JP2021036840A - エタノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
セルロース系原料からエタノールを効率良く得ることが可能な、エタノールの製造方法が提供すること。
【解決手段】
糖化酵素、酵母及び水を含有する反応系にセルロース系原料を供給して、セルロース系原料の糖化及び発酵により、エタノールを生成させる第一の工程と、反応系からエタノール及び反応残渣を含有する第一の混合物を取り出し、当該第一の混合物からエタノールを分離し、反応残渣を含有する第二の混合物を回収する第二の工程と、第二の混合物の少なくとも一部を反応系に供給する第三の工程と、第二の混合物の少なくとも一部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理して、第二の混合物より固形分濃度が小さい第三の混合物を得て、当該第三の混合物を反応系に供給する第四の工程と、を含む、エタノールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エタノールの製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化対策の一環として、バイオマス等のセルロース系原料からエタノールを製造し、各種燃料や化学原料として利用しようとする試みが広く行われている。セルロース系原料からのエタノールの製造は、例えば、セルロース系原料を単糖や少糖類等の糖類に分解する工程、微生物を利用して糖類を発酵させる工程等により行われる。
例えば、特許文献1には、連続反応液から未反応リグノセルロース材料及び糖化酵素を回収することを含み、基質としてリグニンの除去操作を施したリグノセルロース材料を使用し、連続糖化反応槽に供給される分散液における全基質量と糖化酵素量の割合を、全基質の少なくとも96質量%が滞留時間内に糖化される割合に維持することにより、未反応リグノセルロースの蓄積を防止しつつ連続的に糖化反応を行う、リグノセルロースの連続糖化方法が開示されている。
特開2006−087319号公報
本発明は、セルロース系原料からエタノールを効率良く得ることが可能な、エタノールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、糖化酵素、酵母及び水を含有する反応系にセルロース系原料を供給して、上記セルロース系原料の糖化及び発酵により、エタノールを生成させる第一の工程と、上記反応系からエタノール及び反応残渣を含有する第一の混合物を取り出し、当該第一の混合物からエタノールを分離し、前記反応残渣を含有する第二の混合物を回収する第二の工程と、上記第二の混合物の少なくとも一部を上記反応系に供給する第三の工程と、上記第二の混合物の少なくとも一部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理して、上記第二の混合物より固形分濃度が小さい第三の混合物を得て、当該第三の混合物を上記反応系に供給する第四の工程と、を含む、エタノールの製造方法に関する。
上記製造方法によれば、第四の工程により反応残渣の一部を除去することで、反応系における反応残渣の蓄積を抑制できる。また、上記製造方法では、第四の工程においてスクリューデカンタ型遠心分離機で反応残渣を処理している。スクリューデカンタ型遠心分離機では、大粒径の固形分が選択的に除去されやすいため、大粒径の固形分を除去しつつ、小粒径の固形分を第三の混合物中に残存させることができる。このため、上記製造方法では、反応残渣中に混在する酵母、及び、小粒径の固形分に吸着した糖化酵素の再利用が可能となり、エタノールの生産効率、酵母及び糖化酵素の使用効率の向上が見込まれる。これらの理由から、上記製造方法では、反応残渣の蓄積を抑制して反応の継続性を高めつつ、エタノールを効率良く得ることができる。
一態様において、上記第一の工程、上記第二の工程及び上記第三の工程を繰り返し行い、上記第四の工程を行わない第一の反応サイクルと、上記第四の工程を行う第二の反応サイクルと、を備えてよい。
一態様において、上記第一の混合物の固形分濃度が、所定濃度範囲内に維持されるように上記第四の工程を行ってよい。
一態様において、上記第一の混合物の粘度が、所定粘度範囲内に維持されるように上記第四の工程を行ってよい。
一態様において、上記スクリューデカンタ型遠心分離機に供給された固形分のうち、95.0〜99.9質量%が除去され、0.1〜5.0質量%が上記第三の混合物中に残存するように、上記スクリューデカンタ型遠心分離機による処理を行ってよい。
本発明によれば、セルロース系原料からエタノールを効率良く得ることが可能な、エタノールの製造方法が提供される。
実施例における反応工程の概略図である。 実施例における、反応開始からの経過時間に対するNo.1反応槽中の菌体数をプロットしたグラフである。 実施例における、反応開始からの経過時間に対するNo.1反応槽中の固形分の増加速度をプロットしたグラフである。 実施例における、反応開始からの経過時間に対するNo.1反応槽中の固形分の粘度をプロットしたグラフである。 実施例における、反応開始からの経過時間に対するNo.1反応槽中のエタノールの濃度の相対値をプロットしたグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るエタノールの製造方法は、糖化酵素、酵母及び水を含有する反応系にセルロース系原料を供給して、セルロース系原料の糖化及び発酵により、エタノールを生成させる第一の工程と、反応系からエタノール及び反応残渣を含有する第一の混合物を取り出し、当該第一の混合物からエタノールを分離し、反応残渣を含有する第二の混合物を回収する第二の工程と、第二の混合物の少なくとも一部を反応系に供給する第三の工程と、第二の混合物の少なくとも一部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理して、第二の混合物より固形分濃度が小さい第三の混合物を得て、当該第三の混合物を反応系に供給する第四の工程と、を含む。
本実施形態に係る製造方法によれば、第四の工程により反応残渣の一部を除去することで、反応系における反応残渣の蓄積を抑制できる。また、本実施形態に係る製造方法では、第四の工程においてスクリューデカンタ型遠心分離機で反応残渣を処理している。スクリューデカンタ型遠心分離機では、大粒径の固形分が選択的に除去されやすいため、大粒径の固形分を除去しつつ、小粒径の固形分を第三の混合物中に残存させることができる。このため、本実施形態では、反応残渣中に混在する酵母、及び、小粒径の固形分に吸着した糖化酵素の再利用が可能となり、エタノールの生産効率、酵母及び糖化酵素の使用効率の向上が見込まれる。これらの理由から、本実施形態に係る製造方法では、反応残渣の蓄積を抑制して反応の継続性を高めつつ、エタノールを効率良く得ることができる。
本実施形態に係るエタノールの製造方法は、第一の工程、第二の工程及び第三の工程を繰り返し行い、第四の工程を行わない第一の反応サイクルと、第四の工程を行う第二の反応サイクルと、を備えてよい。
以下、各工程について詳述する。
(第一の工程)
第一の工程は、糖化酵素、酵母及び水を含有する反応系にセルロース系原料を供給して、セルロース系原料の糖化及び発酵により、エタノールを生成させる工程である。
第一工程では、セルロース系原料が糖化酵素により糖化され(酵素糖化反応)、生成された糖類が酵母による発酵でエタノールに変換される(エタノール発酵)。第一工程は、例えば、酵素糖化反応とエタノール発酵とを同時に行う並行複発酵工程であってよい。
(糖化酵素)
糖化酵素はセルロース分解酵素又はヘミセルロース分解酵素である限り特に限定されない。セルロース分解酵素としては、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性等を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素が挙げられる。各セルロース分解酵素は、それぞれの活性を有する酵素を適宜の量で添加してもよいが、市販されているセルロース分解酵素剤は、上記の各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルロース分解酵素剤を用いてもよい。
市販のセルロース分解酵素剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス(Trametes)属、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属、イルペックス(Irpex)属等に由来するセルロース分解酵素剤がある。このようなセルロース分解酵素剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
使用される糖化酵素は、セルロース分解酵素剤の性質等を勘案して、単独もしくは組み合わせて用いることができる。本実施形態において、使用される糖化酵素としては、並行複発酵の初期に添加する糖化酵素と一定時間経過後に連続的または間欠的に添加する追加糖化酵素の2種類が存在していてよく、それら糖化酵素の種類は同一であっても異なってもよい。
本実施形態において、糖化酵素の活性は、以下の通りに定義される。
1M酢酸緩衝液1.5mLを含む8mLの水溶液(pH4.8)に酵素液375μL、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)絶乾重量0.5gを加えた計10mLの系で33℃、4時間反応を行ったのち、95℃、10分間加熱して反応停止させた。これを高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography:HPLC)(Prominence、島津製作所社製)にて示差屈折率(RI)検出器を用いて分析、グルコース濃度を測定する。測定結果に基づき、1分間に1μmolのグルコースを生じる酵素タンパク量を1単位(U)とする。
HPLCの測定条件は以下の通りである。
カラム:80Shodex SUGAR SP0810(昭和電工株式会社製)
移動相:超純水
流速:0.8mL/min
温度:80℃
反応槽中の発酵液における糖化酵素の初期含量は、特に限定されないが、好ましくは50〜500U/Lであり、さらに好ましくは100〜300U/Lである。
また、反応槽中の発酵液における糖化酵素の初期含量とセルロース系原料の初期含量との比(糖化酵素の初期含量(U)/セルロース系原料の初期含量(kg))は、好ましくは500〜50,000U/kgであり、さらに好ましくは1,000〜30,000U/kgである。
(酵母)
酵母は、特に限定されないが、糖類(六炭糖、五炭糖)を発酵できるものであることが好ましい。具体的には、酵母としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロマイセス属酵母、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)等のピキア属酵母、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)等のキャンディダ属酵母、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)等のパチソレン属酵母、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等のイサチェンキア属酵母等の酵母が挙げられ、好ましくはサッカロマイセス属、イサチェンキア属に属する酵母、さらに好ましくは、サッカロマイセス・セレビシエ、イサチェンキア・オリエンタリスである。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換酵母を用いることもできる。遺伝子組換酵母としては、糖類(六炭糖及び五炭糖)を発酵できるものであれば特に制限なく用いることができ、好ましくは、六炭糖及び五炭糖を同時に発酵できる酵母を用いることができる。
並行複発酵工程で用いる酵母としては、酵母培養液を用いることが好ましい。かかる酵母培養液は、上記工程に適した添加量となるように、異なるサイズの培養槽を用いて段階的に培養し得ることができる。例えば、最初に100〜300mLで培養し、次に、得られた培養液を用いて10〜30Lで培養し、さらに得られた培養液を用いて500〜1000Lで培養し、得られた培養液を並行複発酵工程に用いることができる。
並行複発酵工程での反応槽中の発酵液のpHは、特に限定されないが、3〜10の範囲に維持することが好ましく、4〜8の範囲に維持することがより好ましい。
並行複発酵工程での反応槽中の発酵液の温度は、糖化酵素および/または酵母の至適温度の範囲内であれば特に限定されないが、20〜40℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。
また、並行複発酵工程における反応槽中の菌体数は、特に限定されないが、10cells/mL以上が好ましく、10cells/mL以上がより好ましい。また、好ましい菌体数の範囲は、10〜10cells/mLであり、より好ましい菌体数の範囲は10〜10cells/mLである。
並行複発酵工程における発酵液の固形分(反応残渣、Sustained Solid:SS)の増加速度は、特に限定されないが、−1〜5kg/hの範囲であってよく、好ましくは0〜5kg/hの範囲である。
並行複発酵工程におけるグルコース濃度は、特に限定されないが、0〜0.2質量/体積%の範囲が挙げられる。
並行複発酵工程は、例えばセミバッチ式又はバッチ式であってよく、好ましくは連続式である。ここで、連続式とは、例えば、原料供給およびエタノールの生成が継続される態様をいう。反応時間は、酵素濃度によっても異なるが、バッチ式の場合は好ましくは12〜240時間、より好ましくは24〜120時間である。セミバッチ式又は連続式の場合、平均滞留時間は、好ましくは12〜240時間、さらに好ましくは24〜120時間である。ここで、平均滞留時間とは、セルロース系原料が反応槽内へ供給されてから反応槽外に移送されるまでに平均して滞留する時間をいう。
本実施形態において、並行複発酵工程は、セルロース系原料、糖化酵素及び酵母を含む発酵液に、該発酵液自体の物性値が予め設定した範囲内に維持されるように追加糖化酵素を連続的又は間欠的に添加することを含んでいてよい。かかる物性値としては、特に限定されないが、エタノール製造量当たりの必要酵素量を一定レベルに維持する観点からは、発酵液のエタノール濃度及び/又は粘度が好ましい。
上記発酵液の物性値がエタノール濃度である場合、発酵開始後に定常状態になった時のエタノール濃度に対して、発酵液のエタノール濃度(相対値)が80%以上に維持されるように追加糖化酵素を添加することが好ましい。上記エタノール濃度として、より好ましくは85%以上である。かかるエタノール濃度の測定時点は、特に限定されず、適宜設定されるものであるが、例えば、発酵開始後300〜500時間である。発酵液のエタノール濃度の測定は、少なくとも1mLの発酵液を反応槽よりサンプリングし、反応停止後、HPLCによる上清の分析により測定することができる。このような測定は、Prominence(株式会社島津製作所)を用いることにより、簡便に行うことができる。
ここで、上記「発酵開始後に定常状態になった時」とは、発酵開始後にエタノール濃度が最初に極大値となった時点であって、その後もエタノール濃度の変動範囲が20%未満に留まる時点を好ましく意味する。発酵開始後に定常状態になる時点は、反応条件等に応じて適宜変更することができるが、例えば、発酵開始後12〜240時間であり、好ましくは24〜120時間である。
添加する追加糖化酵素の量は、上記発酵液における酵素原単位(U/L)が、例えば、発酵開始1〜12時間後、好ましくは、1〜8時間後の酵素原単位に対する相対値として0.1〜30%に維持されるような量であることが好ましい。ここで、酵素原単位とは、単位容量のエタノールを生成するのに必要な酵素量をいう。上記酵素原単位は、酵素コストの指標に用いられ、好ましくは、以下の式から算出できる。
酵素原単位(U/L)=糖化酵素の総量(U)/生成したエタノールの総量(L)
酵素コストの抑制の観点から、酵素原単位が継続的に減少するように酵素反応を実施することは、効率的なエタノール製造が可能な点で特に有利である。追加糖化酵素の量は、発酵開始1〜12時間後の酵素原単位に対して、発酵液の酵素原単位(相対量)が、例えば、0.1〜30%、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.1〜2%となるように設定することが好ましい。かかる酵素原単位の算出時点は、特に限定されず、適宜設定されるものであるが、例えば、300〜500時間である。
添加する追加糖化酵素の量は、例えば、発酵液1Lあたり20U以下とすることができ、好ましくは1〜15U、さらに好ましくは3〜10Uである。ここで、添加する追加糖化酵素の量は1日当たりの追加糖化酵素の添加量として計算できる。また、追加糖化酵素の量は、並行複発酵工程の温度、pH、時間、酵素の性質及び組み合わせ等によって適宜設定することができる。
1日当たりの追加糖化酵素の添加量と、発酵液における糖化酵素の初期含量との質量比(1日当たりの追加糖化酵素の添加量:発酵液における糖化酵素の初期含量)は、特に限定されないが、好ましくは1:10〜1:100であり、より好ましくは1:15〜1:80であり、さらに好ましくは1:15〜1:50である。
追加糖化酵素の添加は連続的または間欠的に行われる。ここで、追加糖化酵素の添加が間欠的に行われる場合、追加糖化酵素の添加は2〜192時間毎が好ましく、6〜96時間毎がより好ましく、12〜48時間毎がさらに好ましい。
追加糖化酵素の添加の開始は、該発酵液自体の物性値を測定し、該測定値が予め設定した範囲内に維持されるように開始することが好ましい。
追加糖化酵素を添加するための指標としては、発酵液の粘度もまた採用することができる。上記粘度は、セルロース系原料の糖化の進行度合いに関する指標として用いることが考えられる。上記発酵液の物性値が発酵液の粘度である場合、該粘度は攪拌条件や反応条件等に応じて適宜決定することができるが、該粘度が140cPを超えた時点で追加糖化酵素を前記発酵液に添加することが好ましい。上記粘度の指標は、並行複発酵工程における反応が連続式である場合に特に有利に用いることができる。並行複発酵工程がセミバッチ式又はバッチ式である場合には、発酵液の粘度は攪拌条件や反応条件等に応じて適宜決定することができるが、該粘度が4cPを超えた時点で追加糖化酵素を上記発酵液に添加することが好ましい。
また、発酵液の物性値が粘度である場合、該粘度は攪拌条件や反応条件等に応じて適宜決定することができるが、上述の予め設定された範囲は発酵液の粘度として300cP以下が好ましい。上記粘度として、より好ましくは250cP以下である。上記粘度の範囲は、並行複発酵工程における反応が連続式である場合に有利に用いることができる。並行複発酵工程における反応がセミバッチ式又はバッチ式である場合には、発酵液の粘度が20cP以下となるように追加糖化酵素を前記発酵液に添加することが好ましい。
発酵液の粘度の測定は、少なくとも10mLの発酵液を反応槽よりサンプリングし、粘度計による粘度測定に直接供することにより測定することができる。このような測定は、粘度計(アナログB型粘度計LV−T、BROOKFIELD社)を用いることにより、簡便に行うことができる。
また、並行複発酵工程においては、発酵液におけるセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節されることが好ましい。上記所定の範囲としては、5〜30質量%が挙げられ、好ましくは10〜20質量%である。上記調節は、例えば、反応槽にセルロース系原料を供給することにより行われる。ここで、セルロース系原料の反応槽への供給速度は特に限定されないが、並行複発酵工程が連続式であって、反応槽から発酵液が排出されている場合、反応槽へのセルロース系原料の供給速度と反応槽からの発酵液の排出速度が同程度であることが好ましい。また、下記に示すように、第二の工程において、エタノール水溶液分離後の固形分濃縮発酵液を回収し、反応槽へ移送する場合、該固形分濃縮発酵液と反応槽へのセルロース系原料との合計の供給速度と反応槽からの発酵液の排出速度とが同程度であることが好ましい。
酵母生育の観点または原料が未反応のまま反応槽から移送されるリスクを防ぐ観点から、並行複発酵が行われる反応槽は、互いに連結した少なくとも2槽であることが好ましい。上記少なくとも2槽の反応槽は直列に連結していることが好ましい。かかる態様においては、例えば、第1反応槽から排出される第一の発酵液を、ライン部を介して第2反応槽に注入するように、各反応槽を直列に連結することができる。ここで、上記第1反応槽は、発酵液を収容しかつセルロース系原料が連続的に追加供給されるものであることが好ましい。セルロース系原料の供給量としては、第一反応槽内の発酵液におけるセルロース系原料の濃度が所定の範囲内に維持されるように調節されることが好ましく、上記所定の範囲としては、5〜30質量%が挙げられ、好ましくは10〜20質量%である。さらに、上記第2反応槽における発酵液が、上記第1反応槽から上記発酵液の一部が連続的に移送されるものであることが好ましい。
並行複発酵を行う反応槽として互いに連結した少なくとも2槽を用いる場合、追加糖化酵素の添加の指標となるような発酵液の物性値は、第1反応槽の発酵液の物性値を用いることが好ましい。第1反応槽の発酵液は、未反応のセルロース原料の割合が多く酵素活性の低下が物性値に影響しやすいことから、追加糖化酵素の添加の正確な指標として利用する上で有利である。
(セルロース系原料)
セルロース系原料とは、セルロースを主原料とした原料を意味する。セルロースは、例えば、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含むリグノセルロースであってよい。すなわち、セルロース系原料は、例えば、リグノセルロース系原料であってもよい。リグノセルロース系原料は、パルプ、または、パルプ以外の、リグノセルロースを含む原料である。リグノセルロース系原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
パルプとしては、針葉樹、広葉樹、林地残材、建築廃材等から得られる木材パルプ、コットンリンターやコットンリント、麻、麦わら、バガス等の非木材パルプ、古紙を原料とした古紙パルプや脱墨パルプ等が挙げられる。パルプの製法としてはアルカリ抽出、アルカリ蒸解等の化学パルプ製造法等、高度にリグニンを除去する方法が好ましく、化学パルプ製造法により製造されるパルプの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(例えば、晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP))、針葉樹クラフトパルプ(例えば、晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP))、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプが挙げられる。パルプとして、好ましくは、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ(SP)、セミケミカルパルプ(SCP)であり、より好ましくは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)である。
パルプ以外のリグノセルロース系原料としては、木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、木本性植物の切株から発生した萌芽、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられる。前記木質系のリグノセルロース系原料としては、ユーカリ(Eucalyptus)属植物、ヤナギ(Salix)属植物、ポプラ属植物、アカシア(Acacia)属植物、スギ(Cryptomeria)属植物等が利用できる。これらのうちでも、ユーカリ属植物、アカシア属、ヤナギ属植物が原料として大量に採取し易いため好ましい。草本系としてケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB:Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等が挙げられる。また、パルプ以外のリグノセルロース系原料はバイオマスであってもよい。バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであってもよい。上述のパルプ以外のリグノセルロース系原料は、前処理(脱リグニン処理等)を行った上で好適に使用される。
反応槽中の発酵液におけるセルロース系原料の濃度は、好ましくは5〜30質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。セルロース系原料の濃度を5質量%以上にすることは、最終的に生産物の濃度が低すぎてエタノールの濃縮のコストが高くなるという問題を回避する上で有利である。また、セルロース系原料の濃度を30質量%以下とすることは、高濃度となるにしたがって原料の攪拌が困難になり、生産性が低下するという問題を回避する上で有利である。
(第二の工程)
第二の工程は、反応系からエタノール及び反応残渣を含有する第一の混合物を取り出し、当該第一の混合物からエタノールを分離し、反応残渣を含有する第二の混合物を回収する工程である。
反応残渣は、例えば、リグニン、酵素、酵母等を含んでいてよい。
第一の混合物は、エタノール及び反応残渣以外に、未反応原料、グリセロール、キシロース、キシリトール、酢酸等を更に含有していてよい。
第一の混合物を取り出す速度は特に限定されない。例えば、1時間当たりに取り出される第一の混合物の量は、総滞留量(反応槽に滞留する発酵液の総量)に対して1/240〜1/12であってよく、エタノール製造効率の観点から、好ましくは総滞留量に対して1/120〜1/24である。
第二の混合物は、第一の混合物からエタノールを除去して得られた残部であってよい。第二の混合物は、反応残渣以外に、未反応原料、グリセロール、キシリトール、酢酸等を更に含有していてよい。
より具体的には、第二の工程で反応槽から排出された発酵液(第一の混合物)は、減圧蒸留装置、膜分離装置等の分離装置により、固形分濃縮発酵液(第二の混合物)と水溶液、例えば、固形分濃縮発酵液(第二の混合物)とエタノール水溶液とに分離されてよい。反応槽が2槽である場合には、第2反応槽から発酵液が排出されエタノール分離装置に移送されることが好ましい。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーター等を用いることができる。減圧下では低い温度でエタノールを分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。得られたエタノール水溶液は、さらに蒸留処理または各種分離膜、例えば、ゼオライト膜を用いて濃縮することにより、高純度のエタノールを生成することができる。
(第三の工程)
第三の工程は、第二の混合物の少なくとも一部を反応系に供給する工程である。すなわち、第三の工程は、発酵液(第一の混合物)から分離された固形分濃縮発酵液(第二の混合物)の一部又は全部を反応槽に移送する工程ということもできる。反応槽が2槽以上である場合には、第1反応槽に固形分濃縮発酵液(第二の混合物)の一部又は全部を移送することが好ましい。
第三の工程において、第二の混合物の全部を反応系に供した場合は、第四の工程は実施されない。一方、第三の工程において、第二の混合物の一部を反応系に供した場合、第二の混合物の他部(又は、当該他部の更に一部)が第四の工程に供されてよい。また、本実施形態では、第三の工程を間欠的に実施してよい。第三の工程を実施しないとき、第二の混合物の一部又は全部が第四の工程に供されてよい。
(第四の工程)
第四の工程は、第二の混合物の少なくとも一部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理して、第二の混合物より固形分濃度が小さい第三の混合物を得て、当該第三の混合物を反応系に供給する工程である。
第四の工程では、第二の混合物の少なくとも一部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理することで、反応残渣の一部を除去し、第二の混合物より固形分濃度が小さい第三の混合物を得ることができる。得られた第三の混合物は反応系に供給される。これにより、反応系における反応残渣の蓄積が抑制される。
すなわち、第四の工程は、発酵液(第一の混合物)から分離された固形分濃縮発酵液(第二の混合物)の一部又は全部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理して低固形分発酵液(第三の混合物)を得て、当該低固形分発酵液の一部又は全部を反応槽に移送する工程ということもできる。反応槽が2槽以上である場合には、第1反応槽に低固形分発酵液(第三の混合物)の一部又は全部を移送することが好ましい。
スクリューデカンタ型遠心分離機による処理速度は特に限定されない。例えば、1時間当たりにスクリューデカンタ型遠心分離機で処理される第二の混合物の量は、総滞留量(第二の工程で回収される第二の混合物の総量)に対して、1〜90質量%であってよく、酵母及び酵素回収による反応性を両立する観点から、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%である。
本実施形態では、第四の工程を常時実施してもよく、間欠的に実施してもよい。第四の工程は、例えば、第一の混合物の固形分濃度が、所定範囲内に維持されるように実施されてよい。
上記の固形分濃度の所定範囲は、装置条件等に応じて適宜設定してよく、例えば、装置の許容濃度範囲に基づいて決定されてよい。固形分濃度の所定範囲は、例えば1〜20質量%であってよく、第1反応槽における反応性と流動性を両立する観点から、好ましくは3〜18質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
なお、固形分濃度の測定方法は、特に限定されず、例えばセントラル科学社製「SS濁度系ST−100」を用いて測定できる。
第四の工程はまた、第一の混合物の粘度が所定範囲内に維持されるように実施されてもよい。
上記の粘度の所定範囲は、装置条件等に応じて適宜設定してよく、例えば、装置の許容粘度範囲に基づいて決定されてよい。粘度の所定範囲は、例えば0〜1000cPであってよく、第1反応槽における反応性と流動性を両立する観点から、好ましくは0〜500cP、より好ましくは0〜300cPである。
なお、第一の混合物の粘度の測定方法は、特に限定されず、例えばBROOKFIELD社製「アナログB型粘度計LV−T」を用いて測定できる。
第四の工程では、例えば、スクリューデカンタ型遠心分離機に供給された固形分のうち、95.0〜99.9質量%が除去され、0.1〜5.0質量%が第三の混合物中に残存するように、スクリューデカンタ型遠心分離機による処理を行ってよい。固形分のうち0.1〜5.0質量%が残存するようにスクリューデカンタ型遠心分離機による処理を行うことで、上述した大粒径の固形分の選択的な除去による効果が、より顕著に奏される。
スクリューデカンタ型遠心分離機に供給された固形分のうち、除去される固形分の割合は、好ましくは97.0〜99.9質量%、より好ましくは99.0〜99.9質量%である。すなわち、スクリューデカンタ型遠心分離機に供給された固形分のうち、第三の混合物中に残存する固形分の割合は、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜1.0質量%である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<酵母の培養>
発酵液に用いる酵母は、(1)200mL in 500mLフラスコ、(2)20L in 30L培養槽、(3)800L in 900L培養槽の3段階で調製した。各段階において、コーンスティープリカー(Corn Steep Liquor、CSL)1質量%、ブドウ糖2質量%の水溶液を調製し、1×10×7cells/mLとなるように植菌し、12時間培養した。
<エタノールの製造>
本実施例におけるエタノールの製造の概略図を図1に示した。なお、図1中の実線の矢印は常に実施される工程の流れ、破線の矢印は一時的に実施される工程の流れをそれぞれ表している。
最大12000L容量のNo.1反応槽11に、滅菌水400kgを張込み、尿素14kg及びCSL63kgを添加後、絶乾重量で15.2kg/hの速度で広葉樹晒クラフトパルプ1(LBKP、バイオマス固形分濃度:10質量%)の供給を開始した。LBKP供給開始後3時間経過時点で、3N硫酸及び3N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4.8に調整した後、酵素タンク8で調製した966608Uの酵素2及び900L培養槽10で調製した酵母3の培養液全量を添加し、反応を開始した。反応槽は温度33℃、攪拌速度24rpm、通気量0.016vvm、pH4.8で一定となるように制御し、48時間経過時点で全量7300kgのうち半分量の3650kgを最大12000LのNo.2反応槽12へと移送した。No.2反応槽12への移送完了後、No.2反応槽12からバッファータンク13を介して減圧蒸留塔14へ150kg/hの速度で発酵液移送を開始、40kg/hの割合でエタノール水溶液4を留去するとともに、110kg/hの割合で固形分濃縮発酵液を反応槽15へと回収する操作を運転停止まで継続した。この間、LBKPは一定速度での供給を継続した。(Phase1)
反応開始後354時間経過時点で酵素少量追添を開始した。酵素は24時間毎に49210U添加した(Phase2)。
558時間経過後、上記酵素追添に加え、スクリューデカンタ16(タナベウィルテック社製、デカンタ型遠心分離機、型番:Z1LL−K−V−BS2)による反応残渣の一部抜出を実施した。具体的には、蒸留後の固形分濃縮発酵液110kg/hのうち6kg/hをスクリューデカンタ16へ給液し、反応残渣5を除去した。反応残渣除去後の混合物は、No.1反応槽11へと回収した(Phase3)。このとき、スクリューデカンタの運転条件は、ボール回転数4800rpm、差動(スクリューデカンタ内部の「ボール」と「スクリュー」の差速)10rpmとし、遠心効果は3000gであった。
No.1反応槽11及びNo.2反応槽12中の反応液を12時間に1度サンプリングし、粘度計(BROOKFIELD社製「アナログb型粘度計LV−T」)にて粘度を、濁度計(セントラル科学社製「SS濁度計ST−100」)にて固形分濃度を、それぞれ測定した。また、菌体数はトーマ血球計算盤を用い、光学顕微鏡(倍率400倍)で観察し、計測した。結果を図2〜4に示す。この結果から、菌体数はエタノール製造に必要な水準に維持しつつ、固形分量を削減することにより、反応液の粘度を低減できることが確認された。
また、サンプリングした試料を95℃、10分加熱して反応停止させたのち、これをHPLC(株式会社島津製作所社製、Prominence)にて示唆屈折率(RI)検出器を用いて分析し、エタノールの濃度を測定した。反応開始から48時間が経過した時点でのエタノールの濃度を1とし、相対値を算出した。結果を図5に示す。この結果から、スクリューデカンタによる固形分の一部除去により、エタノール生産性を維持しながら固形分濃度および粘度を低減できることが確認された。
また、反応開始から570時間、594時間及び618時間が経過した時点で、スクリューデカンタ処理に供された固形分量と処理後に残存した固形分量とをそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
Figure 2021036840
(参考試験1)
<粒径ごとの反応残渣残存率>
卓上小型遠心分離機(トミー精工社製、「MX305」)を用いて、スクリューデカンタ型遠心分離機に相当する下記条件で発酵液(5L培養槽 連続発酵液 30mL)の遠心分離を行い、反応残渣を除去した。遠心分離後の上清をピペットで200μL取り出し、粒径分布を測定した。結果を表2に示す。
・遠心強度:3000G
・処理時間:1分
Figure 2021036840
この結果から、スクリューデカンタ型遠心分離機によって、大粒径の固形分(粒径が10μmより大きい固形分)が除去されやすく、小粒径の固形分(粒径が10μm以下の固形分)が残存しやすいことが確認された。
1…広葉樹晒クラフトパルプ、2…酵素、3…酵母、4…エタノール水溶液、5…反応残渣、6…コンデンサー、7…真空ポンプ、8…酵素タンク、9…30L培養槽、10…900L培養槽、11…No.1反応槽、12…No.2反応槽、13…バッファータンク、14…減圧蒸留塔、15…反応槽、16…スクリューデカンタ。

Claims (5)

  1. 糖化酵素、酵母及び水を含有する反応系にセルロース系原料を供給して、前記セルロース系原料の糖化及び発酵により、エタノールを生成させる第一の工程と、
    前記反応系からエタノール及び反応残渣を含有する第一の混合物を取り出し、当該第一の混合物からエタノールを分離し、前記反応残渣を含有する第二の混合物を回収する第二の工程と、
    前記第二の混合物の少なくとも一部を前記反応系に供給する第三の工程と、
    前記第二の混合物の少なくとも一部をスクリューデカンタ型遠心分離機で処理して、前記第二の混合物より固形分濃度が小さい第三の混合物を得て、当該第三の混合物を前記反応系に供給する第四の工程と、
    を含む、エタノールの製造方法。
  2. 前記第一の工程、前記第二の工程及び前記第三の工程を繰り返し行い、前記第四の工程を行わない第一の反応サイクルと、
    前記第四の工程を行う第二の反応サイクルと、
    を備える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第一の混合物の固形分濃度が、所定濃度範囲内に維持されるように前記第四の工程を行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第一の混合物の粘度が、所定粘度範囲内に維持されるように前記第四の工程を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記スクリューデカンタ型遠心分離機に供給された固形分のうち、95.0〜99.9質量%が除去され、0.1〜5.0質量%が前記第三の混合物中に残存するように、前記スクリューデカンタ型遠心分離機による処理を行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
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