JP2010536375A - 濃縮されたバイオマス糖化のための方法 - Google Patents

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Abstract

高濃度の発酵性糖を得るため、前処理バイオマスを糖化するための方法が提供される。詳細には、粒子サイズの低減を伴うフェドバッチアプローチを用いる方法が開発され、低コストの反応器システムを使用し、高乾燥重量のバイオマス内容物の酵素的糖化反応が提供され、それにより高糖濃度の加水分解物が生産される。

Description

政府の権利に関する声明
本発明は、エネルギー省によって授与された契約番号04−03−CA−70224およびDE−FC36−03GO13146の下で米国政府後援でなされたものであった。政府は本発明における特定の権利を有する。
高濃度の発酵性糖を得るための、前処理バイオマスの糖化のための方法が提供される。具体的には、粒子サイズの低減を伴うフェドバッチアプローチを用い、低コストの反応器システムを使用して高糖濃度の加水分解物を生産する、高乾燥重量のバイオマス内容物の酵素的糖化反応を提供する方法が開発された。
農業残渣、木材廃棄物、林業廃棄物、製紙汚泥、および都市および産業固体廃棄物などのセルロース系およびリグノセルロース系の供給原料および廃棄物は、燃料および他の化学物質などの貴重な生産物の生産を目的とした潜在的に大きい再生可能供給原料を提供する。セルロース、ヘミセルロース、グルカンおよびリグニンを含んでなる炭水化物ポリマーよりなる、セルロース系およびリグノセルロース系の供給原料および廃棄物は、一般に種々の化学的、機械的および酵素的手段によって処理されることで主にヘキソースおよびペントース糖が放出され、次いで有用な生産物に発酵されうる。
前処理方法を用いることで、糖化酵素に対してより容易に利用できるセルロース系およびリグノセルロース系材料の炭水化物ポリマーが作られる。次いで、前処理混合物は、糖化酵素共同体の存在下でさらに加水分解され、加水分解物中でオリゴ糖および/または単糖が放出される。前処理バイオマスから発酵性糖を生産するのに使用される糖化酵素は、典型的には、1つもしくはそれ以上のグリコシダーゼ、例えばセルロースを加水分解するグリコシダーゼ、ヘミセルロースを加水分解するグリコシダーゼ、および澱粉を加水分解するグリコシダーゼ、ならびにペプチダーゼ、リパーゼ、リグニナーゼおよび/またはフェルロイルエステラーゼを含む。糖化酵素およびバイオマス処理のための方法については、非特許文献1に記載されている。
糖化製品、バイオマス加水分解物がその後の発酵生産において経済的な方法で使用されるように、それは高濃度の糖類を含有する必要がある。経済的に実行可能なレベルでエタノールを生産するため、エタノールへの発酵に使用される加水分解物においては14%を超える糖濃度が望ましい。これは、リグノセルロース系バイオマスの大部分のタイプにおいては、糖化方法において20%を超えるバイオマス乾物含有量を用いることに対応する。経済的に実現可能な反応器システムにおける、この高いバイオマス濃度で高糖をもたらすバイオマスの糖化は、従来より達成するのが困難であった。
Lynd L.R.ら(Microbiol.Mol.Biol.Rev.(2002年)66:506−577頁)
したがって、収率が高くかつ得られる加水分解物が高濃度の発酵性糖を含有するように、高乾燥重量のバイオマスを使用して実施されうる、バイオマスの糖化のための経済的な方法に対する需要が依然としてある。前記経済性および結果を達成するため、方法は十分な温度およびpHの制御を提供しなければならない。出願人は、低コストの伝統的な撹拌タンク反応器システムにおいて徹底的な混合を持続する方法でバイオマスを操作することにより、かかる方法を開発できている。
本発明は、高乾燥重量のバイオマスでの前処理バイオマスを糖化し、発酵性糖を生産するための方法を提供する。本発明の方法では、複数のサイズを低減するステップと、直立型撹拌タンク内での混合を介して維持するために混合するステップと、を含む、フェドバッチ反応器システムが使用される。本発明の一実施形態では、本方法は、
a)粒子サイズ低減機構を有する直立型撹拌タンク反応器内に、
i)混合可能な前処理バイオマススラリーの一部、および
ii)セルロースを加水分解可能な少なくとも1つの酵素を含んでなる第1の糖化酵素コンソーシアム(consortium)の一部
を含んでなる反応成分の一部を提供するステップと、
b)適切な条件下で前記スラリーおよび酵素を反応させるステップと、
c)粒子サイズ低減機構を適用するステップと、
d)さらなる前処理バイオマスの一部を添加し、より多量の固形バイオマススラリーを生産するステップと、
e)場合により、糖化酵素コンソーシアムのさらなる一部を添加するステップと、
f)適切な条件下で前記より多量の固形バイオマススラリーを反応させるステップと、
g)場合により、1つもしくはそれ以上のステップ(c)、(d)、(e)、および(f)を1回もしくはそれ以上の回数繰り返すステップと、
を含んでなり、
それにより糖含有量が高い加水分解物が生産され、かつスラリーの降伏応力は30Pa未満で維持される、方法を含んでなる。
本発明のさらなる態様は、本方法を用いて調製されている加水分解物および本方法を用いて調製されている加水分解物の発酵によって生産される標的化学物質を対象とする。
糖化器(saccharifier)内でのトウモロコシ穂軸バイオマスの停滞限界のグラフを示す。 様々な量の酵素を装填することの、トウモロコシ穂軸バイオマスの停滞の低減に対する効果のグラフを示す。 %DWBでの加水分解物の粘度の変動のグラフを示す。 糖化反応時間の粘度に対する効果のグラフを示す。
出願人らは、本開示中にすべての引用文献の内容全体を具体的に援用する。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターが、ある範囲、好ましい範囲、またはより高い好ましい値とより低い好ましい値のリストとして与えられる場合、これは、任意のより高い範囲限界または好ましい値と任意のより低い範囲限界または好ましい値との任意のペアから形成されるあらゆる範囲を、範囲が別々に開示されるか否かにかかわりなく具体的に開示するものとして理解されるべきである。本明細書中で数値の範囲が挙げられる場合、特に指定のない限り、同範囲は、その端点、ならびに範囲内のすべての整数および分数を含むように意図されている。本発明の範囲が範囲を規定する場合に挙げられる特定の値に限定されるようには意図されていない。
本発明は、得られる加水分解物において高濃度の発酵性糖を生産する、高乾燥重量のバイオマスを糖化するための方法を提供する。本方法では、バイオマスがフェドバッチシステムを使用して反応器に導入され、バイオマスは複数のサイズ低減ステップを受け、また反応器内容物は、糖化酵素を使用した糖化の間で、十分に混合され、好ましいpHおよび温度制御が可能になる。本方法は、オーバーヘッド撹拌による直立型反応器内での混合に従い、それは非常に大きい容量まで経済的に大規模化されうる。糖化方法に含まれるサイズ低減ステップは、セルロースおよび/またはヘミセルロースと糖化酵素との反応速度の増加を促進し、前処理された湿潤固形バイオマスの迅速な液化およびこの低コスト反応器の使用を可能にする。サイズ低減、より迅速な酵素的糖化、およびバイオマスを装填するフェドバッチプロセスを組み合わせることにより、反応器内容物が有意な降伏応力を発生させることが防止され、それ故に(インペラーおよびモーターを含む)直立型タンク反応器内での完全な混合が可能になる。完全な混合および停滞の防止は、より好ましいpHおよび温度制御をもたらす。かかる制御により、高乾燥重量のバイオマスと加水分解物が作製されると共に、高収率の糖類が得られうる。得られる高濃度の糖加水分解物が発酵において使用され、エタノールを含む、燃料および他の化学物質などの貴重な製品が生産されうる。
定義:
本開示では、多数の用語が用いられる。以下の定義が提供される:
用語「バイオマス」は、任意のセルロース系またはリグノセルロース系材料を示し、セルロースを含んでなる、かつ場合によりヘミセルロース、リグニン、澱粉、多糖、オリゴ糖および/または単糖をさらに含んでなる材料を含む。バイオマスは、タンパク質および/または脂質などの追加成分を含んでなる場合もある。本発明によると、バイオマスは単一のソースから誘導されうるか、またはバイオマスは2つ以上のソースから誘導される混合物を含んでなる可能性がある。すなわち、例えばバイオマスであれば、トウモロコシ穂軸とコーンストーバーの混合物、または草と葉の混合物を含んでなる可能性がある。バイオマスは、バイオエネルギー作物、農業残渣、都市固体廃棄物、産業固体廃棄物、製紙汚泥、工場廃棄物、木材および林業廃棄物を含むがこれらに限定されない。バイオマスの例として、トウモロコシ粒、トウモロコシ穂軸、トウモロコシの皮などの作物残渣、コーンストーバー、草、小麦、麦かん(wheat straw)、大麦、大麦わら、乾草、稲わら、スイッチグラス、紙くず、サトウキビバガス、モロコシ、大豆、穀物のミリングから得られる成分、木、枝、根、葉、ウッドチップ、おがくず、低木およびブッシュ、野菜、果物、花ならびに動物の糞尿が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、本発明にとって有用なバイオマスは、比較的高い炭水化物値を有し、比較的密度が高く、かつ/または回収、運搬、保存および/または処理を行うのが比較的容易であるバイオマスを含む。本発明の一実施形態では、有用なバイオマスは、トウモロコシ穂軸、コーンストーバーおよびサトウキビバガスを含む。
用語「前処理バイオマス」は、糖化前に処理または前処理が施されているバイオマスを意味する。前処理などの処理は、本明細書中でさらに説明される。
用語「リグノセルロース系」は、リグニンおよびセルロースの双方を含有する組成物を示す。リグノセルロース系材料はまた、ヘミセルロースを含有しうる。
用語「セルロース系」は、セルロースを含有する組成物を示す。
用語「糖化」は、多糖類からの発酵性糖の生産を示す
用語「発酵性糖」は、発酵工程において微生物により炭素源として使用可能なオリゴ糖および単糖を示す。
用語「加水分解物」は、糖化の生成物を示し、糖化方法において生産される糖類、残存する未加水分解バイオマス、および糖化において使用される酵素を含有する。
用語「スラリー」は、不可溶性材料および液体の混合物を示す。
用語「混合可能なスラリー」は、それが従う撹拌システムの稼働下で実質的に均一になるスラリーを示す。「混合性」はスラリーのこの特性を示す。
用語「徹底的に混合されたスラリー」は、スラリーの成分がスラリー全体で実質的に一様に分布される(均一である)状態を示す。
用語「ヒール(heel)」は、バイオマスが導入されかつ糖化が開始される前に反応器に装填される初期液体またはスラリーを示す。
バイオマスの「乾燥重量」は、すべてまたは実質的にすべての水が除去されたバイオマスの重量を意味する。乾燥重量は、典型的には、American Society for Testing and Materials(ASTM)のStandard E1756−01(Standard Test Method for Determination of Total Solids in Biomass)またはTechnical Association of the Pulp and Paper Industry,Inc.(TAPPI)のStandard T−412 om−02(Moisture in Pulp, Paper and Paperboard)に従って測定される。
用語「バイオマス濃度の乾燥重量」は、フェドバッチシステム反応器に添加されるバイオマス乾燥重量の全量を、添加時に計算される、ランの終了時での反応器内の反応組成物の全重量のパーセントとして示す。
用語「適切な反応条件」は、下記に詳述される時間、温度、phおよび反応物濃度を示す。反応条件は、限定はされないがインペラーを含む直立型タンク反応器内での撹拌器システムの稼働による混合または攪拌を含む。混合または攪拌は連続でありうるか、あるいは、例えば追加成分の添加に起因する中断の場合かまたは温度およびpHの評価のために非連続でありうる。
本方法では、任意の前処理バイオマスが使用されうる。バイオマスは、酸、塩基、有機溶媒(organosolvent)、酸化剤、または他の化学物質など、当業者に既知の任意の方法によって前処理されうる。また、バイオマスは、1つもしくはそれ以上の化学物質と蒸気の併用または蒸気単独で前処理されうる。前処理はまた、クラッシング、粉砕、またはチョッピング、および超音波またはマイクロ波などの他の破壊性物理エネルギーの適用などによる機械的破壊を含みうる。さらに、前処理されていないバイオマスが使用されうるが、その後の糖化を促進するため、前処理されているバイオマスの使用がより適切である。バイオマスは、最初に高乾燥重量濃度でありうるか、または残液(Stillage)の場合のようにより希釈された形態でありうる。
出願人は、驚くべきことに、バイオマスの20%超の乾燥重量で反応器を装填可能であるほどに十分に低い粘度を保持する一方、徹底的な混合を維持し、効率的なpHおよび温度制御を提供する、標準の直立型撹拌タンクシステム内で複数のサイズ低減と複数のバイオマス添加を組み合わせたバイオマスに対する糖化方法を開発している。この方法は高収率の糖類をもたらす。一実施形態では、約38%のバイオマス濃度の乾燥重量が得られた。このようにして、経済的なバイオマス糖化方法が得られている。
バイオマスは、モーターおよび1つもしくはそれ以上のインペラーを有するシャフトなどのオーバーヘッド撹拌器システムが装備された直立型反応タンクに導入される。シャフト上で使用されるインペラーの数およびタイプは、糖化の様々な段階で反応器内に適切な流れおよび固形懸濁液を提供するように設計される。好ましいインペラーは低電力数とそれによる低電力の要件を備える大流量設計であることから、低コストの反応器システムにおいて必要とされるモーターサイズが減少する。使用可能な低電力数を有する大流量インペラーは当業者に周知であり、例えばピッチ・ブレード(pitched−blade)タービンまたは水中翼を含みうる。大流量インペラーは市販されており、例えば、Lightnin A310(Cole−Parmer(Vernon Hills,IL))、APV LE水中翼(Invensys APV(Getzville,NY))、およびChemineer HE−3(Chemineer,Inc.(Dayton,OH))が挙げられる。
他の高固形物の糖化システム、例えば水平タンク回転システムにおいては、出発湿潤固形バイオマスを混合するための初期電力要件は高く、次いで湿潤固形が液化するにつれて低減する。水平混合システムに伴う他の不利な点が、壁に対して低いクリアランスを有する大型撹拌器、およびサブマージド(submerged)撹拌器のシールであり、それは漏れを生じ、メンテネンスの問題となりがちである。
本方法では、バイオマスは、混合可能なスラリーの形態で糖化プロセスの開始から反応器内に存在する。不可溶性材料および液体の混合物は、それが従う撹拌システムの稼働下で実質的に均一になる場合、混合可能なスラリーである。本方法は、糖化全体を通して、バイオマスの混合可能なスラリーの降伏応力を約30Pa未満で維持する。降伏応力は、任意の動作が生じる前の、構造を十分に破壊するのに必要とされる最小応力の尺度である(「Mixing in the Process Industries」、第2版、N.Harnbyら、20頁(1997年))。より高い降伏応力を有するバイオマススラリーにおいては、降伏応力は、予備のインペラーを追加し、それらをより高速に動作させる(それ故、より大型のモーターを必要とする)ことによって克服されうる。流体の降伏応力が高まるにつれて、混合性を得るのに必要とされる撹拌器システムは不経済なものになる。したがって、バイオマスの混合可能なスラリーの降伏応力を約30Pa未満で維持することにより、混合に必要とされる撹拌器システムは、構造および電力要件の観点から経済的なものである。
本方法では、反応器に装填される前処理バイオマスは、既に混合可能なスラリーの形態でありえるか、またはそれを混合可能にしない固形内容物を有する場合、それが混合可能なスラリーになるまで液体が封入される。初期形態が混合可能なスラリーでありうるバイオマスは、例えば、残液または多量の液体成分を使用する工程で前処理されたバイオマスを含みうる。混合可能なスラリー形態でないバイオマスにおいては、装填前に液体が添加されうるか、またはバイオマスは液体が予備装填された反応器に装填されうる。液体は、真水または本工程の他の部分から再生される水、トウモロコシ乾燥粉砕操作から得られる薄い残液、先行バッチから取り残された加水分解物の一部(そのままかまたは希釈されたもの)、または様々な他の大量の水流でありうる。例えば、液体の初期ヒールが反応器に装填され、次いでバイオマスが導入され、直立型撹拌器の作動下で徹底的な混合を持続するバイオマススラリーが形成される。スラリーは、直立型撹拌器システムが混合性を維持する上で克服できない降伏応力を示すことなく、また約30Paを超えることのない間に、含まれうるバイオマス内容物の乾燥重量の高さになりうる。正確な重量は、バイオマスのタイプ、反応器のサイズおよび攪拌機構に依存して変動することになり、当業者によって容易に測定されうる。混合性は、目視検査などの任意の適用可能な方法により、粒子の運動を評価するためのレーザー光プローブなどのプローブを使用し、またはサンプリングおよび均質性または粘度についてのアッセイによって評価されうる。この初期装填におけるバイオマスは、糖化の実行において使用される全バイオマスの一部である。下記のように、糖化の間、さらなるバイオマスの一部が添加される。
一部とは、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100%未満のバイオマスまたはいずれか1つのステップで添加される他の反応成分でありうる。
混合中、スラリーは、バイオマスの初期pHに依存し、必要に応じた酸または塩基の添加を介して所望のpHにされ、それは用いられる前処理に依存して変動することになる。所望される特定のpHは、下記のように特定のタイプのバイオマスが処理されている状態で使用されるべき糖化酵素にとって最適なpHに基づく。バイオマススラリーの徹底的な混合により、バイオマス材料全体で実質的に一定のpHが得られ、糖化酵素の最適な作用が可能になることが確認される。所望のpHを維持することの重要性は、本明細書中の実施例5で示され、そこでは目標からのpHの変化が糖類の収率を減少させることが示されている。
混合中、スラリーはまた、バイオマススラリーの加熱または冷却のいずれかにより、所望の温度にされる。所望される所定の温度は、取り得る最良の糖化反応速度を得るため、下記のように特定のタイプのバイオマスが処理されている状態で使用されるべき糖化酵素にとって最適な温度に基づく。他の加工理由で、酵素に対する有害な効果を伴わずに、より低い温度で操作することも選択できるが、酵素活性は最適な温度より低い温度で低下しうる。糖化酵素は、pHおよび温度調節に従い、バイオマススラリーに添加される。これは、初期の混合可能な前処理バイオマスに添加される糖化酵素の一部である。下記のフェドバッチプロセスにおいては、さらなるバイオマス部分の添加後、さらなる糖化酵素が添加されうるか、または場合によってはすべてが最初に添加されうる。さらに、様々な酵素が異なる時刻に添加され、最適な糖化効率が得られうる。
糖化酵素(糖化酵素コンソーシアムとも称されうる)は、加水分解物においてオリゴ糖および/または単糖を放出するバイオマスを加水分解するのに使用される。糖化酵素は、Lynd L.R.ら(Microbiol.Mol.Biol.Rev.(2002年)66:506−577頁)において記載されている。糖化酵素コンソーシアムは、主に、二糖、オリゴ糖、および多糖のエーテル結合を加水分解する群「グリコシダーゼ」より選択される(がこれらに限定されない)1つもしくはそれ以上の酵素を含んでなり、酵素分類として、一般群「加水分解酵素」(EC3.)のEC3.2.1.x(Enzyme Nomenclature 1992年、Academic Press(San Diego、CA)に加え、Supplement 1(1993年)、Supplement 2(1994年)、Supplement 3(1995)、Supplement 4(1997年)およびSupplement 5[各々、Eur.J.Biochem.(1994年)223:1−5頁、Eur.J.Biochem.(1995年)232:1−6頁、Eur.J.Biochem.(1996年)237:1−5頁、Eur.J.Biochem.(1997年)250:1−6頁、およびEur.J.Biochem.(1999年)264:610−650頁])において見出される。本方法において有用なグリコシダーゼを、それらが加水分解するバイオマス成分によって分類してもよい。本方法において有用なグリコシダーゼは、セルロースを加水分解するグリコシダーゼ(例えば、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼ)、ヘミセルラーゼと呼ばれるヘミセルロースを加水分解するグリコシダーゼ(例えば、キシラナーゼ、エンドキシラナーゼ、エキソキシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、アラビノキシラナーゼ、マンナーゼ、ガラクターゼ、ペクチナーゼ、グルクロニダーゼ)、および澱粉を加水分解するグリコシダーゼ(例えば、アミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、イソアミラーゼ)を含む。さらに、ペプチダーゼ(EC3.4.x.y)、リパーゼ(EC3.1.1.xおよび3.1.4.x)、リグニナーゼ(EC1.11.1.x)、ならびにフェルロイルエステラーゼ(EC3.1.1.73)などの糖化酵素コンソーシアムに他の活性を付加することで多糖のバイオマスの他の成分からの放出を促進することは有用でありうる。多糖を加水分解する酵素を生産する微生物が、異なる基質特異性を有する数種の酵素または酵素群によって触媒される、セルロース分解などの活性を示すことが多いことは当該技術分野で周知である。したがって、本方法において使用される糖化酵素は少なくとも1つの「セルラーゼ」を含有し、この活性は2つ以上の酵素により触媒されうる。場合により、本方法において使用される糖化酵素は、一般に本方法において使用される前処理バイオマスのタイプに依存し、少なくとも1つのヘミセルラーゼを含有しうる。例えば、ヘミセルラーゼは、典型的には酸で前処理されたバイオマスを糖化する場合に必要とされず、また、典型的には中性または塩基性条件下で前処理されたバイオマスを糖化する場合に含められる。
糖化酵素は、Spezyme(登録商標)CPセルラーゼ(Genencor International(Rochester,NY))およびMultifect(登録商標)キシラナーゼ(Genencor)など、商用的に入手可能である。さらに、糖化酵素は、例えば組換え微生物を使用し、生物学的に生産されうる。新しい糖化酵素が発生され、それらは本方法で使用されうる。
当業者は、本方法において使用される酵素の有効量を決定する方法および最適な酵素活性のための条件を調節する方法を認識しているであろう。当業者はまた、選択された条件下で所与の前処理生成物の最適な糖化を得るのに必要とされる酵素活性のクラスを最適化する方法を認識しているであろう。好ましくは、糖化は、使用されている糖化酵素にとって最適なpHおよび温度またはそれらの近傍で行われる。最適pHは約4〜約10の間の範囲でありえ、またより典型的には約4.5〜約6の間である。最適温度は約20℃〜約80℃の間の範囲でありえ、またより典型的には約25℃〜約60℃の間である。
糖化が進行するにつれて、可溶性糖がバイオマス中のセルロースおよび/またはヘミセルロースから生産され、それによりバイオマススラリーの非可溶性成分が液化される。スラリー中のバイオマスは、部分的に加水分解状態になる。スラリーは粘性が低下し、さらなるバイオマスのスラリーへの添加が可能になる一方、スラリーの混合性が反応器内の直立型撹拌器で維持される。さらなるバイオマスをスラリーの降伏応力が30Pa超に増加することになる量よりも少ない量でスラリーに添加することで、経済的な直立型撹拌器システムでの徹底的な混合が可能になりうる。さらなるバイオマスの一部がさらなる固形物を加え、それ故に糖化するスラリー中に装填される全固形物のパーセントが増加する。さらなるバイオマスが添加されると、pHおよび温度は好ましい範囲内で制御される一方、混合および糖化反応が継続する。さらなるバイオマスが添加され、また酸または塩基が添加されてpH調整が行われることから、スラリーの徹底的な混合は狭い範囲内でのpHの制御を可能にする。本方法において可能とされる厳しいpH制御は、糖化酵素機能を改善することによって糖化を促進する。さらなるバイオマスが添加され、それにより糖化酵素機能も改善されることから、スラリーの徹底的な混合は狭い範囲内での反応器内容物の温度の制御を可能にする。使用されうる熱源または冷却源は当業者に周知であり、反応器上のジャケット、反応器内の内部コイル、または反応器内容物がポンピングされる際の熱交換器を含みうる。本方法において可能とされる厳しい温度制御は、反応器温度をオーバーシュートしかつ酵素を熱的に不活性化することのない条件で、考えられる最高温度で行う糖化を可能にすることによって糖化を促進する。
さらなる糖化酵素コンソーシアムの一部が、1つもしくはそれ以上の新しいバイオマスの装填後、場合により添加されうる。糖化酵素コンソーシアムの各添加部分は、最初に添加される糖化酵素コンソーシアムの場合と同じ酵素を含みうるか、または異なる酵素混合物を含みうる。例えば、最初に添加される糖化酵素コンソーシアムはセルラーゼを単独にまたは主に含みうる一方、後に添加される糖化酵素コンソーシアムはヘミセルラーゼを単独にまたは主に含みうる。任意の糖化酵素コンソーシアムの装填方法は、反応器内で特定のバイオマスを糖化する際に最良であると判定されるものとして使用されうる。当業者は、例えば本明細書中の実施例10に記載されるように、有用な糖化酵素コンソーシアムの装填方法を容易に決定できる。
バイオマスの液化は、さらなる糖化から生じ、それによりバイオマススラリーの粘度および降伏応力を再び低減し(存在する場合)、かつ混合性を保持しながらさらなるバイオマスの添加を可能にする。したがって、さらなるバイオマスは、直立型撹拌器によって攪拌を維持しながらフェドバッチシステムに従って添加されうる。さらなるバイオマスの供給は半連続的でありえ、添加の間での液化の期間が許容される。あるいは、バイオマス供給は、糖化の間に生じる連続的液化を均衡させるのに十分に低い速度では連続的でありうる。いずれの場合でも、スラリーの混合性は監視され、かつバイオマスの添加は、撹拌器システムによって測定される、徹底的な混合を維持するように制御され、スラリーの降伏応力が克服される。
本方法では、非可溶性バイオマスの粒子サイズはまた、繰り返し低減される。粒子サイズの低減は、本明細書中で有意に反応時間を減少させかつ収率を高めることが示された。本明細書中の実施例2および3に記載のように、攪拌および糖化の間、粒子サイズのある程度の低減が生じる。粒子サイズの低減は、本方法において、これを目的に機械的力を多重に適用することによって促進される。機械的な粒子サイズ低減機構は、例えば、ブレンダー、グラインダー、剪断機、チョッパー、剪断(sheer)分散機、分散機、またはroto−statでありうる。粒子サイズの低減はまた、他の非機械的方法、例えば超音波方法によって与えられる。粒子サイズは、糖化のためのスラリーの初期生産前、前処理バイオマスの既存の糖化スラリーへの添加前、および/またはスラリーの糖化の間に低減されうる。例えば、チョッピングブレードまたは高速分散機が糖化スラリー中に漬けられ、粒子サイズが低減されうる。また、注入する前処理バイオマスのサイズは、グラインダーまたはディスクリファイナーを通過することによって低減されうる。一実施形態では、組み込まれたインライングラインダーを有する再生ループが、スラリーがループに注入し、グラインダーを通過し、次いで反応器に再注入する際に粒子のサイズが低減されるように、バイオマス反応器に装着される。これらの場合のいずれであっても、バイオマス乾燥重量の最大の取り込みおよび得られる加水分解物における糖類の最大生産のため、スラリーの混合性は監視され、粒子サイズの低減が最適化されうる。
インライングラインダーを有する再生ループはまた、温度制御点を、例えばインライン熱交換器を含めることによって組み込みうる。再生ループから反応器に再注入するバイオマススラリーの温度を制御することにより、直立型撹拌器の徹底的な混合による糖化スラリーの温度制御が提供される。同様に、フェドバッチシステム内に添加されるバイオマスの温度を制御することにより、糖化スラリーの温度制御の手段が提供される。上記のように、温度が制御されることで、糖化酵素の最適な活性にとって必要な温度が提供される。
フェドバッチシステムを使用する本方法では、バイオマスが、少なくとも20%を超えるバイオマス装填の乾燥重量が得られるまで添加される。バイオマス装填の乾燥重量パーセントは、ランの終了時、反応器内での、反応組成物または加水分解物の全重量に対する、反応器に添加されるバイオマス乾燥重量の量として与えられる。フェドバッチランは、約12時間〜約7日間持続しうる。72時間のランが特に適切である。一実施形態では、バイオマスの添加が、最初の12〜24時間の間に定期的に行われる。バイオマスは、本方法において少なくとも2回添加される。一実施形態では、バイオマスは3回より多く添加され、バイオマス装填の乾燥重量は24%に達するか、または別の実施形態では30%に達する。バイオマスは、糖化スラリーが、撹拌器システムが混合性を克服し、達成することができないような、約30Paを超える降伏応力を有することになる箇所の直下に添加されうる。
出願人は、驚くべきことに、本方法を用いた複数のサイズの低減および複数のバイオマスの添加の組み合わせを介し、20%を超えるバイオマス乾燥重量濃度の糖化が行われる間、直立型撹拌タンクシステム内で混合可能なスラリーが維持されうることを見出している。約24%以上またはさらに30%以上のバイオマス濃度の乾燥重量が得られうる。一実施形態では、約38%のバイオマス乾燥重量濃度が得られた。本方法における粒子サイズが低減したバイオマスの高液化により、直立型撹拌反応器を使用した徹底的な混合を可能にする30Pa未満の降伏応力を維持し続けながら、高いバイオマス固形物含有率が達成される。出願人は、驚くべきことに、高い糖収率が、攪拌、サイズ低減、pHおよび温度の維持を含み、また長期にわたる追加的なバイオマスを含むこの方法を用いて、これらの大量のバイオマス固形物での糖化で達成されることを見出している。
サイズの低減を伴う直立型撹拌タンクシステムの使用には、水平回転システムよりはるかに少ないエネルギーが必要とされ、かつその資本コストは有意により小さく、それにより、経済的な反応器システム内での高乾燥重量のバイオマスからの糖類の生産の実施が可能になる一方、より少ないパーセントの糖化固形物を用いた収率と比べて高収率の可溶性糖が生産される。高収率の可溶性糖は水平反応器システム内で示されていない。高乾燥重量のバイオマスからの糖類の生産では、高濃度の糖類を含有する加水分解物の生産が可能である。本方法において生産される加水分解物中の糖類の濃度は、全可溶性糖の少なくとも約100g/Lであり、それは典型的には高濃度糖類であると考えられている80g/Lよりも高い。150g/Lまたは200g/L、またさらに高くて例えば240g/Lの糖類の濃度が得られうる。グルコース収率は約80%より高い一方、最大90%、またさらに95%以上が得られうる。加水分解物中のグルコース濃度は少なくとも約90g/Lである一方、100g/L以上、例えば約140g/Lの濃度が得られうる。まとめると、高糖濃度の加水分解生成物および低いエネルギー入力を必要とする低い資本コストの生産システムにより、本方法は貴重な燃料および他の化学物質を作製するための方法の一部として経済的に使用可能なものになる。
あるいは、完全に糖化された加水分解生成物を提供することを目的に、目標の最終の固形物パーセントが充足されるまで糖化が行われ、次いでバイオマスの糖化が発酵工程に移行可能であり、そこでは糖化が発酵と共に継続する(SSF:同時糖化および発酵と称される)。
本方法において生産される発酵性糖は、天然にかまたは遺伝子操作を介して実質的な量の所望される標的化学物質を生産可能な適切な微生物によって発酵されうる。発酵によって生産されうる標的化学物質は、例えば、酸、アルコール、アルカン、アルケン、芳香族化合物、アルデヒド、ケトン、生体高分子、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ビタミン、抗生物質、および医薬品を含む。アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、およびソルビトールを含むがこれらに限定されない。酸は、酢酸、乳酸、プロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、グルコン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸およびレブリン酸を含みうる。アミノ酸は、グルタミン酸、アスパラギン酸、メチオニン、リジン、グリシン、アルギニン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンを含みうる。追加の標的化学物質は、メタン、エチレン、アセトンおよび工業用酵素を含む。
標的化学物質への糖類の発酵が、単一または多段階の発酵において、1つもしくはそれ以上の適切な生体触媒により行われうる。生体触媒は、細菌、糸状真菌および酵母より選択される微生物でありうる。生体触媒は、野生型微生物または組換え微生物である場合があり、エスケリキア(Escherichia)、ジモモナス(Zymomonas)、サッカロミセス(Saccharomyces)、カンジダ(Candida)、ピキア(Pichia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、バチルス(Bacillus)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、およびクロストリジウム(Clostridiuma)を含みうる。典型的には、生体触媒は、組換え大腸菌(Escherichia coli)、ジモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、サッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)、クロストリジア・サーモセルム(Clostridia thermocellum)、サーモアナエロバクテリウム・サッカロリチクム(Thermoanaerobacterium saccharolyticum)、およびピキア・スチピチス(Pichia stipitis)でありうる。
標的化学物質を生産するための発酵にて用いられる多数の生体触媒については記載がなされており、他のものは発見されるか、突然変異によって生産されるか、または組換え手段によって設計されうる。本方法にて生産される発酵性糖を用いる任意の生体触媒を用いることで、発酵により生産することで知られる標的化学物質の製造が可能である。
特に、エタノールおよびブタノールを含む生物燃料を生産する生体触媒が重要である。例えば、溶媒生成クロストリジウム(Clostridia)による炭水化物からアセトン、ブタノール、およびエタノールへの発酵(ABE発酵)は周知である(JonesおよびWoods(1986年) Microbiol.Rev.50:484−524頁)。クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)の変異株を用いる、高レベルのブタノールを生産し、さらにアセトンおよびエタノールを生産するための発酵方法が、米国特許第5,192,673号明細書に記載されている。高レベルのブタノールを生産し、さらにアセトンおよびエタノールを生産するためのクロストリジウム・バイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)の変異株の使用については、米国特許第6,358,717号明細書に記載されている。共同所有される同時係属中の特許出願の国際公開第2007/041269号パンフレットおよび国際公開第2007/050671号パンフレットは、遺伝子操作された微生物宿主内での1−ブタノールおよびイソブタノールのそれぞれの生産について開示している。共同所有される同時係属中の米国特許出願第11/741892号明細書および米国特許出願第11/741916号明細書は、遺伝子操作された微生物宿主内での2−ブタノールの生産について開示している。イソブタノール、1−ブタノールまたは2−ブタノールは、開示される方法に従い、微生物宿主により、本方法を用いて生産される加水分解物の発酵から生産されうる。
大腸菌(E.coli)の遺伝子組換え株は、エタノール生産用の生体触媒としても用いられている(Underwoodら、(2002年)Appl.Environ.Microbiol.68:6263−6272頁)。エタノールの生産を改善しているジモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の遺伝子組換え株については、米国特許出願公開第2003/0162271A1号明細書に記載されている。アルコール発酵菌(Zymomonas mobilis)のさらに改変されたエタノール生産株およびエタノール生産のためのその使用については、共同所有される同時係属中の米国仮特許出願第60/847813号明細書および米国仮特許出願第60/847856号明細書においてそれぞれ記載されている。エタノールは、開示される方法に従い、アルコール発酵菌(Zymomonas mobilis)により、本方法を用いて生産される加水分解物の発酵から生産されうる。本明細書中の実施例13では、本方法は、前処理トウモロコシ穂軸バイオマスの発酵性糖への糖化、その後の生体触媒としてアルコール発酵菌(Z.mobilis)を使用する、エタノールの生産のための糖類の発酵において使用される。
本方法はまた、バイオマスからの1,3−プロパンジオールの生産において使用されうる。大腸菌(E.coli)の組換え株を発酵における生体触媒として使用し、1,3プロパンジオールが生産されている(米国特許第6013494号明細書、米国特許第6514733号明細書)。共同所有される同時係属中の米国特許出願第11/403087号明細書の実施例10に記載のように、本方法を使用する糖化によって生産される加水分解物を大腸菌(E.coli)によって発酵することで、1,3−プロパンジオールが生産されうる。
乳酸は、大腸菌(E.coli)の組換え株(Zhouら、(2003年)Appl.Environ.Microbiol.69:399−407頁)、バチルス(Bacillus)の天然株(米国特許出願公開第2005/0250192号明細書)、および糸状菌(Rhizopus oryzae)(TayおよびYang(2002年)Biotechnol.Bioeng.80:1−12頁)による発酵において生産されている。大腸菌(E.coli)の組換え株は、1,3プロパンジオール(米国特許第6,013,494号明細書、米国特許第6,514,733号明細書)およびアジピン酸(Niuら、(2002年)Biotechnol.Prog.18:201−211頁)を生産するための発酵における生体触媒として用いられている。酢酸は、組換えクロストリジア(Clostridia)(Cheryanら、(1997年)Adv.Appl.Microbiol.43:1−33頁)および新規に同定された酵母株(Freer、(2002年)World J.Microbiol.Biotechnol.18:271−275頁)を用いた発酵により作られている。組換え大腸菌(E.coli)および他の細菌によるコハク酸の生産については、米国特許第6,159,738号明細書中で、および変異組換え大腸菌(E.coli)によるものについてはLinら、(2005年)Metab.Eng.7:116−127頁中で記載されている。ピルビン酸は、トルロプシス・グラブラータ(Torulopsis glabrata)変異酵母(Liら、(2001年)Appl.Microbiol.Technol.55:680−685頁)および変異大腸菌(E.coli)(Yokotaら、(1994年)Biosci.Biotech.Biochem.58:2164−2167頁)により生産されている。大腸菌(E.coli)の組換え株は、パラ−ヒドロキシケイ皮酸(米国特許出願公開第2003/0170834号明細書)およびキナ酸(米国特許出願公開第2006/0003429号明細書)を生産するための生体触媒として用いられている。
プロピオン酸を生産するための発酵においては、プロピオニバクテリウム・アシジプロピオニシ(Propionibacterium acidipropionici)の変異体が用いられており(SuwannakhamおよびYang(2005年)Biotechnol.Bioeng.91:325−337頁)、酪酸についてはクロストリジウム・チロブチリカム(Clostridium tyrobutyricum)により作られている(WuおよびヤンYang(2003年)Biotechnol.Bioeng.82:93−102頁)。プロピオン酸塩およびプロパノールについては、クロストリジウム属(Clostridium sp.)株17cr1(Janssen、(2004年)Arch.Microbiol.182:482−486頁)によるトレオニンからの発酵により作られている。酵母様の黒酵母(Aureobasidium pullulans)を用い、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の変異体(Singhら、(2001年)Indian J.Exp.Biol.39:1136−43頁)によりグルコン酸が作られている(Anantassiadisら、(2005年)Biotechnol.Bioeng.91:494−501頁)。5−ケト−D−グルコン酸がグルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)の変異体により作られ(Elfariら、(2005年)Appl Microbiol.Biotech.66:668−674頁)、イタコン酸がアスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)の変異体により生産され(ReddyおよびSingh(2002年)Bioresour.Technol.85:69−71頁)、クエン酸がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)変異株により生産され(Ikram−Ul−Haqら、(2005年)Bioresour.Technol.96:645−648頁)、かつキシリトールがカンジダ・ギリエルモンディ(Candida guilliermondii)FTI 20037により生産された(ムサット(Mussatto)およびRoberto(2003年)J.Appl.Microbiol.95:331−337頁)。4−ヒドロキシバレレートを含有するバイオポリエステルは、大量の3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸も含有するものであり、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)およびラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)の組換え体により生産された(Gorenfloら、(2001年)Biomacromolecules 2:45−57頁)。L−2,3−ブタンジオールが組換え大腸菌(E.coli)により作られた(Uiら、(2004年) Lett.Appl.Microbiol.39:533−537頁)。
発酵によるアミノ酸の生産は、栄養要求株およびコリネバクテリウム(Corynebacterium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)およびセラティア(Serratia)のアミノ酸類似体−耐性菌を用いて行われている。例えば、ヒスチジン類似体に耐性を示す株を用いたヒスチジンの生産が日本特許出願公開第56008596号公報に、組換え株を用いた同生産が欧州特許第136359号明細書に記載されている。トリプトファン類似体に耐性がある株を使用するトリプトファンの生産については、日本特許出願公開第47004505号公報および同第51019037号公報に記載されている。イソロイシン類似体に耐性がある株を使用するイソロイシンの生産については、日本特許第47038995号公報、同第51006237号公報、同第54032070号公報に記載されている。フェニルアラニン類似体に耐性がある株を使用するフェニルアラニンの生産については、日本特許第56010035号公報に記載されている。成長にフェニルアラニンを必要とし、チロシンに耐性を示す株(Agr.Chem.Soc.Japan 50(1)R79−R87(1976年))または組換え株(欧州特許第263515号明細書、欧州特許第332234号明細書)を用いたチロシンの生産、およびL−アルギニン類似体に耐性を示す株を用いたアルギニンの生産(Agr.Biol.Chem.(1972年)36:1675−1684頁、日本特許出願公開第54037235号公報および日本特許出願公開第57150381号公報)が記載されている。フェニルアラニンは、大腸菌(Eschericia coli)株ATCC31882、31883、および31884内での発酵によっても生産された。組換えコリネフォルム細菌におけるグルタミン酸の生産が、米国特許第6,962,805号明細書に記載されている。大腸菌(E.coli)の変異株によるトレオニンの生産が、OkamotoおよびIkeda(2000年)J.Biosci Bioeng.89:87−79頁に記載されている。メチオニンが、コリネバクテリウム・リリウム(Corynebacterium lilium)の変異株によって生産された(Kumarら、(2005年)Bioresour.Technol.96:287−294頁)。
有用なペプチド、酵素、および他のタンパク質もまた、生体触媒(例えば、米国特許第6,861,237号明細書、米国特許第6,777,207号明細書、米国特許第6,228,630号明細書)によって作られている。
生体触媒による発酵にて生産される標的化学物質は、当該技術分野で既知の様々な方法を用いて回収されうる。生産物は、遠心分離、濾過、精密濾過、およびナノ濾過により、他の発酵成分から分離されうる。生産物は、イオン交換、溶媒抽出、または電気透析により抽出されうる。凝集剤を使用することで、生産物の分離が促進される。具体例として、バイオ生産された1−ブタノールは、ABE発酵についての当該技術分野で既知の方法を用いて発酵培地から単離されうる(例えば、Durre、Appl.Microbiol.Biotechnol.49:639−648頁(1998年)、Grootら、Process.Biochem.27:61−75頁(1992年)、およびそれらの中の参考文献を参照)。例えば、遠心分離、濾過、デカンテーションまたは同類のものにより、固体が発酵培地から除去されうる。次いで、1−ブタノールは、蒸留、共沸蒸留、液体−液体抽出、吸着、ガスストリッピング、膜蒸発、または透析蒸発などの方法を用いて発酵培地から単離されうる。発酵媒体からの1,3プロパンジオールの精製が、例えば、反応混合物に有機溶媒、蒸留、およびカラムクロマトグラフィーによる抽出を施すことにより実施されうる(米国特許第5,356,812号明細書)。この方法にとって特に良好な有機溶媒はシクロヘキサンである(米国特許第5,008,473号明細書)。アミノ酸は、イオン交換樹脂吸着および/または結晶化などの方法により発酵培地から回収されうる。
一般的方法および材料
以下の略語が使用される。すなわち、「HPLC」は高性能液体クロマトグラフィー、「C」は摂氏、「kPa」はキロパスカル、「m」はメートル、「mm」はミリメートル、「kW」はキロワット、「μm」はマイクロメートル、「μL」はマイクロリットル、「mL」はミリリットル、「L」はリットル、「min」は分、「mM」はミリモル、「cm」はセンチメートル、「g」はグラム、「kg」はキログラム、「wt」は重量、「hr」は時間、「temp」もしくは「T」は温度、「theoret」は理論、「前処理する」は前処理、「DWB」はバイオマスの乾燥重量、「ASME」はAmerican Society of Mechanical Engineers、「s.s.」はステンレス鋼、または「in」はインチ、「PSD」は粒子サイズ分布、「d−50」は粒子の積算体積の50%がこのサイズ未満である場合の粒子直径であり、「d−95」は粒子の積算体積の95%がこのサイズ未満である場合の粒子直径を示し、「rpm」は1分間あたりの回転数である。
硫酸、水酸化アンモニウム、酢酸、アセトアミド、酵母抽出物、グルコース、キシロース、ソルビトール、MgSO・7HO、リン酸およびクエン酸を、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手した。
バイオマス中のセルロースおよびヘミセルロースの測定
バイオマスの組成物は、当該技術分野で周知の標準の方法のいずれか1つ、例えばASTM E1758−01「Standard method for the determination of carbohydrates by HPLC」によって測定する。
糖類、アセトアミド、酢酸、および乳酸含有率の測定
糖化液中の可溶性糖(グルコース、セロビオース、キシロース、キシロビオース、ガラクトース、アラビノース、およびマンノース)アセトアミド、酢酸、および乳酸を、適切な保護カラムと共にBio−Rad HPX−87PおよびBio−Rad HPX−87Hカラム(Bio−Rad Laboratories(Hercules,CA))を使用するHPLC(Agilent Model 1100、Agilent Technologies(Palo Alto,CA))によって測定した。
単糖を加水分解物において直接測定した。不可溶性物質を、遠心分離により、加水分解物から除去した。分離された液体のpHを、必要に応じ、硫酸で、Bio−Rad HPX−87Pカラムにおいて5〜6、またBio−Rad HPX−87Hカラムにおいて1〜3に調整した。分離された液体を、必要に応じて希釈し、次いで0.2μmのシリンジフィルタを通して直接HPLCバイアルに通過させることによって濾過した。
全溶解糖類の分析においては、希釈試料10mlを圧力バイアル内に入れ、75%HSO 349μlを添加した。バイアルをキャップし、オートクレーブ内に1時間置き、すべての糖類を単糖まで加水分解した。上記のように、試料を冷却し、そのpHを炭酸ナトリウムによって必要なpHまで調整し、次いで試料をHPLCバイアルに濾過し、HPLCによって分析した。
HPLC実行条件は次の通りであった。
Biorad Aminex HPX−87P(炭水化物用):
注入容量:濃度および検出器限界に依存して10〜50μL
移動相:0.2μmで濾過され、脱気されたHPLCグレード水
流速:0.6mL/分
カラム温度:80〜85℃、保護カラム温度<60℃
検出器温度:可能な限り主なカラム温度に近づける
検出器:屈折率
実行時間:35分間のデータ収集に加え、実行後の15分間(後の溶出化合物のために可能な調節を伴う)
Biorad Aminex HPX−87H(炭水化物、アセトアミド、酢酸および乳酸用)
注入容量:濃度および検出器限界に依存して5〜10μL
移動相:0.2μmで濾過され、脱気された0.01N硫酸
流速:0.6mL/分
カラム温度:55℃
検出器温度:可能な限りカラム温度に近づける
検出器:屈折率
実行時間:25〜75分間のデータ収集
実行後、試料中の濃度を各化合物における標準曲線から判定した。
粒子サイズの測定
前処理バイオマスおよび加水分解物試料の粒子サイズ分布(PSD)を、粒子のサイズ範囲に依存し、下記の技術の一方または双方を用いて測定した。2mmより大きい粗(course)粒子においては、湿式ふるい分け技術を用いた。より小さい粒子はBeckman Coulter LS13320機器によって分析した。
湿式ふるい分けでは、全試料を4つの選択したふるいを通して洗浄し、底部で最も細かいふるいで次々と積み重ねた。この作業において使用した4つのふるいは、2300、2360、2800、3350μmの開口部を有した。次いで、各ふるいを、ワイヤーメッシュをカバーしかつ保持された微粒子を除去するのに過不足のない水を有するビーカー内に入れた。ふるいを数回浸して取り出し、より微小な粒子がふるいを通過して液体へ入ることを可能にした。次いで、保持した固形物を収集し、乾燥し、秤量した。単一のふるいを通過するスラリーを次のふるい上に注いだ。この工程をすべての選択したふるいごとに繰り返した。
Beckman Coulter LS13320(Beckman Coulter,Inc.(Miami,FL))は、レーザー回折技術を用い、ウエットモジュール(wet module)を使用し、材料のPSDを測定するための機器である。LS13320は40nm〜2000μmの間の粒子を測定可能である。試料をMillipore DI水によって希釈し、ジャケット付きビーカーを使用して超音波プローブによって10分間超音波処理すると共に、試料を超音波処理しながら冷温で保持するために冷却水の循環を行った。希釈したスラリーを装置に導入し、50%の再循環速度でシステムを、最適なオブスキュレーション(obscuration)に達するまで再循環した。完全な混合および平衡を可能にする30分間の再循環後、PSDを測定した。測定を2回繰り返し、懸濁液の安定性および測定の再現性を検証した。2つの安定な測定値の平均を試料のPSDとして報告した。
結果をd−50として報告し、それは粒子の積算体積の50%がこのサイズ未満である場合の粒子直径を示す。同様に、d−95は粒子の積算体積の95%がこのサイズ未満である場合の粒子直径を示す。
粘度の測定
加水分解物の粘度を、TA Instruments(New Castle,DE)AR−G2 Rheometerを使用し、Starch Pasting Cellで測定した。加水分解物のレオロジーは、通常の同心シリンダ、コーンおよびプレート、またはベーンおよびシリンダ粘度計であっても測定できない。Starch Pasting Cellは、カップおよびボブの同心シリンダ構成を有する。しかし、ボブは、測定を行っている間に粒子の混合状態を保持しかつ沈降を阻止するように設計された特別なローターである。機器を、一定の剪断(sheer)速度での温度傾斜を意図して設計する。しかし、それは、10%の精度、0.1〜10s−1の剪断(sheer)範囲で剪断(sheer)の増大を伴う一定温度測定のために使用されうる。データは、Herschel−Bulkleyモデル(Bird R.B.ら、Rev.Chem.Eng.(1983年) 1:1−70頁)によって分析されうるか、または剪断(sheer)速度対剪断(sheer)応力としてリニアスケールでプロットされうる。降伏応力を全く伴わない流体においては、このプロットは原点を通過する。しかし、降伏応力を伴う流体においては、プロットは剪断(sheer)速度がゼロになる点を通過する一方、剪断(sheer)応力は正の値を有し、それは降伏応力と考えられる。
前処理トウモロコシ穂軸の調製
これらのランで使用されるトウモロコシ穂軸を、共同所有される同時係属中の米国特許出願公開第20070031918A1号明細書中に記載のように、以下の反応器の中の1つにおいて調製した。
Jaygo反応器
Jaygo反応器は、Hastelloy(登録商標)C−22合金製の130−リットル(直径約51cm×長さ91cm)の水平のパドル型反応器(Jaygo Manufacturing,Inc.(Mahwah,NJ))である。反応器は約177℃(862kPa)に加熱可能な蒸気ジャケットを具備する。バイオマスを最高で前処理温度まで速やかに誘導するため、直接蒸気注入も用いられる。蒸気圧を調節および制御し、所望の前処理温度を維持する。
スチームガン反応器
4リットルのスチーム爆発反応器(Autoclave Engineers(Erie,PA))は、2つのボール弁によって閉鎖される長さ102mmで計画された80Hastelloy(登録商標)パイプより構成される蒸気ジャケット付き反応器である。追加の電気ヒーターを、反応器のジャケットが付いていない露出された全表面上に設け、かつ前処理の定値温度に制御する。バイオマスを最高の前処理温度まで速やかに誘導するため、直接蒸気注入も用いられる。蒸気圧を調節および制御し、所望の前処理温度を維持する。反応器の底部を51mmにネックダウンする。すべての前処理した材料を、反応器の底部で交換可能なダイを通して排出させ、厚肉のジャケット付き冷却フラッシュタンク内部で支持された0.21mのナイロン(Hotfill(登録商標))製バッグ内に回収する。
前処理および酵素加水分解反応器(PEHR)
この反応器は、共有される同時係属中の米国特許出願公開第20070029252号明細書に開示されている。
9LのPEHR(NREL(Golden,CO)にて構成)は、処理反応物質の導入のための注入ランスを有する約15cm×51cmのステンレス鋼製反応容器を有する。注入ランスは、容器の一端部上のカバー内のポートに回転ジョイントを用いて接続され、それは容器への接近手段として追加ポートを有する。4つのバッフルが容器壁の全長にわたり、壁に垂直に取り付けられる。容器内で浮遊状態にあるバッフルおよび3.2cmX3.2cmの22個のセラミック製摩擦媒体シリンダー(E.R.Advanced Ceramics(East Palestine,OH))は、容器の回転時にバイオマスと反応物との機械的混合を適用し、それにより反応物のバイオマスへの吸収が促進される。PEHReactorを、回転のための機構を提供するBellco Cell−Production Roller Apparatus(Bellco Technology(Vineland,NJ))上に設置し、ローラー装置を具備する反応器を、熱を供給する温度制御チャンバー内に収容する。外部ソースをカバー内のランスに接続されたポートに取り付けることにより、反応容器に真空および圧力を印加できる。
大型バレルピストン反応器
この反応器は、共同所有される同時係属中の米国特許出願第CL3949号明細書に開示されている。
バレルピストン反応器を、ピストンを装備した5.1cm×68.6cmのステンレス鋼バレルで水平方向に構成した。ピストンを4つのOリングでバレルに密封し、吐出行程中、ピストンの裏面を窒素で加圧した。68.6cmのバレルに8つの複数の使用ポートを装備し、真空の適用、水性アンモニアの注入、蒸気の注入、およびバレル内部の温度を測定するための熱電対の挿入を可能にした。反応器バレルに、バレルのさらなる加熱のための蒸気ジャケットを装備した。反応器バレルを、15.2cm×61cmのステンレス鋼フラッシュタンクに垂直方向に直接取り付けた。バレルを、円錐状ノズルおよびシート端部の剪断弁装置によってフラッシュタンクから隔てた。ダイを剪断する端部弁の直径は3.5cmであった。円錐状ノズルおよびシートに対する背圧は調整可能であり、大部分の試験を、端部剪断弁のコーン部に接続された10.2cm直径のエアシリンダへの約138kPa(ゲージ圧)の背圧を用いて実施した。端部剪断弁のコーン部は最大で1.6cm戻ることができ、粒子のフラッシュタンクへの排出が可能であった。端部剪断弁の出口にあるエルボーが前処理固形物をフラッシュタンクの底部へと下方誘導し、そこでは固形物はタンクの底部におけるドーム状端部フランジのボルトを緩めることによって容易に除去された。フラッシュタンクに対して上部にあるドーム状フランジが、フラッシュタンクの軸に対して直角に加工されたスロットに適合する特別な出口を組み込んだことで、放出された蒸気のコーナ軌跡周辺から出口フィッチングへの移動が引き起こされ、それは同伴されるバイオマス粒子および水滴のベントコンデンサへのキャリーオーバーの防止に役立った。3つの電気バンドヒーター(60℃に設定)および絶縁部をフラッシュタンクに沿いに追加し、熱で前処理された固形物の加熱容器へのフラッシュを可能にし、商業規模の工程のシミュレーションが改善された。
糖化装置
糖化実験を3タイプのシステムにおいて実施した。
1つのシステムは、上で記載され、「ローラーボトル(Roller Bottle)」と称される前処理および酵素加水分解反応器(PEHR)であった。ローラーボトルシステムに代わる変形物は、1.3ガロンの容量を有するセラミックローラーボトルであった(US Stoneware(East Palestine,Ohio))。摩擦媒体ならびにローリングおよび加熱システムは、上のPEHRについて記載されたものと同一であった。ローラーボトルにおける実験は、常にバッチモードで実施した。
実験をバッチまたはフェドバッチモードで実施する場合、第2のシステムを撹拌タンク反応器で構成した。システムを、四首反応容器蓋(Reaction Vessel Lid)(LG−8073)を装備した、500mlまたは2000mlのいずれかのガラスジャケット付き円筒状反応容器(LabGlass Number LG−8079C、LabGlass(Vineland,NJ))で構成した。撹拌器を中央ポートを介して取り付け、反応器内容物を撹拌した。ガラスコンデンサを首の1つに接続し、水を冷却機から再循環させることによって5℃で保冷した。他の2つのポートを、反応物の装填ならびに温度およびpHの測定のために使用した。反応器温度を、加熱した循環器水槽により供給される熱水を再循環することによって制御した。Teflon(登録商標)コーティングされたアンカー撹拌器を2000mlの反応器内で使用し、45度の角度のパドルを有する4パドルのガラス撹拌器を500mlの反応器内で使用した。
第3のシステムをB.Braun Biotech Internationalタイプの10K 15Lの発酵反応器(fermentor reactor)で構成し、糖化反応器として使用した。それは、循環ポンプ、酸および塩基用ポンプ、ソレノイド弁、温度制御用熱交換器、蒸気供給、プロセス水、空気供給制御弁、濾過および背圧制御弁、ならびに排気フィルタを有し、BioStat ED DCU(データ制御ユニット)およびそれに関連する制御モジュールによって制御される。反応器に、2つの4.5インチ(11.4cm)直径の三枚羽根高効率Ligntnin A−310インペラーを装備した。底部インペラーを反応器底部から3インチ(7.6cm)の所に位置づけ、上部インペラーを反応器底部から9インチ(22.9cm)の所に位置づけた。容器は、7.5インチ(19.1cm)の直径および22インチ(55.9cm)の最大高さを有する。4つのリムーバブルバッフルを糖化のフェドバッチランにおいて使用し、その各々は5/8インチ(1.6cm)の幅および19インチ(48.3cm)の長さ(容器底部から上部の約3インチ)(7.6cm)以内)を有する。バッフル端部と容器壁の間に約1/8インチ(0.3cm)のナロウギャップがあるが、典型的にはバイオマスがこのギャップ内に捕捉されることはない。フェドバッチ糖化の開始時、スラリー容量は容器の底部を約5インチ(12.7cm)占有し、ループが糖化スラリーで満たされる場合、それはポンプアラウンドループ(pump around loop)内で使用される容器底部近傍の側面ポートをカバーするほど十分に深い。この初期レベルは2つのインペラー間に収まる。フェドバッチ添加の過程で、スラリーレベルは最終的に頂部インペラーをカバーするほど上昇する。
容器のヘッドプレートを改良し、バイオマスを装填しかつ酵素を装填するための2インチ(5.1cm)のサニタリーフィッティングを組み込んだ。さらに、それに関連するポンプアラウンドループを、反応器システム上の頂部および底部ポートに設置した。ポンプアラウンドループを、CF8Mボディ、316SSボール、およびPTFEシートを有する1〜1/2インチ(3.8cm)のValmicroおよびSVFフルポートボールバルブを有する発酵容器から隔てた。ポンプアラウンドループの一部を含む1〜1/2インチ(3.8cm)のフレキシブルホースを、316SSワイヤー補強を伴う白金硬化シリコーン製インナーホース、ならびに150psiの作動圧力、250℃の定格温度、およびサニタリー末端接続部を伴うシリコーン製アウタージャケットで構成した。Teflonサイトフローインジケータ(sight flow indicator)を、サニタリーフィッティングを介してローブポンプの入口内に配管した(plumbed)。T字管(Tee)を、ポンプアラウンドループホース、APVローブポンプ、Teflonサイトグラス、ボールバルブおよびVポートバルブの別々の滅菌を可能にする直接蒸気注入および凝縮水排出を可能にするポンプアラウンドループに組み込んだ。ポンプアラウンドループ内の全部品を別々に清浄し、ループ内に無菌で組み立てる前に滅菌した。特に、ボールバルブを部分開放し、シートの裏側を清浄し、次いでポンプアラウンドループの組み立て前にオートクレーブ内の部分開放位置で蒸気滅菌し、シートおよびボール背後で捕捉された材料において汚染物質が滅菌から逃れて発酵物に感染しうるという可能性を最小にした。すべてのポンプアラウンドループの部品の接続を行った後、ポンプアラウンドループおよび部品を2度目として定位置で再び蒸気滅菌した。
ポンプアラウンドループはAPVローブポンプを中心とした。316SSで構成したAPVローブポンプ(モデルM1/028/06)に対し、Dodge Master XL減速機を介してローブポンプに連結された3−hp Reliance Electricモーターによって電力を供給した。1755rpmのモーターrpmを、ローブポンプと連結されたギアの5:1の低下を伴うDodge直角減速機によって減少させた。Reliance Electricモーターを、Reliance SP500可変周波数駆動によって制御した。ローブポンプを、960rpm、85psigで評価した。ポンプと外部のポンプアラウンドループとの接続はサニタリーフィッティングを介するものであった。ローブポンプを、ポンプの内部を30psigの蒸気圧に暴露する間、ローブをゆっくりと動作させることにより、定位置で滅菌した。ポンプを順方向に動作させ、ポンプ内で形成される任意の凝縮物の、ポンプ配管の排出端部側に位置する蒸気トラップへのポンピングを可能にした。サニタリー型ダイヤフラムで隔てられた圧力ゲージを使用し、滅菌中の蒸気圧、ならびにポンプアラウンドおよびVポートバルブの剪断サイクル中のポンプ圧を監視した。
Vポート剪断弁をポンプアラウンドループに組み込み、ボールバルブがポンプアラウンドループを発酵槽の上部ポートから隔てる直前に、ローブポンプの下方の流れを見出した。Triac Controls「V」88シリーズの制御ポートのボールバルブを、ボールにおいて60°Veeノッチを有する1〜1/2インチ(3.8cm)のボールおよび本体を注文した。この弁の本体を、316SS 60°VポートボールおよびPTFEシートを有する定格1500psigのCF8M SSで構成する。Vポートバルブの本体におけるねじ接続部を、1〜1/2インチ(3.8cm)のねじパイプを使用し、ポンプアラウンドループのサニタリーコネクターに接続した。
実施例1
攪拌を伴う場合および伴わない場合での前処理バイオマスの糖化
2回のラン(#25および26)を、約20%DWB(バイオマスの乾燥重量)の装填、50℃、pH=5.5で粉砕された前処理バイオマスの場合に実行した。これらの実行で使用したバイオマスは、サイズが約1mmまで低減した前処理トウモロコシ穂軸の3つのバッチの混和物であった。HT−4と称される1つのバッチを、上記のスチームガン反応器内で、粉砕トウモロコシ穂軸を100gのバイオマス乾燥重量あたり4gのNHおよび145℃の蒸気で20分間処理することによって調製した。他の2つのバッチを、上記のバレルピストン反応器内で、トウモロコシ穂軸を100gのバイオマス乾燥重量あたり6gのNHおよび145℃の蒸気で10分間処理することによって調製した。前処理バイオマスのこれら3つのバッチの混和物を、糖化実験における使用前、市販のWaringブレンダーで粉砕し、1.1mmスクリーンを通してスクリーニングした。
ランを、一般的方法に記載の、500mLのガラス被覆円筒状反応容器内で実行した。ヒールは先の実行からの約100gの脱イオン水および約100gの糖化された加水分解物から構成され、それを添加して最終加水分解物の固形物含有率の上昇を促進した。温度を50℃まで上昇させた後、pHを5.5に調整し、約180gの粉砕した前処理バイオマスを添加した。最終加水分解物におけるバイオマスの乾燥重量パーセントは、ラン25および26においてそれぞれ20.97%および17.83%であった。
各反応器に添加した酵素は、10mgタンパク質/gセルロースでのSpezyme(登録商標)CP(Genencor International(Rochester,NY))および4.1mgタンパク質/gヘミセルロースでのMultifect(登録商標)Xylanase(Genencor)であった。ラン25では約30分間の原料の初期混合後に撹拌器を停止させる一方、ラン26では撹拌器の500rpmで実行を保持した。17時間の糖化後、生産された糖化液の糖含有量を「一般的方法」に記載の糖測定プロトコルに従って測定した。17時間後における糖の放出を表1に示す。
ラン25によると、酵素が攪拌しなくてもセルロースおよびヘミセルロースを糖化することが示された。しかし、ラン26で形成された糖の量はラン25の場合より高く、糖化の速度が撹拌反応器内でより速いことが示された。グルカンから全グルコースおよび単量体グルコースへの糖化速度は、撹拌反応器内では停滞反応器内より約50%速かった。
Figure 2010536375
本実施例では、より高速でかつより高コストの有効な糖化方法であれば反応器の混合物中での固形物の連続攪拌が必要となることが明示された。
糖化の間、不可溶性のセルロースおよびヘミセルロースが、水溶性のグルコース、キシロースおよびそれらのオリゴマーに変換された。反応が進行するにつれて、不可溶性固形物の画分が減少し、かつ液体の量が増加した。さらに、一般的方法における手順に従った測定によると、粒子のサイズ分布もまた低下した。粒子(d−50)の中央値サイズは、ラン25においてはフィード中の614μmから309μmへ減少した一方、ラン26においては113μmに減少し、攪拌によって固形物の可溶化の速度が高まることが再確認された。
実施例2
初期サイズの変動を伴う前処理バイオマスの糖化
ラン50〜52および64〜65を実行すると共に、前処理バイオマスを様々なサイズまで粉砕した。前処理バイオマスを、ハンマーミルを行いかつ1/2インチのスクリーンを通してスクリーニングした粉砕トウモロコシ穂軸から調製した。それらを、一般的方法に記載の、Jaygo反応器内で、100gのバイオマス乾燥重量あたり4gのNHおよび145℃の蒸気で20分間処理した。この前処理トウモロコシ穂軸バイオマスをJaygo−10と称した。糖化前、前処理トウモロコシ穂軸を複数のステップでさらに粉砕し、適切なサイズのスクリーンを通してスクリーニングし、糖化の各ランにおいてバイオマスを調製した。各ランにおいて試料の調製に使用したスクリーンサイズを下の表2に示す。
ラン50および51を2Lの反応器内で実行し、ラン52、64および65を0.5L反応器内で実行した。すべての場合、脱イオン水を反応ヒールとして使用した。前処理バイオマスを添加し、ラン50〜52においては約12%DWBならびにラン64および65においては約21%DBWの加水分解物を作製した。温度を50℃に上昇させ、pHをリン酸で5.5に調整した。ラン50〜52においては、Spezyme(登録商標)CPを40mgタンパク質/gセルロースで装填し、かつMultifect(登録商標)Xylanaseを15.6mg/gヘミセルロースで装填した。ラン64および65においては、Spezyme(登録商標)CPを35.4mgタンパク質/gセルロースで装填し、かつMultifect(登録商標)Xylanaseを14.4mg/gヘミセルロースで装填した。反応器を300〜500rpmで連続撹拌し、粒子に対する懸濁および十分な撹拌状態を維持した。72時間後、得られた糖化液の糖含有量を一般的方法に記載の糖測定プロトコルに従って測定し、その結果を理論収率のパーセントとして表2に示す。
表2に示されるように、前処理バイオマスの粒子サイズと糖化において形成された糖類の収率との間に、より小さいサイズの初期のトウモロコシ穂軸粒子がより大量の糖類を生成するといった明確な関係が認められた。
Figure 2010536375
ラン64は、ラン52を模倣したものであり、ランの再現性について示す。
72時間後の加水分解生成物の粒子サイズ分布を各ランにおいて判定し、結果を表3に示す。より小さい初期の粒子サイズでのランは、加水分解生成物中により小さい粒子を有した。これらの結果では、サイズ低減によって糖化が容易になることが確認され、また、より高い収率がより微小な粒子の場合に得られ、それは糖化の90〜95%の収率が75μm未満のd−95を有する最終の粒子サイズの場合に得られる程度であることが示された。
Figure 2010536375
これらの実験によると、糖化速度が大量移動で制御される現象であることが示された。したがって、加水分解物中の粒子サイズが約75μm未満まで低減される場合、高速で90%を超える高収率が得られうる。
実施例3
酵素的糖化の間でのバイオマスの液化
また、上記のラン52を利用し、糖化方法が継続する際の粒子サイズ分布の変化およびバイオマスの液化について測定した。粒子サイズ分布を、6および72時間後、初期の粉砕した前処理トウモロコシ穂軸バイオマスおよび加水分解物について測定した。
Figure 2010536375
この結果は、酵素的糖化によって固形物粒子のサイズ分布が低下し、それ故に固形物の液化が引き起こされ、さらなる固形物が加水分解物に添加される余地が広がることを明示した。
実施例4
固形物装填制限の測定
リグノセルロースからエタノールへの工程の経済性は、発酵において使用される糖化加水分解物中の糖類が高濃度である場合に好ましい。これは、高濃度の固形物で操作するための糖化器を必要とする。ラン43〜45を実行し、糖化反応器内での高固形物装填の操作限界を測定した。
ラン43を、前処理トウモロコシ穂軸を伴う500mlの反応器内で実行し、粉砕し、1.12mmメッシュを通してスクリーニングした。粉砕した穂軸を反応器内の200gの水ヒールに漸増的に添加し、撹拌した。100rpmから始まる各攪拌速度でバイオマスを添加し、バイオマス固形物が停滞し、大量の流体を伴う移動を止めることになる箇所を視覚的に判定した。約13.6%DWBの添加により、100rpmで停滞が引き起こされた。この工程を200、300および500rpmのより高い攪拌速度で継続し、それぞれ13.8%、15.5%、および15.7%DWBで停滞に達した。最初に、バイオマスの全部を水中に分散させ、撹拌器で十分に撹拌した。バイオマスの乾燥重量パーセントが100rpmで約13.8%に到達時、固形物の一部を撹拌混合物から分離し、反応器の底部に蓄積させた。回転の速度が増加したことにより、より多量のバイオマスの添加および混合の維持ができた。しかし、攪拌速度が500rpmに到達時、停滞がない場合に添加されうる%DWBは、図1に示されるように、約15.7%のプラトーに達した。
ラン46では、バイオマス装填能力試験を、粉砕および6.2mmメッシュを通すスクリーニングを施した粒子の場合に繰り返した。粗固形物は、ラン43のより微小な粒子と同様の挙動を示し、%DWBが増加するにつれて、混合物からの分離および反応器の底部での停滞を開始した。図1が示すように、粗粒子はより微小な粒子より停滞しがちである。微粒子および粗粒子の双方においては、15.7%DWBが固形物を装填する限界であると見られる。この固形物パーセントはこの実験において使用される反応器およびインペラーの構成における限界であり、その値は他のシステムの場合に異なるものと思われる。しかし、すべての構成およびインペラーの配置においては、所定のパーセントの固形物が適切な混合における制限要素であることが想定される。
本実施例は、バイオマスの全装填量がバッチの開始時に添加される場合の操作のバッチモードでは、バイオマスの乾燥重量パーセントに対して約16%の限界があり、それを超えると固形物は停滞し始めることになることを示す。実施例1は非攪拌混合物中であっても酵素的糖化が緩徐に進行しうることを示したが、大規模な工業規模では、バイオマスと酵素を容易に混合し、より緩徐な糖化を開始することはできない。したがって、約16%DWBはバッチ操作における限界となる。さらに、大型タンク反応器内でバイオマスの停滞が許容されるとすれば、そのスラリーへの再懸濁には大量のエネルギーが必要となる。
実施例5
フェドバッチ糖化でのpH制御
実施例4は、約16%を超えるDWBでは、バイオマスの一部がスラリーから分離し、停滞状態になることを示した。十分な混合の不在下では、前処理固形物のpHを調整することはできない。スラリーの混合が困難な場合であっても、pHの変動を限定すれば酵素的糖化に対して有害でありうる。各酵素にとって最適なpH範囲が異なりうると思われる一方、大部分の糖化酵素は5〜5.5の最適pHを有する。酵素を有効に機能させるには厳しいpH制御が必要である。
ラン96〜99を実行し、pH変動に対する酵素の感度を測定した。これらのランを、Jaygo−10と称する前処理トウモロコシ穂軸の場合に実行し、上記のように、それをJaygo反応器内で、100gのバイオマス乾燥重量あたり4gのNHおよび145℃の蒸気を用いて20分間調製した。糖化前、前処理バイオマスをハンマーミル内でさらに粉砕し、1.12mmスクリーンを通してスクリーニングした。ランを、13.1〜14.5%の%DWBを伴う500mlの反応器内でバッチモードで実行したことから、混合は視覚的に認められるように常に均一であった。4つ全部のランを、35.4mg/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および14.4mg/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填で、pH=5.5および50℃で開始した。各ランの開始から2時間後、pHを新しい値に調整し、1時間維持した。ラン97のpHを5.5で保持したが、ラン96、98、および99のpHをそれぞれ4.0、6.5および7.5に調整した。1時間後、次いでpHをその元の5.5に再調整し、ランを48時間継続した。表5は48時間の時点での様々な糖類の収率を示す。結果は、酵素活性がpH変動に対して感度が高い(ここでグルコースおよび単量体キシロースの生産が最も感度が高い)ことを明示している。
Figure 2010536375
本実施例では、高固形物装填加水分解物の糖化においてpHを最適範囲内で維持するために十分な混合が必要とされることが確認される。
実施例6
フェドバッチ糖化の場合での固形物装填量の増加
ラン43(実施例4に記載)が15.7%DWBの流動性としてのその重要な固形物レベルに達した後、それを継続し、35.4mg/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および14.4mg/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填で、pH=5.5および50℃で糖化した。図2が示すように、2時間以内に、混合物は再び流体になり、反応器内で固形物全部の攪拌が開始された。さらに粉砕された1.12mm未満の前処理トウモロコシ穂軸バイオマスを反応器内容物に添加し、固形物の再分離前に反応器内の合計%DWBが約19%に増加した。反応器内容物中の固形物は、最終容量の反応器内容物中の固形物として添加される材料の%に基づいた。18時間後、反応器内容物を再攪拌し、1.12mm未満のさらなるトウモロコシ穂軸バイオマスを添加し、反応器内容物を攪拌状態で維持しながら、全固形物濃度を23.7%にした。それ故、酵素的糖化の間、前処理、粉砕されたトウモロコシ穂軸バイオマスを半バッチまたはフェドバッチモードで供給し、糖化反応において固形物を増加レベルにすることが可能であった。
ラン44を、酵素装填がラン43の場合より10倍少ない点を除き、ラン43の場合と等しい条件を用いて実行した。図2が示すように、酵素的糖化が再び固形物の液化をもたらし、さらなる固形物をフェドバッチモードで反応器内容物に添加する一方、攪拌状態を維持することが可能であった。しかし、より少ない酵素装填では、液化の速度がより遅いことから固形物の添加の速度がより遅く、それは0.1倍の酵素装填の場合、固形物を装填し、固形物パーセントが24%に増加する一方、反応器内容物の撹拌状態を維持するのに48時間かかる程であった。
本実施例は、酵素的糖化、適切な混合およびフェドバッチプロセスの組み合わせにより、撹拌状態で全固形物を維持しながら、糖化器内で高いバイオマス濃度(%DWB)の達成が可能であることを明示している。
実施例7
高バイオマス固形物の加水分解物中の粘度および降伏応力
加水分解物は非ニュートン性スラリーであり、かつその粘度は、バイオマス装填、糖化の程度、適用される剪断(sheer)、ならびに温度と共に変化する。ラン149〜152を様々なレベルの%DWBの場合に実行し、試料を異なる時間で採取し、加水分解物のレオロジー特性を測定した。これらのランを、前処理トウモロコシ穂軸を有する2リットルの反応器内で実行した。粉砕トウモロコシ穂軸を、上記のJaygo反応器において、100gのバイオマス乾燥重量あたり6gのNHおよび145℃の蒸気で20分間前処理し、また試料をJaygo−9と称した。前処理穂軸を、糖化器における使用前に1.12mmサイズ未満までさらに粉砕した。糖化を、35mgタンパク質/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および15mgタンパク質/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填で、50℃およびpH=5.5で行った。
粘度を、バイオマス乾燥重量の22%、26%、および30%においては酵素の添加の30時間後、および26%試料においては24時間後に採取した加水分解物試料について、一般的方法に記載のように変化する剪断(sheer)速度で測定した。図3に示されるデータは、加水分解物が剪断シニング(shear thinning)非ニュートン流体であることを明示している。図3はまた、粘度が加水分解物中の%DWBに強く依存する(%DWBが22%から30%に増加する場合に2桁変動する)ことを示す。
26%の固形物試料においては、粘度を、酵素の添加の6、24、48、および72時間後に採取した加水分解物試料について、変化する剪断(sheer)速度で測定した。図4で示される結果は、糖化の時間または範囲の粘度に対する効果を示す。26%の固形物を有する加水分解物は糖化の6時間後でも非常に高い粘度を有し、その粘度は酵素がセルロースおよびヘミセルロースを糖化するにつれて経時的に連続的に低下し、かつ加水分解物中での未溶解固形物の容量が低下した。
これらのデータのHerschel−Bulkleyモデルを用いたさらなる分析によると、26%の固形物を有する加水分解物が糖化から最初の24時間の間に降伏応力を有することが示される。表6は、Herschel−Bulkleyモデルパラメータおよび具体的にはσHBで示される降伏応力を示す。実験的には、降伏応力は反応器内容物の具体的には壁の近傍での停滞によって認められる。
Figure 2010536375
実施例8
超高バイオマス固形物の糖化
ラン63を実行し、経済的な方法として現在想定されるよりはるかに高いバイオマス濃度での糖化について示した。上の実施例2に記載の、Jaygo−10と称される、一般に認められた前処理トウモロコシ穂軸は約36%のDWBを含有した。それらを1.12mmサイズまで粉砕後、風乾し、それらの水分含有率が11%未満まで低下した。この材料を、35.4mgタンパク質/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および14.4mgタンパク質/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填により、pH=5.5および50℃、500mlの反応器内、フェドバッチモードで糖化した。最初に44.55gの前処理バイオマス(ランの全固形物の約36%)を170gのヒール水(heel water)に添加し、撹拌を500rpmで開始した。pHを調整後、前処理バイオマスのこの量に必要とされる酵素を添加した。バイオマスは停滞に近づいていて、それを反応器壁近傍で非常に緩やかに攪拌し続ける間、撹拌器に近い中心でそれを迅速に攪拌し続けた。約30分後、一部のバイオマスが液化しており、反応器壁近傍を含み、反応器内でバイオマスを程よく撹拌できた。この時点で、前処理バイオマス全体の約17%超を添加し、pHを調整し、対応する量の酵素を添加し、反応器を停滞間際まで動作させた。1時間15分後、反応器内容物を十分に攪拌し続けた。前処理バイオマスのさらに17%を、対応する量の酸および酵素と共に添加した。さらに3時間15分後、反応器を程よく攪拌し続け、次いで全バイオマスの残りの30%を添加した。pHを調整し、酵素を添加後、反応器内容物はほぼ停滞状態であった。16時間後、混合物が主に高粘度であったことから、反応器内容物をゆっくり攪拌し続けた。酵素の初期装填から合計77時間、ランを継続した。
このフェドバッチプロセスでは、38.09%DWBの加水分解物の、グルコースに対して55%の収率およびキシロースに対して58%の収率での調製が可能であった。加水分解物は、108g/Lのグルコースとそのオリゴマー、および99g/Lのキシロースとそのオリゴマー(合計で207g/Lの可溶性糖)を含有した。粉砕および前処理バイオマスと酵素を、合計5時間にわたりフェドバッチモードで添加した。この臨床試験では、最後に添加したバイオマスのみが反応器内で約10〜16時間の停滞をもたらし、ここでは固形物の最後の装填が10〜16時間以内に2段階で行われていれば容易に回避できていたと思われる。これら高固形物の装填時には加水分解物の粘度はかなり高くなり、流体処理上の課題を提起した。
実施例9
糖化に対するインサイチュおよび外部粉砕の効果
上記の実施例1〜8は、高い糖化収率および高い%DWB装填を得るのに粒子サイズの低減が必要であることを示している。これらの実施例において使用されるバイオマスは、糖化の開始前に粉砕されていた。そうであれば、インサイチュ粉砕によって粒子サイズの低減を行うための大規模工程にとり、それはより経済的となる。商業的工程は、ループ内でインライングラインダーを伴う再循環ループを有することが想定される。様々なタイプのグラインダーの有効性を試験するため、ラン115F、116F、117F、118Fおよび125Fを異なる粉砕装置を使用して実行した。
これらのランにおいて使用される前処理バイオマスは、固形物の乾燥重量を基準として40%穂軸および60%線維の混合物であった。線維は、トウモロコシ外皮としても知られるトウモロコシ穀粒を覆う外層を示す。それは穂軸のようなリグノセルロース系バイオマスであり、さらに澱粉を含有し、糖化方法において使用されうる。この40/60の穂軸/線維混合物を、一般的方法に記載のJaygo反応器内で、100gのバイオマス乾燥重量あたり6gのNHおよび145℃の蒸気で20分間前処理した。この前処理トウモロコシ穂軸/線維混合物をDTM−17と称した。糖化前、前処理バイオマスをハンマーミル内でさらに粉砕し、1.12mmのスクリーンを通してスクリーニングした。
この材料を、pH=5.5および50℃、500mlの反応器内、フェドバッチモードで糖化した。バイオマスを、6時間にわたり3つのバッチ内で装填した。これらのランの%DWBは約23%〜約28%で変動した。酵素を、12.9mg/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および15.0mg/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填および1mg/g澱粉のSpirizyme(登録商標)B4U(Novozymes North America(Franklinton,NC))で、フェドバッチモードでさらに添加した。
ラン115Fは参照ランであり、そこでは糖化の間にさらなるサイズの低減を伴わなかった。反応器内容物を、実行全体を通して、500rpmの上記標準撹拌器で撹拌した。全部で5つのラン、115F、116F、117F、118Fおよび125Fを合計72時間実行した。ラン116Fでは、携帯型Rotostator(T−18ヘッドを装備したUltra−Turrax T25 S−1、IKA Works,Inc.(Wilmington,NC28405))を使用し、バイオマスを20,500rpm、インサイチュで粉砕した。インサイチュでの粉砕を、第1の酵素の添加の25、26.5、45、47、および49時間後に行った。Rotostatorを1回ごとに10分間動作させると共に、間欠的停止により、Rotostatorまたは加水分解物の何らかの過熱を防止した。ラン117Fでは、反応器の内容物をワーリングブレンダーに移し、約30℃まで冷却し、各回につき、ブレンダーを2分間隔で10分間動作させた。次いで、加水分解物を反応器に戻し、糖化を継続した。この工程を、第1の酵素の添加の22、26、46、50、および69時間後に5回実行した。ラン118Fでは、ブレンダーを各回につき30分間動作させたこと以外、ラン117Fの工程を繰り返した。この工程を、第1の酵素の添加の23、27、47、51、および70時間後に5回実行した。ラン125Fでは、上記の通常の撹拌器を高剪断(sheer)分散機(R1300 Dissolver Stirrer、IKA Works,Inc.(Wilmington,NC28405))と交換し、それを500rpmで動作させると共に、実験の持続時間かけて攪拌速度を間欠的に900rpmまで増加させた。
糖化の収率および粒子サイズ低減の結果を表7に示す。供給バイオマスの粒子サイズ分布(PSD)は、何も追加的な粉砕を行わない場合、参照糖化のラン115Fにおいて約3倍低下した。ワーリングブレンダーでの粉砕によると、d−50およびd−95ではさらなる低減が示されたが、糖化収率ではほんのわずかな改善が示された。しかし、Rotostatorを使用するかまたは通常の撹拌器を高剪断(sheer)分散機と交換することで、粒子サイズ分布がさらに低減され、糖化収率が増加した。剪断(sheer)分散機がスケールアップにとっての有望な選択肢でない場合がある一方、外部再生ループ内に配置されるRotostatorは粒子サイズ低減にとっての有望な安価な選択肢である。
Figure 2010536375
実施例10
外部ループグラインダーでの粒子サイズ低減を伴う糖化
ラン163を、加水分解物を糖化器から取り出し、それをインライン1/2hp Rotostatorグラインダー(Charles Ross and Son Co.(Hauppauge,NY11788))を装備したループ反応器内で粉砕することによって実行した。トウモロコシ穂軸を、Jaygo反応器内で、上記の100gのバイオマス乾燥重量あたり4gのNHおよび145℃の蒸気で20分間前処理し、それをJaygo−9と称した。前処理バイオマスを1.12mmサイズまで粉砕し、この試験で使用した。この材料を500mlの反応器内、pH=5.5および50℃で糖化した。バイオマスを1つのバッチ内で装填し、スパチュラで混合し、pHを調整し、酵素を、20.0mg/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および10.0mg/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填で添加した。%DWBバイオマス装填は25.76%であった。混合物は非常に粘性が高く、それを撹拌器近傍のコアに限って撹拌した。
固形物を酵素中に浸しておいてから20時間後、部分的糖化が生じ、反応器の内容物をインライングラインダーに接続されたタンクに移した。グラインダーを、3分間隔、3600rpmで2回、合計6分間動作させた。加水分解物を反応器に戻し、糖化条件下でさらに4時間動作させた。表8は、この粉砕ステップの前と4時間後における加水分解物の糖分析を示す。外部粉砕によると、糖化、具体的には単量体グルコースおよび全グルコースの形成に対する強力な正の効果が示され、それらはそれぞれ61%および44%増加した。
Figure 2010536375
実施例11
糖化に対する酵素添加方法の効果
フェドバッチモードでの糖化により、様々な酵素の添加を最適化するための機会が許され、最高の糖化収率を得るための酵素添加における最良の方法が見出される。ラン164〜167を、この最適化工程を分析するための1つの試験セットとして実行した。これらのランを、前処理トウモロコシ穂軸を用い、500mlの反応器内で実行した。粉砕トウモロコシ穂軸を、上記のJaygo反応器内で、100gのバイオマス乾燥重量あたり4gのNHおよび145℃の蒸気で20分間前処理し、それをJaygo−9と称した。前処理穂軸を、糖化器内での使用前、1.12mmサイズ未満までさらに粉砕した。糖化を、20mgタンパク質/gセルロースのSpezyme(登録商標)CPの装填および10mgタンパク質/gヘミセルロースのMultifect(登録商標)Xylanaseの装填で、50℃およびpH=5.5で実行した。酵素を表9に挙げる異なる方法を用いて添加した。糖化の54または142時間後、試料を採取し、糖類を分析した。表9および10に示される結果は、開始時にセルラーゼ(Spezyme(登録商標)CP)およびヘミセルラーゼ(Multifect(登録商標)Xylanase)の双方を添加した時のセルロースの糖化が好ましく、そこには相乗的相互作用が示唆されたことを示す。しかし、最初にヘミセルラーゼ、次にセルラーゼを添加した時、単量体キシロースの形成が改善された。本実施例は、最適化についての可能性のみを示し、必ずしも最適な酵素の添加方法を示すものではない。
Figure 2010536375
Figure 2010536375
実施例12
糖化の間での外部粉砕のスケールアップ
外部粉砕ループでの糖化を、バイオマス粒子のサイズを低減するための手段としてローブポンプおよび剪断(sheer)弁を使用する15リットルの反応器にスケールアップし、そのランをSOT−06−Bと称する。
粉砕トウモロコシ穂軸を、上記のバレルピストン反応器内で、100gのバイオマス乾燥重量あたり6gのNHおよび145℃の蒸気で10分間前処理した。合計17のかかる前処理を実施した。4つの前処理から得られる前処理穂軸を糖化のためにプールし、フェドバッチ糖化のための初期ヒールを提供した。残りの13のランから得られる前処理穂軸をフェドバッチ糖化での使用のためにプールした。
フェドバッチ糖化を開始するため、一般的方法に記載のフェドバッチ糖化反応器にまずヒール加水分解物を装填し、反応器容積を第1のインペラーの底部に至るまで満たした。このヒール加水分解物を、前処理穂軸を2.8Lの振とうフラスコ内で糖化することによって調製した。これらの振とうフラスコに、465gの前処理固形物、DI水1000ml、ならびに、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼおよびアラビノフラノシダーゼを含む、28.4mgのSpezyme(登録商標)CP/gセルロースおよびヘミセルラーゼ酵素共同体(Diversa、現Verenium Corp.(Cambridge,MA))の4.2mg活性タンパク質/gセルロースでの酵素を装填した。酵素添加前、pHを8.5%HPOで5に調整した。振とうフラスコを回転振とう器内、50℃および150rpmで48時間維持し、その時点で加水分解物をフェドバッチ反応器に装填した。
一旦、ヒール加水分解物を装填すると、前処理バイオマス−アンモニア混合物の一定分量(約700g)を反応器に添加した。pHを8.5%HPOの添加によって設定値5.5に調整した。一旦、pHを設定値に再調整してから、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼおよびアラビノフラノシダーゼを含む、28.4mgのSpezyme(登録商標)CP/gセルロースおよびヘミセルラーゼ酵素共同体(Diversa)の4.2mg活性タンパク質/gセルロースを添加した。同じ前処理バイオマス−アンモニア混合物、Spezyme(登録商標)CPセルラーゼおよびヘミセルラーゼ酵素共同体のさらなる一定分量を、t=4、8、12、22、26、30および34時間に添加した。各バイオマスの添加後、pHを8.5%HPOの添加によって設定値5.5に調整した。ポンプアラウンドループを概して酵素添加の約1時間後に開始し、約1時間から最大で22時間の固形物添加の間、実行した。26時間および30時間の添加後、ポンプを酵素添加の約50分後開始し、30分間実行した。34時間の添加後、ポンプを酵素添加の約3時間後に開始し、30分間実行した。また、ポンプをt=29、33、47および49時間に30分間実行した。全糖化時間は120時間であった。この時点で、加水分解物は、約60g/Lの単量体グルコース、25g/Lの単量体キシロースおよび10g/Lの酢酸を含有した。加水分解物中の%DWBは24.7%であり、かつ単量体グルコース、全グルコース、単量体キシロース、および全キシロースの収率は、それぞれ60.9%、84.7%、28.2%、および76.6%であった。
総じて、実施例12は、循環ループ内にインライングラインダーを装備したタンク反応器内での糖化が大きく奏功することを示した。
実施例13
除去液体中に阻害因子(Inhibitor)を伴う前処理バイオマス由来の糖化加水分解物を使用したエタノールの生産
蒸気をバレルのジャケットに添加し、(一般的方法に記載の)大型バレルピストン反応器のバレルを約130℃まで予熱した。フラッシュレシーバー(flash receiver)をバンドヒーターで約60℃まで予熱した。粉砕穂軸を次のように調製した。全粒トウモロコシ穂軸を、約0.95cmのジョー間隔を有するジョークラッシャー(2.2kWモーター)、その後にデランパー(delumper)(1.5kWモーター、Franklin Miller Inc.(Livingston,NJ))で処理し、その後に1.9cmの米国標準スクリーンを備えたスウェコ(Sweco)スクリーンでスクリーニングし、全粒トウモロコシ穂軸を小片に粉砕した。これらの処理した穂軸(175g、乾燥重量基準)を、穂軸をピストンを取り出した反応器の端部に手作業で入れることにより、大型バレルピストン反応器に装填した。ピストンを元に戻し、端部に差し込んだ。真空を反応容器およびフラッシュレシーバーに適用し、10kPa未満に降圧し、希釈水酸化アンモニウム溶液を反応器に注入し、6g/100gバイオマス乾燥重量のアンモニア濃度および45g/100g全バイオマス−水性アンモニア混合物のバイオマス乾燥重量濃度を得た。一旦、アンモニアを装填すると、蒸気を反応器に注入し、温度を145℃にした。混合物を、温度を監視し、必要に応じて蒸気を添加することにより、この温度で10分間保持し、次いでピストンを駆動することによって予熱したフラッシュタンクに排出した。フラッシュレシーバーが約59℃に達するまでフラッシュタンクに対して真空を引いた。遊離液体を、フラッシュレシーバーからの回収時、前処理固形物から分離し、糖化のために再び添加しなかった。合計17のかかる前処理を実施した。4つの前処理から得られた前処理穂軸を糖化のためにプールし、フェドバッチ糖化用に初期加水分解物を提供した。残りの13のランから得られた前処理穂軸をフェドバッチ糖化で使用するためにプールした。
フェドバッチ糖化を開始するため、一般的方法に記載のフェドバッチ糖化反応器にまず加水分解物を装填し、反応器容量を最大で第1のインペラーの底まで満たした。この加水分解物を、前処理穂軸を2.8Lの振とうフラスコ内で糖化することによって調製した。これらの振とうフラスコに、465gの前処理固形物、DI水1000ml、ならびに、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼおよびアラビノフラノシダーゼを含む、28.4mg Spezyme(登録商標)CP/gセルロースおよび4.2mg活性タンパク質/gセルロースのヘミセルラーゼ酵素共同体(Diversa(SanDiego,CA))の酵素を装填した。酵素添加前、pHを8.5%HPOで5に調整した。振とうフラスコを、回転振とう器内、50℃および150rpmで48時間維持し、その時点で加水分解物をフェドバッチ反応器に装填した。
一旦、初期加水分解物を装填し、前処理バイオマス−アンモニア混合物の第1の一定分量(約700g)を反応器に添加した。pHを8.5%HPOの添加によって設定値5.5に調整した。一旦、pHを設定値に再調整してから、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼおよびアラビノフラノシダーゼを含む、28.4mg Spezyme(登録商標)CP/gセルロースおよび4.2mg活性タンパク質/gセルロースのヘミセルラーゼ酵素共同体(Diversa)を添加した。さらなる一定分量の前処理バイオマス−アンモニア混合物、Spezyme(登録商標)CPセルラーゼおよびヘミセルラーゼ酵素共同体を、t=4、8、12、22、26、30および34時間に添加した。ポンプアラウンドループを、一般に酵素添加の約1時間後に開始し、約1時間から最大で22時間にわたる固形物添加を実行した。26時間および30時間の添加後、ポンプを酵素添加の約50分後に開始し、30分間実行した。34時間の添加後、ポンプを酵素添加の約3時間後に開始し、30分間実行した。また、ポンプをt=29、33、47および49時間に30分間実行した。全糖化時間は120時間であった。この時点で、加水分解物は、約60g/Lの単量体グルコース、25g/Lの単量体キシロースおよび10g/Lの酢酸を含有した。
この加水分解物を、アルコール発酵菌(Zymomonas mobilis)株ZW800またはZW658(ATCC#PTA−7858)の発酵に使用した。ZW658は、エタノールへのキシロース発酵のために改変されているアルコール発酵菌(Zymomonas mobilis)の株であり、共同所有される同時係属中の米国仮特許出願第60/847813号明細書に記載されている。ZW658は、キシロースイソメラーゼ、キシルロキナーゼ、トランスアルドラーゼおよびトランスケトラーゼをコードする4つのキシロース利用遺伝子を有する2つのオペロン、PgapxylABおよびPgaptaltktを連続転位事象を介してZW1(ATCC#31821)のゲノムに統合し、その後にキシロースを含有する選択培地に適応させることによって作成した。ZW800は、グルコース−フルクトースオキシドレダクターゼをコードする遺伝子が不活性化されたZW658株であり、また共同所有される同時係属中の米国仮特許出願第60/847813号明細書に記載されている。
発酵を、500mlの初期作動容積(working volume)を有する1リットルの滅菌発酵槽(BIOSTAT(登録商標) B−DCUシステム、Sartorius BBI System Inc.(Bethlehem,Pennsylvania,USA))内で実施した。接種材料を、添加後の培養液中でOD600が約1であるように、10%(v/v)のレベルで発酵糖に添加した。加水分解物は、水との均衡状態で、80%または40%(v/v)で存在した。さらなるグルコースおよびキシロースを添加し、培養液中の最終濃度をそれぞれ92g/Lおよび82g/Lにした。また、培養液に10mMソルビトールおよび1g/LのMgSO・7HOを補充した。発酵を、150rpmで撹拌しながら、33℃、pH5.8で72時間実施した。ZW800株における最終のエタノール滴定濃度は、40%加水分解物中で8g/L、80%加水分解物中で7g/Lであった。ZW658においては、最終のエタノール滴定濃度は、40%加水分解物中で8g/L、80%加水分解物中で6.5g/Lであった。

Claims (27)

  1. バイオマスから糖含有量が高い加水分解物を生産するための方法であって、
    a)粒子サイズ低減機構を有する直立型撹拌タンク反応器に、
    i)混合可能な前処理バイオマススラリーの一部、および
    ii)セルロースを加水分解可能な少なくとも1つの酵素を含んでなる第1の糖化酵素コンソーシアムの一部
    を含んでなる反応成分の一部を備えるステップと、
    b)該スラリーおよび酵素を適切な条件下で反応させるステップと、
    c)粒子サイズ低減機構を適用するステップと、
    d)さらなる前処理バイオマスの一部を添加し、より高い固形バイオマススラリーを生産するステップと、
    e)場合により、糖化酵素コンソーシアムのさらなる一部を添加するステップと、
    f)上記より高い固形バイオマススラリーを適切な条件下で反応させるステップと、
    g)場合により、1つもしくはそれ以上のステップ(c)、(d)、(e)、および(f)を1回もしくはそれ以上の回数繰り返すステップと、
    を含んでなり、
    それにより糖含有量が高い加水分解物を生産し、かつここにスラリーの降伏応力が30Pa未満で維持される、方法。
  2. ステップ(a)(i)の前処理バイオマススラリーの混合可能な一部を、低粘度成分のヒールおよび前処理バイオマスの一部を直立型撹拌タンク反応器内で結合させ、かつ酵素の添加前に温度およびpHを調整することによって備える請求項1に記載の方法。
  3. バイオマスの一部が連続的に添加される請求項1に記載の方法。
  4. 結合されるすべての前処理バイオマスの一部におけるバイオマスの乾燥室質量が最終加水分解生成物の質量の20%より大きい請求項1に記載の方法。
  5. 粒子サイズ低減機構を適用するステップが、ステップ(b)の前、その間、もしくはその後に、またはそれらの任意の組み合わせで、1回またはそれ以上の回数行なわれる請求項1に記載の方法。
  6. サイズ低減機構が機械的なサイズ低減を含む請求項1に記載の方法。
  7. 機械的なサイズ低減機構が反応タンク中に浸漬されるかまたはリサイクルループ内に組み込まれる請求項6に記載の方法。
  8. pHおよび温度がさらなる前処理バイオマスの一部を添加後に制御される請求項1に記載の方法。
  9. pHが約4〜約10の間に調整される請求項2または8に記載の方法。
  10. pHが約4.5〜約6の間に調整される請求項9に記載の方法。
  11. 温度が約20℃〜約80℃の間に調整される請求項2または8に記載の方法。
  12. 温度が約25℃〜約60℃の間にあるように調整される請求項11に記載の方法。
  13. バイオマスの乾燥質量が少なくとも約24%である請求項4に記載の方法。
  14. バイオマスの乾燥質量が少なくとも約30%である請求項13に記載の方法。
  15. セルロースを加水分解可能な1つの酵素が、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  16. (a)(ii)の第1の糖化酵素コンソーシアム、(e)のさらなる糖化酵素コンソーシアム、および他の任意の反復されるさらなる糖化酵素コンソーシアムが同じまたは異なる酵素から構成されうる請求項1に記載の方法。
  17. 各コンソーシアムがセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、またはそれらの混合物を含んでなる請求項16に記載の糖化酵素コンソーシアム。
  18. バイオマスが、スイッチグラス、紙くず、製紙汚泥、トウモロコシ粒、トウモロコシ穂軸、トウモロコシの皮、コーンストーバー、トウモロコシ繊維、草、小麦、麦かん、乾草、大麦、大麦わら、稲わら、サトウキビバガス、モロコシ、大豆、穀物の粉砕から得られる成分、木、枝、根、葉、ウッドチップ、おがくず、低木およびブッシュ、野菜、果物、花ならびに動物の糞尿からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  19. バイオマスが、トウモロコシ穂軸、コーンストーバー、トウモロコシ繊維、トウモロコシの皮、サトウキビバガス、おがくず、スイッチグラス、麦かん、乾草、稲わら、および草からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
  20. バイオマスが、トウモロコシ穂軸、コーンストーバー、トウモロコシ繊維、おがくず、およびサトウキビバガスからなる群から選択される請求項18に記載の方法。
  21. バイオマスが複数の供給原料に由来する請求項1に記載の方法。
  22. 糖含有量が高い加水分解物が単糖およびオリゴ糖を含有する請求項1に記載の方法。
  23. 加水分解物中の糖類の濃度が少なくとも約100g/Lである請求項22に記載の方法。
  24. 請求項1に記載の方法によって生産される加水分解物。
  25. 生体触媒を使用し、請求項24に記載の加水分解物の発酵によって生産される標的化学物質。
  26. 標的化学物質が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、酢酸、乳酸、プロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、酪酸、グルコン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、レブリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メチオニン、リジン、グリシン、アルギニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、メタン、エチレン、アセトン、および工業用酵素からなる群から選択される請求項25に記載の標的化学物質。
  27. 標的化学物質が、エタノール、ブタノール、およびプロパンジオールからなる群から選択される請求項26に記載の標的化学物質。
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