JP7092626B2 - リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明はリグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法に関する。
非可食のリグノセルロース系原料から糖を製造する技術は、製造された糖を微生物の発酵基質として用いることによりアルコールのようなガソリンの代替となる燃料等を製造することができ、また食糧との競合を防ぐことができるため、循環型社会の形成に極めて有益な技術である。
リグノセルロース系原料中の多糖類から発酵基質となる単糖や少糖類等の糖類を製造する方法として、セルロース分解酵素等の糖化酵素やその糖化酵素を生産する微生物を用いて加水分解する酵素糖化法が知られている。
また、酵素糖化法を応用しリグノセルロースからエタノールを製造する方法として、並行複発酵が知られている。並行複発酵においては、上記糖化酵素と共にエタノール発酵微生物を共存させ、酵素糖化反応とエタノール発酵とが同時に行われる。
並行複発酵によるリグノセルロース系原料からのエタノール製造は、デンプン、廃糖蜜等を原料とする製造方法に比べ、コストが高いという問題がある。そこで、リグノセルロース系原料から効率的にエタノールを製造する手法が従前検討されている。
特許文献1には、連続反応液から未反応リグノセルロース材料及び糖化酵素を回収することを含み、基質としてリグニンの除去操作を施したリグノセルロース材料を使用し、連続糖化反応槽に供給される分散液における全基質量と糖化酵素量の割合を、全基質の少なくとも96質量%が滞留時間内に糖化される割合に維持することにより、未反応リグノセルロースの蓄積を防止しつつ連続的に糖化反応を行う方法が開示されている。
しかしながら、リグノセルロース系原料から効率的にエタノールを製造することは依然として求められている。
特開2006-087319号公報
本発明は、エタノールを効率的に製造することを目的としている。特に、本発明は、製造されるエタノール濃度を一定以上に維持することを目的としている。
本発明者らは、今般、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行うと、発酵液中に製造されるエタノール濃度が一定以上に維持されうることを見出した。さらに、追加糖化酵素の添加の指標として、上記発酵液自体の物性値を用いることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
本発明は、以下の[1]~[15]を包含する。
[1]
リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法であって、
リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程を含んでなる、方法。
[2]
前記発酵液自体の物性値がエタノール濃度および/または粘度である、[1]に記載の方法。
[3]
前記発酵液のエタノール濃度が、発酵開始後に定常状態となった時点のエタノール濃度に対して80%以上に維持されるように追加糖化酵素を添加する、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
前記発酵液における酵素原単位が、発酵開始1~12時間後の酵素原単位に対して0.1~30%に維持されるように追加糖化酵素を添加する、[1]~[3]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[5]
1日当たりの追加糖化酵素の添加量と、発酵液における糖化酵素の初期含量との質量比(1日当たりの追加糖化酵素の添加量:発酵液における糖化酵素の初期含量)が、1:10~1:100である、[1]~[4]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[6]
前記発酵液に対して20U/L以下の量で追加糖化酵素を添加する、[1]~[5]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[7]
追加糖化酵素を2~192時間毎に間欠的に添加する、[1]~[6]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[8]
前記発酵液の粘度が140cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加する、[1]~[7]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[9]
前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節される、[1]~[8]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[10]
前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が5~30質量%に維持されるように調節される、[9]に記載のエタノール製造方法。
[11]
前記並行複発酵が、互いに連結した少なくとも2槽の反応槽で行われる、[1]~[10]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[12]
前記少なくとも2槽の反応槽が直列に連結している、[11]に記載のエタノール製造方法。
[13]
前記少なくとも2槽の反応槽が、前記発酵液を収容しかつリグノセルロース系原料が連続的に追加供給される第1反応槽を含んでなる、[11]または[12]に記載のエタノール製造方法。
[14]
前記少なくとも2槽の反応槽が、前記第1反応槽から前記発酵液の一部が連続的に移送される第2反応槽を含んでなる、[11]~[13]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[15]
以下の工程をさらに含んでなる、[1]~[14]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法:
前記発酵液からエタノール水溶液を分離する固液分離工程であって、
前記エタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液を反応槽に移送することを含んでなる、工程。
本発明によれば、発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行うことにより、エタノールを効率的に製造することができる。本発明は、製造されるエタノール濃度を一定以上に維持することができる上で有利である。さらに、本発明は、連続稼働時間を延長することにより製造にかかるコストを低減できる上で有利である。
実施例1および比較例1の粘度の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例1および比較例1のエタノール濃度(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 比較例2の第1反応槽の粘度の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 比較例2の第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 比較例2の第1反応槽の酵素原単位(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例2の第1反応槽の粘度の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例2の第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例2の第1反応槽の酵素原単位(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例3の第1反応槽の粘度の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例3の第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。 実施例3の第1反応槽の酵素原単位(相対値)の経時変化を示す。点線は追加糖化酵素の添加を開始した時点を示す。
発明の具体的説明
本発明のリグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法は、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程を含むことを特徴としている。
<製造方法>
本発明のリグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法は、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程を含む。
本発明のリグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法は、以下の工程を含んでいてもよい。
(1)上記糖化酵素と共にエタノール発酵微生物を共存させ、酵素糖化反応とエタノール発酵とを同時に行う並行複発酵工程
(2)固液分離工程
(3)エタノール濃縮工程
(4)固形分除去工程
<並行複発酵工程>
まず、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を反応槽中に供給する。本発明において、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母は予め混合して反応槽内に供給してもよく、それぞれを別々に反応槽内に供給してもよいが、反応槽中に予め供給されたリグノセルロース系原料に糖化酵素および酵母を添加することが好ましい。リグノセルロース系原料は糖化酵素により糖化され、生成された糖類が酵母による発酵でエタノールに変換される。
(リグノセルロース系原料)
リグノセルロース系原料は、パルプ、または、パルプ以外の、リグノセルロースを含む原料である。リグノセルロース系原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
パルプとしては、針葉樹、広葉樹、林地残材、建築廃材等から得られる木材パルプ、コットンリンターやコットンリント、麻、麦わら、バガス等の非木材パルプ、古紙を原料とした古紙パルプや脱墨パルプ等が挙げられる。パルプの製法としてはアルカリ抽出、アルカリ蒸解等の化学パルプ製造法等、高度にリグニンを除去する方法が好ましく、化学パルプ製造法により製造されるパルプの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(例えば、晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP))、針葉樹クラフトパルプ(例えば、晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP))、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプが挙げられる。パルプとして、好ましくは、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ(SP)、セミケミカルパルプ(SCP)であり、より好ましくは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)である。
パルプ以外のリグノセルロース系原料としては、木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、木本性植物の切株から発生した萌芽、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられる。前記木質系のリグノセルロース系原料としては、ユーカリ(Eucalyptus)属植物、ヤナギ(Salix)属植物、ポプラ属植物、アカシア(Acacia)属植物、スギ(Cryptomeria)属植物等が利用できる。これらのうちでも、ユーカリ属植物、アカシア属、ヤナギ属植物が原料として大量に採取し易いため好ましい。草本系としてケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB:Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等が挙げられる。
また、パルプ以外のリグノセルロース系原料はバイオマスであってもよい。バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであってもよい。
上述のパルプ以外のリグノセルロース系原料は、前処理(脱リグニン処理等)を行った上で好適に使用される。
反応槽中の発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度は、好ましくは5~30質量%であり、さらに好ましくは10~20質量%である。リグノセルロース系原料の濃度を5質量%以上にすることは、最終的に生産物の濃度が低すぎてエタノールの濃縮のコストが高くなるという問題を回避する上で有利である。また、リグノセルロース系原料の濃度を30質量%以下とすることは、高濃度となるにしたがって原料の攪拌が困難になり、生産性が低下するという問題を回避する上で有利である。
(糖化酵素)
糖化酵素はセルロースまたはヘミセルロース分解酵素である限り特に限定されない。セルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性等を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素が挙げられる。
各セルロース分解酵素は、それぞれの活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販されているセルロース分解酵素剤は、上記の各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルロース分解酵素剤を用いても良い。
市販のセルロース分解酵素剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス(Trametes)属、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属、イルペックス(Irpex)属等に由来するセルロース分解酵素剤がある。このようなセルロース分解酵素剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
使用される糖化酵素は、セルロース分解酵素剤の性質等を勘案して、単独もしくは組み合わせて用いることができる。本発明では、並行複発酵の初期に添加する糖化酵素と一定時間経過後に連続的または間欠的に添加する追加糖化酵素の2種類が存在するが、それら糖化酵素の種類は同一であっても異なってもよい。
本発明における糖化酵素の活性は、以下の通りに定義される。
1M酢酸緩衝液1.5mLを含む8mLの水溶液(pH4.8)に酵素液375μL、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)絶乾重量0.5gを加えた計10mLの系で33℃、4時間反応を行ったのち、95℃、10分間加熱して反応停止させた。これを高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography:HPLC)(Prominence、島津製作所社製)にて示差屈折率(RI)検出器を用いて分析、グルコース濃度を測定する。測定結果に基づき、1分間に1μmolのグルコースを生じる酵素タンパク量を1単位(U)とする。
HPLCの測定条件は以下の通りである。
カラム:80Shodex SUGAR SP0810(昭和電工株式会社製)
移動相:超純水
流速:0.8mL/min
温度:80℃
反応槽中の発酵液における糖化酵素の初期含量は、特に限定されないが、好ましくは50~500U/Lであり、さらに好ましくは100~300U/Lである。
また、反応槽中の発酵液における糖化酵素の初期含量とリグノセルロース系原料の初期含量との比(糖化酵素の初期含量(U)/リグノセルロース系原料の初期含量(kg))は、好ましくは500~50,000U/kgであり、さらに好ましくは1,000~30,000U/kgである。
(酵母)
酵母は、特に限定されないが、糖類(六炭糖、五炭糖)を発酵できることが好ましい。具体的には、酵母としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロマイセス属酵母、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)等のピキア属酵母、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)等のキャンディダ属酵母、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)等のパチソレン属酵母、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等のイサチェンキア属酵母等の酵母が挙げられ、好ましくはサッカロマイセス属、イサチェンキア属に属する酵母、さらに好ましくは、サッカロマイセス・セレビシエ、イサチェンキア・オリエンタリスである。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換酵母を用いることもできる。遺伝子組換酵母としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる酵母を特に制限なく用いることができる。
並行複発酵工程で用いる酵母としては、酵母培養液を用いることが好ましい。かかる酵母培養液は、上記工程に適した添加量となるように、異なるサイズの培養槽を用いて段階的に培養し得ることができる。例えば、最初に100~300mLで培養し、次に、得られた培養液を用いて10~30Lで培養し、さらに得られた培養液を用いて500~1000Lで培養し、得られた培養液を並行複発酵工程に用いることができる。
並行複発酵工程での反応槽中の発酵液のpHは、特に限定されないが、3~10の範囲に維持することが好ましく、4~8の範囲に維持することがより好ましい。
並行複発酵工程での反応槽中の発酵液の温度は、糖化酵素および/または酵母の至適温度の範囲内であれば特に限定されないが、20~40℃が好ましく、30~40℃がより好ましい。
また、並行複発酵工程における反応槽中の菌体数は、特に限定されないが、10cells/mL以上が好ましく、10cells/mL以上がより好ましい。また、好ましい菌体数の範囲は、10~10cells/mLであり、より好ましい菌体数の範囲は10~10cells/mLである。
並行複発酵工程における発酵液の固形分(Sustained Solid:SS)の増加速度は、特に限定されないが、-1~5kg/hの範囲が挙げられ、好ましくは0~5kg/hの範囲である。
並行複発酵工程におけるグルコース濃度は、特に限定されないが、0~0.2質量/体積%の範囲が挙げられる。
並行複発酵工程は、連続式が好ましいが、セミバッチ式、バッチ式でも良い。ここで、連続式とは、例えば、原料供給およびエタノールの生成が継続される態様をいう。反応時間は、酵素濃度によっても異なるが、バッチ式の場合は好ましくは12~240時間、より好ましくは24~120時間である。セミバッチ式および連続式の場合、平均滞留時間は、好ましくは12~240時間、さらに好ましくは24~120時間である。ここで、平均滞留時間とは、リグノセルロース系原料が反応槽内へ供給されてから反応槽外に移送されるまでに平均して滞留する時間をいう。
本発明は、並行複発酵工程において、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加することを含む。かかる物性値としては、特に限定されないが、エタノール製造量当たりの必要酵素量を一定レベルに維持する観点からは、発酵液のエタノール濃度および/または粘度が好ましい。
前記発酵液の物性値がエタノール濃度である場合、発酵開始後に定常状態になった時のエタノール濃度に対して、発酵液のエタノール濃度(相対値)が80%以上に維持されるように追加糖化酵素を添加することが好ましい。上記エタノール濃度として、より好ましくは85%以上である。かかるエタノール濃度の測定時点は、特に限定されず、適宜設定されるものであるが、例えば、発酵開始後300~500時間である。発酵液のエタノール濃度の測定は、少なくとも1mLの発酵液を反応槽よりサンプリングし、反応停止後、HPLCによる上清の分析により測定することができる。このような測定は、Prominence(株式会社島津製作所)を用いることにより、簡便に行うことができる。
ここで、上記「発酵開始後に定常状態になった時点」とは、発酵開始後にエタノール濃度が最初に極大値となった時点であって、その後もエタノール濃度の変動範囲が20%未満に留まる時点を好ましく意味する。発酵開始後に定常状態になる時点は、反応条件等に応じて適宜変更することができるが、例えば、発酵開始後12~240時間であり、好ましくは24~120時間である。
本発明の一つの態様によれば、添加する追加糖化酵素の量は、前記発酵液における酵素原単位(U/L)が、例えば、発酵開始1~12時間後、好ましくは、1~8時間後の酵素原単位に対する相対値として0.1~30%に維持されるような量であることが好ましい。ここで、酵素原単位とは、単位容量のエタノールを生成するのに必要な酵素量をいう。上記酵素原単位は、酵素コストの指標に用いられ、好ましくは、以下の式から算出できる。

酵素原単位(U/L)=糖化酵素の総量(U)/生成したエタノールの総量(L)

酵素コストの抑制の観点から、酵素原単位が継続的に減少するように酵素反応を実施することは、効率的なエタノール製造が可能な点で特に有利である。追加糖化酵素の量は、発酵開始1~12時間後の酵素原単位に対して、発酵液の酵素原単位(相対量)が、例えば、0.1~30%、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.1~2%となるように設定することが好ましい。かかる酵素原単位の算出時点は、特に限定されず、適宜設定されるものであるが、例えば、300~500時間である。
添加する追加糖化酵素の量は、例えば、発酵液1Lあたり20U以下とすることができ、好ましくは1U以上15U以下、さらに好ましくは3U以上10U以下である。ここで、添加する追加糖化酵素の量は1日当たりの追加糖化酵素の添加量として計算できる。また、追加糖化酵素の量は、並行複発酵工程の温度、pH、時間、酵素の性質や組み合わせ等によって適宜設定することができる。
1日当たりの追加糖化酵素の添加量と、発酵液における糖化酵素の初期含量との質量比(1日当たりの追加糖化酵素の添加量:発酵液における糖化酵素の初期含量)は、特に限定されないが、好ましくは1:10~1:100であり、より好ましくは1:15~1:80であり、さらに好ましくは1:15~1:50である。
追加糖化酵素の添加は連続的または間欠的に行われる。ここで、追加糖化酵素の添加が間欠的に行われる場合、追加糖化酵素の添加は2~192時間毎が好ましく、6~96時間毎がより好ましく、12~48時間毎がさらに好ましい。
追加糖化酵素の添加の開始は、該発酵液自体の物性値を測定し、該測定値が予め設定した範囲内に維持されるように開始することが好ましい。
追加糖化酵素を添加するための指標としては、発酵液の粘度もまた採用することができる。上記粘度は、リグノセルロース系原料の糖化の進行度合いに関する指標として用いることが考えられる。上記発酵液の物性値が発酵液の粘度である場合、該粘度は攪拌条件や反応条件等に応じて適宜決定することができるが、該粘度が140cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加することが好ましい。上記粘度の指標は、並行複発酵工程における反応が連続式である場合に特に有利に用いることができる。並行複発酵工程がセミバッチ式、バッチ式である場合には、発酵液の粘度は攪拌条件や反応条件等に応じて適宜決定することができるが、該粘度が4cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加することが好ましい。
また、発酵液の物性値が粘度である場合、該粘度は攪拌条件や反応条件等に応じて適宜決定することができるが、上述の予め設定された範囲は発酵液の粘度として300cP以下が好ましい。上記粘度として、より好ましくは250cP以下である。上記粘度の範囲は、並行複発酵工程における反応が連続式である場合に有利に用いることができる。並行複発酵工程における反応がセミバッチ式、バッチ式である場合には、発酵液の粘度が20cP以下となるように追加糖化酵素を前記発酵液に添加することが好ましい。
発酵液の粘度の測定は、少なくとも10mLの発酵液を反応槽よりサンプリングし、粘度計による粘度測定に直接供することにより測定することができる。このような測定は、粘度計(アナログB型粘度計LV-T、BROOKFIELD社)を用いることにより、簡便に行うことができる。
また、並行複発酵工程においては、発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節されることが好ましい。上記所定の範囲としては、5~30質量%が挙げられ、好ましくは10~20質量%である。上記調節は、例えば、反応槽にリグノセルロース系原料を供給することにより行われる。ここで、リグノセルロース系原料の反応槽への供給速度は特に限定されないが、並行複発酵工程が連続式であって、反応槽から発酵液が排出されている場合、反応槽へのリグノセルロース系原料の供給速度と反応槽からの発酵液の排出速度が同程度であることが好ましい。また、下記に示すように、固液分離工程において、エタノール水溶液分離後の固形分濃縮発酵液を回収し、反応槽へ移送する場合、該固形分濃縮発酵液と反応槽へのリグノセルロース系原料との合計の供給速度と反応槽からの発酵液の排出速度とが同程度であることが好ましい。
本発明の一つの態様によれば、酵母生育の観点または原料が未反応のまま反応槽から移送されるリスクを防ぐ観点から、並行複発酵が行われる反応槽は、互いに連結した少なくとも2槽であることが好ましい。上記少なくとも2槽の反応槽は直列に連結していることが好ましい。かかる態様においては、例えば、第1反応槽から排出される第一の発酵液を、ライン部を介して第2反応槽に注入するように、各反応槽を直列に連結することができる。
ここで、上記第1反応槽は、発酵液を収容しかつリグノセルロース系原料が連続的に追加供給されるものであることが好ましい。リグノセルロース系原料の供給量としては、第一反応槽内の発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節されることが好ましく、上記所定の範囲としては、5~30質量%が挙げられ、好ましくは10~20質量%である。
さらに、上記第2反応槽における発酵液が、上記第1反応槽から前記発酵液の一部が連続的に移送されるものであることが好ましい。
並行複発酵を行う反応槽として互いに連結した少なくとも2槽を用いる場合、追加糖化酵素の添加の指標となるような発酵液の物性値は、第1反応槽の発酵液の物性値を用いることが好ましい。第1反応槽の発酵液は、未反応のリグノセルロース原料の割合が多く酵素活性の低下が物性値に影響しやすいことから、追加糖化酵素の添加の正確な指標として利用する上で有利である。
<固液分離工程>
上記反応槽から排出された発酵液は、固液分離工程で減圧蒸留装置、膜分離装置等の分離装置により、固形分濃縮発酵液と水溶液、例えば、固形分濃縮発酵液とエタノール水溶液とに分離することができる。反応槽が2槽である場合には、第2反応槽から発酵液が排出されエタノール分離装置に移送されることが好ましい。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーター等を用いることができる。減圧下では低い温度でエタノールを分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。得られたエタノール水溶液は下記のエタノール濃縮工程で濃縮されうる。
エタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液を回収して、そのまま反応槽へと移送してもよく、また、以下に示すように、固形分除去装置により残渣と上清に分離してもよい。反応槽が少なくとも2槽である場合には、移送される反応槽は第1反応槽が好ましい。
<エタノール濃縮工程>
上記固液分離工程で得られたエタノール水溶液は、さらに蒸留処理または各種分離膜、例えば、ゼオライト膜を用いて濃縮することにより、高純度のエタノールを生成することができる。また、上記エタノール水溶液は、エタノール除去後に反応槽に移送してもよい。
<固形分除去工程>
固液分離工程においてエタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液は、固形分除去装置に移送し残渣と上清に分離してもよい。得られた上清は反応槽へ移送してもよい。反応槽が少なくとも2槽である場合には、移送される反応槽は第1反応槽が好ましい。固形分除去装置としては、ディスク型遠心分離機、スクリュープレス、スクリーン、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス等を用いることができる。分離された残渣には、酵素、リグニン、酵母が含まれている。残渣に吸着している酵素を遊離させて回収し、再利用することもできる。リグニンは、燃焼原料として回収しエネルギーとして利用することもできるし、リグニンを回収し有効利用することもできる。酵母を残渣から分離して、並行複発酵工程で再利用することもできる。
本発明のエタノールの製造方法によれば、効率的に、リグノセルロース系用原料からエタノールを製造することができる。前記エタノールの製造方法により得られたエタノールは、例えば、燃料用エタノール、工業用エタノール、食品添加用エタノール等として好適に利用可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。また、特に指摘されない限り、本明細書に記載の単位および測定方法は日本工業規格(JIS)による。
粘度の測定方法
各実施例、比較例において得られた発酵液の粘度は、粘度計(アナログB型粘度計LV-T、BROOKFIELD社)を用いて、No.27スピンドルを使用して回転数60rpm、温度25℃にて測定した。
濁度の測定方法
各実施例、比較例において得られた発酵液のSS濁度は、濁度計(ポータブル濁度計2100Q、HACH社)を用いて測定した。その後、得られたSS濁度とその12時間前に測定されたSS濁度との差を求め、2点間の経過時間である12時間で除してSS増加速度を算出した。
菌体数の計測方法
各実施例、比較例において得られた培養液、発酵液中の菌体数はトーマ血球計算盤を用い、光学顕微鏡(倍率400倍)で観察、計測した。
グルコース、エタノール濃度の測定方法
発酵液中のグルコース濃度およびエタノール濃度については、発酵液を95℃、10分間加熱して酵母および酵素を失活させたのち、これをHPLC(Prominence、島津製作所社製)にて示差屈折率(RI)検出器を用いて分析、測定した。
HPLCの測定条件は以下の通りである。
カラム:80Shodex SUGAR SP0810(昭和電工株式会社製)
移動相:超純水:
流速:0.8mL/min
温度:80℃
酵素原単位の算出方法
各実施例、比較例における並行複発酵開始から所定の時間までの酵素原単位は、各実施例、比較例で得られた発酵液に含まれるエタノール濃度に基づき、以下の計算式に基づき酵素原単位(U/L)を算出した。
酵素原単位(U/L)=糖化酵素の総量(U)/生成したエタノールの総量(L)
上記酵素原単位とは、酵素コストの指標であり、単位容量のエタノールを生成するのに必要な酵素量を示す。
実施例1:5L反応槽での試験(追加糖化酵素の少量の繰り返し添加あり)
500mLのフラスコにCSL(コーンスティープリカー) 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液200mLを調製した。得られた水溶液に、酵母サッカロマイセス・セレビシエを、1×10cells/mLとなるように植菌し、終夜培養し、酵母培養液を調製した。
次に並行複発酵試験を行った。5L反応槽に針葉樹酸素晒クラフトパルプ(NOKP)総乾重量300g、尿素6.6g、糖化酵素395Uおよび終濃度1.0×10cells/mLとなる量の酵母培養液を添加、全量3Lとなるよう滅菌水で液量を調整した。pHが4.8となるように、5N硫酸および5N水酸化ナトリウム水溶液で調整した。培養槽は温度33℃、攪拌速度206rpm、pH4.8で一定となるように制御した。さらに、48時間経過後は、24時間毎に一回、発酵液の半分を抜き出し、遠心分離機(KUBOTA 5500テーブルトップ冷却遠心機)にて遠心分離を行い、得られた上清からエバポレーター(日本ビュッヒ、R-300)を用いてエタノールを除去した。エタノールの除去された上清と遠心分離で回収した固形分とを共に反応槽へと戻した。この時、発酵液には初期添加量の半分に相当する絶乾重量150gのNOKPも添加した。
並行複発酵工程の条件を以下に示す。
Figure 0007092626000001
上記条件の下反応開始後168時間の時点から、24時間毎に1回22Uの追加糖化酵素を添加した。
発酵液は24時間に一度サンプリングし、粘度、エタノール濃度、グルコース濃度を測定し、菌体数を計測し、SS増加速度を算出した。
粘度の測定結果を図1に、エタノール濃度(相対値)の測定結果を図2に示す。ここで、図2では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後48時間)のエタノール濃度を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの菌体数は1×10~1×10cells/mLであった。SS増加速度は、168時間で0.00036kg/h、288時間で0.00057kg/hであった。グルコース濃度は、168時間で0.023質量/体積%、288時間で0質量/体積%であった。
比較例1:5L反応槽での試験(追加糖化酵素の添加なし)
反応開始後168時間の時点から追加糖化酵素を添加しない以外は、実施例1と方法により並行複発酵試験を行った。
結果を図1、2に示す。
また、並行複発酵開始から終了までの菌体数は1×10~1×10cells/mLであった。グルコース濃度は、168時間、288時間共に0質量/体積%であった。
実施例1、比較例1のどちらの系もエタノール濃度が低下したものの、エタノール濃度の減少、粘度上昇挙動のいずれも実施例1(追加糖化酵素の少量添加あり)の系の方が比較例1(追加糖化酵素の少量添加なし)の系に比べ緩やかになっており、追加糖化酵素の少量添加の効果ありと判断された。
比較例2:12000L容反応槽での試験(追加糖化酵素の一回添加あり)
発酵に用いる酵母サッカロマイセス・セレビシエは、(1)500mLフラスコを用いた200mL培養、(2)30L培養槽を用いた20L培養、(3)900L培養槽を用いた800L培養の3段階で調製した。それぞれの段階においてCSL 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液を調製し、1×10cells/mLとなるよう植菌し、12時間培養して、酵母培養液を得た。
次に並行複発酵試験を実施した。最大12000L容の第1反応槽に、滅菌水を張込み、12.6kgの尿素を添加後、滞留時間48時間経過時点での乾燥パルプ濃度が10%(w/w)となるよう、絶乾重量で13.75kg/hの速度で針葉樹酸素晒クラフトパルプ(NOKP)の供給を開始した。3N硫酸および3N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4.8に調整した後、878735Uの糖化酵素および900L培養槽で調製した酵母培養液全量を添加し、反応を開始した。反応槽は、温度33℃、攪拌速度24rpm、pH 4.8で一定となるように制御した。さらに、48時間経過時点で第1反応槽の半分量を最大10000Lの第2反応槽へと移送した。第2反応槽への移送完了後、第2反応槽から減圧蒸留塔へ140kg/hの速度で発酵液移送を開始、45kg/hの割合でエタノール水溶液を留去するとともに、95kg/hの割合で固形分濃縮発酵液を第1反応槽へと回収する操作を運転停止まで継続した。この間、NOKP第1反応槽への供給は一定速度(45kg/h)で継続していた。
並行複発酵工程の条件を以下に示す。
Figure 0007092626000002
反応開始後222時間経過時点で、第1反応槽のエタノール濃度低下が顕著になったため、酵素878735Uを再度添加した。
発酵液は最初に6時間後、それ以降は12時間に一度サンプリングし、粘度、エタノール濃度、グルコース濃度を測定し、菌体数を計測し、SS増加速度を算出した。
第1反応槽の粘度測定の結果を図3に、第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の測定結果を図4に、酵素原単位(相対値)の結果を図5に示す。ここで、図4では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後54時間)のエタノール濃度を1としている。
また、図5では、試験開始後6時間の酵素原単位(U/L)を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの第1反応槽の菌体数は1×10~1×10cells/mLであった。第1反応槽のSS増加速度は、222時間で0.335kg/h、498時間で0.0093kg/hであった。グルコース濃度は、222時間で0.142質量/体積%、498時間で0.075質量/体積%であった。
酵素878735Uを一気に添加したものの、一時的な生産性改善効果しか得られなかった。したがって、一度に大容量を添加しても添加量に見合った効果が得られないことが判明した。
実施例2:12000L容反応槽での試験(追加糖化酵素の少量の繰り返し添加あり)
発酵に用いる酵母サッカロマイセス・セレビシエは、(1)500mLフラスコを用いた200mL培養、(2)30L培養槽を用いた20L培養、(3)900L培養槽を用いた800L培養の3段階で調製した。それぞれの段階においてCSL 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液を調製し、1×10cells/mLとなるよう植菌し、12時間培養して、酵母培養液を得た。
次に並行複発酵試験を実施した。最大12000L容の第1反応槽に、滅菌水を張込み、14kgの尿素、63kgのCSLを添加後、滞留時間48時間経過時点での乾燥パルプ濃度が10%(w/w)となるよう、絶乾重量で15.2kg/hの速度で広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)の供給を開始した。3N硫酸および3N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4.8に調整した後、966608Uの糖化酵素および900L培養槽で調製した酵母培養液全量を添加し、反応を開始した。反応槽は温度33℃、攪拌速度24rpm、pH 4.8で一定となるように制御した。48時間経過時点で第1反応槽の半分量を最大10000Lの第2反応槽へと移送した。第2反応槽への移送完了後、第2反応槽から減圧蒸留装置へ150kg/hの速度で発酵液移送を開始し、40kg/hの割合でエタノール水溶液を留去するとともに、110kg/hの割合で固形分濃縮発酵液を第1反応槽へと回収する操作を運転停止まで継続した。この間、LBKP含有液の第1反応槽への供給は一定速度(40kg/h)で継続していた。
並行複発酵工程の条件を以下に示す。
Figure 0007092626000003
さらに、反応開始後354時間経過時点で追加糖化酵素の少量の添加を開始した。酵素は24時間毎に49210U添加した。
発酵液は最初に6時間後、それ以降は12時間に一度サンプリングし、粘度、エタノール濃度、グルコース濃度を測定し、菌体数を計測し、SS増加速度を算出した。
第1反応槽の粘度測定の結果を図6に、第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の測定の結果を図7に、酵素原単位(相対値)の結果を図8に示す。ここで、図7では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後54時間)のエタノール濃度を1としている。また、図8では、試験開始後6時間の酵素原単位(U/L)を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの第1反応槽の菌体数は1×10~1×10cells/mLであった。第1反応槽のSS増加速度は354時間で0.16kg/h、546時間で0.24kg/hであった。グルコース濃度は、354時間で0.079質量/体積%、546時間で0.097質量/体積%であった。
追加糖化酵素の少量の繰り返し添加によるエタノール濃度維持および粘度上昇の緩和を確認できた。
実施例3:12000L容反応槽での試験(追加糖化酵素の少量の繰り返し添加あり)
発酵に用いる酵母サッカロマイセス・セレビシエは、(1)500mLフラスコを用いた200mL培養、(2)30L培養槽を用いた20L培養、(3)900L培養槽を用いた800L培養の3段階で調製した。それぞれの段階においてCSL 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液を調製し、1×10cells/mLとなるよう植菌し、12時間培養して、酵母培養液を得た。
次に並行複発酵試験を実施した。最大12000L容の第1反応槽に、滅菌水を張込み、14kgの尿素、137kgのCSLを添加後、滞留時間48時間経過時点での乾燥パルプ濃度が10%(w/w)となるよう、絶乾重量で15.2kg/hの速度で広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)の供給を開始した。3N硫酸および3N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4.8に調整した後、799649Uの糖化酵素および900L培養槽で調製した酵母培養液全量を添加し、反応を開始した。反応槽は温度33℃、攪拌速度24rpm、pH 4.8で一定となるように制御し、48時間経過時点で第1反応槽の半分量を最大10000Lの第2反応槽へと移送した。第2反応槽への移送完了後、第2反応槽から減圧蒸留塔へ150kg/hの速度で発酵液移送を開始、40kg/hの割合でエタノール水溶液を留去するとともに、110kg/hの割合で固形分濃縮発酵液を第1反応槽へと回収する操作を運転停止まで継続した。この間、LBKP含有液の第1反応槽への供給は一定速度(40kg/h)で継続していた。
並行複発酵工程の条件を以下に示す。
Figure 0007092626000004
さらに、反応開始後282時間経過時点で追加糖化酵素の少量の添加を開始した。酵素は24時間毎に49210U添加した。
発酵液は最初に6時間後、それ以降は12時間に一度サンプリングし、粘度、エタノール濃度、グルコース濃度を測定し、菌体数を計測し、SS増加速度を算出した。
第1反応槽の粘度測定の結果を図9に、第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の測定の結果を図10に、酵素原単位(相対値)の結果を図11に示す。ここで、図10では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後54時間)のエタノール濃度を1としている。また、図11では、試験開始後6時間の酵素原単位(U/L)を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの第1反応槽の菌体数は1×10~1×10cells/mLであった。第1反応槽のSS増加速度は282時間で-0.31kg/h、474時間で0.83kg/hであった。グルコース濃度は、282時間で0.076質量/体積%、474時間で0.039質量/体積%であった。
追加糖化酵素の少量の繰り返し添加によるエタノール濃度維持および粘度上昇の緩和を確認できた。

Claims (15)

  1. リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法であって、
    リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程
    を含んでな
    前記発酵液自体の物性値がエタノール濃度および/または粘度であり、
    前記発酵液自体の粘度が140cPを超えた時点で前記発酵液への追加糖化酵素の添加を開始する、方法。
  2. リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法であって、
    リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程
    を含んでなり、
    前記発酵液自体の物性値がエタノール濃度および/または粘度であり、
    前記並行複発酵工程がセミバッチ式またはバッチ式であり、
    前記発酵液自体の粘度が4cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加する、方法。
  3. 前記発酵液のエタノール濃度が、発酵開始後に定常状態となった時点のエタノール濃度に対して80%以上に維持されるように追加糖化酵素を添加する、請求項1または2に記載のエタノール製造方法。
  4. 前記発酵液における酵素原単位が、発酵開始1~12時間後の酵素原単位に対して0.1~30%に維持されるように追加糖化酵素を添加する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  5. 1日当たりの追加糖化酵素の添加量と、発酵液における糖化酵素の初期含量との質量比(1日当たりの追加糖化酵素の添加量:発酵液における糖化酵素の初期含量)が、1:10~1:100である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  6. 前記発酵液に対して20U/L以下の量で追加糖化酵素を添加する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  7. 追加糖化酵素を2~192時間毎に間欠的に添加する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  8. 前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節される、請求項1~のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  9. 前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が5~30質量%に維持されるように調節される、請求項に記載のエタノール製造方法。
  10. 前記並行複発酵が、互いに連結した少なくとも2槽の反応槽で行われる、請求項1~のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  11. 前記少なくとも2槽の反応槽が直列に連結している、請求項10に記載のエタノール製造方法。
  12. 前記少なくとも2槽の反応槽が、前記発酵液を収容しかつリグノセルロース系原料が連続的に追加供給される第1反応槽を含んでなる、請求項10または11に記載のエタノール製造方法。
  13. 前記少なくとも2槽の反応槽が、前記第1反応槽から前記発酵液の一部が連続的に移送される第2反応槽を含んでなる、請求項1012のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
  14. 以下の工程をさらに含んでなる、請求項1~13のいずれか一項に記載のエタノール製造方法:
    前記発酵液からエタノール水溶液を分離する固液分離工程であって、
    前記エタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液を反応槽に移送することを含んでなる、工程。
  15. 前記並行複発酵工程が連続式である、請求項1および3~14のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
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