JP2014090707A - リグノセルロース含有バイオマスの酵素糖化処理方法及びリグノセルロース含有バイオマスからのエタノール製造方法 - Google Patents

リグノセルロース含有バイオマスの酵素糖化処理方法及びリグノセルロース含有バイオマスからのエタノール製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リグノセルロース原料から糖類及びエタノールを効率的に生産する方法を提供する。
【解決手段】
酵素糖化反応に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料をセルロース糖化酵素を含有する水溶液に添加し調製した原料懸濁液を培養槽を用いて酵素糖化処理するリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法において、培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リグノセルロースを含有するバイオマスから効率的に糖類、及びエタノールを製造する方法に関する。
再生可能資源であるバガスや稲わら、木材チップなどのバイオマス資源からエタノールを製造し、エネルギーや化学原料として利用する試みが内外で進められている。
植物系バイオマス中の多糖類から発酵基質となる単糖や小糖類を製造する方法として酵素やその酵素を生産する微生物を用いて加水分解する酵素糖化法がある。酵素分解により、バイオマスに含まれるセルロースやヘミセルロースが分解されて、グルコース、ガラクトース、マンノース等の六炭糖やキシロース、アラビノース等の五炭糖が生成される。
酵素分解により生成された糖類(六炭糖、五炭糖)を原料として酵母等の微生物で発酵させてエタノールを生産することが可能である。工業的規模でエタノール生産を行う場合、糖化工程(又は併行糖化発酵工程)での糖類あるいはエタノールの生産に適した条件を最適化することが重要である。
セルロース系バイオマスの併行糖化発酵によりエタノールを生産する方法において、反応槽内のバイオマスの乾燥固形分濃度を5〜20重量%で糖化発酵を行う方法が報告されている(特許文献1)。また、セルロース含有原料から糖化及び発酵によりエタノールを製造する方法において、不溶性固形分濃度を25質量%以下で糖化を行う方法が報告されている(特許文献2)。しかし、工業的規模で連続的に糖類やエタノールの生産を行う場合、糖化工程(又は併行糖化発酵工程)で用いる反応槽の容量に対して原料の添加量が多いと反応槽内での攪拌が困難になったり、連続運転する場合、反応槽内での原料の滞留時間が短いと原料が十分に糖類に分解されないという問題がある。従って、糖類やエタノールの生産性を向上するためには、連続反応に適した糖化(又は併行糖化発酵工程)システムの開発が望まれている。
特開2011−182741号公報 特開2012−55302号公報
本発明の課題は、リグノセルロースを含有するバイオマスから効率的に糖類、及びエタノールを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、リグノセルロース系原料をセルロース糖化酵素を含有する水溶液に添加し調製した原料懸濁液を培養槽を用いて酵素糖化処理するリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法において、培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理(又は併行糖化発酵)を行うことにより効率良く糖類、又はエタノールを生産できることを見出し、下記発明を完成した。
(1)リグノセルロース系原料をセルロース糖化酵素を含有する水溶液に添加した原料懸濁液を培養槽を用いて酵素糖化処理するリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法において、前記培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とするリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(2)前記培養槽が、直列に連結された少なくとも2槽の培養槽から構成され、前記直列に連結された少なくとも2槽の培養槽のうちの最後の培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とする(1)項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(3)前記少なくとも2槽の培養槽のうちの最後の培養槽の前に位置する培養槽のうちのいずれか1槽の培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が15.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とする(2)項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(4)前記培養槽が、直列に連結された2槽の培養槽(一次培養槽と二次培養槽)から構成され、一次培養槽内の溶液容量と二次培養槽内の溶液容量の比率が7:3〜3:7の範囲で酵素糖化処理を行い、一次培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が15.0質量%以下、かつ二次培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とする(1)項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(5)前記培養槽を並列に配置することを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(6)前記リグノセルロース原料が、リグノセルロース系原料に対して化学的処理、加圧熱水処理、機械的処理から選択される1つ以上の処理を含む前処理が施された原料であることを特徴とする(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(7)前記化学的処理が、リグノセルロース原料に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜10質量%のアルカリを添加し加熱する加熱処理であることを特徴とする(6)項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(8)前記酵素糖化処理が糖類を発酵基質とする発酵用微生物を用いて酵素糖化処理と発酵処理を併行して行う併行糖化発酵処理であることを特徴とする(1)〜(7)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化発酵処理方法。
(9)(1)〜(7)項に記載の酵素糖化処理方法で糖類を製造する方法。
(10)(8)項に記載の酵素糖化発酵処理方法でエタノールを製造する方法。
本発明により、リグノセルロース系原料をセルロース糖化酵素を含有する水溶液に添加し調製した原料懸濁液を培養槽を用いて酵素糖化処理するリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法において、培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化(又は併行糖化発酵)を行うことにより効率良く糖類、又はエタノールを生産することが可能となる。
本発明のリグノセルロース系原料からの糖類、又はエタノールの連続生産方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のリグノセルロース系原料からの糖類、又はエタノールの連続生産方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のリグノセルロース系原料からの糖類、又はエタノールの連続生産方法を実施するための装置の一例を示す図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
<リグノセルロース系原料>
本発明の方法で原料として使用するリグノセルロース系原料としては、木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、木本性植物の切株から発生した萌芽、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、草本系としてケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等が挙げられる。
また、バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等を原料として利用することができる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであっても用いることができる。
前記木質系のリグノセルロース系原料としては、ユーカリ(Eucalyptus)属植物、ヤナギ(Salix)属植物、ポプラ属植物、アカシア(Acacia)属植物、スギ(Cryptomeria)属植物等が利用できるが、ユーカリ属植物、アカシア属、ヤナギ属植物が原料として大量に採取し易いため好ましい。木本性植物由来のリグノセルロース系原料の中では、林地残材(樹皮、枝葉を含む)、樹皮が好ましい。例えば、製紙原料用として一般に用いられるユーカリ(Eucalyptus)属又はアカシア(Acacia)属等の樹種の樹皮は、製紙原料用の製材工場やチップ工場等から安定して大量に入手可能であるため、特に好適に用いられる。
<機械的処理>
本発明では、前記リグノセルロース原料に機械的処理を施すことができる。機械的処理としては、切断、裁断、破砕、磨砕等の任意の機械的手段が挙げられ、リグノセルロースを次工程の化学的処理工程で糖化され易い状態にすることである。使用する機械装置については特に限定されないが、例えば、切出し装置、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー、レファイナー、ニーダー、ボールミル等を用いることができる。
前記機械的処理の前工程又は後工程として、異物(石、ゴミ、金属、プラステック等のリグノセルロース以外の異物)を除去するための洗浄などによる異物除去工程を導入することもできる。
原料を洗浄する方法としては、例えば、原料に水を噴射して原料に混合されている異物を除く方法、あるいは、原料を水中に浸漬し異物を沈降させて取り除く方法等が挙げられる。また、メタルトラップ、洗浄ドレーナー等の装置を用いて、異物を原料から分離する方法が挙げられる。
原料に異物が含まれていると、リファイナーのディスク(プレート)等の機械的処理で用いる装置の部品を破損させる可能性があるし、配管が詰まる等の製造工程内でトラブルを起こす等の問題が発生するため、異物除去工程を導入することが望ましい。
<化学的処理>
前記、機械的処理を施したリグノセルロース原料を次に化学的処理することが望ましい。化学的処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ薬品、又は、亜硫酸ナトリウムと前記アルカリ薬品の中から選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する溶液に浸漬する化学的処理を含む前処理である。また、オゾン、二酸化塩素などの酸化剤による化学的処理も可能である。
化学的処理は、前記機械的処理と組み合わせてそれらの前処理の後処理として行うことが好適である。
化学的処理で使用する薬品の添加量は、状況に応じて任意に調整可能であるが、薬品コストを低減するために、またセルロースの溶出・過分解による収率低下を抑制するために、リグノセルロース系原料の絶乾100質量部に対して50質量部以下であることが望ましい。化学的処理における薬品の水溶液への浸漬時間及び処理温度は、使用する原料や薬品によって任意に設定可能であるが、処理時間20〜90分、処理温度80〜200℃が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理時間は70分以下、処理温度は180℃以下であることが好ましい。
化学処理として、リグノセルロース原料(乾燥重量)に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%のアルカリを添加することもできる。リグノセルロースに亜硫酸ナトリウムを前記の添加量で単独で添加して加熱処理すると、加水分解中に酢酸等の有機酸が生成するためpHの低下が起こり加水分解液が酸性となる。加水分解液が酸性の条件下で加水分解を継続すると加水分解で生成されたキシロースがフルフラールに変換するという問題が発生する。フルフラールは、エタノール発酵の阻害物質となるため可能な限り生成させないことが望ましい。また、発酵基質であるキシロースの収率が低下するため結果としてエタノール生産効率が低下する。本発明では、リグノセルロース原料に前記の添加量で亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤としてアルカリを添加して加熱処理することにより、加水分解中のpHが中性〜弱アルカリ性に維持されるため、フルフラールの生成及びキシロースの収率低下を抑制することができる。また、加熱処理後(加水分解後)のリグノセルロースを含む水溶液のpHが4.0〜7.0(中性〜弱アルカリ性)となるため、加水分解処理後の廃液あるいは加水分解物を中和するための薬品の使用量を低減できるというメリットがある。
前記pH調整剤として用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの薬品に特に限定されない。使用するアルカリは、水酸化ナトリウムが望ましい。
前記、リグノセルロース原料(乾燥重量)に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%のアルカリを添加して加熱処理を行う場合の加熱処理温度は、80〜200℃が好ましく、120〜180℃がさらに好ましい。また、加熱処理時間は、10〜300分で行うことができるが、30〜120分が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理温度は、180℃以下、処理時間は120分以下であることが好ましい。
(磨砕処理)
本発明では、前記化学処理により得られたリグノセルロース原料をレファイナーのディスク(プレート)のクリアランスを0.1〜2.0mmの範囲で磨砕することが好ましく0.1〜1.0mmの範囲がさらに好ましい。使用するレファイナーとしては、シングルディスクレファイナー、ダブルディスクレファイナー等を使用することができ相対するディスクのクリアランスを0.1〜2.0mmの範囲に設定できるレファイナーであれば特に制限なく使用することができる。ディスクのクリアランスが2.0mmを超えると糖化または併行糖化発酵で得られる糖収率が添加するため好ましくない。一方、ディスクのクリアランスが0.1mmより低いとレファイナーで磨砕処理した後の加水分解物(固形分)の収率が低下するため好ましくない。また、ディスクのクリアランスが0.1mmより低いとレファイナーの運転に要する電気消費量が増大するため好ましくない。
前記の磨砕処理が施されているリグノセルロース系原料を水溶液と固形分に固液分離し、固形分を糖化または併行糖化発酵の原料として用いる。固液分離する方法としては、例えば、スクリュープレス等を用いて水溶液と固形分に分離することができ、水溶液と固形分に分離することができる装置であれば制限なく使用することができる。
前記の固形分離後の原料を用いて糖化または併行糖化発酵を行う前に殺菌処理を行うことが好ましい。リグノセルロース系バイオマス原料中に雑菌が混入していると、酵素による糖化を行う際に雑菌が糖を消費して生成物の収量が低下してしまうという問題が発生する。
殺菌処理は、酸やアルカリなど、菌の生育困難なpHに原料を晒す方法でも良いが、高温下で処理する方法でも良く、両方を組み合わせても良い。酸、アルカリ処理後の原料については、中性付近、もしくは、糖化及び/又は糖化発酵工程に適したpHに調整した後に原料として使用することが好ましい。また、高温殺菌した場合も、室温もしくは糖化発酵工程に適した温度まで降温させてから原料として使用することが好ましい。このように、温度やpHを調整してから原料を送り出すことで、好適pH、好適温度外に酵素が晒されて、失活することを防ぐことができる。
前記前処理が施されているリグノセルロース原料が、糖化工程、又は併行糖化発酵工程へ供給される。
<糖化工程>
酵素糖化反応に適した前処理が施されたリグノセルロース系原料は、適量の水と酵素と混合されて原料懸濁液とされ、糖化工程へ供給される。リグノセルロース系原料は酵素(セルラーゼ、ヘミセルラーゼ)により糖化(セルロース→グルコース、ヘミセルロース→グルコース、キシロース)される。
<併行糖化発酵工程>
酵素糖化反応に適した前処理が施されたリグノセルロース系原料は、適量の水と酵素と混合されて原料懸濁液とされ、さらに酵母等の微生物と混合されて併行糖化発酵工程へ供給される。リグノセルロース系原料は酵素により糖化され、生成された糖類が酵母によりエタノールに発酵される。
本発明では、糖化工程又は併行糖化発酵工程において、図2に示すような培養槽BR1を用いることもできるし、図1に示すような直列に連結された2槽の培養槽(一次培養槽A、及び二次培養槽B)から構成される培養槽BR1を用いることもできる。また、又、少なくとも2槽以上の培養槽を直列に連結した培養槽を用いることもできる。図1に示す2槽の培養槽(一次培養槽Aと二次培養槽B)から構成される培養槽BR1を用いる場合の一次培養槽A内の溶液容量と二次培養槽B内の溶液容量の比率は7:3〜3:7の範囲が好ましく、6;4〜4:6の範囲がさらに好ましい。
前記培養槽は、糖化又は併行糖化発酵を行うことが可能な培養槽であれば培養槽の容量、形状、材質は特に制限されない。
図2に示す方法では、前記リグノセルロース系原料は培養槽BR1の供給口4から連続的あるいは断続的に添加される。添加する原料は、固形分の状態でも良いし、水溶液に懸濁した状態でも良い。培養槽BR1内で原料の糖化処理又は併行糖化発酵処理が行われ、糖化処理の場合では糖類が生成され、併行糖化発酵処理の場合では生成された糖類が同時にエタノールに変換される。前記糖化処理又は併行糖化発酵処理後の処理液は培養槽BR1の排出口5から連続的あるいは断続的に排出される。培養槽BR1の排出口5から排出される処理液に含まれる固形分(乾燥重量)の濃度は12.0質量%以下が好ましく、0.5〜11.0質量%の範囲がさらに好ましく、1.0〜11.0質量%の範囲が特に好ましい。培養槽BR1の排出口に含まれる固形分濃度(固形分は乾燥重量)を前記範囲に維持することにより、効率的に糖類あるいはエタノールを生産することができる。
図1に示す方法では、前記リグノセルロース系原料は一次培養槽Aの供給口1から連続的あるいは断続的に添加される。添加する原料は、固形分の状態でも良いし、水溶液に懸濁した状態でも良い。一次培養槽A内で原料の糖化処理又は併行糖化発酵処理が行われ、糖化処理の場合では糖類が生成され、併行糖化発酵処理の場合では生成された糖類が同時にエタノールに変換される。前記糖化処理又は併行糖化発酵処理後の処理液は一次培養槽Aの排出口2から連続的あるいは断続的に排出される。一次培養槽Aの排出口2から排出される処理液に含まれる固形分(乾燥重量)の濃度は15質量%以下が好ましく、0.5〜12.0質量%の範囲がさらに好ましく、1.5〜12.0質量%の範囲が特に好ましい。
前記一次培養槽Aの排出口2から排出された処理液は、二次培養槽Bの供給口から二次培養槽B内に供給される。二次培養槽B内へ供給された処理液に含まれる未分解の繊維や多糖類はさらに二次培養槽B内で糖化処理又は併行糖化発酵処理され、糖化処理の場合では糖類が生成され、併行糖化発酵処理の場合では生成された糖類が同時にエタノールに変換される。糖化処理又は併行糖化発酵処理後の処理液は二次培養槽Bの排出口3から連続的あるいは断続的に排出される。二次培養槽Bの排出口3から排出される処理液に含まれる固形分(乾燥重量)の濃度は、12.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がさらに好ましく、0.5〜10.0質量%の範囲が特に好ましい。
図1に示す方法では、一次培養槽Aの排出口2から排出される処理液に含まれる固形分(乾燥重量)の濃度を15.0質量%以下、かつ二次培養槽Bの排出口3から排出される処理液に含まれる固形分(乾燥重量)の濃度を12.0質量%以下の範囲に維持して、糖化又は併行糖化発酵を行うことが好ましい。一次培養槽Aと二次培養槽Bの排出口に含まれる固形分濃度(固形分は乾燥重量)を前記範囲に維持することにより、効率的に糖類あるいはエタノールを生産することができる。
本発明では、少なくとも2槽以上の培養槽を直列に連結して糖化又は併行糖化発酵に用いることもできる。少なくとも2槽以上の培養槽を直列に連結した場合の最後の培養槽(直列に連結された培養槽のうち最後に連結されている培養槽)の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がさらに好ましく、0.5〜10.0質量%の範囲が特に好ましい。
また、少なくとも2槽以上の培養槽を直列に連結した培養槽を用いる場合、最後の培養槽(直列に連結された培養槽のうち最後に連結されている培養槽)より前に配置された培養槽のうちのいずれか1槽の培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は15.0質量%以下が好ましく、0.5〜12.0質量%の範囲がさらに好ましく、1.5〜12.0質量%の範囲が特に好ましい。
本発明では、前記培養槽(1槽の培養槽、あるいは2槽以上の培養槽が直列に連結されている場合はこの連結されている全部の培養槽)を並列に配置して糖化又は並行糖化発酵を行うことができ、いずれの培養槽(少なくとも1槽以上の培養槽)を用いて糖化又は並行糖化発酵を行っても良い。
糖化又は併行糖化発酵で使用するセルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素である。
各セルロース分解酵素は、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販されているセルラーゼ製剤は、上記の各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルラーゼ製剤を用いれば良い。
市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス(Trametes)属、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤がある。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
原料固形分100質量部に対するセルラーゼ製剤の使用量は、0.5〜100質量部が好ましく、1〜50質量部が特に好ましい。
糖化工程又は併行糖化発酵工程での反応液のpHは3.5〜10.0の範囲に維持することが好ましく、pH4.0〜7.5の範囲に維持することがさらに好ましい。
糖化工程又は併行糖化発酵工程での反応液の温度は、酵素の至適温度の範囲内であれば特に制限はなく、25〜50℃が好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。反応は、連続式が好ましいが、セミバッチ式、バッチ式でも良い。
糖化工程又は併行糖化発酵工程における各培養槽(培養槽BR1、一次培養槽A又は二次培養槽B)での反応液の滞留時間は、3〜100時間が好ましく、5〜50時間さらに好ましい。
併行糖化発酵工程では、糖類(六炭糖、五炭糖)が発酵できる発酵微生物を用いる。発酵微生物としては、サッカロマイセス・セラビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等の酵母やザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)等の細菌が挙げられる。六炭糖が発酵できる発酵微生物として、サッカロマイセス・セラビシエ、イサチェンキア・オリエンタリスを用いることが好ましい。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換微生物(酵母、細菌等)を用いることもできる。遺伝子組換微生物としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる微生物を特に制限なく用いることができる。
微生物は固定化しておいても良い。微生物を固定化しておくと、次工程で微生物を分離して再回収するという工程を省くことができるため、少なくとも回収工程に要する負担を軽減することができ、微生物のロスが軽減できるというメリットがある。また、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
本発明では、糖化工程あるいは併行糖化発酵工程内に電解質として水溶性塩を添加することができる。糖化工程あるいは併行糖化発酵工程で用いる原料懸濁液に電解質を添加し原料懸濁液の電気伝導度を5〜25mS/cmの範囲に維持することが好ましい。電気伝導度を5〜25mS/cmの範囲に維持することによりリグノセルロース原料の未反応成分や反応残渣等への酵素の吸着が抑制されるため、工程内における酵素の循環率が長期にわたって高い水準に維持することができる。糖類の製造あるいはエタノールの製造工程内において、操作上、電解質を添加することが可能な工程であれば、いずれの工程においても制限なく電解質を添加することができるが、糖化工程あるいは併行糖化発酵工程内で添加することが操作が容易なため望ましい。
水溶性塩としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる塩類が好ましい。アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素二塩、酢酸塩、クエン酸塩からなる群から選ばれる水溶性塩が挙げられる。
糖化工程あるいは併行糖化発酵工程から排出された培養液は、固液分離工程へ移送し液体分(濾液)と固形分(残渣)に分離することができる。固液分離を行う装置としては、スクリュープレス、スクリーン、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス等を用いることができる。スクリーンとしては、振動装置が付加された振動スクリーンなどを用いることができる。
回収された固形分(残渣)は糖化工程又は併行糖化発酵工程へ移送し糖化又は糖化発酵の原料として用いることもできる。
<発酵工程>
糖化工程と発酵工程を別の反応槽で行う場合は、前記固液分離工程で分離された液体分(濾液)は、発酵工程へ移送し発酵微生物を用いて発酵を行う。発酵微生物としては、サッカロマイセス・セラビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等の酵母やザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)等の細菌、等が挙げられる。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換微生物(酵母、細菌等)を用いることもできる。遺伝子組換微生物としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる微生物を特に制限なく用いることができる。
微生物は固定化しておいても良い。微生物を固定化しておくと、次工程で微生物を分離して再回収するという工程を省くことができるため、少なくとも回収工程に要する負担を軽減することができ、微生物をロスが軽減できるというメリットがある。また、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
前記発酵工程で発酵処理された処理液、又は併行糖化発酵工程で処理された処理液(固液分離工程を行った場合は、固液分離工程で分離された液体分)は、蒸留工程へ移送し減圧蒸留装置により発酵生成物(エタノール等)を蒸留分離することができる。減圧下では低い温度で発酵生成物を分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーターなどを用いることができる。
蒸留温度は25〜60℃が好ましい。25℃未満であると、生成物の蒸留に時間がかかって生産性が低下する。また、60℃より高いと、酵素が熱変性して失活してしまい、新たに追加する酵素量が増加するため経済性が悪くなる。
蒸留後の蒸留残渣留分中に残る発酵生成物濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。このような濃度にすることによって、後段の固液分離工程において固形物とともに排出される発酵生成物量を低減することができ、収率を向上させることができる。
蒸留工程で発酵生成物を除去した後の蒸留残液は、残渣分離工程へ移送し残留している残渣を一次残渣分離装置によって除去し、残渣と液体留分に分離することができる。液体留分は、前記糖化工程あるいは併行糖化発酵工程へ循環させることができる。また、前記併行糖化発酵工程で六炭糖発酵性微生物を用いて六炭糖の発酵のみを行う場合は、一次残渣分離装置で分離した後の液体留分には主成分として五炭糖(キシロース、アラビノース等)が含まれているため、二次発酵工程(前記糖化工程あるいは併行糖化発酵工程とは異なる工程)へ移送し二次発酵を行うこともできる。
残渣分離装置で分離した後の残渣には、酵素、リグニンや酵母が含まれている。リグニンは、燃焼原料として回収しエネルギーとして利用することもできるし、リグニンを回収し有効利用することもできる。また、酵母を残渣から分離して、併行糖化発酵工程で再利用することもできる。残渣分離装置としては、遠心分離機、フィルタープレス、ロータリープレス、ベルトプレス等を用いることができ残渣を分離できる装置であれば制限なく用いることができる。
前記一次残渣分離装置で分離した残渣に吸着している酵素を遊離させるために残渣を水に懸濁し、この残渣懸濁液に水溶性塩類を添加し残渣懸濁液の電気伝道度が最終的に5〜25ms/cmとなるように調製することにより、残渣に吸着している酵素を回収することもできる。原料懸濁液に水溶性塩類を添加してからの処理時間は、5〜180分が好ましく、10〜60分がさらに好ましい。
前記残渣に吸着している酵素を遊離させるために用いる水溶性塩類としては、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、等が挙げられる。
前記、水溶性塩類により残渣からの酵素の回収を行った場合は、二次残渣分離装置により残渣と液体留分(酵素含有)に分離し、液体留分を酵素として糖化工程あるいは併行糖化発酵工程へ循環させることもできる。
二次発酵工程では、五炭糖発酵性微生物を用いてエタノール発酵を行うことができる。二次発酵工程へ移送された液体留分には酵素が含まれているため、残存するオリゴ糖等の鎖長の長い糖類の分解が進行するが、新たに、酵素を添加することもできる。二次発酵工程でのpHは3.5〜10.0の範囲に維持することが好ましく、4.0〜7.5の範囲に維持することがより好ましい。二次発酵工程の温度は、25〜35℃が好ましく、28〜32℃がさらに好ましい。二次発酵工程の滞留時間は、2〜100時間が好ましく、5〜70時間がさらに好ましい。
二次発酵工程では、五炭糖が発酵できる微生物を用いる。五炭糖発酵性微生物としては、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)等を用いることができるが、五炭糖発酵能力の高いPichia stipitisを用いることが好ましい。
また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換微生物(酵母、細菌等)を用いることができる。遺伝子組換微生物としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる微生物を特に制限なく用いることができる。微生物は、培地などと同時に添加しても良い。
微生物は固定化しておいてもよい。微生物を固定化しておくと、次工程で微生物を分離して再回収するという工程を省くことができるため、少なくとも回収工程に要する負担を軽減することができ、微生物をロスが軽減できるというメリットがある。また、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
二次発酵工程から排出された培養液には新たに生成された発酵生成物、酵素、五炭糖発酵性微生物が含まれており、糖化又は併行糖化発酵工程へ移送し、工程内を循環させることができる。二次発酵工程で生成された発酵生成物を回収するために、二次発酵工程の後に蒸留工程を設置しても良い。また、二次発酵工程から排出された培養液に含まれる残渣を除去するために、二次発酵工程の後に固液分離を行って残渣を除去することもできるし、二次発酵工程から排出された培養液を保管するためのタンクを設置し、タンクを経由して糖化又は併行糖化発酵工程へ移送しても良い。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
[実験例1]
図1に示す製造工程で試験を実施した。
[前処理]
チップ状のユーカリ・グロブラスの林地残材(樹皮70%、枝葉30%)を20mmの丸孔スクリーンを取り付けた一軸破砕機(西邦機工社製、SC−15)で破砕し原料として用いた。
上記原料100kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム20kg及び水酸化ナトリウム1kgを添加後、水を添加し水溶液の容量を800Lに調製した。前記原料懸濁液を混合後、170℃で1時間加熱した。加熱処理後の原料懸濁液をレファイナー(熊谷理器工業製、KRK高濃度ディスクレファイナー)でディスク(プレート)のクリアランスを1.0mmに設定し磨砕した。次に20メッシュ(847um)のスクリーンを用いて固液分離(脱水)することにより溶液の電気伝導度が30uS/cmになるまで水で洗浄した。固液分離後の固形物(前処理物)を原料として糖化を行った。
[糖化]
図1に示すように、2槽の培養槽(培養槽A、培養槽B)を連結した培養槽BR1を用いて糖化を行った。培養槽A内の溶液の容量を1.0m、培養槽B内の溶液の容量を1.0mで行った(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=1:1)。
培養槽Aに原料の最終濃度(乾燥重量当たり)が20質量%となるように原料懸濁液、及び市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを添加した。培養槽Aの液量(最終容量)を水で1mに調製した。
次に培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が20質量%の原料懸濁液を連続的に添加した。培養槽Aの溶液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Aを通過する時間:培養槽Aの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行った。すなわち、糖化処理を開始した時点から、原料懸濁液を66.6L/hの流速で培養槽Aの原料供給口1から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に培養槽Aの排出口2より原料懸濁液を66.6L/hで排出し、培養槽Bへ移送した。培養槽Bにおいても原料懸濁液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Bを通過する時間:培養槽Bの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行った。また、前記セルラーゼ溶液を3.3L/hで培養槽Aに連続的に添加した。培養槽A及び培養槽Bの原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で糖化処理を行った。糖化処理中の原料懸濁液のpHを5.0に維持した。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより溶液の最終容量を1mに維持した。
培養槽Bから原料懸濁液が排出されてから30時間後(定常状態になった時点)に培養槽Aの排出口2及び培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分の含量を測定した。また、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる全糖濃度をフェノール硫酸法で測定し、時間当たりの糖類の生産量(糖生産量/時間)を算出した。結果を表1に示す。
[実験例2]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例3]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例4]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例5]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例6]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例7]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例8]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例9]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例10]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例11]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例12]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例13]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例14]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例15]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実験例16]
実験例1において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
Figure 2014090707
表1に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例2〜14)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例1)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例15)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例16)と比較し糖類の生産効率が高かった。実験例2〜14における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.6〜14.9質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜11.8質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.6〜14.9質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜11.8質量%の範囲で糖化を行うことにより効率的に糖類を生産できることが判明した。
[実験例17]
実験例1において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例18]
実験例2において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例2と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例19]
実験例3において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例3と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例20]
実験例4において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例4と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例21]
実験例5において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例5と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例22]
実験例6において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例6と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例23]
実験例7において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例7と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例24]
実験例8において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例8と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例25]
実験例9において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例9と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例26]
実験例10において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例10と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例27]
実験例11において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例11と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例28]
実験例12において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例12と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例29]
実験例13において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例13と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例30]
実験例14において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例14と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例31]
実験例15において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例15と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
[実験例32]
実験例16において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例16と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表2に示す。
Figure 2014090707
表2に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例18〜30)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例17)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例31)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例32)と比較し糖類の生産効率が高かった。実験例18〜30における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.2〜15.1質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜11.9質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.2〜15.1質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜11.9質量%で糖化を行うことにより効率的に糖類を生産できることが判明した。
[実験例33]
実験例1において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例1と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例34]
実験例2において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例2と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例35]
実験例3において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例3と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例36]
実験例4において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例4と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例37]
実験例5において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例5と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例38]
実験例6において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例6と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例39]
実験例7において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例7と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例40]
実験例8において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例8と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例41]
実験例9において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例9と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例42]
実験例10において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例10と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例43]
実験例11において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例11と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例44]
実験例12において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例12と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例45]
実験例13において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例13と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例46]
実験例14において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例14と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例47]
実験例15において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例15と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
[実験例48]
実験例16において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例16と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例1と同様に66.6L/hで行った。結果を表3に示す。
Figure 2014090707
表3に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例34〜46)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例33)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例47)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例48)と比較し糖類の生産効率が高かった。実験例34〜46における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.8〜15.2質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜12.1質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.8〜15.2質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜12.1質量%で糖化を行うことにより効率的に糖類を生産できることが判明した。
[実験例49]
[前処理]
実験例1と同様の方法で前処理を実施した。固液分離後の固形物(前処理物)を原料として併行糖化発酵を行った。
[併行糖化発酵]
予め、液体培地(グルコース30g/L、ポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、pH5.6)50Lで酵母としてSaccharomyces cerevisiae (市販酵母、商品名:Maurivin: Mauri Yeast Australia Pty Limited)を30℃で24時間培養した。
図1に示すように、2槽の培養槽(培養槽A、培養槽B)を連結した培養槽BR1を用いて併行糖化発酵を行った。培養槽A内の溶液の容量を1.0m、培養槽B内の溶液の容量を1.0mで行った(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=1:1)。
培養槽Aにポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/Lとなるように各々を添加後,水を添加し最終容量を0.8mに調整した。酵母菌体を含む培養液を培養槽Aに添加し24時間培養した。酵母の密度が、1x10/mlに増殖した時点で、市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを培養槽Aに添加した。次に、培養槽Aに水を添加し培養液の最終容量を1mに調整した。
次に培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が20質量%の原料懸濁液を連続的に添加した。培養槽Aの培養液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Aを通過する時間:培養槽Aの容量/流速)を15時間に設定し併行糖化発酵処理を行った。すなわち、併行糖化発酵処理を開始した時点から、原料懸濁液を66.6L/hの流速で培養槽Aの原料供給口1から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に培養槽Aの排出口2より原料懸濁液を66.6L/hで排出し、培養槽Bへ移送した。培養槽Bにおいても原料懸濁液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Bを通過する時間:培養槽Bの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行った。また、前記セルラーゼ溶液を3.3L/hで培養槽Aに連続的に添加した。培養槽A及び培養槽Bの原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で併行糖化発酵処理を行った。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより培養液の最終容量を1mに維持した。併行糖化発酵処理中の原料懸濁液のpHを5.0に維持した。
培養槽Bから原料懸濁液が排出されてから30時間後(定常状態になった時点)に培養槽Aの排出口2及び培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分の含量を測定した。また、培養槽Bの排出口3から排出される培養液に含まれるエタノール濃度をグルコースセンサー(王子計測機器製BF−400型)で測定し、時間当たりのエタノール生産量(エタノール生産量/時間)を算出した。結果を表4に示す。
[実験例50]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例51]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例52]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例53]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例54]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例55]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例56]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例57]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例58]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例59]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例60]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例61]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例62]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例63]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実験例64]
実験例49において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例49と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
Figure 2014090707
表4に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例50〜62)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例49)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例63)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例64)と比較しエタノールの生産効率が高かった。実験例50〜62における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.4〜14.7質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜11.8質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.4〜14.7質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜11.8質量%の範囲で併行糖化発酵を行うことにより効率的にエタノールを生産できることが判明した。
[実験例65]
実験例1において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例1と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例66]
実験例2において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例2と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例67]
実験例3において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例3と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例68]
実験例4において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例4と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例69]
実験例5において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例5と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例70]
実験例6において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例6と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例71]
実験例7において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例7と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例72]
実験例8において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例8と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例73]
実験例9において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例9と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例74]
実験例10において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例10と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例75]
実験例11において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例11と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例76]
実験例12において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例12と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例77]
実験例13において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例13と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例78]
実験例14において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例14と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例79]
実験例15において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例15と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
[実験例80]
実験例16において、原料としてユーカリ・グロブラスの林地残材の変わりにユーカリ・グロブラスの樹皮を用いた以外は全て実験例16と同様の試験を実施した。結果を表5に示す。
Figure 2014090707
表5に示すように、培養槽Aの供給口から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例66〜78)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例65)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例79)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例80)と比較し糖類の生産量が高かった。実験例66〜78における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.5〜15.0質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜11.9質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.5〜15.0質量%、かつ培養槽Bの排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜11.9の範囲で糖化を行うことにより効率的に糖類を生産できることが判明した。
[実験例81]
実験例49において、酵母としてSaccharomyces cerevisiae の代替としてイサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis、本菌株は平成15年5月22日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託、受託番号FERM P−19368)を用い38℃で24時間培養した。それ以外の操作は実験例49と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例82]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例83]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例84]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例85]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例86]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例87]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例88]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例89]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例90]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例91]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例92]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例93]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例94]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例95]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実験例96]
実験例81において、培養槽Aの供給口1から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
Figure 2014090707
表6に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例82〜94)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例81)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例95)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例96)と比較しエタノールの生産効率が高かった。実験例82〜94における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.5〜14.9質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜11.9質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.5〜14.9質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜11.9質量%で併行糖化発酵を行うことにより効率的にエタノールを生産できることが判明した。
[実験例97]
実験例81において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6mで行った(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例98]
実験例82において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例82と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例99]
実験例83において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例83と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例100]
実験例84において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例84と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例101]
実験例85において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例85と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例102]
実験例86において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例86と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例103]
実験例87において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例87と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例104]
実験例88において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例88と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例105]
実験例89において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例89と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例106]
実験例90において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例90と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例107]
実験例91において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例91と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例108]
実験例92において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例92と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例109]
実験例93において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例93と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例110]
実験例94において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例94と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例111]
実験例95において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例95と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
[実験例112]
実験例96において、培養槽A内の溶液の容量を1.4m、培養槽B内の溶液の容量を0.6m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=7:3)に変更した以外は全て実験例96と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表7に示す。
Figure 2014090707
表7に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例98〜110)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例97)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例111)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例112)と比較しエタノールの生産効率が高かった。実験例98〜110における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.7〜15.1質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜12.2質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.7〜15.1質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜12.2質量%で併行糖化発酵を行うことにより効率的にエタノールを生産できることが判明した。
[実験例113]
実験例81において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例81と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例114]
実験例82において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例82と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例115]
実験例83において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例83と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例116]
実験例84において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例84と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例117]
実験例85において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例85と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例118]
実験例86において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例86と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例119]
実験例87において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例87と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例120]
実験例88において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例88と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例121]
実験例89において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例89と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例122]
実験例90において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例90と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例123]
実験例91において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例91と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例124]
実験例92において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例92と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例125]
実験例93において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例93と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例126]
実験例94において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例94と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例127]
実験例95において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例95と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
[実験例128]
実験例96において、培養槽A内の溶液の容量を0.6m、培養槽B内の溶液の容量を1.4m(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=3:7)に変更した以外は全て実験例96と同様の方法で試験した。尚、培養槽A、及び培養槽B内を通過する原料懸濁液の流速は実験例81と同様に66.6L/hで行った。結果を表8に示す。
Figure 2014090707
表8に示すように、培養槽Aの供給口1から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例114〜126)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例113)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例127)及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例128)と比較しエタノールの生産効率が高かった。実験例114〜126における培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.6〜15.0質量%、培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は0.0〜12.1質量%であった。
以上の結果から、培養槽Aの排出口2から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.6〜15.0質量%、かつ培養槽Bの排出口3から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.0〜12.1質量%で併行糖化発酵を行うことにより効率的にエタノールを生産できることが判明した。
[実験例129]
図2に示す製造工程で試験を実施した。
[前処理]
実験例1と同様の方法で前処理を実施した。固液分離後の固形物(前処理物)を原料として糖化を行った。
[糖化]
図2に示すように、培養槽BR1を用いて糖化を行った。
培養槽BR1に原料の最終濃度(乾燥重量当たり)が20質量%となるように原料懸濁液、及び市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを添加した。培養槽BR1の液量(最終容量)を水で1mに調製した。
次に培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が20質量%の原料懸濁液を連続的に添加した。培養槽BR1の溶液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽BR1を通過する時間:培養槽BR1の容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行った。すなわち、糖化処理を開始した時点から、原料懸濁液を66.6L/hの流速で培養槽BR1の原料供給口4から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に培養槽BR1の排出口5より原料懸濁液を66.6L/hで排出した。また、前記セルラーゼ溶液を3.3L/hで培養槽BR1に連続的に添加した。培養槽BR1内の原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で糖化処理を行った。糖化処理中の原料懸濁液のpHを5.0に維持した。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより溶液の最終容量を1mに維持した。
培養槽BR1から原料懸濁液が排出されてから30時間後(定常状態になった時点)に培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる固形分の含量を測定した。また、培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる全糖濃度をフェノール硫酸法で測定し、時間当たりの糖類の生産量(糖生産量/時間)を算出した。結果を表9に示す。
[実験例130]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例131]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例132]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例133]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例134]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例135]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例136]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例137]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例138]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例139]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例140]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例141]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例142]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例143]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
[実験例144]
実験例129において、培養槽Aの供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例129と同様の方法で試験した。結果を表9に示す。
Figure 2014090707
表9に示すように、培養槽BRの供給口4から原料(固形分)の濃度が2.0〜15.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例131〜144)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例129)、18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例130)と比較し糖類の生産効率が高かった。実験例131〜144における培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、0.9〜12.1質量%であった。
以上の結果から、培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0.9〜12.1質量%の範囲で糖化を行うことにより効率的に糖類を生産できることが判明した。
[実験例145]
図2に示す製造工程で試験を実施した。
[前処理]
実験例1と同様の方法で前処理を実施した。固液分離後の固形物(前処理物)を原料として併行糖化発酵を行った。
[併行糖化発酵]
予め、液体培地(グルコース30g/L、ポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、pH5.6)50Lで酵母としてSaccharomyces cerevisiae (市販酵母、商品名:Maurivin: Mauri Yeast Australia Pty Limited)を30℃で24時間培養した。
図2に示すように、培養槽BR1を用いて糖化を行った。
培養槽BR1にポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/Lとなるように各々を添加後,水を添加し最終容量を0.8mに調整した。酵母菌体を含む培養液を培養槽BR1に添加し24時間培養した。酵母の密度が、1x10/mlに増殖した時点で、市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを培養槽BR1に添加した。次に、培養槽BR1に水を添加し培養液の最終容量を1mに調整した。
次に培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が20質量%の原料懸濁液を連続的に添加した。培養槽BR1の培養液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽BR1を通過する時間:培養槽BR1の容量/流速)を15時間に設定し併行糖化発酵処理を行った。すなわち、併行糖化発酵処理を開始した時点から、原料懸濁液を66.6L/hの流速で培養槽BR1の原料供給口4から連続的に添加した。また、前記セルラーゼ溶液を3.3L/hで培養槽BR1に連続的に添加した。培養槽BR1の原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で併行糖化発酵処理を行った。併行糖化発酵処理中の原料懸濁液のpHを5.0に維持した。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより培養液の最終容量を1mに維持した。
培養槽BR1から原料懸濁液が排出されてから30時間後(定常状態になった時点)に培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる固形分の含量した。培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれるエタノール濃度をグルコースセンサー(王子計測機器製BF−400型)で測定し、時間当たりのエタノール生産量(エタノール生産量/時間)を算出した。結果を表10に示す。
[実験例146]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例147]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例148]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例149]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例150]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例151]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例152]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例153]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例154]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例155]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例156]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例157]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例158]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例159]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
[実験例160]
実験例145において、培養槽BR1の供給口4から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例145と同様の方法で試験した。結果を表10に示す。
Figure 2014090707
表10に示すように、培養槽BR1の供給口4から原料(固形分)の濃度が2.0〜15.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例147〜160)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例145)、18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例146)と比較しエタノールの生産効率が高かった。実験例147〜160における培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、1.0〜12.0質量%であった。
以上の結果から、培養槽BR1の排出口5から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度を1.0〜12.0質量%の範囲で併行糖化発酵を行うことにより効率的にエタノールを生産できることが判明した。
[実験例161]
図3に示す製造工程で試験を実施した。
[前処理]
実験例1と同様の方法で前処理を実施した。
[糖化]
図3に示すように、3槽の培養槽(培養槽A、培養槽B、培養槽C)を直列に連結した培養槽BR1を用いて糖化を行った。培養槽A内の溶液の容量を1.0m、培養槽B内の溶液の容量を1.0m、培養槽C内の溶液の容量を1.0m行った(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B:培養槽C=1:1:1)。
培養槽Aに原料の最終濃度(乾燥重量当たり)が20質量%となるように原料懸濁液、及び市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを添加した。培養槽Aの液量(最終容量)を水で1mに調製した。
次に培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が20質量%の原料懸濁液を連続的に添加した。培養槽Aの溶液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Aを通過する時間:培養槽Aの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行った。すなわち、糖化処理を開始した時点から、原料懸濁液を66.6L/hの流速で培養槽Aの原料供給口6から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に培養槽Aの排出口7より原料懸濁液を66.6L/hで排出し、培養槽Bへ移送した。培養槽Bにおいても原料懸濁液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Bを通過する時間:培養槽Bの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理い培養槽Cへ移送した。培養槽Cにおいても原料懸濁液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Cを通過する時間:培養槽Cの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行った。また、前記セルラーゼ溶液を3.3L/hで培養槽Aに連続的に添加した。培養槽A、培養槽B、及び培養槽Cの原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で糖化処理を行った。糖化処理中の原料懸濁液のpHを5.0に維持した。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより溶液の最終容量を1mに維持した。
培養槽Cから原料懸濁液が排出されてから50時間後(定常状態になった時点)に培養槽Aの排出口7、培養槽Bの排出口8、及び培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる固形分の含量を測定した。また、培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる全糖濃度をフェノール硫酸法で測定し、時間当たりの糖類の生産量(糖生産量/時間)を算出した。結果を表11に示す。
[実験例162]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例163]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例164]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例165]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例166]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例167]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例168]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例169]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例170]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例171]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例172]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例173]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例174]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例175]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
[実験例176]
実験例161において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例161と同様の方法で試験した。結果を表11に示す。
Figure 2014090707
表11に示すように、培養槽Aの供給口6から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例162〜174)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例161)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例175)、及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例176)と比較し糖類の生産効率が高かった。実験例162〜174における培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、0〜9.4質量%であった。
以上の結果から、培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0〜9.4質量%の範囲で糖化を行うことにより効率的に糖類を生産できることが判明した。
[実験例177]
図3に示す製造工程で試験を実施した。
[前処理]
実験例1と同様の方法で前処理を実施した。
[併行糖化発酵]
予め、液体培地(グルコース30g/L、ポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、pH5.6)50Lで酵母としてSaccharomyces cerevisiae (市販酵母、商品名:Maurivin: Mauri Yeast Australia Pty Limited)を30℃で24時間培養した。
図3に示すように、3槽の培養槽(培養槽A、培養槽B、培養槽C)を連結した培養槽BR1を用いて併行糖化発酵を行った。培養槽A内の溶液の容量を1.0m、培養槽B内の溶液の容量を1.0m、培養槽C内の溶液の容量を1.0m行った(溶液容量の比率は、培養槽A:培養槽B=1:1)。培養槽Aにポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/Lとなるように各々を添加後,水を添加し最終容量を0.8mに調整した。酵母菌体を含む培養液を培養槽Aに添加し24時間培養した。酵母の密度が、1x10/mlに増殖した時点で、市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを培養槽Aに添加した。次に、培養槽Aに水を添加し培養液の最終容量を1mに調整した。
次に培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が20質量%の原料懸濁液を連続的に添加した。培養槽Aの培養液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Aを通過する時間:培養槽Aの容量/流速)を15時間に設定し併行糖化発酵処理を行った。すなわち、併行糖化発酵処理を開始した時点から、原料懸濁液を66.6L/hの流速で培養槽Aの原料供給口1から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に培養槽Aの排出口7より原料懸濁液を66.6L/hで排出し、培養槽Bへ移送した。培養槽Bにおいても原料懸濁液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Bを通過する時間:培養槽Bの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行い、培養槽Cへ移送した。培養槽Cにおいても原料懸濁液の滞留時間(原料懸濁液が培養槽Cを通過する時間:培養槽Cの容量/流速)を15時間に設定し糖化処理を行なった。また、前記セルラーゼ溶液を3.3L/hで培養槽Aに連続的に添加した。培養槽A培養槽B、及び培養槽Cの原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で併行糖化発酵処理を行った。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより培養液の最終容量を1mに維持した。併行糖化発酵処理中の原料懸濁液のpHを5.0に維持した。
培養槽Cから原料懸濁液が排出されてから50時間後(定常状態になった時点)に培養槽Aの排出口7、培養槽Bの排出口8、及び培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる固形分の含量を測定した。また、培養槽Cの排出口9から排出される培養液に含まれるエタノール濃度をグルコースセンサー(王子計測機器製BF−400型)で測定し、時間当たりのエタノール生産量(エタノール生産量/時間)を算出した。結果を表12に示す。
[実験例178]
実験例177において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が18質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例177と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例179]
実験例177において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が15質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例177と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例180]
実験例177において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が14質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例177と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例181]
実験例177において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が13質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例177と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例182]
実験例177において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が12質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例177と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例183]
実験例177において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が11質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例177と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例184]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例185]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が9質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例186]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が8質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例187]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が7質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例188]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が6質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例189]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が5質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例190]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が4質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例191]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が3質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
[実験例192]
実験例176において、培養槽Aの供給口6から原料濃度(乾燥重量当たり)が2質量%の原料懸濁液を添加した以外は全て実験例176と同様の方法で試験した。結果を表12に示す。
Figure 2014090707
表12に示すように、培養槽BR(培養槽A)の供給口6から原料(固形分)の濃度が4.0〜18.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例178〜190)では、20.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例177)、3.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例191)、及び2.0質量%の原料懸濁液を添加した試験(実験例192)と比較しエタノールの生産効率が高かった。実験例178〜190における培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度は、0〜9.2質量%であった。
以上の結果から、培養槽Cの排出口9から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が0〜9.2質量%の範囲で糖化を行うことにより効率的にエタノールを生産できることが判明した。
本発明により、リグノセルロースから生産効率の高い糖類及びエタノールの製造方法が提供される。
1:培養槽BR1(A)の原料供給口
2:培養槽BR1(A)の排出口
3:培養槽BR1(B)の排出口
4:培養槽BR1の原料供給口
5:培養槽BR1の排出口
6:培養槽BR1の原料供給口
7:培養槽BR1(A)の排出口
8:培養槽BR1(B)の排出口
9:培養槽BR1(C)の排出口
BR1:培養槽
BR1(A):一次培養槽
BR1(B):二次培養槽
BR1(C):三次培養槽

Claims (10)

  1. リグノセルロース系原料をセルロース糖化酵素を含有する水溶液に添加した原料懸濁液を培養槽を用いて酵素糖化処理するリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法において、前記培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とするリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  2. 前記培養槽が、直列に連結された少なくとも2槽の培養槽から構成され、前記直列に連結された少なくとも2槽の培養槽のうちの最後の培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  3. 前記少なくとも2槽の培養槽のうちの最後に連結されている培養槽より前に位置する培養槽のうちのいずれか1槽の培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が15.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とする請求項2に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  4. 前記培養槽が、直列に連結された2槽の培養槽(一次培養槽と二次培養槽)から構成され、一次培養槽内の溶液容量と二次培養槽内の溶液容量の比率が7:3〜3:7の範囲で酵素糖化処理を行い、一次培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が15.0質量%以下、かつ二次培養槽の排出口から排出される原料懸濁液に含まれる固形分濃度が12.0質量%以下になるように酵素糖化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  5. 前記培養槽を並列に配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    リグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  6. 前記リグノセルロース原料が、リグノセルロース系原料に対して化学的処理、加圧熱水処理、機械的処理から選択される1つ以上の処理を含む前処理が施された原料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  7. 前記化学的処理が、リグノセルロース原料に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜10質量%のアルカリを添加し加熱する加熱処理であることを特徴とする請求項6に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  8. 前記酵素糖化処理が糖類を発酵基質とする発酵用微生物を用いて酵素糖化処理と発酵処理を併行して行う併行糖化発酵処理であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化発酵処理方法。
  9. 請求項1〜7に記載の酵素糖化処理方法で糖類を製造する方法。
  10. 請求項8に記載の酵素糖化発酵処理方法でエタノールを製造する方法。
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