JP7092626B2 - リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法 - Google Patents
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Description
[1]
リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法であって、
リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程を含んでなる、方法。
[2]
前記発酵液自体の物性値がエタノール濃度および/または粘度である、[1]に記載の方法。
[3]
前記発酵液のエタノール濃度が、発酵開始後に定常状態となった時点のエタノール濃度に対して80%以上に維持されるように追加糖化酵素を添加する、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
前記発酵液における酵素原単位が、発酵開始1~12時間後の酵素原単位に対して0.1~30%に維持されるように追加糖化酵素を添加する、[1]~[3]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[5]
1日当たりの追加糖化酵素の添加量と、発酵液における糖化酵素の初期含量との質量比(1日当たりの追加糖化酵素の添加量:発酵液における糖化酵素の初期含量)が、1:10~1:100である、[1]~[4]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[6]
前記発酵液に対して20U/L以下の量で追加糖化酵素を添加する、[1]~[5]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[7]
追加糖化酵素を2~192時間毎に間欠的に添加する、[1]~[6]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[8]
前記発酵液の粘度が140cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加する、[1]~[7]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[9]
前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節される、[1]~[8]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[10]
前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が5~30質量%に維持されるように調節される、[9]に記載のエタノール製造方法。
[11]
前記並行複発酵が、互いに連結した少なくとも2槽の反応槽で行われる、[1]~[10]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[12]
前記少なくとも2槽の反応槽が直列に連結している、[11]に記載のエタノール製造方法。
[13]
前記少なくとも2槽の反応槽が、前記発酵液を収容しかつリグノセルロース系原料が連続的に追加供給される第1反応槽を含んでなる、[11]または[12]に記載のエタノール製造方法。
[14]
前記少なくとも2槽の反応槽が、前記第1反応槽から前記発酵液の一部が連続的に移送される第2反応槽を含んでなる、[11]~[13]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法。
[15]
以下の工程をさらに含んでなる、[1]~[14]のいずれか一つに記載のエタノール製造方法:
前記発酵液からエタノール水溶液を分離する固液分離工程であって、
前記エタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液を反応槽に移送することを含んでなる、工程。
本発明のリグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法は、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程を含む。
(1)上記糖化酵素と共にエタノール発酵微生物を共存させ、酵素糖化反応とエタノール発酵とを同時に行う並行複発酵工程
(2)固液分離工程
(3)エタノール濃縮工程
(4)固形分除去工程
まず、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を反応槽中に供給する。本発明において、リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母は予め混合して反応槽内に供給してもよく、それぞれを別々に反応槽内に供給してもよいが、反応槽中に予め供給されたリグノセルロース系原料に糖化酵素および酵母を添加することが好ましい。リグノセルロース系原料は糖化酵素により糖化され、生成された糖類が酵母による発酵でエタノールに変換される。
リグノセルロース系原料は、パルプ、または、パルプ以外の、リグノセルロースを含む原料である。リグノセルロース系原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
パルプとしては、針葉樹、広葉樹、林地残材、建築廃材等から得られる木材パルプ、コットンリンターやコットンリント、麻、麦わら、バガス等の非木材パルプ、古紙を原料とした古紙パルプや脱墨パルプ等が挙げられる。パルプの製法としてはアルカリ抽出、アルカリ蒸解等の化学パルプ製造法等、高度にリグニンを除去する方法が好ましく、化学パルプ製造法により製造されるパルプの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(例えば、晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP))、針葉樹クラフトパルプ(例えば、晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP))、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプが挙げられる。パルプとして、好ましくは、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ(SP)、セミケミカルパルプ(SCP)であり、より好ましくは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)である。
また、パルプ以外のリグノセルロース系原料はバイオマスであってもよい。バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであってもよい。
上述のパルプ以外のリグノセルロース系原料は、前処理(脱リグニン処理等)を行った上で好適に使用される。
糖化酵素はセルロースまたはヘミセルロース分解酵素である限り特に限定されない。セルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性等を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素が挙げられる。
各セルロース分解酵素は、それぞれの活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販されているセルロース分解酵素剤は、上記の各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルロース分解酵素剤を用いても良い。
1M酢酸緩衝液1.5mLを含む8mLの水溶液(pH4.8)に酵素液375μL、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)絶乾重量0.5gを加えた計10mLの系で33℃、4時間反応を行ったのち、95℃、10分間加熱して反応停止させた。これを高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography:HPLC)(Prominence、島津製作所社製)にて示差屈折率(RI)検出器を用いて分析、グルコース濃度を測定する。測定結果に基づき、1分間に1μmolのグルコースを生じる酵素タンパク量を1単位(U)とする。
HPLCの測定条件は以下の通りである。
カラム:80Shodex SUGAR SP0810(昭和電工株式会社製)
移動相:超純水
流速:0.8mL/min
温度:80℃
酵母は、特に限定されないが、糖類(六炭糖、五炭糖)を発酵できることが好ましい。具体的には、酵母としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロマイセス属酵母、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)等のピキア属酵母、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)等のキャンディダ属酵母、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)等のパチソレン属酵母、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等のイサチェンキア属酵母等の酵母が挙げられ、好ましくはサッカロマイセス属、イサチェンキア属に属する酵母、さらに好ましくは、サッカロマイセス・セレビシエ、イサチェンキア・オリエンタリスである。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換酵母を用いることもできる。遺伝子組換酵母としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる酵母を特に制限なく用いることができる。
酵素原単位(U/L)=糖化酵素の総量(U)/生成したエタノールの総量(L)
酵素コストの抑制の観点から、酵素原単位が継続的に減少するように酵素反応を実施することは、効率的なエタノール製造が可能な点で特に有利である。追加糖化酵素の量は、発酵開始1~12時間後の酵素原単位に対して、発酵液の酵素原単位(相対量)が、例えば、0.1~30%、好ましくは0.1~10%、より好ましくは0.1~2%となるように設定することが好ましい。かかる酵素原単位の算出時点は、特に限定されず、適宜設定されるものであるが、例えば、300~500時間である。
ここで、上記第1反応槽は、発酵液を収容しかつリグノセルロース系原料が連続的に追加供給されるものであることが好ましい。リグノセルロース系原料の供給量としては、第一反応槽内の発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節されることが好ましく、上記所定の範囲としては、5~30質量%が挙げられ、好ましくは10~20質量%である。
さらに、上記第2反応槽における発酵液が、上記第1反応槽から前記発酵液の一部が連続的に移送されるものであることが好ましい。
上記反応槽から排出された発酵液は、固液分離工程で減圧蒸留装置、膜分離装置等の分離装置により、固形分濃縮発酵液と水溶液、例えば、固形分濃縮発酵液とエタノール水溶液とに分離することができる。反応槽が2槽である場合には、第2反応槽から発酵液が排出されエタノール分離装置に移送されることが好ましい。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーター等を用いることができる。減圧下では低い温度でエタノールを分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。得られたエタノール水溶液は下記のエタノール濃縮工程で濃縮されうる。
エタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液を回収して、そのまま反応槽へと移送してもよく、また、以下に示すように、固形分除去装置により残渣と上清に分離してもよい。反応槽が少なくとも2槽である場合には、移送される反応槽は第1反応槽が好ましい。
上記固液分離工程で得られたエタノール水溶液は、さらに蒸留処理または各種分離膜、例えば、ゼオライト膜を用いて濃縮することにより、高純度のエタノールを生成することができる。また、上記エタノール水溶液は、エタノール除去後に反応槽に移送してもよい。
固液分離工程においてエタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液は、固形分除去装置に移送し残渣と上清に分離してもよい。得られた上清は反応槽へ移送してもよい。反応槽が少なくとも2槽である場合には、移送される反応槽は第1反応槽が好ましい。固形分除去装置としては、ディスク型遠心分離機、スクリュープレス、スクリーン、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス等を用いることができる。分離された残渣には、酵素、リグニン、酵母が含まれている。残渣に吸着している酵素を遊離させて回収し、再利用することもできる。リグニンは、燃焼原料として回収しエネルギーとして利用することもできるし、リグニンを回収し有効利用することもできる。酵母を残渣から分離して、並行複発酵工程で再利用することもできる。
各実施例、比較例において得られた発酵液の粘度は、粘度計(アナログB型粘度計LV-T、BROOKFIELD社)を用いて、No.27スピンドルを使用して回転数60rpm、温度25℃にて測定した。
各実施例、比較例において得られた発酵液のSS濁度は、濁度計(ポータブル濁度計2100Q、HACH社)を用いて測定した。その後、得られたSS濁度とその12時間前に測定されたSS濁度との差を求め、2点間の経過時間である12時間で除してSS増加速度を算出した。
各実施例、比較例において得られた培養液、発酵液中の菌体数はトーマ血球計算盤を用い、光学顕微鏡(倍率400倍)で観察、計測した。
発酵液中のグルコース濃度およびエタノール濃度については、発酵液を95℃、10分間加熱して酵母および酵素を失活させたのち、これをHPLC(Prominence、島津製作所社製)にて示差屈折率(RI)検出器を用いて分析、測定した。
HPLCの測定条件は以下の通りである。
カラム:80Shodex SUGAR SP0810(昭和電工株式会社製)
移動相:超純水:
流速:0.8mL/min
温度:80℃
各実施例、比較例における並行複発酵開始から所定の時間までの酵素原単位は、各実施例、比較例で得られた発酵液に含まれるエタノール濃度に基づき、以下の計算式に基づき酵素原単位(U/L)を算出した。
酵素原単位(U/L)=糖化酵素の総量(U)/生成したエタノールの総量(L)
上記酵素原単位とは、酵素コストの指標であり、単位容量のエタノールを生成するのに必要な酵素量を示す。
500mLのフラスコにCSL(コーンスティープリカー) 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液200mLを調製した。得られた水溶液に、酵母サッカロマイセス・セレビシエを、1×107cells/mLとなるように植菌し、終夜培養し、酵母培養液を調製した。
粘度の測定結果を図1に、エタノール濃度(相対値)の測定結果を図2に示す。ここで、図2では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後48時間)のエタノール濃度を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの菌体数は1×108~1×109cells/mLであった。SS増加速度は、168時間で0.00036kg/h、288時間で0.00057kg/hであった。グルコース濃度は、168時間で0.023質量/体積%、288時間で0質量/体積%であった。
反応開始後168時間の時点から追加糖化酵素を添加しない以外は、実施例1と方法により並行複発酵試験を行った。
結果を図1、2に示す。
また、並行複発酵開始から終了までの菌体数は1×108~1×109cells/mLであった。グルコース濃度は、168時間、288時間共に0質量/体積%であった。
実施例1、比較例1のどちらの系もエタノール濃度が低下したものの、エタノール濃度の減少、粘度上昇挙動のいずれも実施例1(追加糖化酵素の少量添加あり)の系の方が比較例1(追加糖化酵素の少量添加なし)の系に比べ緩やかになっており、追加糖化酵素の少量添加の効果ありと判断された。
発酵に用いる酵母サッカロマイセス・セレビシエは、(1)500mLフラスコを用いた200mL培養、(2)30L培養槽を用いた20L培養、(3)900L培養槽を用いた800L培養の3段階で調製した。それぞれの段階においてCSL 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液を調製し、1×107cells/mLとなるよう植菌し、12時間培養して、酵母培養液を得た。
第1反応槽の粘度測定の結果を図3に、第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の測定結果を図4に、酵素原単位(相対値)の結果を図5に示す。ここで、図4では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後54時間)のエタノール濃度を1としている。
また、図5では、試験開始後6時間の酵素原単位(U/L)を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの第1反応槽の菌体数は1×108~1×109cells/mLであった。第1反応槽のSS増加速度は、222時間で0.335kg/h、498時間で0.0093kg/hであった。グルコース濃度は、222時間で0.142質量/体積%、498時間で0.075質量/体積%であった。
酵素878735Uを一気に添加したものの、一時的な生産性改善効果しか得られなかった。したがって、一度に大容量を添加しても添加量に見合った効果が得られないことが判明した。
発酵に用いる酵母サッカロマイセス・セレビシエは、(1)500mLフラスコを用いた200mL培養、(2)30L培養槽を用いた20L培養、(3)900L培養槽を用いた800L培養の3段階で調製した。それぞれの段階においてCSL 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液を調製し、1×107cells/mLとなるよう植菌し、12時間培養して、酵母培養液を得た。
第1反応槽の粘度測定の結果を図6に、第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の測定の結果を図7に、酵素原単位(相対値)の結果を図8に示す。ここで、図7では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後54時間)のエタノール濃度を1としている。また、図8では、試験開始後6時間の酵素原単位(U/L)を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの第1反応槽の菌体数は1×108~1×109cells/mLであった。第1反応槽のSS増加速度は354時間で0.16kg/h、546時間で0.24kg/hであった。グルコース濃度は、354時間で0.079質量/体積%、546時間で0.097質量/体積%であった。
追加糖化酵素の少量の繰り返し添加によるエタノール濃度維持および粘度上昇の緩和を確認できた。
発酵に用いる酵母サッカロマイセス・セレビシエは、(1)500mLフラスコを用いた200mL培養、(2)30L培養槽を用いた20L培養、(3)900L培養槽を用いた800L培養の3段階で調製した。それぞれの段階においてCSL 1質量/体積%、ブドウ糖 2質量/体積%の水溶液を調製し、1×107cells/mLとなるよう植菌し、12時間培養して、酵母培養液を得た。
第1反応槽の粘度測定の結果を図9に、第1反応槽のエタノール濃度(相対値)の測定の結果を図10に、酵素原単位(相対値)の結果を図11に示す。ここで、図10では、試験開始後に定常状態になった時点(試験開始後54時間)のエタノール濃度を1としている。また、図11では、試験開始後6時間の酵素原単位(U/L)を1としている。
また、並行複発酵開始から終了までの第1反応槽の菌体数は1×108~1×109cells/mLであった。第1反応槽のSS増加速度は282時間で-0.31kg/h、474時間で0.83kg/hであった。グルコース濃度は、282時間で0.076質量/体積%、474時間で0.039質量/体積%であった。
追加糖化酵素の少量の繰り返し添加によるエタノール濃度維持および粘度上昇の緩和を確認できた。
Claims (15)
- リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法であって、
リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程
を含んでなり、
前記発酵液自体の物性値がエタノール濃度および/または粘度であり、
前記発酵液自体の粘度が140cPを超えた時点で前記発酵液への追加糖化酵素の添加を開始する、方法。 - リグノセルロース系原料からエタノールを製造する方法であって、
リグノセルロース系原料、糖化酵素および酵母を含んでなる発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的または間欠的に添加しながら並行複発酵を行う工程
を含んでなり、
前記発酵液自体の物性値がエタノール濃度および/または粘度であり、
前記並行複発酵工程がセミバッチ式またはバッチ式であり、
前記発酵液自体の粘度が4cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加する、方法。 - 前記発酵液のエタノール濃度が、発酵開始後に定常状態となった時点のエタノール濃度に対して80%以上に維持されるように追加糖化酵素を添加する、請求項1または2に記載のエタノール製造方法。
- 前記発酵液における酵素原単位が、発酵開始1~12時間後の酵素原単位に対して0.1~30%に維持されるように追加糖化酵素を添加する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 1日当たりの追加糖化酵素の添加量と、発酵液における糖化酵素の初期含量との質量比(1日当たりの追加糖化酵素の添加量:発酵液における糖化酵素の初期含量)が、1:10~1:100である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 前記発酵液に対して20U/L以下の量で追加糖化酵素を添加する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 追加糖化酵素を2~192時間毎に間欠的に添加する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 前記発酵液におけるリグノセルロース系原料の濃度が5~30質量%に維持されるように調節される、請求項8に記載のエタノール製造方法。
- 前記並行複発酵が、互いに連結した少なくとも2槽の反応槽で行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 前記少なくとも2槽の反応槽が直列に連結している、請求項10に記載のエタノール製造方法。
- 前記少なくとも2槽の反応槽が、前記発酵液を収容しかつリグノセルロース系原料が連続的に追加供給される第1反応槽を含んでなる、請求項10または11に記載のエタノール製造方法。
- 前記少なくとも2槽の反応槽が、前記第1反応槽から前記発酵液の一部が連続的に移送される第2反応槽を含んでなる、請求項10~12のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
- 以下の工程をさらに含んでなる、請求項1~13のいずれか一項に記載のエタノール製造方法:
前記発酵液からエタノール水溶液を分離する固液分離工程であって、
前記エタノール水溶液を分離した後の固形分濃縮発酵液を反応槽に移送することを含んでなる、工程。 - 前記並行複発酵工程が連続式である、請求項1および3~14のいずれか一項に記載のエタノール製造方法。
Priority Applications (8)
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