JP3055565B2 - シクロデキストリン精製工程 - Google Patents

シクロデキストリン精製工程

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JP3055565B2 JP7502866A JP50286695A JP3055565B2 JP 3055565 B2 JP3055565 B2 JP 3055565B2 JP 7502866 A JP7502866 A JP 7502866A JP 50286695 A JP50286695 A JP 50286695A JP 3055565 B2 JP3055565 B2 JP 3055565B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
    • C08B37/0009Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid alpha-D-Glucans, e.g. polydextrose, alternan, glycogen; (alpha-1,4)(alpha-1,6)-D-Glucans; (alpha-1,3)(alpha-1,4)-D-Glucans, e.g. isolichenan or nigeran; (alpha-1,4)-D-Glucans; (alpha-1,3)-D-Glucans, e.g. pseudonigeran; Derivatives thereof
    • C08B37/0012Cyclodextrin [CD], e.g. cycle with 6 units (alpha), with 7 units (beta) and with 8 units (gamma), large-ring cyclodextrin or cycloamylose with 9 units or more; Derivatives thereof

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シクロデキストリンに関し、特に水に加え
た場合実質的に濁りのない(haze-free)溶液を生成す
るシクロデキストリン精製工程に関する。
シクロデキストリンは、無水グルコースのオリゴマー
であって、環状構造であり、この環状構造内の無水グル
コース単位の数により命名される。最も一般的なシクロ
デキストリンは、環状構造に6、7、および8無水グル
コース単位をそれぞれ有するアルファα、ベータβおよ
びガンマγのシクロデキストリンである。この環状構造
に由来するシクロデキストリンの最大の特徴は、他の分
子(ゲスト化合物)のためのホスト化合物として作用す
ることである。このホスト−ゲストの関係は、特に、医
薬、農業、化学製品、食品、および化粧品の分野におい
て重要である。
従来、シクロデキストリンは酵素、すなわちシクロデ
キストリン・グルコシル・トランスフェラーゼ(以下CG
Taseと呼ぶ)のデンプン基質、例えばデンプンまたは約
10以下のデキストローズ価(DE)を有するデンプン加水
分解物に対する作用により形成される。未精製ダイジェ
スト(raw digest)は、デンプン基質に対するCGTaseの
作用により形成される。この未精製ダイジェスト(raw
digest)は、シクロデキストリンのみならず酵素や他の
成分に加えて直線状糖類も含んでいる。非シクロデキス
トリン成分は、一般に副産物であるとされている。シク
ロデキストリンを未精製ダイジェスト(raw digest)か
ら分離するために、シクロデキストリンと錯体を形成し
てシクロデキストリンを沈澱させるゲスト(complexant
s)がしばしば利用されている。次いで沈澱したシクロ
デキストリンを収集し、この沈澱物の水溶液を加熱して
錯体(complex)を破壊し溶液中にシクロデキストリン
を残してゲスト(complexants)を取り去る。溶液から
シクロデキストリンを回収するために、加熱された溶液
を室温状態に冷却して、溶液からシクロデキストリンを
晶出する。非シクロデキストリン物質は、シクロデキス
トリンから分離されなければならない廃棄生成物が大部
分であるとされる。
溶液からシクロデキストリンを取り出す従来の結晶化
工程の間、若干の非シクロデキストリン物質は、シクロ
デキストリンと共に沈澱し、これら沈澱した非シクロデ
キストリン物質は、結晶化後シクロデキストリンと共に
回収されることが見いだされた。また、これら沈澱した
非シクロデキストリン物質は、回収された結晶化シクロ
デキストリンに濁りを生じさせることが見いだされた。
濁り飲料や農薬のような若干の応用分野では、濁りの影
響はほんのわずかであるか又は濁りの影響は全くないけ
れども、食品や薬剤のような他の分野では透明度は重要
であり濁りはシクロデキストリンの売上に悪い影響を及
ぼす。
シクロデキストリンから非シクロデキストリン物質を
除去するのに濾紙を使用すると、この濾紙は間もなく塞
がるので濾過が進まなくなることがわかった。非シクロ
デキストリン物質を除去する他の解決法は、異なる固形
成分を互いに分離するのにクロマトグラフィー技術を用
いていた(米国特許第4384898号、米国特許第4418144
号、国特許第4781977号および米国特許第4808232号参
照)。これらのクロマトグラフィー工程に対する欠点
は、シクロデキストリンの処理工程中に追加の工程を必
要とすることである。シクロデキストリンの精製工程に
は簡素でシクロデキストリンの生成に実質的な時間やコ
ストの追加のないことが必要である。
未精製ダイジェスト(raw digest)から回収したシク
ロデキストリンから非シクロデキストリン物質を除去す
るシクロデキストリンの精製工程が見いだされた。本発
明による工程は簡素でシクロデキストリンの生成に実質
的な時間やコストについての追加がない。本発明による
工程はシクロデキストリンの従来の工程中または未精製
のシクロデキストリン製品を精製する付加工程として用
いられる。
水素結合阻止剤(hydrogen bond inhibitor)を結晶
化工程に使用すると、非シクロデキストリン物質はシク
ロデキストリンと共に沈澱しないことが見いだされた。
水素結合阻止剤は、シクロデキストリンの結晶化に寄与
する一方で非シクロデキストリン物質の沈澱を阻止する
ことは、驚くべきことであり且つ予想もつかないことで
ある。この水素結合阻止剤は、シクロデキストリンと錯
体や沈澱を形成しない。また、本発明によるシクロデキ
ストリンの精製は、本発明による処理をおこなわないシ
クロデキストリンに比較して、実質的に濁りのない溶液
を調整することができる。
本発明は完全にはわかっていないけれども、非シクロ
デキストリン物質の主な成分は、線状糖類であって、こ
の線状糖類は約20から約40の重合度を有し、またシクロ
デキストリンと線状糖類との間よりもむしろ線状糖類間
での水素結合があり、これにより結晶化工程の間に線状
糖類が沈澱すると考えれている。また、シクロデキスト
リンが溶液中にある場合にこれら線状糖類の劣化物が濁
りを形成すると仮定されている。
要するに、本発明の工程は水素結合阻止剤の有効量の
存在下でシクロデキストリンを含む水溶液からシクロデ
キストリンを結晶化する工程であって、水素結合阻止剤
の量はシクロデキストリンを結晶化する間に非シクロデ
キストリン物質の沈澱を阻止するのに有効であり、また
水素結合阻止剤の量はシクロデキストリンを沈澱させ、
結晶化させ、そして実質的に非シクロデキストリン物質
を含まないようにするのに有効な量である。実質的に純
粋なシクロデキストリンは溶液から回収される。精製さ
れたシクロデキストリンの水溶液の清澄性によるシクロ
デキストリンの純度は、分光光度法で測定した。
水素結合阻止剤は、塩基および非塩基の両者を含む。
適切な非塩基は、尿素、グアニジウム塩酸塩およびラウ
リル硫酸ナトリウムである。適切な塩基は、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムおよび水酸化アンモニウムであ
る。良好な結果は塩基である水素結合阻止剤を使用して
得られた。
溶液に添加する水素結合阻止剤の量は、シクロデキス
トリンの結晶化を阻止することなく非シクロデキストリ
ン物質の沈澱を塞ぐのに充分な量である。非シクロデキ
ストリン物質の形質を阻止するのに必要な塩基の量は、
塩基が溶液に混合された後の溶液の水素イオン指数(p
H)を測定することにより便宜上測定される。塩基を使
用する場合、pHは好ましくは約8以上、すなわちより好
ましくは溶液のpHは約8から約13である。約9から約12
のpHが最も好ましく、約10から約12のpHで良好な結果が
得られた。このpHは従来通りpH測定器又は当業者に周知
の方法で測定する。
非シクロデキストリン物質の沈澱を塞ぐのに使用され
る非塩基の量は、好ましくは水溶液中に約0.1%から約
5%存在する。より好ましくは、非塩基の水素結合阻止
剤の量は、約0.5%から約3%である。溶液に使用する
非塩基の量は、最も好ましくは約1%から約2%であ
る。これらの量は、溶液の重量パーセントに因る。
本発明によれば、水素結合阻止剤は結晶化工程の間、
溶液中に存在する。最も良い結果のために、結晶化工程
の開始に先立って、溶液に水素結合阻止剤を添加して均
一に混合する。しかしながら、結晶化工程の開始と同時
又は結晶化工程の開始後に、水素結合阻止剤を添加し混
合してもよい。非シクロデキストリン物質が最も少ない
シクロデキストリンを得るには、結晶化工程の開始に先
立って、溶液に水素結合阻止剤を添加して均一に混合す
る。溶液に水素結合阻止剤を添加し混合するには、従来
の装置を用いて従来の方法でおこなう。溶液に水素結合
阻止剤を添加し混合する工程には、数分を要するのみで
ある。水素結合阻止剤を溶液中に均一に混合すると間も
なく、好ましくは結晶化工程は開始される。
溶液からのシクロデキストリンの結晶化工程は従来ど
おりで、一般に常圧で約一日の期間をかけて約100℃の
温度から室温の例えば約20℃まで溶液を冷却することに
より行われる。この冷却工程を通して、溶液からシクロ
デキストリンは晶出(沈澱)する。もちろん、冷却時間
の長さは結晶化に使用される容器の大きさに依存する。
従来、シクロデキストリンは約10%から約40%の固体含
有水溶液から晶出する。本発明では、水溶液の固体含有
量が約20重量パーセントから約30重量パーセントである
場合に良く作用することがわかった。この溶液は水を主
成分とするもので実質的に他の溶剤を含まない。
このような水溶液中の固体は、一般に少なくとも約50
重量パーセントのシクロデキストリンからなり、他の約
50重量パーセントは主として線状糖類であるとされる非
シクロデキストリン物質である。シクロデキストリンは
できる限り固体からなり、好ましくは少なくとも固体の
約75重量パーセントのからなり、より好ましくはシクロ
デキストリンは固体の少なくとも約85重量パーセントの
からなる溶液で、本発明は最も良く作用する。
好ましくは、本発明の工程により処理される未精製シ
クロデキストリンに、未精製ダイジェスト(raw diges
t)からのゲスト(complextants)を用いてシクロデキ
ストリンを結晶化するという錯体形成工程をおこなう。
もしくは、放置状態およびシクロデキストリンを結晶化
できる状態で濁りを生ずる未精製シクロデキストリンま
たは未精製シクロデキストリンの溶液を本発明の工程に
より処理することができる。本発明は、バッチ処理ある
いは連続的処理でおこなうことができる。
従来、シクロデキストリンは、デンプン基質すなわち
デンプンまたは約10以下のデキストローズ価(DE)を有
するデンプン加水分解物がCGTaseと共に反応し未精製ダ
イジェストを形成して得られる。この未精製ダイジェス
トからゲスト(complextants)の作用により、シクロデ
キストリンを沈澱させる。ゲスト(complextants)はシ
クロデキストリンと共に錯体を形成し、この錯体は溶液
から析出する。この析出した錯体は未精製ダイジェスト
から回収され、次いで水蒸気蒸留またはシクロデキスト
リンからゲスト(complextants)を分離する他の従来工
程で処理する。分離されたシクロデキストリンは水溶液
中にあり、この水溶液をさらに処理または乾燥させて製
品として販売される。本発明によれば、好ましくは本発
明の結晶化工程に先立って未精製ダイジェストから分離
されたシクロデキストリンは従来の炭素処理がされる。
炭素処理としては色素、色素前駆体(color precurso
rs)および望ましくない風味の抜けた物質を除去するた
めに活性炭を用いる。炭素処理は、残っている可溶のタ
ンパク質性物質の大半を除去する。さらに、活性炭は鉄
や銅のような重金属の除去に効果がある。従来の炭素処
理は、粉末状活性炭の二または三工程の向流バッチ処理
に応用するかまたは粒状活性炭を用いて円筒カラムで向
流バッチ処理に応用するかである。このような操作は、
従来方法でおこなわれる。
本発明の好ましい実施例によれば、炭素処理後のシク
ロデキストリンは、水素結合阻止剤の効果的な量の存在
下で結晶化工程の処理をおこなう。結晶化工程の温度お
よび時間調節の順序は従来方法でおこなわれる。好まし
くは、未精製の水溶液、すなわち炭素処理シクロデキス
トリンを先ず約110℃から約90℃の温度で開始し、約20
℃から約50℃の温度に冷却する。この冷却工程は好まし
くは約一日に渡っておこなう。シクロデキストリンの各
製造業者は独自の冷却順序で容器の大きさに依存して処
理するので、処理時間は変わる。好ましくは、本発明の
工程は、結晶化工程の冷却工程中におこなわれる。冷却
は大気圧中で通常おこなう。本発明の結晶化工程は、た
だ一度実施してもよく、また複数回実施してもよい。
本発明の結晶化工程は、あらゆるシクロデキストリン
に対しても、また水に加えると全体的または部分的に線
状糖類による濁りを生ずる場合に用いることができる。
このように、水に加えられると濁りを生ずるようなシク
ロデキストリンを購入した製薬業者は、この濁りを除去
してシクロデキストリンを精製するのに本発明を用いる
ことができる。
本発明の工程により処理した結晶化シクロデキストリ
ンは、従来装置を用いて、遠心分離または濾過のような
従来方法で溶液から回収される。回収されたシクロデキ
ストリンは、ついで乾燥またはさらに処理される。良い
結果は、乾燥によって得られた。
未精製シクロデキストリンの水溶液は、シクロデキス
トリンの一種類、例えばβシクロデキストリンを含んで
もよく、あるいは、異なるいくつかのシクロデキストリ
ン例えば、α、βおよびγシクロデキストリンを含んで
もよい。良い結果は、未精製βシクロデキストリンのみ
を含む溶液で得られた。
良い結果は、本発明により所望の範囲内に水溶液のpH
を調整し、次いで冷却工程及び結晶工程をおこなう。好
ましくは、冷却中のpHはモニターされ、結晶化工程の間
は本発明に範囲内に維持される。同様に、好ましくは非
塩基の水素結合阻止剤の濃度がモニターされ、結晶化工
程の間は本発明により数えられた本発明の範囲内に維持
される。pHまたは非塩基の水素結合阻止剤の濃度を維持
することは、従来の装置で従来方法でおこなう。
本発明のこれら及び他の面は、次の実施例でより充分
に理解できる。
実施例1 この実施例は、主としてβシクロデキストリンが生成
される従来の生成工程により本発明の工程を実施するこ
とについて説明する。
デンプン加水分解(5乃至8DE)のスラリー30重量パ
ーセントを調整した。スラリーを加熱してCGTaseに対し
最適の温度に維持し、未精製ダイジェストからシクロデ
キストリンを生成するように、ゲスト(complextants)
の5パーセントのCGTase添加した。
反応が終了した後、シクロデキストリンとゲスト(co
mplextants)との錯体を従来の手段で取り出した。採取
された錯体を希釈し、100℃まで加熱し、この錯体を壊
す温度に維持してゲスト(complextants)からシクロデ
キストリンを分離させる。この複合体はシクロデキスト
リンよりも揮発性であり、水蒸気とともに除去された。
次いで、シクロデキストリンと水との水溶液は従来法
により炭素処理がおこなわれた。この炭素処理された溶
液は、3個のサンプルに分けられ、2個は本発明による
処理がおこなわれ、3個目は従来法により結晶化され
た。
本発明によれば、水酸化ナトリウムを2個の溶液に添
加し溶液中に混合して、それぞれの溶液のpHを10と12に
調整する。つぎに、pH調整された溶液およびpH調整され
ない溶液を約90℃から室温(20乃至25℃)に冷却した。
この冷却工程の間、シクロデキストリンの結晶が形成さ
れた。各溶液からの結晶が濾過により収集され、約13パ
ーセントの水分にまで乾燥させた。
下記の表は、上記のようにして、結晶化された後に回
収されたシクロデキストリンから作られた水溶液の分光
光度計による測定結果を示すものである。表1 %T(透過率) 対照(pH調整なし) 74.5 A (pH10.5) 99.8 B (pH11.5) 99.6 各溶液は、乾燥シクロデキストリンの15重量パーセン
ト溶液を調整して準備した。βシクロデキストリンのこ
れら濃い溶液を調整するために、溶液を加熱した。次い
で、この溶液を室温(20乃至25℃)にまで冷却し、1cm
セルを用い分光光度計により660nmの透過率(%T)を
測定した。当業者によって理解されるように、若干のβ
シクロデキストリンは室温にまで冷却して溶液から晶出
し、透過率は溶液自体(濾液)を測定した。
実施例2 この実施例は、主としてγシクロデキストリンを生成
する生成工程により得られる乾燥製品の精製について説
明する。
乾燥製品は、半分に分けられ水に加えて水溶液を形成
する。一方の半分は本発明により結晶化処理がおこなわ
れ、他方の半分は従来の方法により結晶化処理された。
本発明によれば、水酸化ナトリウムの2規定(2N)溶
液を一方の半分の溶液に加え溶液中に混合して、pHが10
と12の間の溶液に調整する。
pH調整された溶液およびpH調整されない溶液の両者を
約90℃から室温にまで冷却する。この冷却工程の間、シ
クロデキストリンの結晶が形成される。各溶液から形成
された結晶を濾過により収集して約12%の水分にまで乾
燥させた。
15重量パーセントの固体から成る3個の溶液を調整す
る。すなわち、本発明による精製前の乾燥製品を含有す
る第一溶液、本発明により精製されたをシクロデキスト
リンを含有する第二溶液および本発明による水素結合阻
止剤を加えることなく結晶化処理されたシクロデキスト
リンを含有する第三溶液を調整する。
下記の表は、結晶化される前および結晶化された後の
シクロデキストリンを含有する水溶液の分光光度計によ
る測定結果を示すものである。表2 %T(透過率) 結晶化前 81.9 結晶化後、本発明 98.2 結晶化後、従来 93.5 これら溶液は、上記実施例1と同様にして測定され
た。γシクロデキストリンは、βシクロデキストリンよ
りも溶けやすいので、冷却中にγシクロデキストリンは
全く形成されない。
実施例3 この実施例は、非塩基水素結合阻止剤を用いる以外は
実施例2と同様である。
γシクロデキストリンの二個の溶液中に、尿素の1重
量パーセントから2重量パーセントを加えて、シクロデ
キストリンを晶出する。第三溶液では尿素を全く加える
ことなく、γシクロデキストリンを晶出した。
この三個の結晶化γシクロデキストリン生成物は、回
収されてγシクロデキストリン15重量パーセントの三個
の溶液を実施例2と同様にして調整して分光光度計によ
り測定した。この結果は以下の示す。表3 %T(透過率) 結晶化後、従来 91.2 結晶化後、1%尿素 92.9 結晶化後、2%尿素 98.3 本発明は、その精神と範囲を逸脱しない説明のために
選択された上記記載の好適な実施例の全ての変更および
修正を含むことを意図している。
また、次の点を確認する。
請求の範囲1に記載のシクロデキストリン精製工程に
おいて、 ・前記水溶液は約20重量パーセントから約30重量パーセ
ントの固体濃度を有し、シクロデキストリンは溶液中の
前記固体の少なくとも約75重量パーセントの割合を占め
ること ・結晶化シクロデキストリンの回収工程は濾過または遠
心分離によりおこなうこと ・前記結晶化工程は常圧で約24時間以上かけて約100℃
から約20℃に前記溶液を徐々に冷却することによりおこ
なうこと ・前記溶液中の前記シクロデキストリンはベータ(β)
シクロデキストリンであること もそれぞれ本発明の好適な実施例である。
請求の範囲2に記載のシクロデキストリン精製工程に
おいて、 ・前記塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび
水酸化アンモニウムからなるグループから選択されるこ
と ・前記結晶化工程全体にわたり前記溶液の前記水素イオ
ン指数(pH)を維持する工程を含むこと もそれぞれ本発明の好適な実施例である。
次の各要件 (a)約10重量パーセントから約40重量パーセントの固
体含有量を有する、未精製シクロデキストリンの水溶液
を調整し、当該未精製シクロデキストリンはCGTaseと共
にデンプン基質の処理により未精製ダイジェストから得
られ、前記未精製シクロデキストリンは少なくとも約50
重量パーセントのシクロデキストリンと残りの非シクロ
デキストリン物質からなり、当該非シクロデキストリン
物質は主として線状糖類であり、 (b)前記水溶液からシクロデキストリンを晶出し、前
記溶液は約8以上の水素イオン指数pHを有し、 (c)実質的に非シクロデキストリン物質のない結晶化
シクロデキストリンを回収する、 からなるシクロデキストリン精製工程も本発明の好適な
実施例である。
当該精製工程において、 ・前記溶液の水素イオン指数pHは約9と約11との間であ
ること ・塩基は前記溶液に混合され、前記塩基は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムおよび水酸化アンモニウムからな
るグループから選択されること ・前記水溶液は約20重量パーセントから約30重量パーセ
ントの固体濃度を有し、シクロデキストリンは溶液中の
前記固体の少なくとも約50重量パーセントの割合を占め
ること ・前記結晶化工程は常圧で約24時間以上をかけて約100
℃から約20℃に前記溶液を徐々に冷却することによりお
こなうこと ・結晶化前に前記溶液に塩基を加えることにより前記溶
液の前記水素イオン指数pHを調整する工程を含むこと ・前記結晶化工程全体にわたり前記溶液の前記水素イオ
ン指数pHを約8以上に維持する工程を含むこと もそれぞれ本発明の好適な実施例である。
次の各要件 (a)約10重量パーセントから約40重量パーセントの固
体含有量を有する、未精製シクロデキストリンの水溶液
を調整し、当該未精製シクロデキストリンはCGTaseと共
にデンプン基質の処理により未精製ダイジェストから得
られ、前記未精製シクロデキストリンは少なくとも約50
重量パーセントのシクロデキストリンと残りの非シクロ
デキストリン物質からなり、当該非シクロデキストリン
物質は主として線状糖類であり、 (b)前記水溶液に塩基の相当量を加え、前記溶液は約
9から約12の水素イオン指数pHを有するようにし、 (c)シクロデキストリンの結晶の晶出を開始するよう
に前記溶液を冷却し、 (d)実質的に線状糖類のない結晶化シクロデキストリ
ンを回収する、 からなるシクロデキストリン精製工程も本発明の好適な
実施例である。
フロントページの続き (72)発明者 ヘッジス アラン アメリカ合衆国 インディアナ州 クラ ウンポイント ウェスト 84 プレイス 7400 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロデキストリン精製工程において、 (a)約10重量パーセントから約40重量パーセントの固
    体含有量を有する、未精製シクロデキストリンの水溶液
    を調整する工程であって、当該未精製シクロデキストリ
    ンはCGTaseと共にデンプン基質の処理により未精製ダイ
    ジェストから得られ、前記未精製シクロデキストリンは
    少なくとも約50重量パーセントのシクロデキストリンと
    残りの非シクロデキストリン物質からなり、当該非シク
    ロデキストリン物質は主として線状糖類であり、 (b)水素結合阻止剤の効果的な量の存在下で前記水溶
    液からシクロデキストリンを晶出する工程であって、水
    素結合阻止剤の前記量はシクロデキストリンの結晶化工
    程の間、非シクロデキストリン物質の沈澱を阻止するの
    に効果的な量であり、 (c)実質的に非シクロデキストリン物質のない結晶化
    シクロデキストリンを回収する工程と からなることを特徴とするシクロデキストリン精製工
    程。
  2. 【請求項2】請求項1のシクロデキストリン精製工程に
    おいて、前記水素結合阻止剤は塩基であり添加する塩基
    の量は水溶液の水素イオン指数(pH)を約8以上に上げ
    るのに有効な量であることを特徴とするシクロデキスト
    リン精製工程。
  3. 【請求項3】請求項1のシクロデキストリン精製工程に
    おいて、前記水素結合阻止剤は尿素、グアニジウム塩酸
    塩およびラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリ
    ウム)からなるグループから選択される非塩基であり、
    前記水素結合阻止剤の約0.1重量パーセントから約2重
    量パーセントの量を前記溶液に添加することを特徴とす
    るシクロデキストリン精製工程。
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