JP3075609B2 - セロオリゴ糖の製造方法 - Google Patents
セロオリゴ糖の製造方法Info
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- JP3075609B2 JP3075609B2 JP03283359A JP28335991A JP3075609B2 JP 3075609 B2 JP3075609 B2 JP 3075609B2 JP 03283359 A JP03283359 A JP 03283359A JP 28335991 A JP28335991 A JP 28335991A JP 3075609 B2 JP3075609 B2 JP 3075609B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セロオリゴ糖の新規な
製造方法に関する。
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特定の機能を有する機能性食品に
関する関心が高まっている。その中でオリゴ糖は、一般
的に整腸作用を有することが知られており、上記機能性
食品としての応用が期待されている。そして、2〜数個
のグルコースがβ−1,4結合したオリゴ糖であるセロオ
リゴ糖は、人間の消化酵素で分解されない故、上記整腸
機能が強く、機能性食品への応用が特に期待されてい
る。
関する関心が高まっている。その中でオリゴ糖は、一般
的に整腸作用を有することが知られており、上記機能性
食品としての応用が期待されている。そして、2〜数個
のグルコースがβ−1,4結合したオリゴ糖であるセロオ
リゴ糖は、人間の消化酵素で分解されない故、上記整腸
機能が強く、機能性食品への応用が特に期待されてい
る。
【0003】一方、一般にセロオリゴ糖の原料となるセ
ルロースは木材等に豊富に含まれ、世界的に見ても安定
供給が可能な原料の一つであるにもかかわらず、その食
物用途としての利用は現在極めて限られている。よって
セロオリゴ糖の原料としてセルロースを有効利用するこ
とは、人類の食物としての未利用資源の有効利用という
面からも極めて重要である。
ルロースは木材等に豊富に含まれ、世界的に見ても安定
供給が可能な原料の一つであるにもかかわらず、その食
物用途としての利用は現在極めて限られている。よって
セロオリゴ糖の原料としてセルロースを有効利用するこ
とは、人類の食物としての未利用資源の有効利用という
面からも極めて重要である。
【0004】従来のセロオリゴ糖の製造方法は化学的手
法としてMillerの方法 (Miller, G,L : Methods in Car
bohydrate Chemistry III, Cellulose, (Academic Pres
s),134 (1963)) などが知られている。しかし、この方
法は発煙塩酸によりセルロースを処理し、セロオリゴ糖
の分画に大型のカーボンセライトカラムを用いて大量の
エタノールで溶出するという煩雑な手法であった。
法としてMillerの方法 (Miller, G,L : Methods in Car
bohydrate Chemistry III, Cellulose, (Academic Pres
s),134 (1963)) などが知られている。しかし、この方
法は発煙塩酸によりセルロースを処理し、セロオリゴ糖
の分画に大型のカーボンセライトカラムを用いて大量の
エタノールで溶出するという煩雑な手法であった。
【0005】又、セルロースを微生物により産生される
セルラーゼにより分解し、セロオリゴ糖を生成させる方
法も見出されているが、微生物により産生されるセルラ
ーゼ中には、β−グルコシダーゼが多く含まれているた
め、セルロースの分解生産物の大部分はグルコースであ
った。そこでセルロースにβ−グルコシダーゼが吸着し
にくい性質を利用してβ−グルコシダーゼを除く方法が
開発され (特開昭63-226294)、また、β−グルコシダー
ゼを除かなくても、基質として柔細胞セルロースを選択
することでセロビオースを主として生成する方法も開発
された (特開平2-295492) 。しかし、これらの方法は工
業的に広く利用することを目的とした場合、前者は、β
−グルコシダーゼの除去率及びβ−グルコシダーゼ以外
の酵素の回収率が低いという面から、後者は、原料であ
る柔細胞セルロースが希少であるという面から必ずしも
有効な手段とはいえなかった。
セルラーゼにより分解し、セロオリゴ糖を生成させる方
法も見出されているが、微生物により産生されるセルラ
ーゼ中には、β−グルコシダーゼが多く含まれているた
め、セルロースの分解生産物の大部分はグルコースであ
った。そこでセルロースにβ−グルコシダーゼが吸着し
にくい性質を利用してβ−グルコシダーゼを除く方法が
開発され (特開昭63-226294)、また、β−グルコシダー
ゼを除かなくても、基質として柔細胞セルロースを選択
することでセロビオースを主として生成する方法も開発
された (特開平2-295492) 。しかし、これらの方法は工
業的に広く利用することを目的とした場合、前者は、β
−グルコシダーゼの除去率及びβ−グルコシダーゼ以外
の酵素の回収率が低いという面から、後者は、原料であ
る柔細胞セルロースが希少であるという面から必ずしも
有効な手段とはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、産業界におい
ては、上記の化学的手法に比較して簡便であり、かつ工
業的に有利な生化学的手法によるセロオリゴ糖の製造方
法の開発が望まれていた。
ては、上記の化学的手法に比較して簡便であり、かつ工
業的に有利な生化学的手法によるセロオリゴ糖の製造方
法の開発が望まれていた。
【0007】本発明者は、上記課題について鋭意検討し
た結果、微生物から産生されるセルラーゼよりβ−グル
コシダーゼを効果的に除いた酵素をセルロースに作用さ
せることにより、上記課題が解決可能であることを見出
した。すなわち、本発明は、セルロースをセルラーゼで
分解し、セロオリゴ糖を生成させる方法において、予め
セルラーゼをpH3.5〜5.0に平衡化した弱酸性陽イオン
交換樹脂に接触させることにより、セルラーゼ中のβ−
グルコシダーゼを選択的に除去し、かかるβ−グルコシ
ダーゼを除去したセルラーゼをセルロースに接触させる
ことを特徴とするセロオリゴ糖の製造方法を提供するも
のである。 A. 本発明製造方法に必須のβ−グルコシダーゼを除去
したセルラーゼは、セルラーゼを一定条件下、弱酸性陽
イオン交換樹脂に接触させることによって得ることがで
きる。
た結果、微生物から産生されるセルラーゼよりβ−グル
コシダーゼを効果的に除いた酵素をセルロースに作用さ
せることにより、上記課題が解決可能であることを見出
した。すなわち、本発明は、セルロースをセルラーゼで
分解し、セロオリゴ糖を生成させる方法において、予め
セルラーゼをpH3.5〜5.0に平衡化した弱酸性陽イオン
交換樹脂に接触させることにより、セルラーゼ中のβ−
グルコシダーゼを選択的に除去し、かかるβ−グルコシ
ダーゼを除去したセルラーゼをセルロースに接触させる
ことを特徴とするセロオリゴ糖の製造方法を提供するも
のである。 A. 本発明製造方法に必須のβ−グルコシダーゼを除去
したセルラーゼは、セルラーゼを一定条件下、弱酸性陽
イオン交換樹脂に接触させることによって得ることがで
きる。
【0008】この工程において用いられるセルラーゼの
種類は、特に限定されず、通常の培養によって得たセル
ラーゼを用いることもできるし、市販のセルラーゼを用
いることもできる。通常の培養によってセルラーゼを得
る場合は、例えば、Trichoderma 層の菌が産生するセル
ラーゼを用いることができる。かかる場合においては、
培地中のセルラーゼを精製することなしにそのまま、培
養液を本工程に付することができる。
種類は、特に限定されず、通常の培養によって得たセル
ラーゼを用いることもできるし、市販のセルラーゼを用
いることもできる。通常の培養によってセルラーゼを得
る場合は、例えば、Trichoderma 層の菌が産生するセル
ラーゼを用いることができる。かかる場合においては、
培地中のセルラーゼを精製することなしにそのまま、培
養液を本工程に付することができる。
【0009】本工程にかかる弱酸性陽イオン交換樹脂と
しては、例えば、カルボキシレート樹脂、イミノジアセ
テート樹脂、リン酸樹脂及びカルボキシメチル樹脂等を
挙げることができるが、高いβ−グルコシダーゼ吸着能
を有するという点でカルボキシレート樹脂を用いるのが
特に好ましい。本工程は、バッチ法によってもカラム法
によっても行なうことができる。
しては、例えば、カルボキシレート樹脂、イミノジアセ
テート樹脂、リン酸樹脂及びカルボキシメチル樹脂等を
挙げることができるが、高いβ−グルコシダーゼ吸着能
を有するという点でカルボキシレート樹脂を用いるのが
特に好ましい。本工程は、バッチ法によってもカラム法
によっても行なうことができる。
【0010】(1) バッチ法を採用する場合には、上記
弱酸性陽イオン交換樹脂を、セルラーゼの吸着前に、pH
3.5〜5.0に調整する。調整pHを3.5未満とした場合に
は、β−グルコシダーゼ以外の酵素もこのイオン交換樹
脂に吸着され、5.0を越える場合には、β−グルコシダ
ーゼ自体が吸着されない。pHの調整の為に用いられる緩
衝液は、セルラーゼとしての活性を失わずに、上記弱酸
性陽イオン交換樹脂を所望のpHに調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば酢酸緩衝液、リン酸緩衝
液、クエン酸緩衝液等を例示することができる。
弱酸性陽イオン交換樹脂を、セルラーゼの吸着前に、pH
3.5〜5.0に調整する。調整pHを3.5未満とした場合に
は、β−グルコシダーゼ以外の酵素もこのイオン交換樹
脂に吸着され、5.0を越える場合には、β−グルコシダ
ーゼ自体が吸着されない。pHの調整の為に用いられる緩
衝液は、セルラーゼとしての活性を失わずに、上記弱酸
性陽イオン交換樹脂を所望のpHに調整できるものであれ
ば、特に限定されず、例えば酢酸緩衝液、リン酸緩衝
液、クエン酸緩衝液等を例示することができる。
【0011】pH3.5〜5.0の上記緩衝液で弱酸性陽イオ
ン交換樹脂を平衡化した後、2〜10倍量好ましくは4倍
量程度の同一の緩衝液に懸濁した後、セルラーゼをイオ
ン交換樹脂量に対し、蛋白質で1/1000〜1/75倍量加え、
0〜60℃好ましくは4℃程度の温度雰囲気下で0.1〜5
時間好ましくは1時間程度攪拌する。攪拌後濾過又は遠
心分離等により緩衝液を回収する。この際同一の緩衝液
でこのイオン交換樹脂を洗浄し、かかる洗浄液をも回収
するのが、β−グルコシダーゼを除去したセルラーゼの
収量を上げる上において好ましい。
ン交換樹脂を平衡化した後、2〜10倍量好ましくは4倍
量程度の同一の緩衝液に懸濁した後、セルラーゼをイオ
ン交換樹脂量に対し、蛋白質で1/1000〜1/75倍量加え、
0〜60℃好ましくは4℃程度の温度雰囲気下で0.1〜5
時間好ましくは1時間程度攪拌する。攪拌後濾過又は遠
心分離等により緩衝液を回収する。この際同一の緩衝液
でこのイオン交換樹脂を洗浄し、かかる洗浄液をも回収
するのが、β−グルコシダーゼを除去したセルラーゼの
収量を上げる上において好ましい。
【0012】上記の回収した緩衝液又は洗浄液中には、
β−グルコシダーゼは、弱酸性陽イオン交換樹脂に吸着
される為、β−グルコシダーゼのみが除去された所望の
セルラーゼが含まれている。 (2) カラム法を採用する場合には、カラム充填剤を上
記緩衝液で、pH3.5〜5.0に平衡化した上記弱酸性陽イ
オン交換樹脂のカラムを用いて、バッチ法と同様の温度
条件下、イオン交換樹脂量に対し、蛋白質で1/1000〜1/
75倍量のセルラーゼをカラムに注入し、上記緩衝液を溶
出液として、カラムに流した場合の溶出画分より、β−
グルコシダーゼのみが除去された所望のセルラーゼを得
ることができる。
β−グルコシダーゼは、弱酸性陽イオン交換樹脂に吸着
される為、β−グルコシダーゼのみが除去された所望の
セルラーゼが含まれている。 (2) カラム法を採用する場合には、カラム充填剤を上
記緩衝液で、pH3.5〜5.0に平衡化した上記弱酸性陽イ
オン交換樹脂のカラムを用いて、バッチ法と同様の温度
条件下、イオン交換樹脂量に対し、蛋白質で1/1000〜1/
75倍量のセルラーゼをカラムに注入し、上記緩衝液を溶
出液として、カラムに流した場合の溶出画分より、β−
グルコシダーゼのみが除去された所望のセルラーゼを得
ることができる。
【0013】上記バッチ法又はカラム法により得られた
酵素液は、以下に述べるセルロースの分解工程にそのま
ま用いてもよく、また脱塩、凍結乾燥により粉末状にし
て使用することができる。なお、本工程に使用した弱酸
性陽イオン交換樹脂は、通常の再生法により繰り返し使
用することができる。 B. セロオリゴ糖は、上記工程によって得られたβ−グ
ルコシダーゼのみが除去されたセルロースをセルラーゼ
に作用させる工程を経て得られる。
酵素液は、以下に述べるセルロースの分解工程にそのま
ま用いてもよく、また脱塩、凍結乾燥により粉末状にし
て使用することができる。なお、本工程に使用した弱酸
性陽イオン交換樹脂は、通常の再生法により繰り返し使
用することができる。 B. セロオリゴ糖は、上記工程によって得られたβ−グ
ルコシダーゼのみが除去されたセルロースをセルラーゼ
に作用させる工程を経て得られる。
【0014】本工程に用いられるセルロース原料は、特
に限定されず、例えば木材チップ、農業副産物、果汁の
搾汁粕等を広く選択することができる。本工程はセルロ
ースをpH2〜9、好ましくはpH3〜7の溶液に懸濁し、
上記のβ−グルコシダーゼを除去したセルロースを添加
し、10〜65℃、好ましくは30〜60℃で0.5〜48時間、好
ましくは1〜12時間静置あるいは振とうしながら反応さ
せた後、反応溶液を遠心分離、あるいは濾過等により回
収することにより実行することができる。
に限定されず、例えば木材チップ、農業副産物、果汁の
搾汁粕等を広く選択することができる。本工程はセルロ
ースをpH2〜9、好ましくはpH3〜7の溶液に懸濁し、
上記のβ−グルコシダーゼを除去したセルロースを添加
し、10〜65℃、好ましくは30〜60℃で0.5〜48時間、好
ましくは1〜12時間静置あるいは振とうしながら反応さ
せた後、反応溶液を遠心分離、あるいは濾過等により回
収することにより実行することができる。
【0015】
【発明の効果】本発明により、セルロースより、セロオ
リゴ糖を簡易かつ効率的に得ることができる。
リゴ糖を簡易かつ効率的に得ることができる。
【0016】
【実施例】以下実施例を挙げ本発明について説明する。
なお、本発明に於ける生成糖の定量にはイオンクロマト
グラフィーを用いた。即ち、装置はDIONEX社製、糖分析
システム (BIOLC/BIO-U)を用い、カラムはCARBOPAC PA
1で100mM NaOHで溶出させ、ピーク面積により定量し
た。β−グルコシダーゼ活性の測定はD− (+) −セロ
ビオースを基質として、生成したグルコースをグルコー
ス測定用キット (商品名グルコースC−テストワコー、
和光純薬工業社製)により測定し行った。β−グルコシ
ダーゼ活性以外のセルラーゼ活性として基質にカルボキ
シルメチルセルロースナトリウム (CMC) を用いて、
生成還元糖をDNS法 (福井作蔵, “生物化学実験法
(還元糖の定量法) ”, 学会出版センター) により測定
した (CMCase活性) 。
なお、本発明に於ける生成糖の定量にはイオンクロマト
グラフィーを用いた。即ち、装置はDIONEX社製、糖分析
システム (BIOLC/BIO-U)を用い、カラムはCARBOPAC PA
1で100mM NaOHで溶出させ、ピーク面積により定量し
た。β−グルコシダーゼ活性の測定はD− (+) −セロ
ビオースを基質として、生成したグルコースをグルコー
ス測定用キット (商品名グルコースC−テストワコー、
和光純薬工業社製)により測定し行った。β−グルコシ
ダーゼ活性以外のセルラーゼ活性として基質にカルボキ
シルメチルセルロースナトリウム (CMC) を用いて、
生成還元糖をDNS法 (福井作蔵, “生物化学実験法
(還元糖の定量法) ”, 学会出版センター) により測定
した (CMCase活性) 。
【0017】
【実施例1】0.3M酢酸緩衝液によりpH3.0〜5.5の間
で平衡化した弱酸性陽イオン交換カルボキシレート樹脂
であるアンバーライトCG-50 (Rohm & Haas社製) を300
mlの同緩衝液に75ml懸濁し、4℃の雰囲気下で市販トリ
コデルマー ビリデ起源 (商品名明治セルラーゼTP-6
0、明治製菓社製) のセルラーゼ1.0gを加え1時間攪
拌した。ブフナーろうとを用いて緩衝液を回収し、ブフ
ナーろうと上のアンバーライトCG-50 を新たな緩衝液3
00mlで洗浄し、この洗浄液も先の回収緩衝液と合わせ
た。この回収緩衝液のβ−グルコシダーゼ活性およびCM
Case活性を調べた結果を図1に示した。これによるとpH
3.5以下ではβ−グルコシダーゼ活性は認められないが
CMCase活性も非常に低かった。また、pH5.0以上になる
とβ−グルコシダーゼがイオン交換樹脂に吸着しないこ
とが確認された。得られた各酵素液を分画分子量20,000
で限外濾過したのち、凍結乾燥を行い酵素粉末を得た。
次に1%ソルカフロック (山陽国策パルプ社製)1ml
(0.1M酢酸緩衝液pH6.5に懸濁) に得られた酵素粉末
を蛋白質濃度として0.1%となるように添加し、50℃で
2時間反応させた。その結果を下表に示した。
で平衡化した弱酸性陽イオン交換カルボキシレート樹脂
であるアンバーライトCG-50 (Rohm & Haas社製) を300
mlの同緩衝液に75ml懸濁し、4℃の雰囲気下で市販トリ
コデルマー ビリデ起源 (商品名明治セルラーゼTP-6
0、明治製菓社製) のセルラーゼ1.0gを加え1時間攪
拌した。ブフナーろうとを用いて緩衝液を回収し、ブフ
ナーろうと上のアンバーライトCG-50 を新たな緩衝液3
00mlで洗浄し、この洗浄液も先の回収緩衝液と合わせ
た。この回収緩衝液のβ−グルコシダーゼ活性およびCM
Case活性を調べた結果を図1に示した。これによるとpH
3.5以下ではβ−グルコシダーゼ活性は認められないが
CMCase活性も非常に低かった。また、pH5.0以上になる
とβ−グルコシダーゼがイオン交換樹脂に吸着しないこ
とが確認された。得られた各酵素液を分画分子量20,000
で限外濾過したのち、凍結乾燥を行い酵素粉末を得た。
次に1%ソルカフロック (山陽国策パルプ社製)1ml
(0.1M酢酸緩衝液pH6.5に懸濁) に得られた酵素粉末
を蛋白質濃度として0.1%となるように添加し、50℃で
2時間反応させた。その結果を下表に示した。
【0018】
【表1】
【0019】以上のように特にpH4.0〜5.0において酵
素処理するとセロオリゴ糖が多く生成され、この酵素の
調製法によりセロオリゴ糖の生成に適した酵素が得られ
た。
素処理するとセロオリゴ糖が多く生成され、この酵素の
調製法によりセロオリゴ糖の生成に適した酵素が得られ
た。
【0020】
【実施例2】0.3M酢酸緩衝液 (pH4.5) により平衡化
したアンバーライトCG-50 を6,000mlの同緩衝液に1,5
00ml懸濁し、4℃の雰囲気下で粗酵素として市販トリコ
デルマー ビリデ起源 (商品名明治セルラーゼTP-60、
明治製菓社製) のセルラーゼ18.0gを加え1時間攪拌し
た。次にブフナーろうとを用いて緩衝液を回収し、ま
た、ブフナーろうと上のアンバーライトCG-50を新たな
緩衝液6,000mlで洗浄し、同様にこの洗浄液も回収し先
の緩衝液と合わせた。回収した緩衝液は分画分子量20,0
00で限外濾過を行い濃縮した後、凍結乾燥し酵素粉末を
得た。この酵素粉末の Lowry法による蛋白質含量および
元の粗酵素からの蛋白質回収量はそれぞれ93%および8
8.6%であり、β−グルコシダーゼ活性は認められず、
β−グルコシダーゼをほぼ完全に除去できたことを確認
した。次に1Lの0.1M酢酸緩衝液 (pH6.5) にアセロ
ラ搾汁粕を乾燥したものを100g懸濁し、β−グルコシ
ダーゼを除去した酵素粉末を0.3g加え、50℃で4時間
反応させた。その結果、糖化液中のグルコース、セロビ
オースはそれぞれ12.0g/l、55.5g/lであり、セロビオー
スの量はグルコースの約4.5倍の生成量であった。
したアンバーライトCG-50 を6,000mlの同緩衝液に1,5
00ml懸濁し、4℃の雰囲気下で粗酵素として市販トリコ
デルマー ビリデ起源 (商品名明治セルラーゼTP-60、
明治製菓社製) のセルラーゼ18.0gを加え1時間攪拌し
た。次にブフナーろうとを用いて緩衝液を回収し、ま
た、ブフナーろうと上のアンバーライトCG-50を新たな
緩衝液6,000mlで洗浄し、同様にこの洗浄液も回収し先
の緩衝液と合わせた。回収した緩衝液は分画分子量20,0
00で限外濾過を行い濃縮した後、凍結乾燥し酵素粉末を
得た。この酵素粉末の Lowry法による蛋白質含量および
元の粗酵素からの蛋白質回収量はそれぞれ93%および8
8.6%であり、β−グルコシダーゼ活性は認められず、
β−グルコシダーゼをほぼ完全に除去できたことを確認
した。次に1Lの0.1M酢酸緩衝液 (pH6.5) にアセロ
ラ搾汁粕を乾燥したものを100g懸濁し、β−グルコシ
ダーゼを除去した酵素粉末を0.3g加え、50℃で4時間
反応させた。その結果、糖化液中のグルコース、セロビ
オースはそれぞれ12.0g/l、55.5g/lであり、セロビオー
スの量はグルコースの約4.5倍の生成量であった。
【図1】アンバーライトCG-50の処理pHとβ−グルコシ
ダーゼ活性およびCMCase活性の関係を示したものであ
る。
ダーゼ活性およびCMCase活性の関係を示したものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/14 C12N 9/42 BIOSIS(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】 セルロースをセルラーゼで分解し、セロ
オリゴ糖を生成させる方法において、予めセルラーゼを
pH3.5〜5.0に平衡化した弱酸性陽イオン交換樹脂に接
触させることにより、セルラーゼ中のβ−グルコシダー
ゼを選択的に除去し、かかるβ−グルコシダーゼを除去
したセルラーゼをセルロースに接触させることを特徴と
するセロオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項2】 弱酸性陽イオン交換樹脂が、カルボキシ
レート系樹脂である請求項1記載のセロオリゴ糖の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03283359A JP3075609B2 (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | セロオリゴ糖の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03283359A JP3075609B2 (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | セロオリゴ糖の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05115293A JPH05115293A (ja) | 1993-05-14 |
JP3075609B2 true JP3075609B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=17664469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03283359A Expired - Fee Related JP3075609B2 (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | セロオリゴ糖の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3075609B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5290474A (en) * | 1990-10-05 | 1994-03-01 | Genencor International, Inc. | Detergent composition for treating cotton-containing fabrics containing a surfactant and a cellulase composition containing endolucanase III from trichoderma ssp |
CA2093422C (en) * | 1990-10-05 | 2001-04-03 | DETERGENT COMPOSITIONS CONTAINING LOW CBH I CONTENT CELLULASE COMPOSITIONS | |
US5997913A (en) * | 1990-12-10 | 1999-12-07 | Genencor International, Inc. | Method enhancing flavor and aroma in foods by overexpression of β-glucosidase |
JPH06503960A (ja) * | 1990-12-10 | 1994-05-12 | ジェネンコア インターナショナル インコーポレーテッド | TRICHODERMA REESEIのβ−グルコシダーゼ遺伝子のクローニングおよび増幅によるセルロースの改良糖化 |
WO2006011479A1 (ja) | 2004-07-27 | 2006-02-02 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | セロオリゴ糖の製造方法 |
JP4789501B2 (ja) * | 2005-04-25 | 2011-10-12 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | セルラーゼの製造方法 |
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