JP2002263937A - フライス工具 - Google Patents
フライス工具Info
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Abstract
成したフライス工具において、一つの工具で切削と研削
を行うことを可能とする。 【解決手段】 カップ状の台金の端面にダイヤモンド砥
粒をろう付けして砥粒層を構成したフライス工具10の
端面の外周寄りの部分と内周寄りの部分との境界部に凹
溝12を設け、端面の外周寄りの部分の砥粒層には粒度
の大きい砥粒17を用い、内周寄りの部分の砥粒層には
粒度の小さい砥粒19を用い、端面の外周寄りの部分の
最外周部を傾斜面16または曲面に形成し、端面の内周
部寄りの部分の平坦面18を外周寄りの部分の平坦面1
5よりも高く形成する。これにより一つの工具で高能率
な切削と高精度の研削を行うことができ、切削時に発生
した大きな切粉が研削用砥粒層に入り込むことがなく、
研削時の加工精度を良好に維持することができる。
Description
用いたフライス工具、とくに切削と研削を一つの工具で
行うことのできるフライス工具に関する。
の表面加工を行うフライス工具として、超硬合金製のチ
ップに代えてダイヤモンド砥粒を用いたチップ、あるい
は砥粒層を形成した工具が使用されている。
には、仕上切削用切刃として、チップ本体の刃先部にダ
イヤモンド粉末を高温高圧下で焼結してなる多結晶ダイ
ヤモンド製刃先片をろう付けした正面フライスカッター
が記載されている。このフライスカッターによれば、従
来の超硬チップのみによるフライスカッターに比べてそ
の寿命を大幅に向上でき、長時間使用しても、常に所期
通り良好な切削面を得ることができるとされている。
は、切れ刃部にダイヤモンド砥粒を鍍金法により付着さ
せた電着フライス工具が記載されている。このフライス
工具によれば、脆弱な材料の切削効率の向上をはかるこ
とができるとされている。
加工においては、最終製品の形状寸法との関係から、切
削(粗研削)と研削(仕上げ研削)の両方の加工を必要
とする部分がある。このような部分の加工を行うには、
切削と研削のそれぞれに適した別々のフライス工具を使
用して加工が行われている。上記の特公昭59−504
49号公報に記載のフライス工具は、刃先がダイヤモン
ド焼結体製であるので、耐摩耗性に優れ寿命が長いが、
切刃が大きいために切削には適しているが研削には適さ
ないものである。特開昭61−265207号公報に記
載のフライス工具は、刃先がダイヤモンド砥粒を電着に
より密に固着した砥粒層であるので、研削には適してい
るが切削には適さないものである。
工に適した砥粒の粒度、砥粒どうしの間隔がある。特公
昭59−50449号公報や特開昭61−265207
号公報に記載のフライス工具では、一つの工具のなかで
砥粒の粒度や間隔を変えることができないので、必然的
に切削か、または研削のいずれかの加工専用の工具とな
らざるを得ない。
岩石などの硬質材料の切削または研削用に、ダイヤモン
ド砥粒を基材にろう付けした工具がある。たとえば特開
平6−210571号公報に、ディスク状の支持体の肉
厚を外周部に向けて減少させた肉厚減少領域に、ダイヤ
モンド砥粒をはんだにより結合させた工具が記載されて
いる。この工具においては、砥粒は所定のピッチだけ相
互に離間して配置され、カッターディスクおよび溝加工
用フライスとして効果的に使用可能であるとされてい
る。
切刃の大きさが支持体表面の全面においてほぼ均一なた
め、砥粒の作用は切削または研削のどちらかになってし
まい、一つの工具で切削と研削の両方の作用を果たすこ
とはできない。すなわち、砥粒配置のピッチが大きいと
砥粒は切削に作用し、その結果、加工精度が低下する。
他方、砥粒配置のピッチが小さいと砥粒は研削に作用
し、その結果、加工能率が低下することになる。
どのバリ取り加工用の超砥粒ホイールが特開2000−
326234号公報に記載されている。この超砥粒ホイ
ールは、超砥粒をろう付けにより台金に単層固着したカ
ップ型超砥粒ホイールで、超砥粒層は、ホイール回転軸
に対して垂直なフラット部と、このフラット部に連続し
ホイール回転軸に対して5〜60度傾斜したテーパ部と
からなり、テーパ部で切削(粗加工)、フラット部で研
削(仕上げ加工)を担当させるようにしたものである。
ーパ部とフラット部に同じ粒度の砥粒を用いているの
で、テーパ部では充分な切削性能が得られず、フラット
部では充分な加工精度が得られない。さらに、テーパ部
とフラット部とが連続しているので、テーパ部での切削
(粗加工)時に発生した大きな切粉がフラット部に入り
込み、これが研削(仕上げ加工)時の加工精度を低下さ
せる、という問題がある。
砥粒をろう付けして刃先部を構成したフライス工具にお
いて、一つの工具で切削と研削を行うことを可能とする
ことにある。
は、カップ状の台金の端面にダイヤモンド砥粒をろう付
けして砥粒層を構成したフライス工具であって、前記端
面の外周寄りの部分と内周寄りの部分との境界部に凹溝
を設けたことを特徴とする。
溝を境界として外周寄りの部分と内周寄りの部分とに分
けているので、外周寄りの部分を切削用砥粒層とし、内
周寄りの部分を研削用砥粒層として、一つの工具で高能
率な切削と高精度の研削を行うことができる。切削用砥
粒層と研削用砥粒層の境界部には凹溝が形成されている
ので、切削時に発生した大きな切粉が研削用砥粒層に入
り込むことがなく、研削時の加工精度を良好に維持する
ことができる。
度の大きい砥粒を用いて切削性能の高い砥粒層とし、内
周寄りの部分の砥粒層には粒度の小さい砥粒を用いて加
工精度の高い砥粒層とするのが望ましい。実際の砥粒の
粒度は被加工材の材質や加工条件によって変わるが、た
とえばハイシリコンアルミの加工では、切削用砥粒層の
砥粒として平均粒径400〜800μm程度の砥粒を、
研削用砥粒層の砥粒として平均粒径100〜400μm
程度の砥粒を用いることができる。
周部を傾斜面または曲面に形成し、前記端面の内周部寄
りの部分の平坦面を外周寄りの部分の平坦面よりも高く
形成することができる。内周寄りの部分を外周寄りの部
分より高くすることにより、外周部分によって切削され
た後の被加工物の加工面に内周寄りの部分の砥粒が充分
に食い込み、効果的に研削に作用することになる。この
場合の段差の量は、内周寄りの部分の砥粒の平均粒径の
1/2〜1/5の範囲とするのが適当である。この段差
が小さすぎると内周寄りの部分の砥粒が外周部分によっ
て切削された後の被加工物の加工面に接触しなくなって
研削ができなくなり、段差が大きすぎると内周寄りの部
分の砥粒にかかる負荷が大きくなりすぎる。
りの部分の砥粒の平均粒径の1/3以上とするのが好ま
しい。凹溝の幅が外周寄りの部分の砥粒粒径の1/3よ
り小さいと、切削用砥粒層での切削時に発生した大きな
切粉が凹溝を飛び越えて研削用砥粒層に入り込み、研削
加工時の加工精度を低下させることになる。ただし、凹
溝の幅を大きくしすぎると平坦部の幅が小さくなって研
削能率、加工精度とも低下するので、研削能率、加工精
度を維持できる範囲内で凹溝の大きさを設定する。
のために形成するものであり、傾斜面の傾斜角は台金端
面の平坦部に対して10〜30度の範囲であるのが望ま
しく、また曲面の曲率半径は端面の幅の1/2〜2/3
倍とするのが望ましい。傾斜角が10度未満であると切
削加工時に砥粒にかかる負荷が増大して加工能率が低下
し、30度を超えると工具本体にかかる負荷が増大して
加工能率が低下する。また、曲面の曲率半径が端面の幅
の1/2未満であると切削時の抵抗が増大し、2/3を
超えると研削に作用する面積が小さくなり、面粗さが悪
くなる。
周寄りの部分に、ダイヤモンド砥粒を1層または複数層
に配設してろう付けする。砥粒の配設を1層にするか、
2層あるいは3層以上にするかは、フライス工具の用途
によって決めることができる。たとえば、加工面の精度
を重視する場合は1層が適しており、加工面の精度と工
具寿命との両方を必要とする場合は2層が適しており、
工具寿命を重視する場合は3層以上の多層が適してい
る。ろう付けの方法は、従来公知の方法により行うこと
ができ、ろう材に活性金属を含有させる方法を採用する
こともできる。
な工程により製作される。 ・台金の端面の幅方向のほぼ中央部に断面V字型の凹溝
を形成する。 ・凹溝の外周寄りの部分を内周寄りの部分より0.6m
m程度の段差をつけて低くし、最外周部に傾斜面(また
は曲面)を形成する。 ・凹溝以外の端面ににペースト状のチタン入り銀ろう材
を塗布する。 ・外周寄りの部分に平均粒径700μmのダイヤモンド
砥粒を1.5mm間隔で配置する。 ・内周寄りの部分に平均粒径150μmのダイヤモンド
砥粒を1.2mm間隔で配置する。 ・非酸化性雰囲気中で加熱し、ダイヤモンド砥粒を台金
上に固着させる。 ・砥粒層の砥粒高さを揃える。
ライス工具を示す斜視図、図2は図1のフライス工具の
刃先部の拡大断面図である。
の端面の幅方向ほぼ中央部に円周方向の凹溝12を形成
し、凹溝12の外周寄りに切削用砥粒層13を、内周寄
りに研削用砥粒層14をそれぞれ形成している。
製の台金であり、底部中央部に電動工具の回転軸に取り
付けるための取り付け用孔11aを設けている。台金各
部の寸法は、高さ40mm、外径100mm、端面の幅
20mmである。
は5mm、深さは5mmである。凹溝12の外周寄りの
部分は平坦面15と傾斜面16とに平均粒径600μm
のダイヤモンド砥粒17が1.5mm間隔で配置されて
切削用砥粒層13が形成され、内周寄りの部分は平坦面
18に平均粒径200μmのダイヤモンド砥粒19が配
置されて研削用砥粒層14が形成されている。内周寄り
の部分の平坦面18と外周寄りの部分の平坦面15との
間には0.6mmの段差が設けられている。傾斜面16
の傾斜角は15度である。
した条件の切削用砥粒層13と、研削に適した条件の研
削用砥粒層14とで刃先部を構成しているので、一つの
工具で切削と研削の両方の加工を行うことができる。さ
らに、切削用砥粒層13と研削用砥粒層14との境界部
に凹溝12を設け、研削用砥粒層14と切削用砥粒層1
3に段差を設けているので、切削時に発生した大きな切
粉が研削用砥粒層14に入り込むことがなく、研削時の
加工精度を良好に維持することができる。
明品)と、台金の基本形状が図1と同じでダイヤモンド
砥粒を電着により固着させた電着砥石(比較品1)およ
び特開2000−326234号公報記載の超砥粒ホイ
ールと同様なろう付け砥石(比較品2)とを用いて研削
試験を行った。 〔試験条件〕 使用機械:大隈 立型フライス盤 テーブル速度:2800m/min 砥石周速度:2500m/min 切り込み量:2.8mm/pass 被削材:アルミダイキャスト合金(ADC−40)
消費電力、工具耐用度および研削面の面粗さを示す。
の指標で示す。
である比較品1と比較すると、工具耐用は20%向上
し、面粗度Raも向上している。ろう付け砥石である比
較品2と比較すると、消費電力と工具耐用は同程度であ
り、面粗度Raは向上している。
粒をろう付けして砥粒層を構成したフライス工具の台金
端面の外周寄りの部分と内周寄りの部分との境界部に凹
溝を設けたことにより、外周寄りの部分を切削用砥粒層
とし、内周寄りの部分を研削用砥粒層として、一つの工
具で高能率な切削と高精度の研削を行うことができる。
切削用砥粒層と研削用砥粒層の境界部には凹溝が形成さ
れているので、切削時に発生した大きな切粉が研削用砥
粒層に入り込むことがなく、研削時の加工精度を良好に
維持することができる。
斜視図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 カップ状の台金の端面にダイヤモンド砥
粒をろう付けして砥粒層を構成したフライス工具であっ
て、前記端面の外周寄りの部分と内周寄りの部分との境
界部に凹溝を設けたことを特徴とするフライス工具。 - 【請求項2】 前記端面の外周寄りの部分の砥粒層には
粒度の大きい砥粒を用い、内周寄りの部分の砥粒層には
粒度の小さい砥粒を用いた請求項1記載のフライス工
具。 - 【請求項3】 前記端面の外周寄りの部分の最外周部を
傾斜面または曲面に形成し、前記端面の内周部寄りの部
分の平坦面を外周寄りの部分の平坦面よりも高く形成し
た請求項1または2記載のフライス工具。 - 【請求項4】 前記凹溝の開口幅を前記外周寄りの部分
の砥粒の平均粒径の1/3以上とした請求項2記載のフ
ライス工具。
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-
2001
- 2001-03-06 JP JP2001062591A patent/JP3485544B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8911283B2 (en) | 2010-08-06 | 2014-12-16 | Saint-Gobain Abrasives, Inc. | Abrasive tool and a method for finishing complex shapes in workpieces |
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