JP2003175408A - 多結晶硬質焼結体スローアウェイチップ - Google Patents

多結晶硬質焼結体スローアウェイチップ

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JP2003175408A
JP2003175408A JP2002371569A JP2002371569A JP2003175408A JP 2003175408 A JP2003175408 A JP 2003175408A JP 2002371569 A JP2002371569 A JP 2002371569A JP 2002371569 A JP2002371569 A JP 2002371569A JP 2003175408 A JP2003175408 A JP 2003175408A
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cutting
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cutting edge
hard sintered
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Yasuyuki Kaneda
泰幸 金田
Kazufumi Yamanaka
一史 山中
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工仕上げ面の面粗さが小さくかつ、仕上げ
加工寸法の精度が高い、多結晶硬質焼結体を用いたスロ
ーアウェイチップを提供する。 【解決手段】 切刃が立方晶窒化硼素を20容量%以上
含有する多結晶硬質焼結体からなり、切刃稜線部の断面
曲率半径が5μm以上、30μm以下であり、工具逃げ
面12と、工具すくい面13又はネガランド面が上記の
断面曲率半径でなめらかにつながり、切刃稜線部15の
表面粗さが十点平均粗さ(Rz)で0.1μm以上、
1.0μm以下であり、前記多結晶硬質焼結体のノーズ
半径rの終端それぞれから、スローアウェイチップの側
面に向い、該ノーズ半径rに接続される一対の直線切刃
L、L´が、それぞれ0.2〜0.6mmの範囲内の長
さを有し、該ノーズ半径部を2等分する直線と該直線切
れ刃それぞれとの成す角度が42゜≦θ10、θ11≦45
゜である直線刃を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は立方晶窒化硼素を
含有し、刃先処理された切刃を有する旋削加工用多結晶
硬質焼結体スローアウェイチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細な立方晶窒化硼素粉末を種々の結合
材を用いて焼結した材料は、高硬度の鉄族金属や鋳鉄の
切削に対して優れた性能を示す。特に高い硬度を有する
焼入鋼材料の加工においては、立方晶窒化硼素焼結体工
具を用いて加工した場合、研削加工並の仕上げ面粗さ
と、加工寸法精度が得られる。このため、焼き入れ鋼の
切削加工の一部は、従来の砥石を用いた研削加工から立
方晶窒化硼素焼結体工具を用いた切削加工に置き換えら
れている。
【0003】最近は、この動きが更に進み従来研削加工
でしか加工不可能とされていた高精度を要する加工分野
を、切削加工に置き換えたいという要望が特に強くなっ
てきた。立方晶窒化硼素を含有する工具の切削対象は、
焼き入れ鋼や鋳鉄などの硬い材料である。この材料を切
削加工で鏡面に近い仕上げ面にすることは従来ほとんど
発想されなかった。ここで言う加工精度とは、切削面の
表面粗さと、真円度などの寸法精度である。
【0004】これに対して、精密切削加工の最も進んで
いるのは、単結晶ダイヤモンドを用いた非鉄金属の切削
加工である。主な利用分野は、メモリーディスクの基
板、ポリゴンミラーなどのアルミニウム系合金の加工で
ある。最近では、この単結晶をより安価で加工しやすい
多結晶ダイヤモンドで置き換えようとする動向にある。
多結晶ダイヤモンド工具では、結晶界面の段差などによ
り切刃稜に大きな凹凸が形成されると、逃げ面、すくい
面を研磨しても凹凸を除去できない。この凹凸が研磨さ
れた面に残り、被削材に転写されるので高精度の加工が
出来ないと言う課題があった。
【0005】特開平6−190610号公報に記載され
ている多結晶ダイヤモンド切削工具の場合は、刃先を面
取りすることでこの課題が解決されている。すなわち、
多結晶ダイヤモンドを用いたチップの切刃の逃げ面を研
磨痕のない研磨面に形成し、その切り刃稜に研磨加工に
よって微少幅の面取りを施し、切り刃稜を平滑にする技
術が開示されている。しかしながら、多結晶ダイヤモン
ド工具は、ダイヤモンドを構成する炭素と鋼とが反応す
るので、焼き入れ鋼や鋳鉄の切削加工に用いることが出
来ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
の課題に鑑み、本発明は、焼き入れ鋼などを切削加工し
たとき、切削面の表面粗さをRzで1.6μm以下、例
えば真円度を3μm以下の寸法精度に高めようとするも
のである。このような用途としては、直径約30mm程
度以下の被削材の場合が多い。すなわち、立方晶窒化硼
素を含有する多結晶硬質焼結体切削工具の切刃の形状や
その面粗さを改良することにより、優れた仕上げ面粗さ
と高い加工寸法精度を実現しようとするものである。な
おRzは、JISのB0601「表面粗さ−定義及び表
示」に規定されている10点平均粗さのことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による、刃先処理
された切刃を有する旋削加工用多結晶硬質焼結体スロー
アウェイチップは、切刃が立方晶窒化硼素を20容量%
以上含有する多結晶硬質焼結体からなり、切刃稜線部の
断面曲率半径が5μm以上、30μm以下であり、工具
逃げ面と、工具すくい面又はネガランド面が上記の断面
曲率半径でなめらかにつながり、切刃稜線部の表面粗さ
が十点平均粗さ(Rz)で0.1μm以上、1.0μm
以下である。
【0008】さらに図5に示すように、多結晶硬質焼結
体のノーズ半径rの終端それぞれから、スローアウェイ
チップの側面に向い、そのノーズ半径rに接続される一
対の直線切刃が、それぞれ0.2〜0.6mmの範囲内
の長さを有し、そのノーズ半径部を2等分する直線とそ
の直線切れ刃それぞれとの成す角度が42゜≦θ10、θ
11≦45゜である直線刃を備えることにより、直線切刃
部分が被削面をさらえることになり、被削材の仕上げ面
の面粗度をより向上させることになる。なお、ここにお
いてθ10とθ11は等しい。このような構成とすることに
より、被削材を高精度に加工することが出来る。
【0009】本発明の別の特徴は、前記工具すくい面、
またはネガランド面の表面粗さが十点平均粗さ(Rz)
で0.1μm以上、0.5μm以下である。このような
構成とすることにより、使用中に切刃稜線部が摩耗して
後退しても切刃稜線部の表面粗さを小さく保てるので、
長寿命のスローアウェイチップを提供することが出来
る。
【0010】また別の特徴は、前記工具逃げ面と工具す
くい面、または工具逃げ面とネガランド面とのなす工具
刃先くさび角が、65゜以上、125゜以下である。こ
のような角度にすることで、経済的にスローアウェイチ
ップの刃先処理をすることが出来る。
【0011】更に別の特徴は、前記多結晶硬質焼結体
が、立方晶窒化硼素を20容量%以上含有し、その平均
粒子径が0.01μm以上、5μm以下であることを特
徴とする。このような構成とすることにより、経済的に
スローアウェイチップの刃先処理をすることが出来る。
【0012】更に別の特徴は、多結晶硬質焼結体が超硬
合金製の工具母材に接合されていることである。高精度
の加工をするためには、多結晶硬質焼結体が剛性の高い
工具母材に接合されていなければならないからである。
【0013】さらに別の特徴は、化学的蒸着または物理
的蒸着により表面に被覆層が形成されていることであ
る。これにより切刃稜線部の摩耗が減少し被削材仕上げ
面の面粗度の向上、スローアウェイチップの長寿命化を
図ることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のスローアウェイチップの
例を、図1に示す。多結晶硬質焼結体11は、超硬合金
基体3と一体化された2層構造をなし、これが超硬合金
製の工具母材1の角部にろうづけされて切削工具とな
る。スローアウェイチップは、例えば取り付け穴2を用
いてホルダー(図示省略)に装着される。切削工具に
は、使用される形態によって図1に示すスローアウエイ
チップや、ホルダーに直接ろうづけされたバイトなどが
ある。本発明は、これら切削工具の切削性能に関与する
最も重要な部分である切刃稜線部の構造に関するもので
ある。
【0015】本発明者は高精度に切削加工が行える、立
方晶窒化硼素を含有する多結晶硬質焼結体切削工具の研
究を鋭意行ってきた。その結果を、図2、図3を用いて
説明する。図2,図3は本発明による、スローアウェイ
チップを図1の切刃を構成する線16に垂直な面で切っ
たときの断面を拡大した図である。図2は、ネガランド
面14を有するスローアウェイチップの拡大断面図であ
る。11は多結晶硬質焼結体を示し、12は工具逃げ
面、13は工具すくい面、15は切刃稜線部をそれぞれ
示す。
【0016】切刃稜線部15は、断面曲率半径Rでネガ
ランド面14、又は工具すくい面13と工具逃げ面12
とそれぞれなめらかにつながっている。なおここでなめ
らかにつながるとは、連続的につながること、言い換え
ると角のないことを言う。切削時の基準となる水平線と
ネガランド面または工具すくい面とのなす角θ1 は工具
すくい角、垂直線と工具逃げ角とのなす角θ2 は工具逃
げ角を示す。図2の場合はすくい角θ1 がマイナスであ
り、図3の場合はすくい角がプラス方向で、ネガランド
面がない。θ3 は、工具逃げ面と工具すくい面などのな
す角で工具刃先くさび角を示す。
【0017】切刃稜線部15は、工具逃げ面12と工具
すくい面13、または工具逃げ面12とネガランド面1
4が交差する部分に形成される。本発明者は、切刃稜線
部15の断面曲率半径Rと、その稜線部の表面粗さが重
要であることを見いだした。すなわち、切刃稜線部が5
〜30μmの範囲内の断面曲率半径を有する曲線により
形成され、その曲線が工具逃げ面12、工具すくい面1
3、ネガランド面14などとなめらかにつながっている
ことが重要である。そしてその切刃稜線部の表面粗さが
十点平均粗さ(Rz)で0.1〜1μmの範囲内にする
ことにより、優れた仕上げ面粗さが実現でき、高精度な
加工が行えることを見いだした。
【0018】従来、立方晶窒化硼素を含有する多結晶硬
質焼結体切削工具は、含有するダイヤモンド粒度が#6
00程度のダイヤモンド砥石を用いて、すくい面と逃げ
面を研削加工して刃付けされてきた。こうして作製され
る該焼結体切削工具の切刃稜線部は、部分的に大きく切
刃稜線部が欠落するなど凹凸が激しいことがわかった。
【0019】焼入鋼など高硬度材を立方晶窒化硼素焼結
体切削工具で切削する場合、切刃稜線部の形状は被加工
面に転写されやすい。このため高硬度材を優れた仕上げ
面粗さに加工する場合には、切刃稜線部で立方晶窒化硼
素焼結体の欠落の少ない、なめらかで且つ小さな表面粗
さを有する切削工具が必要であった。また切削抵抗が高
い場合には、被削材表面にいわゆるびびり等が起こりや
すい。従って、本発明の課題を解決するためには、第1
に上記の切刃稜線部の表面粗さを小さくして且つなめら
かにすることであり、第2には切削抵抗を下げることが
重要課題と発明者は考えた。
【0020】単に表面粗さの小さい切刃稜線部を有する
切削工具は、ダイヤモンド粒度が#3, 000〜#1
4, 000程度の細い粒子を有するダイヤモンド砥石に
より、時間と労力をかけて切刃を形成することができ
た。しかしながら工具すくい面、工具逃げ面などと切刃
稜線部をなめらかにつなぐことは困難であった。
【0021】本発明の多結晶硬質焼結体スローアウェイ
チップは、ダイヤモンド粒度が#600〜#3,000
程度のダイヤモンド砥石を用いて工具逃げ面と工具すく
い面を研磨して刃付けする。次に、#1, 500〜#
3, 000程度の粒子径を有するダイヤモンド遊離砥粒
を回転ブラシに塗布して、刃付けされた近辺を研摩加工
する事によって得ることが出来た。すなわち刃先稜線部
の表面粗さが小さくなめらかで、かつ刃先稜線部が工具
すくい面、工具逃げ面となめらかにつながっている切削
工具を得ることができた。なめらかにつなぐことによっ
て、切りくずを円滑に排出できる。
【0022】次に、切削抵抗を下げるために、断面曲率
半径Rを小さくすることを検討した。この過程で断面曲
率半径が小さすぎると、目標とする表面粗さを得ること
が工業的に出来ないことが明らかになった。欠落部の凹
みを、小さい断面曲率半径ではなめらかに出来ないため
である。そこで前記した、研磨方法で各種の断面曲率半
径の試料を作成し、調べた。その結果、断面曲率半径R
が5〜30μmの範囲のとき、切削抵抗の小さい切削工
具を得ることができた。開発に当たり、断面曲率半径と
しては、5μmよりかなり小さくなければならないと考
えていたが、意外にも5μm以上の方が表面粗さが良く
なることを見出した。
【0023】上記したように刃付け研摩の後に、遊離砥
粒により脱落部をなくすための研摩加工をして本発明の
面粗さを得るためには、切刃稜線部の断面曲率半径は5
μm以上であることが好ましい。また、切刃稜線部の断
面曲率半径が30μmを越える場合には、実質の工具す
くい角が負の方向に大きくなるために、切削抵抗が増加
し加工中の切れ味が低下することになる。特に高硬度材
料を高精度に加工する場合には、背分力が高くこの変動
量が大きいために、高い加工寸法精度を得ることは難し
くなる。このため、切刃稜線部の断面曲率半径は5〜3
0μmの範囲であることが好ましい。
【0024】一方、従来行われてきた研削加工による高
硬度材の加工では、仕上げられる加工面の表面粗さは十
点平均粗さ(Rz)で1.6μm以下程度であり、これ
が本発明の目指すところである。これを達成するために
は、該切削工具の切刃稜線部の表面粗さは十点平均粗さ
(R)で1.0μm以下であることが好ましい。また、
切刃稜線部の表面粗さを0.1μm未満に仕上げるため
には、多大の労力が必要であり経済性の観点からは好ま
しくないことから、切刃稜線部の表面粗さは十点平均粗
さ(Rz)で0.1μm以上、1.0μm以下の範囲内
であることが好ましい。
【0025】さらにこれらに加え図5に示すように、多
結晶硬質焼結体のノーズ半径rの終端それぞれから、ス
ローアウェイチップの側面に向い、そのノーズ半径rに
接続される一対の直線切刃LおよびL’が、それぞれ
0.2〜0.6mmの範囲内の長さを有し、そのノーズ
半径部を2等分する直線と直線切れ刃LおよびL’との
成す角度が42゜≦θ10、θ11≦45゜である場合、旋
削加工においてこの直線切れ刃部分が被削面をさらえる
ように仕上げるために、著しく仕上げ面粗さを向上させ
ることになる。言うまでもなくθ10とθ11は等しい。
【0026】ここで、直線切刃の長さが0.2mm未満
の場合、被削面をさらえる効果が小さく、逆に0.6m
mを越える場合には被削面との接触部分が増すため切削
抵抗が大きくなり、加工精度を確保することが困難とな
る。以上のことを考慮して直線切刃の長さは0.2〜
0.6(mm)の範囲内とする。また、加工精度と仕上
げ面粗さのバランスを考慮した場合には、0.3〜0.
5(mm)の範囲内であることがより好ましい。
【0027】同様に、ノーズ半径部を2等分する直線と
直線切れ刃LおよびL’との成す角度が42゜未満の場
合には被削面をさらえる効果が少なくなる。これに対し
て、45゜を越える場合には、被削面との接触部分が増
すため切削抵抗が大きくなり、加工精度を確保すること
が困難となる。以上のことを考慮して、ノーズ半径部を
2等分する直線と直線切れ刃LおよびL’との成す角度
が42゜≦θ10、θ11≦45゜とする。また、加工精度
と仕上げ面粗さのバランスを考慮した場合には、43.
5゜≦θ10、θ11≦45゜であることが、より好まし
い。
【0028】また、加工の継続と共に工具切刃は摩耗す
るため切刃稜線部は後退するが、新たに形成される切刃
稜線部は摩耗した工具逃げ面と、工具すくい面またはネ
ガランド面から形成されることになる。このため、継続
加工中も優れた面粗さを維持するためには、工具すくい
面またはネガランド面の表面粗さが小さいことが必要と
なる。切刃稜線部に必要な表面粗さが1.0μm以下で
あり、使用により表面粗さが悪くなることを考慮した場
合、工具すくい面、またはネガランド面の表面粗さは十
点平均粗さ(Rz)で0.1〜0.5μmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0029】一方、高硬度材料を加工するためには、工
具材料にも高い硬度が要求される。このため、多結晶硬
質焼結体中の立方晶窒化硼素の含有量は、20容量%以
上、95容量%以下であることが必要である。また、硬
度の点を考慮した場合、単結晶の立方晶窒化硼素もこの
ような加工用途における工具材料として考えられる。し
かし、単結晶の場合劈開に起因する欠けが発生しやすい
などの問題があるために、このような高硬度材料の加工
用途においては、劈開しにくい多結晶の立方晶窒化硼素
焼結体を用いる方が好ましい。
【0030】また、工具逃げ面と工具すくい面、または
工具逃げ面とネガランド面のなす工具刃先くさび角θ3
が65゜未満の場合、工具刃先くさび角が小さいため
に、高硬度材の切削初期に欠けが発生しやすくなる。一
方、前記断面交差角度が125゜を超える場合には、切
削抵抗の増加が顕著に現れるために、所望の仕上げ面粗
さは得られるものの、要求する加工寸法精度は得られな
くなる。このため、工具逃げ面と工具すくい面、または
工具逃げ面とネガランド面のなす工具刃先くさび角は、
65゜〜125゜の範囲であることが好ましい。
【0031】さらに、切刃稜線部の粗さが0.1〜1.
0μmの範囲内となるためには、含有する多結晶立方晶
窒化硼素焼結体の平均粒子径は5μm以下、望ましくは
1μm以下であることが好ましい。また、含有する立方
晶窒化硼素の平均粒子径が0.01μm未満である場
合、焼結体中にこのような微粒子の凝集部分が発生しや
すく、これに起因して刃先の欠けが発生しやすくなる。
このため、多結晶立方晶窒化硼素焼結体の平均粒子径は
0.01〜5μmの範囲であることが好ましい。また、
硬質焼結体を接合している工具母材は、超硬合金、鋼材
料等が考えられるが、高硬度材料を高精度に加工するた
めには、工具母材にも高い剛性が望まれる。このため、
工具母材としては超硬合金が最も好適である。
【0032】また、さらなる仕上げ面粗さの向上、およ
び工具の長寿命化を図るため化学的蒸着及び物理的蒸着
により多結晶硬質焼結体の表面に被覆層を形成させるこ
とにより、工具の摩耗が減少し優れた仕上げ面粗さを長
時間維持することが可能となるために好ましい。
【0033】
【実施例】本発明に係わるスローアウエイチップの実施
例を、以下に説明する。 (実施例1)立方晶窒化硼素を含有する多結晶硬質焼結
体工具の切刃稜線部の断面曲率半径と切刃稜線部の粗さ
が、被削材の仕上げ面粗さと加工精度に及ぼす影響を調
べた。準備された種々の立方晶窒化硼素を含有する多結
晶焼結体スローアウエイチップの例を表1に示す。な
お、工具刃先くさび角はいずれも83゜であった。
【0034】表1におけるスローアウエイチップは、
0.5〜1μmの平均粒子径を有する立方晶窒化硼素を
50容量%含有する多結晶硬質焼結体11が、図1に示
すようにコーナー部にろうづけされている。#1, 00
0ダイヤモンド砥石により刃付け研摩が行われた。この
後、回転運動を行うブラシ表面に、5〜8μmの粒子径
(#2, 000相当)のダイヤモンド遊離砥粒を塗布
し、これをスローアウェイチップすくい面から押し当て
ることにより、工具切刃稜線部にホーニング加工が行わ
れた。切刃稜線部の断面から見て、工具逃げ面とネガラ
ンド面とは滑らかにつながっていた。そして、加工時間
を変えることにより、切刃稜線部の断面曲率半径を種々
変化させて試料の作製を行った。
【0035】切刃稜線部の断面曲率半径は、コントレー
サーを用いて測定した。コントレーサーの測定原理は表
面粗さ計と同じで、測定縦倍率と横倍率を同じにして得
られた曲線の曲率を測定する。また図4に示すように切
削工具1をVブロック23上で45゜方向に傾斜させ、
各試料の切刃稜線部の粗さを測定した。ナイフエッジ状
端子22を切削工具の切刃稜線部15の方向に沿って、
下記の条件にて切刃稜線部15の粗さの測定が行われ
た。 測定子形状:ナイフエッジ状端子 測定長さ:1mm 測定子送り速度:0.03mm/sec カットオフ長さ:0.08mm 測定縦倍率:20,000倍 測定横倍率:100倍
【0036】
【表1】
【0037】この結果、切刃稜線部の断面曲率半径の小
さい試料1Aは工具すくい面、あるいは工具逃げ面加工
時に切刃稜線部に発生したチッピングを、ホーニングに
より取り去ることができず、これが原因で表面粗さが大
きいことが明らかとなった。これら5つの試料につい
て、下に示す条件にて切削試験をした。
【0038】被削材と切削条件を以下に示す。 被削材:円筒形状の浸炭焼入材(SCM415) 内径10mmのものの内径切削 被削材硬度:HRC62 被削材の周表面速度:100(m/min) 工具の切り込み深さ:0.05(mm) 工具の送り速さ:0.03(mm/rev) 切削時間:5(min) 加工方法:内径ボーリング加工 被削材要求仕上げ面粗さ:Rz=1.6(μm)以下 要求真円度:3μm以下
【0039】切削試験後の表面粗さと真円度の結果を表
2に示す。切刃稜線部の断面曲率半径が小さい試料1A
は、切削抵抗が小さく真円度は優れるものの、切刃稜線
部の粗さが大きいために転写される仕上げ面粗さが大き
く、所望の仕上げ面粗さを得ることができなかった。一
方、切刃稜線部の断面曲率半径が大きい試料1Eは、切
刃稜線部の表面粗さは小さく転写される仕上げ面粗さは
優れるものの、切削抵抗が大きいためにこれの変動が大
きく、所望の真円度を得ることができなかった。
【0040】これに対して本特許請求の範囲内である試
料1B〜1Dは、切刃稜線部の表面粗さが小さいため
に、これにより優れた仕上げ面粗さを得られることが明
らかとなった。加えて切刃稜線部の断面曲率半径が小さ
いために切削抵抗の増加が抑制されて、真円度も要求さ
れる精度内の加工が行え、高精度な加工ができることが
明らかとなった。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例2)立方晶窒化硼素を含有する多
結晶焼結体工具のすくい面粗さと刃先稜線部の粗さが、
被削材の仕上げ面粗さに及ぼす影響を調べた。準備され
た工具刃先くさび角115゜の種々の立方晶窒化硼素を
含有する多結晶硬質焼結体スローアウエイチップの例を
表3に示す。
【0043】表3におけるスローアウエイチップは、1
〜3μmの平均粒子径を有する立方晶窒化硼素を65容
量%含有する多結晶硬質焼結体が、ろうづけにより超硬
合金製の工具母材のコーナーに接合されている。#1,
200のダイヤモンド砥石により刃付け研摩した。
【0044】この後、試料2Aは、#800相当のダイ
ヤモンド砥粒が埋め込まれたワイヤーブラシを、回転さ
せながら刃先に押し当てることにより、切刃稜線部にホ
ーニング加工が行われた。一方、試料2Bは回転運動を
行うブラシ表面に、8〜16μmの粒子径(#1, 50
0相当)のダイヤモンド遊離砥粒を塗布し、スローアウ
ェイチップのすくい面側から押し当てることにより、切
刃稜線部にホーニング加工が行われた。また試料2C
は、2Bと同様の方法により、ブラシ表面に5〜8μm
の粒子径(#2, 000相当)のダイヤモンド遊離砥粒
を塗布する事によりホーニング加工が行われた。また、
切刃稜線部の断面から見て、工具逃げ面とネガランド面
とは滑らかにつながっていた。
【0045】この後、実施例1と同様の方法により、各
試料の切刃稜線部の粗さが測定された。また、すくい面
の表面粗さは、図4の場合と異なり、針状の端子を用い
た。測定の条件を、以下に示す。なお、工具すくい面の
測定はすくい面が研摩加工された方向と直角をなす方向
に触針を走査して、粗さの測定が実施された。 測定子形状:ナイフエッジ状端子、針状端子 測定長さ:1mm 測定子送り速度:0.03mm/sec カットオフ長さ:0.08mm 測定縦倍率:20,000倍 測定横倍率:100倍
【0046】
【表3】
【0047】この結果、比較的粗い粒度のダイヤモンド
ワイヤーブラシによって、刃先にホーニング加工がなさ
れた試料2Aは、工具すくい面や工具逃げ面の粗さを改
善する効果が低く、これら2面により形成された切刃稜
線部の表面粗さは大きい値であることが明らかとなっ
た。これら3つの試料について、次に示す条件で切削試
験を実施した。
【0048】被削材と切削条件を以下に示す。 被削材:軸受鋼(SUJ2)で外周直径100mmの丸
棒 被削材硬度:HRC63 被削材の周表面速度:120(m/min) 工具の切り込み深さ:0.04(mm) 工具の送り速さ:0.02(mm/rev) 切削時間:15(min) 加工方法:外径旋削 被削材要求仕上げ面粗さ:Rz=1.0(μm)以下 切削試験における初期と15分加工後の表面粗さの結果
を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】その結果試料2Aは、切刃稜線部の粗さが
大きくこれが被削材表面に転写されるために、切削初期
の段階から要求の表面粗さを得ることができなかった。
これに対して切刃稜線部の粗さの小さい試料2B、2C
は、切削初期から優れた仕上げ面が得られ、要求の表面
粗さを確保することができた。
【0051】特に工具すくい面粗さの小さい試料2C
は、切削加工の進行と共に工具刃先が摩耗し、切刃稜線
部が後退しても、工具すくい面の粗さが小さいために、
新たに創成される切刃稜線部の粗さは小さくなるため
に、安定して優れた仕上げ面粗さが得られることが明ら
かとなった。
【0052】(実施例3)立方晶窒化硼素を含有する多
結晶硬質焼結体工具の立方晶窒化硼素の平均粒子径が、
切刃稜線部の粗さと、被削材の仕上げ面粗さに及ぼす影
響を調べた。準備された工具刃先くさび角は、108゜
で、種々の立方晶窒化硼素焼結体工具の例を表5に示
す。
【0053】
【表5】
【0054】表5の切削工具は、バイトであって、断面
形状が円形を有するφ6mmの鋼製のシャンク先端部分
に、表5に示す平均粒子径を有する立方晶窒化硼素を含
有する多結晶硬質焼結体が接合されている。立方晶窒化
硼素の含有率は、いずれも55容量%である。これをダ
イヤモンドの粒度が#1, 000の砥石を用い、刃付け
加工を行った。その後、実施例1と同様の手順により工
具刃先にホーニング加工した結果が表5である。なお、
このとき切刃稜線部の断面曲率半径半径は20μmであ
った。また、切刃稜線部の断面から見て、工具逃げ面と
ネガランド面とは滑らかにつながっていた。
【0055】このうち、焼結体の粒度が非常に細かい試
料3Aは、焼結体中に微粒子の凝集に起因する不均一な
組織が存在するために、刃先強度が低く、刃先形成中に
欠けが発生しやすかった。工具刃先に欠けの生じなかっ
た試料3B〜3Fについて、下に示す条件にて切削試験
を実施した。
【0056】被削材と、切削条件を以下に示す。 被削材:円筒形状のダイス鋼(SKD11) 内径20mmの内径切削 被削材硬度:HRC65 被削材の内径表面速度:70(m/min) 工具の切り込み深さ:0.05(mm) 工具の送り速さ:0.03mm/rev) 切削距離:2(km) 加工方法:内径ボーリング 要求仕上面粗さ:Rz=1.6(μm)以下 得られた被削材の内径の表面粗さを表6に示す。
【0057】
【表6】
【0058】その結果、CBNの平均粒子径の大きい試
料3Fは、切刃稜線部の粗さが大きいために、要求され
る被削材の仕上げ面粗さを確保する事ができなかった。
これに対して、本件発明である試料3B〜3Eは、切刃
稜線部の粗さが小さいために、要求される仕上げ面粗さ
を安定して確保でき、高精度な加工が行えることが明ら
かとなった。
【0059】(実施例4)立方晶窒化硼素焼結体工具
の、工具逃げ面とネガランド面とのなす角である工具刃
先くさび角が、被削材の加工精度と仕上げ面粗さに及ぼ
す影響を調べた。準備された種々の立方晶窒化硼素焼結
体スローアウェイチップの例を表7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】表7におけるスローアウェイチップのコー
ナー部分には、1.2μmの平均粒子径を有する立方晶
窒化硼素を70容量%含有する多結晶硬質焼結体が、ロ
ウ付けにより超硬合金製の工具母材に接合されている。
工具逃げ面とネガランド面との工具先端くさび角が種々
に変えられている。これをダイヤモンド粒子径が#1,
500のダイヤモンド砥石を用い、刃付け処理を行った
後、実施例1と同様の手順により切刃稜線部の断面曲率
半径が28μmである試料4A〜4Iを得た。切刃稜線
部の断面から見て、工具逃げ面とすくい面又はネガラン
ド面とは滑らかにつながっていた。なお、この時の切刃
稜線部の表面粗さはRz=0.3〜0.8μmの範囲内
であった。これら切削工具を用いて、次に示す条件にて
切削試験した。
【0062】 被削材:円筒形状の浸炭焼入材(SCM420) 内径15mmのものの内径切削 被削材硬度:HRC59 被削材の周表面速度:100(m/min) 工具の切り込み深さ:0.07(mm) 工具の送り速さ:0.06(mm/rev) 切削時間:5(min) 加工方法:内径ボーリング 加工要求仕上面粗さ:Rz=2μm以下 要求真円度:3μm以下
【0063】
【表8】
【0064】その結果表8から明らかなように、工具逃
げ面とネガランド面とのなす工具刃先くさび角の小さい
4Aは、刃先のくさび角が小さいために切削初期に欠損
が発生し、継続評価が不可能であった。一方、工具逃げ
面とネガランド面との工具刃先くさび角の大きい4I
は、切削抵抗が高くこれの変動が大きいために、びびり
が発生し継続評価が不可能であった。これに対して、本
発明品であるである4B〜4Hは、切削抵抗が小さくこ
れの変動が小さいために、要求される真円度内の加工が
行え、また優れた仕上げ面粗さで加工ができることが明
らかとなった。
【0065】(実施例5)以下の実施例では、切削テス
トによる差異を明らかにするために、切削長さを実施例
1から4の2倍以上としている。多結晶硬質燒結体のノ
ーズ半径rの終端から、側面に形成されている一対の直
線切刃の長さが被削面に及ぼす影響を調べた。立方晶窒
化硼素を含有する多結晶硬質燒結体スローアウェイチッ
プを、遊離砥粒によりホーニング加工して、実施例2の
試料番号2Cと同じ試料を作成し、次に示す条件で切削
試験を実施した。被削材と切削条件を以下に示す。 被削材:浸炭焼入れ鋼(SCM415) 直径50(mm)長手長さ100(mm)の丸棒の外径
切削 被削材硬度:HRC60 被削材の周表面速度:120(m/min.) 工具の切り込み深さ:0.05(mm) 工具の送り速さ:0.08(mm/rev) 切削長さ:5km ホルダー型番:PCLNR2525−33 テストチップ形状:内接円の大きさが12.7mmであ
る、直線サラエ刃付きの略80゜菱形スローアウェイチ
ップ ノーズ半径部の2等分線と直線サラエ刃の成す角度:4
4.5度
【0066】
【表9】
【0067】この結果から直線切刃の幅が大きくなるに
つれ、被削面をさらえる効果が大きいため表面粗さは向
上している。しかし、直線切刃の幅が大きくなると切削
抵抗が高くなることから真円度も大きくなる。このた
め、適度な真円度と表面粗さを形成できる、好ましい直
線切刃の幅は0.2〜0.6(mm)の範囲内であるこ
とが明らかとなった。
【0068】(実施例6)多結晶硬質燒結体のノーズ半
径部を2等分する直線と、ノーズ半径rの終端それぞれ
から、スローアウェイチップの側面に向い、そのノーズ
半径rに接続される一対の直線切刃とにより形成される
角度が、被削面に及ぼす影響を調べた。立方晶窒化硼素
を含有する多結晶硬質燒結体スローアウェイチップをホ
ーニング加工して実施例2の試料番号2Cを作製した。
これらの試料について次に示す条件で切削試験した。
【0069】被削材と切削条件を以下に示す。 被削材:浸炭焼入れ鋼(SCr420) 直径60(mm)長手長さ120(mm)の丸棒の外径
切削 被削材硬度:HRC60 被削材の周表面速度:100(m/min.) 工具の切り込み深さ:0.06(mm) 工具の送り速さ:0.07(mm/rev) 切削長さ:4km ホルダー型番:PWCLNR2525−33 テストチップ形状:内接円の大きさが12.7mmであ
る、直線サラエ刃付き略6角形先端角80゜スローアウ
ェイチップ 直線サラエ刃の長さ:0.4(mm)
【0070】
【表10】
【0071】この結果からノーズ半径部の2等分線と直
線切刃との交差角度が大きくなるにつれ、被削面をさら
える効果が大きいため表面粗さは向上している。しか
し、交差角度が大きくなると切削抵抗が高くなることか
ら真円度も大きくなる。このため、適度な真円度と表面
粗さを形成できる、好ましい交差角度の範囲は42.0
〜45.0(度)の範囲内であることが明らかとなっ
た。
【0072】(実施例7)化学的蒸着及び物理的蒸着に
より多結晶硬質燒結体の表面に被覆層を形成させた場合
の影響を調べた。立方晶窒化硼素を含有する多結晶硬質
燒結体スローアウェイチップを用いて実施例2の試料番
号2Cを用いて以下の試料を作製した。11Aは被覆層
なしのチップ、11BはPVD法により厚さ2(μm)
のTiNの被覆層を形成したチップ, 11CはPVD法
により厚さ2(μm)のTiAlNの被覆層を形成した
チップである。
【0073】
【表11】 これらの試料について次に示す条件で切削試験を実施し
た。被削材と切削条件を以下に示す。 被削材:浸炭焼入れ鋼(SCM415) 被削材硬度:HRC58 被削材の周表面速度:70(m/min.) 工具の切り込み深さ:0.05(mm) 工具の送り速さ:0.03(m/min.) 切削長さ:5km
【0074】切削試験における結果を表12に示す。
【表12】 この結果より従来のノンコートチップよりもPVD法に
よってコーティングしたチップは切れ刃稜線部の摩耗の
発達が小さいため、より優れた表面粗さを長時間維持で
きることが明らかとなった。
【0075】
【発明の効果】本発明のスローアウェイチップは、焼き
入れ鋼や鋳鉄などの材料を切削加工により高精度に加工
することができた。すなわち、本発明のスローアウェイ
チップを用いることにより、被削材の表面粗さが1.6
μm以下で且つ、真円度が3μm以下を達成することが
できた。従って、従来能率が良くない研削加工に依存し
ていた工程を、切削加工に置き換えて加工能率を飛躍的
に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる切削工具の斜視図
【図2】本発明に係わる切削工具の断面拡大図
【図3】本発明に係わる切削工具の断面拡大図
【図4】本発明に係わる切刃稜線部の粗さ測定方法を示
す図
【図5】本発明に係わる直線切刃L、L’の説明図
【符号の説明】
1 工具母材 2 取り付け穴 3 超硬合金基体 11 多結晶硬質焼結体 12 工具逃げ面 13 工具すくい面 14 ネガランド面 15 切刃稜線部 16 線 21 触針 22 ナイフエッジ端子 23 Vブロック R 断面曲率半径 θ1 工具すくい角 θ2 工具逃げ角 θ3 工具刃先くさび角 θ10、θ11 ノーズ半径部の二等分線と直線切刃のなす
角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切刃が立方晶窒化硼素を20容量%以上
    含有する多結晶硬質焼結体からなり、切刃稜線部の断面
    曲率半径が5μm以上、30μm以下であり、工具逃げ
    面と、工具すくい面又はネガランド面が上記の断面曲率
    半径でなめらかにつながり、切刃稜線部の表面粗さが十
    点平均粗さ(Rz)で0.1μm以上、1.0μm以下
    であり、前記多結晶硬質焼結体のノーズ半径rの終端そ
    れぞれから、スローアウェイチップの側面に向い、該ノ
    ーズ半径rに接続される一対の直線切刃が、それぞれ
    0.2〜0.6mmの範囲内の長さを有し、該ノーズ半
    径部を2等分する直線と該直線切れ刃それぞれとの成す
    角度が42゜≦θ10、θ11≦45゜である直線刃が形成
    されていることを特徴とする旋削加工用多結晶硬質焼結
    体スローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 前記工具すくい面、またはネガランド面
    の表面粗さが十点平均粗さ(Rz)で0.1μm以上、
    0.5μm以下であること特徴とする、請求項1記載の
    旋削加工用多結晶硬質焼結体スローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 前記工具逃げ面と工具すくい面、または
    工具逃げ面とネガランド面とのなす工具刃先くさび角
    が、65゜以上、125゜以下であることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の旋削加工用多結晶硬質焼
    結体スローアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 前記多結晶硬質焼結体が、立方晶窒化硼
    素を20容量%以上含有し、その平均粒子径が0.01
    μm以上、5μm以下であることを特徴とする、請求項
    1から3のいずれかに記載の旋削加工用多結晶硬質焼結
    体スローアウェイチップ。
  5. 【請求項5】 前記多結晶硬質焼結体が超硬合金製の工
    具母材に接合されていることを特徴とする、請求項1か
    ら4のいずれかに記載の旋削加工用多結晶硬質焼結体ス
    ローアウェイチップ。
  6. 【請求項6】 前記多結晶硬質焼結体スローアウェイチ
    ップの表面に周期律表の4a、5a、6a族元素及び、
    Al、Si、Bの元素からなる群から選択される少なく
    とも1種の元素または該群から選択される少なくとも1
    種の金属の窒化物、炭化物、酸化物及びこれらの固溶体
    の中から選択される少なくとも1種の化合物からなる被
    覆層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の多結晶硬質焼結体スローアウェイチッ
    プ。
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