JP6447126B2 - 糖液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロース含有バイオマスから糖液を製造する方法に関する。
近年、エネルギー使用量および環境負荷が少ないセルラーゼを使用したセルロース含有バイオマスの加水分解による糖液の製造方法が広く検討されている。しかしながら、セルラーゼを使用する糖液の製造方法の最大の欠点は、セルラーゼの価格が高いため糖液製造コストが増大するという点である。こうした技術課題を解決するために加水分解に使用したセルラーゼを回収再利用する方法が提案されているが、セルロース含有バイオマスを加水分解する際に生じる加水分解残渣にセルラーゼが強く吸着するため、酵素の再利用性が低いということが課題となっている。
加水分解残渣に吸着したセルラーゼを脱着し、セルラーゼの回収率を高める方法としては、加水分解残渣をpH8程度のアルカリ水溶液で洗浄する方法(非特許文献1)、セルロース含有バイオマスの加水分解物にノニオン性界面活性剤を添加する方法(特許文献1)などが知られている。一方、セルラーゼの加水分解残渣への吸着を低減する方法としては、セルロース含有バイオマスの加水分解時、水溶性塩類を添加して反応液の電気伝導度を5〜25mS/cmに調整する方法(特許文献2)、セルロース含有バイオマスの固形物重量に対して1〜10重量%の炭酸カルシウム粒子を添加する方法(特許文献3)などが知られている。
特開昭63−87994号公報 特許第4947223号公報 特開2012−100617号公報
D. E. Otterら、"Elution of Trichoderma reesei Cellulose from Cellulose by pH Adjustment with Sodium Hydroxide" Biotechnology Letters (1984) Vol.6、No.6、369-374
上述したように、セルロース含有バイオマスの加水分解に用いたセルラーゼを回収し、再利用することによりセルラーゼの使用量を削減する試みが種々なされているが、セルラーゼが加水分解残渣に強く吸着するためその回収率は低く、問題の解決には至っていない。
そこで本発明は、従来よりも高い効率でセルラーゼを回収できる糖液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者が上記課題の解決のため鋭意検討した結果、前処理を施したセルロース含有バイオマスを糸状菌由来セルラーゼにより加水分解する際に失活セルラーゼを添加することにより、糸状菌由来セルラーゼの酵素成分を高い効率で回収することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[8]の構成を有する。
[1]以下の工程(1)〜(3)を含む、糖液の製造方法。
工程(1):セルロース含有バイオマスの前処理物および失活セルラーゼのスラリーを調製する工程、
工程(2):工程(1)のスラリーに糸状菌由来セルラーゼを添加して加水分解する工程、
工程(3):工程(2)の加水分解物を溶液成分と加水分解残渣に固液分離し、溶液成分を限外濾過膜に通じて濾過して非透過液として糸状菌由来セルラーゼを回収し、透過液として糖液を回収する工程。
[2]失活セルラーゼがアルカリ処理失活セルラーゼである、[1]に記載の糖液の製造方法。
[3]失活セルラーゼが工程(3)の加水分解残渣をpH11以上のアルカリ性水溶液に浸漬して調製されたものである、[1]または[2]に記載の糖液の製造方法。
[4]失活セルラーゼが工程(3)の加水分解残渣を65℃未満のアルカリ性水溶液に浸漬して調製されたものである、[3]に記載の糖液の製造方法。
[5]失活セルラーゼが少なくとも失活β−グルコシダーゼを含む、[1]から[4]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[6]工程(1)のスラリーがpH3.0〜7.0の範囲である、[1]から[5]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[7]糸状菌由来セルラーゼがトリコデルマ属微生物由来である、[1]から[6]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[8]工程(1)の前処理が希硫酸処理である、[1]から[7]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
本発明によれば、前処理を施したセルロース含有バイオマスの加水分解残渣への糸状菌由来セルラーゼの吸着を抑制することができ、特に加水分解反応において重要な役割を果たすβ−グルコシダーゼを高い効率で回収および/または再利用することができる。その結果、糖液製造コストを低く抑えることができる。
図1は、本発明の糖液の製造方法の実施の形態を示した略図である。 図2は、本発明の糖液の製造方法において、失活セルラーゼの調製方法の一形態を示した略図である。 図3は、加水分解残渣を浸漬するアンモニア水溶液のpHと、加水分解残渣から回収される失活セルラーゼの量の関係について示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について工程ごとに説明する。
工程(1):セルロース含有バイオマスの前処理物および失活セルラーゼを含むスラリーを調製する工程
セルロース含有バイオマスは、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、ビートパルプ、綿実殻、パーム殻房、稲わら、麦わら、竹、笹、などの草本系バイオマス、あるいはシラカバ、ブナなどの樹木、廃建材などの木質系バイオマスを挙げることができる。セルロース含有バイオマスは糖から構成されるセルロースおよびヘミセルロースの他に、芳香族高分子であるリグニンなどを含有しているため、前処理を施すことによりセルラーゼによる加水分解効率を向上させることができる。
セルロース含有バイオマスの前処理方法としては、硫酸などによる酸処理、苛性ソーダ、アンモニアなどによるアルカリ処理、水熱処理、亜臨界水処理、微粉砕処理、蒸煮処理が挙げられるが、本発明の糖液の製造方法において最も糸状菌由来セルラーゼの再利用性が高いのは希硫酸処理物を用いた場合であるため、希硫酸処理が好ましく適用される。
セルロース含有バイオマスの前処理物には、セルロース含有バイオマス由来の固形分のほか、セルロース含有バイオマスに含まれるヘミセルロースの一部が加水分解して生じたキシロースを含む溶液成分が含まれる。本発明では前処理物をそのまま後段の工程に用いてもよいし、あるいは固液分離によりキシロースを含む溶液成分を取り除いたものを用いてもよい。
失活セルラーゼとは酵素活性が失われたセルラーゼであり、本発明では、加熱処理、アルカリ処理、酸処理などタンパク質の構造を不安定化する処理を行うことにより、処理前に対する残存酵素活性(β−グルコシダーゼ活性)が10%未満となったセルラーゼを指す。失活セルラーゼを調製する方法は特に限定されず、上記に例示される処理を1または複数の組み合わせで行うことができるが、本発明ではアルカリ処理によって調製された失活セルラーゼが好ましく用いられる。なお、セルラーゼが失活する温度やpHはセルラーゼの種類によって異なるため、使用するセルラーゼに応じて適した変性条件を設定すればよい。
本発明で使用する失活セルラーゼの種類は特に限定されないが、後述の工程(2)での糸状菌由来セルラーゼの前処理物への吸着を防ぐためには、失活セルラーゼも糸状菌由来セルラーゼを用いることが好ましい。糸状菌由来失活セルラーゼの中でも、本発明の効果が高いのは失活β−グルコシダーゼであり、失活セルラーゼは少なくとも失活β−グルコシダーゼを含んでいることが好ましい。
また、本発明は糖液の製造コストを低減することを課題とするものであるため、失活セルラーゼの調製方法も安価に実施できる方法がより好ましく、具体的には、後述の工程(3)で得られる加水分解残渣をpH11以上のアルカリ性水溶液に浸漬することによって調製することがより好ましい。工程(3)の加水分解残渣にはセルロースの加水分解に使用した糸状菌由来セルラーゼの一部が吸着しており、これを失活セルラーゼとして再利用できるからである。
加水分解残渣をアルカリ性水溶液に浸漬する際の温度は、加水分解残渣に吸着した糸状菌由来セルラーゼが脱着し、かつ失活するような範囲であれば限定されないが、浸漬温度が高すぎると加水分解残渣から脱着した失活セルラーゼが熱分解を受け、本発明の効果が十分に得られないことがあるため、65℃未満で行うことが好ましい。
加水分解残渣を浸漬する時間は特に限定されないが、浸漬の時間が短すぎると失活セルラーゼの回収量が不十分な場合があり、一方、時間が長すぎると失活セルラーゼが熱分解を受ける場合があるため、10分間〜6時間浸漬を行うのが好ましく、30分間〜3時間がさらに好ましい。
加水分解残渣の浸漬は公知の方法で実施できる。例えば加水分解残渣を浸漬タンクに回収し、さらにアルカリ水溶液を添加して撹拌してもよいし、WO2011/115039号に記載されるように固液分離後のプレス濾過装置にアルカリ水溶液を通液することで加水分解残渣を浸漬してもよい。
セルロース含有バイオマスの前処理物および失活セルラーゼを含むスラリーの固形物濃度は特に限定されないが、1〜30重量%の範囲が好ましい。固形物濃度が低いと加水分解により生成する糖濃度が低く、発酵原料として利用しにくい場合がある。一方、濃度が高すぎるとハンドリングが困難になることがある。
工程(2):工程(1)のスラリーに糸状菌由来セルラーゼを添加して加水分解する工程
本発明では、セルロース含有バイオマスの加水分解に糸状菌由来セルラーゼを使用する。糸状菌としては、トリコデルマ属(Trichoderma)、アスペルギルス属(Aspergillus)、セルロモナス属(Cellulomonas)、クロストリジウム属(Clostridium)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、フミコラ属(Humicola)、アクレモニウム属(Acremonium)、イルペックス属(Irpex)、ムコール属(Mucor)、タラロマイセス属(Talaromyces)、などの微生物を挙げることができる。また、これら微生物に変異剤あるいは紫外線照射などで変異処理を施すことによりセルラーゼ生産性が向上した変異株由来のセルラーゼであってもよい。
糸状菌の中でもトリコデルマ属は、セルロースの加水分解において比活性の高い酵素成分を培養液中に大量に生産するため本発明において好ましく使用することができる。トリコデルマ属由来セルラーゼの具体例としては、トリコデルマ・リーセイQM9414(Trichoderma reesei QM9414)、トリコデルマ・リーセイQM9123(Trichoderma reesei QM9123)、トリコデルマ・リーセイRutC−30(Trichoderma reesei RutC−30)、トリコデルマ・リーセイPC3−7(Trichoderma reesei PC3−7)、トリコデルマ・リーセイCL−847(Trichoderma reesei CL−847)、トリコデルマ・リーセイMCG77(Trichoderma reesei MCG77)、トリコデルマ・リーセイMCG80(Trichoderma reesei MCG80)、トリコデルマ・ビリデQM9123(Trichoderma viride QM9123)由来のセルラーゼが挙げられるが、中でもトリコデルマ・リーセイ由来セルラーゼがより好ましい。
糸状菌由来セルラーゼは、セルロースおよび/またはヘミセルロースを加水分解してグルコースやキシロースなどの単糖を生成する活性を有する酵素組成物であり、酵素成分としてセロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼおよびβ−キシロシダーゼからなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。例えばトリコデルマ・リーセイ由来セルラーゼの酵素成分としては、セロビオハイドラーゼI、セロビオハイドラーゼII、エンドグルカナーゼI、エンドグルカナーゼIII、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、などが例示され、こうした複数の酵素成分の協奏効果あるいは補完効果により効率的なセルロースおよび/またはヘミセルロースの加水分解を実施することができるため、本発明において好ましく使用される。
セロビオハイドラーゼは、セルロース鎖の加水分解によりセロビオースを放出する酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.91としてセロビオハイドラーゼに帰属される酵素群が記載されている。セロビオハイドラーゼIはセルロース鎖の還元末端側から、セロビオハイドラーゼIIは非還元末端側から加水分解反応を開始する。
エンドグルカナーゼは、セルロース鎖の中央部分から加水分解することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.4としてエンドグルカナーゼに帰属される酵素群が記載されている。
β−グルコシダーゼとは、セロオリゴ糖あるいはセロビオースに作用することをと特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.21としてβ−グルコシダーゼに帰属する酵素群が記載されている。
キシラナーゼとは、ヘミセルロースあるいは特にキシランに作用することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.8としてキシラナーゼに帰属される酵素群が記載されている。
β−キシロシダーゼとは、キシロオリゴ糖に作用することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.37としてβ−キシロシダーゼに帰属される酵素群が記載されている。
こうしたセルラーゼ成分は、ゲル濾過、イオン交換、二次元電気泳動などの公知手法により分離し、分離した成分のアミノ酸配列をデータベースと比較することにより同定することができる。なお、アミノ酸配列の分析にはN末端分析、C末端分析、質量分析など公知の分析手法を用いればよい。
また、糸状菌由来セルラーゼの酵素活性は、アビセル分解活性、カルボキシメチルセルロース(CMC)分解活性、セロビオース分解活性、キシラン分解活性、マンナン分解活性などといった多糖の加水分解活性によって評価することができる。アビセル分解活性を示す主たる酵素は、セルロース末端部分から加水分解する特徴を有するセロビオハイドラーゼである。セロビオース分解活性を示す主たる酵素は、β−グルコシダーゼである。CMC分解活性に関与する主たる酵素は、セロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼである。キシラン分解活性を示す主たる酵素はキシラナーゼ、β−キシロシダーゼである。ここで“主たる”という意味は、最も分解に関与することが知られていることからの表現であり、これ以外の酵素成分もその分解に関与していることを意味している。
糸状菌は培養液中にセルラーゼを産生するため、その培養液を粗酵素剤としてそのまま使用してもよいし、公知の方法で酵素群を精製し、製剤化したものを糸状菌由来セルラーゼ混合物として使用してもよい。糸状菌由来セルラーゼを精製し、製剤化したものとして使用する場合、プロテアーゼ阻害剤、分散剤、溶解促進剤、安定化剤など、酵素以外の物質を添加したものを使用してもよい。なお、本発明ではこれらの中でも粗酵素物が好ましく使用される。粗酵素物は、糸状菌がセルラーゼを産生するよう調製した培地中で、任意の期間該微生物を培養した培養上清に由来する。使用する培地成分は特に限定されないが、セルラーゼの産生を促進するためにセルロースを添加した培地が一般的に使用できる。そして、粗酵素物として、培養液をそのまま、あるいはトリコデルマ菌体を除去したのみの培養上清が好ましく使用される。
粗酵素物中の各酵素成分の重量比は特に限定されるものではないが、例えば、トリコデルマ・リーセイ由来の培養液には、50〜95重量%のセロビオハイドラーゼが含まれており、残りの成分にエンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼなどが含まれている。また、トリコデルマ属の微生物は、強力なセルラーゼ成分を培養液中に生産する一方で、β−グルコシダーゼに関しては、その多くを細胞内あるいは細胞表層に保持しているため培養液中のβ−グルコシダーゼ活性は低い。そこで、粗酵素物に、さらに異種または同種のβ−グルコシダーゼを添加してもよい。異種のβ−グルコシダーゼとしては、アスペルギルス属由来のβ−グルコシダーゼが好ましく使用できる。アスペルギルス属由来のβ−グルコシダーゼとして、ノボザイム社より市販されているNovozyme188などを例示することができる。また、トリコデルマ属の微生物に遺伝子を導入し、その培養液中に産生されるよう遺伝子組換えされたトリコデルマ属の微生物を培養し、β−グルコシダーゼ活性の向上した培養液を用いてもよい。
加水分解反応の温度は、40〜60℃の範囲であることが好ましく、特にトリコデルマ属由来セルラーゼを使用する場合、45〜55℃の範囲であることがより好ましい。加水分解反応の時間は、2時間〜200時間の範囲であることが好ましい。2時間未満であると、十分な糖生成量が得られないことがある。一方で、200時間を超えるとセルラーゼの失活が進み、回収セルラーゼの再利用性に悪影響を及ぼすことがある。
加水分解に供される工程(1)のスラリーのpH、すなわち加水分解反応のpHは、pH3.0〜7.0の範囲が好ましく、pH4.0〜6.0の範囲であることがさらに好ましい。糸状菌由来セルラーゼとしてトリコデルマ属由来セルラーゼを使用する場合、その反応最適pHは5.0である。さらに、加水分解の過程でpHの変化が起きるため、反応液に緩衝液を添加する、あるいは酸やアルカリを用いて一定pHを保持しながら実施することが好ましい。
工程(3):工程(2)の加水分解物を溶液成分と加水分解残渣に固液分離し、溶液成分を限外濾過膜に通じて濾過して非透過液として糸状菌由来セルラーゼを回収し、透過液として糖液を回収する工程
工程(2)の加水分解物を固液分離して得られる溶液成分には糸状菌由来セルラーゼ成分および糖成分が含まれ、これらは限外濾過膜を用いた濾過によって分離することができる。
限外濾過膜とは、分画分子量が500〜200,000となる膜のことであり、ウルトラフィルトレーション膜、UF膜などとも呼ばれるものである。また、限外濾過膜は、孔径が小さすぎて膜表面の細孔径を電子顕微鏡等で計測することが困難であり、平均細孔径の代わりに分画分子量という値を孔径の大きさの指標とすることになっている。分画分子量とは、日本膜学会編膜学実験シリーズ 第III巻 人工膜編 編集委員/木村尚史・中尾真一・大矢晴彦・仲川勤(1993年、共立出版) P92に、『溶質の分子量を横軸に、阻止率を縦軸にとってデータをプロットしたものを分画分子量曲線とよんでいる。そして阻止率が90%となる分子量を膜の分画分子量とよんでいる。』とあるように、限外濾過膜の膜性能を表す指標として当業者には周知のものである。
限外濾過膜を用いた糸状菌由来セルラーゼ成分と糖成分の分離においては、その分画分子量は糖液の主成分の単糖であるグルコース(分子量180)やキシロース(分子量150)を透過し、糸状菌由来セルラーゼを阻止できるものであれば限定されないが、分画分子量500〜50,000の範囲が好ましく、酵素反応に阻害的作用を示す夾雑物質を酵素と分離するという観点から、より好ましくは分画分子量5,000〜50,000の範囲であり、さらに好ましくは分画分子量10,000〜30,000の範囲である。
限外濾過膜の素材としては、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)、再生セルロース、セルロース、セルロースエステル、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリ4フッ化エチレンなどを使用することができるが、再生セルロース、セルロース、セルロースエステルはセルラーゼによる分解を受けるため、PES、PVDFなどの合成高分子を素材とした限外濾過膜を使用することが好ましい。
限外濾過膜の膜形態としては、平膜型、スパイラル型、チューブラー型、中空糸型など適宜の形態のものが使用できる。具体的には、DESAL社のG−5タイプ、G−10タイプ、G−20タイプ、G−50タイプ、PWタイプ、HWSUFタイプ、KOCH社のHFM−180,HFM−183、HFM−251、HFM−300、HFK−131、HFK−328、MPT−U20、MPS−U20P、MPS−U20S、Synder社のSPE1、SPE3、SPE5、SPE10、SPE30、SPV5、SPV50、SOW30、旭化成株式会社製のマイクローザ(登録商標)UFシリーズの分画分子量3,000から10,000に相当するもの、日東電工株式会社製のNTR7410、NTR7450などが挙げられる。
限外濾過膜の非透過液として回収される糸状菌由来セルラーゼは、セルロース含有バイオマスの加水分解に再利用することができる。本発明では、回収セルラーゼを再利用することによりセルラーゼの使用量が減り、糖液製造コストを削減することができる。なお、回収セルラーゼを用いてセルロース含有バイオマスの加水分解を行う場合、回収セルラーゼ単独では十分な糖収量を得ることができないことがあり、そのような場合、回収セルラーゼに未使用の糸状菌由来セルラーゼを新たに添加してもよい。未使用の糸状菌由来セルラーゼの添加量が増加するとコスト面で不利になるため、十分な糖収量を得るために必要最低限の未使用セルラーゼを添加することが好ましい。
限外濾過膜の透過液として回収される糖液は単糖であるキシロースおよびグルコースを主成分とするものであり、そのままでも後述の発酵工程での発酵原料として使用可能であるが、発酵工程の効率を高めるためにさらに糖濃度を高める濃縮処理を行ってもよい。糖液の濃縮処理は、蒸発濃縮、減圧濃縮、膜濃縮などを例示することができるが、エネルギー使用量が少なく、糖液に含まれる発酵阻害物質を分離することが可能なWO2010/067785号に記載される、ナノ濾過膜および/または逆浸透膜に通じて濾過する方法により、糖成分が濃縮された濃縮糖液を得ることができる。
本発明により得られた糖液を発酵原料として化学品を生産する能力を有する微生物を生育させることで、各種化学品を製造することができる。ここでいう発酵原料として微生物を生育させるとは、糖液に含まれる糖成分あるいはアミノ源を微生物の栄養素として利用し、微生物の増殖、生育維持を行うことを意味している。化学品の具体例としては、アルコール、有機酸、アミノ酸、核酸など発酵工業において大量生産されている物質を挙げることができる。こうした化学品は、糖液中の糖成分を炭素源として、その代謝の過程において生体内外に化学品として蓄積生産する。微生物によって生産可能な化学品の具体例として、エタノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセロールなどのアルコール、酢酸、乳酸、ピルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、クエン酸などの有機酸、イノシン、グアノシンなどのヌクレオシド、イノシン酸、グアニル酸などのヌクレオチド、カダベリンなどのアミン化合物を挙げることができる。さらに、本発明の糖液は、酵素、抗生物質、組換えタンパク質などの生産に適用することも可能である。こうした化学品の製造に使用する微生物に関しては、目的の化学品を効率的に生産可能な微生物であればよく、大腸菌、酵母、糸状菌、担子菌などの微生物を使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)セルロース含有バイオマス前処理物の調製
セルロース含有バイオマス(コーンコブ)をその2倍重量の硫酸1%水溶液に浸し、150℃で30分オートクレーブ(日東高圧株式会社製)にて処理したものをセルロース含有バイオマス前処理物とし、以下の実施例に使用した。
(参考例2)タンパク質濃度の測定
タンパク質濃度は、市販のタンパク質濃度測定試薬(Quick Start Bradfordプロテインアッセイ、Bio−Rad製)を使用した。室温に戻したタンパク質濃度測定試薬250μLに希釈したセルラーゼ溶液を5μL添加し、室温で5分間静置後の595nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(POWERSCAN HT、大日本住友製薬株式会社製)で測定した。牛血清アルブミン水溶液を標準液とし、検量線に照らし合わせてセルラーゼ溶液のタンパク質濃度を算出した。
(参考例3)β−グルコシダーゼ活性の測定
糸状菌由来セルラーゼの活性はβ−グルコシダーゼ活性を指標とし、以下に示す方法で測定した。
1.1mM 4−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドを含む55mM酢酸緩衝液(pH5.0)0.9mLに酵素液を0.1mL加え、30℃で反応を行った(基質の終濃度1mM、緩衝液の終濃度50mM)。10分間正確に反応させた後、0.1mLの2M炭酸ナトリウム水溶液を添加して反応を停止させ、405nmにおける吸光度を測定した(ODtest)。ブランクとして、基質溶液に2M炭酸水素ナトリウム水溶液、酵素液の順に添加したものについても同様に405nmにおける吸光度を測定した(ODblank)。上記反応系で1分間に1μmolの4−ニトロフェノールを生成する酵素量を1Uと定義し、活性値(U/mL)を下記式に従って算出した。なお、上記反応系における4−ニトロフェノールのミリモル分子吸光係数は17.2L/mmol/cmである。
β−グルコシダーゼ活性(U/mL)={(ODtest−ODblank)×1.1(mL)×酵素希釈倍率}/{17.2×10(分間)×0.1(mL)}。
(参考例4)セルロース含有バイオマスの加水分解物からのセルラーゼの回収
(工程1:セルロース含有バイオマス前処理物のスラリーの調製)
参考例1に従い調製したセルロース含有バイオマス前処理物1.0g(絶乾重量)を50mL容遠沈管に秤量し、7.0mLの水に懸濁した。pHを測定したところpH2.3であったため、スラリーのpHが5.0になるまで10%アンモニア水溶液を添加し、さらに総重量が10gになるまで水を添加して固形物濃度10%のスラリーを調製した。
(工程2:糸状菌由来セルラーゼによる加水分解)
糸状菌由来セルラーゼとして、市販のセルラーゼ酵素液(“アクセルレースデュエット”ジェネンコア製)を使用した。参考例2に従ってセルラーゼ酵素液のタンパク質濃度を測定したところ、その濃度は40g/Lであった。工程(1)のスラリーにセルラーゼ酵素液0.2mLを添加し、50℃で24時間、ハイブリダイゼーションローテーター(日伸理化株式会社製 SN−06BN)を用いて回転混和した。
(工程3:糸状菌由来セルラーゼと糖液の回収)
工程2の加水分解物を遠心分離(8,000G、10分間)にて固液分離し、上清8gと加水分解残渣2gを得た。加水分解残渣を8mLの水で再懸濁し、再度遠心分離(8,000G、10分間)を行うことで、加水分解残渣に残った溶液成分を回収した。回収した上清を合一し、ポアサイズ0.22μmの精密濾過膜(Millex−GV 材質:親水性PVDF、メルクミリポア製)に通じて微粒子を除いた後、分画分子量10,000の限外濾過膜(VIVASPIN20 材質:PES、Sartorius stedim biotech製)を用いて濾過した。非透過液が1mL以下になるまで8,000Gにて遠心濾過し、脱塩のため非透過液を超純水で10倍以上に希釈し、再度、非透過液が1mL程度になるまで8,000Gにて遠心濾過した。透過液は糖液として回収し、非透過液は回収セルラーゼ液として回収した。
(参考例5)アルカリ処理による失活セルラーゼの調製
pH11.0のアンモニア水溶液7.0mLにセルラーゼ酵素液0.1mL(“アクセルレース(登録商標)デュエット”、ジェネンコア製)を添加し、50℃で1時間保温することにより失活セルラーゼ溶液を調製した。参考例3に従って失活セルラーゼのβ−グルコシダーゼ活性測定を行ったところ、活性は検出されず、β−グルコシダーゼ活性が100%消失したことを確認した。
(参考例6)アルカリ処理による失活β−グルコシダーゼの調製
pH11.0のアンモニア水溶液1.0mLに0.075mLのアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来β−グルコシダーゼ(品番:E−BGLUC、Megazyme製)を添加し、約25℃の室温下で1時間静置することにより失活β−グルコシダーゼ溶液を調製した。参考例3に従って失活β−グルコシダーゼ溶液の活性を測定したところ、残存活性は処理前に対し2.1%を示し、失活β−グルコシダーゼが得られたことを確認した。
(参考例7)加水分解残渣のアルカリ性水溶液への浸漬による失活セルラーゼの調製
参考例4に従い糖液を製造し、加水分解残渣をpH11.0またはpH11.5のアンモニア水溶液7.0mLで懸濁し、約25℃の室温下で回転混和した。1時間後、遠心分離(8,000G、10分間)を行い、上清を失活セルラーゼ溶液として回収した。参考例3に従ってβ−グルコシダーゼ活性測定を行ったところ、活性は検出されず、β−グルコシダーゼ活性が100%消失したことを確認した。
(比較例1)失活セルラーゼを含まないセルロース含有バイオマス加水分解物からの酵素回収
参考例4に従って糖液の製造を行い、回収セルラーゼ液を得た。ただし、工程(1)の固形物濃度10%のスラリー(pH5.0)を調製する際に、水またはpH11.0のアンモニア水溶液を使用した。回収セルラーゼ液は参考例3に従って活性測定を行った。
(実施例1)失活セルラーゼを含むセルロース含有バイオマス加水分解物からの酵素回収
参考例4の工程(1)において、固形物濃度10%のスラリー(pH5.0)を調製する際に、参考例5または参考例7で調製した失活セルラーゼ溶液、あるいは参考例6で調製した失活β−グルコシダーゼ溶液を水の代わりに使用した。他は参考例4と同様に糖液の製造を行い、回収セルラーゼ液を得た。回収セルラーゼ液は参考例3に従って活性測定を行った。
比較例1および実施例1の回収セルラーゼ液の酵素活性を相対活性として表1にまとめた。失活セルラーゼまたは失活β−グルコシダーゼを添加することにより、回収セルラーゼ液の酵素活性は大幅に向上した。
(実施例2)加水分解残渣の浸漬pHの失活セルラーゼ回収量への影響
参考例7において、加水分解残渣の浸漬を水またはpH9.0〜11.5のアンモニア水溶液で行い、その上清を回収した。上清に含まれる糸状菌由来セルラーゼの量を調べるため、SDSポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)を行った[ゲル濃度15%の標準ミニスラブサイズゲル(e−PAGEL E−T/R15L、アトー製)使用、サンプルアプライ量:5μL、20mA、75分間](図3)。その結果、pH11.0以上のアンモニア水溶液を使用した場合に加水分解残渣から糸状菌由来セルラーゼが多く溶出することが確かめられた。
また、失活セルラーゼ溶液に含まれる酵素成分について調べるため、pH11.0、pH11.5の失活セルラーゼの中で最もメジャーなバンドを切り出し、トリプシンによるゲル内消化を行って得られたペプチドをLC−MS/MSによる質量分析に供した。ペプチドの質量データを用いたMascot検索によりタンパク質を同定した結果、pH11.0の失活セルラーゼにはセロビオハイドラーゼIが、pH11.5の失活セルラーゼにはβ−グルコシダーゼが最も多く含まれることがわかった。さらに、pH11.0の失活セルラーゼにおいて、2番目にメジャーなバンドを切り出し、同様の操作を行ったところ、β−グルコシダーゼと同定され、どちらの失活セルラーゼにもβ−グルコシダーゼが含まれることが確認できた。
なお、アンモニア水溶液のpHによって溶出する糸状菌由来セルラーゼの量が異なるため、溶出した糸状菌由来セルラーゼが失活セルラーゼかどうかは、セルラーゼ酵素液0.1mLをそれぞれのpHのアンモニア水溶液7mLに溶解し、約25℃の室温下で1時間アルカリ処理を行った場合の残存活性が10%未満になるかどうかで判断した。アルカリ処理液の活性を表2に示す。pH10.5以上で残存活性が10%未満となり、失活セルラーゼが得られることを確認した。
(実施例3)加水分解残渣の浸漬温度の影響
参考例7において、pH11.0のアンモニア水溶液を使用し、加水分解残渣の浸漬を約25℃の室温〜95℃の範囲で実施した。得られた失活セルラーゼ溶液について、実施例2と同様の方法でSDS−PAGEを実施したところ、65℃以上で徐々に失活セルラーゼのバンドがぼやけ、分解を受けていることが示唆された。
(実施例4)加水分解残渣の浸漬に用いるアルカリの種類の影響
参考例7において、加水分解残渣を浸漬する際、pH11.0の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、またはリン酸三ナトリウム水溶液を使用して失活セルラーゼ溶液を調製した。その他は実施例1と同様の方法で回収セルラーゼ液を得、参考例3に従って活性測定を行った。その結果を相対活性として表3に示した。いずれのアルカリを使用した場合にも、回収セルラーゼ液の相対活性はアンモニアを使用した場合と同等であった。
本発明で得られる糖液は、種々の発酵産物の糖原料として使用することができる。

Claims (5)

  1. 程(1):セルロース含有バイオマスの前処理物および失活セルラーゼのスラリーを調製する工程、
    工程(2):工程(1)のスラリーに糸状菌由来セルラーゼを添加して加水分解する工程、
    工程(3):工程(2)の加水分解物を溶液成分と加水分解残渣に固液分離し、溶液成分を限外濾過膜に通じて濾過して非透過液として糸状菌由来セルラーゼを回収し、透過液として糖液を回収する工
    を含み、失活セルラーゼが工程(3)の加水分解残渣を、pH11以上、65℃未満のアルカリ性水溶液に浸漬して調製されたものである、糖液の製造方法。
  2. 失活セルラーゼが少なくともβ−グルコシダーゼを含む、請求項1に記載の糖液の製造方法。
  3. 工程(1)のスラリーがpH3.0〜7.0の範囲である、請求項1または2に記載の糖液の製造方法。
  4. 糸状菌由来セルラーゼがトリコデルマ属微生物由来である、請求項1からのいずれかに記載の糖液の製造方法。
  5. 工程(1)における前処理物が希硫酸処理物である、請求項1からのいずれかに記載の糖液の製造方法。
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