JP2015500038A - 最適化された液化リグノセルロース基質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、酵素反応による液化リグノセルロース基質の製造に関する。本発明において、10〜40乾燥物重量%の前処理済みリグノセルロース基質は、1〜24時間の範囲の期間にわたり、撹拌を伴いながら、水と、並びに、セルロースのグラム当たり0.1〜60mgの範囲の濃度の酵素と接触させられる。本発明の方法は、反応媒体の流動学的特性の少なくとも1つの値が経時的に計測されること、および、前記値の低減が経時的に検出された場合に、a)酵素および/または水の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、前処理済みリグノセルロース基質の供給流量が増大させられる工程が行われること、かつ、前記値の増大が経時的に検出された場合に、b)前処理済みリグノセルロース基質の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、水および/または酵素の供給流量が増大させられる工程が行われること、を特徴とする。

Description

本発明は、リグノセルロース系バイオマスからの、液化リグノセルロース基質の製造方法に関する。前記液化リグノセルロース基質は、次いで、その後に続く種々の工程、例えば、アルコールの製造のための、あるいは、化学のための中間体の製造のための発酵工程等で用いられてよい。
リグノセルロース系バイオマスを品質向上させるための、経済的に実行可能な方法の開発が、目下「注目の話題」である。化石資源がますます不足しかつ食糧との競合が増す中で、バイオ燃料および化学的中間体の製造のための新たなプロセスを見出す研究がなされるに至っている。
1970年台以来、構成成分である多糖類の加水分解後の、リグノセルロース系バイオマスの糖類への変換が、数多くの研究の対象であった。
リグノセルロース系バイオマスは、3つの主要な高分子化合物、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンによって構成される複雑な構造を特徴としており、それらの割合は、リグノセルロース系バイオマスの種に応じて変動する。限定するものではないが典型的な組成は、以下の通りである:セルロースの量は、35〜50重量%の範囲であり、ペントースおよびヘキソースによって実質上構成される多糖類であるヘミセルロースの量は、20〜30重量%の範囲であり、リグニンの量は、15〜25重量%の範囲である。バイオマスの分解は困難であることが判明している。これは、植物細胞壁の多糖類(セルロースおよびヘミセルロース)が、リグニンと密接に関連しているからであり、これにより、細胞壁は硬さを与えられている。
これら3つの高分子化合物のうち、セルロースが糖類の主成分である。なぜなら、セルロースはグルコースによって構成されているからであり、グルコースは容易に品質向上が可能である。
従来、生化学的プロセスによるバイオマスの品質向上方法は、複数の工程を含んでいる。第1の工程は、リグノセルロース系バイオマスの収集、およびリグノセルロース系バイオマスのバイオマス変換センターへの輸送である。第2の工程は、バイオマスの前処理すなわち前加水分解であって、これにより、セルロースが酵素にアクセス可能(accessible)となり、従って前処理済みリグノセルロース基質を製造することが可能となる。第3の工程、酵素加水分解は、酵素カクテルとして公知の、微生物によって生産されるセルロース分解酵素およびヘミセルロース分解酵素の溶液が用いられるために、セルロースがグルコースに変換されることを意味する。このグルコースは、次いで、第4の工程、発酵の間中、一般的に、酵母Saccharomyces cerevisiaeによって、例えば、エタノールに、あるいは、酵母Clostridium acetobutylicumを用いた発酵によってアセトン、ブタノール、エタノール(ABE)混合物に品質向上されてよい。次いで、第5の工程、蒸留は、得られた分子が濃縮され得ることを意味する。
前処理工程の終わりに得られた前記前処理済みリグノセルロース基質は、実質上セルロースと固体リグニンからなる固体残渣(residue)である。
本明細書の以降において、前処理済みリグノセルロース基質の濃度は、乾燥物(dry matter)の重量による百分率として表される。重量による百分率として表される乾燥物含有率(dry matter content)は、105℃での24時間にわたる乾燥後に得られた試料の質量の、試料の初期質量に対する比率である。
酵素加水分解工程において、前記前処理済みリグノセルロース基質は、セルロース分解酵素とヘミセルロース分解酵素とを含む溶液と混合されなければならない。この目的は、高濃度の糖類を得ることであり、従って、酵素加水分解工程は、高濃度の前処理済みリグノセルロース基質、すなわち、高い乾燥物含有率で行われなければならない。セルロース分解酵素とヘミセルロース分解酵素とを含む前記溶液との均質混合(Intimate mixing)は、従って、困難であることが分かる。
したがって、酵素加水分解工程は、反応媒体を均質化するために、水の添加によって希釈された前処理済みリグノセルロース基質を用いて行われ得る。水を用いる前記リグノセルロース基質の希釈は、酵素加水分解工程の終わりに得られた糖類および糖類のオリゴマーをも希釈してしまうという不利な点を有する。この希釈の問題を解消するため、および、有利かつ実行可能な濃度の糖を得るために、特定の実施が想定されてよい:以下に定義する、「フェドバッチ(fed batch)」様式において前記リグノセルロース基質を供給することにより、酵素加水分解反応を開始することおよび良好な混合を提供することが可能な、十分に希釈された反応器始動液(reactor starter liquor)が調製され得ることを意味する。反応が進むにつれて、混合物は、ますます液体になり、その濃度を増大させるために新鮮な基質を添加することが可能である。従ってこの方法で操作することによって、高濃度、有利には20〜30乾燥物重量%の範囲の基質を得ることが可能となる。
上記の、高い乾燥物含有率での加水分解の開始により、混合および均質化にまつわる問題が生じる。反応媒体は、非常に糊のようで粘性があるため、反応混合物が、より液体状になっている加水分解の終わりに必要な撹拌よりも、はるかに複雑な特定の撹拌を必要とする。この理由から、この加水分解を、以下の2つの工程に分けることが妥当なようである:
・液化工程であって、これは加水分解の始まりに相当し、この工程中、反応媒体は、粘性であり、複雑な撹拌システムと高い撹拌エネルギーとを必要とする、工程である。これに対し、滞留時間は短く、このことは、このような撹拌に提供されるべき体積が制限されることを意味する;
・その次の工程は、加水分解が従来の方法で継続される場合における糖化、あるいは、加水分解を行いながら糖類を発酵させるために酵母が導入される場合におけるSSF(simultaneous saccharification and fermentation同時糖化発酵:並行複発酵)に相当する、工程である。この工程は、より簡潔な撹拌、より少ないエネルギーを必要とするが、滞留時間は長く、従って体積は増大する。
本発明者らの研究は、より具体的には、液化工程の進行をモニタリングし、その制御を最適化するために、液化工程に着目してきた。
従って、本発明は、リグノセルロース基質、酵素の添加および希釈を調節しながら、液化を最適化するために、反応媒体の流動学的特性の計測をモニタリングすることを提案している。
本発明の方法の目的の1つは、従って、液化リグノセルロース基質を得るための酵素反応による、液化リグノセルロース基質の製造方法を提供することである。この液化リグノセルロース基質は、下流に位置する工程へのその移動と、次の反応におけるその撹拌とに適合可能なレオロジーを有する。
特許文献1には、「フェドバッチ」様式でのリグノセルロース系バイオマスの加水分解のための方法が記載されており、ここで、反応器の容積、および/または前処理済みリグノセルロース系バイオマス供給原料の添加の頻度、場合による酵素の添加、並びに反応器内で生産される糖類の体積および/または濃度の制御することにより、該方法の機能パラメータが調節される。とりわけ、前処理済みリグノセルロース系バイオマス供給原料は、順次反応器に添加され、毎回、反応媒体中、70〜90%の、セルロースのグルコースへの理論的転化率が得られるようになされる。従って、糖類の濃度の計測のモニタリングは、該方法の最適化基準を構成する。従って、この方法は、所与の基質についての、理論転化速度の知識を必要とし、これは、処理される可能性のある基質が多様であるため、適用が困難である。
非特許文献1には、加水分解反応のモデリングに基づく「フェドバッチ」様式におけるリグノセルロース系バイオマスの加水分解のための方法が記載されている。従って、各基質または基質混合物について、反応器に供給原料を添加するための最善の方策を決定するために、加水分解中のそれらの挙動を決定することが必要である。
非特許文献2では、前処理済みリグノセルロース基質の添加のための種々の方策の、酵素加水分解からの糖類の収率に対する、効果について検討している。非特許文献2には、反応の進行に伴う粘度の低下という、周知の現象が記載されている。非特許文献2の開示内容は、基質変更の場合において、基質の供給の方策および/または酵素溶液を一般化することは可能ではなく、撹拌の機械的制約を考慮に入れない、というものである。
特許文献2には、酵素加水分解工程のための「フェドバッチ」様式の供給原料が記載されており、ここで、試験により、バッチ毎に添加され得るバイオマスの量が求められ得ることが記載されている。従って、基質のタイプが変更される毎に、酵素加水分解試験の前に、試験を行うことが必要である。
米国特許出願公開第2010/0255554号明細書 米国特許出願公開第2010/0330638号明細書
Hodgeら著、「Model-Based Fed-Batch for High-Solids Enzymatic Cellulose Hydrolysis, Appl.Biochem Biotechnol.」(2009年)第152巻:p.88−107 Rosgaardら著、「Effects of Substrate Loading on Enzymatic Hydrolysis and Viscosity of Pretreated Barley Straw, Appl.Biochem Biotechnol.」(2007年)第143巻:p.27−40
従来技術に対して、本発明は、液化を最適化するために、反応媒体の流動学的特性の計測がモニタリングされる、液化リグノセルロース基質の製造方法を提案する。
本発明は、特に、酵素反応による液化リグノセルロース基質の製造方法であって、10〜40乾燥物重量%の前処理済みリグノセルロース基質が、1〜24時間の範囲の期間にわたり、撹拌を伴いながら、水と、並びに、セルロースのグラム当たり0.1〜60mgの範囲の濃度の酵素と接触させられる方法において、
反応媒体の流動学的特性の少なくとも1つの値が経時的に計測されること、
および、
前記値の低減が経時的に検出された場合に、以下の工程a):
a)酵素および/または水の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、前処理済みリグノセルロース基質の供給流量が増大させられる、工程;
が行われること、
かつ、前記値の増大が経時的に検出された場合に、以下の工程b):
b)前処理済みリグノセルロース基質の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、水および/または酵素の供給流量が増大させられる、工程;
が行われること
を特徴とする、方法を提供する。
本発明の利点の1つは、処理された基質に依存せず、自動化された方法で行われ得る、液化リグノセルロース基質の製造方法の提供である。
本発明の別の利点は、処理された基質の事前の特徴付けを必要としない液化リグノセルロース基質の製造方法の提供であり、これにより、プラント内でのより高い自由度と、向上した使用の容易さとが提供される。
加えて、本発明は、反応モデルの開発を必要とせず、従って、用いられる基質または酵素カクテルのタイプに関係なく、適切であり続ける。
本発明の別の利点は、例えば、媒体中の糖類の濃度等の、反応媒体中の変化をモニタリングし、かつ該変化に対して、複雑な手段を必要としない容易な適合を提供するために用いられ得る液化リグノセルロース基質の製造方法の提供である。
本発明の方法において用いられる、前処理済みリグノセルロース基質は、有利には、例えば、酸蒸煮(acid cooking)、アルカリ蒸煮(alkaline cooking)、水蒸気爆砕(steam explosion)、オルガノソルブ法(organosolv)等の、リグノセルロース系バイオマスの前処理のための従来の方法を用いて得られる。穏やかな条件下での酸タイプの前処理および水蒸気爆砕による前処理が、最も適している。それらの処理により、加水分解への良好なアクセス可能性を有するセルロースが提供される。
本発明の方法は、有利には、液化方法である。前記方法は、有利には、高さ/径の割合が有利には1〜3の範囲である円筒形状の反応器内で行われる。
前記反応器は、可変(variable)粘性を持つ媒体を処理するために用いられ、それ故に、乾燥物含有率が40重量%に達することもあるリグノセルロース基質が用いられ得る。反応媒体が高い乾燥物含有率および高い粘度を有する場合、反応器は、酵素と基質との間の良好な接触および良好な均質性を可能とする撹拌機を備えていることを要求される。従来、選択される撹拌機は、層流を処理することが可能であらねばならない。幅広い撹拌機、あるいはさらには中程度の回転速度で反応器の壁を擦りながら混合および混練動作を行うものが、好ましい。特に適切な撹拌機の例としては、Paravisc(EKATO)が挙げられ、これはまた、集合物(assembly)の動きを阻む追加バッフルと共に用いられ得る。
本発明によると、本発明の方法において、前処理済みリグノセルロース基質は、前処理済みリグノセルロース基質の10〜40乾燥物重量%の範囲の濃度、好ましくは16〜30乾燥物重量%の範囲の濃度、好ましくは18〜24乾燥物重量%の範囲の濃度で接触させられる。
本発明によると、酵素は、本発明の方法において、セルロースのグラム当たり0.1〜60mgの範囲の酵素の濃度、好ましくは、セルロースのグラム当たり5〜30mgの範囲の酵素の濃度、より好ましくは、セルロースのグラム当たり10〜20mgの範囲の酵素の濃度で接触させられる。
本発明によると、接触期間は、1〜24時間の範囲、好ましくは2〜12時間の範囲、より好ましくは4〜8時間の範囲である。
本発明の前記方法は、反応媒体の流動学的特性の1つの少なくとも値の経時的測定が行われることを特徴とする。
反応媒体の前記流動学的特性は、有利には、反応媒体の粘度、撹拌システムの軸のトルク、およびモータによって消費される電力から選択される。モータによって消費される電力は、Pelecと示される。
本発明の方法の間中、すなわち、液化の間中、反応媒体の粘度、撹拌システムの軸のトルク、およびモータによって消費される電力は、モニタリングされるべき、生じたリグノセルロース基質の流動学的特性であり、これは、数多くの利点を有している。実際、前記特性:粘度、トルク、電力は、相互に関係している。モータによって消費される電力、Pelecは、撹拌機の軸を駆動する機械力Pmecに関連している。
モータによって消費される電力は、パイロットプラントまたは工業プラントにおいて従来計測されかつモニタリングされているパラメータである。
以下の式は、種々のパラメータ間の関係を定義する:
mec=f(Pelec)、
式中、fは、モータの設計特徴であり、モータの製造業者によって与えられたものであり;
mec=2πN*C、
式中、
Nは、撹拌速度(秒当たりの回転数)であり;
Cは、トルク(N.m)であり、
mecは、力(ワット)である。
撹拌の間中、以下の関係式が有効である:
mec=ρNp35
ρは、反応媒体の密度(kg.m3)であり;
Dは、撹拌機の外径(m)であり;
pは、容器の形状および流れ条件に依存した撹拌機の特徴である。
層流条件下で、以下の関係式が有効である:
p=A/Re、これによりPmec=ρAN35/Re、
式中、Aは、撹拌システムの定数であり、Reは、レイノルズ数であり、
Figure 2015500038
粘度および撹拌システム軸のトルクが、小規模で容易にアクセス可能な測定値である場合、モータによって消費される電力、Pelecが、工業規模で最も容易に計測されるパラメータである。
非常に好ましくは、本発明の前記方法は、モータによって消費される電力の計測が、経時的に行われることを特徴とする。
モータによって消費される電力の変化は、従って、前処理済みリグノセルロース基質の液化、および反応の進行と相関している。
電力が低減した場合、それは、前処理済みリグノセルロース基質が液化したこと、並びに、新鮮な基質が添加され得ることを意味する。電力が増大した場合、それは、新鮮な基質がちょうど添加されたところであること、並びに、添加前の電力にまで再び回復するには、更なる時間が必要であることを意味する。
本発明によると、反応媒体の前記流動学的特性の計測はモニタリングされ、前記値の低減が経時的に検出された場合、以下の工程a):
a)酵素および/または水の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、前処理済みリグノセルロース基質の供給流量が増大させられる、工程;
が行われ、
かつ、前記値の増大が経時的に検出された場合、以下の工程b):
b)前処理済みリグノセルロース基質の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、水および/または酵素の供給流量が増大させられる、工程;
が行われる。
前記値が経時的に安定している場合、基質、酵素、および水の流量は、有利には一定に維持される。
好ましい実施形態によると、本発明に従った酵素反応による液化リグノセルロース基質の製造方法は、有利には「フェドバッチ」様式で操作する。この場合、前記方法は、連続供給型反応器内で行われ、この間、反応器の含有物は何も抜き出されない。
別の好ましい実施形態によると、本発明に従った酵素反応による液化リグノセルロース基質の製造方法は、有利には「ケモスタット」(chemostat)様式で操作する。この場合、前記方法は、連続供給型反応器内で行われ、この間、反応体積の質量を一定に維持するために、反応体積の一部が抜き出される。
前記方法が、連続供給型反応器内で行われる、前記好ましい実施形態において、前記値の低減が経時的に検出された場合、前記工程a)は、第1の実施形態に従って行われ、ここで、前処理済みリグノセルロース基質のための供給流量は、増大させられ、一方、酵素と水の流量は、反応体積を一定に維持するために低減させられる。この場合、出口流量は、一定に留まっている。
前記工程a)は、有利には、第2の実施形態に従って行われてもよく、ここで、前処理済みリグノセルロース基質の流量は、酵素の濃度と乾燥物含有率とを一定に維持するために、酵素および水の流量と共に、増大させられる。出口流量は、次いで、反応体積を一定に維持するために、増大させられる。この場合、液化の反応時間は、低減する。
前記工程a)は、有利には、第3の実施形態に従って行われてもよく、ここで、前処理済みリグノセルロース基質の流量は、増大させられ、同時に、酵素および水の流量は一定に維持される。出口流量は、次いで、反応体積を一定に維持するために、増大させられる。この場合、液化の反応時間は、低減する。
前記方法が、連続供給型反応器内で行われる、上記好ましい実施形態において、前記値の増大が継時的に検出された場合、前記工程b)は、第1の実施形態に従って行われ、ここで、前処理済みリグノセルロース基質の流量は、低減させられ、同時に、酵素と水の流量は、反応体積を一定に維持するために、増大させられる。出口流量は、一定に留まる。
前記工程b)は、有利には、第2の実施形態に従って行われてもよく、ここで、前処理済みリグノセルロース基質の流量は、酵素の濃度と乾燥物含有率とを一定に維持するために、酸素と水の流量と共に、低減させられる。出口流量は、次いで、反応体積を一定に維持するために、低減させられる。この場合、液化の反応時間は増大する。
前記工程b)は、有利には、第3の実施形態に従って行われてもよく、ここで、前処理済みリグノセルロース基質の流量は、低減させられ、同時に、酵素と水の流量は、一定に維持される。出口流量も、反応体積を一定に維持するために、増大させられる。この場合、液化の反応時間は増大する。
好ましくは、前記工程a)およびb)は、オペレータによって行われるか、例えば制御ソフトウェアを用いて自動化される。
本発明の方法は、有利には、40〜60℃の範囲、好ましくは45〜55℃の範囲の温度で、4〜6の範囲、好ましくは4.5〜5の範囲のpHで、大気圧で操作される。
撹拌速度は、反応器および撹拌機のサイズに依存する。
モータによって消費される電力の値が計測される場合、反応体積の質量に対する、前記モータによって消費される電力は、有利には、0.05〜4kW/トンの範囲内、好ましくは0.5〜2kW/トンの範囲内に留まる。
温度も、調節され得るパラメータである。
経時的に計測される、反応媒体の流動学的特性のうちの、1つの値が高く、工程b)における操作方法が、それを低減させることができない場合、5時間未満、好ましくは2時間未満の期間にわたり、温度を上昇させることが可能である。この場合、温度は、40〜60℃の範囲内、好ましくは45〜55℃の範囲内に留まるように、上昇させられる。
この温度上昇は、反応を一時的に加速させるが、酵素が、より迅速に失活させられるという結果を伴う。それは、酵素濃度の一時的な増加に相当する。
経時的に計測される、反応媒体の流動学的特性のうちの、1つの値が低く、工程a)における操作方法が、それを増大させることができない場合、5時間未満、好ましくは2時間未満の期間にわたり、温度を低減させることが可能である。この場合、温度は、40〜60℃の範囲内、好ましくは45〜55℃の範囲内に留まるように、低減させられる。
反応は減速するが、酵素は、よりゆっくりと失活させられる。この反応は、酵素濃度の一時的低下に相当する。
従って、本発明の方法は、リグノセルロース基質の撹拌、並びに、ポンピングを促進するレオロジーを有する、リグノセルロース基質を得るために用いられ得る。
本発明の方法の終わりに得られる液化リグノセルロース基質は、従って、後に続く任意の工程のための、別の反応器に容易に移され得る。
従って、本発明の方法の後に、有利には、本発明の方法の終わりに得られた液化リグノセルロース基質の変換を可能にする任意の工程が行われ得る。
従って、本発明の方法の後に、有利には、糖化工程が行われ得る。前記糖化工程は、酵素加水分解による糖の製造のために用いられ得、本発明の方法、すなわち、より簡易な撹拌システムおよびより低い撹拌力を用いる液化と同様の条件下で行われる。
好ましい実施形態において、糖化工程は、有利には、発酵マスト(must)を得るために、アルコール生産(alcoholigenic)微生物の存在下で行われる。この場合、糖化およびアルコール発酵は、SSF法として知られる並行複発酵法を用いる単一の工程で行われる。
本発明の方法の後に、有利には、アセトン、ブタノール、エタノール(ABE)混合物の製造のための工程が行われてもよく、前記工程は、有利には、酵母Clostridium aceobutylicumの存在下で行われる。
本発明の方法の後に、有利には、化学的中間体の製造のための工程が行われてもよい。
以下の操作例は、本発明を例証するためのものである。
実施例1、本発明に合致する:フェドバッチ様式の液化方法
実施例1は、フェドバッチ様式で行われる液化方法に関する。その原理は、液化されるべき、前処理済みリグノセルロース基質の一部を用いて、始動液を調製することからなる。このことは、混合を可能にするために希釈された、前処理済みリグノセルロース基質を用いて、反応が、開始され得ることを意味する。液化が進み、媒体の粘度が低減すると、新鮮な基質が添加され得、これにより、反応器の体積が埋め合わせられ、かつ高い乾燥物含有率に到達する。
検討される前処理済みリグノセルロース基質は、麦わらであった。麦わらを加水分解に反応させるための適切な前処理は、連続的水蒸気爆砕であった。最初に、粉砕および酸含浸のための工程が必要であった。10〜20mmのスクリーンであれば、満足できるほど十分であった。酸含浸を、乾燥物含有率10%の硫酸溶液中で行った。酸の用量は、乾燥物に対して0.50重量%の硫酸であった。バイオマスを流し出して、水蒸気爆砕反応器に導入した。
水蒸気爆砕を、以下の操作条件下で行った:
・T=200℃
・P=16バール
・滞留時間:5分間
・反応器中の乾燥物含有率:20〜25%
次いで、水酸化カリウムKOHの濃溶液を用いて、前処理済み麦わらのpHを4.8にし、次いで圧縮して、35%の乾燥物含有率を得た。このタイプの前処理の後に得られたセルロースに対する基質の純度は、一般的に約50重量%であった。
EKATO社のParavisc型撹拌機を備えた、4m3の反応器内で、液化工程を行った。用いた酵素カクテルは、Novozyme社のCellic−CTec2であった。酵素溶液は、200g/lのプロテイン濃度と、約1.2の密度とを有していた。
フェドバッチのための操作条件は、以下の通りであった:
・初期反応媒体の乾燥物含有率:10%
・最終反応媒体の乾燥物含有率:20%
・酵素濃度:20gの酵素溶液/セルロース重量(kg)
・Paravisc撹拌速度:分当たり15回転
・pH=4.8、濃水酸化カリウムを用いて調整した
・温度=50℃、調節した
・前処理済みリグノセルロース基質の添加:5回の添加、各回320kgずつ
初期に空であった反応器を、1675kgの水で満たし、これに、686kgの前処理済みリグノセルロース基質を添加した。50℃の設定レベルに到達するように、反応器の加熱を開始した。一旦このレベルに到達したら、要求される酵素の全て、すなわち40kgの酵素溶液を導入した。次いで、乾燥物含有率10%、反応体積約2.4m3で、反応を開始した。酵素添加の時間を、反応の始まり、t0に対応するようにした。t0において、反応媒体の質量に対する、撹拌モータによって消費された電力は、4.0kW/トンであった。反応が進行している時、反応媒体の質量に対する、モータによって消費される電力は、低下し、2.0kW/トンで終了した。次いで、320gの基質の、最初の添加を行い、反応媒体の質量に対する、モータによって消費される電力が再度上昇するようにした。5回の添加を行うまで、この手順を繰り返した。一般的に、最終の添加は、約t0+3hで行った。反応は、3時間長く継続可能であるようにして、これにより、粘度の低下後に、その後の工程に移るか、あるいは連続様式に移ることができるようにした。液化の終わりにおける、反応媒体の質量に対する、モータによって消費される電力は、0.5kW/トンであると予測することが可能であった。
実施例2、本発明に合致する:フェドバッチから出発する、連続様式液化方法
実施例2は、実施例1で説明したようなフェドバッチ様式から出発する、連続様式で行なわれる液化方法に関する。「フェドバッチ」様式の試薬および操作条件は、同じままであった。一旦4m3の反応器が満杯になり、反応媒体の質量に対する、モータによって消費される電力が1.0kW/トンになった時、フェドバッチ様式から連続様式への移行を行った。この時、生産物を、一定の反応体積を維持できる流量で連続的に抜き出した。4時間の滞留時間の間、これは、時間当たり1トンの流量に相当していた。この時、基質、水、および酵素を、一般に同一の流量で注入して、これにより、反応器中の質量および体積を一定に維持した。各流れの質量流量は、以下の通りであった:
・水:419kg/h
・酵素溶液:10kg/h
・基質:571kg/h
次いで、連続的液化が開始し、以下の3つのケースが生じ得た:
・モータによって消費される電力が一定に留まるケースであって、このケースでは、基質、酵素溶液、または水の流量を、調節しなかった。
・モータによって消費される電力が低減するケースであって、このケースでは、以下のことが可能であった:
〇酵素と水の流量を低減させることによって、基質流量を増大させることであって、これによって体積を一定に維持した。出口流量は、一定に留まっていた。例:650kg/hの基質、9kg/hの酵素、341kg/hの水、並びに、1000kg/hの出口流量。
〇酵素と水の流量を一定に維持することによって、基質流量を増大させること。出口流量も、増大させなければならず、これによって体積を一定に維持した。例:650kg/hの基質、10kg/hの酵素、419kg/hの水、並びに、1079kg/hの出口流量。
・モータによって消費される電力が増大するケースであって、このケースでは、以下のことが可能であった:
〇酵素と水の流量を増大させることによって、基質流量を低減させることであって、これによって、体積を一定に維持した。出口流量は、一定に留まっていた。例:500kg/hの基質、12kg/hの酵素、488kg/hの水、並びに、1000kg/hの出口流量。
〇酵素と水の流量を一定に維持することによって、基質流量を低減させること。出口流量も調節しなければならず、これによって、体積を一定に維持した。例:500kg/hの基質、10kg/hの酵素、419kg/hの水、並びに、929kg/hの出口流量。
従って、反応媒体の質量に対する、モータによって消費される電力の変化に応じて、この方法で液化方法を制御することが可能であり、これにより、所与のせん断速度での粘度によって特徴付けられるデュティポイント(duty point)を維持することができる。その推論は、撹拌力またはトルクのモニタリングと同様である。
実施例3、本発明に合致する:工程a)の実施形態
実施例3は、工程a)の種々の実施形態に関する。液化反応器は、安定した方法で連続様式で操作され、表中、「公称ケース」の欄に示すように、基質、水、および酵素の流量は、それぞれ、40kg/h、59kg/h、および1kg/hであった。
計測した流動学的特性における低減が経時的に検出された。
公称ケースから出発した基質の流量は、40kg/hから50kg/hへと増大し、水および酵素の流量は、それぞれ、59kg/hから49.5kg/hへ、1kg/hから0.5kg/hへと低減した。全流量は一定を保ち、計測した流動学的特性は、再び、その公称値にあった。この実施形態を、表中、「ケースa)1)」の欄に示す。
公称ケースから出発した基質の流量は、40kg/hから50kg/hへと増大し、水および酵素の流量は、それぞれ、59kg/hから73.75kg/hへ、1kg/hから1.25kg/hへと増大した。
公称ケースと比較すると、水の流量の、基質流量に対する比、並びに、酵素の流量の、基質流量に対する比は、一定を保った。計測した流動学的特性は、再び、公称値にあった。この実施形態を、表中、「ケースa)2)」の欄に表す。
公称ケースから出発し、第3の実施形態において、基質の流量は、40kg/hから50kg/hへと増大し、水および酵素の流量は、一定を維持した。計測した流動学的特性は、再び、その公称値にあった。この実施形態を、表中の「ケースa)3)」の欄に表す。
Figure 2015500038
表1:工程a)の実施形態−流量(kg/h)

実施例4、本発明に合致する:工程b)の実施形態
実施例4は、工程b)の種々の実施形態に関する。液化反応器は、安定した方法で連続様式で操作され、表中、「公称ケース」の欄に示すように、基質、水、および酵素の流量は、それぞれ、40kg/h、59kg/h、および1kg/hであった。
計測した流動学的特性における増大が経時的に検出された。
公称ケースから出発し、第1の実施形態において、基質の流量は、40kg/hから30kg/hへと低減し、水および酵素の流量は、それぞれ、59kg/hから68.5kg/hへ、1kg/hから1.5kg/hへと増大した。全流量は、一定を保ち、計測した流動学的特性は、再び、その公称値にあった。この実施形態を、表中、「ケースb)1)」の欄に示す。
公称ケースから出発し、第2の実施形態において、基質の流量は、40kg/hから30kg/hへと低減し、水および酵素の流量は、それぞれ、59kg/hから44.25kg/hへ、1kg/hから0.75kg/hへと低減した。
公称ケースと比較すると、水の流量の、基質の流量に対する比、並びに、酵素の流量の、基質流量に対する比は、一定を保った。計測した流動学的特性は、再び、その公称値にあった。この実施形態を、表中、「ケースb)2)」の欄に示す。
公称ケースから出発し、第3の実施形態において、基質の流量は、40kg/hから30kg/hへと低減し、水および酵素の流量は一定を維持した。計測した流動学的特性は、再び、その公称値にあった。この実施形態を、表中、「ケースb)3)」の欄に示す。
Figure 2015500038
表2:工程b)の実施形態−流量(kg/h)

Claims (11)

  1. 酵素反応による液化リグノセルロース基質の製造方法であって、10〜40乾燥物重量%の前処理済みリグノセルロース基質が、1〜24時間の範囲の期間にわたり、撹拌を伴いながら、水と、並びに、セルロースのグラム当たり0.1〜60mgの範囲の濃度の酵素と接触させられる方法において、
    反応媒体の流動学的特性の少なくとも1つの値が経時的に計測されること、
    および、
    前記値の低減が経時的に検出された場合に、以下の工程a):
    a)酵素および/または水の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、前処理済みリグノセルロース基質の供給流量が増大させられる、工程;
    が行われること、
    かつ、前記値の増大が経時的に検出された場合に、以下の工程b):
    b)前処理済みリグノセルロース基質の流量の調節を伴ってあるいは伴わずに、水および/または酵素の供給流量が増大させられる、工程;
    が行われること
    を特徴とする、方法。
  2. 前処理済みリグノセルロース基質は、18〜24乾燥物重量%の範囲の濃度で、接触させられる、請求項1に記載の方法。
  3. 酵素は、セルロースのグラム当たり10〜20mgの範囲の酵素の濃度で、接触させられる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 接触期間は、4〜8時間の範囲である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 反応媒体の前記流動学的特性は、反応媒体の粘度、撹拌システムの軸のトルク、およびモータによって消費される電力から選択される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. モータによって消費される電力は、経時的に計測される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記方法は、連続供給型反応器において行われ、その間、反応器からは何も抜き出されない、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記方法は、連続供給型反応器において行われ、その間、反応体積の質量を一定に維持するために、反応体積の一部が抜き出される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記方法の後に、糖化工程が行われる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記糖化工程は、SSF法として知られる同時糖化発酵法に従って、アルコール生産微生物の存在下で行われる、請求項9に記載の方法。
  11. 有利には、40〜60℃の範囲の温度、4〜6の範囲のpH、および大気圧で操作される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
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