JP2015027285A - バイオマス原料からのエタノール製造方法 - Google Patents

バイオマス原料からのエタノール製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマスを含有するバイオマスからエタノールを製造する方法において、エタノール製造工程で発生する雑菌の増殖を簡易な方法で効率的に抑制することにより生産性の高いエタノール製造方法を提供すること。
【解決手段】バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理してエタノールを製造する方法において、糖化発酵処理を行う前の原料懸濁液に殺菌剤を含有させることを特徴とするバイオマス原料からのエタノールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、リグノセルロースを含有するバイオマス原料からエタノールを製造する方法において問題となる工程内で発生する雑菌の汚染を抑制し、効率的にエタノールを製造する方法に関する。
再生可能資源であるバガスや稲わら、木材チップなどのバイオマス資源からエタノールを製造し、エネルギーや化学原料として利用する試みが内外で進められている。植物系バイオマスに含まれる多糖類から発酵基質となる単糖や小糖類を製造する方法として酵素やその酵素を生産する微生物を用いて加水分解する酵素糖化法がある。酵素分解により、バイオマスに含まれるセルロースやヘミセルロースが分解されて、グルコース、ガラクトース、マンノース等の六炭糖やキシロース、アラビノース等の五炭糖が生成される。これらの六炭糖や五炭糖は酵母により資化されてエタノールに変換される。
エタノール製造工程へ供給する原料、培地成分、水、酵素、酵母などには雑菌が含まれている場合があるため、製造工程に供給する前に可能な限り雑菌を除去しておくことが望ましい。エタノールを連続的に製造する工程において、製造中に工程内で雑菌が増殖すると酵母の生育が抑制されてエタノール生産性が低下する。従って、連続的なエタノール製造工程において、雑菌汚染を簡易な方法で効率良く抑制することはエタノール生産性を高める上で重要な課題である。
前記問題を解決するために、糖質原料からエタノールを製造する方法において、酸性電解水を用いて雑菌の増殖を抑制する方法が報告されている(特許文献1)。また、果物の脱汁液からエタノールを製造する方法において、酸性物質を用いて雑菌の増殖を抑制する方法が報告されている(特許文献2)。しかし、前記方法では、培養液のpHを酸性にする必要があるため酵素の作用や酵母の生育に適した培養条件で培養することができないという問題がある。また、培養装置だけでなく製造ライン(配管)等を含む工程全体の雑菌抑制を目的とした方法としては効果が不十分であることも懸念される。従って、連続的にエタノールを製造する工程において、培養槽だけでなくラインも含む工程全体の雑菌の増殖を抑制し、仮に連続運転の途中で外部から雑菌が混入したとしても混入した雑菌の増殖を簡易な方法で効率的に抑制する方法の開発が望まれている。
また、特許文献3にはβ-グルコシダーゼ遺伝子が導入されたTrichoderma属微生物の形質転換体が生産するセルロース系バイオマスの糖化酵素で、セルロース系バイオマスを糖化することによる糖の製造方法が記載されている。特許文献3には、この糖化反応において、雑菌汚染を防止する目的でアジ化ナトリウムなどの殺菌剤を添加してもよいことが記載されている。
特開2009−261377号公報 特開2011−167164号公報 特開2012−16329号公報
本発明の課題は、リグノセルロースを含有するバイオマス原料からエタノールを製造する方法において、エタノール製造工程で発生する雑菌の増殖を簡易な方法で効率的に抑制することにより生産性の高いエタノール製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した。その結果、バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理してエタノールを製造する方法において、糖化発酵処理を行う前の原料懸濁液に殺菌剤を含有させることによりエタノール製造工程で発生する雑菌の増殖を効率良く抑制できることが見出された。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
(1) バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理してエタノールを製造する方法において、糖化発酵処理を行う前の原料懸濁液に殺菌剤を含有させることを特徴とするバイオマス原料からのエタノールの製造方法。
(2) バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理する工程が、併行糖化発酵処理工程である、(1)に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
(3) 前記殺菌剤がエタノールである、(1)又は(2)に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
(4) 前記殺菌剤として用いるエタノールが、糖化発酵工程から排出される処理懸濁液から分離されたエタノールである、(3)に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
(5) 糖化発酵工程から排出される処理懸濁液から分離されたエタノールが、糖化発酵工程から出る処理懸濁液を固液分離装置により残渣と液体留分に分離し、前記液体留分から分離されたエタノールである、(4)に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
(6) 原料懸濁液にエタノールを添加した後の原料懸濁液に含まれるエタノール濃度が3.0〜6.0質量%である、(3)から(5)の何れかに記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
(7)(a)バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理する糖化発酵処理工程、
(b)前記糖化発酵処理工程で得られた培養液を固液分離に供する固液分離工程、
(c)前記固液分離工程で分離された液体分からエタノールを分離して、エタノールを含む水溶液と濃縮液とに分離するエタノール分離工程、
(d)前記エタノール分離工程で分離された濃縮液を遠心分離する遠心分離工程、及び
(e)前記遠心分離工程で得られた液体留分を、糖化発酵工程へ供する工程:
を含む、(1)から(6)の何れかに記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
(8)前記殺菌剤がラクトロ−ル、テトラサイクリン、アンピシリン、ストレプトマイシン、ベンジルペニシリンカリウムの中から選択される少なくとも1種である、(1)又は(2)に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
本発明により、バイオマス原料からエタノールを製造する方法において、エタノール製造工程(培養槽等の装置やラインなど)で発生する雑菌の増殖を効率よく抑制することができ、エタノール生産効率を高めることが可能となる。
本発明のバイオマス原料からのエタノールの製造工程の一例を示す図である。
1 原料供給口
2 一次併行糖化発酵槽排出口
3 エタノール移送ライン
4 固液分離後、液体分移送ライン
5 蒸留後、液体分移送ライン
6 遠心分離後、液体分移送ライン
BR1 一次併行糖化発酵槽
S 固液分離装置
EV 減圧蒸留装置
C1 一次遠心分離機
T 培養液保管タンク
以下、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本明細書に記載される材料、方法及び数値範囲などの説明は、当該材料、方法及び数値範囲などに限定することを意図したものではなく、また、それ以外の材料、方法及び数値範囲などの使用を除外するものでもない。
<バイオマス原料>
本発明の方法で原料として使用するバイオマス原料としては、リグノセルロースを含有するバイオマス原料が挙げられる。木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられる。また、草本系としては、ケナフ、稲藁、麦わら、バガスなどの農産廃棄物、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサス、ネピアグラス等が挙げられる。なお、本発明におけるバイオマス原料としては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ等も利用可能である。
前記木質系のバイオマス原料の中でも、林地残材(樹皮、枝葉を含む)、樹皮が原料として好ましい。例えば、製紙原料として一般に用いられるユーカリ(Eucalyptus)属又はアカシア(Acacia)属等の樹種の樹皮は、製紙原料用の製材工場やチップ工場等から安定して大量に入手可能であるため、特に好適に用いられる。
<機械的処理>
本発明では、前記バイオマス原料に機械的処理を施すことが好ましい。機械的処理としては、破砕、裁断、磨砕等の任意の機械的手段が挙げられ、バイオマスを次工程の化学的処理工程で糖化され易い状態にすることである。使用する機械装置については特に限定されないが、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー、レファイナー、ニーダー、ボールミル等を用いることができる。
前記機械的処理の前工程又は後工程として、異物(石、ゴミ、金属、プラステック等のリグノセルロース以外の異物)を除去するための洗浄工程や洗浄した原料に含まれる水を脱水するための脱水工程を導入することもできる。
原料を洗浄する方法としては、例えば、原料に洗浄水を供給して原料に混合されている異物を除く方法、あるいは、原料を水中に浸漬し異物を沈降させて取り除く方法等が挙げられる。また、メタルトラップ等の洗浄装置を用いて異物を原料から分離する方法が挙げられる。
原料に異物が含まれていると、破砕や磨砕等の機械的処理に要する消費電力が増加したり、機械的処理で用いるレファイナーのディスク(プレート)等の装置の部品を破損させる可能性がある。また、異物が原因となって配管が詰まる等の製造工程内でトラブルを起こす等の問題が発生するため、洗浄工程を導入することが望ましい。
<化学的処理>
前記、機械的処理を施したバイオマス原料を次に化学的処理することが好ましい。化学的処理としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する溶液に浸漬する処理を行うことができる。あるいは、亜硫酸ナトリウムと前記アルカリ薬品の中から選ばれる1種以上のアルカリ薬品を含有する溶液に浸漬する処理でもよい。また、オゾン、二酸化塩素などの酸化剤による化学的処理も可能である。
化学的処理は、前記機械的処理と組み合わせてそれらの前処理の後処理として行うことが好適である。
化学的処理で使用する薬品の添加量は、状況に応じて任意に調整可能であるが、薬品コスト低下の面から、またセルロースの溶出・過分解による収率低下防止の面から、リグノセルロース系原料の絶乾100質量部に対して50質量部以下であることが望ましい。化学的処理における薬品の水溶液への浸漬時間及び処理温度は、使用する原料や薬品によって任意に設定可能であるが、処理時間20〜90分、処理温度80〜200℃が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理時間は70分以下、処理温度は180℃以下であることが好ましい。
化学処理として、バイオマス原料(乾燥重量)に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%のアルカリを添加することもできる。バイオマスに亜硫酸ナトリウムを前記の添加量で単独で添加して加熱処理すると、加水分解中に酢酸等の有機酸が生成するためpHの低下が起こり、加水分解液が酸性となる。加水分解液が酸性の条件下で加水分解を継続すると加水分解で生成されたキシロースがフルフラールに変換するという問題が発生する。フルフラールは、エタノール発酵の阻害物質となるため可能な限り生成させないことが望ましい。また、発酵基質であるキシロースの収率が低下するため結果としてエタノール生産効率が低下する。
本発明では、バイオマス原料に前記の添加量で亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤としてアルカリを添加して加熱処理することにより、加水分解中のpHが中性〜弱アルカリ性に維持される。本発明では、これにより、フルフラールの生成及びキシロースの収率低下を抑制することができる。また、加熱処理後(加水分解後)のバイオマスを含む水溶液のpHが4.0〜7.0(中性〜弱アルカリ性)となるため、加水分解処理後の廃液あるいは加水分解物を中和するための薬品の使用量を低減できるというメリットがある。
前記pH調整剤として用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの薬品に特に限定されない。
前記、バイオマス原料(乾燥重量)に対して10〜50質量%の亜硫酸ナトリウム及びpH調整剤として0.1〜5質量%のアルカリを添加して加熱処理を行う場合の加熱処理温度は、80〜200℃が好ましく、120〜180℃がさらに好ましい。また、加熱処理時間は、10〜300分で行うことができるが、30〜120分が好ましい。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理温度は、180℃以下、処理時間は120分以下であることが好ましい。
(磨砕処理)
本発明では、前記化学処理により得られたバイオマス原料をレファイナーのディスク(プレート)のクリアランスを0.1〜2.0mmの範囲で磨砕することが好ましく、0.1〜1.0mmの範囲がさらに好ましい。使用するレファイナーとしては、シングルディスクレファイナー、ダブルディスクレファイナー等を使用することができ相対するディスクのクリアランスを0.1〜2.0mmの範囲に設定できるレファイナーであれば特に制限なく使用することができる。ディスクのクリアランスが2.0mmを超えると糖化発酵で得られる糖収率が添加するため好ましくない。一方、ディスクのクリアランスが0.1mmより低いとレファイナーで磨砕処理した後の加水分解物(固形分)の収率が低下するため好ましくない。また、ディスクのクリアランスが0.1mmより低いとレファイナーの運転に要する電気消費量が増大するため好ましくない。
前記の磨砕処理が施されているバイオマス原料を水溶液と固形分に固液分離し、固形分を糖化発酵の原料として用いる。固液分離する方法としては、例えば、スクリュープレス等を用いて水溶液と固形分に分離することができ、水溶液と固形分に分離することができる装置であれば制限なく使用することができる。
前記の固形分離後の原料を用いて糖化発酵を行う前に殺菌処理を行うことが好ましい。バイオマス原料中に雑菌が混入していると、酵素による糖化を行う際に雑菌が糖を消費して生成物の収量が低下してしまうという問題が発生する。
殺菌処理は、酸やアルカリなど、菌の生育困難なpHに原料を晒す方法でも良いが、高温下で処理する方法でも良く、両方を組み合わせても良い。酸、アルカリ処理後の原料については、中性付近、もしくは、糖化及び/又は糖化発酵工程に適したpHに調整した後に原料として使用することが好ましい。また、高温殺菌した場合も、室温もしくは糖化発酵工程に適した温度まで降温させてから原料として使用することが好ましい。このように、温度やpHを調整してから原料を送り出すことで、好適pH、好適温度外に酵素が晒されて、失活することを防ぐことができる。
<殺菌剤>
本発明においては、糖化発酵処理を行う前の原料懸濁液に殺菌剤を含有させる。糖化発酵処理を行う前の工程としては、例えば、前処理した原料を洗浄するための洗浄液に殺菌剤を含有させても良いし、糖化発酵で用いる培養槽に添加する前の原料懸濁液に殺菌剤を含有させてもよく、殺菌効果が得られる工程であれば特に限定なく殺菌剤を添加することができる。
殺菌剤の種類は、効率よく雑菌の増殖を抑制し、かつエタノールを効率的に生産することができるものであれば特に限定されず、任意の殺菌剤を使用することができる。殺菌剤としては、合成殺菌剤(抗生物質も含む)、天然物由来殺菌剤、アルコール系殺菌剤、有機酸等が挙げられる。合成抗菌剤としては、ヒノキチオール、トリクロサン、ラクトール、テトラサイクリン、アンピシリン、ストレプトマイシン、ペニシリン、ベンジルペニシリンカリウム、ゲンタマイシン等が挙げられる。天然物由来殺菌剤としては、植物抽出物、キトサン等が挙げられる。アルコール系殺菌剤としては、例えば、メタノール、エタノール、又は2−プロパノール等を使用することができる。上記の中でも、エタノールを使用することが特に好ましい。なお、殺菌剤としてエタノールを使用する場合には、後述するエタノール分離工程で得られるエタノールを使用することもできる。有機酸としては、乳酸、酢酸等を用いることができる。
殺菌剤の添加量は使用する殺菌剤の種類に応じて適宜設定される。殺菌剤としてエタノールなどのアルコールを使用する場合、原料懸濁液にエタノールを添加した後の原料懸濁液に含まれるアルコール濃度(好ましくはエタノール濃度)は特に限定されないが、好ましくは3.0〜6.0質量%である。アルコール(好ましくはエタノール)濃度が3質量%未満では雑菌の増殖抑制効果が低く、アルコール(好ましくはエタノール)濃度が6質量%を超えると酵母の生育に影響を及ぼすため好ましくない。合成抗菌剤を用いる場合、合成抗菌剤の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.01〜1000ppm、さらに好ましくは、0.1〜100ppmに維持される。
<糖化発酵工程>
本発明において、糖化発酵工程は、糖化と発酵とを別々に逐次的に行ってもよいし、糖化と発酵とを併行して行ってもよいが、好ましくは糖化と発酵とを併行して行う併行糖化発酵工程である。
酵素糖化反応に適した前処理が施されたバイオマス原料は、適量の水と酵素と混合されて原料懸濁液とされ、さらに酵母等の微生物と混合されて、糖化発酵工程へ供給される。バイオマス原料は酵素により糖化され、生成された糖が酵母によりエタノールに発酵される。
糖化発酵工程で用いるバイオマス原料の懸濁濃度は、1〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、最終的に生産物の濃度が低すぎて生産物の濃縮のコストが高くなるという問題が発生する。また、30質量%を超えて高濃度となるにしたがって原料の攪拌が困難になり、生産性が低下するという問題が発生する。
糖化発酵で使用するセルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素である。
各セルロース分解酵素は、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販されているセルラーゼ製剤は、上記の各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルラーゼ製剤を用いれば良い。
市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス(Trametes)属、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤がある。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
原料固形分100質量部に対するセルラーゼ製剤の使用量は、0.5〜100質量部が好ましく、1〜50質量部が特に好ましい。
糖化発酵工程でのpHは3.5〜10.0の範囲に維持することが好ましく、4.0〜7.5の範囲に維持することがより好ましい。
糖化発酵工程の温度は、酵素の至適温度の範囲内であれば特に制限はなく、25〜50℃が好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。反応は、連続式が好ましいが、セミバッチ式、バッチ式でも良い。
糖化発酵工程の滞留時間は、3〜100時間が好ましく、5〜50時間がさらに好ましい。
糖化発酵工程では、サッカロマイセス・セラビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等を用いることができる。また、遺伝子組換技術を用いて作製した遺伝子組換酵母を用いることができる。遺伝子組換酵母としては、六炭糖と五炭糖を同時に発酵できる酵母、等を特に制限なく用いることができる。酵母は、培地などと同時に添加しても良い。
また、微生物は固定化しておいてもよい。微生物を固定化しておくと、次工程に微生物を液と共に送り出して再回収する工程を省くことができるか、少なくとも回収工程に要する負担を軽減することができるし、微生物をロスするリスクを軽減することもできる。また、微生物を固定化するほどでのメリットはないが、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
本発明では、酵素糖化処理工程内に電解質として水溶性塩を添加することができる。酵素糖化処理工程において、電解質を原料懸濁液に添加し原料懸濁液の電気伝導度を5〜25mS/cmの範囲に維持することが好ましい。電気伝導度を5〜25mS/cmの範囲に維持することによりバイオマス原料の未反応成分や反応残渣等への酵素の吸着が抑制されるため、酵素糖化処理工程内における酵素の循環率が長期にわたって高い水準に維持することができる。酵素糖化処理工程内において、操作上、電解質を添加することが可能な工程であれば、いずれの工程においても制限なく電解質を添加することができる。糖化発酵工程内で添加することが操作が容易なため望ましい。
水溶性塩としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる塩類が好ましい。アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素二塩、酢酸塩又はクエン酸塩から選ばれる水溶性塩が挙げられる。
<固液分離工程>
糖化発酵工程から排出された培養液は、固液分離工程へ移送され、液体分(濾液)と固形分(残渣)に分離される。固液分離を行う装置としては、スクリュープレス、スクリーン、フィルタープレス、ベルトプレス、ロータリープレス等を用いることができる。スクリーンとしては、振動装置が付加された振動スクリーンなどを用いることができる。回収された固形分(残渣)は、糖化発酵工程へ移送し糖化発酵の原料として用いることもできる。固液分離工程で分離された液体分(濾液)はエタノール分離工程へ移送される。
<エタノール分離工程>
エタノール分離工程では、前記固液分離工程で分離された液体分からエタノールを分離できる装置であれば特に制限なく用いることができる。エタノール分離工程で用いる装置としては、減圧蒸留装置、分離膜、限外濾過膜などの装置を用いることができる。
減圧蒸留装置は、減圧下では低い温度で発酵生成物を分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーターなどを用いることができる。設置する蒸留装置の数は特に制限なく複数設置することができる。
蒸留温度は25〜60℃が好ましい。25℃未満であると、生成物の蒸留に時間がかかって生産性が低下する。また、60℃より高いと、酵素が熱変性して失活してしまい、新たに追加する酵素量が増加するため経済性が悪くなる。
減圧蒸留装置へ供給する液体分(濾液)の供給量は、20〜1000L/時間が好ましく、50〜500L/時間がさらに好ましい。
エタノール分離工程により、エタノールを含む水溶液と濃縮液(エタノールを除去した水溶液)とに分離されることになる。
本発明の好ましい態様においては、エタノール分離工程により分離されたエタノールを、前記した殺菌剤として使用することができる。この場合、エタノール分離工程により分離されたエタノールの一部が、バイオマス原料を含む原料懸濁液に殺菌剤として添加される。
<遠心分離工程>
前記の濃縮液(蒸留残液)は、遠心分離工程へ移送され残留している残渣を遠心分離によって除去した後、液体留分は前記の糖化発酵工程へ移送される。遠心分離後の残渣には、酵素、リグニン、酵母が含まれている。リグニンは、燃焼原料として回収しエネルギーとして利用することもできるし、リグニンを回収し有効利用することもできる。また、酵母を残渣から分離して、糖化発酵工程で再利用することもできる。
前記遠心分離後の液体留分は、上記した糖化発酵工程へ移送され工程内を循環し、効率的に培養槽等の装置や移送ラインで発生する雑菌の増殖を抑制することができる。遠心分離後の液体留分は、培養液保管タンクを設置し、培養液保管タンクを経由して前記の糖化発酵槽へ移送しても良い。
また、前記遠心分離後の液体留分は、二次糖化発酵工程[前記した糖化発酵(以下、これを一次糖化発酵とも称する)工程とは異なる第2の糖化発酵工程]へ移送することもできる。二次糖化発酵工程では、新しいバイオマス原料を添加して糖化発酵させることもできるし、キシロース等の五炭糖の発酵を目的とした発酵を行うことができる。
二次糖化発酵工程は、糖化と発酵とを別々に逐次的に行ってもよいし、糖化と発酵とを併行して行ってもよいが、好ましくは糖化と発酵とを併行して行う併行糖化発酵工程である。
二次糖化発酵槽へ移送する場合は、二次糖化発酵槽から排出された培養液(新たに生成された発酵生成物、酵素、五炭糖発酵酵母が含まれる)を一次糖化発酵槽へ移送し、工程内を循環させる。二次糖化発酵槽から排出された培養液に含まれる残渣を除去するために、二次糖化発酵工程の後に遠心分離で残渣を除去することができる。あるいは、二次糖化発酵工程から排出された培養液を保管するためのタンクを設置し、タンクを経由して一次糖化発酵槽へ移送しても良い。
本発明によるバイオマス原料からのエタノール製造方法は、例えば、図1に示す製造工程で行うことができるが、本発明の方法は特に図1の態様に限定されるわけではない。
図1において、バイオマス原料を含む原料懸濁液は先ず、原料供給口1から一次併行糖化発酵槽BR1に投入され、併行糖化発酵処理に供される。一次併行糖化発酵槽BR1の培養液は、一次併行糖化発酵槽排出口2から排出されて、固液分離装置Sへと移送され、液体分(濾液)と固形分(残渣)に分離される。液体分(濾液)は、「固液分離後、液体分移送ライン4」を経て、減圧蒸留装置EVへと移送される。蒸留装置EVにおいて、前記液体分(濾液)は、エタノールを含む水溶液と濃縮液(エタノールを除去した水溶液)とに分離される。
蒸留装置EVにおいて分離されたエタノールの一部は、エタノール移送ライン3を経て、殺菌剤として、バイオマス原料を含む原料懸濁液に添加される。この際、バイオマス原料を含む原料懸濁液中のエタノール濃度は3.0〜6.0質量%であることが好ましい。これにより、酵母以外の雑菌の増殖を効率的に抑制するこができる。
蒸留装置EVにおいて分離された濃縮液は、「蒸留後、液体移送ライン5」を経て、一次遠心分離機C1へ移送される。一次遠心分離機C1において、残渣は遠心分離によって除去され、液体留分は、「遠心分離後、液体分移送ライン6」を経て、培養液保管タンクTへ移送される。培養液保管タンクT中の培養液は、再度、一次併行糖化発酵槽BR1に戻される。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す製造工程で試験を実施した。
[前処理]
チップ状のユーカリ・グロブラスの林地残材(樹皮70%、枝葉30%)を20mmの丸孔スクリーンを取り付けた一軸破砕機(西邦機工社製、SC−15)で破砕し原料として用いた。
上記原料100kg(絶乾重量)に対して97質量%亜硫酸ナトリウム20kg及び水酸化ナトリウム1kgを添加後、水を添加し水溶液の容量を1m3に調整した。前記原料懸濁液を混合後、170℃で1時間加熱した。加熱処理後の原料懸濁液をレファイナー(熊谷理器工業製、KRK高濃度ディスクレファイナー)でディスク(プレート)のクリアランスを1.0mmに設定し磨砕した。次に20メッシュ(847μm)のスクリーンを用いて固液分離(脱水)することにより溶液の電気伝導度が30μS/cmになるまで水で洗浄した。固液分離後の固形物(前処理物)を原料として糖化発酵工程に供した。
[一次併行糖化発酵]
予め、液体培地(グルコース30g/L、ポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/L、pH5.6)50Lで酵母を30℃で24時間培養した。酵母としては、Saccharomyces cerevisiae (市販酵母、商品名:商品名:Maurivin: Mauri Yeast Australia Pty Limited)を使用した。
併行糖化発酵槽BR1にポリペプトン5g/L、酵母エキス3g/L、麦芽エキス3g/Lとなるように各々を添加後,水を添加し最終容量を0.8m3に調整した。酵母菌体を含む培養液を発酵槽に添加し24時間培養した。酵母の密度が、1x108/mlに増殖した時点で、市販セルラーゼ(Accellerase DUET、ジェネンコア社製)50Lを発酵槽に添加した。次に、前処理で調製した原料100kgにエタノール10Lを添加後、この原料懸濁液の最終容量が200Lになるように水を添加した(エタノール最終濃度:5質量%)。前記原料懸濁液を併行糖化発酵槽BR1に添加後、併行糖化発酵槽BR1に水を添加し併行糖化発酵槽BR1内の溶液の容量を1m3になるように調製した。
培養液のpHを5.0に調整し30℃で一次併行糖化発酵を開始した。培養液の培養槽内での滞留時間(原料懸濁液が培養槽を通過する時間:培養槽の容量/流速)を10時間で糖化発酵行った。すなわち、糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液(原料濃度10質量%:原料懸濁液に含まれるエタノール濃度は5質量%)を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。一方、原料供給開始と同時に発酵槽の培養液排出口2より100L/hで排出し、固液分離工程へ移送した。尚、連続運転中に培養液が減少した場合、自動的に培地を添加することにより培養液の最終容量を1m3に維持した。また、前記で原料懸濁液に添加したエタノールは、下記の[エタノール蒸留]で製造されたエタノールの一部を併行糖化発酵槽BR1に添加した。培養液のpHを5.0に維持した。
[固液分離]
前記一次併行糖化発酵で得られた培養液を、固液分離装置S:スクリュープレス(富国工業株式会社製SHX−200 x 1500L、スクリーンサイズ1.2mm)で固形分(残渣)と濾液を分離した。
[エタノール蒸留]
図1に示すように、前記固液分離後の濾液を減圧蒸留装置EV(エバポールCEP−1、大川原製作所)で蒸留温度:40℃、加熱温度:80℃でエタノールを含む水溶液と濃縮液に分離した。
[遠心分離]
減圧蒸留装置EVから分離された濃縮培養液をデカンタ式遠心機C1(IHI製、HS−204L形)で回転数4500rpm、差速5.0rpmで運転し、固形分(残渣)と濾液に分離した。濾液は、培養液保管タンクTを経由して一次併行糖化発酵槽BR1へ移送し連続的に工程内を循環させた。
<雑菌添加試験>
モデル実験として、大腸菌を雑菌と仮定し下記の方法で試験を実施した。
大腸菌(Escherichia coli ATCC11775)をNutrient液体培地(pH7.0)で37℃で24時間培養した。
上記の一次併行糖化発酵を開始してから24時間後に一次併行糖化発酵槽に大腸菌の菌密度が1x107/mlとなるように添加した。
一次併行糖化発酵を開始してから48時間後(定常運転になった状態)を0時間(スタート)として、48時間後、一次併行糖化発酵槽BR1の排出口2から培養液を採取しエタノール濃度、酵母、及び大腸菌(雑菌)の菌密度を測定した。エタノール濃度はグルコースセンサー(王子計測機器製BF−400型)で測定した。得られたエタノール濃度の値から、エタノール生産効率(1時間当たりに生産されるエタノール量)を求めた。
結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、前処理で調製した原料100kgにエタノール6Lを添加後、この原料懸濁液の最終容量が200Lになるように水を添加した(エタノール最終濃度:3質量%)。糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液(原料濃度10質量%:原料を3質量%エタノール水溶系に懸濁)を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。また、糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液(原料濃度10質量%:原料懸濁液に含まれるエタノール濃度は3質量%)を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。それ以外の操作は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、前処理で調製した原料100kgに、ラクトロ−ル、テトラサイクリン、アンピシリン、ストレプトマイシン、ベンジルペニシリンカリウムの最終濃度が各々10ppmとなるように添加後、この原料懸濁液の最終容量が200Lになるように水を添加した。糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液(原料濃度:10質量%、ラクトロ−ル、テトラサイクリン、アンピシリン、ストレプトマイシン、ベンジルペニシリンカリウムの最終濃度:各々10ppm)を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。また、糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。それ以外の操作は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、前処理で調製した原料100kgに、ラクトロ−ルの最終濃度が各々10ppmとなるように添加後、この原料懸濁液の最終容量が200Lになるように水を添加した。糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液(原料濃度:10質量%、ラクトロ−ルの最終濃度:10ppm)を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。また、糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。それ以外の操作は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、前処理で調製した原料100kgに、アンピシリンの最終濃度が各々10ppmとなるように添加後、この原料懸濁液の最終容量が200Lになるように水を添加した。糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液(原料濃度:10質量%、アンピシリンの最終濃度:10ppm)を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。また、糖化発酵を開始した時点から、原料懸濁液を流速100L/hで発酵槽の原料供給口1から連続的に添加した。それ以外の操作は全て実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、併行糖化発酵槽BR1に添加する原料懸濁液にエタノールを添加しない試験を比較例1とした。結果を表1に示す。
Figure 2015027285
表1に示すように、原料懸濁液のエタノール濃度を5質量%にした試験(実施例1)、原料懸濁液のエタノール濃度を3質量%にした試験(実施例2)、及び5種類の抗菌剤を原料懸濁液に添加した試験(実施例3)、1種類の抗菌剤を原料懸濁液に添加した試験(実施例4、実施例5)では、原料懸濁液に殺菌剤を添加しない試験(比較例1)と比較し、エタノールが効率的に生産できた。
以上の結果から、蒸留装置で分離したエタノールを併行糖化発酵処理で用いる原料懸濁液に添加することにより、雑菌の繁殖を抑制でき、結果として高いエタノール生産効率が得られることが判明した。
本発明により、バイオマスからのエタノール製造方法工程において、効率よく雑菌の増殖を抑制し、エタノールを効率的に生産する方法が提供される。

Claims (8)

  1. バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理してエタノールを製造する方法において、糖化発酵処理を行う前の原料懸濁液に殺菌剤を含有させることを特徴とするバイオマス原料からのエタノールの製造方法。
  2. バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理する工程が、併行糖化発酵処理工程である、請求項1に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
  3. 前記殺菌剤がエタノールである、請求項1又は2に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
  4. 前記殺菌剤として用いるエタノールが、糖化発酵工程から排出される処理懸濁液から分離されたエタノールである、請求項3に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
  5. 糖化発酵工程から排出される処理懸濁液から分離されたエタノールが、糖化発酵工程から出る処理懸濁液を固液分離装置により残渣と液体留分に分離し、前記液体留分から分離されたエタノールである、請求項4に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
  6. 原料懸濁液にエタノールを添加した後の原料懸濁液に含まれるエタノール濃度が3.0〜6.0質量%である、請求項3から5の何れか1項に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
  7. (a)バイオマス原料を含む原料懸濁液を糖化発酵処理する糖化発酵処理工程、
    (b)前記糖化発酵処理工程で得られた培養液を固液分離に供する固液分離工程、
    (c)前記固液分離工程で分離された液体分からエタノールを分離して、エタノールを含む水溶液と濃縮液とに分離するエタノール分離工程、
    (d)前記エタノール分離工程で分離された濃縮液を遠心分離する遠心分離工程、及び
    (e)前記遠心分離工程で得られた液体留分を、糖化発酵工程へ供する工程:
    を含む、請求項1から6の何れか1項に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
  8. 前記殺菌剤がラクトロ−ル、テトラサイクリン、アンピシリン、ストレプトマイシン、ベンジルペニシリンカリウムの中から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のバイオマス原料からのエタノール製造方法。
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