JP2643368B2 - 基質充填型リアクターによるキシロオリゴ糖の製造方法 - Google Patents
基質充填型リアクターによるキシロオリゴ糖の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は不溶性キシランから酵素分解によりキシロビ
オースを効率良く製造する方法に関するものである。
オースを効率良く製造する方法に関するものである。
本発明の方法で製造されるキシロビオースは、キシロ
ース2分子がβ−1,4結合した二糖類で、自然界では、
竹の子などに遊離の形で含まれている。生理的には難消
化性の糖であり、ビフィズス菌を選択的に増殖させる作
用のあることが見出されている。物理的には水分活性引
き下げ効果、不凍効果、保水効果にすぐれ、更に甘味度
が砂糖の30%という低甘味であることから、食品分野に
おける新しい素材の一つとしてその有用性が注目されて
いる。
ース2分子がβ−1,4結合した二糖類で、自然界では、
竹の子などに遊離の形で含まれている。生理的には難消
化性の糖であり、ビフィズス菌を選択的に増殖させる作
用のあることが見出されている。物理的には水分活性引
き下げ効果、不凍効果、保水効果にすぐれ、更に甘味度
が砂糖の30%という低甘味であることから、食品分野に
おける新しい素材の一つとしてその有用性が注目されて
いる。
(従来の技術) キシロビオースを製造するに当たって、キシランを多
く含む、植物原料を酸などで加水分解する方法は、加水
分解速度が速く、キシロオリゴ糖の段階で反応が止まる
ように制御することが極めて困難であった。また、高温
・高圧下での爆砕処理による方法では、分解混合物から
のキシロビオース精製工程が煩雑であり、収率も低いた
め工業生産には適さない。
く含む、植物原料を酸などで加水分解する方法は、加水
分解速度が速く、キシロオリゴ糖の段階で反応が止まる
ように制御することが極めて困難であった。また、高温
・高圧下での爆砕処理による方法では、分解混合物から
のキシロビオース精製工程が煩雑であり、収率も低いた
め工業生産には適さない。
そこで、キシロビオースの製造は、一般に不溶性キシ
ラン懸濁液にヘミセルラーゼを添加して、主として回分
方式で行われている。しかしながら、この方法も、
(1)酵素が多量に必要である。;(2)生成物である
キシロビオースは酵素の拮抗阻害剤として働く;(3)
分解残渣から生成物を得るための濾過工程が必要とな
る;等の問題のためキシロビオースを大量生産すること
は難しく、試薬に供しうる程度の規模の生産しか行われ
ていない。このため、生成したキシロビオースを限外濾
過膜を使って連続して分離し、酵素に対する阻害を回避
する方法も試みられているが、この方法では限外濾過膜
の濾過面に反応系中の含有純物や分解残渣が付着して濾
過効率を低下させる欠点があり、実用性には乏しい。
ラン懸濁液にヘミセルラーゼを添加して、主として回分
方式で行われている。しかしながら、この方法も、
(1)酵素が多量に必要である。;(2)生成物である
キシロビオースは酵素の拮抗阻害剤として働く;(3)
分解残渣から生成物を得るための濾過工程が必要とな
る;等の問題のためキシロビオースを大量生産すること
は難しく、試薬に供しうる程度の規模の生産しか行われ
ていない。このため、生成したキシロビオースを限外濾
過膜を使って連続して分離し、酵素に対する阻害を回避
する方法も試みられているが、この方法では限外濾過膜
の濾過面に反応系中の含有純物や分解残渣が付着して濾
過効率を低下させる欠点があり、実用性には乏しい。
またヘミセルラーゼを固定化してカラムに充填し、こ
れに可溶性キシラン(キシラン含有量の高い原料を高温
・高圧にて爆砕処理した後、抽出したもの)を通液し、
キシロビオースを製造する方法もあるが、可溶性キシラ
ンの調製が煩雑であり、生産効率や固定化酵素の安定性
の面からみても必ずしも満足なものではない。
れに可溶性キシラン(キシラン含有量の高い原料を高温
・高圧にて爆砕処理した後、抽出したもの)を通液し、
キシロビオースを製造する方法もあるが、可溶性キシラ
ンの調製が煩雑であり、生産効率や固定化酵素の安定性
の面からみても必ずしも満足なものではない。
(発明が解決しようとする課題) キシロビオース製造の上記問題の原因は、キシランの
糖化に用いる酵素が高価であること、および酵素糖化に
用いる適当な装置が開発されていなかったこと等にあ
り、そのような糖化システムの生産性、運転の容易性、
装置の経済性を最適に高める方法の開発が要求されてい
た。
糖化に用いる酵素が高価であること、および酵素糖化に
用いる適当な装置が開発されていなかったこと等にあ
り、そのような糖化システムの生産性、運転の容易性、
装置の経済性を最適に高める方法の開発が要求されてい
た。
本発明はキシロビオースの生産に伴う種々の問題点を
解消し、経済的なキシロビオースの製造方法を提供する
ことを目的とする。より詳細には、本発明は従来の回分
方式の糖化方法と比較して、(1)酵素の使用量の削減
が可能であり;(2)生成物が系外に除かれることによ
り酵素活性に対する生成物阻害を回避し、それにより高
濃度の基質の使用を可能とし;(3)生成物を比較的純
度の高い状態で分離させてその後の精製を容易とし;
(4)以上により使用酵素当たりのキシロビオースの生
産効率を著しく向上させることができる、キシロビオー
スの製造方法を提供することを目的とする。
解消し、経済的なキシロビオースの製造方法を提供する
ことを目的とする。より詳細には、本発明は従来の回分
方式の糖化方法と比較して、(1)酵素の使用量の削減
が可能であり;(2)生成物が系外に除かれることによ
り酵素活性に対する生成物阻害を回避し、それにより高
濃度の基質の使用を可能とし;(3)生成物を比較的純
度の高い状態で分離させてその後の精製を容易とし;
(4)以上により使用酵素当たりのキシロビオースの生
産効率を著しく向上させることができる、キシロビオー
スの製造方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、ヘミセルラーゼが、キシランとの反応
に先立ち、キシランに吸着することを見出した。この現
象を利用して、基質となる不溶性キシランを充填したプ
ログフロー型リアクターを使用して、キシロビオースを
製造する方法を検討し、本発明を完成した。
に先立ち、キシランに吸着することを見出した。この現
象を利用して、基質となる不溶性キシランを充填したプ
ログフロー型リアクターを使用して、キシロビオースを
製造する方法を検討し、本発明を完成した。
即ち、本発明の方法は不溶性キシランをカラムに充填
し、キシランに吸着するヘミセルラーゼを選択し、この
ヘミセルラーゼを前記カラムに流して連続的に基質との
接触を行わせ、該酵素による糖化反応でキシロビオース
を主成分とするキシロオリゴ糖を生成させて、これを適
当な溶出液でカラム外に流出させることを特徴とし、こ
れにより生成物の酵素阻害を回避し、効率良くキシロビ
オースを生産する方法である。
し、キシランに吸着するヘミセルラーゼを選択し、この
ヘミセルラーゼを前記カラムに流して連続的に基質との
接触を行わせ、該酵素による糖化反応でキシロビオース
を主成分とするキシロオリゴ糖を生成させて、これを適
当な溶出液でカラム外に流出させることを特徴とし、こ
れにより生成物の酵素阻害を回避し、効率良くキシロビ
オースを生産する方法である。
本明細書において、『不溶性キシラン』とは、水溶性
媒に不溶性のキシランまたはキシランを実質的成分とし
て含有する水性溶媒不溶性の物質を意味する。例えば、
竹西(科学と工業,47,513〜523(1969))により示され
ている様に、不溶性キシランは、木質系原料をアルカリ
で抽出した後、酸で処理して得ることができる。その他
に本発明の原料としては、非木質系キシランとしてのコ
ーンコブ、バガスおよび綿実殻等の天然物をそのまま直
接用いても良い。天然物の直接使用はキシロビオースの
工業的製造に適する。
媒に不溶性のキシランまたはキシランを実質的成分とし
て含有する水性溶媒不溶性の物質を意味する。例えば、
竹西(科学と工業,47,513〜523(1969))により示され
ている様に、不溶性キシランは、木質系原料をアルカリ
で抽出した後、酸で処理して得ることができる。その他
に本発明の原料としては、非木質系キシランとしてのコ
ーンコブ、バガスおよび綿実殻等の天然物をそのまま直
接用いても良い。天然物の直接使用はキシロビオースの
工業的製造に適する。
本発明の方法に用いるヘミセルラーゼの例は、キシラ
ンに吸着してキシランをキシロビオースに分解する任意
の酵素である。そのような酵素の典型例は、例えば特開
昭62−155095号に示されており、トリコデルマ属、アス
ペルギルス属、フミコーラ属、ケトミウム属、バチラス
属、ストレプトミセス属等の微生物起源の酵素剤が都合
よく使用できる。
ンに吸着してキシランをキシロビオースに分解する任意
の酵素である。そのような酵素の典型例は、例えば特開
昭62−155095号に示されており、トリコデルマ属、アス
ペルギルス属、フミコーラ属、ケトミウム属、バチラス
属、ストレプトミセス属等の微生物起源の酵素剤が都合
よく使用できる。
カラムへの不溶性キシランの充填やヘミセルラーゼ導
入には、特別の制限はない。ヘミセルラーゼによるカラ
ム内での糖化反応は、該酵素の作用に適するpHおよび温
度で行う。糖化反応で生成したキシロオリゴ糖のカラム
からの流出は、糖化反応と同様のpHおよび温度で行うこ
とが好ましいが、他の適当な条件で水性溶媒を用いて行
うこともできる。
入には、特別の制限はない。ヘミセルラーゼによるカラ
ム内での糖化反応は、該酵素の作用に適するpHおよび温
度で行う。糖化反応で生成したキシロオリゴ糖のカラム
からの流出は、糖化反応と同様のpHおよび温度で行うこ
とが好ましいが、他の適当な条件で水性溶媒を用いて行
うこともできる。
本発明の方法においては、キシランの酵素分解をカラ
ムで行う際に、ヘミセルラーゼがキシランへ吸着するこ
とが重要である。従って、不溶性キシランは、そのまま
カラムに充填しても本発明の効果を充分に達成すること
ができるが、セライトのような濾過助剤とともにカラム
に充填すると、キシランとヘミセルラーゼとの吸着を助
け、ヘミセルラーゼが基質であるキシランに充分に作用
することができるので、より好ましい。セライトを用い
る代わりに、カラムの出口にヘミセルラーゼの濾過を妨
げる限外濾過膜を設け、カラムに吸着されずに溶出して
くるヘミセルラーゼ成分があるときはこの膜で回収し、
再度カラムに循環させることも好ましい方法である。
ムで行う際に、ヘミセルラーゼがキシランへ吸着するこ
とが重要である。従って、不溶性キシランは、そのまま
カラムに充填しても本発明の効果を充分に達成すること
ができるが、セライトのような濾過助剤とともにカラム
に充填すると、キシランとヘミセルラーゼとの吸着を助
け、ヘミセルラーゼが基質であるキシランに充分に作用
することができるので、より好ましい。セライトを用い
る代わりに、カラムの出口にヘミセルラーゼの濾過を妨
げる限外濾過膜を設け、カラムに吸着されずに溶出して
くるヘミセルラーゼ成分があるときはこの膜で回収し、
再度カラムに循環させることも好ましい方法である。
本発明の方法においては、前記のとおりヘミセルラー
ゼがカラム内の基質に吸着するため、分解生成物である
キシロオリゴ糖は、ヘミセルラーゼよりも先にカラムか
ら溶出する。そのため、ヘミセルラーゼが生成物阻害を
受けることが無いという利点がある。さらに、キシロオ
リゴ糖と別に後から溶出する酵素を回収して再使用する
ことが可能であるという利点もある。しかも、キシロオ
リゴ糖は濾過されて清澄な液として比較的高純度ど溶出
されるから、キシロビオースの精製工程も容易となり、
これも本発明の利点である。
ゼがカラム内の基質に吸着するため、分解生成物である
キシロオリゴ糖は、ヘミセルラーゼよりも先にカラムか
ら溶出する。そのため、ヘミセルラーゼが生成物阻害を
受けることが無いという利点がある。さらに、キシロオ
リゴ糖と別に後から溶出する酵素を回収して再使用する
ことが可能であるという利点もある。しかも、キシロオ
リゴ糖は濾過されて清澄な液として比較的高純度ど溶出
されるから、キシロビオースの精製工程も容易となり、
これも本発明の利点である。
本発明方法は、不溶性キシランを充填したカラムを、
一段あるいは多段で使用する。多段式カラムは大規模の
生産に特に適する。その際、ヘミセルラーゼに対する生
成物阻害をより完全に回避するため、生成するキシロオ
リゴ糖を各段のカラムの毎に回収することも可能であ
る。
一段あるいは多段で使用する。多段式カラムは大規模の
生産に特に適する。その際、ヘミセルラーゼに対する生
成物阻害をより完全に回避するため、生成するキシロオ
リゴ糖を各段のカラムの毎に回収することも可能であ
る。
以上のようにして、カラムから溶出されたキシロオリ
オゴ糖から、目的のキシロビオースを単離することは、
慣用のクロマトグラフィー、活性炭カラム或いはイオン
交換クロマトグラフィー等で容易に行うことが可能であ
る。例えば、三菱化生製SK−104Sのような樹脂を用いて
クロマトグラフィーを行うことが出来る。
オゴ糖から、目的のキシロビオースを単離することは、
慣用のクロマトグラフィー、活性炭カラム或いはイオン
交換クロマトグラフィー等で容易に行うことが可能であ
る。例えば、三菱化生製SK−104Sのような樹脂を用いて
クロマトグラフィーを行うことが出来る。
以下、本発明の方法を実験例および実施例に基づいて
詳しく説明するが、これらの実験例は、本発明の範囲を
限定するものではない。
詳しく説明するが、これらの実験例は、本発明の範囲を
限定するものではない。
実験例1 キシランからヘミセルラーゼを用いてキシロビオース
を生産する際に、反応生成物が酵素活性に対していかな
る挙動を示すかを先ず検討した。
を生産する際に、反応生成物が酵素活性に対していかな
る挙動を示すかを先ず検討した。
酵素剤としては、トリコデルマ・ビリデ由来のヘミセ
ルラーゼ剤(スチームTX、新日本化学工業KK製;以下酵
素TXと言う)を用いた。
ルラーゼ剤(スチームTX、新日本化学工業KK製;以下酵
素TXと言う)を用いた。
実験開始に当たってまず、使用する酵素TXの活性を検
討した。その為に、L字型試験管に木質系のラーチウッ
ド・キシラン(東京化成製「キシラン」製品番号X−00
1)を50mM酢酸緩衝液(pH4.5)で0.625%の懸濁液とし
たもの2mlを入れたのち、酵素TX溶液を0.5ml加え、40℃
および120rpmで30分間振とうして反応させた。反応液を
主に河合の方法(醗酵工学会誌50,691(1972))に従
い、ソモギーネルソン法を用いて分析し、1分間にキシ
ロースとして1μmoleの還元糖を生成する酵素活性を1
ユニットとした。以下に使用する酵素TXは酵素粉末1g当
たり10,000ユニットのヘミセルラーゼ活性を主に有する
ものである。
討した。その為に、L字型試験管に木質系のラーチウッ
ド・キシラン(東京化成製「キシラン」製品番号X−00
1)を50mM酢酸緩衝液(pH4.5)で0.625%の懸濁液とし
たもの2mlを入れたのち、酵素TX溶液を0.5ml加え、40℃
および120rpmで30分間振とうして反応させた。反応液を
主に河合の方法(醗酵工学会誌50,691(1972))に従
い、ソモギーネルソン法を用いて分析し、1分間にキシ
ロースとして1μmoleの還元糖を生成する酵素活性を1
ユニットとした。以下に使用する酵素TXは酵素粉末1g当
たり10,000ユニットのヘミセルラーゼ活性を主に有する
ものである。
次に、この酵素剤を用いて酵素活性に及ぼす反応生成
物の影響を検討した。
物の影響を検討した。
不溶性キシラン(ナカライ・テスク(株)製「キシラ
ン」カタログNo.366−10EP)の1、2および5%の各濃
度の懸濁液5mlに酵素TXを2.5mg(25ユニット)添加し
て、40℃および120rpmで30分間振とうして酵素反応を行
い、生成したキシロビオースを液体クロマトグラフィー
(カラム:Bio−Rad社製,HPX−87H、溶離液:0.01N H2S
O4、検出器:ShodexRI SE−51)で定量して、1分間に生
成するキシロビオース濃度(V)を求めた。更に、基質
キシランにキシロビオースを各々0.2および0.5%になる
ように加えた場合についても、同様な実験を行いその各
々について、1/Sおよび1/Vを求めて第1図に示すよう
に、ラインウィーバー−バーク・プロット(Lineweaver
−Burk,plot)を行った。図中、白丸、黒丸、および白
三角は、それぞれキシロビオース濃度0%、0.2%およ
び0.5%のプロットを示す。その結果、生成物であるキ
シロビオースは酵素TXの拮抗阻害剤であることが明らか
になった。
ン」カタログNo.366−10EP)の1、2および5%の各濃
度の懸濁液5mlに酵素TXを2.5mg(25ユニット)添加し
て、40℃および120rpmで30分間振とうして酵素反応を行
い、生成したキシロビオースを液体クロマトグラフィー
(カラム:Bio−Rad社製,HPX−87H、溶離液:0.01N H2S
O4、検出器:ShodexRI SE−51)で定量して、1分間に生
成するキシロビオース濃度(V)を求めた。更に、基質
キシランにキシロビオースを各々0.2および0.5%になる
ように加えた場合についても、同様な実験を行いその各
々について、1/Sおよび1/Vを求めて第1図に示すよう
に、ラインウィーバー−バーク・プロット(Lineweaver
−Burk,plot)を行った。図中、白丸、黒丸、および白
三角は、それぞれキシロビオース濃度0%、0.2%およ
び0.5%のプロットを示す。その結果、生成物であるキ
シロビオースは酵素TXの拮抗阻害剤であることが明らか
になった。
なお、以下で用いた不溶性キシランは全てナカライ・
テスク(株)より購入した「キシラン」(カタログNo.3
66−10EP)である。
テスク(株)より購入した「キシラン」(カタログNo.3
66−10EP)である。
実験例2 次に、酵素(TX)と基質(キシラン)の反応中の挙動
を明らかにするために、以下の実験を行った。
を明らかにするために、以下の実験を行った。
不溶性キシランの5%懸濁液に、最終濃度0.44%にな
るように酵素TXを加え、pH4.5で40℃にて振とうし、糖
化反応を行った。そして、上澄にどれだけの酵素が遊離
して存在しているかを求めた。実験は、経時的に反応液
をサンプリングして氷冷したのち、12,000rpmで10分間
遠心分離して得られた上澄液中の酵素活性を測定するこ
とにより行った。酵素活性の測定は実験例1と同様に行
った。上澄への酵素遊離率は、 の式で示した。この実験の結果、第2図に示すとおり、
キシランと酵素を混合した直後(反応0時間目)では、
加えた酵素の12%程度の酵素が上澄に遊離しているに過
ぎず、残りの88%の酵素は基質であるキシランに吸着し
ており、一方、反応開始後2時間の時点では、上澄へ約
50%の酵素が遊離していることがわかった。
るように酵素TXを加え、pH4.5で40℃にて振とうし、糖
化反応を行った。そして、上澄にどれだけの酵素が遊離
して存在しているかを求めた。実験は、経時的に反応液
をサンプリングして氷冷したのち、12,000rpmで10分間
遠心分離して得られた上澄液中の酵素活性を測定するこ
とにより行った。酵素活性の測定は実験例1と同様に行
った。上澄への酵素遊離率は、 の式で示した。この実験の結果、第2図に示すとおり、
キシランと酵素を混合した直後(反応0時間目)では、
加えた酵素の12%程度の酵素が上澄に遊離しているに過
ぎず、残りの88%の酵素は基質であるキシランに吸着し
ており、一方、反応開始後2時間の時点では、上澄へ約
50%の酵素が遊離していることがわかった。
さらにこの時、同時に測定したキシロース(X1)、キ
シロビオース(X2)、キシロトライオース(X3)の生成
の経時的変化を第3図に示す。なお、生成糖の測定は、
特開昭61−242592号公報に開示されている方法に従っ
た。この結果、反応開始後2時間目の時点ではキシラン
の約50%がキシロース、キシロビオースまたはキシロト
ライオースに変換されていることが明らかになった。
シロビオース(X2)、キシロトライオース(X3)の生成
の経時的変化を第3図に示す。なお、生成糖の測定は、
特開昭61−242592号公報に開示されている方法に従っ
た。この結果、反応開始後2時間目の時点ではキシラン
の約50%がキシロース、キシロビオースまたはキシロト
ライオースに変換されていることが明らかになった。
これらの結果から、酵素TXを基質キシランと混合する
と、酵素は一旦キシランに吸着した後、キシランが分解
するに従って上澄側に遊離することが推測された。
と、酵素は一旦キシランに吸着した後、キシランが分解
するに従って上澄側に遊離することが推測された。
実施例1 キシラン充填カラム式 (1)上記で実験例1で、反応生成物が酵素活性の拮抗
阻害剤として働くことが示された。一方、上記実験例2
より、酵素TXは一旦キシランに吸着した後反応が進行す
ると推測されたので、この性質を利用した基質充填型の
リアクターが生成物による酵素活性阻害を回避する上で
有効であろうと考え、本実施例の方法を開発した。
阻害剤として働くことが示された。一方、上記実験例2
より、酵素TXは一旦キシランに吸着した後反応が進行す
ると推測されたので、この性質を利用した基質充填型の
リアクターが生成物による酵素活性阻害を回避する上で
有効であろうと考え、本実施例の方法を開発した。
第6図に示すキシラン充填カラムを含むリアクター・
システムを用意し、不溶性キシラン50gを、内径50mmの
ジャケット付カラムに充填すると、その容量は158mlと
なった。カラム全体を40℃に保温しながら、そのベッド
上に酵素TXを1.1g導入した後、50mM酢酸緩衝液(pH4.
5)を空間速度(Space Velocity:SV)0.3/hrの下降流
で通液し、流出液を適当なフラクションごとに分取し
た。その糖組成を特開昭61−242592号公報に開示されて
いる方法で測定し、また酵素活性を実験例1の方法で測
定した。その結果を第4図に示す。図中、X1はキシロー
スを、そしてX2はキシロビオースをそれぞれ表す。この
カラムから得られた流出液は清澄な液であり、得られた
キシロビオースの合計は14.5gに達した。このことか
ら、本実施例のリアクター・システムを用いる方法で
は、キシロビオース1kgを得るためには、約76gの酵素TX
が必要であることがわかった。また、第4図の結果によ
れば、点線で示される酵素活性フラクションはキシロビ
オースよりも有意に遅くカラムから溶出された。
システムを用意し、不溶性キシラン50gを、内径50mmの
ジャケット付カラムに充填すると、その容量は158mlと
なった。カラム全体を40℃に保温しながら、そのベッド
上に酵素TXを1.1g導入した後、50mM酢酸緩衝液(pH4.
5)を空間速度(Space Velocity:SV)0.3/hrの下降流
で通液し、流出液を適当なフラクションごとに分取し
た。その糖組成を特開昭61−242592号公報に開示されて
いる方法で測定し、また酵素活性を実験例1の方法で測
定した。その結果を第4図に示す。図中、X1はキシロー
スを、そしてX2はキシロビオースをそれぞれ表す。この
カラムから得られた流出液は清澄な液であり、得られた
キシロビオースの合計は14.5gに達した。このことか
ら、本実施例のリアクター・システムを用いる方法で
は、キシロビオース1kgを得るためには、約76gの酵素TX
が必要であることがわかった。また、第4図の結果によ
れば、点線で示される酵素活性フラクションはキシロビ
オースよりも有意に遅くカラムから溶出された。
(2)次に、比較例として、上記のリアクター・システ
ムを用いる方法と従来の回分方式での結果を比較するた
めに、このリアクターにおけるキシラン濃度にできるだ
け近い条件で回分方式での生産効率を検討した。即ち、
キシランの濃度をできるだけ高濃度にするため、キシラ
ンの濃度を完全混合状態で撹拌できる最高濃度の20%に
して実験を行った。
ムを用いる方法と従来の回分方式での結果を比較するた
めに、このリアクターにおけるキシラン濃度にできるだ
け近い条件で回分方式での生産効率を検討した。即ち、
キシランの濃度をできるだけ高濃度にするため、キシラ
ンの濃度を完全混合状態で撹拌できる最高濃度の20%に
して実験を行った。
具体的には、キシラン20gに50mM酢酸緩衝液(pH4.5)
を88ml加え100mlにした後、酵素TXを0.5g(5000ユニッ
ト)添加して、40℃および120rpmで8時間振とう反応を
行った。反応終了液にセライト1.5gを加え、ブフナー・
ロートを用いて濾過を行い、濾液85mlを得た。濾液から
得られたキシロビオースは3.3gであった。即ち、キシロ
ビオース1kgを得るためには152gの酵素TXが必要であっ
た。
を88ml加え100mlにした後、酵素TXを0.5g(5000ユニッ
ト)添加して、40℃および120rpmで8時間振とう反応を
行った。反応終了液にセライト1.5gを加え、ブフナー・
ロートを用いて濾過を行い、濾液85mlを得た。濾液から
得られたキシロビオースは3.3gであった。即ち、キシロ
ビオース1kgを得るためには152gの酵素TXが必要であっ
た。
上記における本発明のカラム方式と比較例の回分方式
によるキシロビオースの生成効率を第1表に示す。
によるキシロビオースの生成効率を第1表に示す。
第1表の結果に基づいて回分方式と本発明のカラム方
式とを比較すると、本発明では、キシロビオース生成
に必要な酵素量は回分方式の1/2であり;本発明にお
けるキシロビオースの生成量は回分方式の1.8倍であ
り;本発明ではキシロビオースは濾過されて溶出され
るため、回分方式のようにブフナー・ロートを用いた濾
過工程を必要とせず;そして第1表に示したX2/X1の
比からわかるように、生成したキシロビオースの純度の
低下も認められなかった。
式とを比較すると、本発明では、キシロビオース生成
に必要な酵素量は回分方式の1/2であり;本発明にお
けるキシロビオースの生成量は回分方式の1.8倍であ
り;本発明ではキシロビオースは濾過されて溶出され
るため、回分方式のようにブフナー・ロートを用いた濾
過工程を必要とせず;そして第1表に示したX2/X1の
比からわかるように、生成したキシロビオースの純度の
低下も認められなかった。
これらの結果は、基質の高濃度化にもかかわらず、本
発明のカラム方式の効果として生成物が先に系外に溶出
されるので、酵素活性の阻害が回避されたためと思われ
る。
発明のカラム方式の効果として生成物が先に系外に溶出
されるので、酵素活性の阻害が回避されたためと思われ
る。
実施例2 キシラン・セライト充填カラム方式 実施例1で、キシラン充填カラム方式がキシロビオー
スの製造に有用であることが示されたが、次にキシラン
にセライトを混合してカラムに充填し、キシロビオース
の製造における効果を検討した。
スの製造に有用であることが示されたが、次にキシラン
にセライトを混合してカラムに充填し、キシロビオース
の製造における効果を検討した。
不溶性キシラン50gとハイフロスーパーセル(ナカラ
イ・テスク(株)製:15gals/seq.ft/hr)50gを均一に混
合し、ジャケット付カラム(直径5cm×高さ34cm)に充
填し、このベッド上に酵素TXを1.1g導入し、50mM酢酸緩
衝液(pH4.5)を空間速度(SV)0.3/hrの下降流で通液
した。その間カラム全体を40℃に保温した。流出液は各
フラクションに分取し、実施例1の方法に従い糖組成お
よびキシロビオース量を測定した。第5図に生成物およ
び酵素の溶出パターンを示す。
イ・テスク(株)製:15gals/seq.ft/hr)50gを均一に混
合し、ジャケット付カラム(直径5cm×高さ34cm)に充
填し、このベッド上に酵素TXを1.1g導入し、50mM酢酸緩
衝液(pH4.5)を空間速度(SV)0.3/hrの下降流で通液
した。その間カラム全体を40℃に保温した。流出液は各
フラクションに分取し、実施例1の方法に従い糖組成お
よびキシロビオース量を測定した。第5図に生成物およ
び酵素の溶出パターンを示す。
本実施例で溶出されたキシロビオースは25gであり、
このキシラン・セライト混合カラム方式によりキシロビ
オース1kg得るためには44gの酵素で充分であることがわ
かった。また、キシラン分解率は最高98%に達した。
このキシラン・セライト混合カラム方式によりキシロビ
オース1kg得るためには44gの酵素で充分であることがわ
かった。また、キシラン分解率は最高98%に達した。
本実施例のセライト−基質混合カラムによる、キシロ
ビオースの生成効率も、前記第1表に示されている。そ
れによれば、セライトがカラム内に共存すると、キシラ
ンのみを充填した場合より更に酵素効率(即ち酵素1g当
たりのキシロビオース生成量)が上昇し、キシランの高
分解率が得られた。これはセライトの働きで、酵素TX中
の比較的キシランに吸着し難い酵素成分の急速なカラム
外への溶出が阻止されたためと考えられる。
ビオースの生成効率も、前記第1表に示されている。そ
れによれば、セライトがカラム内に共存すると、キシラ
ンのみを充填した場合より更に酵素効率(即ち酵素1g当
たりのキシロビオース生成量)が上昇し、キシランの高
分解率が得られた。これはセライトの働きで、酵素TX中
の比較的キシランに吸着し難い酵素成分の急速なカラム
外への溶出が阻止されたためと考えられる。
また、カラムから流出するキシロビオースの純度も、
セライトの働きで上昇した。
セライトの働きで上昇した。
実施例3 多段式カラムによる酵素の再利用 実験例2ならびに実施例1および2から、酵素は基質
に一旦吸着するため、糖より遅れてカラムから溶出され
てくることが見出された。そこで、この遅れて出てくる
酵素を回収して次のカラムへ導入することにより、酵素
を再使用する可能性を検討するため以下の実験を行っ
た。
に一旦吸着するため、糖より遅れてカラムから溶出され
てくることが見出された。そこで、この遅れて出てくる
酵素を回収して次のカラムへ導入することにより、酵素
を再使用する可能性を検討するため以下の実験を行っ
た。
即ち、不溶性キシラン25gとハイフロスーパーセル25g
を実施例1と同様に均一に混合し、それを充填したカラ
ム(直径5cm×高さ6.5cm)を1段で使用し、酵素TXを1.
1g含む50mM酢酸緩衝液(pH4.5)10mlを流した後、同緩
衝液(pH4.5)を84ml/hrの下降流で通液した。その他の
反応条件および測定条件は実施例1と同様に行った。同
様に、酵素TXの1.1gに対し、カラムを直列に2段、4段
または8段連結した場合の糖化効率を検討した。その結
果、第2表に示すように8段の直列カラムでは、1kgの
キシロビオースを得るために19.4gの酵素で充分である
ことがわかった。これは実に回分方式で必要な酵素量の
1/8であり、大幅な酵素量の削減が可能になった。
を実施例1と同様に均一に混合し、それを充填したカラ
ム(直径5cm×高さ6.5cm)を1段で使用し、酵素TXを1.
1g含む50mM酢酸緩衝液(pH4.5)10mlを流した後、同緩
衝液(pH4.5)を84ml/hrの下降流で通液した。その他の
反応条件および測定条件は実施例1と同様に行った。同
様に、酵素TXの1.1gに対し、カラムを直列に2段、4段
または8段連結した場合の糖化効率を検討した。その結
果、第2表に示すように8段の直列カラムでは、1kgの
キシロビオースを得るために19.4gの酵素で充分である
ことがわかった。これは実に回分方式で必要な酵素量の
1/8であり、大幅な酵素量の削減が可能になった。
なお、上記各直列カラムの間に、例えば三方コックな
どを設置し、先に流出してくる反応生成物だけを回収す
ることも可能である。
どを設置し、先に流出してくる反応生成物だけを回収す
ることも可能である。
実施例4 酵素TXにはキシランに吸着し易い酵素成分と吸着しに
くい成分の存在が認められ、基質充填カラム内での移動
速度が異なる。そのため、基質に吸収しにくい成分は先
にカラム外に流出されてしまう。しかし、実施例1およ
び2に見られたように、効率的にキシロビオースを生成
するためには、TX中の全活性成分の存在が必要である。
そこで、カラム外に流出してくる酵素を限外濾過膜で回
収しながら元のカラムに還流し、再使用するため第7図
に示す装置を作製し、キシロビオース生産の実験を行っ
た。
くい成分の存在が認められ、基質充填カラム内での移動
速度が異なる。そのため、基質に吸収しにくい成分は先
にカラム外に流出されてしまう。しかし、実施例1およ
び2に見られたように、効率的にキシロビオースを生成
するためには、TX中の全活性成分の存在が必要である。
そこで、カラム外に流出してくる酵素を限外濾過膜で回
収しながら元のカラムに還流し、再使用するため第7図
に示す装置を作製し、キシロビオース生産の実験を行っ
た。
ジャケット付カラム(直径5cm×高さ34cm)に不溶性
キシラン50gを充填し、1.1gの酵素TXを導入して50mM酢
酸緩衝液(pH4.5)を流した。その他の条件および測定
方法は実施例1に示したものと同じである。カラムとフ
ラクションコレクターの間に分画分子量10,000の限外濾
過膜PM−10(アミコン社製)を設置し、流出液がその膜
を通過できるが、酵素分子はこの膜に捕捉されるように
した。流出量は48ml/hrに設定したが、クローズドシス
テムであるため膜の透過流速が律速となり、最終的には
32ml/hrで運転流速は一定となった。充填したキシラン
がほぼ100%分解されるまで運転を行った結果、キシロ
ビオースが25.7g生成され、実施例1で示した回分方式
の約3.6倍の酵素効率であった。
キシラン50gを充填し、1.1gの酵素TXを導入して50mM酢
酸緩衝液(pH4.5)を流した。その他の条件および測定
方法は実施例1に示したものと同じである。カラムとフ
ラクションコレクターの間に分画分子量10,000の限外濾
過膜PM−10(アミコン社製)を設置し、流出液がその膜
を通過できるが、酵素分子はこの膜に捕捉されるように
した。流出量は48ml/hrに設定したが、クローズドシス
テムであるため膜の透過流速が律速となり、最終的には
32ml/hrで運転流速は一定となった。充填したキシラン
がほぼ100%分解されるまで運転を行った結果、キシロ
ビオースが25.7g生成され、実施例1で示した回分方式
の約3.6倍の酵素効率であった。
実施例5 基質として綿実殻を用いる例 微粉砕した綿実殻100gに10倍量の脱イオン水を加え、
100℃で1時間煮沸した後、上澄を除去した。こうした
処理された綿実殻は吸水して203gとなり、容量は331ml
となった。これを内径50mmのジャケット付カラム(5Φ
×34cm)に充填し、そのベッド上に酵素TXを1.1g導入
し、50mM酢酸緩衝液(pH4.5)を流速10ml/hr(空間速
度:SV0.03/h)で通液した。その他の反応条件および測
定条件は実施例1と同様に行なった。
100℃で1時間煮沸した後、上澄を除去した。こうした
処理された綿実殻は吸水して203gとなり、容量は331ml
となった。これを内径50mmのジャケット付カラム(5Φ
×34cm)に充填し、そのベッド上に酵素TXを1.1g導入
し、50mM酢酸緩衝液(pH4.5)を流速10ml/hr(空間速
度:SV0.03/h)で通液した。その他の反応条件および測
定条件は実施例1と同様に行なった。
このカラムから溶出された生成糖は、キシロース12.0
g、キシロビオース11.9g、キシロトリオース以上のオリ
ゴ糖10.6g、およびグルコース3.8gであった。
g、キシロビオース11.9g、キシロトリオース以上のオリ
ゴ糖10.6g、およびグルコース3.8gであった。
本実施例で使用した綿実殻には、乾物当たり約38%の
キシランが含まれており、この方法により綿実殻中のキ
シランからのキシロビオースの生成効率は、31.3%(1
1.9/38×100≒31.3%)であった。
キシランが含まれており、この方法により綿実殻中のキ
シランからのキシロビオースの生成効率は、31.3%(1
1.9/38×100≒31.3%)であった。
実施例6 基質としてコーンコブを用いる方法 微粉砕したコーンコブ(トウモロコシの芯)100gに0.
5%NaOHを1加え、98℃で1時間煮沸した。上澄を除
去し、pHが8以下になるまで脱イオン水で洗浄した。処
理後のコーンコブは吸水して405gになり、容量は500ml
となる。これを内径50mmのジャケット付カラム(5φ×
34cm)に充填し、以下、実施例5と同様の反応条件およ
び測定条件で実験行った。その結果、キシロース8g、キ
シロビオース11g、キシロトリオース以上のオリゴ糖8g
およびグルコース4gが生成された。
5%NaOHを1加え、98℃で1時間煮沸した。上澄を除
去し、pHが8以下になるまで脱イオン水で洗浄した。処
理後のコーンコブは吸水して405gになり、容量は500ml
となる。これを内径50mmのジャケット付カラム(5φ×
34cm)に充填し、以下、実施例5と同様の反応条件およ
び測定条件で実験行った。その結果、キシロース8g、キ
シロビオース11g、キシロトリオース以上のオリゴ糖8g
およびグルコース4gが生成された。
実施例7 基質としてバガスを用いる方法 微粉砕したバガス(サトウキビの絞り粕)100gに0.5
%NaOH1を加え、98℃で1時間煮沸した。上澄を除去
し、pHが8以下になるまで脱イオン水で洗浄した。処理
後のコーンコブは吸水して410gになり、容量は700mlと
なる。これを内径50mmのジャケット付カラム(5φ×40
cm)に充填し、以下、実施例5と同様の反応条件および
測定条件で実験を行った。その結果、キシロース2g、キ
シロビオース6g、キシロトリオース以上のオリゴ糖7gお
よびグルコース4gが生成された。
%NaOH1を加え、98℃で1時間煮沸した。上澄を除去
し、pHが8以下になるまで脱イオン水で洗浄した。処理
後のコーンコブは吸水して410gになり、容量は700mlと
なる。これを内径50mmのジャケット付カラム(5φ×40
cm)に充填し、以下、実施例5と同様の反応条件および
測定条件で実験を行った。その結果、キシロース2g、キ
シロビオース6g、キシロトリオース以上のオリゴ糖7gお
よびグルコース4gが生成された。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、従来の回分方式の糖化方法に
よるキシロビオースの製造方法と比較して、酸素の使用
量の大幅な削減が可能であり;生成物による酵素活性の
阻害が回避されるから、高濃度の基質の使用が可能であ
り;生成物が比較的純度の高い状態で得られるため、そ
の後の精製が容易であり;従って、使用酵素当たりのキ
シロビオースの生産効率が著しく向上する。
よるキシロビオースの製造方法と比較して、酸素の使用
量の大幅な削減が可能であり;生成物による酵素活性の
阻害が回避されるから、高濃度の基質の使用が可能であ
り;生成物が比較的純度の高い状態で得られるため、そ
の後の精製が容易であり;従って、使用酵素当たりのキ
シロビオースの生産効率が著しく向上する。
第1図は、酵素TXの活性が生成物であるキシロビオース
により阻害されることを示すグラフである。 第2図は、実験例2の糖化反応において、キシロビオー
スの生成と共に、反応上澄中の遊離酵素TXの量が増加す
る様子を表すグラフである。 第3図は、実験例2の糖化反応において、キシロース
(X1)、キシロビオース(X2)およびキシロトライオー
ス(X3)の生成の経時的変化を追跡したグラフである。 第4図は、実施例1のカラムからキシロビオースおよび
酵素TXが溶出される様子を、キシロースおよびキシロト
リオースの生成も併せて示すグラフである。 第5図は、実施例2のキシラン・セライト充填カラムか
ら、キシロビオースおよび酵素TXが溶出される様子を、
キシロースの生成も併せて示すグラフである。 第6図は、実施例1の方法で使用したリアクター・シス
テムの概略図である。 第7図は、実施例4の方法で使用したリアクター・シス
テムの概略図である。
により阻害されることを示すグラフである。 第2図は、実験例2の糖化反応において、キシロビオー
スの生成と共に、反応上澄中の遊離酵素TXの量が増加す
る様子を表すグラフである。 第3図は、実験例2の糖化反応において、キシロース
(X1)、キシロビオース(X2)およびキシロトライオー
ス(X3)の生成の経時的変化を追跡したグラフである。 第4図は、実施例1のカラムからキシロビオースおよび
酵素TXが溶出される様子を、キシロースおよびキシロト
リオースの生成も併せて示すグラフである。 第5図は、実施例2のキシラン・セライト充填カラムか
ら、キシロビオースおよび酵素TXが溶出される様子を、
キシロースの生成も併せて示すグラフである。 第6図は、実施例1の方法で使用したリアクター・シス
テムの概略図である。 第7図は、実施例4の方法で使用したリアクター・シス
テムの概略図である。
Claims (10)
- 【請求項1】原料キシランを充填したカラムにヘミセル
ラーゼを流して、キシロビオースを含むキシロオリゴ糖
を生成させ、カラム外に溶出させた該キシロオリゴ糖か
らキシロビオースを単離することよりなる、キシロビオ
ースの製造方法。 - 【請求項2】原料キシランを濾過助剤と混合してカラム
に充填する、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】単数のカラムを使用する、請求項1または
2記載の方法。 - 【請求項4】カラムを複数本直列につないで使用し、各
カラムから流出したヘミセルラーゼを次のカラムに導入
する、請求項1または2記載の方法。 - 【請求項5】カラムから溶出される酵素分画を回収し
て、再度同じカラムに循環させる、請求項4記載の方
法。 - 【請求項6】カラムから溶出されるキシロオリゴ糖を各
カラム毎に回収し、実質的にキシロオリゴ糖を含まない
ヘミセルラーゼを下流のカラムに流す、請求項4記載の
方法。 - 【請求項7】pH3.5〜7.5および温度20〜60℃の条件で行
う、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項8】ヘミセルラーゼがトリコデルマ属起源の酵
素剤である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
方法。 - 【請求項9】原料のキシランが、不溶性キシランであ
り、木質系、綿実殻、コーンコブ、およびバガスよりな
る群から選ばれる、請求項1ないし8のいずれか1項に
記載の方法。 - 【請求項10】原料のキシランが、綿実殻、コーンコ
ブ、およびバガスよりなる群から選ばれた微粉末であ
る、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25361688A JP2643368B2 (ja) | 1988-10-07 | 1988-10-07 | 基質充填型リアクターによるキシロオリゴ糖の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25361688A JP2643368B2 (ja) | 1988-10-07 | 1988-10-07 | 基質充填型リアクターによるキシロオリゴ糖の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02100694A JPH02100694A (ja) | 1990-04-12 |
JP2643368B2 true JP2643368B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=17253841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25361688A Expired - Lifetime JP2643368B2 (ja) | 1988-10-07 | 1988-10-07 | 基質充填型リアクターによるキシロオリゴ糖の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2643368B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2965322B2 (ja) * | 1990-05-31 | 1999-10-18 | サントリー株式会社 | 皮膚外用剤 |
JP2006034206A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Forestry & Forest Products Research Institute | セロビオースの製造方法、β−グルコシダーゼの分離除去方法およびセルラーゼの回収方法 |
JP4791058B2 (ja) * | 2005-03-14 | 2011-10-12 | 三和澱粉工業株式会社 | 酵素製品の分離精製及びそれによって得られる酵素による分解組成物 |
CN100422736C (zh) * | 2005-12-08 | 2008-10-01 | 上海复星临西药业有限公司 | 低聚木糖片中低聚木糖的检测方法 |
CN111470505B (zh) * | 2020-03-02 | 2021-09-03 | 北京林业大学 | 一种油茶低聚木糖、木质素及活性炭的联产方法 |
-
1988
- 1988-10-07 JP JP25361688A patent/JP2643368B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02100694A (ja) | 1990-04-12 |
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