JPH1146787A - マンノースの製造方法 - Google Patents

マンノースの製造方法

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JPH1146787A
JPH1146787A JP21438797A JP21438797A JPH1146787A JP H1146787 A JPH1146787 A JP H1146787A JP 21438797 A JP21438797 A JP 21438797A JP 21438797 A JP21438797 A JP 21438797A JP H1146787 A JPH1146787 A JP H1146787A
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JP
Japan
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mannose
mannan
solution
enzyme
reaction
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JP21438797A
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English (en)
Inventor
Munehiko Donpou
宗彦 鈍寳
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マンノースを効率良く製造することのできる
方法を提供する。 【解決手段】 マンナン又はこれを含有する物質に、下
記の理化学的性質を有する酵素を作用させることを特徴
とするマンノースの製造方法。 (1)作用 マンナンに作用してマンノースを遊離する。 (2)至適pH及び安定pH範囲 至適pHは4.0〜5.0であり、pH3〜9で安定で
ある(20℃、20時間)。 (3)作用適温の範囲 45〜80℃の間で作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマンノースの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マンノースは、木材、こんにゃく等に含
まれるグルコマンナンを酸分解や酵素分解することによ
り製造されている。また、モリブデン酸塩を触媒として
グルコースから製造する方法も知られている。さらに、
フルクトースを原料にしてマンノースイソメラーゼを作
用させ、マンノース含有液を取得した後、精製すること
によりマンノースを製造する方法も提案されている(特
開平4−218370号公報、特開平6−292578
号公報,特開平8−9986号公報)。
【0003】また、工業的なマンノースの製造方法につ
いて検討したものではないが、マンノースの原料として
コプラミールが利用できるという報告がある(熱帯農業
29巻、4号、221−225、1985年)。この
報告によると、コプラミールを脱脂、弱酸処理した後、
苛性ソーダ処理によりマンナンを抽出し、さらに洗浄、
溶媒沈殿を行うことによりコプラマンナンを調製し、こ
れにアスペルギルス・ニガー5−16株由来の菌体外マ
ンナナーゼを作用させることによりマンノースが調製で
きることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、使用しているアスペルギルス・ニガー5−16株由
来のマンナナーゼは活性が十分ではないため、反応に非
常に時間がかかり(140時間)、工業的なマンノース
の製造には適していないという問題点があった。本発明
は、マンナンからマンノースを効率良く製造することの
できるマンノースの製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するためにマンノースを効率良く特異的に遊
離させる酵素を検索したところ、市販されているマンナ
ナーゼの中から目的の活性を有する酵素を見つけ出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、マンナン又はこれを
含有する物質に、下記の理化学的性質を有する酵素を作
用させることを特徴とするマンノースの製造方法を要旨
とするものである。 (1)作用 マンナンに作用してマンノースを遊離する。 (2)至適pH及び安定pH範囲 至適pHは4.0〜5.0であり、pH3〜9で安定で
ある(20℃、20時間)。 (3)作用適温の範囲 45〜80℃の間で作用する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる酵素としては、以下の理化学的性質
を有するものであれば特に限定されるものではない。 (1)作用 マンナンに作用してマンノースを遊離する。 (2)至適pH及び安定pH範囲 至適pHは4.0〜5.0であり、pH3〜9で安定で
ある(20℃、20時間)。 (3)作用適温の範囲 45〜80℃の間で作用する。 (4)力価の測定 ローカストビーンガム(pH5.0)を基質とし、40
℃、1時間で1μmoleのマンノースに相当する還元力の
増加をもたらす酵素量を1単位とする。
【0008】このような酵素としては、阪急バイオイン
ダストリーから市販されているマンナナーゼ製剤(商品
名セルロシンGM5)が挙げられる。
【0009】本発明に用いられるマンナンとしては、グ
ルコマンナンやガラクトマンナン等のヘテロ多糖でもよ
く、具体的には、コプラマンナン、ローカストビーンガ
ム、グアーガム、コンニャクマンナン等が挙げられる。
また、このようなマンナンを含有する物質としては、コ
コナツヤシ胚乳、コプラミール、ぞうげヤシ胚乳、針葉
樹、グアー豆やイナゴ豆等の豆類、コンニャクイモ等が
挙げられる。本発明に用いられる酵素は、このようなマ
ンナン含有物にそのまま作用させてもマンノースを十分
に遊離し、また、このようなマンナン含有物からマンナ
ンを抽出する操作は煩雑であり、製造コストも高くなる
ため、マンナン含有物をそのまま用いればよいが、マン
ナンを抽出してから使用した方が、さらに高い純度のマ
ンノースを得ることができるので、それぞれの用途にあ
わせて選択すればよい。
【0010】マンナン又はマンナンを含有する物質に上
記の酵素を作用させる際の反応条件としては、それぞれ
の反応基質に応じた最適条件を選べばよいことは言うま
でもないが、反応温度としては、酵素が失活しない条件
下で行うのが望ましく、さらに、反応液の腐敗を防止す
るために微生物が増殖しにくい温度で反応することが好
ましく、20〜90℃、好ましくは40〜80℃、さら
に好ましくは50〜75℃がよい。また、反応のpHと
しては、酵素の至適作用条件下で反応を行うのが望まし
いことは言うまでもなく、pH2〜9、好ましくはpH
2.5〜8、さらに好ましくはpH3〜6がよい。反応
時間としては、使用する酵素の量に依存するが、通常3
〜48時間の間に設定するのが作業上好ましい。
【0011】具体的に例を挙げれば、コプラミールにセ
ルロシンGM5を作用させる際の条件としては、pH
3、反応温度50℃で15時間反応させるのが最適であ
る。
【0012】このようにして得られたマンノースは、さ
らにイオン交換樹脂や活性炭を用いた各種クロマトグラ
フィーを用いて精製することができる。また、噴霧乾燥
によって粉末状にしたり、エタノールを添加することに
よって結晶化させることができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 コプラミール200g(脂肪分10%、水分7.2%)
を2Lの水に懸濁した後、セルロシンGM5(阪急バイ
オインダストリー株式会社製マンナナーゼ、力価10,
000ユニット/g)を1g添加し、pH3、50℃で
12時間撹拌下で反応させた。反応終了後、静置し、上
澄みを濾過することによりマンノースを含む清澄な溶液
1.9Lを得た。この溶液中の糖の分析を高速液体カラ
ムクロマトグラフィーにより行った。分析用カラムはバ
イオラッド社製アミネックスHPX−87Pを用いた。
カラム温度は85℃、流速0.6ml/minとし、水
で溶出を行った。糖の検出は示差屈折計を用い、標準品
の定量値からマンノースの含有量を求めた。その結果、
この溶液1.9L中に53gのマンノースが蓄積してい
た。
【0014】次いで、この溶液をエチルエーテルで脱脂
した後、アニオン交換樹脂(室町化学社製ダウエックス
SAR、OH- 型、ベッドボリューム100ml)、カ
チオン交換樹脂(室町化学社製ダウエックスHCRW
2、H+ 型、ベッドボリューム100ml)、活性炭
(三菱化学社製ダイアホープS80、ベッドボリューム
100ml)にこの順序で通液し、マンノースを含む溶
液を回収した。回収した溶液をブリックス70となるま
でエバポレーターで濃縮し、マンノースを含む糖液を得
た。この糖液中のマンノースの純度は82%(水分は除
く)であった。
【0015】実施例2 ローカストビーンガム200gを2Lの水に懸濁した
後、セルロシンGM5(阪急バイオインダストリー株式
会社製マンナナーゼ、力価10,000ユニット/g)
を0.5g添加し、60℃で48時間撹拌下で反応させ
た。反応終了後、濾過することによりマンノースを含む
清澄な溶液1.9Lを得た。この溶液中の糖の分析を実
施例1と同様にして行った。その結果、1.9L中に8
5gのマンノースが蓄積していた。
【0016】次いで、この溶液をアニオン交換樹脂(ダ
ウエックスSAR,OH- 型、ベッドボリューム100
ml)、カチオン交換樹脂(ダウエックスHCRW2、
+型、ベッドボリューム100ml)、活性炭(三菱
化学社製ダイアホープS80、ベッドボリューム100
ml)にこの順序で通液し、マンノースを含む溶液を回
収した。回収した溶液をブリックス70となるまでエバ
ポレーターで濃縮した後、熱エタノールを最終濃度85
容量%となるように添加し、少量の結晶D−マンノース
を添加し、4℃で放置した。この溶液を濾過することに
より、55gの結晶マンノースを得た。得られたマンノ
ースの融点は131.5〜132.5℃であった。
【0017】実施例3 グアーガム200gを2Lの水に懸濁した後、セルロシ
ンGM5(阪急バイオインダストリー株式会社製マンナ
ナーゼ力価10,000ユニット/g)を1g添加し、
60℃で12時間撹拌下で反応させた。反応終了後、濾
過することによりマンノースを含む清澄な溶液1.9L
を得た。この溶液中の糖の分析を実施例1と同様にして
行った。その結果、1.9L中に68gのマンノースが
蓄積していた。
【0018】次いで、この溶液をアニオン交換樹脂(室
町化学社製ダウエックスSAR,OH- 型、ベッドボリ
ューム100ml)、カチオン交換樹脂(室町化学社製
ダウエックスHCRW2、H+ 型、ベッドボリューム1
00ml)、活性炭(三菱化学社製ダイアホープS8
0、ベッドボリューム100ml)にこの順序で通液
し、マンノースを含む溶液を回収した。回収した溶液を
ブリックス70となるまでエバポレーターで濃縮し、マ
ンノースを含む糖液を得た。この糖液中のマンノースの
純度は70%(水分は除く)であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、マンノースを効率良く
製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンナン又はこれを含有する物質に、下
    記の理化学的性質を有する酵素を作用させることを特徴
    とするマンノースの製造方法。 (1)作用 マンナンに作用してマンノースを遊離する。 (2)至適pH及び安定pH範囲 至適pHは4.0〜5.0であり、pH3〜9で安定で
    ある(20℃、20時間)。 (3)作用適温の範囲 45〜80℃の間で作用する。
JP21438797A 1997-08-08 1997-08-08 マンノースの製造方法 Pending JPH1146787A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001231592A (ja) * 2000-02-22 2001-08-28 Unitika Ltd マンノースの製造方法
WO2002008238A1 (fr) * 2000-07-24 2002-01-31 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Mannose cristallin et son procédé de fabrication
JP2016067290A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社ダイセル マンノース及び/又はマンノオリゴ糖含有組成物の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001231592A (ja) * 2000-02-22 2001-08-28 Unitika Ltd マンノースの製造方法
WO2002008238A1 (fr) * 2000-07-24 2002-01-31 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Mannose cristallin et son procédé de fabrication
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Effective date: 20040309

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