JP2001112496A - セロオリゴ糖の製造法 - Google Patents

セロオリゴ糖の製造法

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JP2001112496A JP29805899A JP29805899A JP2001112496A JP 2001112496 A JP2001112496 A JP 2001112496A JP 29805899 A JP29805899 A JP 29805899A JP 29805899 A JP29805899 A JP 29805899A JP 2001112496 A JP2001112496 A JP 2001112496A
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cellooligosaccharide
cellobiose
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Motoo Arai
基夫 荒井
Masahiko Tabata
雅彦 把田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価且つ効率的なセロオリゴ糖製造技術を提
供し食品分野をはじめとした応用を図る。 【解決手段】 可溶性澱粉を原料にαーグルカンホスホ
リラーゼ、セロビオースホスホリラーゼ、セロデキスト
リンホスホリラーゼを作用させることにより従来にはな
い高効率でセロオリゴ糖を生産する。 【効果】 安価且つ効率的なセロオリゴ糖が提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセロオリゴ糖の製造
法に関し、詳しくは可溶性澱粉を原料にαーグルカンホ
スホリラーゼ、セロビオースホスホリラーゼ及びセロデ
キストリンホスホリラーゼを作用させる事によるセロオ
リゴ糖の製造法に関するものである。
【0002】セロオリゴ糖はブドウ糖が2個以上β−
1,4結合したオリゴ糖であり、低甘味なため食品分野
をはじめとして利用されるオリゴ糖である。
【0003】使用する酵素α−グルカンホスホリラーゼ
(EC2.4.1.1)は澱粉を加リン酸分解する酵素
であり、澱粉とリン酸を原料としてグルコース1リン酸
とα−グルカンが得られる。使用する酵素セロビオース
ホスホリラーゼ(EC2.4.1.20)はセロビオー
スを加リン酸分解する酵素であり、セロビオースとリン
酸を原料としてグルコース1リン酸とグルコースが得ら
れる。セロデキストリンホスホリラーゼ(EC2.4.
1.49)はセロデキストリンを加リン酸分解する酵素
であり、セロデキストリンとリン酸を原料としてグルコ
ース1リン酸とセロデキストリンが得られる。これらの
酵素は上記反応の逆反応も進行させることが出来る。
【0004】
【従来の技術】食品の持つ本来の機能としては、『おい
しさ』と『栄養』であるが、近年ではこれらに加え第三
次機能である『生体調節機能』が重要視されてきてい
る。以前より増して健康に関心が持たれるようになって
いる昨今、疾病予防や健康維持・増進に寄与する生体調
節機能を有する食品が数多く開発されている。
【0005】中でもオリゴ糖は数多くの食品に用いられ
ており、市場規模も年々増大の一途を辿っている。オリ
ゴ糖の有する機能についてはその種類により多少異なる
が、ビフィズス菌増殖因子、抗う蝕性、肥満防止、コレ
ステロール抑制などが挙げられる。
【0006】セロオリゴ糖はブドウ糖が2個以上β−
1,4結合したオリゴ糖であり、低甘味、難消化性でビ
フィズス菌増殖因子やボディ−効果も有している。よっ
て最近の低甘味・低カロリー志向にはうってつけであ
り、低甘味糖質やボディ−補強剤等の食品分野をはじめ
とする用途が考えられる。セロオリゴ糖の中でもセロビ
オースは天然には松葉やトウモロコシの茎に存在するこ
とが明らかにされている。その他のセロオリゴ糖に関し
ては、日常食に供する植物などに広く存在するセルロー
スの分解過程で生成するものであり、いずれも天然物で
あると共に食としての経歴があるために安全性に関して
は何ら問題がないものである。
【0007】従来から知られているセロオリゴ糖の製造
法としては、化学的方法と酵素的方法とに分けられる。
化学的方法は、発煙塩酸−濃硫酸によりセルロースを酸
加水分解後、カーボンカラム等によりセロオリゴ糖を分
画分取する方法(Miller,G.L,Methods in Carbohydrate
Chemistry III(Academic Press),134(1963))等が知
られている。
【0008】一方、酵素的な方法ではアモルファスなセ
ルロースにセルビブリオ(Cellvibrio)属に属する微生物
が生産するセルラーゼを作用させ、限外濾過反応器を組
み合わせることにより生成物阻害を解除してセロオリゴ
糖を生成させることが知られている(特開平1-256394号
公報)。又、予めセルラーゼをpH3.5〜5.0に平
衡化した弱酸性陽イオン交換樹脂に接触させ、セルラー
ゼ中のβ−グルコシダーゼを選択的に除去したセルラー
ゼをセルロースに作用させて、セロオリゴ糖を製造する
方法もある(特開平5-115293号公報)。又、アモルファ
スセルロースを原料にセルラーゼを作用させてセロオリ
ゴ糖を生成させる反応において、リグニン存在下のもと
に反応を進行させると共に限外濾過反応装置にてセロビ
オースを随時採取する方法が知られている(特公平6-95
943号公報)。さらに、湿潤状態の未晒しサルファイト
パルプを原料にセルラーゼを作用させる系で限外濾過装
置を組み合わせ、セロビオースを含むセロオリゴ糖を作
る方法が知られている(特公平8-2312号公報)。
【0009】しかしながら、これらの方法はいずれも工
業的には多くの問題点を抱えている。すなわち、上記従
来技術のうち化学的方法では、反応操作が濃硫酸・濃塩
酸を取り扱うと共に、セロオリゴ糖分画に大容量のカー
ボンカラムを用い溶出に大量のエタノールを使用するな
ど操作が非常に煩雑である。なお且つセロオリゴ糖収率
も十分でないために、食品分野で使用するには製造コス
トが非常に高く、工業的に大量生産されるに至っておら
ず、セルラーゼ研究の試薬用に極少量生産されているに
すぎない。
【0010】一方、酵素法は化学的方法と比べると非常
に穏和な条件下で反応を行わせることが可能であるが、
元来セルロースは非常に強固な結晶領域を有しているた
めに、酵素が作用し難いという問題がある。従って反応
収率を向上させるために、セルロースの物理的・化学的
処理といった前処理が不可欠であり、工業的製法に適し
た経済的な前処理方法は未だ開発されていない。
【0011】セルビブリオ・ギルバス(Cellvibrio gil
vus)の生産する酵素はセロビオースを特異的に生成す
るという特徴を有しているが、基質であるセルロースが
アモルファスでないと作用せず、酵素の力価や生産性も
十分でない。イオン交換樹脂を用いてβーグルコシダー
ゼを吸着除去させる方法においては、βーグルコシダー
ゼのみが選択的に吸着除去されるとは限らず、吸着除去
工程で他の構成セルラーゼも活性が低下してしまう。更
にスケールアップに至っては、操作も複雑になってくる
ため、必ずしも有利な方法といえない。リグニンにβー
グルコシダーゼを吸着させる方法においては、基質とし
てアモルファスなセルロースを使用する必要があると共
に、リグニンがセルロースに吸着し、分解を阻害してし
まうという問題もある。又、湿潤状態の未晒しサルファ
イトパルプを原料にセルラーゼを作用させる方法では、
基質がかなり膨潤した状態であるため基質濃度を高める
ことが出来ず、その結果、生成物の濃度が非常に低く効
率が悪い。このように、酵素法においても様々な問題点
があり実用化は行われていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の背景を
踏まえ、本発明の目的は安価で効率的な工業的生産が可
能なセロオリゴ糖製造法を提供し、食品分野をはじめと
して各種生理活性が期待されているセロオリゴ糖の普及
を図ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、工業的にも広く用いられ
ている安価な可溶性澱粉を原料に、αーグルカンホスホ
リラーゼ、セロビオースホスホリラーゼ、及びセロデキ
ストリンホスホリラーゼを作用させることにより、セロ
オリゴ糖を極めて効率よく得られる事を見出し、本発明
を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明の上記目的は可溶性澱粉
にαーグルカンホスホリラーゼを作用させグルコース1
リン酸を合成し、得られたグルコース1リン酸をグルコ
ース供与体、グルコースをグルコース受容体として、セ
ロビオースホスホリラーゼ及びセロデキストリンホスホ
リラーゼを作用させて、セロオリゴ糖を生成蓄積させる
ことにより達成することが出来る。可溶性澱粉を原料と
したセロオリゴ糖の製造法はこれまで全く知られていな
かった。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は工業的にも広く用いられ
ている安価で入手も容易で安全性も高い可溶性澱粉を原
料に、αーグルカンホスホリラーゼ、セロビオースホス
ホリラーゼ、及びセロデキストリンホスホリラーゼの3
種類の酵素を作用させることにより、セロオリゴ糖を極
めて効率よく得る事を特徴としている。以下に本発明を
さらに詳細に説明する。
【0016】本発明で使用する可溶性澱粉は、通常工業
的に実施されているように澱粉スラリーに希薄な塩酸や
硫酸等の無機酸を作用させることにより容易に得ること
が出来る。
【0017】本発明で用いる酵素としては、αーグルカ
ンホスホリラーゼについては、例えばジャガイモから得
ることが出来る。その他トウモロコシや大腸菌をはじめ
とした微生物から幅広く得ることが出来る。セロビオー
スホスホリラーゼについては、クロストリジュウム・サ
ーモセラム(Clostridium thermocellum)、ルミノコッカ
ス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefacien
s)、セルビブリオ・ギルバス(Cellvibrio gilvus)等が
産生することが知られている。セロデキストリンホスホ
リラーゼについては、クロストリジュウム・サーモセラ
ム(Clostridium thermocellum)、セルロモナス(Cellul
omonas)属等が産生することが知られている。これらの
微生物培養を通常の培養方法により行い培地中に酵素を
生成蓄積させることが出来る。すなわち、これらの微生
物を適当な炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン類、微量
金属を含む培地中において、温度、pH等を制御しつつ
培養を行えばよい。炭素源としてはセロビオースを唯一
の炭素源とするほか、グルコース、シュークロース、澱
粉等を併用しても良い。窒素源としてはカゼイン、ペプ
トン、酵母エキス、大豆蛋白質加水分解物等の有機物、
あるいはリン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機物何れであっても良い。無機塩は硫酸マグネシウムや
リン酸1カリウム等である。培養は各微生物の最適条件
下で12時間〜3日程度通気攪拌培養すればよい。
【0018】菌体内に蓄積される酵素の場合、菌体その
ものを酵素源として使用することもできるが、必要によ
り菌体破砕を行い公知の方法で精製しても良い。酵素の
使用形態としては必ずしも精製して使用する必要はな
く、培養上清あるいは精製段階の標品など何れを用いて
も良い。又、酵素は遊離の状態で使用しても、可溶性あ
るいは不溶性の担体に固定化した状態で使用してもどち
らでも良い。
【0019】グルコース1リン酸の調製は、可溶性澱粉
にαーグルカンホスホリラーゼを作用させて行う。ここ
でグルコース1リン酸の収率を高めるには、予め可溶性
澱粉をαーアミラーゼで部分分解して非還元末端数を増
やし、加リン酸分解されやすい状態にしておくのが非常
に重要である。通常、αーアミラーゼを澱粉に対し0.
1〜2%添加し1〜12時間程度分解すれば十分であ
る。
【0020】反応条件は5〜20重量%の澱粉溶液とα
ーグルカンホスホリラーゼとをリン酸緩衝液下で反応さ
せる。pHと温度は本酵素の至適範囲内でコントロール
すれば良い。得られたグルコース1リン酸はこの状態の
まま使用しても差し支えないが、精製する場合は無機リ
ン酸を沈殿除去後陰イオン交換樹脂に吸着後、アルカリ
で溶出し、エタノールで析出させる。
【0021】このようにして得られたグルコース1リン
酸をグルコース供与体に、グルコースをグルコース受容
体として、セロビオースホスホリラーゼとセロデキスト
リンホスホリラーゼとを反応させてセロオリゴ糖を得
る。
【0022】基質はグルコース0.05〜0.5M、グ
ルコース1リン酸0.05〜0.5M、セロビオースホ
スホリラーゼ0.2〜5U/ml、セロデキストリンホ
スホリラーゼ0.1〜3U/mlの系で反応させる。ユ
ニットの定義は下に示すとおりである。
【0023】<セロビオースホスホリラーゼの活性測定
>本活性はグルコースにより阻害されるためグルコース
の代わりにキシロースを受容体として活性測定を実施し
た。試料50μl、250mMTris-Malate-NaOH緩衝液
50μl、50mMジチオトレイトール50μl、200
mMグルコース1リン酸を加えて200mlとし、37
℃で10分間プレインキュベートした後、2mMキシロ
ースを50μl加えて反応を開始した。15分の反応後
5%トリクロロ酢酸を750μl添加して反応停止させ
た。キシロースの代わりに水を用いて同様な操作を行い
ブランクとした。これらの反応液を遠心分離して得た上
清をFiskeーSabbarow法によりリン酸量を求めた。 1U:15分間に1μmolのリン酸を遊離させる酵素量
【0024】<セロデキストリンホスホリラーゼの活性
測定>本活性はセロビオースを受容体として活性測定を
実施した。試料50μl、5mMEDTA50μl、50
mMジチオトレイトール50μl、200mMグルコー
ス1リン酸を加えて200mlとし、37℃で10分間
プレインキュベートした後、100mMセロビオースを
50μl加えて反応を開始した。15分間の反応後5%
トリクロロ酢酸を750μl添加して反応停止させた。
キシロースの代わりに水を用いて同様な操作を行いブラ
ンクとした。これらの反応液を遠心分離して得た上清を
FiskeーSabbarow法によりリン酸量を求めた。 1U:15分間に1μmolのリン酸を遊離させる酵素量
【0025】<Fiske-Sabbarow法によるリン酸定量>試
料溶液に5N硫酸、還元試薬、3.3%モリブデン酸ア
ンモニウムの順に1mlずつ添加し、更に純水7mlを
加えて攪拌し室温で20分間放置後、720nmの吸光
度を測定した。リン酸量はリン酸1カリウムを用いた標
準曲線から算出した。 反応時間は反応条件により異なるが、6〜20時間程度
反応させれば十分である。反応終了後、セロオリゴ糖を
含む反応液を得ることが出来る。この反応液中には、少
量のグルコースが含有されているが、必要に応じて公知
の精製手段により、グルコースを除去しセロオリゴ糖の
みを得ることもできる。本発明方法によれば、煩雑な操
作や基質の前処理などを全くすること無しにセロオリゴ
糖を高収率で得ることが出来、副生成物も少ないので精
製操作が非常に簡単であるという特徴を有している。
【0026】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。下記の実施例におけるセロオリゴ糖の定量は高速液
体クロマトグラフィーを用い、ピーク面積から求めた。
すなわち、ポンプは日本分光社製880-PU、検出器は昭和
電工社製SE-61、カラムはRainin社製NH(4.6×250m
m)、溶媒はアセトニトリル:水=65:35、流速は1
ml/minで行った。
【0027】(実施例1)グルコース1リン酸の調製 グルコース1リン酸はポテトのα−グルカンホスホリラ
ーゼを用いて可溶性澱粉から調製した。α−グルカンホ
スホリラーゼは、0.01MKCN 150ml中にすりお
ろしたじゃがいも300gをミキサーで攪拌し、ガーゼ
で絞った後澱粉を沈殿させその上清を酵素溶液とした。
15%可溶性澱粉溶液にαアミラーゼ(天野製薬製:ア
ミラーゼA「アマノ」)を0.2%(対基質)添加し、
60℃、pH6、2時間反応させて部分消化した。上記
酵素溶液と15%澱粉溶液とをリン酸緩衝液(10m
M、pH6.7)中で室温下で16時間反応させた。反
応後加熱により酵素反応を止め、リン酸マグネシウムを
添加し、pHを8.4に調整し無機リン酸を沈殿させ
た。上清を陽イオン交換樹脂Dowex50(5×40c
m)に通し、過剰のマグネシウムイオンやアンモニウム
イオンを除去した後に、陰イオン吸着樹脂にDowex1
(2.5×45cm)に吸着させた。蒸留水で洗浄後5
%KOHで溶出し、98%エタノール2倍容を加えグル
コース1リン酸の結晶を析出させた。結晶はエタノー
ル、エーテルで洗浄し吸引乾燥した。
【0028】セロビオースホスホリラーゼ、セロデキス
トリンホスホリラーゼの調製 セロビオースホスホリラーゼ、セロデキストリンホスホ
リラーゼはClostridium thermocellumより取得した両
酵素の遺伝子を、大腸菌で発現させたものを用いた。セ
ロビオースホスホリラーゼをコードする遺伝子が導入さ
れた発現ベクターにはpBH4を、セロデキストリンホ
スホリラーゼをコードする遺伝子が導入された発現ベク
ターにはpTEH1を用い、これらを大腸菌で発現させ
る際の宿主にはDH5αを用いた。
【0029】コンピテントセルの調製 Hanahanの方法(Hanahan,D.:Techniques for Transform
ation of E.coli. In:DNA Cloning,vol1,Glover,D.M.(e
d),pp109-136,IRL Press,1985.)に準じて調製した。 形質転換 Cohenらの方法(Cohen,S.N.,Chang,A.C.and Hsu,l.:Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,69,2110(1973))に準じて行った。
形質転換後アンピシリン含有のLB寒天培地に塗布し、
pBH4を導入したものは30℃で24時間、pTEH
1を導入したものは37℃で16時間培養しコロニーを
形成させた。 セロビオースホスホリラーゼの調製 pBH4を導入した大腸菌のコロニーから2mlのアン
ピシリン含有2×TY培地(トリプトン:16g、酵母
エキス:10g、NaCl:5g/1L純水)に接種
し、30℃で24時間振とう培養培養した。培養液を集
菌洗浄後、0.1%2−メルカプトエタノールを含む5
0mMトリスー塩酸緩衝液(pH7.0)に懸濁した。
超音波処理により菌体を破砕後、遠心分離により菌体残
渣を除去し粗酵素液とした。 セロデキストリンホスホリラーゼの調製 pTEH1を導入した大腸菌のコロニーから2mlのア
ンピシリン含有2×TY培地に接種し、37℃で16時
間振とう培養培養した。培養液を集菌洗浄後、0.1%
2−メルカプトエタノールを含む50mMトリスー塩酸
緩衝液(pH7.2)に懸濁した。超音波処理により菌
体を破砕後、遠心分離により菌体残渣を除去し粗酵素液
とした。
【0030】以上のように調整したグルコース1リン
酸、セロビオースホスホリラーゼ及びセロデキストリン
ホスホリラーゼを用いてセロオリゴ糖の合成を行った。
グルコース 100mM、グルコース1リン酸 80m
M、DTT 10mM、EDTA 1mM、トリスー塩酸
緩衝液 25mM(pH7.0)、セロビオースホスホ
リラーゼ 1U/ml、セロデキストリンホスホリラー
ゼ 1U/mlを含む反応液を50℃で12時間反応さ
せた。反応生成物をHPLCにて分析したところ、セロ
オリゴ糖の組成は、セロビオース:30%、セロトリオ
ース:29%、セロテトラオース:19%、セロペンタ
オース:15%、セロヘキサオース:7%であり、可溶
性澱粉からのセロオリゴ糖収率は60%であった。
【0031】(実施例2)2個のカラム(1cm×5c
m)に多孔質セラミックを充填し、トリスー塩酸緩衝液
で洗浄し、各々カラム1,カラム2とした。カラム1に
実施例1で調製したセロビオースホスホリラーゼ溶液を
通液し、トリスー塩酸緩衝液(pH7.0)で洗浄し固
定化セロビオースホスホリラーゼとした。同様にカラム
2に実施例1で調製したセロデキストリンホスホリラー
ゼ溶液を通液し、トリスー塩酸緩衝液(pH7.2)で
洗浄し固定化セロデキストリンホスホリラーゼとした。
このカラムを直列に接続し、カラム1は50℃、カラム
2は50℃に保持し、2連型固定化酵素カラムリアクタ
ーを構築した。グルコース 100mM、グルコース1
リン酸 80mM、DTT 10mM、EDTA 1m
M、トリスー塩酸緩衝液 25mM(pH7.0)を含む
溶液を5ml/時間の流速でカラム1→カラム2→カラ
ム1の順で循環させ8時間反応させた。反応生成物をH
PLCにて分析したところ、セロオリゴ糖の組成は、セ
ロビオース:27%、セロトリオース:31%、セロテ
トラオース:20%、セロペンタオース:17%、セロ
ヘキサオース:5%であり、可溶性澱粉からのセロオリ
ゴ糖収率は72%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明によりセロオリゴ糖を低コストで
効率良く生産することが可能となり、従来大量生産技術
が確立されていないために用いることが出来なかった食
品分野をはじめとして、新素材としての用途が期待さ
れ、その工業的意義は極めて大きいと考えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性澱粉にαーグルカンホスホリラー
    ゼを作用させて、加リン酸分解反応によりグルコース1
    リン酸を生成し、得られたグルコース1リン酸をグルコ
    ース供与体にしてグルコース受容体としてのグルコース
    の存在下にセロビオースホスホリラーゼ及びセロデキス
    トリンホスホリラーゼを反応させることを特徴とするセ
    ロオリゴ糖の製造法。
  2. 【請求項2】 使用する可溶性澱粉が予めαーアミラー
    ゼを作用させて加リン酸分解され易い状態にしたもので
    あることを特徴とする請求項1記載のセロオリゴ糖の製
    造法。
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