JP2000288613A - 圧延機の自動板厚制御方法 - Google Patents

圧延機の自動板厚制御方法

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JP2000288613A
JP2000288613A JP11101836A JP10183699A JP2000288613A JP 2000288613 A JP2000288613 A JP 2000288613A JP 11101836 A JP11101836 A JP 11101836A JP 10183699 A JP10183699 A JP 10183699A JP 2000288613 A JP2000288613 A JP 2000288613A
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rolling
roll
agc
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Toru Ikezaki
徹 池崎
Yoriyuki Matsuo
順之 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答性の速い高価なAPCを使用することな
く、AGCの応答性を向上させ、製品の歩留まり向上、
寸法精度向上を図る。 【解決手段】 1パス圧延、もしくはリバース圧延にお
いて、温度、板厚偏差などに起因するロールギャップ変
動量Δs、ロールギャップ値Δh、前記ロールギャップ
変動量及びロールギャップ値より算出したロールギャッ
プ変動速度をロール位置制御装置にフィードバックする
ことによりロールギャップを自動調整し、板厚偏差を最
小限にする圧延機の自動板厚制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、厚板、熱
延、冷延、形鋼圧延などの圧延設備における自動板厚制
御(AGC:Automatic Gauge Control)方法、特に、
板厚偏差を速やかに零にするための制御方法である。
【0002】
【従来の技術】従来、各種圧延設備における板厚制御方
法が数多く実施されているが、例えば、自動板厚制御と
してBisra−AGCとRF−AGCの2通りによる
AGC制御にその例を見ることができる。
【0003】Bisra−AGCはギャップ変動量を圧
延荷重値で除した値をロール位置(ギャップ)制御系に
フィードバックし、圧延中の圧延荷重によるミルの伸
び、つまり、ロールギャップの変動量を無くそうとする
ものである。
【0004】RF−AGCは、Bisra−AGCに加
えロールの位置、つまりロールギャップもロール位置
(ギャップ)制御系にフィードバックし、圧延中の圧延
荷重によるミルの伸び、すなわちロールギャップの変動
量を最小限にしようとするものである(例えば特開平8
−24924号公報参照)。
【0005】一般にこの種のAGC制御を行う場合、予
めその制御系に対する制御モードを設定し、さらに制御
系の制御利得(ゲイン)を選定することで、選定された
制御モード及びゲインによってAGC制御が実行され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Bisra−AGC、RF−AGCでは、それぞれのA
GCの応答特性は図13(a)(Bisra−AGC)
及び(b)(RF−AGC)にその制御特性のシミュレ
ーション結果を示すとおり、ロールの位置決め制御装置
(Automatic Positioning Control:以下「APC」と
いう)に比べ著しく遅かった。これが、製品の歩留まり
低下や、製品の寸法精度劣化につながっていた。
【0007】つまり、板厚制御に必要なAGCの応答性
を得るためには、必要以上に速い応答性のAPC装置が
必要となり、これが設備費の高騰に結びついていた。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、必要以
上に応答性の速い高価なAPCを使用することなく、A
GCの応答性を向上させ、製品の歩留まり向上、寸法精
度向上を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、AG
Cの応答性がAPCの応答性と同等もしくは同等以上と
なるように、ロール位置(ギャップ)制御系に圧延中の
圧延荷重によるミルの伸び、つまりロールギャップの変
動量のみならず、ロールの位置及び両者の微分値をもフ
ィードバックし、応答性の飛躍的な改善を行うものであ
る。
【0010】すなわち、本発明の圧延機の自動板厚制御
方法は、1パス圧延、もしくはリバース圧延において、
温度、板厚偏差などに起因するロールギャップ変動量、
ロールギャップ値、前記ロールギャップ変動量及びロー
ルギャップ値より算出したロールギャップ変動速度をロ
ール位置制御装置にフィードバックすることによりロー
ルギャップを自動調整し、板厚偏差を最小限にするもの
である。
【0011】この方法において、圧延機に取り付けた荷
重計により荷重値の変動量を把握し、その荷重値の変動
量を推定ミル剛性で除した値をロールギャップ変動量と
し、ロールギャップ変動速度に荷重計の出力の微分を代
用もしくは併用することができる。また、ロールギャッ
プ変動量とロールギャップ値の微分値をロールギャップ
変動速度とすることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例に基づいて説明する。図1は本発明の実
施例の構成を示すブロック図、図2は図1の構成を伝達
関数で表したブロック線図である。これらの図におい
て、1は圧延機、2は油圧圧下装置、3はロール開度検
出器、4はロードセル、5は演算装置、6はAGC制御
器、7は加算器、8は演算装置、9はコントローラ、1
0はAPC制御器、11は加算器、12はサーボアン
プ、13はサーボ弁である。
【0013】図2における定数及び変数は次の通りであ
る。 M:ミル常数 Mc:推定したミル常数 Q:塑性係数 α:チューニングファクタ ω;APC系応答性 ζ:減衰係数 kp:比例ゲイン kd:微分ゲイン A,B:定数 Δs:ロールギャップ変動量 Δh:ロールギャップ値 ΔH:板厚誤差 ΔF:圧延荷重
【0014】図1と図2を参照して、 (1)圧延中の板厚の変化時もしくは圧延材噛み込み時
において、ロールギャップ値Δhと圧延荷重値ΔFに変
動が生じる。 (2)ロールギャップ値Δhとロールギャップ変動量Δ
sをロール開度検出器3で検出する。また、圧延荷重値
ΔFをロードセル4により検出し、演算装置5を通して
圧延荷重値ΔFによるロールギャップ変動量Δsを求め
る。 (3)次に、これらの値を自動板厚制御器(AGC制御
器)6に入力し、演算装置8でΔs,Δhの微分値を算
出し、ロール位置決め装置(APC制御器)10に制御
入力としてフィードバックすることにより板厚誤差ΔH
を最小限に制御する。 (4)AGC制御器6からの入力より、ロール位置指令
値をサーボアンプ12に入力する。 (5)サーボアンプ12からの指令を受け、サーボ弁1
3が動作し、油圧圧下装置2を動作させる。 (6)ロールギャップ値Δhと圧延荷重値ΔFに変動が
生じれば、(2)〜(5)を繰り返す。
【0015】<第1実施形態>図3に、ロールギャップ
値設定から圧延開始が可能になるまでの自動運転のフロ
ーチャートを示す。図3のステップ100において、ロ
ールギャップ値が設定されると、そのロールギャップ値
は次のステップ110でサーボアンプに入力される。サ
ーボアンプでは、サーボ弁に指令を出力し、ステップ1
20でサーボ弁を動作させる。ステップ130ではロー
ルギャップが設定値になったかどうかを判断し、設定値
になると圧延開始可能状態となる。
【0016】図4に、圧延開始可能となってから圧延荷
重値、ロールギャップ値を検出するまでのフローチャー
トを示す。図4のステップ200において、圧延材が噛
み込むと、ステップ210では圧延荷重値が検出された
かどうかを判断し、検出されるとステップ220で圧延
荷重値を得る。ステップ230では、ロールギャップ値
が検出されたかどうかを判断し、検出されるとステップ
240でそれをロールギャップ値Δhとする。
【0017】図5はロールギャップ変動値Δsを検出す
るブロック図を示すもので、今回検出したロールギャッ
プ値Δhiと前周期のロールギャップ値Δhi-1を演算装
置8で演算し、ロールギャップ変動値Δsを得る。
【0018】図6は制御入力検出からAPC制御器への
制御入力の流れを示すフローチャートであり、圧延荷重
値ΔFは演算装置5により推定ミル剛性によるミルの伸
び(α/Mc)ΔFが算出され、ロールギャップ変動値
Δs、ロールギャップ値Δhとともに加算器7に入力さ
れ、ステップ300で比例微分制御され、ロールギャッ
プ値Δhと加算されてAPC制御器10に入力される。
APC制御器10によりロールギャップ指令値が設定さ
れ(ステップ310)、そのロールギャップ値は次のス
テップ320でサーボアンプに入力される。サーボアン
プでは、サーボ弁に指令を出力し、ステップ330でサ
ーボ弁を動作させる。ステップ340では、図4のステ
ップ200の圧延材噛み込み処理に戻る。
【0019】<第2実施形態>図3〜図5のフローに示
す実施の形態では、ロールギャップ変動量及びロールギ
ャップ値より算出したロールギャップ変動速度をロール
位置制御装置にフィードバックすることによりロールギ
ャップを自動調整するようにしたが、圧延機に取り付け
た荷重計により荷重値の変動量を把握し、その荷重値の
変動量を推定ミル剛性で除した値をロールギャップ変動
量とし、ロールギャップ変動速度に荷重計の出力の微分
値を代用もしくは併用することができる。この場合の、
ロールギャップ値設定から圧延荷重値・ロールギャップ
値検出までの流れは図3及び図4のフローと同じである
ので説明を省略する。
【0020】図7は、ロールギャップ変動値Δsとロー
ルギャップ変動速度Gv、荷重値の微分値を検出するブ
ロック図を示すもので、ロードセルで検出した今回の圧
延荷重値と前周期の圧延荷重値より荷重値の微分値を演
算装置8で算出し、ロールギャップ変動速度Gvとす
る。またステップ220で求めたロールギャップ値Δh
iと前周期のロールギャップ値Δhi-1に基づいてロール
ギャップ変動値Δsを演算装置8で演算する。
【0021】図8は制御入力検出からAPC制御器10
への制御入力の流れを示すフローチャートであり、ロー
ルギャップ値Ga、ロールギャップ変動値Gd、荷重値の
微分値を自動板厚制御装置AGC6に入力し、ロール位
置決め装置APC10に制御入力を行う。ロール位置決
め装置APC10からの入力より、ステップ400でロ
ールギャップ値を設定し、そのロールギャップ値をサー
ボアンプに入力する(ステップ410)。サーボアンプ
からの指令を受け、ステップ420でサーボ弁が動作
し、油圧圧下装置を動作させる。ロールギャップ値Ga
と圧延荷重値に変動が生じれば、ステップ430によ
り、図4のステップ200の圧延材噛み込み処理に戻
る。
【0022】<第3実施形態>次に、ロールギャップ変
動量とロールギャップ値の微分値をロールギャップ変動
速度とする実施形態について説明する。この場合の、ロ
ールギャップ値設定から圧延開始可能までの流れは図3
のフローと同じであるので説明を省略する。
【0023】図9に示すように、ステップ500での圧
延中の板厚の変化時もしくは圧延材噛み込み時におい
て、ロールギャップ値Gaに変動が生じる。そこでロー
ルギャップ値Gaをロール位置検出器で検出し(ステッ
プ510)、前周期のロールギャップ値よりロールギャ
ップ変動値Gdを演算装置で求める(ステップ52
0)。また、図10に示すように、ロールギャップ値の
今回値と前周期の値を演算装置8で算出し、ロールギャ
ップ変動値Gdとロールギャップ変動速度Gvを求める。
【0024】次に、図11に示すようにロールギャップ
値Ga、ロールギャップ変動値Gd、ロールギャップ変動
速度Gvを自動板厚制御装置AGC6に入力し、ロール
位置決め装置APC10に制御入力を行う。ロール位置
決め装置APC10からの入力より、ステップ600で
ロールギャップ値を設定し、ロールギャップ値をサーボ
アンプに入力する(ステップ610)。サーボアンプか
らの指令を受け、サーボ弁が動作し、油圧圧下装置を動
作させる(ステップ620)。ロールギャップ値Gaと
圧延荷重値に変動が生じれば、ステップ630で図9の
ステップ500に戻る。
【0025】
【実施例】以下に、本発明における比例ゲインkpと微
分ゲインkdの求め方について説明する。図2のブロッ
ク線図において、ロールギャップ値Δhと板厚偏差ΔH
との関係は次のようになる。 Δh=G(s)・ΔH ・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0026】ここで、G(s)はシステムの伝達関数
で、(2)式で表される。
【数1】 ・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0027】この伝達関数G(s)で表される系が振動
しないようにゲインkp、kdを選定するための条件を導
く。G(s)の分母多項式をQ(s)として、
【数2】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
【0028】このシステムG(s)を振動させないこと
が条件なので、Q(s)の解が虚数解を持たないように
する。よって、判別式D≧0となり、
【数3】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
【0029】上式より
【数4】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
【0030】よって、微分ゲインkdの選定条件は、
【数5】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
【0031】または、
【数6】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) となる。
【0032】各AGCにおけるパラメーターの関係を表
1に示す。
【表1】
【0033】この設定条件の範囲のうち、微分ゲインk
dが小さくなればRF−AGCに近くなるので、振動し
ない範囲で大きい値が好ましいと考えられる。
【0034】図12に本発明のAGCのシミュレーショ
ン結果を示し、図13(a)、(b)にBisra−A
GC,RF−AGCのシミュレーション結果を示す。こ
れらのシミュレーションにおいて、各パラメータをM=
c=300,Q=600,α=1,ω=62.8,ζ
=0.7として、図13(b)に示すRF−AGCでは
p=1,2,3とした。図12に示す本発明のAGC
ではkp=50,kd=0.5としてシミュレーシヨンを
行った。
【0035】これらの図12及び図13に示された結果
から理解できるように、本発明のAGCでは、板厚偏差
が零に整定するまでの時間が短く、応答性が向上してい
ることが分かる。
【0036】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば下記の
効果を奏する。 (1)AGCにロールギャップ値やロールギャップ変動
値の微分値を新たな制御値として追加することで、AG
Cの応答性を向上させ、板厚偏差を速やかに最小限にす
ることができる。
【0037】(2)従来制御方法では、AGCの応答性
を高めるため、APCの応答性を必要以上に高めること
が必要となり、電動圧下装置の油圧圧下装置への改造、
同じ油圧圧下装置でも、より高価な応答性の油圧圧下装
置への設備更新が必要であったものが、APC制御設備
は既存のままで、AGC制御部のみの設定変更をするこ
とで容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 図1の構成を伝達関数で表したブロック線図
である。
【図3】 第1実施形態におけるロールギャップ値設定
から圧延開始可能になるまでの処理を示すフローチャー
トである。
【図4】 第1実施形態における圧延開始可能から圧延
荷重値・ロールギャップ値の検出までの処理を示すフロ
ーチャートである。
【図5】 第1実施形態におけるロールギャップ変動値
検出をするための構成を示すブロック図である。
【図6】 第1実施形態における制御入力検出からAP
C制御器への制御入力の流れを示すフローチャートであ
る。
【図7】 第2実施形態におけるロールギャップ変動値
とロールギャップ変動速度を求めるための構成を示すブ
ロック図である。
【図8】 第2実施形態における制御入力検出からAP
C制御器への制御入力の流れを示すフローチャートであ
る。
【図9】 第3実施形態における圧延開始可能から圧延
荷重値・ロールギャップ値の検出までの処理を示すフロ
ーチャートである。
【図10】 第3実施形態におけるロールギャップ変動
値とロールギャップ変動速度を求めるための構成を示す
ブロック図である。
【図11】 第3実施形態における制御入力検出からA
PC制御器への制御入力の流れを示すフローチャートで
ある。
【図12】 本発明の制御方法のシミュレーション結果
を示すタイムチャートである。
【図13】 Bisra−AGC及びRF−AGCのシ
ミュレーション結果を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 圧延機、2 油圧圧下装置、3 ロール開度の検出
器、4 ロードセル、5演算装置、6 AGC制御器、
7 加算器、8 演算装置、9 コントローラ、10
APC制御器、11 加算器、12 サーボアンプ、1
3 サーボ弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1パス圧延、もしくはリバース圧延にお
    いて、温度、板厚偏差などに起因するロールギャップ変
    動量、ロールギャップ値、前記ロールギャップ変動量及
    びロールギャップ値より算出したロールギャップ変動速
    度をロール位置制御装置にフィードバックすることによ
    りロールギャップを自動調整し、板厚偏差を最小限にす
    ることを特徴とする圧延機の自動板厚制御方法。
  2. 【請求項2】 圧延機に取り付けた荷重計により荷重値
    の変動量を把握し、その荷重値の変動量を推定ミル剛性
    で除した値をロールギャップ変動量とし、ロールギャッ
    プ変動速度に荷重計の出力の微分値を代用もしくは併用
    することを特徴とする請求項1記載の圧延機の自動板厚
    制御方法。
  3. 【請求項3】 ロールギャップ変動量とロールギャップ
    値の微分値をロールギャップ変動速度とすることを特徴
    とする請求項1記載の圧延機の自動板厚制御方法。
JP11101836A 1999-04-08 1999-04-08 圧延機の自動板厚制御方法 Withdrawn JP2000288613A (ja)

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