JP2787689B2 - イソマルト−ス高含有粉末とその製造方法 - Google Patents
イソマルト−ス高含有粉末とその製造方法Info
- Publication number
- JP2787689B2 JP2787689B2 JP23286888A JP23286888A JP2787689B2 JP 2787689 B2 JP2787689 B2 JP 2787689B2 JP 23286888 A JP23286888 A JP 23286888A JP 23286888 A JP23286888 A JP 23286888A JP 2787689 B2 JP2787689 B2 JP 2787689B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- isomaltose
- sugar solution
- fraction
- isomaltdextrin
- per solid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Saccharide Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、イソマルトース高含有粉末とその製造方法
に関する。 イソマルトースは、醗酵食品などに微量存在している
低甘味の糖であって、グルコアミラーゼまたは酸触媒に
よるグルコースの逆合成反応、α−グルコシダーゼ(ト
ランスグルコシダーゼともいう。)によるマルトース又
はマルトデキストリンからのグルコース転移反応、デキ
ストランの部分加水分解反応などによって固形物当り10
〜25w/w%(特にことわらない限り、本明細書の%は固
形物当りw/w%を意味する。)程度生成することが知ら
れている。 近年、イソマルトースの還元生成物であるイソマルチ
トールが低カロリー、低う蝕性の甘味物であることが見
い出されたことにより、原料のイソマルトースを、より
高純度で大量、安価に供給しうる製造方法の確立が望ま
れている。 一方、イソマルトース自身も、難結晶性で保湿性を有
する甘味物として知られており、各種飲食物の製造用糖
質として幅広い利用が期待されているものの、従来、そ
の含有量は低く、しかも、液状品しか製造されておら
ず、その取扱い、使用上に大きな制限を受けている。従
って、より高純度のイソマルトース、とりわけ、イソマ
ルトース高含有粉末を大量、安価に供給し得る製造方法
の確立が鶴首されている。 本発明者等は、イソマルトース高含有粉末とその大量
生産方法について鋭意研究した。 その結果、原料の糖液として、7%以上のイソマルト
ースとともにイソマルトデキストリンを含有する糖液
(以下、単に原糖液と言う。)を、アルカリ金属型また
はアルカリ土類金属型強酸性カオチン交換樹脂を充填し
たカラムに流し、次いで水で溶出して、グルコース重合
度が3以上のイソマルトシル残基を有する少糖類(本明
細書では、単に、イソマルトデキストリンと言う。)高
含有画分、イソマルトデキストリン・イソマルトース高
含有画分、イソマルトース高含有画分、イソマルトース
・グルコース高含有画分及びグルコース高含有画分の順
に分画し、イソマルトース高含有画分を採取し、これを
乾燥することにより、イソマルトース高含有粉末が大量
製造しうることを見いだし、本発明を完成した。 また、原糖液をカラムに流して分画するに際し、既に
得られているイソマルトデキストリン・イソマルトース
高含有画分及びイソマルトース・グルコース高含有画分
とともに流して分画し、イソマルトース高含有画分を採
取し、その前後に得られるイソマルトデキストリン・イ
ソマルトース高含有画分及びイソマルトース・グルコー
ス高含有画分を更に次回の原糖液とともに流す方式を採
用することにより、目的とするイソマルトース高含有画
分を高濃度、高収率で安定して採取し、これを乾燥する
ことにり、イソマルトース高含有粉末を工業的に、安価
に大量製造し得ることを見いだし、本発明を完成した。 イソマルトース高含有粉末とその製造方法の確立は本
発明をもって、嚆矢とする。 本発明に用いる原糖液は、固形物当り7%以上のイソ
マルトースとともにイソマルトデキストリンを含有し、
本発明の方法によってイソマルトース高含有粉末が高収
率で採取できるものであればよく、例えばグルコアミラ
ーゼ(EC3.2.1.3)または酸触媒によるグルコース逆合
成生成物、α−グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)によるグ
ルコース転移生成物、デキストランの部分加水分解物な
どであって、固形物当り7〜25.5%のイソマルトースを
含有する糖液が望ましい。 原糖液の調製に際し、グルコアミラーゼの場合にはグ
ルコースのみならず、マルトース、マルトトリオース、
水飴、デキストリンなどの澱粉部分加水分解物を、通
常、40〜80%程度の高濃度水溶液に作用させれば、グル
コアミラーゼの作用により、イソマルトースのほか、イ
ソマルトトリオース、パノース、イソマルトテトラオー
スなどのイソマルトデキストリンが生成する。 また、α−グルコシダーゼの場合には、マルトース、
マルトトリオース、水飴、デキストリンなどの澱粉部分
加水分解物を、通常、10〜70%程度の糖液に作用させれ
ば、α−グルコシダーゼの作用により、イソマルトース
のほか、イソマルトトリオース、パノース、イソマルト
テトラオース、イソマルトシルマルトースなどのイソマ
ルトデキストリンが生成する。この際、必要ならば、更
にグルコアミラーゼなどを作用させて、共存している未
反応の澱粉部分加水分解物を分解して原糖液とすること
もできる。また、原糖液がデキストランの加水の分解物
の場合には、例えば、10〜50%程度のデキストラン水溶
液に酸を作用させた後中和するか、又はデキストラナー
ゼ(EC3.2.1.11)又はイソマルトデキストラナーゼ(EC
3.2.1.94)などを作用させれば容易に調製できる。 また、本発明で使用されるアルカリ金属型またはアル
カリ土類金属型強酸性カオチン交換樹脂には、例えば、
スルホン酸基を結合したスチレン−ジビニルベンゼン架
橋共重合体樹脂のNa+型、K+型などのアルカリ金属塩型
またはCa++型、Mg++型などのアルカリ土類金属塩型の1
種または2種以上が適宜使用され、市販品としては、例
えば、ダウケミカル社製造の商品名ダウエックス50W×
2、ダウエックス50W×4、ダウエックス50W×8、ロー
ム&ハース社製造の商品名アンバーライトCG−120、東
京有機化学工業社製品の商品名XT−1022E、三菱化成工
業社製品の商品名ダイヤイオンSK 1B、ダイヤイオンSK
102、ダイヤイオンSK 104などがある。これらの樹脂
は、イソマルトース高含有画分の分画に優れているだれ
でなく、耐熱性、耐摩耗性にも優れ、本発明のイソマル
トース高含有粉末の大量生産に極めて有利である。 本発明では、通常、0.01〜0.5mm程度の粒径の樹脂を
カラムに充填して使用すればよい。カラム内に充填する
樹脂層の長さは、全長で7m以上が望ましく、この際1本
のカラムで7m以上にしても、また2本以上のカラムを直
列に連結して7m以上にしてもよい。 また、必要ならば、7m以下の樹脂層であっても、得ら
れた溶出分画液を溶出順に再度同じ樹脂層に繰り返し流
すことによって、目的とするイソマルトース高含有画分
を分離採取するまでに、原糖液が実質的に樹脂層長7m以
上と接触する方式を採用してもよい。カラムの材質、形
状は本発明の目的を達する限り自由に選択できる。その
材質は、例えば、ガラス、プラスチック、ステンレスな
どが利用でき、その形状は充填した樹脂層内を液ができ
るだけ層流になる。例えば、円筒状、角柱状などが適宜
利用できる。 以下、本発明の実施方法をより具体的に述べる。アル
カリ金属型またはアルカリ土類金属型強酸性カオチン交
換樹脂を水に懸濁してからカラムに充填して、その樹脂
層の全長が通常7m以上になるようにし、このカラムの温
度を通常45〜85℃に維持しつつ、これに濃度約10〜70w/
w%の原糖液を樹脂に対して約1〜60v/v%加え、これに
水をSV約0.1〜2.0の流速で上昇法または下降法により流
して溶出し、原糖液をイソマルトデキストリン高含有画
分、イソマルトデキストリン・イソマルトース高含有画
分、イソマルトース高含有画分、イソマルトース・グル
コース高含有画分、及びグルコース高含有画分の順にな
るように複数の画分、通常5乃至100、望ましくは5乃
至30画分に分画し、イソマルトース高含有画分を採取す
ればよい。 この際、溶出液の採取は、通常、使用樹脂に対して約
1〜20v/v%毎に行なわれるが、これを自動化し前記画
分に振り分けることも容易である。 また、原糖液をカラムに流して分画するに際し、既に
得られているイソマルトデキストリン・イソマルトース
と高含有画分及びイソマルトース・グルコース高含有画
分を原糖液の前後に、または原糖液とともに流すことに
より、分画に要する使用水量を減少させ原糖液中のイソ
マルトースを高含有、高濃度、高回収率で採取できるの
で好都合である。 一般には、既に得られているイソマルトデキストリン
・イソマルトース高含有画分を流した後に原糖液を流
し、次いで既に得られているイソマルトース・グルコス
高含有画分を流すという順序を採用するのが好ましい。
また、本発明で使用される分画法は、固定床方式、移動
床方式、疑似移動床方式のいずれであってもよい。この
ようにして分画し、採取されたイソマルトース高含有画
分をそのまま乾燥、粉末化して用いることもできるが、
必要ならば、常法に従って、例えば、濾過、脱色、脱
塩、精製した後、例えば濃縮してシラップとするか、さ
らに墳霧乾燥して粉末を採取することも自由である。 このようにして製造されるイソマルトース高含有粉末
は、イソマルトースとともにイソマルトデキストリンを
含有しており、取扱い容易で、使用上の制限がなく、甘
味剤、保湿剤、粘調剤、照付与剤、老化防止剤、増量
剤、賦形剤などとして、各種飲食物、化粧品、医薬等に
有利に用いられる他、イソマルチトール高含有物の原料
としても有利に用いられる。 以下、実験で詳細に説明する。 実験得1.原糖液の比較 グルコースを濃度60w/w%水溶液とし、これに特開昭5
5−124494号公報に開示される方法で固定化したグルコ
アミラーゼを加え50℃、pH4.8で逆合成反応を起させ
た。 この反応液を経時的にサンプリングした後、45w/w%
に希釈して本実験の原糖液とした。角原糖液の糖組成
は、第1表に示した。 樹脂は、アルカリ金属型強酸性カオチン交換樹脂(ダ
ウケミカル社製造、商品名ダウエックス50W×4、Na
+型)を使用し、これを水懸濁液として内径5.4cmのジャ
ケット付ステンレス製カラム1本に樹脂層長が10mにな
るように充填した。カラム内温度を75℃に維持しつつ、
原糖液を樹脂に対して5v/v%加え、これに75℃の温水を
SV 0.2の流速で流して分画し、イソマルトース含有量4
0%以上のイソマルトース高含有画分を採取した。 結果は、第2表に示した。 第2表の結果から明らかなように、原糖液はその糖組
成をイソマルトース含有量7%以上、とりわけ7〜25.5
%にすれば、イソマルトース含有量40%以上のイソマル
トース高含有画分中にイソマルトースが原糖液イソマル
トースに対して70%以上の高収率で採取できることが判
明した。 以下、参考例としてイソマルトース高含有シラップの
製造例を、実施例としてイソマルトース高含有粉末の製
造例を述べる。 参考例 1 実験1に示した方法で調製したイソマルトース含有量
25.5%のグルコース逆合成生成物(濃度45w/w%)を原
糖液とした。樹脂は、アルカリ金属型強酸性カオチン交
換樹脂(東京有機化学工業社製造、商品名XT−1022E、N
a+型)を使用し、内径5.4cmのジャケット付ステンレス
製カラムに水懸濁液状で充填した。この際、樹脂層長5m
のカラム4本に充填し、その液が直列に流れるようにカ
ラム4本を連結して全樹脂層長を20mとした。 カラム内温度を75℃に維持しつつ、原糖液を樹脂に対
して5v/v%加え、これに75℃の温水をSV 0.13の流速で
流して分画し、イソマルトース含有量40%以上のイソマ
ルトース高含有画分を採取した。このイソマルトース高
含有画分には、イソマルトースが233g含まれ、原糖液中
のイソマルトースに対して75.1%の高収率であった。本
画分を、常法に従って脱色、脱塩精製し、水分15%のシ
ラップ580gを得た。 本品には、イソマルトース46.4%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリンを43.0%含有していた。 参考例 2 デキストランを1規定硫酸に20%になるように溶解
し、100℃で60分間保った後、6規定カセイソーダ液で
中和し、次いでH型及びOH型イオン交換樹脂で脱塩精製
し、濃縮して濃度60w/w%、イソマルトース12.2%を含
有する原糖液を調製した。 樹脂は、参考例1に用いたものをK+型に変えた後使用
し内径6.2cmのジャケット付ステンレス製カラム1本に
樹脂層長が10mになるように充填した。 カラム内温度を60℃に維持しつつ、原糖液を樹脂に対
して3v/v%加え、これに60℃の温水をSV 0.2の流速で
流して分画し、イソマルトース含有量40%以上のイソマ
ルトース高含有画分にはイソマルトースが66.0g含ま
れ、原糖液中のイソマルトースに対して79.1%の高収率
であった。本画分を参考例1と同様に精製、濃縮して水
分15%のシラップ170gを得た。 本品には、イソマルトース43.2%、イソマルトトリオ
ース、イソマルトテトラオースなどのイソマルトデキス
トリンを48.6%含有していた。 実施例 1 水飴を濃度45w/w%水溶液とし、これに実験の方法で
調製した固定化グルコアミラーゼを加えて50℃、pH4.8
で加水分解し、逆合成反応を起させ、イソマルトース1
6.5gを含有する原糖液を得た。樹脂は、アルカリ土類金
属型強酸性カオチン交換樹脂(ダウケミカル社製造、商
品名ダウエックス50W×4、Mg++型)を使用し、参考例
1と同じカラムに全樹脂層長が15mになるように充填し
た。カラム内温度を55℃に維持しつつ原糖液を樹脂に対
して6.6v/v%加え、これに55℃の温水をSV 0.13の流速
で流して分画し、イソマルトース含有量40%以上のイソ
マルトース高含有画分を採取した。このイソマルトース
高含有画分にはイソマルトースが156g含まれ、原糖液中
のイソマルトースに対して78.1%の高収率であった。本
画分を参考例1と同様に精製、濃縮した後、減圧乾燥、
粉砕して、水分1%以下の粉末320gを得た。 本品には、イソマルトース47.7%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリンを20.3%含有していた。 実施例 2 実験1に示した方法で調製したイソマルトース含有量
25.5%のグルコースを逆合成生成物(濃度45w/w%)を
原糖液とした。 まず、第1回目の分画に際して、原糖液を樹脂に対し
て20v/v%使用した以外は参考例1と同様にして分画し
た。分画品の溶出パターンを第1図に示した。 第1図で、Aはイソマルトデキストリン高含有画分を
示し、Bはイソマルトデキストリン・イソマルトース高
含有画分を示し、Cはイソマルトース高含有画分を示
し、Dはイソマルトース・グルコース高含有画分を示
し、Eはグルコース高含有画分を示す。その溶出順序は
A、B、C、D、Eの順であった。 分画品C(イソマルトース高含有画分)は採取し、分
画品A及びEは除去した。 第2回目以降の分画は同じカラムに分画品B、次い
で、樹脂に対して約10v/v%の原糖液、分画品Dの順に
加え、更に75℃の温水を参考例1と同様に流してイソマ
ルトース50%以上を含有するイソマルトース高含有画分
を採取した。 第2回目以降の分画操作を延べ50回繰り返して1回当
りの平均結果を求めたところ、イソマルトース高含有画
分にはイソマルトースが519g含まれ、原糖液中のイソマ
ルトースに対して83.7%の高収率であった。本画分50回
分を集め実施例1と同様に処理して粉末43kgを得た。 本品には、イソマルトース58.4%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリン29.3%を含有していた。 なお、前記方法で系外に除去した分画品A及びEを集
めて濃度約60w/w%に濃縮し、これに固定化グルコアミ
ラーゼを作用させたところ、原糖液とほぼ同じ糖組成に
なり、原糖液として使用しうることが判明した。この方
法を採用することにより、原料のグルコースは、高純度
イソマルトースに実質的に完全に変換しうることが判明
した。 実施例 3 実験1に示した方法で調製したイソマルトース含有量
25.5%のグルコース逆合成生成物(濃度60w/w%)を原
糖液とした。 樹脂は、アルカリ土類金属型強酸性カチオン交換樹脂
(ローム&ハース社製造、商品名アンバーライトCG−12
0、Ca++型)を使用し、実施例1で使用したカラムに、
全樹脂層長が10mになるように充填した。カラム内温度
を80℃に維持しつつ原糖液を樹脂に対して第1回目の分
画に際しては15v/v%加え、これに80℃の温水をSV 0.6
の流速で流して分画し、実施例2の場合と同様に図に示
される分画パターンを得た。 分画品C(イソマルトース高含有画分)は採取した。
分画品A及びEは集めて濃度60w/w%に濃縮し、固定化
グルコアミラーゼを作用させ、原糖液の糖組成とほぼ同
程度にして原糖液に戻した。 第2回目以降の分画は、同じカラムに分画品B、次い
で樹脂に対して約7v/v%の原糖液、分画品Dの順に加
え、更に80℃の温水をSV 0.6の流速で流してイソマル
トース含有量60%以上のイソマルトース高含有画分を採
取した。 本実施例の工程を第2図に示した。第2図における
A、B、C、D及びEは、第1図と同様に溶出パターン
の各画分を示す。Gはグルコースを、GAはグルコアミラ
ーゼによる反応を、Sは原糖液を、Rは樹脂による分画
を、Vは濃縮を、Pはイソマルトス高含有粉末製品を示
す。 第2回目以降の分画製作を延べ200回繰り返して、1
回当りの平均結果を求めたところ、イソマルトース高含
有画分には、イソマルトースが256g含まれ、原糖液中の
イソマルトースに対して83.4%の高収率であった。本画
分200回分を集め、実施例1と同様に処理して粉末77kg
を得た。 本品には、イソマルトース65.3%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリン22.7%を含有していた。
に関する。 イソマルトースは、醗酵食品などに微量存在している
低甘味の糖であって、グルコアミラーゼまたは酸触媒に
よるグルコースの逆合成反応、α−グルコシダーゼ(ト
ランスグルコシダーゼともいう。)によるマルトース又
はマルトデキストリンからのグルコース転移反応、デキ
ストランの部分加水分解反応などによって固形物当り10
〜25w/w%(特にことわらない限り、本明細書の%は固
形物当りw/w%を意味する。)程度生成することが知ら
れている。 近年、イソマルトースの還元生成物であるイソマルチ
トールが低カロリー、低う蝕性の甘味物であることが見
い出されたことにより、原料のイソマルトースを、より
高純度で大量、安価に供給しうる製造方法の確立が望ま
れている。 一方、イソマルトース自身も、難結晶性で保湿性を有
する甘味物として知られており、各種飲食物の製造用糖
質として幅広い利用が期待されているものの、従来、そ
の含有量は低く、しかも、液状品しか製造されておら
ず、その取扱い、使用上に大きな制限を受けている。従
って、より高純度のイソマルトース、とりわけ、イソマ
ルトース高含有粉末を大量、安価に供給し得る製造方法
の確立が鶴首されている。 本発明者等は、イソマルトース高含有粉末とその大量
生産方法について鋭意研究した。 その結果、原料の糖液として、7%以上のイソマルト
ースとともにイソマルトデキストリンを含有する糖液
(以下、単に原糖液と言う。)を、アルカリ金属型また
はアルカリ土類金属型強酸性カオチン交換樹脂を充填し
たカラムに流し、次いで水で溶出して、グルコース重合
度が3以上のイソマルトシル残基を有する少糖類(本明
細書では、単に、イソマルトデキストリンと言う。)高
含有画分、イソマルトデキストリン・イソマルトース高
含有画分、イソマルトース高含有画分、イソマルトース
・グルコース高含有画分及びグルコース高含有画分の順
に分画し、イソマルトース高含有画分を採取し、これを
乾燥することにより、イソマルトース高含有粉末が大量
製造しうることを見いだし、本発明を完成した。 また、原糖液をカラムに流して分画するに際し、既に
得られているイソマルトデキストリン・イソマルトース
高含有画分及びイソマルトース・グルコース高含有画分
とともに流して分画し、イソマルトース高含有画分を採
取し、その前後に得られるイソマルトデキストリン・イ
ソマルトース高含有画分及びイソマルトース・グルコー
ス高含有画分を更に次回の原糖液とともに流す方式を採
用することにより、目的とするイソマルトース高含有画
分を高濃度、高収率で安定して採取し、これを乾燥する
ことにり、イソマルトース高含有粉末を工業的に、安価
に大量製造し得ることを見いだし、本発明を完成した。 イソマルトース高含有粉末とその製造方法の確立は本
発明をもって、嚆矢とする。 本発明に用いる原糖液は、固形物当り7%以上のイソ
マルトースとともにイソマルトデキストリンを含有し、
本発明の方法によってイソマルトース高含有粉末が高収
率で採取できるものであればよく、例えばグルコアミラ
ーゼ(EC3.2.1.3)または酸触媒によるグルコース逆合
成生成物、α−グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)によるグ
ルコース転移生成物、デキストランの部分加水分解物な
どであって、固形物当り7〜25.5%のイソマルトースを
含有する糖液が望ましい。 原糖液の調製に際し、グルコアミラーゼの場合にはグ
ルコースのみならず、マルトース、マルトトリオース、
水飴、デキストリンなどの澱粉部分加水分解物を、通
常、40〜80%程度の高濃度水溶液に作用させれば、グル
コアミラーゼの作用により、イソマルトースのほか、イ
ソマルトトリオース、パノース、イソマルトテトラオー
スなどのイソマルトデキストリンが生成する。 また、α−グルコシダーゼの場合には、マルトース、
マルトトリオース、水飴、デキストリンなどの澱粉部分
加水分解物を、通常、10〜70%程度の糖液に作用させれ
ば、α−グルコシダーゼの作用により、イソマルトース
のほか、イソマルトトリオース、パノース、イソマルト
テトラオース、イソマルトシルマルトースなどのイソマ
ルトデキストリンが生成する。この際、必要ならば、更
にグルコアミラーゼなどを作用させて、共存している未
反応の澱粉部分加水分解物を分解して原糖液とすること
もできる。また、原糖液がデキストランの加水の分解物
の場合には、例えば、10〜50%程度のデキストラン水溶
液に酸を作用させた後中和するか、又はデキストラナー
ゼ(EC3.2.1.11)又はイソマルトデキストラナーゼ(EC
3.2.1.94)などを作用させれば容易に調製できる。 また、本発明で使用されるアルカリ金属型またはアル
カリ土類金属型強酸性カオチン交換樹脂には、例えば、
スルホン酸基を結合したスチレン−ジビニルベンゼン架
橋共重合体樹脂のNa+型、K+型などのアルカリ金属塩型
またはCa++型、Mg++型などのアルカリ土類金属塩型の1
種または2種以上が適宜使用され、市販品としては、例
えば、ダウケミカル社製造の商品名ダウエックス50W×
2、ダウエックス50W×4、ダウエックス50W×8、ロー
ム&ハース社製造の商品名アンバーライトCG−120、東
京有機化学工業社製品の商品名XT−1022E、三菱化成工
業社製品の商品名ダイヤイオンSK 1B、ダイヤイオンSK
102、ダイヤイオンSK 104などがある。これらの樹脂
は、イソマルトース高含有画分の分画に優れているだれ
でなく、耐熱性、耐摩耗性にも優れ、本発明のイソマル
トース高含有粉末の大量生産に極めて有利である。 本発明では、通常、0.01〜0.5mm程度の粒径の樹脂を
カラムに充填して使用すればよい。カラム内に充填する
樹脂層の長さは、全長で7m以上が望ましく、この際1本
のカラムで7m以上にしても、また2本以上のカラムを直
列に連結して7m以上にしてもよい。 また、必要ならば、7m以下の樹脂層であっても、得ら
れた溶出分画液を溶出順に再度同じ樹脂層に繰り返し流
すことによって、目的とするイソマルトース高含有画分
を分離採取するまでに、原糖液が実質的に樹脂層長7m以
上と接触する方式を採用してもよい。カラムの材質、形
状は本発明の目的を達する限り自由に選択できる。その
材質は、例えば、ガラス、プラスチック、ステンレスな
どが利用でき、その形状は充填した樹脂層内を液ができ
るだけ層流になる。例えば、円筒状、角柱状などが適宜
利用できる。 以下、本発明の実施方法をより具体的に述べる。アル
カリ金属型またはアルカリ土類金属型強酸性カオチン交
換樹脂を水に懸濁してからカラムに充填して、その樹脂
層の全長が通常7m以上になるようにし、このカラムの温
度を通常45〜85℃に維持しつつ、これに濃度約10〜70w/
w%の原糖液を樹脂に対して約1〜60v/v%加え、これに
水をSV約0.1〜2.0の流速で上昇法または下降法により流
して溶出し、原糖液をイソマルトデキストリン高含有画
分、イソマルトデキストリン・イソマルトース高含有画
分、イソマルトース高含有画分、イソマルトース・グル
コース高含有画分、及びグルコース高含有画分の順にな
るように複数の画分、通常5乃至100、望ましくは5乃
至30画分に分画し、イソマルトース高含有画分を採取す
ればよい。 この際、溶出液の採取は、通常、使用樹脂に対して約
1〜20v/v%毎に行なわれるが、これを自動化し前記画
分に振り分けることも容易である。 また、原糖液をカラムに流して分画するに際し、既に
得られているイソマルトデキストリン・イソマルトース
と高含有画分及びイソマルトース・グルコース高含有画
分を原糖液の前後に、または原糖液とともに流すことに
より、分画に要する使用水量を減少させ原糖液中のイソ
マルトースを高含有、高濃度、高回収率で採取できるの
で好都合である。 一般には、既に得られているイソマルトデキストリン
・イソマルトース高含有画分を流した後に原糖液を流
し、次いで既に得られているイソマルトース・グルコス
高含有画分を流すという順序を採用するのが好ましい。
また、本発明で使用される分画法は、固定床方式、移動
床方式、疑似移動床方式のいずれであってもよい。この
ようにして分画し、採取されたイソマルトース高含有画
分をそのまま乾燥、粉末化して用いることもできるが、
必要ならば、常法に従って、例えば、濾過、脱色、脱
塩、精製した後、例えば濃縮してシラップとするか、さ
らに墳霧乾燥して粉末を採取することも自由である。 このようにして製造されるイソマルトース高含有粉末
は、イソマルトースとともにイソマルトデキストリンを
含有しており、取扱い容易で、使用上の制限がなく、甘
味剤、保湿剤、粘調剤、照付与剤、老化防止剤、増量
剤、賦形剤などとして、各種飲食物、化粧品、医薬等に
有利に用いられる他、イソマルチトール高含有物の原料
としても有利に用いられる。 以下、実験で詳細に説明する。 実験得1.原糖液の比較 グルコースを濃度60w/w%水溶液とし、これに特開昭5
5−124494号公報に開示される方法で固定化したグルコ
アミラーゼを加え50℃、pH4.8で逆合成反応を起させ
た。 この反応液を経時的にサンプリングした後、45w/w%
に希釈して本実験の原糖液とした。角原糖液の糖組成
は、第1表に示した。 樹脂は、アルカリ金属型強酸性カオチン交換樹脂(ダ
ウケミカル社製造、商品名ダウエックス50W×4、Na
+型)を使用し、これを水懸濁液として内径5.4cmのジャ
ケット付ステンレス製カラム1本に樹脂層長が10mにな
るように充填した。カラム内温度を75℃に維持しつつ、
原糖液を樹脂に対して5v/v%加え、これに75℃の温水を
SV 0.2の流速で流して分画し、イソマルトース含有量4
0%以上のイソマルトース高含有画分を採取した。 結果は、第2表に示した。 第2表の結果から明らかなように、原糖液はその糖組
成をイソマルトース含有量7%以上、とりわけ7〜25.5
%にすれば、イソマルトース含有量40%以上のイソマル
トース高含有画分中にイソマルトースが原糖液イソマル
トースに対して70%以上の高収率で採取できることが判
明した。 以下、参考例としてイソマルトース高含有シラップの
製造例を、実施例としてイソマルトース高含有粉末の製
造例を述べる。 参考例 1 実験1に示した方法で調製したイソマルトース含有量
25.5%のグルコース逆合成生成物(濃度45w/w%)を原
糖液とした。樹脂は、アルカリ金属型強酸性カオチン交
換樹脂(東京有機化学工業社製造、商品名XT−1022E、N
a+型)を使用し、内径5.4cmのジャケット付ステンレス
製カラムに水懸濁液状で充填した。この際、樹脂層長5m
のカラム4本に充填し、その液が直列に流れるようにカ
ラム4本を連結して全樹脂層長を20mとした。 カラム内温度を75℃に維持しつつ、原糖液を樹脂に対
して5v/v%加え、これに75℃の温水をSV 0.13の流速で
流して分画し、イソマルトース含有量40%以上のイソマ
ルトース高含有画分を採取した。このイソマルトース高
含有画分には、イソマルトースが233g含まれ、原糖液中
のイソマルトースに対して75.1%の高収率であった。本
画分を、常法に従って脱色、脱塩精製し、水分15%のシ
ラップ580gを得た。 本品には、イソマルトース46.4%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリンを43.0%含有していた。 参考例 2 デキストランを1規定硫酸に20%になるように溶解
し、100℃で60分間保った後、6規定カセイソーダ液で
中和し、次いでH型及びOH型イオン交換樹脂で脱塩精製
し、濃縮して濃度60w/w%、イソマルトース12.2%を含
有する原糖液を調製した。 樹脂は、参考例1に用いたものをK+型に変えた後使用
し内径6.2cmのジャケット付ステンレス製カラム1本に
樹脂層長が10mになるように充填した。 カラム内温度を60℃に維持しつつ、原糖液を樹脂に対
して3v/v%加え、これに60℃の温水をSV 0.2の流速で
流して分画し、イソマルトース含有量40%以上のイソマ
ルトース高含有画分にはイソマルトースが66.0g含ま
れ、原糖液中のイソマルトースに対して79.1%の高収率
であった。本画分を参考例1と同様に精製、濃縮して水
分15%のシラップ170gを得た。 本品には、イソマルトース43.2%、イソマルトトリオ
ース、イソマルトテトラオースなどのイソマルトデキス
トリンを48.6%含有していた。 実施例 1 水飴を濃度45w/w%水溶液とし、これに実験の方法で
調製した固定化グルコアミラーゼを加えて50℃、pH4.8
で加水分解し、逆合成反応を起させ、イソマルトース1
6.5gを含有する原糖液を得た。樹脂は、アルカリ土類金
属型強酸性カオチン交換樹脂(ダウケミカル社製造、商
品名ダウエックス50W×4、Mg++型)を使用し、参考例
1と同じカラムに全樹脂層長が15mになるように充填し
た。カラム内温度を55℃に維持しつつ原糖液を樹脂に対
して6.6v/v%加え、これに55℃の温水をSV 0.13の流速
で流して分画し、イソマルトース含有量40%以上のイソ
マルトース高含有画分を採取した。このイソマルトース
高含有画分にはイソマルトースが156g含まれ、原糖液中
のイソマルトースに対して78.1%の高収率であった。本
画分を参考例1と同様に精製、濃縮した後、減圧乾燥、
粉砕して、水分1%以下の粉末320gを得た。 本品には、イソマルトース47.7%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリンを20.3%含有していた。 実施例 2 実験1に示した方法で調製したイソマルトース含有量
25.5%のグルコースを逆合成生成物(濃度45w/w%)を
原糖液とした。 まず、第1回目の分画に際して、原糖液を樹脂に対し
て20v/v%使用した以外は参考例1と同様にして分画し
た。分画品の溶出パターンを第1図に示した。 第1図で、Aはイソマルトデキストリン高含有画分を
示し、Bはイソマルトデキストリン・イソマルトース高
含有画分を示し、Cはイソマルトース高含有画分を示
し、Dはイソマルトース・グルコース高含有画分を示
し、Eはグルコース高含有画分を示す。その溶出順序は
A、B、C、D、Eの順であった。 分画品C(イソマルトース高含有画分)は採取し、分
画品A及びEは除去した。 第2回目以降の分画は同じカラムに分画品B、次い
で、樹脂に対して約10v/v%の原糖液、分画品Dの順に
加え、更に75℃の温水を参考例1と同様に流してイソマ
ルトース50%以上を含有するイソマルトース高含有画分
を採取した。 第2回目以降の分画操作を延べ50回繰り返して1回当
りの平均結果を求めたところ、イソマルトース高含有画
分にはイソマルトースが519g含まれ、原糖液中のイソマ
ルトースに対して83.7%の高収率であった。本画分50回
分を集め実施例1と同様に処理して粉末43kgを得た。 本品には、イソマルトース58.4%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリン29.3%を含有していた。 なお、前記方法で系外に除去した分画品A及びEを集
めて濃度約60w/w%に濃縮し、これに固定化グルコアミ
ラーゼを作用させたところ、原糖液とほぼ同じ糖組成に
なり、原糖液として使用しうることが判明した。この方
法を採用することにより、原料のグルコースは、高純度
イソマルトースに実質的に完全に変換しうることが判明
した。 実施例 3 実験1に示した方法で調製したイソマルトース含有量
25.5%のグルコース逆合成生成物(濃度60w/w%)を原
糖液とした。 樹脂は、アルカリ土類金属型強酸性カチオン交換樹脂
(ローム&ハース社製造、商品名アンバーライトCG−12
0、Ca++型)を使用し、実施例1で使用したカラムに、
全樹脂層長が10mになるように充填した。カラム内温度
を80℃に維持しつつ原糖液を樹脂に対して第1回目の分
画に際しては15v/v%加え、これに80℃の温水をSV 0.6
の流速で流して分画し、実施例2の場合と同様に図に示
される分画パターンを得た。 分画品C(イソマルトース高含有画分)は採取した。
分画品A及びEは集めて濃度60w/w%に濃縮し、固定化
グルコアミラーゼを作用させ、原糖液の糖組成とほぼ同
程度にして原糖液に戻した。 第2回目以降の分画は、同じカラムに分画品B、次い
で樹脂に対して約7v/v%の原糖液、分画品Dの順に加
え、更に80℃の温水をSV 0.6の流速で流してイソマル
トース含有量60%以上のイソマルトース高含有画分を採
取した。 本実施例の工程を第2図に示した。第2図における
A、B、C、D及びEは、第1図と同様に溶出パターン
の各画分を示す。Gはグルコースを、GAはグルコアミラ
ーゼによる反応を、Sは原糖液を、Rは樹脂による分画
を、Vは濃縮を、Pはイソマルトス高含有粉末製品を示
す。 第2回目以降の分画製作を延べ200回繰り返して、1
回当りの平均結果を求めたところ、イソマルトース高含
有画分には、イソマルトースが256g含まれ、原糖液中の
イソマルトースに対して83.4%の高収率であった。本画
分200回分を集め、実施例1と同様に処理して粉末77kg
を得た。 本品には、イソマルトース65.3%、イソマルトトリオ
ース、パノース、イソマルトテトラオースなどのイソマ
ルトデキストリン22.7%を含有していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は原糖液の溶出パターンの一例を示す図である。
図中の記号Aはイソマルトデキストリン高含有画分、B
はイソマルトデキストリン・イソマルトース高含有画
分、Cはイソマルトース高含有画分、Dはイソマルトー
ス・グルコース高含有画分、及びEはグルコース高含有
画分を示す。 第2図は、グルコースからイソマルトース高含有粉末を
製造する工程の一例を示す図である。 図中の記号A、B、C、D及びEは、第1図と同様に溶
出パターンの各画分を示す、Gはグルコースを、GAはグ
ルコアミラーゼによる反応を、Sは原糖液を、Rは樹脂
による分画を、Vは濃縮を、Pはイソマルトース高含有
粉末製品を示す。
図中の記号Aはイソマルトデキストリン高含有画分、B
はイソマルトデキストリン・イソマルトース高含有画
分、Cはイソマルトース高含有画分、Dはイソマルトー
ス・グルコース高含有画分、及びEはグルコース高含有
画分を示す。 第2図は、グルコースからイソマルトース高含有粉末を
製造する工程の一例を示す図である。 図中の記号A、B、C、D及びEは、第1図と同様に溶
出パターンの各画分を示す、Gはグルコースを、GAはグ
ルコアミラーゼによる反応を、Sは原糖液を、Rは樹脂
による分画を、Vは濃縮を、Pはイソマルトース高含有
粉末製品を示す。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.固形物当り7%以上のイソマルトースとともにイソ
マルトデキストリンを含有する糖液を、アルカリ金属型
またはアルカリ土類金属型強酸性カチオン交換樹脂を充
填したカラムに流し、次いで水で溶出してイソマルトー
ス高含有画分を採取し、これを乾燥せしめて得られるイ
ソマルトースとともに固形物当り20%以上のイソマルト
デキストリンを含有することを特徴とするイソマルトー
ス高含有粉末。 2.イソマルトース高含有画分を採取するに際し、固形
物当り7%以上のイソマルトースとともにイソマルトデ
キストリンを含有する糖液をアルカリ金属型またはアル
カリ土類金属型強酸性カオチン交換樹脂を全長で7m以上
に充填したカラムに流し、次いで水で溶出してイソマル
トース高含有画分を採取し、これを乾燥せしめたことを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載のイソマルトース
高含有粉末。 3.固形物当り7%以上のイソマルトースとともにイソ
マルトデキストリンを含有する糖液が、グルコアミラー
ゼによるグルコース逆合成生成物、α−グルコシダーゼ
によるグルコース転移生成物またはデキストランの部分
加水分解物を用いることを特徴とする特許請求の範囲第
1項記載のイソマルトース高含有粉末。 4.固形物当り7%以上のイソマルトースとともにイソ
マルトデキストリンを含有する糖液を、アルカリ金属型
またはアルカリ土類金属型強酸性カオチン交換樹脂を充
填したカラムに流し、次いで水で溶出してイソマルトー
ス高含有画分を採取し、これを乾燥してイソマルトース
とともに固形物当り20%以上のイソマルトデキストリン
を含有するイソマルトース高含有粉末を得ることを特徴
とするイソマルトース高含有粉末の製造方法。 5.固形物当り7%以上のイソマルトースとともにイソ
マルトデキストリンを含有する糖液をカラムに流すに際
し、既に得られているイソマルトデキストリン・イソマ
ルトース高含有画分を流した後に、固形物当り7%以上
のイソマルトースとともにイソマルトデキストリンを含
有する糖液を流し、次いで既に得られているイソマルト
ース・グルコース高含有物を流すことを特徴とするイソ
マルトース高含有粉末の製造方法。 6.固形物当り7%以上のイソマルトースとともにイソ
マルトデキストリンを含有する糖液をカラムに流すに際
し、既に得られているイソマルトデキストリン高含有画
分および/またはグルコース高含有画分をグルコアミラ
ーゼで処理して固形物当り7%以上のイソマルトースと
ともにイソマルトデキストリンを含有する糖液に変換し
て用いることを特徴とする特許請求の範囲第4項または
第5項記載のイソマルトース高含有粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23286888A JP2787689B2 (ja) | 1988-09-17 | 1988-09-17 | イソマルト−ス高含有粉末とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23286888A JP2787689B2 (ja) | 1988-09-17 | 1988-09-17 | イソマルト−ス高含有粉末とその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56171179A Division JPS5872598A (ja) | 1981-10-26 | 1981-10-26 | 高純度イソマルト−スの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01146890A JPH01146890A (ja) | 1989-06-08 |
JP2787689B2 true JP2787689B2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=16946086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23286888A Expired - Lifetime JP2787689B2 (ja) | 1988-09-17 | 1988-09-17 | イソマルト−ス高含有粉末とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2787689B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6518051B1 (en) * | 1991-04-11 | 2003-02-11 | The Trustees Of The University Of Pennsylvania | Saccharide compositions, methods and apparatus for their synthesis |
CN114959123A (zh) * | 2022-06-06 | 2022-08-30 | 南京工业大学 | 一种基于配体交换和位阻效应的混合模式色谱技术分离麦芽三糖料液中单糖和二糖的方法 |
-
1988
- 1988-09-17 JP JP23286888A patent/JP2787689B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01146890A (ja) | 1989-06-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6250477B2 (ja) | ||
JPS6251120B2 (ja) | ||
FI80706B (fi) | Foerfarande foer framstaellning av en produkt med hoeg maltitolhalt och anvaendningen av produkten. | |
US4487198A (en) | Process for producing a high-purity maltose | |
US3806363A (en) | Method for separating fructose | |
JPS6026482B2 (ja) | サイクロデキストリンの製造方法 | |
US4816078A (en) | Process for production of crystalline L-arabinose | |
JP2787689B2 (ja) | イソマルト−ス高含有粉末とその製造方法 | |
KR100508724B1 (ko) | 트레할로오스및당알코올의제조방법 | |
EP1162205B1 (en) | Process for producing 2-O-Alpha-D-Glucopyranosyl-L-ascorbic acid in high content | |
JP2794040B2 (ja) | 高純度イソマルトースの製造方法 | |
US4843156A (en) | Process for producing high-purity oligoglucosylfructosides | |
US4652640A (en) | Crystalline maltopentaose and process for producing the same | |
JPH0450319B2 (ja) | ||
US3969538A (en) | Recovery of enzymes with ion exchangers | |
JPS6030695A (ja) | 吸湿性良好なイソマルト−スを主成分として含有する非発酵性糖の製造法 | |
JPH0331294A (ja) | 新規なオリゴ糖及びその製造方法 | |
JPH0614880B2 (ja) | 高純度マルトースの製造方法 | |
JP2834807B2 (ja) | 精製ラクチュロースの製造法 | |
JP2822240B2 (ja) | 新規な糖類及びその製造方法 | |
JPH0242997A (ja) | 粉末マルトース及び粉末マルチトールの製造法 | |
JPH1146787A (ja) | マンノースの製造方法 | |
JPH06184201A (ja) | マルトペンタオース高含有糖質の製造方法 | |
JP2002051800A (ja) | 単糖の分離取得方法 | |
JP2001231592A (ja) | マンノースの製造方法 |