JP5910427B2 - リグノセルロース含有バイオマスからのエタノール製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リグノセルロースを含有するバイオマスからエタノール製造する方法において、製造工程内で分離した残渣(未分解繊維)を糖化の原料として再利用する方法に関する。
糖化に適した処理を施したリグノセルロース原料から糖を製造する技術は、この糖を微生物の発酵基質として用いることによりガソリンの代替燃料となるアルコールや、プラスチック原料となるコハク酸や乳酸などの化成品原料を製造することができることから、循環型社会の形成に有益な技術である。
植物系バイオマス中の多糖類から発酵基質となる単糖や小糖類を製造する方法として酵素やその酵素を生産する微生物を用いて加水分解する酵素糖化法がある。リグニンを除去していないリグノセルロース材料は、リグニンを除去したリグノセルロース材料と比べて酵素によって分解されにくく、糖化されずに樹脂、金属などの不純物と一緒に糖化液中に残渣として残る。一般に、この残渣はスクリーン、遠心分離等により分離し廃棄される。酵素糖化法のコスト低減のために残渣を回収し有効利用することが課題である。酵素糖化法において回収した残渣を再利用する技術として、残渣を燃焼し熱エネルギーを得る方法(特許文献1)、残渣を水熱ガス化して、生成した合成ガスよりエタノール合成触媒でエタノールを合成する方法(特許文献2)、残渣を燃料あるいは肥料として利用する方法(特許文献3)、残渣を熱エネルギーとして利用する方法(特許文献4)が報告されている。しかし、これらの方法は、処理工程付加に伴うコストアップが大きいため実用的な設備を考案する場合、コスト低減という課題を解決するための方法として充分であるとは言えない。
また、糖化発酵処理後の酵素が吸着した未分解残渣を再度、糖化発酵工程に戻し酵素を再利用する技術が報告されている(特許文献5)。しかし、この方法では未分解残渣自体は再度酵素溶液と混合しても分解されにくい状態になっているため未分解残渣を糖化し易い状態にすることが課題である。糖化発酵後の処理液を固液分離により回収した未分解残渣に機械的処理(及び化学的処理)を施し再度、糖化発酵することによりエタノール生産量が高まることが報告されている(特許文献6)。しかし、糖化発酵処理後の処理液には幅広いサイズの繊維が含まれており、一般に処理液から比較的大きいサイズの繊維を回収するために固液分離装置が用いられるが、固液分離装置で回収できない小さいサイズの繊維は処理液(リグニン等の不純物を含む)と共に工程内に循環されるという問題がある。小さいサイズの繊維(残渣)を前記とは異なる第2の固液分離装置で回収することは可能であるが、繊維にリグニンが吸着し固液分離装置で回収した小さいサイズの繊維(残渣)は糖化されにくいため再利用が困難であるという問題がある。もし、リグニンが吸着したサイズの小さい繊維(残渣)を糖化されやすい状態にして糖化の原料として再利用することができれば効率的なエタノール生産が可能となる。
特許第4447148号 特開2005−168335号公報 特開2008−54676号公報 特開2009−106932号公報 特開2010−98951号公報 特開2011−41493号公報
本発明の課題は、リグノセルロースを含有するバイオマスからエタノールを製造する方法において、製造工程内で分離した残渣(未分解繊維)を糖化の原料として再利用する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、リグノセルロース原料を糖化発酵しエタノールを製造する方法において、糖化発酵後の懸濁液を1.25〜600メッシュの固液分離装置で固形分と液体留分に分離し、前記固液分離工程で分離された液体留分を蒸留工程を経て残渣分離装置により液体留分と残渣に分離し、前記分離された残渣に対して化学薬品を添加し、前記残渣を加熱処理する化学的処理を施すことにより、残渣を糖化の原料として再利用できることを見出し、下記発明を完成した。
(1)リグノセルロース系原料を酵素で糖化する酵素糖化及び酵素糖化処理によって生成する糖類を基質とする発酵を同時に行う併行糖化発酵工程、前記併行糖化発酵工程から排出された処理懸濁液を1.25〜600メッシュの固液分離装置で固形分と液体留分に分離する固液分離工程、前記固液分離工程で分離された液体留分を減圧蒸留により発酵生成物と発酵生成物を除去した濃縮液に分離する蒸留工程、前記蒸留工程で分離した発酵生成物を除去した濃縮液を残渣分離装置により液体留分と残渣に分離する残渣分離工程、前記残渣分離工程で分離された残渣に対して化学薬品を添加し、前記残渣を加熱処理する化学的処理工程、前記化学的処理が施された残渣を前記併行糖化発酵の原料として再利用することを特徴とするリグノセルロース系原料からのエタノール製造方法。
(2)前記リグノセルロース系原料を酵素で糖化する酵素糖化工程、前記酵素糖化工程から排出された処理液(酵素処理液)を糖類を発酵基質とする発酵微生物を用いて発酵する発酵工程、前記発酵工程で得られた培養液を1.25〜600メッシュの固液分離装置で固形分と液体留分に分離する固液分離工程、前記固液分離工程で分離された液体留分を減圧蒸留により発酵生成物と発酵生成物を除去した濃縮液に分離する蒸留工程、前記蒸留工程で分離した発酵生成物を除去した濃縮液を残渣分離装置により液体留分と残渣に分離する残渣分離工程、前記残渣分離工程で分離された残渣に対して化学薬品を添加し、前記残渣を加熱処理する化学的処理工程、前記化学的処理が施された残渣を前記糖化の原料として再利用することを特徴とする(1)項に記載のリグノセルロース系原料からのエタノール製造方法。
(3)前記残渣に対して添加する化学薬品が、アルカリであることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のリグノセルロース系原料からのエタノール製造方法。
(4)前記残渣に対して添加するアルカリの添加量が、残渣(乾燥重量)に対して5〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%の水酸化ナトリウムであることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料からのエタノール製造方法。
(5)前記残渣分離工程で残渣を除去した後の液体留分を、併行糖化発酵工程へ循環することを特徴とする(1)項に記載のリグノセルロース系原料からのエタノール製造方法。
(6)前記残渣分離工程で残渣を除去した後の液体留分を、前記酵素糖化工程へ循環することを特徴とする(2)項に記載のリグノセルロース系原料からのエタノール製造方法。
本発明により、1.25〜600メッシュの固液分離装置で回収できない蒸留後の残渣に化学的処理を施すことにより、残渣を糖化の原料として再利用することが可能となる。
本発明のリグノセルロースからのエタノールの製造方法を実施するための装置を示す図である。 本発明のリグノセルロースからのエタノールの製造方法を実施するための装置を示す図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
<リグノセルロース系原料>
本発明の方法で原料として使用するリグノセルロース系原料としては、木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、木本性植物の切株から発生した萌芽、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、草本系としてケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等が挙げられる。
また、バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等を原料として利用することができる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであっても用いることができる。
前記木質系のリグノセルロース系原料としては、ユーカリ(Eucalyptus)属植物、ヤナギ(Salix)属植物、ポプラ属植物、アカシア(Acacia)属植物、スギ(Cryptomeria)属植物等が利用できるが、ユーカリ属植物、アカシア属、ヤナギ属植物が原料として大量に採取し易いため好ましい。木本性植物由来のリグノセルロース系原料の中では、林地残材(樹皮、枝葉を含む)、樹皮が好ましい。例えば、製紙原料用として一般に用いられるユーカリ(Eucalyptus)属又はアカシア(Acacia)属等の樹種の樹皮は、製紙原料用の製材工場やチップ工場等から安定して大量に入手可能であるため、特に好適に用いられる。
<機械的処理>
本発明では、前記リグノセルロース原料に機械的処理を施すことができる。機械的処理としては、切断、裁断、破砕、磨砕等の任意の機械的手段が挙げられ、リグノセルロースを次工程の化学的処理工程で糖化され易い状態にすることである。使用する機械装置については特に限定されないが、例えば、切出し装置、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー、レファイナー、ニーダー、ボールミル等を用いることができる。
前記機械的処理の前工程又は後工程として、異物(石、ゴミ、金属、プラステック等のリグノセルロース以外の異物)を除去するための洗浄などによる異物除去工程を導入することもできる。
原料を洗浄する方法としては、例えば、原料に水を噴射して原料に混合されている異物を除く方法、あるいは、原料を水中に浸漬し異物を沈降させて取り除く方法等が挙げられる。また、メタルトラップ等の装置を用いて、異物を原料から分離する方法が挙げられる。
原料に異物が含まれていると、リファイナーのディスク(プレート)等の機械的処理で用いる装置の部品を破損させる可能性があるし、配管が詰まる等の製造工程内でトラブルを起こす等の問題が発生するため、異物除去工程を導入することが望ましい。
<化学的処理>
前記、機械的処理を施したリグノセルロース原料を次に化学的処理する。化学的処理で用いる化学薬品としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ薬品、又は、亜硫酸ナトリウムと前記アルカリ薬品の中から選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する溶液に浸漬する化学的処理を含む前処理である。また、オゾン、二酸化塩素などの酸化剤による化学的処理も可能である。
化学的処理は、前記機械的処理と組み合わせてそれらの前処理の後処理として行うことが好適である。
化学的処理で使用する化学薬品の添加量は、状況に応じて任意に調整可能であるが、薬品コスト低下の面から、またセルロースの溶出・過分解による収率低下防止の面から、リグノセルロース系原料の絶乾100質量部に対して50質量部以下であることが望ましい。化学的処理における薬品の水溶液への浸漬時間及び処理温度は、使用する原料や薬品によって任意に設定可能であるが、処理時間20〜90分、処理温度80〜200℃が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理時間は70分以下、処理温度は180℃以下であることが好ましい。
化学的処理として、リグノセルロース原料(乾燥重量)に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%のアルカリを添加することもできる。リグノセルロースに亜硫酸ナトリウムを前記の添加量で単独で添加して加熱処理すると、加水分解中に酢酸等の有機酸が生成するためpHの低下が起こり加水分解液が酸性となる。加水分解液が酸性の条件下で加水分解を継続すると加水分解で生成されたキシロースがフルフラールに変換するという問題が発生する。フルフラールは、エタノール発酵の阻害物質となるため可能な限り生成させないことが望ましい。また、発酵基質であるキシロースの収率が低下するため結果としてエタノール生産効率が低下する。本発明では、リグノセルロース原料に前記の添加量で亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤としてアルカリを添加して加熱処理することにより、加水分解中のpHが中性〜弱アルカリ性に維持されるため、フルフラールの生成及びキシロースの収率低下を抑制することができる。また、加熱処理後(加水分解後)のリグノセルロースを含む水溶液のpHが4.0〜7.0(中性〜弱アルカリ性)となるため、加水分解処理後の廃液あるいは加水分解物を中和するための薬品の使用量を低減できるというメリットがある。
前記pH調整剤として用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの薬品に特に限定されない。
前記、リグノセルロース原料(乾燥重量)に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%のアルカリを添加して加熱処理を行う場合の加熱処理温度は、80〜200℃が好ましく、120〜180℃がさらに好ましい。また、加熱処理時間は、10〜300分で行うことができるが、30〜120分が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理温度は、180℃以下、処理時間は120分以下であることが好ましい。
(磨砕処理)
本発明では、前記化学的処理により得られたリグノセルロース原料をレファイナーのディスク(プレート)のクリアランスを0.1〜2.0mmの範囲で磨砕することが好ましく、0.1〜1.0mmの範囲で磨砕することがさらに好ましい。使用するレファイナーとしては、シングルディスクレファイナー、ダブルディスクレファイナー等を使用することができ相対するディスクのクリアランスを0.1〜2.0mmの範囲に設定できるレファイナーであれば特に制限なく使用することができる。ディスクのクリアランスが2.0mmを超えると糖化または併行糖化発酵で得られる糖収率が添加するため好ましくない。一方、ディスクのクリアランスが0.1mmより低いとレファイナーで磨砕処理した後の加水分解物(固形分)の収率が低下するため好ましくない。また、ディスクのクリアランスが0.1mmより低いとレファイナーの運転に要する電気消費量が増大するため好ましくない。
レファイナーのディスク(プレート)の材質、ディスクの型、ディスク面の刃の型、ディスク面に対する刃の方向等のディスクの形状については効果が得られる材質、形状であれば、特に制限なく使用することができる。
前記の磨砕処理が施されているリグノセルロース系原料を水溶液と固形分に固液分離し、固形分を糖化または併行糖化発酵の原料として用いる。固液分離する方法としては、例えば、スクリュープレス等を用いて水溶液と固形分に分離することができ、水溶液と固形分に分離することができる装置であれば制限なく使用することができる。
前記の固形分離後の原料を用いて糖化または併行糖化発酵を行う前に殺菌処理を行うことが好ましい。リグノセルロース系バイオマス原料中に雑菌が混入していると、酵素による糖化を行う際に雑菌が糖を消費して生成物の収量が低下してしまうという問題が発生する。
殺菌処理は、酸やアルカリなど、菌の生育困難なpHに原料を晒す方法でも良いが、高温下で処理する方法でも良く、両方を組み合わせても良い。酸、アルカリ処理後の原料については、中性付近、もしくは、糖化及び/又は糖化発酵工程に適したpHに調整した後に原料として使用することが好ましい。また、高温殺菌した場合も、室温もしくは糖化発酵工程に適した温度まで降温させてから原料として使用することが好ましい。このように、温度やpHを調整してから原料を送り出すことで、好適pH、好適温度外に酵素が晒されて、失活することを防ぐことができる。
前記前処理が施されているリグノセルロース原料が、糖化工程又は一次併行糖化発酵工程へ供給される。
<糖化工程>
酵素糖化反応に適した前処理が施されたリグノセルロース系原料は、適量の水と酵素と混合されて原料懸濁液とされ、糖化工程へ供給される。リグノセルロース系原料は酵素(セルラーゼ、ヘミセルラーゼ)により糖化(セルロース→グルコース、ヘミセルロース→グルコース、キシロース)される。
<併行糖化発酵工程>
酵素糖化反応に適した前処理が施されたリグノセルロース系原料は、適量の水と酵素と混合されて原料懸濁液とされ、さらに酵母等の微生物と混合されて併行糖化発酵工程へ供給される。リグノセルロース系原料は酵素により糖化され、生成された糖類が発酵微生物(酵母など)によりエタノールに発酵される。
糖化工程又は併行糖化発酵工程で用いるリグノセルロース系原料の懸濁濃度は、1〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、最終的に生産物の濃度が低すぎて生産物の濃縮のコストが高くなるという問題が発生する。また、30質量%を超えて高濃度となるにしたがって原料の攪拌が困難になり、生産性が低下するという問題が発生する。
糖化工程又は併行糖化発酵で使用するセルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素である。
各セルロース分解酵素は、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販されているセルラーゼ製剤は、上記の各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルラーゼ製剤を用いれば良い。
市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス(Trametes)属、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤がある。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
原料固形分100質量部に対するセルラーゼ製剤の使用量は、0.5〜100質量部が好ましく、1〜50質量部が特に好ましい。
糖化工程又は併行糖化発酵工程での反応液のpHは3.5〜10.0の範囲に維持することが好ましく、4.0〜7.5の範囲に維持することがより好ましい。
糖化工程または併行糖化発酵工程での反応液の温度は、酵素の至適温度の範囲内であれば特に制限はなく、25〜50℃が好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。反応は、連続式が好ましいが、セミバッチ式、バッチ式でも良い。反応時間は、酵素濃度によっても異なるが、バッチ式の場合は10〜240時間、さらに好ましくは15〜160時間である。連続式の場合も、平均滞留時間が、10〜150時間、さらに好ましくは15〜100時間である。
併行糖化発酵工程では、糖類(六炭糖、五炭糖)が発酵できる発酵微生物を用いる。発酵微生物としては、サッカロマイセス・セラビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等の酵母やザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)等の細菌が挙げられる。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換微生物(酵母、細菌等)を用いることもできる。遺伝子組換微生物としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる微生物を特に制限なく用いることができる。
微生物は固定化しておいても良い。微生物を固定化しておくと、次工程で微生物を分離して再回収する工程を省くことができるため、少なくとも回収工程に要する負担を軽減することができ、微生物のロスが軽減できるというメリットがある。また、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
<発酵工程>
糖化工程と発酵工程を別の反応槽で行う場合は、前記糖化工程後の処理液は、発酵工程へ移送し発酵微生物を用いて発酵を行う。発酵微生物としては、サッカロマイセス・セラビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、キャンディダ・シハタエ(Candida shihatae)、パチソレン・タノフィルス(Pachysolen tannophilus)、イサチェンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等の酵母やザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)等の細菌、等が挙げられる。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換微生物(酵母、細菌等)を用いることもできる。遺伝子組換微生物としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる微生物を特に制限なく用いることができる。
微生物は固定化しておいても良い。微生物を固定化しておくと、次工程で微生物を分離して再回収するという工程を省くことができるため、少なくとも回収工程に要する負担を軽減することができ、微生物をロスが軽減できるというメリットがある。また、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
<固液分離工程>
前記併行糖化発酵工程又は発酵工程から排出された培養液は、固液分離装置へ移送し液体分(濾液)と固形分(残渣)に分離することができる。固液分離を行う装置としては、スクリュープレス、スクリーン、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス等を用いることができる。スクリーンとしては、振動装置が付加された振動スクリーンなどを用いることができる。固液分離で用いるメッシュサイズは、1.25〜600メッシュが好ましく、60〜600メッシュがさらに好ましい。
回収された固形分(残渣)は糖化工程又は併行糖化発酵工程へ移送し糖化又は糖化発酵の原料として用いることもできる。
前記固液分離工程で分離された液体分は、蒸留工程へ移送し減圧蒸留装置により発酵生成物(エタノール等)を蒸留分離することができる。減圧下では低い温度で発酵生成物を分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーターなどを用いることができる。
蒸留温度は25〜60℃が好ましい。25℃未満であると、生成物の蒸留に時間がかかって生産性が低下する。また、60℃より高いと、酵素が熱変性して失活してしまい、新たに追加する酵素量が増加するため経済性が悪くなる。
蒸留後の蒸留残渣留分中に残る発酵生成物濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。このような濃度にすることによって、後段の固液分離工程において固形物とともに排出される発酵生成物量を低減することができ、収率を向上させることができる。
<残渣分離工程>
図1及び図2に示す製造工程では、蒸留後の発酵生成物(エタノール等)を分離した後の蒸留残液は、ライン5を経由して残渣分離工程へ移送され、残渣分離装置Cで液体分と残渣(残渣X)に分離される。残渣分離装置Cで分離された液体分はライン7を経由して併行糖化発酵槽BR1又は糖化槽REに循環される。
残渣分離工程で用いる残渣分離装置としては、遠心分離機、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス、スクリーン等を用いることができる。スクリーンとしては、振動装置が付加された振動スクリーンなどを用いることができる。残渣分離装置としてメッシュサイズによる分離を行う場合のメッシュサイズは、60〜600メッシュの範囲が好ましく、100〜600メッシュがさらに好ましい。
残渣分離工程で分離された液体留分には酵素が含まれており、糖化工程、併行糖化発酵工程へ循環し酵素含有液として再利用することができる。一方、残渣分離工程で分離された残渣にはリグニン、酵素、発酵微生物が含まれている。
本発明では、残渣分離工程で分離された残渣Aに化学的処理を施す。
<残渣の化学的処理工程>
残渣Xの化学的処理としては、残渣に対して化学薬品を添加し、加熱処理をする。用いる化学薬品としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ薬品、又は、亜硫酸ナトリウムと前記アルカリ薬品の中から選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する溶液が挙げられる。
化学的処理として、リグノセルロース原料(乾燥重量)に対して5〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%のアルカリを添加することもできる。
前記pH調整剤として用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの薬品に特に限定されない。
前記、化学的処理での加熱処理温度は、80〜200℃が好ましく、120〜180℃がさらに好ましい。また、加熱処理時間は、10〜300分で行うことができるが、30〜120分が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理温度は、180℃以下、処理時間は120分以下であることが好ましい。
前記化学的処理を施した残渣(残渣X)を糖化又は併行糖化発酵の原料として再利用することができる。化学的処理を施した残渣を糖化槽又は併行糖化発酵槽へ直接添加しても良いが、ラインを経由して循環させて糖化槽又は併行糖化発酵槽へ添加することもできる。化学的処理を施した残渣に磨砕処理を施しても良い。磨砕処理を行う場合は、リファイナー等を用いることができる。磨砕処理の方法としては上記(「磨砕処理」)に記載されている方法を用いることができる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。なお、実施例41〜実施例50は参考例である。
[実施例1]
図1に示す製造フローで実施した。
[前処理]
チップ状のユーカリ・グロブラスの林地残材(樹皮70%、枝葉30%)を20mmの丸孔スクリーンを取り付けた一軸破砕機(西邦機工社製、SC−15)で破砕し原料として用いた。
上記原料1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム10gを添加後、水を添加し水溶液の容量を8Lに調製した。前記原料懸濁液を混合後、170℃で1時間加熱した。加熱処理後の原料懸濁液をレファイナー(熊谷理器工業製、KRK高濃度ディスクレファイナー)でディスク(プレート)のクリアランスを1.0mmに設定し磨砕した。次に20メッシュ(847um)のスクリーンを用いて磨砕処理後の原料懸濁液を固液分離(脱水)することにより溶液の電気伝導度が30uS/cmになるまで水で洗浄した。固液分離後の固形分を原料として併行糖化発酵を行った。
[併行糖化発酵]
予め、液体培地(グルコース30g/L、ポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、pH5.6)50Lで酵母としてSaccharomyces cerevisiae (市販酵母、商品名:商品名:Maurivin: Mauri Yeast Australia Pty Limited)を30℃で24時間培養した。
図1に示す糖化発酵槽BR1にポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/Lとなるように各々を添加後,水を添加し最終容量を0.8mに調整した。酵母菌体を含む培養液を糖化発酵槽BR1に添加し24時間培養した。酵母の密度が、1x10/mlに増殖した時点で、市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50L、及び原料100kg(乾燥重量)を糖化発酵槽BR1に添加した。次に、糖化発酵槽BR1に水を添加し培養液の最終容量を1mに調製した。培養液のpHを5.0に調整し30℃で一次併行糖化発酵を開始した。糖化発酵槽BR1内での培養液の滞留時間(原料懸濁液が糖化発酵槽BR1を通過する時間:糖化発酵槽BR1の容量/流速)を20時間に設定し糖化発酵行った。すなわち、糖化発酵を開始した時点から、固形分濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液(原料を水に懸濁)を流速50L/hで糖化発酵槽BR1の原料供給口1から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に糖化発酵槽BR1の培養液排出口2より原料懸濁液を50L/hで排出し、固液分離工程へ移送した。また、前記セルラーゼ溶液を2.5L/hで培養槽BR1に連続的に添加した。尚、連続運転中に培養液が減少した場合、自動的に培地を添加することにより培養液の最終容量を1mに維持した。培養中の培養液のpHを5.0に維持した。
[固液分離]
前記一次併行糖化発酵工程から排出された原料懸濁液を、固液分離装置S:スクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm(14メッシュ))で固液分離して固形分(残渣)と液体分(濾液)を分離した。
[エタノール蒸留]
前記固液分離で分離した液体分を減圧蒸留装置EV(エバポールCEP−1、大川原製作所)で蒸留温度:40℃、加熱温度:80℃、供給液量:95L/hの条件でエタノールを含む水溶液と濃縮液に分離した。
[残渣分離]
減圧蒸留装置EVから分離された濃縮液をデカンタ式遠心機(IHI製、HS−204L形)で回転数4500rpm、差速5.0rpmで運転し、固形分(残渣A)と液体分(濾液)に分離した。液体分はライン7を経由して糖化発酵槽BR1へ移送した。
[残渣の化学的処理]
前記で分離した残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム1gを添加後、水を添加し水溶液の容量を8Lに調製した。前記原料懸濁液を混合後、170℃で1時間加熱した。次に400メッシュ(32um)のスクリーンを用いて残渣懸濁液を固液分離(脱水)することにより溶液の電気伝導度が30uS/cmになるまで水で洗浄した。固液分離後の固形分(残渣B)を原料として試験管内で糖化試験を実施した。
[糖化試験(試験管内実験)]
前記で得られた固形分(残渣B)を原料として試験管内で糖化試験を下記の方法で行った。300ml容三角フラスコ(滅菌済)に原料の最終濃度が、2.5質量%になるように添加した。次に、市販セルラーゼ(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)2.5mlを添加し、最終容量を蒸留水で100mlにメスアップした。この混合液を37℃で24時間培養(糖化)した。培養後の培養液を遠心分離(5000rpm、20分間)し、上清液の全糖濃度をフェノール硫酸法で測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例11]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例12]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例13]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例14]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例15]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例16]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例17]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例18]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例19]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例20]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1([残渣の化学的処理])において、残渣Aを化学的処理しない試験を比較例1とした。結果を表1に示す。
Figure 0005910427
表1に示すように、残渣(乾燥重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム5〜50質量%及び水酸化ナトリウム0.1〜5質量%添加し化学的処理を行った試験(実施例1〜20)では、化学的処理を行わない試験(比較例1)と比較し糖濃度が高かった。分離した残渣を前記条件で化学的処理することにより糖化原料として残渣を利用することが可能となる。
[実施例21]
図2に示す製造フローで実施した。
[前処理]
実施例1と同様の方法で前処理を実施し、固液分離後の固形分を原料として糖化及び発酵を別々の工程で行った(糖化と発酵は別の培養槽で行った)。
[糖化]
糖化槽REに市販セルラーゼ溶液(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50L、原料100kg(乾燥重量)、及び水を添加し糖化槽RE内の原料懸濁液の最終容量を1mに調整した。前記原料懸濁液のpHを5.0に調整し30℃で糖化を開始した。原料懸濁液の糖化槽RE内での滞留時間(原料懸濁液が糖化槽REを通過する時間:糖化槽の容量/流速)を20時間に設定し糖化を行った。すなわち、糖化を開始した時点から、固形分濃度(乾燥重量当たり)が10質量%の原料懸濁液(原料を水に懸濁)を流速50L/hで糖化槽REの原料供給口1から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に糖化槽REの排出口8より原料懸濁液を50L/hで排出し、発酵工程へ移送した。また、前記セルラーゼ溶液を2.5L/hで培養槽REに連続的に添加した。尚、連続運転中に原料懸濁液の容量が減少した場合、自動的に水を添加することにより酵素処理液の最終容量を1mに維持した。酵素処理中の酵素処理液のpHを5.0に維持した。
[発酵]
予め、液体培地(グルコース30g/L、ポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、pH5.6)50Lで酵母としてSaccharomyces cerevisiae (市販酵母、商品名:商品名:Maurivin: Mauri Yeast Australia Pty Limited)を30℃で24時間培養した。
発酵槽Fにポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/Lとなるように各々を添加後,水を添加し最終容量を0.8mに調整した。酵母菌体を含む培養液を発酵槽Fに添加し、次に水を添加し発酵槽Fの培地の最終容量を1mに調整後、24時間、30℃で培養した(培養液のpH5.0)。培養液中の酵母の密度が、1x10/mlに増殖した時点で、前記糖化工程で分離した液体分を発酵槽Fへ移送した。発酵槽F内での培養液の滞留時間(培養液が発酵槽Fを通過する時間:発酵槽Fの容量/流速)を20時間に設定し発酵を行った。すなわち、発酵を開始した時点から、培養液を流速50L/hで発酵槽Fの供給口から連続的に添加した。一方、培養液の供給開始と同時に発酵槽Fの排出口9より培養液を50L/hで排出しエタノール蒸留工程へ移送した。尚、連続運転中に発酵槽F内の培養液の容量が減少した場合、自動的に培地を添加することにより培養液の最終容量を1mに維持した。培養中の培養液のpHを5.0に維持した。
[固液分離]
前記発酵工程から排出された原料懸濁液を、固液分離装置S:スクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm(14メッシュ))で固液分離して固形分(残渣)と液体分(濾液)を分離した。
[エタノール蒸留]
固液分離工程で分離した液体分を実施例1と同様の方法でエタノールを含む水溶液と濃縮液に分離した。
[残渣分離]
実施例1と同様の方法で実施した。
[残渣の化学的処理]
実施例1と同様の方法で実施した。
[残渣の化学的処理]
実施例1と同様の方法で実施した。
[糖化試験(試験管内実験)]
実施例1と同様の方法で実施した。結果を表2に示す。
[実施例22]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例23]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例24]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例25]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム1gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例26]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例27]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例28]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例29]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例30]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム10gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例31]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例32]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例33]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例34]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例35]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム30gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例36]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム50g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例37]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム100g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例38]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム200g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例39]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム300g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[実施例40]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣A1kg(絶乾重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム500g及び水酸化ナトリウム50gで化学的処理を行った以外は全て実施例21と同様の方法で試験した。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例21([残渣の化学的処理])において、残渣Aを化学的処理しない試験を比較例2とした。結果を表2に示す。
Figure 0005910427
表2に示すように、残渣(乾燥重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム5〜50質量%及び水酸化ナトリウム0.1〜5質量%添加し化学的処理を行った試験(実施例2〜40)では、化学的処理を行わない試験(比較例2)と比較し糖濃度が高かった。分離した残渣を前記条件で化学的処理することにより糖化原料として残渣を利用することが可能となる。
[実施例41]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化ナトリウム50gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表3に示す。
[実施例42]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化ナトリウム100gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表3に示す。
[実施例43]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化ナトリウム200gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表3に示す。
[実施例44]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化ナトリウム300gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表3に示す。
[実施例45]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化ナトリウム500gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表3に示す。
Figure 0005910427
表3に示すように、残渣(乾燥重量)に対して水酸化ナトリウム5〜50質量%し化学的処理を行った試験(実施例41〜45)においても、化学的処理を行わない試験(比較例1)と比較し糖濃度が高かった。
[実施例46]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化カルシウム50gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実施例47]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化カルシウム100gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実施例48]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化カルシウム200gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実施例49]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化カルシウム300gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
[実施例50]
実施例1の[残渣の化学的処理]において、残渣の化学的処理を、残渣A1kg(絶乾重量)に対して水酸化カルシウム500gを添加して行った以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表4に示す。
Figure 0005910427
表4に示すように、残渣(乾燥重量)に対して水酸化カルシウム5〜50質量%し化学的処理を行った試験(実施例46〜50)においても、化学的処理を行わない試験(比較例1)と比較し糖濃度が高かった。
[実施例51]
実施例1の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例52]
実施例2の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例53]
実施例3の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例54]
実施例4の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例55]
実施例5の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例56]
実施例6の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例57]
実施例7の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例58]
実施例8の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例59]
実施例9の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例60]
実施例10の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例61]
実施例11の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例62]
実施例12の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例63]
実施例13の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例64]
実施例14の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例65]
実施例15の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例66]
実施例16の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例67]
実施例17の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例68]
実施例18の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例69]
実施例19の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[実施例70]
実施例20の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として60メッシュ(250um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
[比較例3]
実施例51([残渣の化学的処理])において、残渣Aを化学的処理しない試験を比較例3とした。結果を表5に示す。
Figure 0005910427
表5に示すように、固液分離装置としてスクリーン(60メッシュ)を用いた場合においても残渣(乾燥重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム5〜50質量%及び水酸化ナトリウム0.1〜5質量%添加し化学的処理を行った試験(実施例51〜70)では、化学的処理を行わない試験(比較例3)と比較し糖濃度が高かった。分離した残渣を前記条件で化学的処理することにより糖化原料として残渣を利用することが可能となる。
[実施例71]
実施例1の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例72]
実施例2の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例73]
実施例3の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例74]
実施例4の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例75]
実施例5の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例76]
実施例6の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例77]
実施例7の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例78]
実施例8の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例79]
実施例9の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例80]
実施例10の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例81]
実施例11の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例82]
実施例12の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例83]
実施例13の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例84]
実施例14の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例85]
実施例15の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例86]
実施例16の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例87]
実施例17の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例88]
実施例18の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例89]
実施例19の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[実施例90]
実施例20の[固液分離]において、固液分離装置Sとしてスクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)の代替として600メッシュ(42um)のスクリーンを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表6に示す。
[比較例4]
実施例71([残渣の化学的処理])において、残渣Aを化学的処理しない試験を比較例4とした。結果を表6に示す。
Figure 0005910427
表6に示すように、固液分離装置としてスクリーン(600メッシュ)を用いた場合においても残渣(乾燥重量)に対して97%亜硫酸ナトリウム5〜50質量%及び水酸化ナトリウム0.1〜5質量%添加し化学的処理を行った試験(実施例71〜90)では、化学的処理を行わない試験(比較例4)と比較し糖濃度が高かった。分離した残渣を前記条件で化学的処理することにより糖化原料として残渣を利用することが可能となる。
本発明により、エタノール製造工程で分離された残渣を糖化の原料として再利用することが可能となる。
1:原料供給口
2:併行糖化発酵槽排出口
3:固形分移送ライン
4:液体分移送ライン
5:蒸留後濃縮液移送ライン
6:残渣排出ライン
7:液体分循環ライン
8:糖化槽排出口
9:発酵槽排出口
10:液体分移送ライン
BR1:併行糖化発酵槽
RE:糖化槽
F:発酵槽
S:固液分離装置
EV:減圧蒸留装置
C:残渣分離装置

Claims (4)

  1. リグノセルロース系原料を酵素で糖化する酵素糖化及び酵素糖化によって生成する糖類を基質とする発酵を同時に行う併行糖化発酵工程併行糖化発酵工程から排出された処理懸濁液を1.25〜600メッシュの固液分離装置で固形分と液体留分に分離する固液分離工程、固液分離工程で分離された液体留分を減圧蒸留により発酵生成物と発酵生成物を除去した濃縮液に分離する蒸留工程、蒸留工程で分離した発酵生成物を除去した濃縮液を残渣分離装置により残渣を除去した液体留分と残渣に分離する残渣分離工程、残渣分離工程で分離された残渣に、残渣(乾燥重量)に対して5〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤としての0.1〜5質量%の水酸化ナトリウムを化学薬品として添加して残渣を加熱処理する化学的処理工程、化学的処理工程で化学的処理が施された残渣を併行糖化発酵工程の原料として再利用する循環工程を有することを特徴とするリグノセルロース系原料からのエタノールの製造方法。
  2. 前記残渣分離工程から得られる残渣を除去した液体留分を前記併行糖化発酵工程へ循環することを特徴とする請求項1に記載のリグノセルロース系原料からのエタノールの製造方法。
  3. リグノセルロース系原料を酵素で糖化する酵素糖化工程、酵素糖化工程から排出された酵素糖化処理液を糖類を発酵基質とする発酵微生物を用いて発酵を行う発酵工程、発酵工程で得られた培養液を1.25〜600メッシュの固液分離装置で固形分と液体留分に分離する固液分離工程、固液分離工程で分離された液体留分を減圧蒸留により発酵生成物と発酵生成物を除去した濃縮液に分離する蒸留工程、蒸留工程で分離した発酵生成物を除去した濃縮液を残渣分離装置により残渣を除去した液体留分と残渣に分離する残渣分離工程、残渣分離工程で分離された残渣に、残渣(乾燥重量)に対して5〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤としての0.1〜5質量%の水酸化ナトリウムを化学薬品として添加して残渣を加熱処理する化学的処理工程、化学的処理工程で化学的処理が施された残渣を酵素糖化工程の原料として再利用する循環工程を有することを特徴とするリグノセルロース系原料からのエタノールの製造方法。
  4. 前記残渣分離工程で残渣を除去した液体留分を、前記酵素糖化工程へ循環することを特徴とする請求項3に記載のリグノセルロース系原料からのエタノールの製造方法。
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