JP3027897B2 - タンデム圧延機の速度制御方法及び装置 - Google Patents

タンデム圧延機の速度制御方法及び装置

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JP3027897B2
JP3027897B2 JP05058329A JP5832993A JP3027897B2 JP 3027897 B2 JP3027897 B2 JP 3027897B2 JP 05058329 A JP05058329 A JP 05058329A JP 5832993 A JP5832993 A JP 5832993A JP 3027897 B2 JP3027897 B2 JP 3027897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の圧延機を連続的
に配置したタンデム圧延機の速度制御方法及び装置に係
り、特に、構成が簡単でかつ高精度の制御方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来のタンデム圧延機の速度制
御装置の概略を示すブロック図である。ここでは、圧延
機スタンドが5台の場合を例にとって説明する。
【0003】本図が示すように、従来の速度制御装置
は、タンデム圧延機全体の主速度を設定する速度設定器
(設定値をMRHと記す)10,各スタンドの速度を設
定するスタンド速度基準器(基準値をSSRHと記す)
51〜55,自動板厚制御装置あるいは手動介入速度調
整装置の出力信号によりスタンド速度基準器の出力を補
正するスタンド速度補正器31〜34,下流スタンドの
速度補正量に応じて上流スタンドのスタンド速度補正器
の出力をさらに補正するサクセシブ補正器61〜63、
及びスタンド速度基準器の出力あるいは各補正器の出力
と速度設定器の出力とを掛算して各スタンドの速度指令
値を演算する乗算器71〜75から構成されていた。
【0004】上記従来の速度制御装置による速度指令値
の設定方法は以下の通りである。
【0005】各スタンド補正器により設定される速度補
正値をSV1〜SV4,下流スタンドの速度補正値に応じ
た上流スタンドの速度補正をSC1〜SC3とすると、各
スタンドの速度指令値V1〜V5は次式にて表わされる。
【0006】 V5=SSRH5×MRH …(数1) V4=SSRH4×(1+SV4)×MRH …(数2) V3=SSRH3×(1+SV3)×SC3×MRH …(数3) V2=SSRH2×(1+SV2)×SC2×MRH …(数4) V1=SSRH1×(1+SV1)×SC1×MRH …(数5) ここで、SC1〜SC3は一般にサクセシブと呼ばれる。
これらは、あるスタンドの速度補正をした場合、各スタ
ンドのマスフローバランスを保つために、その比率に応
じて下流スタンドの速度を補正するものである。実際に
は、スタンドサクセシブ補正器において、その上流スタ
ンドのスタンド速度補正器の出力を同じ上流スタンドの
スタンド速度基準器出力で割算することにより求められ
る。すなわち、サクセシブSC1〜SC3は次式にて表わ
される。
【0007】 SC3=(1+SV4) …(数6) SC2=(1+SV3)×SC3=(1+SV3)×(1+SV4) …(数7) SC1=(1+SV2)×SC2=(1+SV2)×(1+SV3)×(1+SV4) …(数8) 従って、各スタンドの速度指令値V1〜V5は、(数1)
〜(数5)及び(数6)〜(数8)により以下の通りにな
る。
【0008】 V5=SSRH5×MRH …(数9) V4=SSRH4×(1+SV4)×MRH …(数10) V3=SSRH3×{(1+SV3)(1+SV4)}×MRH …(数11) V2=SSRH2×{(1+SV2)(1+SV3)(1+SV4)}×MRH …(数12) V1=SSRH1×{(1+SV1)(1+SV2)(1+SV3)(1+SV4)} ×MRH …(数13) ここで、自動板厚制御装置及び手動介入速度調整装置か
ら来る速度補正量がない場合、上記(数9)〜(数13)
においてSV1〜SV4=0となる為、各スタンドの速度
指令値V1〜V5は下式となる。
【0009】 V5=SSRH5×MRH …(数14) V4=SSRH4×MRH …(数15) V3=SSRH3×MRH …(数16) V2=SSRH2×MRH …(数17) V1=SSRH1×MRH …(数18) 上記(数14)〜(数18)からわかるように、従来のタ
ンデム圧延機の速度制御装置においては、速度補正を考
慮しなければ、各スタンドの速度指令値はタンデム圧延
機の速度設定値(MRH)と各スタンドの速度基準値
(SSRH)によってのみ決定される。
【0010】なお、上述した従来技術としては、例え
ば、特公平4−50083号公報や特公平4−52162号公報に記
載のものがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の速度制御で
は、各スタンドのマスフローバランスを保つ制御を行う
ために、予め上位計算機により圧延スケジュールに基づ
いて速度基準値SSRHを設定した上に、さらに上述の
サクセシブのような速度補正をすることが必要である。
このため、速度指令を作成するときに、SSRHの計算
誤差にさらにサクセシブの誤差が加わるため、タンデム
圧延機の速度制御の高精度化が難しいという問題が有っ
た。
【0012】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、SSRHの設定及びサクセシブによる速度補
正を不要とし、高精度でマスフローバランスを一定に保
つことができるタンデム圧延機の速度制御方法及び装置
を提供することが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、タンデム圧
延機の各スタンドにおいて、実圧延中に、圧延材または
圧延機あるいはこれら両者の実圧延状態を検出し、この
実圧延状態からマスフロー一定則に基づいて、検出され
た実圧延状態に対応して各スタンドのマスフローバラン
スを一定に保つための速度指令を作成することにより達
成できる。
【0014】
【作用】上記の手段によれば、実圧延中に、直接マスフ
ロー一定則から実圧延状態に応じて各スタンドの速度指
令を作成するので、各スタンドの速度基準値(SSRH)
の設定及びサクセシブのようにマスフローバランスを保
つための特別な速度補正手段は不要になる。従って、S
SRH及びサクセシブの誤差という問題がなくなり、高
精度の速度制御が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。なお、各図面中の同一物あるいは相当物に
は、同じ符号をつけている。
【0016】図1は、本発明を適用したタンデム圧延機
の速度制御装置の1実施例であり、主要な構成をブロッ
ク図で示す。
【0017】本実施例では、5スタンドを一定速度に制
御される基準スタンドとし、この基準スタンドにおける
出側板速度を基準速度として設定する速度設定器(設定
値をMRHと記す)10を設けている。他の1〜4スタ
ンドにおいては、それぞれマスフロー演算器21〜24
を設け、これらは隣接する下流側(すなわち次段)のス
タンドのマスフロー演算器あるいは速度設定器10と接
続する。これにより、各マスフロー演算器は、その次段
のマスフロー演算器の出力(板速度の演算値)、あるいは
速度設定器10の出力(基準速度設定値)を入力し、さ
らに板厚の実績値を採り込んで、マスフロー一定則に基
づいて各スタンドの出側板速度を演算する。さらに、各
マスフロー演算器及び速度設定器10と接続される先進
率演算器41〜45を設ける。各々の先進率演算器は、
実圧延状態に基づいて先進率を演算するとともに、マス
フロー演算器あるいは速度設定器の出力である各スタン
ドの出側板速度を入力し、該出側板速度と先進率から速
度指令値を作成して出力する。
【0018】本実施例の動作の基礎的な点は、次の通り
である。
【0019】各スタンドにおける出側板速度をV1D〜V
5D,各スタンドの出側板厚をh1〜h5とすると(板速度
iD及び板厚hiはi=1,2,3,4,5の順に下流
側になるとする)、マスフロー一定則により下式が成立
する。
【0020】 V4D=(h5/h4)×V5D …(数19) V3D=(h4/h3)×V4D …(数20) V2D=(h3/h2)×V3D …(数21) V1D=(h2/h1)×V2D …(数22) マスフロー演算器21〜24は、上記の(数19)〜(数
22)で表される演算あるいはこれらと等価な演算を行
う。ここでV5Dは基準速度設定値MRHであるから、出
側板厚h1〜h5として板厚実績値を用いることにより各
スタンドのマスフローバランスを一定に保つための出側
板速度V1D〜V5Dを演算することができる。
【0021】さらに、先進率演算器41〜45は後述す
るように実圧延状態に基づいて先進率f1〜f5を算出
し、該先進率とマスフロー演算器21〜24が出力する
出側板速度V1D〜V4D及び基準速度V5Dから、公知の関
係(出側速度=(1+先進率)×ロール周速度)より下式
(数23)〜(数27)で表される演算あるいはこれらと
等価な演算を行い各スタンドの速度指令V1〜V5を作成
する。
【0022】 V5={1/(1+f5)}×V5D …(数23) V4={1/(1+f4)}×V4D …(数24) V3={1/(1+f3)}×V3D …(数25) V2={1/(1+f2)}×V2D …(数26) V1={1/(1+f1)}×V1D …(数27) 上記のように、本実施例ではマスフロー演算器により、
板厚実績値を用いて実圧延中に各スタンドの速度指令を
作成するので、予め上位計算機により圧延スケジュール
から速度基準値SSRHを計算しなくてもよいためSS
RHを設定するスタンド速度基準器は不要になるととも
に、板厚変動に対してマスフローバランスを保つための
スタンド速度補正器及びスタンドサクセシブ補正器も不
要になる。さらに、本実施例は実圧延状態に基づいて先
進率を演算する先進率演算器を備えているので、実圧延
中に先進率が変動しても、その変動に応じて各スタンド
のマスフローバランスを一定に保つための速度指令値を
設定できる。
【0023】図3は、図1の速度制御装置を備えるタン
デム圧延機システムを示す。
【0024】本システムは、電動機101〜105によ
り駆動する5台の圧延機スタンド1〜5を有し、圧延材
200が図中の矢印の方向に圧延されている。各スタン
ドの出側には板厚検出装置111〜115を設け、各ス
タンドのマスフロー演算器及び先進率演算器と接続す
る。さらに、板厚検出装置は、隣接する上流側(すなわ
ち前段の)スタンドのマスフロー演算器とも接続する。
これにより、検出された板厚実績値はマスフロー演算器
21〜24、及びこれらに接続される先進率演算器41
〜45に入力される。入力された板厚実績値から、マス
フロー演算器はスタンド出側の板速度を演算し先進率演
算器に出力する。先進率演算器は、この出力,先進率演
算器に接続されるパルスジェネレータ91〜95を用い
て検出するロール周速度、及び板厚実績値の入力に基づ
いて速度指令を作成する。作成された速度指令は、先進
率演算器と接続する電動機制御装置81〜85に出力
し、該速度指令出力速度指令に基づいて電動機制御装置
81〜85は電動機101〜105の速度を速度指令に
一致するように制御する。なお、先進率の演算に必要な
ロール周速度は、電動機と連動するパルスジェネレータ
91〜95で発生するパルス信号を先進率演算器に入力
し、先進率の演算に必要なロール周速度は該パルス信号
に基づいて先進率演算器において求められる。
【0025】ここで、図3における制御動作を、(数1
9)〜(数22)及び(数23)〜(数27)により説明す
る。
【0026】上記のように、各スタンドの出側板厚は、
各スタンド出側に設置した板厚検出装置により実測した
板厚実績値を使用する。又、各スタンドの入側板厚は、
上流スタンド出側の板厚実績値を当該スタンド直下まで
トラッキングした値を使用する(図中トラッキング装置
は省略している)。すなわち、iスタンド出側の板厚実
績値をhi ,i−1スタンド出側の板厚実績値をiスタ
ンド入側直下までトラッキングした値をHi とすると、
(数19)〜(数22)は下式となる。
【0027】 V4D=(h5/H5)×V5D …(数28) V3D=(h4/H4)×V4D …(数29) V2D=(h3/H3)×V3D …(数30) V1D=(h2/H2)×V2D …(数31) ここで、5スタンド出側速度V5Dをタンデム圧延機全体
の速度基準値(MRH)としているので、 V5D=MRH …(数32) となるから、(数32)及び(数28)〜(数31)より
各スタンドの出側板速度が決定される。
【0028】なお、図3では、板厚検出装置は各スタン
ドあたり1台のみ設けているが、各スタンドの入側及び
出側にそれぞれ設けるなど、各スタンドあたり複数台設
けてもよい。また、入側板厚実績値は、トラッキングせ
ず直接使用することも可能である。
【0029】次に、このようにして求めた各スタンドの
出側板速度と、ロール周速度の実績値より、先進率演算
器が各スタンドの速度指令値を作成する。その際、図3
の先進率演算器においては、指令値作成に必要な先進率
を、板厚検出装置により測定した板厚実績値と、マスフ
ロー一定則により求めた板厚推定値との偏差により先進
率の設定値を適応修正する方法により求める。
【0030】以下、図3の速度制御装置における先進率
の適応修正について説明する。
【0031】図4は先進率の適応修正方法をブロック図
で示したものである。
【0032】ここで、Hi はi−1スタンド出側の板厚
検出装置により測定した板厚実績値をiスタンド入側直
下までトラッキングした値、Vi-1Dはi−1スタンドの
出側板速度であり、これはi−1スタンドのロール周速
度Vi-1R,i−1スタンドの先進率fi-1 より下式にて
求められる。
【0033】 Vi-1D=Vi-1R×(1+fi-1) …(数33) 但し、1スタンドではVi-1Dはタンデム圧延機の直前の
ロール、例えば、ブライドルロールの周速度となる。
【0034】又、ViRはiスタンドのロール周速度、f
iCはiスタンド先進率の適応修正値である。iスタンド
出側直下の板厚推定値hiRは、上記のHi,Vi-1D
iR,fiCを用いて、マスフロー一定則により下式が成
立する。
【0035】 hiR=Hi×(Vi-1D/ViR)×{1/(1+fiC)} …(数34) このマスフロー一定則により求めたスタンド出側板厚推
定値hiRを、板厚検出装置の位置までトラッキングした
ものがhixである。次にiスタンド出側の板厚検出装置
により測定した板厚実績値hi とhixとの比から1を減
算した値に適応修正積分ゲインKiを掛けて積分したも
のを先進率の補正量Δfiとする。すなわち、iスタン
ドの先進率設定値(セットアップ値)をfipとすると、
先進率適応修正値ficを下記式により求める。
【0036】 fic=fip+Δfi …(数35) 以上で述べてきた方法を用いて、より実績値に近い先進
率を求めることができる。
【0037】次に、このようにして求めた先進率と板厚
実績値より各スタンドの速度指令値を求める。各スタン
ドの速度指令値V1〜V5は、(数23)〜(数27),(数
28)〜(数31)及び(数32)より下式にて求められ
る。
【0038】 V5=MRH×{1/(1+f5c)} …(数36) V4=(h5/H5)×{1/(1+f4c)}×V5D …(数37) V3=(h4/H4)×{1/(1+f3c)}×V4D …(数38) V2=(h3/H3)×{1/(1+f2c)}×V3D …(数39) V1=(h2/H2)×{1/(1+f1c)}×V2D …(数40) つまり、タンデム圧延機全体の速度基準値(MRH)が
決まれば、各スタンドの出側板厚実績値及び先進率適応
修正値により、実圧延状態における板厚及び先進率に応
じて、各スタンドのマスフローバランスを一定に保つ速
度指令値を求めることができる。
【0039】図3及び図4で説明した本発明を適用して
成る速度制御装置においては、実圧延中に板厚検出装置
で検出された板厚実績値を用いるマスフロー演算によ
り、SSRHの設定やサクセシブによる速度補正は不要
となる。さらに、上述したような適応修正により先進率
を演算することにより、板厚及び先進率が変動してもマ
スフローバランスを乱さずに圧延を継続できる。
【0040】図5は、本発明の他の実施例である。
【0041】本実施例においては、各スタンドの出側に
先進率演算器と接続される板速度検出装置121〜12
5を設ける。但し、板厚検出装置は先進率演算器とは接
続されない。これにより、板速度検出装置で検出された
板速度実績値は先進率演算器に入力され、先進率の演算
に用いられる。
【0042】本実施例の先進率演算器においては、ロー
ル周速度の実績値及び板速度実績値より、(数33)の
関係を用いて先進率を演算する。すなわち、実績値のみ
から先進率を求める。従って、板速度検出装置の精度が
十分なものであれば、図3の実施例に比べ、より実圧延
状態に近い先進率が得られるから、高精度の速度制御が
可能となる。
【0043】図6は、本発明の別の実施例である。
【0044】本実施例においては、各スタンドの出側
に、速度指令を作成する制御指令出力装置131〜13
5に接続される板速度検出装置121〜125を設け
る。制御指令出力装置131〜135は、マスフロー演
算器21〜25とも接続され、マスフロー演算器の板速
度演算値入力と板速度検出装置からの板厚実績値入力に
基づいて電動機を加減速するための速度指令を作成し、
電動機制御装置81〜85に出力する。電動機制御装置
81〜85は速度指令出力に基づいて、板速度実績値が
板速度演算値に一致するように電動機の速度を制御す
る。
【0045】上記の制御指令出力装置では、板速度実績
値を板速度演算値に一致させるために、例えば、板速度
の実績値と板速度演算値の偏差をなくす方向に電動機の
速度を加速あるいは減速する制御指令を作成して、電動
機制御装置へ出力する。これにより、先進率の演算が不
要となり、板速度を直接制御できるので、高精度でマス
フローバランスを保つことができる。
【0046】以上、本発明の実施例を説明したが、圧延
機スタンドの台数は、上記の各実施例のように5台に限
定されるものではなく、任意の複数台のスタンドを有す
るタンデム圧延機に対して本発明は適用できる。
【0047】また、基準とするスタンドの位置も最終ス
タンドに限らず任意のスタンドでよい。n(=1,2,
…)スタンドを基準スタンドとした場合には、nスタン
ドの板速度VnDをMRHとして、上述した速度指令値の
演算方法に基づいて制御装置を構成すればよい。
【0048】さらに、上記各実施例において、圧延材の
断面形状を検出する手段、例えばプロフィールメーター
を備えて、検出された実績断面形状から断面積の実績値
を求め、これを用いてマスフローを演算してもよい。こ
れにより、より実際に近いマスフローを演算できるの
で、さらに高精度の速度制御が可能となる。
【0049】なお、本発明の速度制御は圧下制御等によ
る板厚制御との併用も可能である。この場合、板厚制御
における板厚設定値が変化しても、特別な速度補正手段
は不要であり、速度制御装置自体で、板厚設定値の変化
に追従して各スタンドのマスフローバランスを一定に保
つことができる。
【0050】上述した本発明の特徴は、言葉をかえてい
えば、各スタンドにおいて実圧延状態を検出して、圧延
中に各スタンド独立に、すなわち、他のスタンドにおけ
る制御信号を用いずに、速度指令を作成する点にある。
これにより、サクセシブのように、一つのスタンドで速
度補正をした場合に、それに応じて他のスタンドも速度
補正を施すような制御、およびSSRHの設定は不要と
なる。上記の実施例では、板厚実績値を用いたマスフロ
ー演算により、各スタンドが独立に速度指令を作成し、
その速度指令に基づいてそれぞれのスタンドの速度制御
を行っているものである。
【0051】なお、本発明は、複数の圧延機スタンドの
うち、少なくとも一つのスタンドに適用することも可能
である。例えば、一つのスタンドについては、板厚実績
値を用いてマスフロー演算により独立に速度指令を作成
し、他のスタンドにおいてはサクセシブによる速度補正
を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各スタンドごとの速度基準値の計算や、板厚制御装置や
手動介入を介した速度の補正が不要であることから、制
御方法及び装置の構成が簡単になるとともに、制御の高
精度化が可能になるという効果がある。さらに、圧延中
に実測した板厚実績値、及び先進率の適応修正値あるい
は実績値により、実圧延状態のマスフローを推定して速
度指令値を作成するので、実圧延中の板厚,先進率の変
動に対して各スタンドのマスフローバランスを乱すこと
のない安定した圧延が実現できるという効果がある。
【0053】また、圧下制御などの板厚制御とともに本
発明を用いれば、製品板厚精度の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した速度制御装置の主要な構成を
示すブロック図。
【図2】従来の速度制御装置の概略を示すブロック図。
【図3】図1の速度制御装置を備えるタンデム圧延機シ
ステムを示す図。
【図4】図3の速度制御装置における先進率の適応修正
方法の説明図。
【図5】本発明の他の実施例であり、先進率の実績値を
演算する場合を示す図。
【図6】本発明の別の実施例であり、板速度を直接制御
する場合を示す図。
【符号の説明】
1〜5…圧延機スタンド、10…速度設定器、21〜2
4…マスフロー演算器、31〜34…速度補正器、41
〜45…先進率演算器、51〜55…速度基準器、61
〜63…サクセシブ補正器、71〜75…乗算器、81
〜85…電動機制御装置、91〜95…パルス発生器、
101〜105…電動機、111〜115…板厚検出装
置、121〜125…板速度検出装置、131〜135
…制御指令作成装置、200…圧延材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−31517(JP,A) 特公 平5−10169(JP,B2) 特公 平2−62327(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/16 - 37/20

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御方法であって、 各スタンド毎に実圧延状態を検出し、前記 実圧延状態からマスフロー一定則に基づいて速度指
    令を求め、 これら求められた各スタンド毎の速度指令によってそれ
    ぞれのスタンドの速度制御を行うことを特徴とするタン
    デム圧延機の速度制御方法。
  2. 【請求項2】複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御方法であって、 各スタンド毎に実圧延状態を検出し、前記 実圧延状態からマスフロー一定則に基づいて板速度
    を求め、 さらに前記実圧延状態に基づいて各スタンド毎に速度指
    令作成のための先進率を求め、 前記板速度及び前記先進率に基づいて各スタンド毎に速
    度指令を作成し、 該速度指令によってそれぞれのスタンドの速度制御を行
    うことを特徴とするタンデム圧延機の速度制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記実圧延状態からマスフロー一定則に基づいて板厚推
    定値を求め、 該板厚推定値及び前記実圧延状態として検出した板厚実
    績値に基づいて、予め定められた先進率の設定値を修正
    することにより速度指令作成のための先進率を求めるこ
    とを特徴とするタンデム圧延機の速度制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記実圧延状態として検出した板速度実績値及びロール
    周速度実績値に基づいて、速度指令作成のための先進率
    を求めることを特徴とするタンデム圧延機の速度制御方
    法。
  5. 【請求項5】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御方法であって、 各スタンド毎に板厚実績値と圧延機のロール周速度実績
    値を検出するとともに、 予め基準スタンドの速度基準値を設定し、 前記速度基準値及び前記板厚実績値からマスフロー一定
    則に基づいて板速度を求め、 さらに、前記板厚実績値及び前記ロール周速度実績値か
    らマスフロー一定則により推定した板厚推定値と、前記
    板厚実績値とに基づいて、予め定められた先進率の設定
    値を修正することにより速度指令作成のための先進率を
    求めて、 前記板速度及び前記先進率に基づいて各スタンド毎の速
    度指令を作成したことを特徴とするタンデム圧延機の速
    度制御方法。
  6. 【請求項6】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御方法であって、 各スタンド毎に板厚実績値と板速度実績値を検出すると
    ともに、 予め基準スタンドの速度基準値を設定し、 前記速度基準値及び前記板速度実績値からマスフロー一
    定則に基づいて板速度を求め、 さらに、前記板厚実績値及び前記板速度実績値とに基づ
    いて速度指令作成のための先進率を求めて、 前記板速度及び前記先進率に基づいて各スタンド毎の速
    度指令を作成したことを特徴とするタンデム圧延機の速
    度制御方法。
  7. 【請求項7】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御方法であって、 各スタンド毎に板厚実績値及び板速度実績値を検出する
    とともに、 予め基準スタンドの速度基準値を設定し、 前記速度基準値及び前記板厚実績値からマスフロー一定
    則に基づいて板速度を求め、 該板速度及び前記板速度実績値に基づいて各スタンド毎
    の速度指令を作成し、 該速度指令によってそれぞれのスタンドの速度制御を行
    うことを特徴とするタンデム圧延機の速度制御方法。
  8. 【請求項8】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御装置であって、 各スタンド毎に実圧延状態を検出する装置と、 前記実圧延状態からマスフロー一定則に基づいて速度指
    令を作成する装置とを備えることを特徴とするタンデム
    圧延機の速度制御装置。
  9. 【請求項9】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム圧
    延機の速度制御装置であって、 各スタンド毎に実圧延状態を検出する装置と、 前記実圧延状態からマスフロー一定則に基づいて板速度
    を演算する装置と、 前記実圧延状態に基づいて速度指令作成のための先進率
    を演算し、前記板速度及び前記先進率に基づいて、各ス
    タンド毎に速度指令を作成する装置とを備えることを特
    徴とするタンデム圧延機の速度制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記速度指令を作成する装置が、前記実圧延状態からマ
    スフロー一定則に基づいて板厚推定値を演算し、該板厚
    推定値及び前記実圧延状態として検出した板厚実績値に
    基づいて、前記先進率の設定値を修正することにより速
    度指令作成のための先進率を演算することを特徴とする
    タンデム圧延機の速度制装置。
  11. 【請求項11】 請求項9において、 前記速度指令を作成する装置が、前記実圧延状態として
    検出した板速度実績値及びロール周速度実績値に基づい
    て、速度指令作成のための先進率を演算することを特徴
    とするタンデム圧延機の速度制御装置。
  12. 【請求項12】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム
    圧延機の速度制御装置であって、 各スタンド毎に板厚実績値と圧延機のロール周速度実績
    値を検出する装置と、 基準圧延機スタンドの速度基準値を設定する装置と、 前記速度基準値及び前記板厚実績値からマスフロー一定
    則に基づいて板速度を演算する装置と、 前記板厚実績値及び前記ロール周速度実績値からマスフ
    ロー一定則により推定した板厚推定値と、前記板厚実績
    値とに基づいて、予め定められた先進率の設定値を修正
    することにより速度指令作成のための先進率を演算し、
    前記板速度及び前記先進率に基づいて各スタンド毎の速
    度指令を作成する装置とを備えることを特徴とするタン
    デム圧延機の速度制御装置。
  13. 【請求項13】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム
    圧延機の速度制御装置であって、 各スタンド毎に板厚実績値と板速度実績値を検出する装
    置と、 基準圧延機スタンドの速度基準値を設定する装置と、 前記速度基準値及び前記板厚実績値からマスフロー一定
    則に基づいて板速度を演算する装置と、 前記板厚実績値及び前記板速度実績値とに基づいて速度
    指令作成のための先進率を演算し、前記板速度及び前記
    先進率に基づいて各スタンド毎の速度指令を作成する装
    置とを備えることを特徴とするタンデム圧延機の速度制
    御装置。
  14. 【請求項14】 複数の圧延機スタンドを有するタンデム
    圧延機の速度制御装置であって、 各スタンド毎に板厚実績値と板速度実績値を検出する装
    置と、 基準圧延機スタンドの速度基準値を設定する装置と、 前記速度基準値及び前記板厚実績値からマスフロー一定
    則に基づいて板速度を演算する装置と、 該板速度及び前記板速度実績値に基づいて各スタンド毎
    の速度指令を作成する装置とを備えることを特徴とする
    タンデム圧延機の速度制御装置。
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