部の砥石には、砥石外周部に溝幅wを
1.5mm、溝深さdを4mmとする12個の切溝を等
間隔に設けて、刃長Lを約24.7mmとした。切断テ
ストに供する被削材として、縦53mm−横53mm−
厚み8mmの希土類磁石をガラス板に張り付けて準備し
た。切断条件は、砥石周速78.5m/sec、切断速
度50mm/min、切込9mmとするダウンカットで
10ラインの切断を行った。
【0016】切断試験の結果を図8と図9に示す。試験
結果より明白なように、コンティニュアスタイプとした
本発明の砥石では切断面の真直度を15μm以下で切断
可能であり、切溝を設けたセグメントタイプとすれば7
μm以下で切断可能となる。又、前者の砥石に於いては
被削材の切断エッジ全長に渡って10〜40μmのチッ
ピングが存在したが、後者の切溝を施した砥石では10
μm以下のチッピングが幾つか存在する程度であった。
切断抵抗に於いても、垂直方向の応力F(V)、水平方
向の応力F(H)ともセグメントタイプとした方が抵抗
が小さく、且つ、安定していることが判る。
結果より明白なように、コンティニュアスタイプとした
本発明の砥石では切断面の真直度を15μm以下で切断
可能であり、切溝を設けたセグメントタイプとすれば7
μm以下で切断可能となる。又、前者の砥石に於いては
被削材の切断エッジ全長に渡って10〜40μmのチッ
ピングが存在したが、後者の切溝を施した砥石では10
μm以下のチッピングが幾つか存在する程度であった。
切断抵抗に於いても、垂直方向の応力F(V)、水平方
向の応力F(H)ともセグメントタイプとした方が抵抗
が小さく、且つ、安定していることが判る。
【0017】
【発明の効果】本発明の超砥粒薄刃切断砥石は、高精度
で、且つ、切断代をできるだけ少なくすることが求めら
れる希土類磁石のような硬脆材料の切断を安定して行う
ことができ、その上、従来よりかかる切断に供していた
台金付き切断砥石に比べ製作も容易で、安価である。
尚、本発明の切断砥石に於いて、超砥粒を砥石全体に分
散させて超砥粒層とする必要はなく、少なくとも切断に
供する外周部のみに存在するように製作することも可能
であり、本発明の範囲であることは明白である。又、切
溝は同形同サイズで等間隔に設けることにとらわれる必
要はなく、条件を満たす範囲であれば良い。
で、且つ、切断代をできるだけ少なくすることが求めら
れる希土類磁石のような硬脆材料の切断を安定して行う
ことができ、その上、従来よりかかる切断に供していた
台金付き切断砥石に比べ製作も容易で、安価である。
尚、本発明の切断砥石に於いて、超砥粒を砥石全体に分
散させて超砥粒層とする必要はなく、少なくとも切断に
供する外周部のみに存在するように製作することも可能
であり、本発明の範囲であることは明白である。又、切
溝は同形同サイズで等間隔に設けることにとらわれる必
要はなく、条件を満たす範囲であれば良い。
【図1】本発明の切断砥石の平面図である。
【図2】本発明の砥石の外周部に切溝を設ける場合の説
明図である。
明図である。
【図3】本発明の砥石の切溝に面取りを設ける場合の説
明図である。
明図である。
【図4】従来の台金付き切断砥石の平面図である。
【図5】従来の台金付き切断砥石の外周部付近の断面図
である。
である。
【図6】従来の内周刃切断砥石の平面図である。
【図7】被削材表面の切断切り口部に発生するチッピン
グの説明図である。
グの説明図である。
【図8】本発明のコンティニュアスタイプの砥石により
希土類磁石を切断試験した結果である。
希土類磁石を切断試験した結果である。
【図9】本発明のセグメントタイプの砥石により希土類
磁石を切断試験した結果である。
磁石を切断試験した結果である。
1 砥石台金 2 超砥粒層 3 被削材 4 切断溝 T 超砥粒層の刃厚 t 台金の厚み a 超砥粒層と台金との間のクリアランス m 切溝 p 切溝のピッチ w 切溝の幅 d 切溝の深さ L 超砥粒層刃長 S 超砥粒層切刃 K 切刃先端部 H 切刃先端部に設けた面取り θ 面取り角度 c 被削材切断面に発生するチッピング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C063 AA02 AB03 BA02 BA24 BB02 BC02 CC02 EE31 FF03 FF06 FF11 FF20 FF23 FF30
Claims (5)
- 【請求項1】 金属ボンド中に超砥粒を分散して焼結成
形し、全体を均一厚みとしたドーナツ状砥石に於いて、
外径をφ50〜200mm、厚みを0.1〜1.0m
m、ヤング率を50〜300GPa、該超砥粒の平均粒
径を10〜300μm、切断刃部を構成する該砥石の外
周縁部に於ける超砥粒含有率を10〜80容量%とする
切断砥石。 - 【請求項2】 切断砥石の外周縁に幅0.5mm以上、
半径方向への深さ0.5mm以上の切溝を複数個形成
し、切溝間の切断刃長を75mm以下となるようにした
請求項1記載の切断砥石。 - 【請求項3】 各切断刃の外周縁に於ける回転方向先端
のエッジ部に0.2mm以上の面取り又は0.2mm以
上のアールを設けた請求項2記載の切断砥石。 - 【請求項4】 希土類磁石の切断用とする請求項1から
3のいずれかに記載の切断砥石。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の切断
砥石を用い、切込量3mm以上で希土類磁石を切断する
方法。
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JP2000396857A JP2002192469A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 超砥粒薄刃切断砥石 |
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ID=18862082
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- 2000-12-27 JP JP2000396857A patent/JP2002192469A/ja active Pending
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